JPH10181179A - ホットメルトインクの塗布方法 - Google Patents

ホットメルトインクの塗布方法

Info

Publication number
JPH10181179A
JPH10181179A JP34988896A JP34988896A JPH10181179A JP H10181179 A JPH10181179 A JP H10181179A JP 34988896 A JP34988896 A JP 34988896A JP 34988896 A JP34988896 A JP 34988896A JP H10181179 A JPH10181179 A JP H10181179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
hot melt
melt ink
plate
mesh
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34988896A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Makino
研一 牧野
Takeshi Tsujita
剛 辻田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd, Fujicopian Co Ltd filed Critical Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Priority to JP34988896A priority Critical patent/JPH10181179A/ja
Publication of JPH10181179A publication Critical patent/JPH10181179A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットメルトインクを塗布ムラ、とくにモア
レ様の縞模様を生じることなく、被印刷体上にベタ塗り
する方法を提供すること。 【解決手段】 フレキソ印刷方式の版胴に装着する版材
として版面の全面に均等に凹凸を設けたものを用い、該
版材の凹部にホットメルトインクを充填し、ついで該イ
ンクを被印刷体に転移させる塗布方法であって、被印刷
体の流れ方向に対するアニロックスロールのメッシュの
角度Aと被印刷体の流れ方向に対する版材のメッシュの
角度Bが、下記式(I)を満足することを特徴とするホ
ットメルトインクの塗布方法。 15° ≦ |A−B| ≦ 35° (I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルトイン
クを被印刷体に塗布する方法に関する。とくに、熱溶融
転写記録方式で多色もしくはフルカラー画像を形成する
のに使用されるカラー熱転写記録媒体の製造において、
被印刷体に相当する帯状の支持体上に複数色のホットメ
ルトインクを塗布するのに有利に適用される塗布方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワードプロセッサーやパーソナル
コンピュータなどにおけるプリンタのカラー化が急激に
広まり、高品質な出力画像が要求されるようになってき
た。
【0003】これらプリンタにおける印字方式としては
インクジェット方式、昇華転写方式、熱溶融転写方式な
どがあるが、とくに熱溶融転写方式の場合それに用いる
熱転写記録媒体のインク塗布面の品質が画像の品質に大
きく影響することから、より均一なインク塗布面品質を
有する熱転写記録媒体が要求されている。
【0004】前記熱転写記録媒体は、ポリエステルフィ
ルムなどの支持体に熱溶融性インクをベタに塗布したも
のである。熱溶融性インクの塗布方法には溶剤型インク
を用いる方法と無溶剤型のホットメルトインクを用いる
方法とがある。
【0005】前記ホットメルトインクをベタに塗布する
場合、従来フレキソ印刷方式の版胴に装着するフレキソ
版にかえて版面に凸部のないベタ版を用いる方法で行わ
れていた。
【0006】図5は従来のベタ塗り方法に用いる印刷装
置の1例を示す概略一部断面側面図である。1は版面に
凸部のないベタ版10が装着されている版胴、2は圧
胴、3はアニロックスロール、4はファンテンロール、
5はインクパン、6はドクターブレードである。版胴
1、アニロックスロール3、ファンテンロール4および
インクパン5はホットメルトインクの融点以上に加熱さ
れている。
【0007】インクパン5中の溶融状態のホットメルト
インク7はファンテンロール4からアニロックスロール
3へ供給され、アニロックスロール3のセルの形状、深
度などとドクターブレード6によってインク量を調整し
て版胴1のベタ版10の版面に供給される。熱転写記録
媒体のばあいはその支持体に相当する被印刷体8を圧胴
2とベタ版10との間を通し加圧して、版面上のインク
7を被印刷体8上に転移させることによって印刷が行な
われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記フ
レキソ印刷方式によるベタ塗布方法では、アニロックス
ロール3上に生じているインク付着量のムラ(ファンテ
ンロール4などで発生し、アニロックスロール3におい
ても解消されないインク付着量のムラを含む、以下同
様)が版面のインク付着量のムラとなり、このムラがそ
のまま被印刷体8上に転移されたインク塗布面に表われ
てしまうという問題があった。
【0009】前記塗布ムラの発生は、とくにカラー用熱
転写記録媒体において大きな問題となる。それは、各色
インクの塗布ムラが生じると、各色インクの重ね合せに
よる所望の減法混色が生じず、色再現性が悪くなるため
である。
【0010】また近年高品質の出力画像が要求されるに
伴い、熱転写記録媒体の薄膜化の要求が高まりつつある
が、インク層の薄膜化により前記インク塗布ムラがます
ます顕在化するようになった。
【0011】本発明の一つの目的は、ホットメルトイン
クを塗布ムラなく被印刷体上に塗布する方法を提供する
ことにある。
【0012】本発明の他の目的は、塗布ムラのないホッ
トメルトインク層を有する高品質な熱転写記録媒体の製
造法を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)フレキ
ソ印刷方式の版胴に装着する版材として版面の全面に均
等に凹凸を設けたものを用い、該版材の凹部にホットメ
ルトインクを充填し、ついで該インクを被印刷体に転移
させる塗布方法であって、被印刷体の流れ方向に対する
アニロックスロールのメッシュの角度Aと被印刷体の流
れ方向に対する版材のメッシュの角度Bが、下記式
(I)を満足することを特徴とするホットメルトインク
の塗布方法に関する。
【0014】 15° ≦ |A−B| ≦ 35° (I) 本発明はさらに、(2)複数色のホットメルトインクを
単一の帯状の被印刷体に順次繰返し単位で配列して塗布
することを特徴とする前記(1)項記載のホットメルト
インクの塗布方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、フレキソ印刷
方式の版胴に装着する版材として版面の全面に均等に凹
凸を設けたものを用い、凹部にインクを溜めることによ
り、アニロックスロールで生じたインクの付着ムラに起
因する塗布ムラを防止できると共に、被印刷体の流れ方
向に対するアニロックスロールのメッシュの角度Aと被
印刷体の流れ方向に対する版材のメッシュの角度Bが、
前記式(I)を満足することにより、モアレ様の縞模様
が塗布面に発生するのを防止でき、塗布ムラなくホット
メルトインクをベタ塗布することができる。
【0016】また前記塗布方法によるときは、塗布ムラ
のない複数色のホットメルトインク層を有する高品位な
熱転写記録媒体がえられる。
【0017】つぎに図面を参照して本発明の方法を説明
する。
【0018】図1は本発明の方法に用いる印刷装置の一
実施例を示す概略側面図である。図1において、図5と
同一符号のものは同一の部材を示す。
【0019】図1において、20は版材であり、版材2
0の版面には均等に凹凸が設けられている。21は版面
の凹部、22は版面の凸部を示す。
【0020】図2(a)は版材20の一実施例を示す部
分平面図、図2(b)はそのX−X線断面図である。こ
の実施例における版材20においては、截頭円錐台形状
の凸部22が規則的に配列されており、凸部22以外の
部分が凹部21を構成している。このように、凹部21
は版面全面に亘って連続している。
【0021】図2(a)、(b)において、Pはメッシ
ュ(網目)のピッチを示し、最小の距離で隣接する凸部
22の距離を意味する。Dは凹部の深度を示し、凸部2
2の頂部22aが形成する平面から凹部の最低部での深
さを意味する。また凸部の面積率は、単位面積内中の凸
部22の頂部22aの面積の占める割合をいう。
【0022】本発明においては、アニロックスロール3
から供給されるホットメルトインクを版材20の凹部2
1に溜めて、被印刷体8に転移させる。このようにホッ
トメルトインクを版材20の版面に連続して存在する凹
部21に溜めることによって、アニロックスロール3の
インク付着ムラに起因して生じる版面のインク付着ムラ
が緩和され、その結果被印刷体8上に転移されたインク
の塗布ムラが低減される。
【0023】なお、ここでいう塗布ムラは不規則なもの
であり、図1に示されるごとき版面の凹凸に対応する規
則的な塗布ムラとは異なる。
【0024】前記版面の凹凸に対応する規則的な塗布ム
ラは、版材20の凸部22にはインクが実質的に乗せら
れないため、該凸部に対応する被印刷体上の部位のイン
ク付着量が凹部に対応する部位のインク付着量より少な
くなることにより生じる。この塗布ムラはインクのレベ
リング作用によりそれほど大きな厚さムラではなく、し
かも規則的なものでありかつ面方向の寸法が0.1mm
オーダーの微小なものであるから、えられる画像の肉眼
で観察可能な品質にはほとんど影響しない。
【0025】これに対して、前記アニロックスロールの
インク付着量のムラに起因する塗布ムラは、図6に示さ
れるごとく不規則なものであり、かつ肉眼で見えるmm
単位ないしcm単位以上の大きなものであるから、えら
れる画像の品質に大きく影響する。図6において、領域
Yは前記規則的な塗布ムラのある領域を示し、領域Zは
前記不規則な塗布ムラのある領域を示す。
【0026】本発明においては、さらに、被印刷体の流
れ方向に対するアニロックスロール3のメッシュの角度
Aと被印刷体の流れ方向に対する版材20のメッシュの
角度Bが、下記一般式(I)を満足するようにする。
【0027】 15° ≦ |A−B| ≦ 35° (I) 図3は、アニロックスロール3と版材20におけるメッ
シュの配列を示す模式図であり、矢印Cは被印刷体の流
れ方向である。版材20におけるメッシュの角度Bは、
最小の距離で隣接する凸部22の中心を結んでえられる
直線bと被印刷体の流れ方向とのなす角度である。アニ
ロックスロール3の角度Aは、最小の距離で隣接するセ
ル3aの中心を結んでえられる直線aと被印刷体の流れ
方向とのなす角度である。ここで、直線a、bと被印刷
体の流れ方向とのなす角度は、直線a、bと流れ方向を
示す直線との交点から流れ方向と反対方向に延びる基線
を想定し、この基線と直線a、bとのなす角度とする。
また直線a、bは前記基線とのなす角度が鋭角になるよ
うに選択する。
【0028】本発明者らは、アニロックスロール3のメ
ッシュと被印刷体の流れ方向とのなす角度が45°のと
き、版材20のメッシュと被印刷体の流れ方向とのなす
角度が同様に45°またはその近傍の値であるとき、モ
アレ様の縞模様が塗布面に発生しやすいことを見出し
た。
【0029】ここで、モアレとは、一般的には点や細か
い線が幾何学的に規則正しく記録されている2枚のフィ
ルムなどを重ね合わせたときに生じる光学的な干渉パタ
ーンをいうが、本発明におけるごときインクをフィルム
に塗布するばあいには、モアレに似た縞模様が塗布面に
生じる不具合をいう。
【0030】本発明においては、被印刷体の流れ方向に
対するアニロックスロール3のメッシュの角度A(通常
45°に設定されている)と被印刷体の流れ方向に対す
る版材20のメッシュの角度Bとの差|A−B|が15
°〜35°、なかんづく25°〜35°の範囲になるよ
うに版材20のメッシュの角度Bを規定することによ
り、モアレ様の縞模様の発生を防止し、塗布ムラなくホ
ットメルトインクを塗布することができる。|A−B|
の値が前記範囲を外れるときは、モアレ様の縞模様が発
生しやすい。
【0031】本発明においては、版材20におけるメッ
シュのピッチ、凸部の面積率および凹部の深度はインク
の塗布量に応じて設定することが好ましいが、通常メッ
シュのピッチは40〜260μm、凸部の面積率は10
〜30%、凹部の深度は3〜65μmの範囲から適宜選
択される。
【0032】版材20の材料としては従来のフレキソ版
の材料がそのまま採用できる。ゴム版、樹脂版、金属版
(銅板、鉛板など)などがあげられるが、メッシュを版
面の全面に均質に加工する点からとくに樹脂版が好まし
い。樹脂版の材料としては、耐熱性ポリウレタン樹脂、
ブタジエン−アクリル系樹脂などがあげられる。
【0033】版材20の凸部22の形状は截頭円錐台形
状に限定されるものではなく、六角錐台などの角錐台な
ど各種形状があげられる。
【0034】版材20に均等な凹凸を設ける方法として
は通常の写真製版技術が採用できる。
【0035】本発明においては、版材を前記特定のもの
にかえ、その凹部にインクを溜めて転移させる点を除い
ては、従来のフレキソ印刷方法および印刷装置の構成が
特に大きな変更を要せず、採用できる。
【0036】たとえば、アニロックスロール3へのイン
クの供給は、図1に示されるごとくファンテンロール4
によって行なってもよく、あるいはアニロックスロール
3を直接インクパン5に浸漬するようにしてもよい。
【0037】また複数色のホットメルトインクを塗布す
るばあいの印刷装置の型式は、ドラム型、スタック型、
インライン型のいずれであってもよい。
【0038】アニロックスロール3としては、セル容積
4〜30cm3/m2、ピッチ50〜500μmのものが
好ましい。
【0039】本発明に用いるホットメルトインクはとく
に制限されず、用途により適宜選択されるものである。
【0040】本発明の塗布方法が好適に適用される熱転
写記録媒体に使用されるホットメルトインクは、着色剤
と熱溶融性ビヒクルとからなるものであり、従来のもの
がとくに制限されず使用できる。熱溶融性ビヒクルとし
てはワックスを主体として、必要に応じて熱可塑性樹脂
を配合したものが使用できる。
【0041】前記ワックスとしては、たとえばラノリ
ン、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタ
ンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス;パ
ラフィンワックス、イソパラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワッ
クス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、フィ
ッシャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マ
レイン酸共重合ワックスなどの合成ワックス;ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ドコサ
ノールなどの高級脂肪族アルコール;高級脂肪酸モノグ
リセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪
酸エステルなどのエステル類;オレイルアミドなどのア
ミド類およびビスアミド類などの1種または2種以上が
適宜使用できる。
【0042】前記熱可塑性樹脂(エラストマーを含む)
としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン
系共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルア
ルコール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチ
レン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、
ポリイソブチレン、ポリブテンなどの1種または2種以
上が適宜使用できる。
【0043】ホットメルトインクに用いる着色剤として
は、カーボンブラックをはじめとして、各種有機、無機
の顔料、染料が使用できる。
【0044】減法混色を利用して多色ないしフルカラー
の印像を形成するために用いるイエロー、マゼンタおよ
びシアンの着色剤としては透明性の着色剤が好ましく用
いられる。
【0045】イエローの透明性着色剤としては、たとえ
ばベンジジンエロー、ベンジジンエローG、ベンジジン
エローGR、ハンザエロー5G、ナフトールエローSな
どの有機顔料やオーラミンなどの染料の1種または2種
以上が用いられる。
【0046】マゼンタの透明性着色剤としては、たとえ
ばブリリアントカーミン6B、ブリリアントカーミンB
S、パーマネントレッド4R、ローダミンレーキB、キ
ナクリドン系などの有機顔料やローダミンなどの染料の
1種または2種以上が用いられる。
【0047】シアンの透明性着色剤としては、フタロシ
ニアニンブルー、無金属フタロシニアニンブルーなどの
有機顔料やビクトリアブルーなどの染料の1種または2
種以上が用いられる。
【0048】ここで、前記透明性顔料とは、透明なビヒ
クル中に分散させたとき、透明なインクを与える顔料を
いう。
【0049】なおイエロー、マゼンタおよびシアンの3
色の重ね合わせによる減法混色によっては鮮明な黒色を
うるのが困難なばあいは、たとえばカーボンブラック、
ニグロシンベースなどの黒色着色剤を含有する黒インク
を用いてもよい。このような目的の黒インクは他の色の
インクと重ね合せないか、あるいは重ね合せるばあいは
他の色のインクの一番上に重ね合せるので、不透明なも
のが好ましい。
【0050】ホットメルトインク中における着色剤の含
有量は、5〜60重量%程度が好ましい。
【0051】ホットメルトインクにはその他必要に応じ
て分散剤、帯電防止剤などを配合してもよい。
【0052】本発明に用いるホットメルトインクは融点
が60〜85℃の範囲、溶融粘度が30〜1000cp
s/90℃にあるものが好ましい。融点が前記範囲より
高いと印刷機の加熱に過大なエネルギーを必要とするか
ら好ましくない。一方融点が前記範囲より低いと、室温
での固化時間が長くなり、冷却装置が必要となる。また
溶融粘度が前記範囲より高いと、インクのレベリング作
用が乏しく好ましくない。一方溶融粘度が前記範囲より
低いと、塗布時に泳ぎが発生し面質不良となる。
【0053】印刷機のインクパン5、ファンテンロール
4、アニロックスロール3および版胴1の加熱温度はホ
ットメルトインクの融点より5〜50℃高い温度が好ま
しい。加熱温度が前記範囲より高いと、版材の耐熱性に
よってはメッシュ形状の変形の惧れがある。加熱温度が
前記範囲より低いと、被印刷体にインクが転写されにく
くなる。
【0054】本発明の塗布方法はとくに多色またはフル
カラー画像を形成するためのカラー熱転写記録媒体の製
造に好適に適用しうるものである。
【0055】かかるカラー熱転写記録材料の一つの実施
態様のものは、単一の支持体上に、イエローのホットメ
ルトインク層、マゼンタのホットメルトインク層および
シアンのホットメルトインク層、ならびに要すればブラ
ックのホットメルトインク層を並べて配置したものであ
る。前記各色のインク層の配置方法としては種々の態様
があげられ、プリンターの種類に応じて適宜選択され
る。
【0056】図4は前記実施態様の熱転写記録媒体の一
実施例を示す部分平面図である。図4において、単一の
支持体50上にイエローのホットメルトインク層51
Y、マゼンタのホットメルトインク層51Mおよびシア
ンのホットメルトインク層51Cが並べて配置されてい
る。インク層51Y、51Mおよび51Cはそれぞれ一
定の大きさを有し、それらの一定順序の並びを1つの繰
返し単位Uとして支持体50の長手方向に繰返し並べて
配置されている。繰返し単位Uにおける3色のインク層
の並べ方の順序は各色の転写順序にしたがって適宜決め
られる。繰返し単位Uにはブラックのインク層を加えて
もよい。
【0057】多色またはフルカラーの印像を形成するた
めのカラー熱転写記録媒体の他の実施態様のものは、1
つの支持体上にイエローのホットメルトインク層を設け
た第1の熱転写記録媒体、他の支持体上にマゼンタのホ
ットメルトインク層を設けた第2の熱転写記録媒体、お
よびさらに他の基材上にシアンのホットメルトインク層
を設けた第3の熱転写記録媒体、ならびに要すればさら
に他の支持体上にブラックのホットメルトインク層を設
けた第4の熱転写記録媒体のセットからなるものであ
る。
【0058】前記熱転写記録媒体における支持体として
は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルムなど
のポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、
ポリアミドフィルム、アラミドフィルム、その他この種
のインクリボンの支持体用フィルムとして一般に使用さ
れている各種のプラスチックフィルムが使用できる。ま
たコンデンサーペーパーのような高密度の薄い紙を使用
してもよい。支持体の厚さは通常1〜10μm程度であ
る。支持体の背面(サーマルヘッドに摺接する側の面)
にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹
脂、あるいはこれらによって変性された、たとえばシリ
コーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂
など各種の耐熱性樹脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑
剤を混合したものなどからなる、従来から知られている
スティック防止層を設けてもよい。
【0059】前記においては、本発明の塗布方法を熱転
写記録媒体の製造に適用するばあいについて主に説明し
たが、本発明は各種のホットメルトインクを各種の被印
刷体にベタ塗りするばあいに適用できるものである。た
とえば、カーボン紙(とくにスポットカーボン紙)の印
刷などにも好適に適用できる。
【0060】
【実施例】つぎに実験例をあげて本発明を説明する。
【0061】実験例1〜18 表1に示されるイエローインク、マゼンタインク、シア
ンインクを厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に図4に示す配列になるように繰返し塗布
して熱転写記録媒体を製造した。各色のインクの支持体
の長さ方向の長さは900mmとした。
【0062】
【表1】
【0063】版材20としては厚さ2mmの耐熱性ポリ
ウレタン樹脂原版に写真製版法で、ピッチ85μm、凹
部深度20μm、凸部面積率20%の凹凸を形成したも
のを用いた。支持体の流れ方向に対するメッシュの角度
Bは表2に示すように0°〜85°の範囲で変更した。
【0064】アニロックスロールとしては、ピッチ13
0μm、セル容量12.0cm3/m2で、支持体の流れ
方向とのなす角度Aが45°のメッシュを施したものを
用いた。
【0065】塗布は、インクパン5、ファンテンロール
4、アニロックスロール3、版胴1を90℃に加熱して
行なった。塗布量は3g/m2とした。
【0066】えられたインク塗布面の表面状態を肉眼で
観察し、つぎの基準によりインク塗布面質を評価した。
結果を表2に示す。 ○ … モアレ様の縞模様などの塗布ムラがなく良好な
塗布面質である。 △ … モアレ様の縞模様などの塗布ムラが少しある
が、実用上使用可能なレベルである。 × … モアレ様の縞模様などの塗布ムラが多く、実用
上支障がある。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】本発明においては、フレキソ印刷方式の
版胴に装着する版材として版面の全面に均等に凹凸を設
けたものを用い、凹部にインクを溜めることにより、ア
ニロックスロールで生じたインクの付着ムラに起因する
塗布ムラを防止できると共に、被印刷体の流れ方向に対
するアニロックスロールのメッシュの角度Aと被印刷体
の流れ方向に対する版材のメッシュの角度Bが、前記式
(I)を満足することにより、モアレ様の縞模様が塗布
面に発生するのを防止でき、塗布ムラなくホットメルト
インクをベタ塗布できる。
【0069】また、本発明の塗装方法によるときは、塗
布ムラのない各色のホットメルトインク層を有する高品
位な熱転写記録媒体がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法に用いる印刷装置の一実施例
を示す概略一部断面側面図である。
【図2】本発明の方法に用いる版材の一実施例を示す図
であり、(a)は部分平面図、(b)は(a)のX−X
線断面図である。
【図3】アニロックスロールと版材におけるメッシュの
配列を示す模式図である。
【図4】本発明の塗布方法が適用されるカラー熱転写記
録媒体の1例を示す部分平面図である。
【図5】従来のベタ塗り方法に用いる印刷装置を示す概
略一部断面側面図である。
【図6】被印刷体上に塗布されたインクの塗布ムラを示
す部分断面図である。
【符号の説明】
1 版胴 2 圧胴 3 アニロックスロール 4 ファンテンロール 5 インクパン 6 ドクターブレード 7 ホットメルトインク 8 被印刷体 10 ベタ版 20 版材 21 凹部 22 凸部 50 支持体 51Y イエローインク層 51M マゼンタインク層 51C シアンインク層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレキソ印刷方式の版胴に装着する版材
    として版面の全面に均等に凹凸を設けたものを用い、該
    版材の凹部にホットメルトインクを充填し、ついで該イ
    ンクを被印刷体に転移させる塗布方法であって、被印刷
    体の流れ方向に対するアニロックスロールのメッシュの
    角度Aと被印刷体の流れ方向に対する版材のメッシュの
    角度Bが、下記式(I)を満足することを特徴とするホ
    ットメルトインクの塗布方法。 15° ≦ |A−B| ≦ 35° (I)
  2. 【請求項2】 複数色のホットメルトインクを単一の帯
    状の被印刷体に順次繰返し単位で配列して塗布すること
    を特徴とする請求項1記載のホットメルトインクの塗布
    方法。
JP34988896A 1996-12-27 1996-12-27 ホットメルトインクの塗布方法 Pending JPH10181179A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34988896A JPH10181179A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 ホットメルトインクの塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34988896A JPH10181179A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 ホットメルトインクの塗布方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10181179A true JPH10181179A (ja) 1998-07-07

Family

ID=18406794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34988896A Pending JPH10181179A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 ホットメルトインクの塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10181179A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009078501A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Toppan Printing Co Ltd 凸版印刷によるパターン形成方法、および有機機能性素子の製造方法
CN102083625A (zh) * 2010-05-27 2011-06-01 东洋摩顿株式会社 干式层压方法及通过该方法得到的叠层体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009078501A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Toppan Printing Co Ltd 凸版印刷によるパターン形成方法、および有機機能性素子の製造方法
CN102083625A (zh) * 2010-05-27 2011-06-01 东洋摩顿株式会社 干式层压方法及通过该方法得到的叠层体
US8815043B2 (en) 2010-05-27 2014-08-26 Toyo-Morton, Ltd. Dry lamination method and laminate obtained by using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5569347A (en) Thermal transfer material
US4580142A (en) Thermal transfer impression system
US5597641A (en) Thermal transfer medium
JPH09131959A (ja) ホットメルトインクの塗布方法
US5843563A (en) Thermal transfer recording medium for color image formation
JPS6317639B2 (ja)
US5700584A (en) Thermal transfer recording medium
JPH10181179A (ja) ホットメルトインクの塗布方法
US6364985B2 (en) Thermal transfer recording medium
US6633320B2 (en) Multi-gradation recording method and thermal transfer recording medium used in the method
JPS58158291A (ja) カラー熱転写用記録媒体およびカラー熱転写方法
US5300351A (en) Heat-sensitive hot-melt image transfer sheet
EP1095787B1 (en) Information recording sheet and method of manufacturing information recording sheet
JPS60172588A (ja) 熱転写記録インクシ−ト
JPS58205798A (ja) 多階調画像熱転写記録方式
JPS6239106B2 (ja)
EP0360218B1 (en) Heat-sensitive hot-melt image transfer sheet
JPH10100550A (ja) 昇華型熱転写体の製造方法
JPS62181185A (ja) 感熱転写材および感熱転写記録方法
JPH08290669A (ja) 感熱転写シート
JPS5874394A (ja) 熱記録媒体
JPH0986059A (ja) 熱転写記録媒体
JP3043980B2 (ja) 多色熱転写記録媒体
JPS5939595A (ja) 階調画像用熱転写記録材
JPH04347691A (ja) カラー記録媒体および記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050607

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050621

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051018