JPH10180092A - 焼結積層吸着体およびその製造法 - Google Patents

焼結積層吸着体およびその製造法

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JPH10180092A
JPH10180092A JP8356207A JP35620796A JPH10180092A JP H10180092 A JPH10180092 A JP H10180092A JP 8356207 A JP8356207 A JP 8356207A JP 35620796 A JP35620796 A JP 35620796A JP H10180092 A JPH10180092 A JP H10180092A
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JP
Japan
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adsorbent
activated carbon
zeolite
sintered laminated
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JP8356207A
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English (en)
Inventor
Toichiro Izawa
登一郎 井澤
Masayuki Goto
正幸 後藤
Michio Takayanagi
岐夫 高柳
Yoshinori Yamaguchi
祥範 山口
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OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
Original Assignee
OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
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Publication date
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス状であると思われている臭気成分も実際に
は目に見えない微細な水のミストに含まれた形で存在す
ることが多く、そのような場合従来の活性炭を素材とす
る吸着材では活性炭表面が疎水性であるため水滴が直ち
には吸着されず、水滴が活性炭の細孔を塞いで吸着能が
急速に低下してしまう。 【解決手段】本発明においては、気体成分吸着能に優れ
る活性炭および/またはゼオライトを核とし、その外側
に水の吸着に優れる無機質吸着材を被覆し、焼成するこ
とにより焼結積層吸着体を得た。この吸着体は臭気成分
を含むミストと接触するとまず親水性の被覆層で水分を
吸着し、ついで遊離したガス状臭気成分を核として構成
する活性炭および/またはゼオライトにより効率的、持
続的に吸着除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭および/ま
たはゼオライトを含んでなる核と無機質吸着材を含んで
なる被覆層を有する焼結積層吸着体およびその製造法に
係り、水性ミストに含まれた臭気成分を効率よく且つ持
続的に吸着除去しうる吸着体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の臭気成分を同時に且つ強力に吸着
除去しうる吸着材としては、専ら粒状またはハニカム状
活性炭が用いられており、飲食店や家庭内の厨房、冷蔵
庫、便所などでも繁用されている
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に臭気成分はガス
状で空中に漂っているものと思われている。したがって
活性炭等の脱臭能テストに際しては、アンモニアや硫化
水素といったガス状の臭気成分を空気に混合し、それを
脱臭剤に接触させて脱臭能を判定している。しかしこの
モデルガスを用いるテストにおいて良好な成績を収めた
活性炭等の吸着材が厨房、冷蔵庫、便所といった場所で
は期待通りの脱臭能を持続的に発揮し得ないことは日常
しばしば経験するところである。ところがこれらの場所
に置かれた活性炭を他の場所に移して放置しておくとま
た脱臭能がかなり回復していることが多い。この現象
は、モデルガスによるテストに使用される空気も平均的
な相対湿度を有していることから、厨房や冷蔵庫内にお
ける吸着材の脱臭能低下の原因がそこに存在する湿気の
みに起因するとは考え難い。そこで、本発明者らはモデ
ルガスを用いるテストの脱臭と厨房、冷蔵庫内、便所等
における脱臭に何か根本的な相違があるのではないかと
の疑問を持ち、まず空気中の臭気成分の存在状態につい
て徹底的な究明を行った。その結果厨房、冷蔵庫、便所
等においては使用される水や冷気の関係で、目には見え
ない極く微細な水のミストが発生しており、臭気成分の
多くはそのミストに含まれた形で空気中を移動または浮
遊していることがわかってきた。また臭気成分がミスト
に含まれた状態で存在するという現象はたばこの煙、石
油ストーブからの温風や自動車の排気ガスなど日常の生
活環境においてかなり普遍的に生じていることも明らか
なってきた。これらの事実から臭気を含んだミストが脱
臭材である活性炭表面に接触した場合、その表面が疎水
性である活性炭はミストとしての水滴を直ちには吸着す
ることができず、水滴が活性炭細孔の入り口を塞ぐ結
果、脱臭能が低下し、この水滴が蒸発すると脱臭能が回
復するという状況が論理的にも解明された。そこで本発
明者らは、臭気成分と同時にミストが存在するような環
境においても優れた脱臭能を発揮する吸着材を得るため
に、水に対する親和性が高く、水滴を素早く吸着する吸
着材としてゼオライトに目を付け、このゼオライトと活
性炭との混合使用を試みたが、単なる混合使用では脱臭
材層の圧損の増大および活性炭とゼオライトとの層の分
離により、充分な成果が得られなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、ガ
ス状の臭気成分をよく吸着する細孔径の小さな吸着材で
ある活性炭やゼオライトを核とし、その外側をより水の
吸着に優れる脱色用粘土類や珪酸塩類で被覆したものを
焼成して得られた吸着材を用いて、臭気成分が水性ミス
トに含まれた状態で存在する場合の脱臭効果をテストし
たところ、活性炭やゼオライトの単独使用に比して遥か
に脱臭効果が高く、且つその効果が長期に亙り持続する
ことが判明した。本発明者らはこの知見の基づき更に研
究を重ねて本発明を乾性するに至った。すなわち本発明
は、(1)活性炭および/またはゼオライトを含んでな
る核と無機質吸着材を含んでなる被覆層を有する焼結積
層吸着体、(2)無機質吸着材が脱色用粘土類および珪
酸塩類の少なくとも1種である前記(1)記載の焼結積
層吸着体、(3)核と被覆層の体積比が1:0.5〜6
である前記(1)記載の焼結積層吸着体、(4)核が4
5〜99重量%の活性炭および/またはゼオライトと1
〜50重量%の結合材を含むものであり、被覆層が40
〜85重量%の無機質吸着材と5〜55重量%の結合材
を含むものである前記(1)記載の焼結積層吸着体、
(5)被覆層がさらに0.5〜10重量%のフラックス
を含むものである前記(4)記載の焼結積層吸着体、
(6)活性炭および/またはゼオライトを含んでなる核
と、無機質吸着材を含んでなる被覆層からなる成形体を
400〜750℃で焼成する焼結積層吸着体の製造法、
(7)核と被覆層の体積比が1:0.5〜5である前記
(6)記載の焼結積層吸着体の製造法、(8)核が45
〜99重量%の活性炭および/またはゼオライトと1〜
50重量%の結合材を含むものであり、被覆層が40〜
85重量%の無機質吸着材と5〜55重量%の結合材を
含むものである前記(7)記載の焼結積層吸着体の製造
法、および(9)被覆層がさらに0.5〜10重量%の
フラックスを含むものである前記(8)載の焼結積層吸
着体の製造法、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる活性炭の原料
としては、たとえば、木粉、木炭、ヤシ殻などの植物原
料、たとえば泥炭、亜炭、瀝青炭、無煙炭、石油ピッ
チ、コークス、コールタールなどの化石原料、たとえば
フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂などの各種合成樹脂原料、たとえばポリブ
チル、ポリブタジエン、ポリクロロプレンなどの合成ゴ
ム原料などが挙げられる。これらの活性炭原料は、たと
えば固定床、移動床、流動床などで炭化・賦活される。
賦活にはたとえば水蒸気、塩化水素、一酸化炭素、二酸
化炭素、酸素などを用いるガス賦活、アルカリ、酸また
は塩を用いる薬品賦活などがあげられるが、本発明にお
いてはそのいずれによっても賦活されたものでも使用す
ることができる。本発明に用いられる活性炭は、液体窒
素温度条件下の窒素吸着によるBET表面積が通常50
0〜3500m2/g、好ましくは700〜3000m2
/g、より好ましくは900〜2500m2/gのもの
である。ゼオライトは沸石と呼ばれ、一般式
【化1】 で表される鉱物群である。このゼオライトは、(Al,
Si)O4四面体が頂点を共有してつくる三次元網目構
造中の空孔に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水分
子等が入った構造を有しており、陽イオン交換能を有し
ている。またゼオライトは極めて親水性であり、その水
分子は連続的に脱水、復水する。ゼオライトには天然ゼ
オライトと合成ゼオライトがあり、本発明においてはそ
のいずれも使用することができる。天然ゼオライトとし
ては、たとえばP型ゼオライト(等軸晶系)、X、Y型
ゼオライト(三方晶系)、T型ゼオライト(斜方晶
系)、輝沸石(単斜晶系)などが挙げられる。
【0006】合成ゼオライトとしては、たとえばZA−
4型ゼオライト、ZY−9型ゼオライト、ZMS−5型
ゼオライト、4A及び5Aと呼ばれるA型ゼオライト、
ホージァサイト型といわれる13X型ゼオライト、A型
およびホージァサイト型ゼオライトを、NaOH、NaHCO3
Na2CO3、Na2S、Na2SO4、NaNO3、NaCl 等のナトリウム化
合物や LiNO3、LiCl、LiOH、LiF、Li2(OH)CO3 等のリチ
ウム化合物とpH10以上の溶液中で熱水処理、変性し
て得られるソーダライト型ゼオライトなどが挙げられ
る。天然ゼオライトの細孔径は3〜400オングストロ
ームと細孔径に大小があるが、合成ゼオライトの細孔径
は3〜9オングストロームとほぼ均一である。これらの
ゼオライトの中で、粒度が揃い、細孔径がほぼ均一な合
成ゼオライトが好ましく用いられる。特にそのAl/Siの
原子比が0.9〜1.2でNa/Alの原子比0.9〜1.4のものが有
利に使用される。活性炭および/またはゼオライトが核
において占める割合は、100重量%でもよく、結合材
などが用いられる場合は通常45〜99重量%、好まし
くは55〜95重量%、さらに好ましくは60〜90重
量%である。
【0007】本発明の焼結積層吸着体の核は前述のとお
り活性炭および/またはゼオライトを含んでなる成形物
である。その成形体の形状、大きさは特に限定されず
球、長球、表面に突起を有する金平糖様粒状などいずれ
の形状のものでもよく、また粒状の場合の粒径は通常
0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmである。天然ゼ
オライトや粒状炭、破砕炭などで、たとえば当初から
0.5〜5mmといった粒径を有するものはそのまま核
として用いることができる。これに対し粉末炭や粉末状
のゼオライトは、通常適当な結合材、たとえばメチルセ
ルロース、デンプン等の糊料、フェノール樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などの合
成樹脂のラテックス、またはカオリン、モンモリナイト
等の乾燥固結性粘土類を用いて、自体公知の成形法に従
って所望の形に成形すればよいが、通常粒状とするのが
好ましい。結合材を用いる場合、その使用量は無水物換
算で核の1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、
さらに好ましくは5〜35重量%である。有機質の結合
材は、本発明の焼結積層吸着体の製造工程中に行われる
焼成により熱分解して生ずるガスの通過または物質の欠
損により成形体に空洞を形成させるので、得られた粒状
物はより多孔質となる。また合成ゼオライトは600〜
860℃で溶融するのでその性質を利用して粉末活性炭
の結合材として用いることができる。すなわち、粉末活
性炭と合成ゼオライトの混合物、特に活性炭1重量部に
対し合成ゼオライト0.2〜5重量部、好ましくは0.5
〜2重量部を含み、必要により他の結合材やフラックス
の適量を加えた混合物を、合成ゼオライトの表面が溶融
する程度の温度で比較的短時間焼成すると、活性炭と合
成ゼオライトまたは合成ゼオライトと合成ゼオライトが
点接着し、細孔径5,000〜50,000オングストロ
ーム程度のマクロポアを有するセラミック吸着体が得ら
れる。そしてこの場合、結合材でもある合成ゼオライト
は、元の吸着性能の50〜80%を保持しており、本発
明の焼結積層吸着体の核として最も好ましい具体例の1
つである。核は無機質吸着材、結合材、必要によりフラ
ックスを含有する被覆層により被覆される。無機質吸着
材は水分をよく吸収する鉱物、すなわち親水性の無機質
吸着材が好ましく、その好適な例としては、たとえばセ
ピオライト、酸性白土、活性白土などの脱色用粘土類、
珪藻土などの珪酸塩類が挙げられる。
【0008】セピオライトは鎖状粘土鉱物であり、10
オングストローム付近と200オングストローム付近の
2種の細孔径を有し、特異な鎖状結晶構造により吸着お
よび脱色能を有する。酸性白土および活性白土は、シリ
カ層、アルミナ層、シリカ層の三層からなる結晶構造体
で、その細孔径は200〜300オングストロームであ
り、比表面積は100〜400m2/gである。珪藻土
は含水非晶質シリカであり、細孔径は2000〜400
0オングストロームである。吸着作用のほか脱脂、濾過
材としても用いられる。これら脱色用粘土や珪藻土はい
ずれも親水性表面と高い水分吸着作用を有しているが、
550〜750℃で結晶構造が崩れ、750℃以上で吸
着、脱色作用は消失する。無機質吸着材を含有する被覆
層を核の外側に形成させるためには、無機質吸着材、結
合材、適当な溶媒、さらに必要によりフラックス等を用
い、自体公知の被覆手段に従って核を被覆し、たとえば
球、長球、多角粒状などの成形物とする。結合材として
は、たとえば長石、カオリン、陶石、モンモリロナイト
などの乾燥固結性を有する粘土類および焼成により溶融
して結合力を発揮するフリット類などがあげられる。フ
リット類としては、ビン、板ガラスなどのソーダライム
ガラス粉末、アンプルなどのホウケイ酸ガラス粉末、陶
磁器用釉薬等の軟化点が550〜750℃のガラス粉末
が挙げられる。またホタル石、水晶石等のフッ化物や塩
化カルシウム、塩化ナトリウムなどの塩化物、ホウ酸ナ
トリウム、ホウ酸カルシウムなどのホウ酸塩などの揮発
性融材である鉱化材すなわちフラックスを併用すること
により、結合材表面の軟化温度を低下させ、その結果低
温焼成により無機質吸着材の吸収性能を失わせることな
く、各構成成分の微粒子を強固に点接着して強度が高
く、且つ多孔質のセラミック吸着体を得ることもでき
る。
【0009】被覆層を構成する各成分の使用割合は、無
水物換算で、無機質吸着材が通常40〜85重量%、好
ましくは45〜80重量%、結合材が通常5〜55重量
%、好ましくは10〜50重量%である。結合材として
粘土とフリット類を共に用いる場合、それらの使用割合
は被覆層全体に対して粘土が通常2〜25重量%、好ま
しくは3〜20重量%、フリット類が通常3〜40重量
%、好ましくは7〜35重量%である。さらにフラック
スを用いる場合、その使用量は被覆層に対して通常0.
5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。また
焼結積層吸着体に抗菌性、触媒活性その他の機能を持た
せようとする場合は、たとえば銀、銅、亜鉛等の抗菌金
属イオンや酸化チタン、リン酸カルシウム塩などを添着
もしくはイオン交換により担持させた活性炭、粘土類、
ゼオライト等を核及び/または被覆層に配合したり、ま
たは吸着体をそれらの金属イオンや酸化物、塩で表面処
理することにより、目的を達成することができる。これ
らの金属を配合する場合の配合比は、核および/または
被覆層に対し0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重
量%程度である。得られる積層吸着体の成形物として取
り扱いや使用に便利なものは、直系が1〜15mm、好
ましくは2〜10mm程度の粒状物である。被覆造粒に
よく用いられる回転ドラム使用湿式造粒法は、通常ドラ
ムに核を入れ、回転させながら被覆層を構成する成分の
粉末と溶媒を交互に少量ずつ供給してゆくのであるが、
その途中で意図的にやや多量の粉を供給し、水等の溶媒
の供給を少なめにすると粒子の表面にさらに小さな粒子
が多数付着し、その後で粉末、溶媒の供給を通常に戻し
て被覆を続けると、いわゆる金平糖様の外観を有する粒
状物が得られる。この多突起粒状物は使用時の圧損が低
いという利点を有している。
【0010】被覆層は一層のみでもよいが、吸着性能の
異なる無機質吸着材を用いた層を複数形成させてもよ
い。その場合核を含め内層から外層に至る各層の吸着材
の細孔径が順次小さいものから大きなものへと変化して
ゆくような組み合わせにすると、ミストに含まれた臭気
成分をより効果的に除去することができる。得られた形
成物を自然乾燥または50〜300℃の熱風で乾燥した
後焼成する。焼成温度は無機質吸着材の吸着性能が失活
せず結合材の表面が軟化する温度が適当であり、具体的
には400〜750℃、好ましくは400〜700℃で
ある。この焼成により被覆層における無機質吸着材と結
合材が点接着して5,000〜200,000オングスト
ローム程度の細孔径を有する二次空隙が形成される。こ
のようにして形成される二次空隙の総容積が0.2〜0.
5ml/g程度のものがミストに含まれた臭気成分の吸
着に特に適している。核と被覆層の体積比は特に限定さ
れないが、核1に対し被覆層の合計が通常0.5〜6、
好ましくは1〜4である。また得られた焼結積層吸着体
は焼結体であるので、吸着破過したものは通常400〜
600℃で加熱処理することにより何度でも再利用する
ことができる。
【0011】
【実施例】以下に実施例および実験例をあげて本発明を
より具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定
されるものではない。 実施例1 粉末状活性炭(武田薬品工業製、PHC 5(商品
名))70重量部、ノボラック型フェノール樹脂30重
量部にイソプロパノール3重量部を加え、ミキサーで均
一に混合してやや粘り気のある粉末を得た。これをドラ
ム式マルメライザーで直径2〜3mmの粒状物に成形し
た。別に、セピオライト(水澤化学工業製、エードプラ
スSP(商品名))60重量部、200〜250メッシ
ュのソーダライムガラス粉末30重量部、200〜25
0メッシュのカリ長石7重量部、200〜250メッシ
ュのホタル石3重量部を乾式ボールミルで2時間混合し
た。ドラム式マルメライザーに入った粒状活性炭に、霧
を吹き込みながらセピオライトを含む粉末を少量ずつ振
りかけながらドラムを回転させると活性炭の核の回りに
セピオライトを含む粉末が付着して直径5mm程度の粒
状物が得られた。粒状物を風乾し、空気を遮断して67
0℃で1時間半焼成すると白色の焼結積層吸着体(a)
が得られた。この吸着体(a)のJIS法による物性
値、BET法及び水銀圧入法による細孔特性等を以下に
示す。
【0012】 JIS法による硬度: 55 カサ比重 : 0.4 細孔分布と累積容量: 70オングストローム 0.4ml/g 400オングストローム 0.7ml/g 8,000オングストローム 0.2ml/g 比表面積(BET法):490m2/g この結果からも明らかなように、被覆層にはセピオライ
トと結合材の点接着により8,000〜10,000オン
グストロームの二次空隙が形成されていることが確認さ
れた。
【0013】実験例1 焼結積層吸着体(a)の臭気成分を含むミスト吸着テス
ト 水100mlに、トルエン1ml、アニリン0.5m
l、80%ホルマリン1mlおよびメチルケトン1ml
を分散させた液を準備した。この分散液を、先端を液中
に開口する空気導入ガラス管および液面上に開口する空
気導出ガラス管を貫通させたゴム栓で施栓された500
ml三角フラスコ(ミスト発生装置)に入れた。空気導
入管から乾燥空気を吹き込むと、導出口から湿度70%
程度の空気が出てきた。はじめは殆ど臭いはないが、時
間の経過とともにホルマリン臭、アニリン臭、メチルケ
トン臭がしてきた。この空気を布に含ませ乾燥すると激
しい臭がした。すなわちミスト中から臭気成分が空気中
に出たことを示している。この装置の空気導出管の先に
焼結積層吸着体(a)を約20ml充填したカラムを繋
ぐと出口のガスは湿度20%程度となり臭いは完全にな
くなった。時間の経過と共に相対湿度は上がってきた
が、5時間経過後も臭いは出てこなかった。このカラム
中の焼結積層吸着体の粒子10粒を取り、核部の活性炭
部と外層のセピオライト部に分けて分析したところセピ
オライト部では、水分が多量に吸着されており、ホルマ
リン、アニリンも少量吸着されていた。一方、活性炭部
は主としてメチルケトンが吸着されていた。すなわち、
外層のセピオライト部に水分やホルマリンが吸着され
て、核の活性炭部は有機物質がよく吸着されていたこと
が判明した。
【0014】実験例2 焼結積層吸着体(a)の吸着持続性テスト 実験例1で用いたものと同様のミスト発生装置を4個用
意し、水100mlに乾燥した空気と塩素ガスを送り湿
度80%程度で塩素ガス16ppmを含むガスを発生さ
せた。この装置の先にそれぞれセピオライト、活性炭、
焼結積層吸着体(a)および粒状セピオライト:粒状活
性炭=1:1で混合したものを取り付け、時間経過によ
る破過率の測定を行った。その結果、セピオライトは6
時間後に破過率100%となり、活性炭は11時間後に
破過率80%で平衡となり、セピオライト:活性炭=
1:1混合品は8時間後に破過率80%で平衡に達した
のに対し、焼結積層吸着体(a)は10時間後に破過率
65%で平衡となった。このことにより焼結積層吸着体
(a)は破過点に達した後も吸着することが判明した。
【0015】実施例2 外層の被覆吸着材として酸性白土(水澤化学工業製、ミ
ズカエース#20(商品名))60重量部、ベントナイ
ト(豊順工業製、穂高(商品名))7重量部、325メ
ッシュのホウケイ酸ガラス粉末30重量部、ホウ酸2重
量部、銀アパタイト1重量部を採取し乾式ボールミルで
3時間混合した。ドラム式マルメライザーに粒状活性炭
(武田薬品工業製)を0.5〜1.5m/m粒入れ、霧を
吹きながら、外層被覆用混合原料を加えて、3mmφ粒
に積層した。この粒状物を風乾した後、酸素を遮断し5
80℃で2時間焼成して焼結積層吸着体(b)を得た。
焼結積層吸着体(b)の特性は以下のとおりである。 JIS硬度 45 比表面積 685m2/g 細孔容量 0.312ml/g カサ比重 0.45
【0016】実験例3 焼結積層吸着体(b)の抗菌効果テスト 焼結積層吸着体(b)を粉砕し、リン酸緩衝液に浸し、
さらに大腸菌を分散させた菌液を加えて、抗菌性を測定
した結果は、初期に3.0×105であった菌数が10時
間後の菌数測定時には全く検出されなかった。 実験例4 焼結積層吸着体(b)の脱色効果テスト 単純濾過装置3個に活性炭、酸性白土、焼結積層吸着体
(b)をそれぞれ充填し、ポビドンヨードを18ppm
含んだ黄色水1リットルを濾過して濾液の状態を測定し
た。その結果、活性炭はごく淡い黄色水でヨード量は4
ppm、酸性白土は透明水でヨード量は12ppm、焼
結積層吸着体(b)は透明水でヨード量は6ppmであ
った。この事実から焼結積層吸着体(b)は脱色とヨー
ド吸着の双方の能力を有することが判明した。
【0017】実施例3 粉末状の4A型合成ゼオライト(水澤化学工業製、シル
トンB(商品名))80重量%に、粉末状ベントナイト
20重量部とPVA2重量部を加え、ミキサーで均一に
なるまで混合した。得られたやや粘り気のある粉末をド
ラム式マルメライザーに入れて、直径2〜3mmの粒状
物を得た。別にセピオライト(水澤化学工業製エードプ
ラスSP(商品名))70重量部にソーダライムガラス
粉末20重量部、カオリン5重量部、塩化カルシウム5
重量部を加え、乾式ボールミルで混合してセピオライト
を含む粉末を得た。この粉末を前記ドラム式マルメライ
ザーに入れた粒状ゼオライトに少量ずつふりかけ、同時
に霧を吹き込んで直径5〜6mmの褐色の粒状物を得
た。この粒状物を風乾し、次に空気を遮断して670℃
で1時間30分加熱したところ白色の焼結積層吸着体
(c)が得られた。
【0018】実験例5 焼結積層吸着体(c)の臭気成分を含むミスト吸着テス
ト 水100ml中にアンモニア0.5mlアニリン0.5m
lを分散させた分散液を実験例1で用いたと同じミスト
発生装置に乾燥した空気を吹き込むと出口から湿度75
%程度の空気が出てくる。はじめはほとんど臭いがない
が、時間の経過とともに、アンモニア臭とアニリン臭が
するようになってきた。ミスト発生装置の出口に繋がれ
たカラムに焼結積層吸着体(c)を充填するとカラムか
ら出てくるガスの湿度は20%程度まで下がり臭いは完
全にしなくなった。このカラム中の焼結積層吸着体の1
0個を取り出し外層と核に分けて調べたところ、外層セ
ピオライトは水分が多量含まれておりアニリンとアンモ
ニアも若干吸着されていた。一方、内層のゼオライトは
多量のアンモニアが吸着されていた。
【0019】実施例4 実施例1で得られた活性炭を核とし、ゼオライトを外層
とする直径5mm程度の成形体をドラム式マルメライザ
ーに入れ60〜100メッシュの粉末珪藻土50重量
部、250〜300メッシュのホウケイ酸ガラス粉末3
0重量部、150〜250メッシュのベントナイト粉末
15重量部、150メッシュの氷晶石粉末5重量部から
なる粉末を少量ずつふりかけ霧を吹きながらドラムを回
転させて、直径約7mmφの褐色の球を得た。この球を
徐々に乾燥し、空気を遮断して700℃で2時間焼成す
ると茶色の球形の焼結積層吸着体(d)が得られた。こ
の粒状物の最外層をBET法で調べたところ細孔径8
0,000〜110,000オングストロームの二次空隙
が形成されていることが確かめられた。 実験例6 焼結積層吸着体(d)の吸着能テスト 使用後の風呂水100mlを取り分析したところ、NH
3 2+ 4ppm、Cl-3ppmと脂肪酸系浮遊物があっ
た。この水を焼結積層吸着体(d)を充填した単純濾過
装置で濾過しその濾液を調べた。結果、濾液は透明にな
り、浮遊物は外層の珪藻土層に付着していた。また、N
3 2+およびCl-はともに1ppm以下となっていた。
【0020】
【発明の効果】本発明の焼結積層吸着体を用いれば臭気
成分を含んだミストの水がまず被覆層すなわち外層を構
成する親水性で且つ細孔径の大なる無機質吸着材により
効率的に吸着され、ついで遊離した臭気成分が核を構成
するより小さな細孔径を有する活性炭やゼオライトによ
り速やかに吸着除去される。したがって本発明の焼結積
層吸着体は臭気成分がミストに含まれた状態で存在する
臭気に対しても長期に亙り高い吸着性能を保持する。ま
た最外層が多孔質セラミック吸着体で構成されているの
で強度も高く、移送、充填時の粉立ちもない。さらに吸
着破過したものを400〜600℃で熱処理することに
より何回でも再生使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 20/28 B01D 53/34 116B B32B 18/00 (72)発明者 山口 祥範 愛知県瀬戸市塩草町136番地 オオタケセ ラム株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭および/またはゼオライトを含んで
    なる核と無機質吸着材を含んでなる被覆層を有する焼結
    積層吸着体。
  2. 【請求項2】無機質吸着材が脱色用粘土類および珪酸塩
    類の少なくとも1種である請求項1記載の焼結積層吸着
    体。
  3. 【請求項3】核と被覆層の体積比が1:0.5〜6であ
    る請求項1記載の焼結積層吸着体。
  4. 【請求項4】核が45〜99重量%の活性炭および/ま
    たはゼオライトと1〜50重量%の結合材を含むもので
    あり、被覆層が40〜85重量%の無機質吸着材と5〜
    55重量%の結合材を含むものである請求項1記載の焼
    結積層吸着体。
  5. 【請求項5】被覆層がさらに0.5〜10重量%のフラ
    ックスを含むものである請求項4記載の焼結積層吸着
    体。
  6. 【請求項6】活性炭および/またはゼオライトを含んで
    なる核と、無機質吸着材を含んでなる被覆層からなる成
    形体を400〜750℃で焼成する焼結積層吸着体の製
    造法。
  7. 【請求項7】核と被覆層の体積比が1:0.5〜6であ
    る請求項6記載の焼結積層吸着体の製造法。
  8. 【請求項8】核が45〜99重量%の活性炭および/ま
    たはゼオライトと1〜50重量%の結合材を含むもので
    あり、被覆層が40〜85重量%の無機質吸着材と5〜
    55重量%の結合材を含むものである請求項7記載の焼
    結積層吸着体の製造法。
  9. 【請求項9】被覆層がさらに0.5〜10重量%のフラ
    ックスを含むものである請求項8記載の焼結積層吸着体
    の製造法。
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Cited By (4)

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