JPH10180674A - パラレルリンクロボットおよびその制御方法 - Google Patents

パラレルリンクロボットおよびその制御方法

Info

Publication number
JPH10180674A
JPH10180674A JP35737096A JP35737096A JPH10180674A JP H10180674 A JPH10180674 A JP H10180674A JP 35737096 A JP35737096 A JP 35737096A JP 35737096 A JP35737096 A JP 35737096A JP H10180674 A JPH10180674 A JP H10180674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leg
length
sensor
end effector
universal joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35737096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3834117B2 (ja
Inventor
Hitoshi Kitano
斉 北野
Tatsuji Kawaguchi
達治 川口
Yoji Urano
洋二 浦野
Hideki Yamashita
秀樹 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP35737096A priority Critical patent/JP3834117B2/ja
Publication of JPH10180674A publication Critical patent/JPH10180674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3834117B2 publication Critical patent/JP3834117B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】脚を構成する部品を削減したパラレルリンクロ
ボットを提供する。 【解決手段】ベース21およびエンドエフェクタ2を、
ベース21に取り付けた6個のユニバーサルジョイント
26と、エンドエフェクタ22に取り付けた6個のユニ
バーサルジョイント27と、ユニバーサルジョイント2
6,27間を一対一に結合する伸縮自在な脚23とで結
合する。各脚23は、ねじ25aとナット25bと、ね
じ25aを回転駆動することにより脚23を伸縮させる
モータ24とからなる。ナット25bはユニバーサルジ
ョイント27に対して回転不能に固着されている。した
がって、脚23が伸縮するのはもちろんのこと、ねじ2
5aとナット25bとの螺合部分でユニバーサルジョイ
ント26,27の相対的な回転が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンドエフェクタ
を6自由度で駆動可能であって、産業用のマニピュレー
タや各種乗物のシミュレータなどに用いられるパラレル
リンクロボットおよびその制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種のパラレルリンクロボッ
トとして各種構成のものが提案されている。一般にパラ
レルリンクロボットは、伸縮駆動される6本の脚を備
え、各脚の一端部がユニバーサルジョイントを介してベ
ースに結合され他端部がユニバーサルジョイントを介し
てエンドエフェクタに結合された構成を有している。ま
た、各脚のいずれか一端部には、ベースまたはエンドエ
フェクタと脚とが脚の長手方向の一つの軸の回りに相対
的に回動可能となるように回転ジョイント(軸受)が挿
入される。
【0003】たとえば、特開平7−60678号公報に
記載されたものでは、図30に示すように、ねじ25a
をモータ24で回動させることによってねじ25aに対
してスライダ61を直進移動させる脚23を用いるとと
もに、スライダ61の先端部に回転ジョイント62を介
してユニバーサルジョイント27を結合し、またねじ2
5aの軸受63にユニバーサルジョイント26を結合す
ることにより脚23を構成し、このような脚23をベー
スとエンドエフェクタとの間に6本配置したものが示さ
れている。脚23の配置の仕方には各種のものが提案さ
れているが、もっとも単純なものはベースおよびエンド
エフェクタにそれぞれ設定した円周を3等分する位置に
2本ずつの脚23をそれぞれ結合し、ベースとエンドエ
フェクタとの脚23の結合点を互いに60度ずらしたも
のがある。ここに、ベースの1つの結合点に結合される
2本の脚23は、その結合点から互いに反対回りで60
度離れたエンドエフェクタの2つの結合点にそれぞれ結
合される。このような構成は上記公報の図7などに示さ
れた周知のものである。
【0004】ところで、上記公報に記載された脚23は
一端部に回転ジョイント62を介してユニバーサルジョ
イント27を結合し、脚23の他端部にユニバーサルジ
ョイント26を結合した構成を有する。また、脚23を
伸縮させる構成として、上記公報ではねじ25aとモー
タ24とスライダ61とを用いているが、空気シリン
ダ、油圧シリンダなどに置換可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
脚23は比較的複雑な構成を有しているものであって、
パラレルリンクロボットではこのような脚23を6本用
いるから、部品点数が多くなるという問題がある。した
がって、1本の脚23に関連する部品点数を1つでも削
減することができれば、部品点数の大幅な削減になり、
ひいては小型化、軽量化につながるものである。また、
軽量化すれば高速な動作が期待できる。しかも、脚2
3、回転ジョイント62、ユニバーサルジョイント2
7,26は、いずれも相対的に可動な部品を用いている
から、これらの部品を削減することができれば、位置制
御の精度が高くなるとともに、がたや摩擦による騒音の
発生を低減することが可能になる。
【0006】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、脚を構成する部品点数を削減したパ
ラレルリンクロボットを提供することにあり、さらには
位置および姿勢を精度よく制御することができるパラレ
ルリンクロボットの制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、互い
に離間して配置されるベースおよびエンドエフェクタ
と、ベースに取り付けた6個の第1の自在継手と、エン
ドエフェクタに取り付けた6個の第2の自在継手と、第
1の自在継手と第2の自在継手との間を一対一に結合す
る伸縮自在な脚と、エンドエフェクタの3次元空間での
位置および姿勢を指令値として与えることにより各脚の
長さを制御する制御手段とを備え、脚が、第1の自在継
手と第2の自在継手との一方に結合されたねじと、ねじ
に螺合して他方に結合されたナットと、ねじとナットと
の一方を回転駆動することにより脚を伸縮させるアクチ
ュエータとからなり、ねじとナットとの他方が第1の自
在継手と第2の自在継手といずれかに対して回転不能に
固着されていることを特徴とする。この構成によれば、
ねじとナットとにより脚が伸縮するのはもちろんのこ
と、ねじとナットとの螺合部分で第1の自在継手と第2
の自在継手との相対的な回転が可能になる。つまり、従
来必要であったスライダと回転ジョイントとが不要にな
り、部品点数が削減されて構成が簡単になるのである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、第1の自在継手および第2の自在継手がユニバーサ
ルジョイントであることを特徴とする。請求項3の発明
は、請求項1または請求項2の発明において、ねじがア
クチュエータにより回転駆動されるものである。請求項
4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、
ナットがアクチュエータにより回転駆動されるものであ
る。
【0009】請求項2ないし請求項4は望ましい実施態
様である。請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4
の発明において、ナットが合成樹脂製であって、ナット
の温度を検出する温度センサを備え、制御手段がナット
の材料特性に応じて設定されている閾値と温度センサに
よる検出温度とを比較し検出温度が閾値に達すると検出
温度を低減させるようにアクチュエータを制御するもの
である。この構成によれば、ナットを合成樹脂製とした
ことによって金属製のナットを用いる場合に比較して騒
音が低減される。ただし、合成樹脂製のナットではねじ
との摩擦熱で高温になったときに変形ないし破損するお
それがあるから、温度センサを用いてナットの温度を管
理しているのである。これにより、ナットの変形や破損
を防止しながらも騒音の低減を図ることができる。
【0010】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、検出温度が閾値に達したときに制御手段によりアク
チュエータを減速させるように制御するのである。この
構成によれば、ナットの温度が上昇したときに、アクチ
ュエータを減速させることによって摩擦熱の発生を抑制
するのであり、エンドエフェクタの動きは遅くなるが所
望の位置および姿勢の制御は可能である。
【0011】請求項7の発明は、請求項5の発明におい
て、ねじは往復駆動され、検出温度が閾値に達したとき
にねじの往復駆動の振幅を減少させるようにアクチュエ
ータを制御するのである。この構成によれば、ナットの
温度が上昇したときに、アクチュエータの駆動によるね
じの往復駆動の振幅を低減することによって摩擦熱の発
生を抑制するのであり、エンドエフェクタの位置および
姿勢は変化するが往復駆動の周期は保つことができる。
【0012】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、各脚にそれぞれ設けられ第1の自在
継手と第2の自在継手との相対的な角度差を検出する角
度差センサと、角度差センサにより検出された角度差に
基づいてねじのピッチに応じた長さを求め、求めた長さ
分だけ指令値に対して各脚の長さを補正するようにアク
チュエータを駆動する補正手段とを付加している。すな
わち、請求項1ないし請求項4に記載の構成では、第1
の自在継手と第2の自在継手との回転が脚の伸縮とは独
立していないものであるから、指令値のみによって脚の
長さを決定すると、第1の自在継手と第2の自在継手と
の相対的な回転に伴う長さ変化によってエンドエフェク
タの位置および姿勢が指令値からずれることになる。そ
こで、請求項8の発明では、第1の自在継手と第2の自
在継手との相対的な角度差を検出し、検出した角度差に
基づいて脚の長さを補正しているのである。この構成に
よって、エンドエフェクタの位置および姿勢を精度よく
制御することができる。
【0013】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、各脚にそれぞれ設けられ各脚の長さ
を検出する長さセンサと、長さセンサにより検出された
長さ分だけ指令値に対して各脚の長さを補正するように
アクチュエータを駆動する補正手段とを付加している。
この構成では、各脚の長さを実測することによって、指
令値により求められる脚の長さを補正するから、エンド
エフェクタの位置および姿勢を精度よく制御することが
できる。
【0014】請求項10の発明は、請求項1の発明にお
いて、エンドエフェクタの位置および姿勢を検出するセ
ンサを備え、制御手段ではセンサにより検出されたエン
ドエフェクタの位置および姿勢が指令値に一致するよう
にアクチュエータをフィードバック制御するのである。
この構成によれば、エンドエフェクタの位置および姿勢
をセンサで検出しているから、指令値との差を容易に知
ることができ、エンドエフェクタの位置および姿勢をフ
ィードバック制御することによってエンドエフェクタの
位置および姿勢を精度よく制御することができる。
【0015】請求項11の発明は、請求項2の発明にお
いて、エンドエフェクタの異なる3箇所にユニバーサル
ジョイントを介して結合される3本の脚にそれぞれ脚の
長さを検出する長さセンサを設け、この3本の脚のうち
の2本にベースとの間のユニバーサルジョイントに設け
た2本の軸の回転角度を検出する角度センサを設け、制
御手段では長さセンサと角度センサとの出力に基づいて
検出されるエンドエフェクタの位置および姿勢を指令値
に一致させるようにフィードバック制御するのである。
【0016】請求項12の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記センサがエンドエフェクタの異なる3箇所
に設定したマークの3次元位置を検出する3次元位置セ
ンサであることを特徴とする。請求項13の発明は、請
求項10の発明において、上記センサがエンドエフェク
タの姿勢を検出するようにエンドエフェクタに取り付け
たジャイロセンサと、1本の脚における長さを検出する
長さセンサと、その脚とベースとの間のユニバーサルジ
ョイントに設けた2本の軸の回転角度を検出する角度セ
ンサとから成ることを特徴とするものである。
【0017】請求項11ないし請求項13の発明は、エ
ンドエフェクタの位置および姿勢を検出するための具体
的構成である。とくに、請求項13の発明の構成によれ
ば、センサが4個であって比較的少なく、また、センサ
による検出値の処理も比較的簡単である。請求項14の
発明は、請求項1ないし請求項4記載のパラレルリンク
ロボットにおける各脚の長さを制御するにあたって、エ
ンドエフェクタの位置および姿勢を指示する指令値に基
づいて各脚ごとのねじとナットとの相対的な角度差を演
算により求め、上記角度差に基づいてねじのピッチに応
じた長さを求め、指令値に基づいて求めた各脚の長さを
上記角度差に基づいて求めた長さ分だけ補正した長さに
基づいてアクチュエータを駆動するものである。この方
法によれば、指令値のみに基づいて脚の長さを正確に補
正することができる。
【0018】請求項15の発明は、請求項1ないし請求
項4記載のパラレルリンクロボットにおける各脚の長さ
を制御するにあたって、エンドエフェクタの姿勢を指示
する各指令値に各脚ごとのねじとナットとの相対的な角
度差を対応付ける関係をあらかじめ求めておき、指令値
が与えられたときに上記関係を用いて上記角度差を求
め、上記角度差に基づいてねじのピッチに応じた長さを
求め、指令値に基づいて求めた各脚の長さを上記角度差
に基づいて求めた長さ分だけ補正した長さに基づいてア
クチュエータを駆動するものである。この方法によれ
ば、請求項14の方法に比較するとエンドエフェクタの
位置や姿勢の制御精度は低いが、複雑な演算を必要とし
ないから高速な処理が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1(a)に示すように、ベース21と
エンドエフェクタ22とを6本の脚23を介して結合す
る点は本実施形態のものも従来例のものと同様である
が、ベース21とエンドエフェクタ22との間にスライ
ダ61および回転ジョイント62を用いていない点で相
違する。
【0020】すなわち、図1(b)に示すように、脚2
3を、アクチュエータとしてのモータ24およびねじ2
5aを取り付けた筒状の第1脚23aと、ねじ25aに
螺合するナット25bを備えた筒状の第2脚23bとに
より構成してあり、さらにねじ25aの長手方向の中心
線上で第1脚23aに第1のユニバーサルジョイント2
6を介してベース21を結合し、同様にねじ25aの長
手方向の中心線上で第2脚23bにユニバーサルジョイ
ント27を介してエンドエフェクタ22を結合してあ
る。モータ24はねじ25aを回動駆動させ、モータ2
4の出力軸をねじ25aに直結してある。ねじ25aは
第1脚23aに設けた軸受29により軸支される。
【0021】ところで、ナット25bとして合成樹脂製
のものを用いると騒音の低減に効果のあることが知られ
ている。しかしながら、ねじ25aとナット25bとは
高速で回転するから摩擦熱が多量に発生し、合成樹脂製
のナット25bでは過熱により変形することがある。そ
こで、本実施形態では、図2に示すように、ナット25
bの温度を温度センサ28により測定し、摩擦熱により
ナット25bの温度が上昇すると、ねじ25aの回転速
度を低減させることにより摩擦熱の発生を低減させ、結
果的に過熱によるナット25bの変形を防止することが
できるようにしてある。また、エンドエフェクタ22を
振動ないし揺動させるように駆動するときには、ねじ2
5aを往復駆動することになるから、この場合、ナット
25bの温度が上昇したときに往復駆動の振幅を低減さ
せるように制御してもよい。
【0022】つまり、図3に示すように、モータ24を
駆動するための指令値を与える制御装置4に対して温度
センサ28により検出した検出温度を与え、制御装置4
は検出温度に基づいて駆動部48を介してモータ24の
回転速度ないし往復動の振幅を制御するのである。制御
手順をまとめると図4に示すようになる。つまり、ナッ
ト25bを形成する合成樹脂の物性に応じて温度センサ
28による検出温度に閾値を設定しておき(S1)、駆
動を開始した後に(S2)、温度センサ28による検出
温度をサンプリングする(S3)。検出温度が閾値を越
えたときには(S4)、モータ24を段階的に減速し
(S5)、測定温度が閾値以下になるまでモータ24の
減速を繰り返す。つまり、モータ24の駆動速度を定め
られた1段階分減速してナット25bの温度を測定し、
所定時間(ナット25bの周辺部材の熱容量により決ま
る)内にナット25bの温度が低下しなければ、さらに
1段階減速するのである。このようにして減速を続けた
ときにモータ24の回転速度が所定値以下になればモー
タ24を停止させる(S6)。また、ナット25bの温
度が閾値よりも下がれば、モータ24の駆動速度を元に
戻す。なお、ステップS5の減速に代えて往復駆動の振
幅を変化させてもよい。往復駆動は制御装置4において
指令値の時間変化によって指示されるものであり、した
がって、指令値に適宜の倍率を乗算することによって往
復駆動の振幅を変化させることが可能である。
【0023】ところで、上述した構成では、モータ24
の回動に伴ってねじ25aが回動すると、ナット25b
がねじ25aの長手方向に移動するから、ナット25b
に結合された第2脚23bが直進移動することになる。
また、第2脚23bはねじ25aに対して回動自在であ
るから、ねじ25aとナット25bとの螺合部分が従来
構成に用いられていた回転ジョイント62と同様に機能
することになる。
【0024】ただし、従来構成ではスライダ61による
脚23の直動と回転ジョイント62による回動との機能
が分離されていたのに対して、上述の構成ではねじ25
aとナット25bとの螺合部分が直動と回転とに兼用さ
れているから、ねじ25aとナット25bとが相対的に
回動したときに、脚23の長さが変化することになる。
つまり、ベース21に対するエンドエフェクタ22の位
置(6自由度であるから位置を示すパラメータも6個あ
る)を従来構成と同じに設定したときに、従来構成にお
ける各脚23の長さの制御量に対して本実施形態の脚2
3の長さには補正が必要である。
【0025】そこで、本実施形態では脚23の長さを以
下のように制御する。補正量の求め方および補正の仕方
を説明する前に座標系について定義する。この種のパラ
レルリンクロボットの脚23の長さ(ユニバーサルジョ
イント26,27を含む長さ)とエンドエフェクタ22
の位置(座標系の各軸方向の移動量および各軸回りの回
転量)との関係を考えるときには、図5に示すように、
ベース21の中心を原点としてベース21の表面に直交
する方向をzb とするベース座標系Ob −xbb b
と、エンドエフェクタ22の中心を原点としてエンドエ
フェクタ22の表面に直交する方向をZe とするエンド
エフェクタ座標系Oe −xe e e とを設定する。な
お、以下では座標系の各軸方向の移動量を位置と呼び、
各軸回りの回転量を姿勢と呼ぶことにする。つまり、ベ
ース座標系において、エンドエフェクタ座標系の原点の
位置ベクトルが位置であり、エンドエフェクタ座標系の
各軸の傾きが姿勢ということになる。
【0026】エンドエフェクタ22の位置が与えられた
ときに脚23の長さを求める逆キネマティクス計算は、
日本ロボット学会パラレルメカニズム研究専門委員会報
告書(平成5年10月)p.85〜98などの文献によ
り示されており、ベース座標系におけるxb 方向を前後
方向、yb 方向を左右方向、zb 方向を上下方向とすれ
ば、エンドエフェクタ22の位置(PX ,PY ,PZ
は、ベース座標系におけるエンドエフェクタ座標系の原
点Oe の位置ベクトルPorg であるから、数1のように
なる。
【0027】
【数1】
【0028】また、xb 軸回りの回動であるロールをθ
X 、yb 軸回りの回動であるピッチをθY 、zb 軸回り
の回動であるヨーをθZ とおけば、各軸回りでの回転変
換をそれぞれ表す行列RX (θX ),RY (θY ),R
Z (θZ )の積を用いることにより、エンドエフェクタ
座標系で表されたベクトルをベース座標系を基準とする
ベクトルに回転変換することができる。つまり、行列R
X (θX ),RY (θY ),RZ (θZ )の積である回
転行列Rは、エンドエフェクタ座標系のベース座標系に
対する姿勢を示すのであって、この回転行列Rは数2の
ような関係になる。
【0029】
【数2】
【0030】位置ベクトルPorg と回転行列Rとを用い
れば、エンドエフェクタ座標系で表された位置ベクトル
の成分をベース座標系の位置ベクトルの成分に変換する
ことができる。つまり、図3における位置ベクトルP
oei (i=1〜6であり、各脚23を意味する)は、 Poei =Porg +R×Pei と表すことができる。ここに、位置ベクトルPeiは、エ
ンドエフェクタ22に対する脚23(ユニバーサルジョ
イント27)の結合点Ei (PeiX ,PeiY ,PeiZ
を示し、エンドエフェクタ座標系で数3のように表され
る。
【0031】
【数3】
【0032】同様にして、ベース21に対する脚23
(ユニバーサルジョイント26)の結合点B
i (PbiX ,PbiY ,PbiZ )はベース座標系において
数4に示す位置ベクトルPbiで示される。
【0033】
【数4】
【0034】上述のように、位置ベクトルPorg と回転
行列Rと位置ベクトルPbiと位置ベクトルPeiとがわか
れば、ベース21およびエンドエフェクタ22と脚23
との各結合点Bi ,Ei 間を結ぶベクトルPliは、 Pli=Poei −Pbi=Porg +R×Pei−Pbi という関係になる。脚の長さli は、上記ベクトルPli
の大きさであり、脚の向きは上記ベクトルPliの単位ベ
クトルZi で表すことができる。つまり、 li =|Pli|、Zi =Pli/li になる。位置ベクトルPbi,Peiは既知であり、エンド
エフェクタ22の位置および姿勢を指示することによっ
て、位置ベクトルPorg と回転行列Rとが決定されるか
ら、上述の演算によって脚の長さli 、つまり脚23の
長さを求めることができる。制御装置4では、エンドエ
フェクタ22の位置および姿勢を指定する指令値が与え
られると、上述のような逆キネマティクス計算を行な
い、脚23の長さを求めてモータ24を駆動する。
【0035】なお、これらの演算は制御手段および補正
手段に兼用される後述の制御装置4により行なわれる。
ここまで説明した手順は従来より採用されているもので
あるが、本実施形態では、上述のように、エンドエフェ
クタ22の移動によって2個のユニバーサルジョイント
26,27が相対的に回転し、その回転に伴って脚23
の長さに変化が生じるから、上述のようにして求めた脚
23の長さを補正する必要がある。そこで、脚23の長
さの補正量を以下のようにして算出し、算出した補正量
を上述のようにして求めた脚23の長さに対して加算な
いし減算することによって、脚23の長さを補正するの
である。
【0036】いま、1本の脚23に着目し、この脚23
について図6に示すように、ベース21とユニバーサル
ジョイント26との結合点B1 を原点とするベース側座
標系B1 を設定するとともに、エンドエフェクタ22と
ユニバーサルジョイント27との結合点E1 を原点とす
るエンドエフェクタ側座標系E1 を設定する。ベース側
座標系B1 で脚伸縮方向の単位ベクトルZB1を表すと、
数5のようになる。
【0037】
【数5】
【0038】また、ユニバーサルジョイント26が各軸
の回りにそれぞれθ0 ,θ1 だけ回転したときの、第1
脚23a側の点αに関する回転行列α01は、数6で表さ
れる。
【0039】
【数6】
【0040】ここにおいて、回転行列α01のZ軸成分は
脚23の伸縮方向のベクトルZB1であるから、 Xb =Sθ1b =−Sθ0 Cθ1b =Cθ0 Cθ1 になる。これらの関係式に基づいて、Sθ0 ,Cθ0
Cθ1 をXb ,Yb ,Zb を用いて表すと、数7のよう
になる。
【0041】
【数7】
【0042】すなわち、回転行列α01は、数8のように
表される。
【0043】
【数8】
【0044】一方、エンドエフェクタ側座標系E1 にお
ける脚23の長手方向のベクトルZE1は、数9のように
表される。
【0045】
【数9】
【0046】第2脚23b側の点βについて点αと同様
に回転行列β01を求めると、数10のようになる。
【0047】
【数10】
【0048】点αは第1脚23a側にあり点βは第2脚
23b側にあるから、点αと点βとのベクトルを回転行
列α01,β01をベース座標系に変換し、Z方向に直交す
る平面内での回転角度を求める。具体的には、次式のよ
うに、Y方向ベクトル(またはX方向ベクトル)Yα,
Yβの内積によって角度差φを求めることができる。 cosφ=Yα・Yβ ただし、ベクトルYα,Yβは単位ベクトルである。
【0049】以上のようにして、各脚23が指令値に基
づいて制御された場合のベース側座標系B1 に対するエ
ンドエフェクタ側座標系E1 の角度差φを求めることが
できる。ここで、エンドエフェクタ側座標系E1 がベー
ス側座標系B1 に対して時計回りであるときには、脚2
3が所望値よりも短縮されることになるから、指令値に
より求められた脚23の長さL1 に対して角度差φに相
当する長さ分(ねじ25aのピッチにより決まる)を補
正量L(φ)として加算する。つまり、元の指令値を補
正した指令値A1 として、 A1 =L1 +L(φ) を採用する。同様に、エンドエフェクタ側座標系E1
ベース側座標系B1 に対して反時計回りであるときに
は、脚23が所望値よりも伸長されることになるから、
指令値により決まる脚の長さL1 から補正量L(φ)を
減算し、補正後の指令値A1 として、 A1 =L1 −L(φ) を採用する。
【0050】以上説明したように、ねじ25aとナット
25bとの回転によって脚の伸縮量に補正が必要になる
が、上述のような演算を行なって指令値を補正すること
により、エンドエフェクタ22の位置および姿勢を精度
よく制御することが可能になるのである。 (実施形態2)本実施形態では、図7に示すように、脚
23を伸縮させるためにねじ25aではなくナット25
bをモータ24により回動させる構成としてある。つま
り、ねじ25aの一端部にユニバーサルジョイント26
を結合し、ユニバーサルジョイント27に結合された筒
状の第2脚23b内にプーリ30を軸受29により軸支
し、このプーリ30に固着したナット25bにねじ25
aを螺合させてある。また、プーリ30にベルト31を
介してモータ24の回転力を伝達するようにしてある。
【0051】この構成ではモータ24の回転に伴ってナ
ット25bが回転するとねじ25aが第2脚23bに対
して進退し脚23の長さが変化する。また、実施形態1
と同様に、ねじ25aとナット25bとの螺合部分が従
来構成における回転ジョイント62の機能を兼ねること
になる。 (実施形態3)実施形態1では、エンドエフェクタ22
の位置および姿勢に関する指令値のすべてのパラメータ
を用いて脚23の長さの補正量を求めたが、パラメータ
が多いものであるから演算が複雑になっている。そこ
で、本実施形態では簡易な演算ながら比較的高い精度で
補正量を求める例を示す。
【0052】上述した実施形態から明らかなように、各
脚23について脚23の長手方向の回りでのベース側座
標系B1 とエンドエフェクタ側座標系E1 との角度差φ
を求めることができれば、脚23の長さに関する補正量
L(φ)を得ることができる。そこで、本実施形態で
は、角度差φを求めるために指令値のうちロールθX
ピッチθY 、ヨーθZ に着目し、(θX ,θY ,θZ
と角度差φとの関係を求めるのである。実際には、各脚
23について、ロールθX 、ピッチθY 、ヨーθZ のそ
れぞれの指令値ごとにねじ25aとナット25bとの角
度変化φXi,φYi,φZi(iは各脚を意味し、i=1〜
6である)の関係を求めておく。この関係は、複数点に
ついてテーブル化しておきテーブルにない値については
補間演算を行なって角度変化φXi,φYi,φZiを求め
る。あるいは、上記関係を近似するような適宜の曲面を
回帰演算等によって求め、この曲面を表す関数を用いて
角度変化φXi,φYi,φZiを演算する。
【0053】後者のように関数を設定した場合には、エ
ンドエフェクタ22の指令値であるロールθX 、ピッチ
θY 、ヨーθZ から以下の手順で角度差φを求めること
になる。いま、各関数を φXi=fXi(θX ) φYi=fYi(θY ) φZi=fZi(θZ ) とおけば、指令値が(θX ,θY ,θZ )の組み合わせ
であるときには、一つの脚に関する角度差φi は、 φi =φXi+φYi+φZi=fXi(θX )+fYi(θY
+fZi(θZ ) になる。角度差φi を求めた後の処理は実施形態1と同
様であって、脚23の長さに関する補正量L(φi )を
求め、指令値から逆キネマティクス計算により求めた脚
23の長さL1 に対して補正量L(φi )を加減算し、
補正後の指令値A1 を求めればよい。すなわち、 A1 =L1 ±L(φi ) を実際の指令値として与える。
【0054】このように、指令値であるロールθX 、ピ
ッチθY 、ヨーθZ に対して角度変化φXi,φYi,φZi
を関数化ないしテーブル化して対応付けているから、指
令値に基づいて各脚の長さの補正量L(φi )をただち
に求めることができるのであって、指令値ごとに実施形
態1のような複雑な演算を繰り返す場合に比較して演算
量を大幅に低減することができ、結果的に高速な処理が
可能になる。
【0055】(実施形態4)上述の各実施形態では、指
令値に基づいて脚23の長さの補正量を求めるものであ
ったが、本実施形態では、図8に示すように、ユニバー
サルジョイント26とベース21との結合点と、ユニバ
ーサルジョイント27とエンドエフェクタ22との結合
点との角度差φi を角度差センサ32を用いて測定し、
角度差センサ32での測定結果に基づいて補正量を求め
ている。
【0056】すなわち、実施形態1に示した脚23であ
れば、図8(a)のように、第2脚23bからねじ25
aに沿って第1脚23a側に延長したポール33を設
け、ねじ25aの周方向におけるポール33の位置を検
出することができる角度差センサ32を第1脚23aに
設けているのである。この種の角度差センサ32として
は、ポール33の移動量を検出する差動トランスや、ポ
ール33との距離を検出する近接センサなどを用いるこ
とができる。エンドエフェクタ22を駆動したときに第
1脚23aに対する第2脚23bの回転が角度差センサ
32によって検出されたときには、角度差センサ32の
出力値に基づいてその回転角度(つまり角度差φi )を
求め、求めた角度差φi から脚23の長さの補正量L
(φi )を求めるのである。ここで、上述した実施形態
では指令値を与えた時点で補正量を発生させることがで
きるが、本実施形態では指令値に対する応答に対して補
正量を求めることになる。ただし、本実施形態では角度
差φi を求める演算が実質的に不要であるから、脚23
の長さの補正を迅速に行なうことができる。なお、角度
差センサ32およびポール33はすべての脚23に設け
る。
【0057】図8(a)には実施形態1の脚23を例示
したが、図8(b)のように、実施形態2の脚23にも
同様の構成を適用することが可能である。この場合、第
2脚23bにポール33を設け、角度差センサ32をユ
ニバーサルジョイント26に固定する。 (実施形態5)本実施形態は、図9に示すように、脚2
3の長さを検出する長さセンサとしての距離センサ34
を設けたものである。距離センサ34は、実施形態1に
示した脚23であれば、図9(a)のように第1脚23
aに設け、第2脚23bの所定箇所までの距離を求める
ことになる。この種の距離センサ34としては、半導体
レーザのような光ビームを照射する光源と、光ビームに
よって対象物の表面に形成される光スポットをレンズを
通して結像させた受光スポットの位置を検出するPSD
のような位置検出素子とを備えるものが知られている。
つまり、対象物までの距離が変化すれば、位置検出素子
の受光面の上での受光スポットの位置が変化するから、
位置検出素子の出力に基づいて受光スポットの位置を検
出し、三角測量法の原理を適用して対象物までの距離を
求めるものである。
【0058】この種の距離センサ34を用いると、脚2
3の長さの変化を直接検出することができるから、指令
値により与えた脚23の長さと距離センサ34により検
出した脚23の長さとの誤差をただちに求めることがで
き、この誤差を減少させる向きに脚23の長さを調節す
れば、エンドエフェクタ22の位置および姿勢を補正す
ることができる。つまり、指令値による脚23の長さを
i とし、距離センサ34により測定した脚23の長さ
をlr とすると、誤差Δlは、 Δl=li −lr であって、エンドエフェクタ22の位置および姿勢を制
御するための補正後の指令値Ai は、 Ai =li +Δl になる。
【0059】図9(a)には実施形態1の脚23を例示
したが、図9(b)のように、実施形態2の脚23にも
同様の構成を適用することが可能である。つまり、ユニ
バーサルジョイント26にセンサ23を固定する。な
お、距離センサ34は、上述のものに限定されるもので
はなく、他の周知の距離センサを用いることが可能であ
る。たとえば非接触形のものとしては超音波を用いるも
のが知られており、超音波を送波しその反射波を受波す
るまでの時間を計測することにより距離を求めるものも
用いることが可能である。あるいはまた、ダイヤルゲー
ジ型の接触式センサであって、触針に連動するリニアエ
ンコーダを内蔵することにより触針の進退量をデジタル
値として出力することができるいわゆるデジタルゲージ
を距離センサ34に用いることも可能である。この場
合、デジタルゲージの本体を第1脚23aないしユニバ
ーサルジョイント26と第2脚23bとの一方に取り付
け、他方に触針を当接させればよい。
【0060】(実施形態6)上述した各実施形態は脚2
3の長さを求めるものであったが、本実施形態はエンド
エフェクタ22の位置および姿勢を検出し、検出値を指
令値に近付けるようにフィードバック制御するものであ
る。エンドエフェクタ22の位置および姿勢を検出する
センサとしては、図10に示すように脚23の長さを測
定するための距離センサ34と、ベース21に対する脚
23の傾きを検出する角度センサ35a,35bとを用
いる。距離センサ34は6本の脚のうちの3本に設けら
れ、また、角度センサ35a,35bは距離センサ34
を設けた3本の脚のうちの2本に設けられる。距離セン
サ34を設ける3本の脚はエンドエフェクタ22との結
合点が互いに異なる3本を選択する。角度センサ35
a,35bは、ユニバーサルジョイント26の2本の軸
回りの回転角度をそれぞれ検出するものであり、1つの
ユニバーサルジョイント26に対して2個設けられ、合
計4個の角度センサ35a,35bが設けられる。距離
センサ34は実施形態5と同様のものを用いることがで
き、角度センサ35a,35bにはロータリエンコーダ
を用いる。距離センサ34および角度センサ35a,3
5bにより得られるデータを総合すればエンドエフェク
タ22の位置および姿勢を知ることができる。
【0061】上述のようにして得られたエンドエフェク
タ22の位置および姿勢の検出値は、図11に示すよう
に、指令値とともに制御装置4の演算部40に入力さ
れ、検出値が指令値に近付くように制御量が求められ
る。制御量は各脚23の長さで与えられ、アクチュエー
タ制御部47において各モータ24の回転量が求めら
れ、この回転量に従って駆動部48を介してモータ24
が駆動される。このようなフィードバック制御を行なう
ことによって、エンドエフェクタ22の位置および姿勢
は指令値に一致するように制御されることになる。つま
り、ユニバーサルジョイント26,27の相対的な回転
に伴う脚23の長さの変化にかかわりなく、エンドエフ
ェクタ22を指令値に一致させるように制御することが
できる。
【0062】演算部40において脚23の長さを求める
演算は、実際には一定時間毎に行なわれるものであっ
て、以下のような演算を行なうことによって、時刻tに
おける指令値および検出値と次の時刻(t+1)におけ
る指令値とに基づいて次の時刻(t+1)における制御
量を求めることになる。いま、時刻tにおける指令値が Pt =(xt ,yt ,zt ,θxt,θyt,θzt) 時刻(t+1)における指令値が P(t+1) =(x(t+1) ,y(t+1) ,z(t+ 1)
θx(t+1),θy(t+1),θz(t+1)) であるものとし、時刻tにおける検出値が Rt =(xRt,yRt,zRt,θxRt ,θyRt ,θzRt ) であるものとする。このとき、時刻(t+1)のエンド
エフェクタ22の位置および姿勢 E(t+1) =(xE(t+1),yE(t+1),zE(t+ 1) ,θ
xE(t+1) ,θyE(t+1) ,θzE(t+1) ) は数11のようになる。
【0063】
【数11】
【0064】数11に示す関係で求めた時刻(t+1)
の位置および姿勢に基づいて逆キネマティクス計算を行
ない、時刻(t+1)における各脚23の長さを決定す
るのである。このような処理を繰り返すことによって、
エンドエフェクタ22の位置および姿勢を指令値に一致
させることが可能になる。 (実施形態7)本実施形態は、実施形態6と同様にエン
ドエフェクタ22の位置および姿勢を検出してフィード
バック制御するものであるが、エンドエフェクタ22の
位置および姿勢を検出するセンサとしては、図12に示
すように、2台のイメージセンサ36a,36bを備え
る3次元位置センサを用いる。イメージセンサ36a,
36bは、TVカメラを用いることができ、CCD撮像
素子のような撮像素子と撮像素子の受光面に対象物の像
を結像させる光学系とを備える。このようなイメージセ
ンサ36a,36bをベース21の定位置に配置し、エ
ンドエフェクタ22の上の異なる3箇所に設けたマーク
37を各イメージセンサ36a,36bでそれぞれ撮像
する。また、各イメージセンサ36a,36bの光軸は
平行に設定してある。
【0065】このようにして両イメージセンサ36a,
36bで得られた同じマーク37の像を比較すれば、両
イメージセンサ36a、36bの位置関係とマーク37
の像の位置とに基づいてベース21に設定した座標系に
おけるマーク37の3次元の位置を知ることができる。
この種の3次元位置センサは周知のものである。上述の
ようにして、2台のイメージセンサ36a,36bを用
いた3次元位置センサによりエンドエフェクタ22の3
箇所の位置を検出するから、3次元位置センサで得られ
た情報に基づいてエンドエフェクタ22の位置および姿
勢を知ることができる。
【0066】ここにおいて、2台のイメージセンサ36
a,36bでは3個のマーク37をそれぞれ対応付ける
(つまり、同じマーク37同士かどうかを識別する)必
要があるが、本実施形態の目的では各イメージセンサ3
6a,36bの受光面での各マーク37の移動範囲はほ
ぼ決まっているから、イメージセンサ36a,36bの
受光面の領域ごとにマーク37を対応付けるようにすれ
ばよい。また、場合によっては各マーク37を異なる色
に設定しておき、イメージセンサ36a,36bとして
カラー画像を撮像可能なものを用いて、色別にマーク3
7を識別するようにしてもよい。他の構成および動作は
実施形態6と同様である。
【0067】(実施形態8)本実施形態は、図13に示
すように、エンドエフェクタ22の姿勢(ロール、ピッ
チ、ヨー)を検出するセンサとしてジャイロセンサ38
を用いている。ジャイロセンサ38は、ジャイロを内蔵
しジャイロに対するエンドエフェクタ22の傾斜角度を
検出するものである。また、エンドエフェクタ22の位
置を検出するセンサとしては、図10に示した実施形態
6と同様に、脚23に取り付けた距離センサ34と角度
センサ35a,35bとを用いる。ただし、距離センサ
34および角度センサ35a,35bは1本の脚23に
のみ設ける。つまり、4個のセンサによってエンドエフ
ェクタ22の位置および姿勢を検出するものであり、セ
ンサの個数を少なくすることができる。また、実施形態
7のような画像処理を伴わないからセンサの出力処理も
簡単である。他の構成および動作は実施形態6と同様で
ある。
【0068】(応用例1)上述したパラレルリンクロボ
ット2の応用例として、運動機能賦活装置を例示する。
この装置は、図14に示すように、鞍形の座席11を有
する馬形の乗り物1を備え、この乗り物1を駆動手段と
してのパラレルリンクロボット2により移動させるよう
に構成されている。また、乗り物1の前方には表示手段
として大型のディスプレイ装置3が配置される。パラレ
ルリンクロボット2の動作制御およびディスプレイ装置
3の表示制御は後述する制御手段である制御装置4によ
り行なわれる。
【0069】ディスプレイ装置3は、3管投影式のテレ
ビジョンモニタを用いている。画面の大きさおよび乗り
物1からの距離は、乗り物1に乗った被訓練者がディス
プレイ装置3に表示された画面の内容を現実の空間に近
い感覚で認識できる程度に設計される。つまり、後述す
るようにディスプレイ装置3には主として地上の風景が
表示されるのであり、その風景が現実的な大きさで認識
できる程度に、ディスプレイ装置3の画面の大きさや、
ディスプレイ装置3と乗り物1との距離が設定されるの
である。このことにより、乗り物1に乗った被訓練者は
ディスプレイ装置3の画面に表示された画像による臨場
感を得ることができる。なお、ディスプレイ装置3の画
面に表示する画像は、実写のほかアニメーション(手描
きやコンピュータグラフィックスによる)でもよい。
【0070】以下の説明を容易にするために、乗り物1
を中心とする座標系を導入する。すなわち、乗り物1の
前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向を
Z軸方向とし、原点をパラレルリンクロボット2のベー
ス21の中心とする右手系の直交座標系を設定する。ま
た、ディスプレイ装置3の画面はYZ平面に平行である
ものとする。しかして、パラレルリンクロボット2のエ
ンドエフェクタ22は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向
の3方向に平行移動が可能であるとともに、X軸、Y
軸、Z軸の各軸回りに回転移動が可能であることにな
る。X軸回りの回転をロール、Y軸回りの回転をピッ
チ、Z軸回りの回転をヨーと呼ぶ。この座標系は上述し
たパラレルリンクロボット2におけるベース座標系に相
当する。
【0071】制御装置4はコンピュータ装置を用いて構
成されたものであり、図15に示すように、ディスプレ
イ装置3の画面に表示する画像情報を格納した媒体41
の読出装置42を制御する。この種の媒体41としては
ビデオテープを用いてもよいが、ランダムアクセスが可
能なものを用いることが望ましい。つまり、映像情報は
現状の技術では、ビデオCD、レーザディスク、CD−
ROM、ハードディスクから選択される媒体41を用い
て記録される。また、近く実用化されるDVD(デジタ
ルビデオディスク)を用いることも可能と考えられる。
【0072】制御装置4は、キーボードやマウスなどか
らなるデータ入力部43によりメモリよりなるデータ記
憶部44にあらかじめ書き込まれた制御情報と、上述し
た媒体41に映像情報とともに書き込んである進路情報
とに基づいてパラレルリンクロボット2を制御する。デ
ータ入力部43としては、馬の適宜箇所にマークを取り
付けるとともにマークの位置を撮像した画像を解析する
ものを用いてもよい。進路情報は、ディスプレイ装置3
に表示される進路(道の場合が多いが、必ずしも道では
なくてもよい)におけるY軸回りの傾き(つまり上り坂
や下り坂の角度)、Z軸回りの角度変化(つまり進路の
左右の曲がり角度)に関する情報であって、制御情報に
よってパラレルリンクロボットの基本的な動作を決める
とともに、進路情報によって制御情報を補正することに
よってディスプレイ装置3の画面に表示される画像と乗
り物1の動作による体感とをほぼ一致させることができ
るのである。ここで、進路情報にはX軸回りの傾き(つ
まり進路の左右の傾斜の角度)を含んでいないが、一般
的な道ではこの情報を省略しても差支えがないからであ
り、この情報を省略することで進路情報の作成作業が軽
減されることになる。ただし、より現実に近いシミュレ
ーションを行なう場合にはこの情報も含めてよい。
【0073】上述のように、媒体41には映像情報と進
路情報とが含まれているから、読出装置42により読み
出した映像情報と進路情報とを分離することが必要であ
る。そこで、映像制御部45では映像情報と進路情報と
を分離し、映像情報をディスプレイ装置3に与えて画面
に表示させるのである。また、映像制御部45は制御情
報と進路情報とに基づいてディスプレイ装置3の画面で
の映像のコマ送りの速さ(つまり媒体41からの映像情
報および進路情報の読出の速さ)を制御する機能も備え
る。制御情報は演算部40において映像制御部45で分
離された進路情報に基づいて補正され、補正結果は映像
制御部45に返されてディスプレイ装置3に表示される
映像のコマ送りの速さが制御される。また、演算部40
は補正結果をパラレルリンクロボット2の各脚23の長
さに変換する演算(逆運動学計算)を行ない、次に各リ
ンクの第1の自在継手(ユニバーサルジョイント26)
と第2の自在継手(ユニバーサルジョイント27)との
相対的な角度変化による脚23の長さの補正計算を行な
い、演算結果をアクチュエータ制御部47に与える。ア
クチュエータ制御部47では演算部40で求めた各脚2
3の長さに応じたアクチュエータ23cの動作量を求
め、この動作量に従って駆動部48を介してアクチュエ
ータ23cを駆動する。駆動部48はアクチュエータ制
御部47で求めた動作量に基づいてアクチュエータ23
cへの通電を制御する。
【0074】ところで、データ記憶部44に格納される
制御情報は、表1のように、乗り物1に関して、X軸方
向、Y軸方向、Z軸方向の位置Xi ,Yi ,Zi (iは
整数)と、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りの回転角度
(ロール、ピッチ、ヨー)θXi,θYi,θZi(iは整
数)との6つ組を一定時間間隔で設定したものである。
この制御情報は、馬上での振動を模擬したデータであ
り、常足、速歩、駆歩(目的によっては襲歩や荒馬の動
作を含む)などにおける一連の振動パターンが格納され
ている。たとえば、常足であれば馬の4節の動きを一連
の振動パターンとし、この振動パターンを一定時間間隔
で区切るとともに、各区切りごとに上記6つ組を設定す
ることになる。
【0075】
【表1】
【0076】ところで、一連の振動パターンにおける最
初の6つ組と最後の6つ組とは同内容に設定してある。
また、互いに異なる振動パターンにおいても、最初の6
つ組と最後の6つ組とは同内容に設定してある。このこ
とによって、振動パターンを途中で切り換える場合で
も、一連の振動パターンの終了時点で次の一連の振動パ
ターンに移行させれば、違和感なく異なる振動パターン
に移行させることができるのである。振動パターンの選
択は、施療パターン設定部46において行なう。施療パ
ターン設定部46は、振動パターンの順序と繰り返しの
時間(回数でもよい)とを設定するものであり、キーボ
ードやマウスのような入力装置から入力したデータを用
いて表2のようなタイムテーブルとして記憶する。入力
装置はデータ入力部46と共用することも可能である。
【0077】
【表2】
【0078】いま、施療パターン設定部46が、振動パ
ターンとしてA,B,Cの3種類を選択し、A,B,C
の順でそれぞれ継続時間を2分、5分、3分に設定して
いるものとする。この場合、乗り物1を駆動する施療パ
ターンは図16のようになる。このように、基本的な振
動パターンの順序や継続時間を様々に組み合わせること
によって、いろいろな施療パターンを設定することがで
きる。その結果、施療パターンが単調になって被訓練者
が飽きたり、被訓練者が施療パターンを学習し慣れによ
って訓練の効果が低減したりするのを防止することがで
きる。慣れによる訓練効果の低減というのは、被訓練者
が惰性で訓練を続けることによって、意欲が減退したり
身体の応答に緊張感がなくなるという意味である。施療
パターンが単調になるのを防止するために、タイムテー
ブルにおける振動パターンの選択、振動パターンの順
序、継続時間の少なくとも一つの要素を不規則に変化さ
せるように、乱数を発生させその乱数に基づいてこれら
の要素を決定してもよい。
【0079】乱数によって施療パターンを設定するに
は、次のような手順で処理すればよい。すなわち、施療
パターン設定部46では乱数を発生させるとともに、デ
ータ記憶部44に格納された振動パターンの個数分の除
数で乱数を除算する。たとえば、5種類の振動パターン
がデータ記憶部44に格納されているとすれば、5を除
数とし乱数を被除数として除算し、その剰余を各振動パ
ターンに対応付けるのである。さらに具体的に説明すれ
ば、振動パターンがA〜Eの5種類であるとすれば、剰
余が0のときに振動パターンAを選択し、剰余が1のと
きには振動パターンBを選択するというようにして、適
宜個数の乱数列に振動パターンを対応付けることができ
るのである。なお、乱数を0〜4の範囲で発生させるよ
うにすれば除算は不要である。また、振動パターンだけ
ではなく、継続時間についても同様にすればよく、たと
えば2分、4分、6分、8分、10分の5種類の継続時
間をあらかじめ用意しておき、除数を5として乱数を除
算し、剰余が0なら2分、1なら4分というように、乱
数列に合わせて継続時間を設定することができる。この
ように、適宜個数の乱数列を生成すれば、施療パターン
を容易に設定することができる。乱数列は施療パターン
設定部46において発生させるのではなく、乱数表を用
いて人が入力してもよい。
【0080】施療パターンにはラベルを付けて、ラベル
による施療パターンの選択を可能にしてある。ラベルと
しては、被訓練者の名前や被訓練者ごとに作成したカル
テの番号などを用いる。このように施療パターンにラベ
ル付けをしておけば、2度目からはラベルの指定のみで
被訓練者にてきした施療パターンを選択することがで
き、被訓練者に適していない誤った施療パターンを設定
する可能性が低減するのである。
【0081】上述のようにして施療パターンが設定され
ると、パラレルリンクロボット2を制御して乗り物1を
駆動することが可能であるが、乗り物1の駆動を開始し
たときや駆動を停止したときに、その変化が急であると
被訓練者がその変化に対応することができず、乗り物1
からずれたり落ちたりすることも考えられる。そこで、
施療パターンの開始部分と終了部分とでは、徐々に加減
速するように制御するのが望ましい。このような動作を
実現するために、施療パターンには1以下の係数を乗じ
るようにし、施療パターンの開始部分と終了部分とでは
時間経過に伴って係数を変化させる。いま、施療パター
ンが図17(a)に示す形であるとすれば、図17
(b)のように最初の1個の振動パターンに0から1に
向かって徐々に増加する係数を乗じ、最後の1個の振動
パターンに1から0に向かって徐々に減少する係数を乗
じるのである。施療パターンの他の部分では係数は1に
なる。施療パターンにこのような加工を施すことによっ
て、図17(c)のように開始部分と終了部分の動きが
時間経過に伴って増減するような施療パターンを得るこ
とができる。つまり、乗り物1の急激な加減速を防止す
ることができ、安全に訓練することができる。なお、施
療パターンの開始部分と終了部分との係数は、図17
(b)に実線で示すように時間経過に伴って直線的に変
化させたり、一点鎖線で示すように時間経過に伴って適
宜の曲線に沿って変化させたりすればよい。
【0082】上述した動作は基本的な施療パターンの設
定であるが、上述したように、乗り物1の位置を制御す
るに際して、施療パターンはディスプレイ装置3に表示
される画像に対応付けて演算部40で補正される。つま
り、媒体41にはディスプレイ装置3に画像を表示する
ための映像情報に対応付けて進路情報が格納されてお
り、演算部40では進路情報(Y軸回りとZ軸回りの角
度)を施療パターン(制御情報)のY軸回りとZ軸回り
との各角度にそれぞれ加算することにより、制御情報を
補正するのである。
【0083】さらに具体的に説明すると、媒体41に格
納された進路情報は、ディスプレイ装置3に表示される
画像内での進行方向についてY軸回りの角度φYiとZ軸
回りの角度φZiとからなり、これらを施療パターンに加
算することによって乗り物1のY軸回りおよびZ軸回り
の角度ΘYi,ΘZiを決定することができる。すなわち、
制御情報のうちピッチとヨーとがそれぞれθYi,θZi
あるとすると、以下のような補正がなされる。 ΘYi=θYi+φYi ΘZi=θZi+φZi したがって、制御情報が表1のように設定されていると
すると、演算部40で補正された乗り物1の位置は表3
のように表されることになる。
【0084】
【表3】
【0085】さらに、演算部40では表3の各時刻のデ
ータに逆運動学計算を施すことによってパラレルリンク
ロボット2の各脚23の長さLijに変換するのであっ
て、表4のように、一定時間間隔での6本の脚(表4で
は脚1〜6で表してある)23の長さLijが求められ
る。
【0086】
【表4】
【0087】したがって、パラレルリンクロボット2の
各脚23の長さLijを図18のように時間とともに変化
させる経路追従制御が可能になる。なお、図18では脚
23の長さLijについて初期長を基準長さとして表して
ある。以上説明したように、乗り物1の基本的な振動パ
ターンをデータ記憶部46に複数種類格納しておき、こ
れらの振動パターンを適宜に組み合わせた施療パターン
を生成するとともに、ディスプレイ装置3に表示される
画像の映像情報とともに媒体41に格納されている進路
情報を用いて施療パターンを補正するから、ディスプレ
イ装置3に表示される画像の変化に合致するように乗り
物1を駆動する(つまり、上り下りや左右の曲がりを模
擬する)ことが可能になるのである。
【0088】また、施療パターンは複数の振動パターン
を各種に組み合わせて生成されるから、比較的少数の振
動パターンを用いながらも複雑な施療パターンを生成す
ることができ、単調な施療パターンの繰り返しによる被
訓練者の慣れを防止することが可能である。しかも、施
療パターンは基本的な振動パターンの組み合わせである
から経済的に生成することができる。
【0089】(応用例2)応用例1では、データ記憶部
44に格納する制御情報(振動パターン)を一定時間間
隔の位置Xi ,Yi ,Zi ・角度θXi,θYi,θZiのデ
ータからなる6つ組としていたが、本応用例は表5に示
すように、速度VXi,VYi,VZi・角速度ωXi,ωYi
ωZiの6つ組としてある。
【0090】
【表5】
【0091】パラレルリンクロボット2を駆動するに
は、位置Xi ,Yi ,Zi ・角度θXi,θYi,θZiのデ
ータを用いる必要があるから、演算部40では、速度V
Xi,VYi,VZi・角速度ωXi,ωYi,ωZiのデータに数
12を適用して位置Xi ,Yi,Zi ・角度θXi
θYi,θZiのデータ形で変換するのである。このよう
に、速度VXi,VYi,VZi・角速度ωXi,ωYi,ωZi
データを用いると、速度変化つまり加速度感の設定が容
易になる。他の構成および動作は応用例1と同様であ
る。
【0092】
【数12】
【0093】(応用例3)本応用例は、表6に示すよう
に、施療パターンとして振動パターンの順序と継続時間
とのほかに、速度の情報も設定してある。表6では各振
動パターンごとに速度を設定してあるが、同じ振動パタ
ーンで速度を別に設定してもよい。表6に示した施療パ
ターンは図19(a)のようになる。
【0094】
【表6】
【0095】施療パターンの速度情報は、演算部40に
おいてパラレルリンクロボット2に与えるデータの時間
間隔の制御に用いられる。つまり、応用例1では一定時
間間隔でパラレルリンクロボット2を制御しているが、
本応用例では速度情報に応じて時間間隔を変化させるの
である。また、この速度情報は映像制御部45に与えら
れることによって、ディスプレイ装置3の画面表示の送
り速度を制御する。つまり、速度が速くなれば適宜にコ
マを飛ばし、速度が遅くなれば同じコマを必要回数だけ
繰り返して表示するのである。このような制御によっ
て、ディスプレイ装置3の画面表示の送り速度が図19
(b)のように変化することになる。他の構成および動
作は応用例1と同様である。
【0096】(応用例4)本応用例は、図20に示すよ
うに、被訓練者の訓練状態を検出するための訓練状態検
出手段としてセンサ51およびセンサ信号判定部52を
付加したものである。センサ51としては、被訓練者の
生理情報を検出する脈拍検出装置や血圧検出装置、ある
いは被訓練者の動きを検出する加速度センサ53などを
用いることができる。
【0097】脈拍検出装置や血圧検出装置は訓練中の生
理情報を検出する必要があるから、脈拍検出装置として
は、被訓練者の耳たぶに光電センサを取り付けて血流の
変化を検出するものや、被訓練者の胸部にベルト状の電
極を取り付けて心電を検出するものを用いる。血圧検出
装置は、指や手首に取り付ける形式のものを用いるのが
望ましい。なお、これらの生理情報は目安として検出す
ればよいから、たとえば1分毎などに生理情報を検出す
ることができるものでよい。
【0098】一方、加速度センサ53は、図21に示す
ように、帽子状の装着具54を備え、装着具54に対し
て前後方向と左右方向との加速度を検出することができ
るものを用いる。このような加速度センサ53を訓練中
の被訓練者に被せることによって、被訓練者の頭部の動
きを検出することが可能になる。つまり、加速度センサ
53により検出される加速度が大きいということは、被
訓練者が乗り物1の動きに追随して身体を動かすことが
できないと判断することができる。
【0099】しかして、センサ51により検出される脈
拍、血圧、加速度のいずれも所定値より大きくなれば、
被訓練者の生理機能や運動機能が訓練に追随できないこ
とを意味するから、図22に示すように、センサ51の
種類に応じて被訓練者ごとの閾値THを設定しておき、
センサ51の出力が閾値THを越えると乗り物1の動き
を減速し、その後は閾値THを下回ると加速し、閾値T
Hを上回ると減速するという動作を繰り返すことによっ
て、閾値TH付近に保つようにする。このような被訓練
者の状態の管理によって被訓練者が無理をすることな
く、また逆に軽過ぎる負荷になることもなく訓練を継続
することができるのであって、安全かつ効果的な訓練が
可能になる。また、あらかじめ設定した施療時間が経過
すれば、乗り物1の動きを停止させればよい。さらに、
乗り物1の動きを加減速するだけではなく、乗り物1の
傾き角度も増減させることによって乗り物1の振幅を増
減させれば一層安全に訓練することができる。
【0100】乗り物1の動きの加減速には、図22
(b)に示すように、演算部40から出力される一定時
間間隔のデータにおける時間間隔ΔTを増減させればよ
く、乗り物1の傾き角度を増減させるには、演算部40
から出力される角度に1以下の係数を乗じるとともに時
間経過に伴ってこの係数を増減させればよい。上記動作
をまとめると、図23のようになる。すなわち、制御装
置4は、センサ51の出力に対する閾値THを設定した
後に(S1)、乗り物1の駆動を開始させる(S2)。
次に、センサ51の出力をセンサ信号判定部52に取り
込み、センサ51の出力値が閾値THを上回ったか否か
を判定する(S4)。閾値THを一旦越えると、乗り物
1の動きを減速するとともに、傾き角度を減少させるよ
うに制御し(S5)、センサ51の出力をセンサ信号判
定部52に再び取り込み、センサ51の出力値が閾値T
Hを下回ったか否かを判定する(S7)。ステップS7
において依然としてセンサ51の出力値が閾値THを上
回っているときには、乗り物1の動きを減速し、傾き角
度を減少させる制御を続ける。閾値THを下回った場合
には、乗り物1の動きを加速するとともに、傾き角度を
増大させるように制御する(S8)。その後、センサ5
1の出力をセンサ信号判定部52に取り込み、センサ5
1の出力値が閾値THを上回ったか否かを判定する(S
10)。ステップS10において依然としてセンサ51
の出力値が閾値THを下回っているときには、乗り物1
の動きを加速し、傾き角度を増加させる制御を続ける。
閾値THを越えた場合には、ステップS5に戻り、乗り
物1の動きを減速するとともに、傾き角度を減少させ
る。このようにステップS5〜S10の処理を、所定の
施療時間が終了するまで(S3,S6,S9)繰り返し
て、センサ51の出力値が閾値TH付近に保たれるよう
に制御する。施療時間が終了すれば乗り物1を停止させ
る。なお、別に上限の閾値を設定し、上限の閾値を越え
た場合にはただちに乗り物1を停止方向に制御するよう
にしてもよい。他の構成および動作は応用例1と同様で
ある。
【0101】(応用例5)上述の各応用例では、乗り物
1の動きやディスプレイ装置3の表示に関する情報があ
らかじめ与えられており、被訓練者が訓練中に操作する
ことはできないものであった。本応用例では、乗り物1
の動きおよびディスプレイ装置3の表示の速度が被訓練
者により可変である例を示す。つまり、図24に示すよ
うに、演算部40に対して外部指令入力部49から速度
の指示を与えるようにしてある。外部指令入力部49
は、図25に示すように、乗り物1に付加した加速指示
手段としてのアクセル12および減速指示手段としての
ブレーキ13よりなる。
【0102】アクセル12は、図26に示すように、乗
り物の胴の下部の両側面に取り付けられており、アクセ
ル12に作用する圧力を検出するように構成されてい
る。つまり、アクセル12は、図27に示すように、ゴ
ムのような弾性体よりなる受圧板12aに、光ファイバ
12bを蛇行させて形成した圧力センサ12cを重ね合
わせたものであり、圧力センサ12cに圧力が作用する
と光ファイバ12bが変形するようにしてある。光ファ
イバ12bの一端には発光素子が設けられ他端には受光
素子が設けられている。しかして、圧力センサ12cに
圧力が作用すると光ファイバ12bの変形によって受光
量が減少するから、受光素子での受光光量に基づいてア
クセル12に作用する圧力を検出することができる。こ
こで、外部指令入力部49は、アクセル12に作用する
圧力が所定値以上で所定時間以上継続したときに速度の
増加が指示されたと認識する。
【0103】一方、ブレーキ13は、図28に示すよう
に、馬銜環13aを介して手綱13bを取り付けている
馬銜バー13cと、馬銜バー13cの各端部との距離を
検出する距離センサ13dとにより構成されている。距
離センサ13dは、光ビームを投光し受光スポットの像
の位置に基づいて三角測量を行なう光学式のもの、高周
波電磁界を形成し金属の接近によるインピーダンス(渦
電流)の変化を検出する高周波電磁界式のもの、あるい
は周囲の静電容量の変化を検出する静電容量式のものの
うちいずれを用いてもよいが、ここでは乗り物1が振動
するから、振動による誤差が生じにくくかつ比較的入手
しやすい高周波電磁界式のものを用いるのが望ましい。
また、馬銜バー13cには金属板よりなるターゲット1
3eを取り付けておき、周囲環境の変化による誤差が生
じにくいようにしてある。また、馬銜バー13cは中央
部が乗り物1に固定され、かつ固定部位の両側に弾性を
有したばね部13fを有しているのであって、ターゲッ
ト13eはばね部13fよりも端部側に固着される。外
部指令入力部49は、手綱13bを引いて馬銜バー13
cの両端部が同時に距離センサ13dに近づけられ、そ
の距離がともに所定値以下になったときに速度の減少が
指示されたと認識する。
【0104】速度の増加ないし減少が指示されると、演
算部40ではパラレルリンクロボット2を制御する時間
間隔ΔTを変化させ、またディスプレイ装置3に表示す
る画像の送り速度を調節する。これらの速度の制御は応
用例4と同様である。つまり、図29に示すように、ア
クセル12により速度増が指示されると(同図(a))
時間間隔ΔTを短くし(同図(c)(d))、ブレーキ
13により速度減が指示されると(同図(b))時間間
隔ΔTを長くする(同図(c)(d))。他の構成およ
び動作は応用例1と同様である。
【0105】
【発明の効果】請求項1の発明は、互いに離間して配置
されるベースおよびエンドエフェクタと、ベースに取り
付けた6個の第1の自在継手と、エンドエフェクタに取
り付けた6個の第2の自在継手と、第1の自在継手と第
2の自在継手との間を一対一に結合する伸縮自在な脚
と、エンドエフェクタの3次元空間での位置および姿勢
を指令値として与えることにより各脚の長さを制御する
制御手段とを備え、脚が、第1の自在継手と第2の自在
継手との一方に結合されたねじと、ねじに螺合して他方
に結合されたナットと、ねじとナットとの一方を回転駆
動することにより脚を伸縮させるアクチュエータとから
なり、ねじとナットとの他方が第1の自在継手と第2の
自在継手といずれかに対して回転不能に固着されている
ものであり、ねじとナットとにより脚が伸縮するのはも
ちろんのこと、ねじとナットとの螺合部分で第1の自在
継手と第2の自在継手との相対的な回転が可能になるの
であって、従来必要であったスライダと回転ジョイント
とが不要になり、部品点数が削減されて構成が簡単にな
るという利点がある。
【0106】請求項5の発明のように、ナットが合成樹
脂製であって、ナットの温度を検出する温度センサを備
え、制御手段がナットの材料特性に応じて設定されてい
る閾値と温度センサによる検出温度とを比較し検出温度
が閾値に達すると検出温度を低減させるようにアクチュ
エータを制御するものは、ナットを合成樹脂製としたこ
とによって金属製のナットを用いる場合に比較して騒音
が低減されるという利点がある。また、合成樹脂製のナ
ットはねじとの摩擦熱で高温になったときに変形ないし
破損するおそれがあるが、温度センサを用いてナットの
温度を管理しているので、ナットの変形や破損を防止し
ながらも騒音の低減を図ることができるという利点があ
る。
【0107】請求項6の発明のように、検出温度が閾値
に達したときに制御手段によりアクチュエータを減速さ
せるように制御するものでは、ナットの温度が上昇した
ときに、アクチュエータを減速させることによって摩擦
熱の発生を抑制することができる。請求項7の発明のよ
うに、ねじが往復駆動され、検出温度が閾値に達したと
きにねじの往復駆動の振幅を減少させるようにアクチュ
エータを制御するものでは、ナットの温度が上昇したと
きに、アクチュエータの駆動によるねじの往復駆動の振
幅を低減することによって摩擦熱の発生を抑制すること
ができる。
【0108】請求項8の発明のように、各脚にそれぞれ
設けられ第1の自在継手と第2の自在継手との相対的な
角度差を検出する角度差センサと、角度差センサにより
検出された角度差に基づいてねじのピッチに応じた長さ
を求め、求めた長さ分だけ指令値に対して各脚の長さを
補正するようにアクチュエータを駆動する補正手段とを
付加したものでは、第1の自在継手と第2の自在継手と
の相対的な角度差を検出し、検出した角度差に基づいて
脚の長さを補正しているので、エンドエフェクタの位置
および姿勢を精度よく制御することができるという利点
がある。
【0109】請求項9の発明のように、各脚にそれぞれ
設けられ各脚の長さを検出する長さセンサと、長さセン
サにより検出された長さ分だけ指令値に対して各脚の長
さを補正するようにアクチュエータを駆動する補正手段
とを付加したものでは、各脚の長さを実測することによ
って、指令値により求められる脚の長さを補正するか
ら、エンドエフェクタの位置および姿勢を精度よく制御
することができるという利点がある。
【0110】請求項10の発明のように、エンドエフェ
クタの位置および姿勢を検出するセンサを備え、制御手
段ではセンサにより検出されたエンドエフェクタの位置
および姿勢が指令値に一致するようにアクチュエータを
フィードバック制御するものでは、エンドエフェクタの
位置および姿勢をセンサで検出しているから、指令値と
の差を容易に知ることができ、エンドエフェクタの位置
および姿勢をフィードバック制御することによってエン
ドエフェクタの位置および姿勢を精度よく制御すること
ができるという利点がある。
【0111】エンドエフェクタの位置および姿勢は、請
求項11の発明のように、エンドエフェクタの異なる3
箇所にユニバーサルジョイントを介して結合される3本
の脚にそれぞれ脚の長さを検出する長さセンサを設け、
この3本の脚のうちの2本にベースとの間のユニバーサ
ルジョイントに設けた2本の軸の回転角度を検出する角
度センサを設けることにより検出することができる。
【0112】あるいはまた、エンドエフェクタの位置お
よび姿勢の検出に、請求項12の発明のように、エンド
エフェクタの異なる3箇所に設定したマークの3次元位
置を検出する3次元位置センサを用いたり、エンドエフ
ェクタの姿勢を検出するようにエンドエフェクタに取り
付けたジャイロセンサと、1本の脚における長さを検出
する長さセンサと、その脚とベースとの間のユニバーサ
ルジョイントに設けた2本の軸の回転角度を検出する角
度センサとを用いたりすることができる。とくに、請求
項13の発明の構成によれば、センサが4個であって比
較的少なく、また、センサによる検出値の処理も比較的
簡単である。
【0113】請求項14の発明のように、請求項1ない
し請求項4記載のパラレルリンクロボットにおける各脚
の長さを制御するにあたって、エンドエフェクタの位置
および姿勢を指示する指令値に基づいて各脚ごとのねじ
とナットとの相対的な角度差を演算により求め、上記角
度差に基づいてねじのピッチに応じた長さを求め、指令
値に基づいて求めた各脚の長さを上記角度差に基づいて
求めた長さ分だけ補正した長さに基づいてアクチュエー
タを駆動すれば、指令値のみに基づいて脚の長さを正確
に補正することができるという利点がある。
【0114】請求項15の発明のように、請求項1ない
し請求項4記載のパラレルリンクロボットにおける各脚
の長さを制御するにあたって、エンドエフェクタの姿勢
を指示する各指令値に各脚ごとのねじとナットとの相対
的な角度差を対応付ける関係をあらかじめ求めておき、
指令値が与えられたときに上記関係を用いて上記角度差
を求め、上記角度差に基づいてねじのピッチに応じた長
さを求め、指令値に基づいて求めた各脚の長さを上記角
度差に基づいて求めた長さ分だけ補正した長さに基づい
てアクチュエータを駆動すれば、請求項14の方法に比
較するとエンドエフェクタの位置や姿勢の制御精度は低
いが、複雑な演算を必要としないから高速な処理が可能
になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示し、(a)は概略斜視
図、(b)は要部断面図である。
【図2】同上の要部斜視図である。
【図3】同上における要部回路のブロック図である。
【図4】同上における要部回路の動作説明図である。
【図5】同上における動作原理の説明図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】本発明の実施形態2の要部断面図である。
【図8】本発明の実施形態4を示し、(a)は実施形態
1に対応する要部斜視図、(b)は実施形態2に対応す
る要部斜視図である。
【図9】本発明の実施形態5を示し、(a)は実施形態
1に対応する要部斜視図、(b)は実施形態2に対応す
る要部斜視図である。
【図10】本発明の実施形態6を示す要部斜視図であ
る。
【図11】同上の要部回路のブロック図である。
【図12】本発明の実施形態7を示す概略斜視図であ
る。
【図13】本発明の実施形態8を示す概略斜視図であ
る。
【図14】応用例1を示す斜視図である。
【図15】同上のブロック図である。
【図16】同上の施療パターンの一例を示す動作説明図
である。
【図17】同上の動作説明図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【図19】本発明の応用例3を示す動作説明図である。
【図20】本発明の応用例4を示すブロック図である。
【図21】同上に用いる加速度センサを示す斜視図であ
る。
【図22】同上の動作説明図である。
【図23】同上の動作説明図である。
【図24】本発明の応用例5を示すブロック図である。
【図25】同上に用いる乗り物の側面図である。
【図26】同上に用いる乗り物の正面図である。
【図27】同上に用いるアクセルを示し、(a)は正面
図、(b)は側面図である。
【図28】同上に用いるブレーキの概略構成図である。
【図29】同上の動作説明図である。
【図30】従来例を示す要部側面図である。
【符号の説明】
4 制御装置 21 ベース 22 エンドエフェクタ 23 脚 24 モータ 25aねじ 25bナット 26 ユニバーサルジョイント 27 ユニバーサルジョイント 28 温度センサ 32 角度差センサ 34 距離センサ 35a,35b 角度センサ 36a,36b イメージセンサ 37 マーク 38 ジャイロセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 秀樹 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに離間して配置されるベースおよび
    エンドエフェクタと、ベースに取り付けた6個の第1の
    自在継手と、エンドエフェクタに取り付けた6個の第2
    の自在継手と、第1の自在継手と第2の自在継手との間
    を一対一に結合する伸縮自在な脚と、エンドエフェクタ
    の3次元空間での位置および姿勢を指令値として与える
    ことにより各脚の長さを制御する制御手段とを備え、脚
    は、第1の自在継手と第2の自在継手との一方に結合さ
    れたねじと、ねじに螺合して他方に結合されたナット
    と、ねじとナットとの一方を回転駆動することにより脚
    を伸縮させるアクチュエータとからなり、ねじとナット
    との他方は第1の自在継手と第2の自在継手といずれか
    に対して回転不能に固着されていることを特徴とするパ
    ラレルリンクロボット。
  2. 【請求項2】 第1の自在継手および第2の自在継手は
    ユニバーサルジョイントであることを特徴とする請求項
    1記載のパラレルリンクロボット。
  3. 【請求項3】 ねじがアクチュエータにより回転駆動さ
    れることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパ
    ラレルリンクロボット。
  4. 【請求項4】 ナットがアクチュエータにより回転駆動
    されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    パラレルリンクロボット。
  5. 【請求項5】 ナットは合成樹脂製であって、ナットの
    温度を検出する温度センサを備え、制御手段はナットの
    材料特性に応じて設定されている閾値と温度センサによ
    る検出温度とを比較し検出温度が閾値に達すると検出温
    度を低減させるようにアクチュエータを制御することを
    特徴とする請求項1ないし請求項4記載のパラレルリン
    クロボット。
  6. 【請求項6】 制御手段は検出温度が閾値に達したとき
    にアクチュエータを減速させるように制御することを特
    徴とする請求項5記載のパラレルリンクロボット。
  7. 【請求項7】 ねじは往復駆動され、制御手段は検出温
    度が閾値に達したときにねじの往復駆動の振幅を減少さ
    せるようにアクチュエータを制御することを特徴とする
    請求項5記載のパラレルリンクロボット。
  8. 【請求項8】 各脚にそれぞれ設けられ第1の自在継手
    と第2の自在継手との相対的な角度差を検出する角度差
    センサと、角度差センサにより検出された角度差に基づ
    いてねじのピッチに応じた長さを求め、求めた長さ分だ
    け指令値に対して各脚の長さを補正するようにアクチュ
    エータを駆動する補正手段とを付加したことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4記載のパラレルリンクロボッ
    ト。
  9. 【請求項9】 各脚にそれぞれ設けられ各脚の長さを検
    出する長さセンサと、長さセンサにより検出された長さ
    分だけ指令値に対して各脚の長さを補正するようにアク
    チュエータを駆動する補正手段とを付加したことを特徴
    とする請求項1ないし請求項4記載のパラレルリンクロ
    ボット。
  10. 【請求項10】 エンドエフェクタの位置および姿勢を
    検出するセンサを備え、制御手段はセンサにより検出さ
    れたエンドエフェクタの位置および姿勢が指令値に一致
    するようにアクチュエータをフィードバック制御するこ
    とを特徴とする請求項1記載のパラレルリンクロボッ
    ト。
  11. 【請求項11】 エンドエフェクタの異なる3箇所にユ
    ニバーサルジョイントを介して結合される3本の脚にそ
    れぞれ脚の長さを検出する長さセンサを設け、この3本
    の脚のうちの2本にはベースとの間のユニバーサルジョ
    イントに設けた2本の軸の回転角度を検出する角度セン
    サを設け、制御手段は長さセンサと角度センサとの出力
    に基づいて検出されるエンドエフェクタの位置および姿
    勢を指令値に一致させるようにフィードバック制御する
    ことを特徴とする請求項2記載のパラレルリンクロボッ
    ト。
  12. 【請求項12】 上記センサはエンドエフェクタの異な
    る3箇所に設定したマークの3次元位置を検出する3次
    元位置センサであることを特徴とする請求項10記載の
    パラレルリンクロボット。
  13. 【請求項13】 上記センサはエンドエフェクタの姿勢
    を検出するようにエンドエフェクタに取り付けたジャイ
    ロセンサと、1本の脚における長さを検出する長さセン
    サと、その脚とベースとの間のユニバーサルジョイント
    に設けた2本の軸の回転角度を検出する角度センサとか
    ら成ることを特徴とする請求項10記載のパラレルリン
    クロボット。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項4記載のパラレ
    ルリンクロボットにおける各脚の長さを制御するにあた
    って、エンドエフェクタの位置および姿勢を指示する指
    令値に基づいて各脚ごとのねじとナットとの相対的な角
    度差を演算により求め、上記角度差に基づいてねじのピ
    ッチに応じた長さを求め、指令値に基づいて求めた各脚
    の長さを上記角度差に基づいて求めた長さ分だけ補正し
    た長さに基づいてアクチュエータを駆動することを特徴
    とするパラレルリンクロボットの制御方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項4記載のパラレ
    ルリンクロボットにおける各脚の長さを制御するにあた
    って、エンドエフェクタの姿勢を指示する各指令値に各
    脚ごとのねじとナットとの相対的な角度差を対応付ける
    関係をあらかじめ求めておき、指令値が与えられたとき
    に上記関係を用いて上記角度差を求め、上記角度差に基
    づいてねじのピッチに応じた長さを求め、指令値に基づ
    いて求めた各脚の長さを上記角度差に基づいて求めた長
    さ分だけ補正した長さに基づいてアクチュエータを駆動
    することを特徴とするパラレルリンクロボットの制御方
    法。
JP35737096A 1996-12-24 1996-12-24 パラレルリンクロボットおよびその制御方法 Expired - Fee Related JP3834117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35737096A JP3834117B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 パラレルリンクロボットおよびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35737096A JP3834117B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 パラレルリンクロボットおよびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10180674A true JPH10180674A (ja) 1998-07-07
JP3834117B2 JP3834117B2 (ja) 2006-10-18

Family

ID=18453793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35737096A Expired - Fee Related JP3834117B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 パラレルリンクロボットおよびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3834117B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003071665A (ja) * 2001-08-28 2003-03-12 Toyoda Mach Works Ltd 工作機械
KR101013864B1 (ko) 2008-10-21 2011-02-14 현대자동차주식회사 병렬 로봇용 다단 신축 포드
CN102699904A (zh) * 2012-07-03 2012-10-03 河北工业大学 一种六自由度三支链并联机器人机构
JP2013066954A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Seiko Epson Corp ロボット及びロボットの制御方法
CN104589325A (zh) * 2015-01-24 2015-05-06 江西省机械科学研究所 齿轮驱动电动缸三平一转空间四自由度机械手
CN104589317A (zh) * 2015-01-24 2015-05-06 江西省机械科学研究所 带传动三平动机械手
CN104589328A (zh) * 2015-01-24 2015-05-06 江西省机械科学研究所 带驱动电动缸三平动机械手
CN104690720A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 齿轮传动重载两平动机械手
CN104690721A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 带驱动电动缸重载两平动机械手
CN104690718A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 齿轮传动空间四活动度机械手
CN104690719A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 带传动空间四活动度机械手
FR3014520A1 (fr) * 2013-12-11 2015-06-12 Centre Nat Rech Scient Actionneur lineaire de support de charge et hexapode comprenant de tels actionneurs
JP2016035430A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 ローランドディー.ジー.株式会社 ステージ機構
JP2016165778A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 ローランドディー.ジー.株式会社 ステージ機構
CN113967906A (zh) * 2021-11-19 2022-01-25 伯朗特机器人股份有限公司 基于附加编码器的并联六轴机器人位姿正解方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003071665A (ja) * 2001-08-28 2003-03-12 Toyoda Mach Works Ltd 工作機械
KR101013864B1 (ko) 2008-10-21 2011-02-14 현대자동차주식회사 병렬 로봇용 다단 신축 포드
JP2013066954A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Seiko Epson Corp ロボット及びロボットの制御方法
CN102699904A (zh) * 2012-07-03 2012-10-03 河北工业大学 一种六自由度三支链并联机器人机构
FR3014520A1 (fr) * 2013-12-11 2015-06-12 Centre Nat Rech Scient Actionneur lineaire de support de charge et hexapode comprenant de tels actionneurs
WO2015086786A3 (fr) * 2013-12-11 2015-08-06 Centre National De La Recherche Scientifique (Cnrs) Actionneur lineaire de support de charge et hexapode comprenant de tels actionneurs
JP2016035430A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 ローランドディー.ジー.株式会社 ステージ機構
CN104589325A (zh) * 2015-01-24 2015-05-06 江西省机械科学研究所 齿轮驱动电动缸三平一转空间四自由度机械手
CN104690721A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 带驱动电动缸重载两平动机械手
CN104690718A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 齿轮传动空间四活动度机械手
CN104690719A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 带传动空间四活动度机械手
CN104690720A (zh) * 2015-01-24 2015-06-10 江西省机械科学研究所 齿轮传动重载两平动机械手
CN104589328A (zh) * 2015-01-24 2015-05-06 江西省机械科学研究所 带驱动电动缸三平动机械手
CN104589317A (zh) * 2015-01-24 2015-05-06 江西省机械科学研究所 带传动三平动机械手
JP2016165778A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 ローランドディー.ジー.株式会社 ステージ機構
CN113967906A (zh) * 2021-11-19 2022-01-25 伯朗特机器人股份有限公司 基于附加编码器的并联六轴机器人位姿正解方法
CN113967906B (zh) * 2021-11-19 2023-03-14 伯朗特机器人股份有限公司 基于附加编码器的并联六轴机器人位姿正解方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3834117B2 (ja) 2006-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10180674A (ja) パラレルリンクロボットおよびその制御方法
JP3199130B2 (ja) 3次元座標入力装置
US8751041B2 (en) Method to generate humanlike motion of humanoid robot
Chinello et al. A modular wearable finger interface for cutaneous and kinesthetic interaction: control and evaluation
JP4490997B2 (ja) 移動ロボット
Moore et al. Cobot implementation of virtual paths and 3D virtual surfaces
JP2007015037A (ja) ロボットのモーション編集装置及びモーション編集方法、コンピュータ・プログラム、並びにロボット装置
JP2001277159A (ja) 脚式移動ロボット及びその制御方法、並びに、脚式移動ロボット用相対移動測定センサ
Pateromichelakis et al. Head-eyes system and gaze analysis of the humanoid robot Romeo
JP6228097B2 (ja) 移動ロボット
Tadakuma et al. Development of anthropomorphic multi-DOF master-slave arm for mutual telexistence
US20110172823A1 (en) Robot and control method thereof
JP2008207262A (ja) マニピュレータシステム
Kaplish et al. Motion retargeting and control for teleoperated physical human-robot interaction
JPH0457688A (ja) 慣性系におけるロボットの制御装置
Okada et al. Development of a cybernetic shoulder-a 3-DOF mechanism that imitates biological shoulder motion
JP2002263151A (ja) 全方向移動型歩行介助装置
Hasunuma et al. Development of teleoperation master system with a kinesthetic sensation of presence
JP3534147B2 (ja) 3次元入力用マニピュレータ
JPS60205721A (ja) ロボツト動作教示装置
JP2918505B2 (ja) 3次元形状計測装置
US20220287788A1 (en) Head movement control of a viewing system
JP2552977B2 (ja) 力フィードバック型多軸操作装置
JP3080791B2 (ja) マニプレータの直接教示用補助装置
Yoon et al. A Planar Symmetric Walking Cancellation Algorithm for a Foot—Platform Locomotion Interface

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060721

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120728

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120728

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130728

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees