JPH10182920A - 記録表示媒体及びその使用方法 - Google Patents

記録表示媒体及びその使用方法

Info

Publication number
JPH10182920A
JPH10182920A JP8355468A JP35546896A JPH10182920A JP H10182920 A JPH10182920 A JP H10182920A JP 8355468 A JP8355468 A JP 8355468A JP 35546896 A JP35546896 A JP 35546896A JP H10182920 A JPH10182920 A JP H10182920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
recording
display medium
polymer
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8355468A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Baba
淳 馬場
Hidetoshi Ozawa
英敏 男澤
Yoshiaki Konase
良紀 木名瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP8355468A priority Critical patent/JPH10182920A/ja
Publication of JPH10182920A publication Critical patent/JPH10182920A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶/高分子複合膜の強度に優れ、更には複
合膜の基板に対する密着性、更には複合膜に対する保護
層の密着性に優れる記録表示媒体を提供すること。 【解決手段】 スメクチック液晶が高分子マトリックス
中に分散してなる液晶/高分子複合膜を導電性基板上に
形成してなる記録表示媒体において、上記高分子マトリ
ックスが下記式Aで表される反復単位を有し、且つその
平均分子量が20万〜80万であるポリマーであること
を特徴とする記録表示媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界や熱に対して応答
性を有し、各種情報の表示や記録を行うことができるス
メクチック液晶/高分子複合膜を用いた記録表示媒体及
びその使用方法に関し、かかる記録表示媒体は書き換え
可能カード、ディスプレイ、その他の記録表示媒体等と
して幅広く使用することができる。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶は表示材料として種々の機器
で応用され、時計、電卓、小型テレビ等に実用化されて
いる。これらの液晶としてはネマティック液晶を用い、
TN型或はSTN型と呼ばれる表示方式のものが採用さ
れている。この種の表示素子は、透明電極を有する液晶
セル中に液晶を封入し、両面に偏光板を設けたものから
構成されているが、偏光板を用いているため、視野角が
狭く、輝度が不足しているので、高消費電力のバックラ
イトを必要とし、又、セル厚を均一にする必要から大面
積化が困難であり、しかも構造が複雑で、製造コストが
高い等の問題がある。
【0003】このような問題を解決する液晶表示媒体と
して、最近、液晶を高分子マトリクス中に分散させた液
晶/高分子複合膜を用いた液晶分散型素子が注目を浴び
ている。このうち、スメクチック液晶を利用するもの
は、液晶を配向させるための外部エネルギーが除去され
た後も、液晶の配向状態が維持されるためにメモリー性
を持ち、書換可能な記録表示媒体として有用である。こ
のスメクチック液晶を利用した書換可能な記録表示媒体
には、液晶/高分子複合膜を導電性基板上に形成し、必
要に応じて記録表示面に保護層が設けられたものである
が、従来のこのような記録表示媒体においては、液晶/
高分子複合膜の強度が不十分であり、耐久性に問題があ
り、更には複合膜の基板に対する密着性、更には複合膜
に対する保護層の密着性が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、液晶/高分子複合膜の強度に優れ、更には複合膜の
基板に対する密着性、更には複合膜に対する保護層の密
着性に優れる記録表示媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
により達成される。即ち、本発明は、スメクチック液晶
が高分子マトリックス中に分散してなる液晶/高分子複
合膜を導電性基板上に形成してなる記録表示媒体におい
て、上記高分子マトリックスが下記式Aで表される反復
単位を有し、且つその平均分子量が20万〜80万であ
るポリマーであることを特徴とする記録表示媒体であ
る。
【0006】液晶/高分子複合型の記録表示媒体の高分
子マトリックスとして、特定の高分子マトリックスを用
いることによって、液晶/高分子複合膜の強度に優れ、
更には複合膜の基板に対する密着性、及び複合膜に対す
る保護層の密着性に優れる記録表示媒体を提供すること
ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。本発明の記録表示媒体に
使用される高分子マトリックスは、下記式Aで表される
反復単位を有し、且つその平均分子量が20万〜80万
であるポリマーである。
【0008】分子量が20万未満であると、得られる液
晶/高分子複合膜の膜強度が低い等の理由で不十分であ
り、一方 分子量が80万を超えると高分子マトリック
スの溶媒に対する溶解度が低くなり、複合膜形成用塗布
液の調製が困難になる等の理由で不十分である。更に好
ましい分子量範囲は30万〜55万である。
【0009】上記ポリマーは式Aの反復単位のみからな
るホモポリマーでもよいが、モル比で10モル%まで、
好ましくは1〜10モル%の他の共重合性モノマーとか
らなるコポリマーであってもよい。共重合性モノマーと
しては、例えば、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、
アクリロニトリル等が挙げられるが、得られる共重合樹
脂のガラス転移点温度が高い等の理由で共重合させるモ
ノマーとしてはスチレンが好適である。
【0010】又、上記ポリマーは、上記ホモポリマー又
はコポリマーの単独で使用することができるとともに、
10重量%まで、好ましくは1〜10重量%の他のポリ
マーとの混合物として使用することもできる。混合する
他のポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアクリ
ロニトリル等が挙げられるが、混合樹脂のガラス転移点
温度が高い等の理由で混合するポリマーとしてはポリス
チレンが好適である。以上の如き高分子マトリックスは
通常の重合方法によっても容易に得られ、又、市場から
も、例えば、商品名PMMA M1002Bの名称で綜
研化学(株)から入手して使用することができる。
【0011】又、本発明の好ましい実施の形態において
は、上記高分子マトリックスに少なくとも1種の可塑剤
を15重量%まで、好ましくは高分子マトリックスの
0.01〜15.0重量%の範囲で添加することができ
る。可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフタレ
ート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシル
フタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、その他、二
塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステ
ル、エポキシ系可塑剤、リン酸エステル等の公知の可塑
剤がいずれも使用可能である。これらの可塑剤を用いる
ことによって、高分子マトリックスの加工性が高まると
同時に、形成される複合膜の柔軟性、弾性、たわみ性等
が増加する等の効果が得られる。
【0012】本発明で使用する液晶としては、従来公知
のいずれのスメクチック液晶でも使用することができる
が、表示画像のコントラストが高く、低温或は高温領域
においてもコントラストの低下や消失が少ない記録表示
媒体を得るには、下記一般式(I)〜(VII)の液晶を
使用することが好ましい。
【0013】 (式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基又はアルコ
キシ基を示す)で表わされる化合物の少なくとも1種
と、下記一般式(II)〜(VII)
【0014】 (式中、R、R、R、R、R及びRは、炭
素数2〜18のアルキル基を、R、R及びR
10は、炭素数2〜18のアルキル基又はアルコキシ基
を、又、Xはハロゲン元素を示す。)
【0015】これらの液晶のうち、前記一般式(I)で
表される炭素数が8〜18の4−アルキル−4’−シア
ノビフェニル或は4−アルコキシ−4’−シアノビフェ
ニルは、常温付近で安定なスメクチック液晶相を示し、
又、液晶/高分子複合膜型記録表示媒体とした場合のコ
ントラストも良好である。これらの化合物は、いずれか
1種を用いてもよいが、より広い温度範囲で、安定なス
メクチック液晶相を示すようにするためには、これらの
化合物から2種以上を適宜選択して組み合わせて用いる
とよい。
【0016】又、炭素数7以下の4−アルキル−4’−
シアノビフェニル或は4−アルコキシ−4’−シアノビ
フェニル化合物は、夫々単独ではスメクチック液晶相は
示さないが、炭素数8〜18の前記化合物をこれらの化
合物に添加することによって、スメクチック液晶相を呈
する温度範囲に調整することができ、又、より安定なス
メクチック液晶相とすることができる。これらの化合物
は既知であり(例えば、艸林著「液晶材料」p229、
講談社1991年発行)、例えば、4−アルキル−4’
ブロモビニルフェニル或は4−アルコキシ−4’−ブロ
モビフェニルをシアン化銅と反応させることにより、対
応する4−アルキル−4’−シアノビフェニル或は4−
アルコキシ−4’−シアノビフェニルを得ることができ
る。これらのある種のものは市販されている。
【0017】しかし、前記一般式(I)で表される化合
物として、スメクチック液晶相−ネマティック液晶相
間、或はスメクチック液晶相−アイソトロピック相間の
相転移温度が高いものを用いると融点も高くなり、記録
表示媒体を低温状態に置いた場合、液晶の配向が乱れて
記録表示部のコントラストの低下や消失等が生じる。従
って、本発明者らは、融点を低く保ちながら、このスメ
クチック液晶相−ネマティック液晶相間、或はスメクチ
ック液晶相−アイソトロピック相間の相転移温度を高温
化するための研究を鋭意進めた結果、前記一般式(I)
で表される化合物に前記一般式(II)〜(VII)で表さ
れる化合物のいずれか1種を添加すると良いことを見出
した。
【0018】前記一般式(II)で表される4−アルキル
フェニル−4−アルコキシ安息香酸エステル化合物は既
知であり(例えば、艸林著「液晶材料」p226及びp
240、講談社1991年発行)、例えば、4−アルキ
ルフェノ−ルと4−アルコキシ安息香酸とから、脱水剤
としてジシクロヘキシルカルボジイミド等を用いたエス
テル化反応により得ることができ、又、この化合物のあ
る種のものは市販されている。
【0019】前記一般式(III)で表される4−アルコ
キシビフェニル−4’−カルボン酸アルキルエステル化
合物は既知であり[例えば、Mol. Cryst. Liq. Crys
t.,37,pp157−188(1976)]、例え
ば、アルカノ−ルと4−アルコキシビフェニル−4’−
カルボン酸とから硫酸等の酸触媒を用いたエステル化反
応により簡便に得ることができる。
【0020】前記一般式(IV)で表される4−アルキ
ル−4”−シアノ−p−テルフェニル化合物は既知であ
り[例えば、Mol. Cryst. Liq. Cryst.,38,pp3
45−352(1977)]、例えば、4−アルキル−
p−テルフェニル−4”−カルボン酸クロライドをアン
モニア水で処理して、4−アルキル−p−テルフェニル
−4”−カルボン酸アミドとし、続いて五酸化リンと反
応させることにより得ることができ、又、この化合物の
ある種のものは市販されている。
【0021】前記一般式(V)で表される4’−シアノ
ビフェニル−4−アルキル安息香酸エステル又は4’−
シアノビフェニル−4−アルコキシ安息香酸エステル化
合物は既知であり(例えば、Fluessige Kristalle in T
abllen II, VED DeutsscherVerlag fuer Grundstoffind
ustrie Leipzig,p287−288,1984)、例え
ば、4−アルキル安息香酸或は4−アルコキシ安息香酸
と4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニルとを脱水剤
としてジシクロヘキシルカルボジイミド等を用いてエス
テル化させる方法により得ることができる。
【0022】前記一般式(VI)で表される4−アルコキ
シビフェニル−4’−カルボン酸−4−ハロフェニルエ
ステル化合物は既知であり[例えば、 Mol. Cryst. Li
q. Cryst.,37 pp157−188(197
6)]、例えば、4−アルコキシビフェニル−4’−カ
ルボン酸と4−ハロフェノ−ルとを脱水剤としてジシク
ロヘキシルカルボジイミド等を用いてエステル化させる
ことにより得ることができる。この化合物中のハロゲン
元素は、どの種類であっても特に支障はないが、フッ素
又は塩素が化学的安定性の面から好ましい。
【0023】前記一般式(VII)で表されるp−フェニレ
ン−ジ−4−アルキル安息香酸エステル化合物、p−フ
ェニレン−ジ−4−アルコキシ安息香酸エステル化合
物、又はp−フェニレン−4−アルキル安息香酸−4−
アルコキシ安息香酸エステル化合物は既知であり[例え
ば、J. Org. Chem.,37(9),p1425(197
2)]、p−アルキルベンゾイルクロライド或はp−ア
ルコキシベンゾイルクロライドを塩基性条件下にヒドロ
キノンと反応させ、次いで、塩基性条件下に、p−アル
キルベンゾイルクロライド或はp−アルコキシベンゾイ
ルクロライドと反応させることにより得ることができ
る。
【0024】これらの一般式(II)〜(VII)で表され
る化合物は、スメクチック液晶相−ネマティック液晶
相、或はスメクチック液晶相−アイソトロピック相間の
相転移温度を高温化するものであり、この相転移温度が
高いほど高温での記録保存性がよく、60℃以上、特に
60〜130℃が好ましい。これを満たすように前記の
各々の化合物種のなかから、炭素数2〜18のいずれか
1種、或は2種以上を適宜選択して組み合わせて用いる
とよい。
【0025】前記一般式(II)〜(VII)で表される化
合物は、前記一般式(I)で表される化合物100重量
部に対して10〜300重量部含有させることが好まし
く、特には20〜240重量部とすることが好ましい。
又、特には、前記一般式(I)で表される化合物と一般
式(II)で表される化合物とを、重量部で80:20
〜30:70、特に好ましくは60:40〜40:60
の比で混合したもの100重量に対して、一般式(IV)
〜(VII)で表される化合物から選択される1種又は2
種以上を1〜200重量部、好ましくは5〜100重量
部含有させると、コントラストが高く、しかも高温のみ
ならず、−40℃というかなりな低温域においてもコン
トラストの低下や消失がない液晶組成物となるために特
に好ましい。
【0026】尚、これらの液晶組成物には、スメクチッ
ク液晶相を破壊しない限度において、他の液晶化合物や
添加剤を添加することができる。特には、コントラスト
比の向上や着色等を目的として、二色性染料を、例え
ば、液晶組成物100重量部あたり1〜10重量部の割
合で混入させると好適である。前記の液晶組成物を用い
て高分子マトリクス中に液晶組成物を分散させた液晶/
高分子複合膜を導電性基板上に形成することによって、
本発明の書換可能な記録表示媒体が得られる。これらの
好ましい例を具体的に示すが、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0027】上記液晶組成物と前記高分子マトリックス
の使用量としては、高分子マトリックス/液晶の混合比
(重量比)が5/95〜50/50であり、液晶の使用
量が少な過ぎると、電圧オン時の透明性が不足するだけ
でなく、膜を透明状態にするために多大の電圧を必要と
する等の点で不十分であり、一方、液晶の使用量が多過
ぎると、電圧オフ時の散乱(濁度)が不足するだけでな
く、膜の強度が低下したりするので好ましくない。
【0028】液晶組成物を高分子マトリックス中に分散
する方法としては、相分離方法やエマルジョン法等の従
来公知の方法がいずれも使用可能であるが、本発明にお
いて有用な方法は相分離方法である。相分離方法では、
前記高分子マトリックス及び上記液晶組成物、その他の
添加剤を溶解することができる有機溶剤を使用して上記
成分を含む溶液を調製し、該溶液を適当な基板面に塗布
した後、溶剤を蒸発させることによって、目的とする液
晶/高分子複合膜を形成することができる。
【0029】好適な溶剤としては、例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、テトラヒド
ロフラン、クロロホルム等が挙げられ、これらの溶剤か
らなる溶液の固形分濃度は約5〜30重量%の範囲とす
ることが好ましい。以上の溶液を用いて、電極基板上に
液晶/高分子複合膜を形成する方法としては、例えば、
スクリーン印刷、メタルマスクを用いたステンシル印
刷、刷毛塗り、スプレーコーティング、ブレードコーテ
ィング、ドクターコーティング等が挙げられる。。
【0030】使用される電極基板(導電性基板)は、従
来公知の記録表示媒体に一般的に使用されているもので
あって、本発明では、従来公知の導電性基板はいずれも
使用可能であり、具体的には、例えば、ITO、SnO
系、ZnO系のような透明導電性材料をガラスや高分
子フイルム等のような透明基板に付着させた一対の電極
基板である。この時、他の一方に不透明導電性基板を用
いる場合には、その電極が反射板としての機能も要求さ
れるため、例えば、アルミニウム反射電極を設けた基板
が好ましい。その基板自体はガラス、高分子フイルム或
いはその他のものであってもよい。
【0031】上記のように電極基板上に液晶/高分子複
合膜を形成した後、室温又は液晶粒子に影響を与えない
程度の温度で乾燥させることによって、液晶/高分子複
合膜が形成される。上記においては、液晶/高分子複合
膜の厚みは、一般的に3〜23μm程度とされ、3μm
未満であると表示のコントラストが低くなり、又、23
μmを越えると駆動電圧が高くなるので好ましくない。
【0032】本発明の好ましい1実施態様として、液晶
組成物粒子が高分子マトリックス中に分散した液晶/高
分子複合膜を、少なくとも一方が透明である一対の導電
性基板間に形成してなる記録表示媒体が挙げられる。こ
の記録表示媒体の駆動は電圧の印加によって情報の消去
を行い、熱の印加によって情報の書き込みが行われる。
【0033】他の好ましい実施態様として導電性基板上
に形成した前記液晶/高分子複合膜上に、必要に応じて
中間層を介して保護層を形成した情報表示媒体が挙げら
れる。この種の書換可能な記録表示媒体は、保護層側か
らの電圧印加により液晶が配向して光が透過して情報が
消去され、加熱によって液晶の配向が乱れて情報の書き
込みが行われる。
【0034】中間層の形成については、上記高分子マト
リクスと同じような樹脂からなる中間層及び熱硬化性樹
脂、紫外線硬化性樹脂或は電子線硬化樹脂、例えば、ポ
リエン−チオール類、ウレタンアクリレート、エポキシ
アクリレート、シリコ−ンアクリレート等の分子中に
(メタ)アクリロイル基を有する重合性アクリレートポ
リマー類、メチルメタクリレート等の単官能又は多官能
のモノマー類等からなる公知の硬化性樹脂等からなる保
護層を設けることによって書換可能な記録表示媒体を形
成することができる。
【0035】この実施態様を情報の書き換え可能なカー
ドを例として説明する。カード用途の場合、用いる電極
基板は1枚とすることができる。電極の基板としては高
分子フイルムが特に好適である。フイルムとしては白色
のポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムが望
ましい。導電層はITO等の透明導電性材料の他に、ア
ルミ等の金属を用いることができる。又、液晶/高分子
複合膜を保護するために、該複合膜上に保護膜を設ける
ことが好ましい。保護膜としては、特に限定されない
が、機械的強度や耐水性等を有する硬化樹脂が好まし
い。
【0036】例えば、UV或は電子線硬化型のポリ(メ
タ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート
等が用いられる。液晶/高分子複合膜上に直接前記保護
層膜を形成することができない場合には、該複合膜と保
護膜の間に、中間層としてポリビニルアルコール等の水
溶性ポリマーの薄膜を形成させてもよい。又、別のシー
ト上に形成した前記の保護膜材料を転写やラミネートし
て硬化させて形成してもよい。カード用途の場合、液晶
と高分子の使用割合はディスプレイの場合とは適性範囲
が異なり、液晶/高分子の割合(重量比)は55/45
〜35/65の範囲が好ましい。又、表示のコントラス
トを上げるために2色性の色素を液晶に含有させること
が好ましい。
【0037】次に、上記の構成のカードへの情報の記録
及び消去について説明する。情報の消去は、液晶/高分
子複合膜層を加熱した後、必要な電界を印加し、液晶分
子を電界方向に配向させることによって行う。電界を印
加する方法としては、コロナ帯電法が特に有効である。
情報の記録は、複合膜層へ必要な熱を加え、熱が加えら
れた部分の液晶分子の配向を乱すことによって行う。熱
を加える方法としては、サーマルヘッドを用いる方法が
好ましい。
【0038】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中「部」とあるのは重量基準
である。液晶組成物の調製 表1に示す液晶化合物を用いて表2に示す液晶組成物を
調製した。
【0039】表1
【0040】
【0041】表2
【0042】物性の測定 上記組成物について、セル厚12μmで、ポリイミド配
向膜を有し、平行ラビング処理を施したセルに注入して
相転移を偏光顕微鏡で観察し、高温時(−2℃/mi
n)の相転移温度を測定した。この結果、I(113)
B(100)SA(10)C)Iは等方性液体、S
スメクチックA相、SはスメクチックX相、Nはネマ
ティック相、Cは結晶を示す)であった。
【0043】実施例1 上記で調製した表2の液晶組成物2部に二色性色素(日
本感光色素製)0.04部を添加した。ポリメチルメタ
クリレート(PMMA M1002B、綜研化学製、平
均分子量30〜55万)2.7部と可塑剤0.3部と溶
剤(トルエン/メチルエチルケトン/酢酸エチル)27
部とからなる溶液30部に、上記液晶組成物を加え、常
温で10時間撹拌溶解して溶液を得た。この溶液を用
い、ITO蒸着白PET基板上にドクターブレードを用
いて塗布し乾燥させて膜厚8μmの液晶/高分子複合膜
の成膜を行なった。更に、液晶/高分子複合膜の全面に
紫外線硬化性樹脂(ウレタンアクリレ−ト)をドクター
ブレードを用いて塗布後、高圧水銀灯(出力120W/
cm)で紫外線を照射して硬化させ膜厚2μmの保護
層として本発明の記録表示媒体とした。
【0044】比較例1 実施例1におけるポリメチルメタクリレートに代えて、
ポリメチルメタクリレート(PMMA BR−113、
三菱レイヨン製、平均分子量3万)を使用し、他は実施
例1と同様にして比較例の記録表示媒体を得た。
【0045】上記実施例1及び比較例1の記録表示媒体
について、それぞれセロハンテープによる剥離試験及び
鉛筆引っ掻き試験を行ったところ、実施例1の場合に
は、剥離試験によって複合膜が剥離することがなく、鉛
筆硬度はHB〜Bであったが、比較例1の場合には、剥
離試験によって複合膜が容易に剥離し、又、鉛筆硬度は
3Bであった。尚、上記実施例及び比較例1の記録表示
媒体は、いずれもコロナ放電(コロナ電圧6.5kv)
により消去状態が得られ、サ−マルヘッド等による感熱
記録によって書込状態が得られた。
【0046】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、液晶/高分
子複合型の記録表示媒体の高分子マトリックスとして、
特定の高分子マトリックスを用いることによって、液晶
/高分子複合膜の強度に優れ、更には複合膜の基板に対
する密着性、及び複合膜に対する保護層の密着性に優れ
る記録表示媒体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 1/1333 1/1333

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スメクチック液晶が高分子マトリックス
    中に分散してなる液晶/高分子複合膜を導電性基板上に
    形成してなる記録表示媒体において、上記高分子マトリ
    ックスが下記式Aで表される反復単位を有し、且つその
    平均分子量が20万〜80万であるポリマーであること
    を特徴とする記録表示媒体。
  2. 【請求項2】 高分子マトリックスが、式Aで表される
    反復単位を90〜100モル%含有する請求項1に記載
    の記録表示媒体。
  3. 【請求項3】 高分子マトリックスが、式Aの反復単位
    99〜90モル%と下記式Bで表される反復単位を1〜
    10%とを含有するコポリマーである請求項1に記載の
    記録表示媒体。
  4. 【請求項4】 高分子マトリックスが、式Aの反復単位
    からなるポリマー99〜90重量%と式Bで表される反
    復単位からなるポリマー1〜10重量%との混合物であ
    る請求項1に記載の記録表示媒体。
  5. 【請求項5】 高分子マトリックスが少なくとも1種の
    可塑剤を含有する請求項1に記載の記録表示媒体。
  6. 【請求項6】 可塑剤の含有量が高分子マトリックスの
    0.01〜15.0重量%である請求項1に記載の記録
    表示媒体。
  7. 【請求項7】 液晶が、下記一般式(I) (式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基又はアルコ
    キシ基を示す)で表わされる化合物の少なくとも1種
    と、下記一般式(II)〜(VII) (式中、R、R、R、R、R及びRは、炭
    素数2〜18のアルキル基を、R、R及びR
    10は、炭素数2〜18のアルキル基又はアルコキシ基
    を、又、Xはハロゲン元素を示す)で表される化合物か
    ら選択される1種又は2種以上とを含有するスメクチッ
    ク液晶混合物である請求項1に記載の記録表示媒体。
  8. 【請求項8】 液晶混合物が、一般式(I)で表される
    化合物の少なくとも1種と、一般式(II)で表される化
    合物の少なくとも1種と、一般式(IV)〜(VII)で表
    される化合物から選択される1種又は2種以上とを含有
    する請求項7に記載の記録表示媒体。
  9. 【請求項9】 液晶/高分子複合膜上に、保護層を設け
    た請求項1に記載の記録表示媒体。
  10. 【請求項10】 情報の記録を熱により行い、情報の消
    去を熱及び電界により行う請求項1に記載の記録表示媒
    体の使用方法。
JP8355468A 1996-12-24 1996-12-24 記録表示媒体及びその使用方法 Pending JPH10182920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8355468A JPH10182920A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 記録表示媒体及びその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8355468A JPH10182920A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 記録表示媒体及びその使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10182920A true JPH10182920A (ja) 1998-07-07

Family

ID=18444128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8355468A Pending JPH10182920A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 記録表示媒体及びその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10182920A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6049366A (en) Polymer stabilized liquid crystals and flexible devices thereof
JP3948799B2 (ja) 3官能化合物および高分子液晶
KR100277525B1 (ko) 기록 표시 매체용 스멕틱 액정 조성물, 기록 표시 매체 및 그의 사용 방법
JP2005258428A (ja) 液晶表示素子
KR100508053B1 (ko) 액정 겔, 겔화제, 액정 디바이스 및 액정 디바이스의 제조 방법
US5851422A (en) Polymeric material for liquid crystal/polymer composite film, record display medium, and use thereof
JPH0782183A (ja) 液晶中間体化合物、液晶性化合物、高分子液晶化合物、高分子液晶共重合体化合物、それらの組成物、液晶素子および記録装置
US6913709B2 (en) Liquid crystalline gel composition, and display medium, display device and display body using same
JPH10182920A (ja) 記録表示媒体及びその使用方法
JPH11236568A (ja) 記録表示媒体用高分子マトリックス、記録表示媒体及びその使用方法
US6059993A (en) Record display medium and use thereof
JPH11271734A (ja) 記録表示媒体及びその記録、消去方法
JPH1152341A (ja) 液晶デバイス
JP2000001675A (ja) 可逆性表示媒体
JP4176599B2 (ja) 表示媒体とそれを用いた表示装置及び可逆表示体
JP2850675B2 (ja) 可逆性表示媒体
JP2000089206A (ja) 記録表示媒体
JP2000098357A (ja) 記録表示媒体の記録方法及び記録装置
JPH11228964A (ja) 記録表示媒体用高分子マトリックス、記録表示媒体及びその使用方法
EP0803525A2 (en) Chiral anisotropic thermosets (cat) in polymer stabilized liquid crystals
JP2000081613A (ja) 記録表示媒体
JP2006251593A (ja) 表示媒体とそれを用いた表示装置と可逆表示体
JP2958411B2 (ja) 液晶・高分子複合膜、それを用いた光学素子およびその製造方法
JPH11271733A (ja) 記録表示媒体
JPH11271764A (ja) 記録表示媒体及び記録表示方法