JPH10180070A - 攪拌機 - Google Patents

攪拌機

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JPH10180070A
JPH10180070A JP35583296A JP35583296A JPH10180070A JP H10180070 A JPH10180070 A JP H10180070A JP 35583296 A JP35583296 A JP 35583296A JP 35583296 A JP35583296 A JP 35583296A JP H10180070 A JPH10180070 A JP H10180070A
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康一 柳田
Akira Hosoi
旭 細井
Shinichi Watabe
伸一 渡部
Masaru Takahashi
勝 高橋
Hidenori Yamauchi
秀紀 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適応粘度範囲が広く、高粘度での伝熱特性に
優れ、適応仕込量の範囲が広く、構成簡素で洗浄性の良
好な攪拌機を提供すること。 【解決手段】 攪拌機10において、アンカー翼部21
と格子翼部31とを有し、アンカー翼部21は槽底部及
び槽壁部に沿ってアンカー状に延在せしめられる板状部
にて構成され、格子翼部31は槽中心部寄りに配置せし
められる孔あき板状部にて構成されてなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャンプー、リン
ス、化粧クリーム、洗剤、歯磨き剤、塗料等のための攪
拌機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高粘度液用の攪拌機のための攪拌
翼としてはアンカー翼、ヘリカルリボン翼等が用いら
れ、低粘度液用の攪拌機のための攪拌翼としてはタービ
ン、格子翼もしくはピッチドパドル等が用いられる如
く、攪拌機を液の粘度に応じて使い分けることが一般的
である。
【0003】これに対し、高粘度領域と低中粘度領域の
広い粘度領域に適用できる攪拌機として、特開平4-2158
29号公報に記載の如くのものがある。この従来技術は、
2つの回転軸を同軸的に有し、第1軸には回転バッフル
を備え、第2軸には平板翼と格子翼とを備えることとし
ている。回転バッフルは、槽壁部に沿って長尺帯板状に
延在されている。平板翼と格子翼は、槽中心部寄りに配
置され、平板翼はその槽底部側に、格子翼はその槽上部
側に配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には以下の如くの問題点がある。 回転バッフルが平板翼及び格子翼まわりの、槽壁部寄
りにだけ設けられ、槽底部寄りに設けられていない。こ
のため、槽底部まわりの液の攪拌が十分でなく、良好な
混合状態を得ることに困難がある。
【0005】高粘度領域で槽内液の流動が悪くなって
伝熱特性が悪くなることに加え、回転バッフルが槽底部
寄りに設けられていないから、槽底部近傍の滞留液に対
する掻き取り効果が十分でない。このため、槽壁外まわ
りに熱媒ジャケットを設けた攪拌機において、熱媒ジャ
ケットから槽内液への伝熱特性に劣るものとなる。
【0006】槽内液の仕込量を変え、液面の高さが変
化すると、液に浸かっている部分の翼形状が平板翼及び
格子翼の状態と、平板翼だけの状態とに変化し、結果と
して混合状態に変動を生ずる。従って、混合状態を良好
とする適応仕込量の範囲が狭い。
【0007】 2つの回転軸を同軸的に備え、一方の回
転軸には回転バッフルを、他方の回転軸には平板翼及び
格子翼を設けるものであるから、構成複雑で洗浄性も悪
い。
【0008】本発明の課題は、適応粘度範囲が広く、高
粘度での伝熱特性に優れ、適応仕込量の範囲が広く、構
成簡素で洗浄性の良好な攪拌機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、攪拌槽内に攪拌翼を設け、攪拌翼の回転により攪拌
槽内の液を攪拌する攪拌機において、攪拌翼が回転軸ま
わりに設けられるアンカー翼部と格子翼部とを有してな
り、アンカー翼部は攪拌槽の槽底部及び槽壁部に沿って
アンカー状に延在せしめられる板状部にて構成され、格
子翼部は攪拌槽の槽中心部寄りに配置せしめられる孔あ
き板状部にて構成されてなるようにしたものである。
【0010】請求項1に記載の本発明によれば下記〜
の作用がある。 低中粘度領域( 1〜10000cp 程度、Re>数100 )で
は、槽内全体における大きな循環流を作り出すアンカー
翼部と、その循環流に効率的に剪断を加える格子翼部と
により、槽内の全域で良好な混合状態が得られる。
【0011】高粘度領域(10000cp 以上程度、Re<数
100 )では、槽内全体における大きな循環流は起こりに
くいため、アンカー翼部が槽壁部まわり及び槽底部まわ
りの攪拌を、格子翼部が槽中心部における攪拌を分担
し、槽内の全域で良好な混合状態が得られる。
【0012】高粘度領域で槽内液の良好な混合状態が
得られることに加え、アンカー翼部により槽壁部まわり
及び槽底部まわりの滞留液に対し十分な掻き取り効果を
及ぼす。このため、槽外壁まわりに熱媒ジャケットを設
けた攪拌機において、熱媒ジャケットから槽内液への伝
熱特性を向上できる。
【0013】槽内液の仕込量を変え、液面の高さが変
化しても、液に浸かっている部分の翼形状は、常にアン
カー翼部と格子翼部の組み合せで変わることがないた
め、常に前述の良好な混合状態が確保される。従っ
て、混合状態を良好とする適応仕込量の範囲が広い。
【0014】 1つの回転軸にアンカー翼部と格子翼部
とを備えるだけであるから、構成簡素で洗浄性に優れ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は攪拌機の一実施形態を示す
模式図、図2は攪拌翼を示す模式図、図3は攪拌翼の他
の例を示す模式図、図4は攪拌翼と適応粘度範囲との関
係を示す線図、図5は攪拌翼と伝熱特性との関係を示す
線図、図6は攪拌翼と適応仕込量範囲との関係を示す線
図である。
【0016】攪拌機10は、図1に示す如く、攪拌槽1
1の内部に攪拌翼12を設け、攪拌翼12の回転により
攪拌槽11に供給した複数種の槽内液を攪拌し、混合す
る。攪拌翼12は、攪拌槽11の中心部に回転自在に支
持されている回転軸13に設けられ、モータ14により
駆動される。
【0017】尚、攪拌機10は、攪拌槽11の外まわり
に熱媒ジャケット15を備え、熱媒ジャケット15に供
給される高温熱媒により槽内液を加温し、低温熱媒(冷
媒)により槽内液を冷却可能とする。
【0018】然るに、攪拌翼12は、図1、図2に示す
如く、回転軸13まわりに設けられるアンカー翼部21
と格子翼部31とを有して構成される。
【0019】アンカー翼部21は、回転軸13の両側に
アンカー状に延在せしめられる 2枚の板状部22、22
にて構成される。板状部22は、攪拌槽11の槽底部1
1Aに沿って延在せしめられる底寄り攪拌部22Aと、
槽壁部11Bに沿って延在せしめられる壁寄り攪拌部2
2Bとを備える。
【0020】格子翼部31は、攪拌槽11の両側に張り
出る如くに板中心部寄りに配置せしめられる 2枚の孔あ
き板状部32、32にて構成される。孔あき板状部32
は、アンカー翼部21の底寄り攪拌部22Aに至る全長
Lにわたって連続する長孔部32Aを備える。
【0021】また、アンカー翼部21と格子翼部31と
は回転軸13を含む同一面上にそれらの各 2枚の板状部
22、32を配置し、アンカー翼部21の板状部22と
格子翼部31の板状部32との間に間隙部41を形成
し、格子翼部31の板状部32と回転軸13との間に長
孔状部42を形成する。
【0022】即ち、攪拌機10にあっては、回転軸13
の駆動により攪拌翼12を回転することにて、攪拌翼1
2のアンカー翼部21と格子翼部31により攪拌槽11
の槽内液を攪拌し、よく混合可能とする。ここで、攪拌
機10の諸性能について説明する。
【0023】(1) 適応粘度範囲(図4) 図4は、グリセリンと水の 2液を攪拌するに際し、液の
粘度μを横軸に示す如くの高粘度〜低粘度に変化し、各
粘度での 2液の完全混合時間Tを縦軸に示したものであ
る。図4において、Aは本発明の攪拌翼12を用いたも
の、Bは格子翼を用いたもの、Cはピッチドパドルを用
いたもの、Dはアンカー翼を用いたものである。図4に
よれば、格子翼B、ピッチドパドルCは低粘度領域でし
か有効でなく、アンカー翼Dは高粘度領域でしか有効で
なく、本発明の攪拌翼12(A)によれば低粘度〜高粘
度の広い粘度範囲で有効となることが認められる。
【0024】即ち、本発明の攪拌翼12によれば、低中
粘度領域( 1〜10000cp 程度、Re>数100 )では、槽
内全体における大きな循環流を作り出すアンカー翼部2
1と、その循環流に効率的に剪断を加える格子翼部31
とにより、槽内の全域で良好な混合状態が得られる。
【0025】高粘度領域(10000cp 以上程度、Re<数
100 )では、槽内全体における大きな循環流は起こりに
くいため、アンカー翼部21が槽壁部まわり及び槽底部
まわりの攪拌を、格子翼部31が槽中心部における攪拌
を分担し、槽内の全域で良好な混合状態が得られる。
【0026】(2) 伝熱特性(図5) 図5は、グリセリンと水の 2液を攪拌するに際し、液の
粘度μを横軸に示す如くの高粘度〜低粘度に変化し、各
粘度での熱媒ジャケットの熱媒と槽内液との間の総括熱
伝達係数Uを縦軸に示したものである。図5において、
Aは本発明の攪拌翼12を用いたもの、Bは格子翼を用
いたものである。図5によれば、攪拌翼Bは高粘度領域
での伝熱特性に劣り、本発明の攪拌翼12(A)によれ
ば高粘度領域での伝熱特性を向上できることが認められ
る。
【0027】即ち、本発明の攪拌翼12によれば、高粘
度領域で槽内液の良好な混合状態が得られることに加
え、アンカー翼部21により槽壁部11Bまわり及び槽
底部11Aまわりの滞留液に対し十分な掻き取り効果を
及ぼす。このため、槽外壁まわりに熱媒ジャケットを設
けた攪拌機10において、熱媒ジャケット15から槽内
液への伝熱特性を向上できる。
【0028】(3) 適応仕込量範囲(図6) 図6は、グリセリンと水の 2液を攪拌するに際し、仕込
量を変えて格子翼直径φに対する液深Hの変化H/φを
横軸に示す如くに変化し、各液深変化指数H/φでの 2
液の完全混合時間Tを縦軸に示したものである。図6に
おいて、Aは本発明の攪拌翼12を用いたもの、Bは槽
底部側に平板翼を槽上部側に格子翼を配置した翼を用い
たものである。図6によれば、翼Bは仕込量の変化によ
り攪拌性能が大きく変動するのに対し、本発明の攪拌翼
12(A)によれば仕込量が変化しても攪拌性能に変動
がないことが認められる。
【0029】即ち、本発明の攪拌翼12によれば、槽内
液の仕込量を変え、液面の高さが変化しても、液に浸か
っている部分の翼形状は、常にアンカー翼部21と格子
翼部31の組み合せで変わることがないため、常に前述
(1) の適応粘度範囲で説明した良好な混合状態が確保さ
れる。従って、混合状態を良好とする適応仕込量の範囲
が広い。
【0030】(4) 洗浄性 本発明の攪拌翼12によれば、 1つの回転軸13にアン
カー翼部21と格子翼部31とを備えるだけであるか
ら、構成簡素で洗浄性に優れる。
【0031】図3は本発明の攪拌翼12の変形例に係る
攪拌翼50である。攪拌翼50は、回転軸13まわりに
アンカー翼部61と格子翼部71とを有して構成され
る。
【0032】アンカー翼部61は、回転軸13の両側に
アンカー状に延在せしめられる 2枚の板状部62、62
にて構成される。板状部62は、攪拌槽11の槽底部1
1Aに沿って延在せしめられる底寄り攪拌部62Aと、
槽壁部11Bに沿って延在せしめられる壁寄り攪拌部6
2Bとを備える。
【0033】格子翼部71は、攪拌槽11の両側に張り
出る如くに槽中心部寄りに配置せしめられる 2枚の孔あ
き板状部72、72にて構成される。孔あき板状部72
は、アンカー翼部61の底寄り攪拌部62Aに至る全長
Lにわたって連続する長孔部72Aを備える。
【0034】然るに、アンカー翼部61は回転軸13を
含む単一面上にその 2枚の板状部62、62を配置し、
格子翼部71は回転軸13を含む他の単一面(アンカー
翼部61を含む面と直交する面)上にその 2枚の板状部
72、72を配置し、アンカー翼部61の板状部62の
回転軌跡領域と格子翼部71の板状部72の回転軌跡領
域との間に間隙部81を形成し、格子翼部71の板状部
72と回転軸13との間に長孔状部82を形成する。
【0035】従って、攪拌翼50を用いる攪拌機10に
あっても、回転軸13の駆動により攪拌翼50を回転す
ることにて、攪拌翼50のアンカー翼部61と格子状部
71により攪拌槽11の槽内液を攪拌し、よく混合可能
とする。
【0036】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、攪
拌翼を構成するアンカー翼部は回転軸まわりに設けられ
る 2枚の板状部に限らず、回転軸まわりに設けられる1
枚又は 3枚以上の板状部にて構成されるものであっても
よく、格子翼部も回転軸まわりに設けられる 2枚に限ら
ず回転軸まわりに設けられる 1枚もしくは 3枚以上の板
状部にて構成されるものであってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、適応粘度
範囲が広く、高粘度での伝熱特性に優れ、適応仕込量の
範囲が広く、構成簡素で洗浄性の良好な攪拌機を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は攪拌機の一実施形態を示す模式図であ
る。
【図2】図2は攪拌翼を示す模式図である。
【図3】図3は攪拌翼の他の例を示す模式図である。
【図4】図4は攪拌翼と適応粘度範囲との関係を示す線
図である。
【図5】図5は攪拌翼と伝熱特性との関係を示す線図で
ある。
【図6】図6は攪拌翼と適応仕込量範囲との関係を示す
線図である。
【符号の説明】
10 攪拌機 11 攪拌槽 12、50 攪拌翼 13 回転軸 21、61 アンカー翼部 22、62 板状部 31、71 格子翼部 32、72 孔あき板状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 勝 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 山内 秀紀 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌槽内に攪拌翼を設け、攪拌翼の回転
    により攪拌槽内の液を攪拌する攪拌機において、 攪拌翼が回転軸まわりに設けられるアンカー翼部と格子
    翼部とを有してなり、 アンカー翼部は攪拌槽の槽底部及び槽壁部に沿ってアン
    カー状に延在せしめられる板状部にて構成され、 格子翼部は攪拌槽の槽中心部寄りに配置せしめられる孔
    あき板状部にて構成されてなることを特徴とする攪拌
    機。
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