JPH10179707A - 芳香性プラスチック成形品 - Google Patents
芳香性プラスチック成形品Info
- Publication number
- JPH10179707A JPH10179707A JP8356022A JP35602296A JPH10179707A JP H10179707 A JPH10179707 A JP H10179707A JP 8356022 A JP8356022 A JP 8356022A JP 35602296 A JP35602296 A JP 35602296A JP H10179707 A JPH10179707 A JP H10179707A
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- JP
- Japan
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- perfume
- fragrance
- powder
- porous powder
- gas permeability
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 香料の揮発が容易なガス透過性に優れた熱可
塑性樹脂を対象とし、その場合に惹起される成形時の高
熱処理の問題と、成形後の揮散速度の問題を解消し、適
量で長時間の芳香性を持続させるプラスチック芳香性成
形品を得る。 【解決手段】 本発明芳香性プラスチック成形品は、2
00μHg以下の蒸気圧を示す単品香料を主成分とした
調合香料を、花弁状構造を有する珪酸カルシウムの多孔
質粉体に担持させて芳香性粉体を形成し、該芳香性粉体
をガス透過性の良好な熱可塑性プラスチック中に混合
し、射出成形して得られる。
塑性樹脂を対象とし、その場合に惹起される成形時の高
熱処理の問題と、成形後の揮散速度の問題を解消し、適
量で長時間の芳香性を持続させるプラスチック芳香性成
形品を得る。 【解決手段】 本発明芳香性プラスチック成形品は、2
00μHg以下の蒸気圧を示す単品香料を主成分とした
調合香料を、花弁状構造を有する珪酸カルシウムの多孔
質粉体に担持させて芳香性粉体を形成し、該芳香性粉体
をガス透過性の良好な熱可塑性プラスチック中に混合
し、射出成形して得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香を発すること
のできるポータブルトイレ等のプラスチック成形品に関
し、更に詳細には、比較的ガス透過性の良好なプラスチ
ックを対象とし、成形時及び経時的に過剰な香料の揮散
を調整して、適量な香気を長時間持続させることのでき
る技術に関するものである。
のできるポータブルトイレ等のプラスチック成形品に関
し、更に詳細には、比較的ガス透過性の良好なプラスチ
ックを対象とし、成形時及び経時的に過剰な香料の揮散
を調整して、適量な香気を長時間持続させることのでき
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックに芳香性を持たせる
にあたって、該プラスチックがガス透過性の少ない樹脂
か、或いは、ガス透過性の良好な樹脂かによって、芳香
性に関する取り扱いが大きく異なってくる。即ち、ガス
透過性の少ない樹脂は、樹脂と共に香料を混入させて
も、その香料成分が樹脂中に封入されてしまい、香料の
揮発がなかなか起こらず、界面活性剤等による香料の揮
散を促進させる手段を施さねなばならない。
にあたって、該プラスチックがガス透過性の少ない樹脂
か、或いは、ガス透過性の良好な樹脂かによって、芳香
性に関する取り扱いが大きく異なってくる。即ち、ガス
透過性の少ない樹脂は、樹脂と共に香料を混入させて
も、その香料成分が樹脂中に封入されてしまい、香料の
揮発がなかなか起こらず、界面活性剤等による香料の揮
散を促進させる手段を施さねなばならない。
【0003】一方、ガス透過性に優れた樹脂は、香料の
揮発が容易であるが、成形時の高熱処理の問題と、成形
後の揮散速度の問題が惹起される。即ち、一般に調合香
料は、数十種類から場合によっては数百種類の単品香料
(合成及び天然香料)を組み合わせて配合したものであ
り、その組成はそれぞれの目的においても最も望ましい
調和された芳香を大気中に、或いは、使用場面で醸し出
すよう多くの技術と工夫が込められているが、さらに、
これらの調合香料を使用する基剤との適合性及び調合香
料とその基剤の混合条件についても重要な技術的課題が
残される。つまり、調合香料を使用する基剤の物理化学
的性質、及び、混合する時の温度や時間条件などが調合
香料の安定性に非常に影響するからである。特に、先に
述べたようにプラスチックの射出成形工程時200℃以
上の高温で一緒に練り込む条件では、殆どの香りに質的
変化を及ぼし、せっかくの調合香料の有する本来の芳香
を失ったり、着色などの変化を起こす恐れがある。又、
成形品として加工された後も、ガス透過性の良好な樹脂
を通すと香料としての揮散速度が速く、芳香の効果を長
期的に持続しようとしても困難であるという問題が残さ
れる。
揮発が容易であるが、成形時の高熱処理の問題と、成形
後の揮散速度の問題が惹起される。即ち、一般に調合香
料は、数十種類から場合によっては数百種類の単品香料
(合成及び天然香料)を組み合わせて配合したものであ
り、その組成はそれぞれの目的においても最も望ましい
調和された芳香を大気中に、或いは、使用場面で醸し出
すよう多くの技術と工夫が込められているが、さらに、
これらの調合香料を使用する基剤との適合性及び調合香
料とその基剤の混合条件についても重要な技術的課題が
残される。つまり、調合香料を使用する基剤の物理化学
的性質、及び、混合する時の温度や時間条件などが調合
香料の安定性に非常に影響するからである。特に、先に
述べたようにプラスチックの射出成形工程時200℃以
上の高温で一緒に練り込む条件では、殆どの香りに質的
変化を及ぼし、せっかくの調合香料の有する本来の芳香
を失ったり、着色などの変化を起こす恐れがある。又、
成形品として加工された後も、ガス透過性の良好な樹脂
を通すと香料としての揮散速度が速く、芳香の効果を長
期的に持続しようとしても困難であるという問題が残さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の問題を技術的に解決するため、先に述べたように比較
的低温で練り込みが可能なプラスチック材質を選ぶと共
に、プラスチック成形練り込み時の温度条件が調合香料
に影響を可及的に少なくなるよう調合香料に用いる単品
香料、及びこれを担持すべき多孔質粉体について鋭意研
究を重ね本発明を達成するに至った。即ち、数多くの単
品香料の中から比較的蒸気圧が低くて、プラスチック成
形時の加熱による揮散や変化に可及的に影響の少ない耐
熱性の優れた単品香料を選ぶこと、又、プラスチック成
形練り込み時に高温に加熱されたプラスチックと直接接
触しないよう予め多孔質粉体に吸着させて粉末化するこ
と、及び、多孔質粉体に香料の維持能力に優れた花弁状
構造を有する珪酸カルシウムを用いることによりこれら
の問題を解決できることを見い出した。
の問題を技術的に解決するため、先に述べたように比較
的低温で練り込みが可能なプラスチック材質を選ぶと共
に、プラスチック成形練り込み時の温度条件が調合香料
に影響を可及的に少なくなるよう調合香料に用いる単品
香料、及びこれを担持すべき多孔質粉体について鋭意研
究を重ね本発明を達成するに至った。即ち、数多くの単
品香料の中から比較的蒸気圧が低くて、プラスチック成
形時の加熱による揮散や変化に可及的に影響の少ない耐
熱性の優れた単品香料を選ぶこと、又、プラスチック成
形練り込み時に高温に加熱されたプラスチックと直接接
触しないよう予め多孔質粉体に吸着させて粉末化するこ
と、及び、多孔質粉体に香料の維持能力に優れた花弁状
構造を有する珪酸カルシウムを用いることによりこれら
の問題を解決できることを見い出した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明成形品は、ガス透
過性の良好なプラスチックを対象とするが、これは混入
した後に香料の飛散を容易にするためである。同時に、
該プラスチックは、射出成形機等で成形する際に、その
混練温度があまり高くならず、比較的低温で練り込み作
業が可能なものが好ましい。この要求に応えるには、低
分子量のポリプロピレン樹脂、高圧法によるポリエチレ
ン樹脂、軟質塩化ビニル等が対象となる。
過性の良好なプラスチックを対象とするが、これは混入
した後に香料の飛散を容易にするためである。同時に、
該プラスチックは、射出成形機等で成形する際に、その
混練温度があまり高くならず、比較的低温で練り込み作
業が可能なものが好ましい。この要求に応えるには、低
分子量のポリプロピレン樹脂、高圧法によるポリエチレ
ン樹脂、軟質塩化ビニル等が対象となる。
【0006】次に、本発明に用いる多孔質粉体には、一
般式 2CaO・3SiO2・nSiO 2・mH2Oで示され
る花弁状構造を有する珪酸カルシウムを用い、該珪酸カ
ルシウムはジャイロライト型珪酸カルシウム 2CaO・
3SiO2・2H2O と無定形2酸化珪素nSiO2・mH
2Oとで構成され、無定形2酸化珪素が非常にミクロに
分散された例えば100A゜以下で均一に分散されてジ
ャイロライト型珪酸カルシウムと共に花弁状の形状を構
成している。該花弁状形状は、長手方向の平均直径が0.
1〜30μ、厚みが0.005〜0.1μ程度の円状、楕円状をな
したものが多く、バラの花の花弁に類似するものが多
く、薄片が一定の方向でなく多方向に成長した集合体で
ある。該花弁状構造を有する珪酸カルシウムは、花弁が
多孔質状を構成しているため嵩比容積及び吸油量が著し
く大きく、例えば、バラの花の花弁状薄片が多方向に成
長した集合体では、嵩比重が4cc/g以上で、吸油量
が2.00cc/g以上となり、後述の芳香を持続させ
る効果が期待できる。斯かる珪酸カルシウムの微粒子
を、後述の調合香料に対し、10%から80%の範囲で
使用する。10%以下では調合香料を完全に粉末化する
ことが困難で、80%以上では粉体が過剰で粉塵発生が
大きく作業上好ましくないからである。
般式 2CaO・3SiO2・nSiO 2・mH2Oで示され
る花弁状構造を有する珪酸カルシウムを用い、該珪酸カ
ルシウムはジャイロライト型珪酸カルシウム 2CaO・
3SiO2・2H2O と無定形2酸化珪素nSiO2・mH
2Oとで構成され、無定形2酸化珪素が非常にミクロに
分散された例えば100A゜以下で均一に分散されてジ
ャイロライト型珪酸カルシウムと共に花弁状の形状を構
成している。該花弁状形状は、長手方向の平均直径が0.
1〜30μ、厚みが0.005〜0.1μ程度の円状、楕円状をな
したものが多く、バラの花の花弁に類似するものが多
く、薄片が一定の方向でなく多方向に成長した集合体で
ある。該花弁状構造を有する珪酸カルシウムは、花弁が
多孔質状を構成しているため嵩比容積及び吸油量が著し
く大きく、例えば、バラの花の花弁状薄片が多方向に成
長した集合体では、嵩比重が4cc/g以上で、吸油量
が2.00cc/g以上となり、後述の芳香を持続させ
る効果が期待できる。斯かる珪酸カルシウムの微粒子
を、後述の調合香料に対し、10%から80%の範囲で
使用する。10%以下では調合香料を完全に粉末化する
ことが困難で、80%以上では粉体が過剰で粉塵発生が
大きく作業上好ましくないからである。
【0007】更に、本発明香料としては、上記多孔質粉
体に担持され、且つ、蒸散の遅い香料を用い、200μ
Hg以下の蒸気圧を示す単品香料を主成分として構成さ
れた調合香料を用いる。これは、数多くの単品香料の中
から実験を重ねたところ、200μHg以下の蒸気圧を
示す単品香料が、プラスチック成形時の加熱による揮散
や変化に対し、可及的に影響が少なく、耐熱性に優れた
単品香料となることが判明したからである。従って、こ
の調合香料は200μHg以下の蒸気圧を示す単品香料
を少なくとも50重量%以上含むものとする。この香料
には、例えば、リナロール、フェニルエチルアルコー
ル、ベンジルアセテート等が含まれる。
体に担持され、且つ、蒸散の遅い香料を用い、200μ
Hg以下の蒸気圧を示す単品香料を主成分として構成さ
れた調合香料を用いる。これは、数多くの単品香料の中
から実験を重ねたところ、200μHg以下の蒸気圧を
示す単品香料が、プラスチック成形時の加熱による揮散
や変化に対し、可及的に影響が少なく、耐熱性に優れた
単品香料となることが判明したからである。従って、こ
の調合香料は200μHg以下の蒸気圧を示す単品香料
を少なくとも50重量%以上含むものとする。この香料
には、例えば、リナロール、フェニルエチルアルコー
ル、ベンジルアセテート等が含まれる。
【0008】又、上記成形品には、例えばポータブルト
イレには抗菌性を付与することが望ましく、ゼオライト
の骨格構造内に銀イオン、銅イオン等の抗菌力を有する
イオンをとりこんで、該ゼオライトの粉粒体をプラスチ
ック中に練り込む。
イレには抗菌性を付与することが望ましく、ゼオライト
の骨格構造内に銀イオン、銅イオン等の抗菌力を有する
イオンをとりこんで、該ゼオライトの粉粒体をプラスチ
ック中に練り込む。
【0009】次に本発明の作用を説明する。本発明成形
品を製造するにあたっては、多孔質粉体に香料を含浸さ
せたものを調製し、これと原料プラスチックのペレット
とを混合させて、成形機に投入すると、スクリュー軸内
で熱可塑性樹脂が可塑化され、香料を含んだ多孔質粉体
を取り囲む。
品を製造するにあたっては、多孔質粉体に香料を含浸さ
せたものを調製し、これと原料プラスチックのペレット
とを混合させて、成形機に投入すると、スクリュー軸内
で熱可塑性樹脂が可塑化され、香料を含んだ多孔質粉体
を取り囲む。
【0010】この時、摩擦熱等で樹脂原料は120〜1
60℃程度の温度になり、揮発性の高い香料が揮散及び
変質するおそれが生じる。しかし、該香料を多数の空隙
を有する多孔質粉体の内部に担持しているので、かかる
高熱の樹脂との直接接触を避けることができ、急激な揮
発と変質を防止し、且つ、周囲を樹脂で囲まれるので、
揮散を最小限とする。同時に、原料プラスチックは、分
子量を低くしたポリプロピレン等の低温度で可塑化する
ものとしたので、香料に加えられる熱も比較的低温に抑
える。
60℃程度の温度になり、揮発性の高い香料が揮散及び
変質するおそれが生じる。しかし、該香料を多数の空隙
を有する多孔質粉体の内部に担持しているので、かかる
高熱の樹脂との直接接触を避けることができ、急激な揮
発と変質を防止し、且つ、周囲を樹脂で囲まれるので、
揮散を最小限とする。同時に、原料プラスチックは、分
子量を低くしたポリプロピレン等の低温度で可塑化する
ものとしたので、香料に加えられる熱も比較的低温に抑
える。
【0011】又、200μHg以下の蒸気圧を示す単品
香料が10重量%以上含まれた調合香料とすると、耐熱
性に優れるので、プラスチック成形時の120℃を超え
る高温が加えられても、揮散や品質変化が極めて少な
く、前記練り込み作業時の高温の影響を最小限に抑え
る。
香料が10重量%以上含まれた調合香料とすると、耐熱
性に優れるので、プラスチック成形時の120℃を超え
る高温が加えられても、揮散や品質変化が極めて少な
く、前記練り込み作業時の高温の影響を最小限に抑え
る。
【0012】次いで、成形後、例えば、ポータブルトイ
レ、衣類ケース、造花等の成形品とした場合、原料プラ
スチックがガス透過性の良好な特性を有するものなの
で、多孔質体内の香料成分が、自然にプラスチック内か
ら滲出し、バラの香りや、ジャスミンの香りを醸し出
す。
レ、衣類ケース、造花等の成形品とした場合、原料プラ
スチックがガス透過性の良好な特性を有するものなの
で、多孔質体内の香料成分が、自然にプラスチック内か
ら滲出し、バラの香りや、ジャスミンの香りを醸し出
す。
【0013】このとき、香料を担持した花弁状構造を有
する珪酸カルシウムは、花弁が多孔質状を構成している
ため嵩比容積及び吸油量が大きく、調合香料を多分に吸
収すると共に、樹脂内に混合した後には該香料を徐々に
放散し、且つ、残量の可及的に少ないものとし、芳香を
極めて長時間持続させる。従って、ガス透過性に優れる
プラスチックとの間に均衡が図られ、芳香の量と時間と
を適切に調整する。
する珪酸カルシウムは、花弁が多孔質状を構成している
ため嵩比容積及び吸油量が大きく、調合香料を多分に吸
収すると共に、樹脂内に混合した後には該香料を徐々に
放散し、且つ、残量の可及的に少ないものとし、芳香を
極めて長時間持続させる。従って、ガス透過性に優れる
プラスチックとの間に均衡が図られ、芳香の量と時間と
を適切に調整する。
【0014】
【実施例1】先ず、つぎのようなローズフローラルタイ
プの調合香料を調合した。この調合香料を構成する単品
香料の配合比率は表1のようであり、又、それぞれの蒸
気圧力も併記した。この調合香料に、同量の微粒子珪酸
カルシウムを徐々に加えて粉末化香料とした。つぎに、
この粉末化香料2%を低分子量のポリプロピレン樹脂ペ
レット98%に混合し、板状の射出成形時のペレットの
温度は140〜160℃であり、ペレットが成形時にこ
の温度条件にさらされた時間は60秒であった。得られ
た板状のポリプロピレン成形品は、全面から当初設計し
たとおりのふくよかなローズフローラルタイプの香りが
発散しており、射出成形による香りの質的変化は殆ど認
められなかった。又、この成形品を密封して40℃に3
ケ月保存した後の香りも、成形直後の香りと殆ど同じで
あり、香りの強さの急激な減少や質的な変化が非常に少
ないことを確認した。
プの調合香料を調合した。この調合香料を構成する単品
香料の配合比率は表1のようであり、又、それぞれの蒸
気圧力も併記した。この調合香料に、同量の微粒子珪酸
カルシウムを徐々に加えて粉末化香料とした。つぎに、
この粉末化香料2%を低分子量のポリプロピレン樹脂ペ
レット98%に混合し、板状の射出成形時のペレットの
温度は140〜160℃であり、ペレットが成形時にこ
の温度条件にさらされた時間は60秒であった。得られ
た板状のポリプロピレン成形品は、全面から当初設計し
たとおりのふくよかなローズフローラルタイプの香りが
発散しており、射出成形による香りの質的変化は殆ど認
められなかった。又、この成形品を密封して40℃に3
ケ月保存した後の香りも、成形直後の香りと殆ど同じで
あり、香りの強さの急激な減少や質的な変化が非常に少
ないことを確認した。
【表1】
【0015】
【実施例2】表2の配合組成に示すジャスミンフローラ
ルタイプの調合香料を調合し、実施例1と同じように同
量の微粒子珪酸カルシウムで粉末香料を作成した。この
粉末香料2%を高圧法によるポリエチレン樹脂ペレット
98%に混合し、板状の射出成形品を作成した。このペ
レットの射出成形温度は140〜150℃であり、時間
は60秒であった。得られた板状のポリエチレン成形品
は、実施例1と同様に香りの質的変化はなく、又、40
℃、3ケ月間の保存試験にぴても経日変化を起こしてい
ないことを確認した。
ルタイプの調合香料を調合し、実施例1と同じように同
量の微粒子珪酸カルシウムで粉末香料を作成した。この
粉末香料2%を高圧法によるポリエチレン樹脂ペレット
98%に混合し、板状の射出成形品を作成した。このペ
レットの射出成形温度は140〜150℃であり、時間
は60秒であった。得られた板状のポリエチレン成形品
は、実施例1と同様に香りの質的変化はなく、又、40
℃、3ケ月間の保存試験にぴても経日変化を起こしてい
ないことを確認した。
【表2】
【0016】
【比較例1】レモン的要素を加えたシトラスタイプの調
合香料を調合し、以下実施例1と同じ条件で粉末化香料
を作成し、板状のポリプロピレン射出成形品を得た。こ
のポリプロピレン成形品は、粉末化香料で認められた爽
やかなシトラスの香りは殆ど失われており、むしろプラ
スチック特有の焦げたような臭いがある。この比較例1
に用いた配合組成は表3の通りである。
合香料を調合し、以下実施例1と同じ条件で粉末化香料
を作成し、板状のポリプロピレン射出成形品を得た。こ
のポリプロピレン成形品は、粉末化香料で認められた爽
やかなシトラスの香りは殆ど失われており、むしろプラ
スチック特有の焦げたような臭いがある。この比較例1
に用いた配合組成は表3の通りである。
【表3】
【0017】
【発明の効果】以上の構成及び作用に基づく本発明は、
内包された香料成分がガス透過性の良好なプラスチック
中を透過して表面に滲出し、バラの花、ジャスミン等の
香気を揮発させ、香りの良い雰囲気を作り出す。その
際、多孔質に担持された香料は製造時高熱のプラスチッ
クとの直接の接触を避けることができると共に、200
μHg以下の蒸気圧を示す単品香料を主成分とした調合
香料によって高熱の影響を最小限に抑えることができ、
且つ、その後の経時的放香にあっても、花弁状構造を有
する珪酸カルシウム粉体によって急激な揮散を抑制する
ことができ、適量で長時間の芳香性を持続させることが
できる。
内包された香料成分がガス透過性の良好なプラスチック
中を透過して表面に滲出し、バラの花、ジャスミン等の
香気を揮発させ、香りの良い雰囲気を作り出す。その
際、多孔質に担持された香料は製造時高熱のプラスチッ
クとの直接の接触を避けることができると共に、200
μHg以下の蒸気圧を示す単品香料を主成分とした調合
香料によって高熱の影響を最小限に抑えることができ、
且つ、その後の経時的放香にあっても、花弁状構造を有
する珪酸カルシウム粉体によって急激な揮散を抑制する
ことができ、適量で長時間の芳香性を持続させることが
できる。
【図1】(A)が本発明が一対象とするポータブルトイ
レの斜視図であり、(B)がその内部の模式的拡大図で
ある。
レの斜視図であり、(B)がその内部の模式的拡大図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天羽 中 東京都中央区日本橋小舟町5番6号 稲畑 香料株式会社内 (72)発明者 築比地 保 東京都中央区日本橋小舟町5番6号 稲畑 香料株式会社内 (72)発明者 小川 新一 福島県郡山市田村町上行合字北古川56番地 松井産業郡山株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 ガス透過性の良好な熱可塑性プラスチッ
ク中に香料を担持させた多孔質粉体を混入させたことを
特徴とする芳香性プラスチック成形品。 - 【請求項2】 200μHg以下の蒸気圧を示す単品香
料を主成分とした調合香料を、花弁状構造を有する珪酸
カルシウムの多孔質粉体に担持させて芳香性粉体を形成
し、該芳香性粉体をガス透過性の良好な熱可塑性プラス
チック中に混合し、射出成形して得ることを特徴とする
芳香性プラスチック成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8356022A JPH10179707A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 芳香性プラスチック成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8356022A JPH10179707A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 芳香性プラスチック成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10179707A true JPH10179707A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18446934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8356022A Pending JPH10179707A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 芳香性プラスチック成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10179707A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137922A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Tajima Roofing Co Ltd | 溶解アスファルト用防臭組成物及び該組成物を用いた溶解アスファルトの臭気低減方法。 |
US10363205B2 (en) | 2016-10-26 | 2019-07-30 | Elc Management Llc | Delayed release delivery systems and methods |
US10661244B2 (en) | 2016-10-26 | 2020-05-26 | Elc Management Llc | Delayed release delivery systems and methods |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP8356022A patent/JPH10179707A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007137922A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Tajima Roofing Co Ltd | 溶解アスファルト用防臭組成物及び該組成物を用いた溶解アスファルトの臭気低減方法。 |
US10363205B2 (en) | 2016-10-26 | 2019-07-30 | Elc Management Llc | Delayed release delivery systems and methods |
US10661244B2 (en) | 2016-10-26 | 2020-05-26 | Elc Management Llc | Delayed release delivery systems and methods |
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