JPH10179554A - 採血管及びその製造方法 - Google Patents

採血管及びその製造方法

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JPH10179554A
JPH10179554A JP9239449A JP23944997A JPH10179554A JP H10179554 A JPH10179554 A JP H10179554A JP 9239449 A JP9239449 A JP 9239449A JP 23944997 A JP23944997 A JP 23944997A JP H10179554 A JPH10179554 A JP H10179554A
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JP
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blood
aluminum
collection tube
blood collection
concentration
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JP9239449A
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English (en)
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Hisami Ayaka
久美 綾香
Yasuhiko Mito
泰彦 三戸
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 血清もしくは血漿検体中のアルミニウム濃度
を高精度に測定することを可能とする採血管及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 金属キレート用濾紙で血液凝固促進剤も
しくは血液抗凝固剤を濾過して血液凝固促進剤もしくは
血液抗凝固剤中のアルミニウム含有量を低減したり、あ
るいは栓として架橋タイプのシリコンオイルが塗布され
たゴム栓を用いたりすることにより、検体中のアルミニ
ウム濃度をばらつかせるアルミニウム汚染濃度が1.0
μg/dl以下とされている採血管の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清もしくは血漿
を検体とする採血管及びその製造方法に関し、より詳細
には、アルミニウム検査値の精度を高め得る採血管及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血清を検体とする血液検査が臨床検査分
野などにおいて広く普及している。血清検体は、有底管
状容器からなる採血管に血液を採取した後、凝固させ、
遠心分離し、血清と血餅とに分離することにより得られ
ている。
【0003】ところで、上記採血管は、ガラスや合成樹
脂からなるもので構成されているが、血液を採血管に採
取した後、凝固に至るまでにかなりの時間を必要として
いた。そこで、検査時間の短縮を図るために、血液凝固
促進剤が用いられている。例えば、特公昭63−678
60号公報では、シリカ微粉末からなる血液凝固促進剤
を採血管の内部に収容しておき、それによって血液の凝
固速度を高めている。
【0004】しかしながら、シリカを含有する血液凝固
促進剤を用いると、アルミニウムの検査値が異常に高く
なることがわかってきている。アルミニウム検査値は、
神経変性疾患に関連があるとされており、その検査値は
高精度に測定されることが強く求められている。
【0005】シリカ微粉末を用いた血液凝固促進剤で
は、アルミニウムがかなりの量含有されており、従っ
て、該血液凝固促進剤を用いた場合、アルミニウム検査
値が異常に高くなっているものと考えられる。そこで、
従来、シリカ含有血液凝固促進剤を、予めアルカリまた
は酸で洗浄することによりアルミニウムを除去すること
が試みられている。しかしながら、このような処理で
は、血清検体中のアルミニウム検査値のばらつきを低減
し得るのに十分にアルミニウムを除去することはできな
かった。
【0006】加えて、血液凝固促進剤だけでなく、自然
界にはアルミニウムの粉塵が多量に存在しており、極微
量のアルミニウムが混入しただけでも血液検査における
アルミニウム検査値に大きな影響を与えると考えられて
いる。従って、検体のアルミニウム汚染を低減すること
が強く求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血清
もしくは血漿検体中のアルミニウム濃度を高精度に測定
することを可能とする採血管及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る採血管は、検体のアルミニウム濃度をばらつかせる
アルミニウム汚染濃度が1.0μg/dl以下であるこ
とを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明に係る採血管の製造方法であって、金属キ
レート用濾紙で血液凝固促進剤を濾過して血液凝固促進
剤中のアルミニウム含有量を低減させる工程と、濾過さ
れた血液凝固促進剤を採血管に付与する工程とを備える
ことを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明に係る採血管の製造方法であって、金属キレート
用濾紙で血液抗凝固剤を濾過して血液抗凝固剤中のアル
ミニウム含有量を低減する工程と、前記血液抗凝固剤を
採血管内に付与する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2,3に
記載の採血管の製造方法において、採血管として、一端
に開口を有する有底の管状の採血管本体と、採血管本体
を封止している栓とを有し、この栓としてアルミニウム
の溶出量が1.0μg/dl以下となるようなゴム栓を
用いることを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の採血管の製造方法において、ゴム栓が架橋タイプのシ
リコンオイルが塗布されたゴム栓であることを特徴とす
る。
【0013】以下、本発明の詳細を説明する。請求項1
に記載の発明において、アルミニウム汚染濃度が1.0
μg/dl以下とは、採血管を用いて血清もしくは血漿
検体を得た場合の血清もしくは血漿検体のアルミニウム
濃度を高めるように影響する採血管由来のアルミニウム
汚染濃度をいうものとする。この場合、アルミニウム汚
染を引き起こす原因としては、採血管を構成する材料か
らのアルミニウムの溶出または流出あるいは自然界に存
在するアルミニウム粉塵の混入等が考えられるが、何れ
にしても、請求項1に記載の発明では、血清もしくは血
漿検体のアルミニウム検査値を1.0μg/dlを超え
て変動させないように、アルミニウム汚染濃度が1.0
μg/dl以下とされている。
【0014】従って、請求項1に記載の発明に係る採血
管を用いれば、血清もしくは血漿検体中のアルミニウム
検査値を高精度に測定することができる。なお、アルミ
ニウム汚染濃度を1.0μg/dl以下としたのは、
1.0μg/dlを超えると、血清もしくは血漿検体中
のアルミニウム検査値が高くなり過ぎ、神経性疾患等の
症状を的確に検査することができないからである。
【0015】なお、血清もしくは血漿中のアルミニウム
の測定は、通常、原子吸光法で行われるが、アルミニウ
ムの粉塵によって影響を受けるため、測定値にはかなり
ばらつきがみられる。従って、アルミニウム検査にあた
っては、測定環境及び使用する採血管が清浄であること
が強く望まれている。本発明における上記1.0μg/
dlは、原子吸光法により測定された値を基準としたも
のである。
【0016】本発明に係る採血管の製造方法は、アルミ
ニウム汚染濃度を1.0μg/dl以下とすることに特
徴を有するものであり、この濃度以下にアルミニウム汚
染が低減され得る限り、種々の方法を採用することがで
きる。例えば、請求項2に記載のように、金属キレート
用濾紙で血液凝固促進剤を濾過処理し、それによって血
液凝固促進剤中のアルミニウム含有量を低減する工程
と、濾過処理された血液凝固促進剤を採血管に付与する
工程とを実施することにより達成し得る。
【0017】この場合、血液凝固促進剤としては、一般
の患者血液に対してはシリカ系血液凝固促進剤が用いら
れるが、シリカ系血液凝固促進剤中のアルミニウムが、
上記金属キレート用濾紙を用いた濾過処理により効果的
に低減される。
【0018】また、透析患者では、透析に際して血液凝
固を防止するために、抗凝固剤としてヘパリンが血液中
に投与されているが、この場合には、シリカ系血液凝固
促進剤では血液が凝固しない。従って、血清検体を得る
にあたっては、ヘパリン中和剤を含むトロンビン系血液
凝固促進剤が用いられている。請求項2に記載の発明で
は、このようなヘパリン中和剤を含むトロンビン系血液
凝固促進剤を用いて血清検体を得る場合であっても、金
属キレート用濾紙で濾過処理することにより、含有され
ているアルミニウム量を低減することができる。
【0019】すなわち、請求項2に記載の発明における
血液凝固促進剤としては、トロンビン系血液凝固促進剤
などに限られず、他の血液凝固促進剤をも含むものとす
る。上記金属キレート用濾紙は、血液凝固促進剤中に含
有されているアルミニウムと反応してキレートを形成す
る化合物を含有するものであり、このような金属キレー
ト用濾紙としては、例えば、商品名:エクスパピール
(住化分析センター製)などを例示することができる
が、アルミニウムとキレートを形成し得る限り、特に限
定されるものではない。
【0020】請求項2に記載の発明では、血液凝固促進
剤を上記金属キレート用濾紙を用い濾過処理した後に、
濾過された血液凝固促進剤を採血管に付与する。この場
合、採血管の内面に血液凝固促進剤を塗布してもよく、
単に採血管内に血液凝固促進剤を投入するだけでもよ
く、その付与方法は特に限定されるものではない。
【0021】また、血液凝固促進剤の使用量についても
採血管の容量や凝固剤の種類によって異なるため、一義
的に定め得ないが、通常汎用されている量の血液凝固促
進剤が用いられ、例えば、シリカ系血液凝固促進剤で
は、採血管1本あたり0.5mg程度、トロンビン系血
液凝固促進剤では、採血管1本あたりトロンビンとして
15U程度が用いられる。
【0022】請求項3に記載の発明では、血液抗凝固剤
を上記金属キレート用濾紙を用い濾過処理した後に、血
液抗凝固剤を採血管に付与する。この場合においても、
請求項2に記載の発明と同様に、濾過処理によりアルミ
ニウム含有量が低減されるため、アルミニウム汚染濃度
を1.0μg/dl以下とすることができる。
【0023】上記血液抗凝固剤としては、特に限定され
るものではなく、ヘパリンナトリウム、ヘパリンリチウ
ム、クエン酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、フッ化ナ
トリウム系抗凝固剤などを例示することができる。
【0024】また、血液抗凝固剤の採血管への付与につ
いては、採血管の内面に血液抗凝固剤を塗布してもよ
く、単に採血管内に血液抗凝固剤を投入するだけでもよ
く、特に限定されない。血液抗凝固剤の使用量について
も採血管の容量や抗凝固剤の種類によって異なるため、
一義的には定め得ない。
【0025】また、請求項4に記載の発明のように、採
血管を構成するための栓に、アルミニウムの溶出量が
1.0μg/dl以下となるようなゴム栓を用いること
により、アルミニウム汚染濃度を1.0μg/dl以下
としてもよい。アルミニウムの溶出量が1.0μg/d
l以下となるようなゴム栓とは、該採血管を用いて血清
もしくは血漿検体を得た場合の血清もしくは血漿検体の
アルミニウム濃度を高めるように影響するゴム栓由来の
アルミニウムの溶出量をいうものとする。
【0026】上記ゴム栓としては、アルミニウムの溶出
量が1.0μg/dl以下となるようなものであれば、
特に限定されないが、例えば、請求項5に記載の発明の
ように、架橋タイプのシリコンオイルが塗布されたゴム
栓が挙げられる。
【0027】架橋していない親水性シリコンオイルで
は、アルミニウムによる汚染が確認されており、かつ親
水性であるため血液中に溶出し、アルミニウムの検査値
に影響を与える。これに対して、架橋タイプのシリコン
オイルは、架橋しているため血液中に溶出し難く、検査
値への影響が少ない。
【0028】すなわち、請求項4に記載の発明では、採
血管が、一端に開口を有する有底管状の採血管本体と、
該採血管本体を封止している栓とを有し、この栓として
アルミニウムの溶出量が1.0μg/dl以下となるよ
うなゴム栓が用いられており、請求項5に記載の発明で
は、上記ゴム栓として架橋タイプのシリコンオイルが塗
布されたゴム栓が用いられている。架橋タイプのシリコ
ンオイルが塗布されたゴム栓としては、例えば、ブチル
ゴムなどからなる栓の表面に次に述べる架橋タイプのシ
リコンオイルを塗布されたものを用い得る。
【0029】上記架橋タイプのシリコンオイルの例とし
ては、付加反応型のものとしては、室温硬化型であり空
気中の水分で付加反応する、トーレダウコーニングシリ
コーン社製、商品名「SR2410」;室温硬化型のト
ーレダウコーニングシリコーン社製、商品名「SE19
80クリヤー」;溶剤硬化型のトーレダウコーニングシ
リコーン社製、商品名「SR2309」が挙げられ、ま
た縮合反応型のものとしては、トーレダウコーニングシ
リコーン社製、商品名「SRX290」が挙げられ、さ
らに、紫外線照射による反応型のものとしては、トーレ
ダウコーニングシリコーン社製、商品名「BY24−5
51A/B」が挙げられる。
【0030】また、上記請求項2,3に記載の発明のよ
うに、金属キレート用濾紙で濾過処理された血液凝固促
進剤または血液抗凝固剤を用い、さらに上記架橋タイプ
のシリコンオイルが塗布されたゴム栓を用いた場合に
は、より一層採血管のアルミニウム汚染濃度を低減する
ことができ、好ましい。
【0031】さらに好ましくは、採血管を構成する採血
管本体についても、例えば、無着色のポリエチレンテレ
フタレート管のように、アルミニウム汚染量が少ないも
のを用いれば、より一層アルミニウム汚染濃度を低減す
ることができ、好ましい。
【0032】前述のように、本発明に係る採血管の製造
方法は、アルミニウム汚染濃度を1.0μg/dl以下
とすることに特徴を有するものであり、この濃度以下に
アルミニウム汚染が低減され得る限り、種々の方法を採
用することができるものであり、例えば、請求項2〜5
に記載の方法が挙げられるものであるが、上記請求項2
〜5に記載の方法に用いられる金属キレート用濾紙の代
わりに、イオン交換用濾紙または定量濾紙を用いてもよ
い。上記イオン交換用濾紙としては、例えば、商品名:
RX−1(東レ社製)が挙げられ、定量濾紙としては、
例えば、商品名:5C(ADVANTEC社製)が挙げ
られる。上記イオン交換用濾紙を用いれば、イオン交換
反応によりアルミニウムイオンを濾紙に吸着させて除去
することができ、定量濾紙を用いれば、アルミニウムの
コロイドを除去できる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0034】実施例1 血液凝固促進剤としてトロンビン凝固促進剤を用意し、
イミノジ酢酸ナトリウムを含有している金属キレート用
濾紙を用いて濾過した。次に、9ccの容量のポリエチ
レンテレフタレート管からなる有底管状の採血管本体の
内面に、濾過処理された血液凝固促進剤を、該採血管使
用時の血液1mlあたりトロンビンが5Uとなるように
塗布し、さらに血清分離剤(積水化学工業社製、商品
名:エスコレクト)1.2gを投入し、15.1mm径
の架橋タイプのシリコンオイルを塗布してなるゴム栓
(ブチルゴム製)で打栓し、採血管を作製した。この採
血管を用い、3mlの全血試料を採取し、60分放置し
凝固させた後、2500rpm×5分の条件で遠心分離
し、血清と血餅とに分離し、血清検体を採取した。得ら
れた血清検体中のアルミニウム濃度を原子吸光法により
測定した。結果を下記の表1に示す。
【0035】実施例2 血液凝固促進剤の塗布量を採血管使用時の血液1mlあ
たりトロンビンが4Uとなるように塗布したこと以外
は、実施例1と同様にして採血管を製造し、実施例1と
同様にして血清検体を得た後に、血清検体中のアルミニ
ウム濃度を測定した。結果を下記の表1に示す。
【0036】実施例3 10ccの容量のポリエチレンテレフタレートからなる
採血管本体を用いたことを除いては、実施例1と同様に
して採血管を製造した。また、実施例1と同様にして血
清検体を得、得られた血清検体中のアルミニウム濃度を
実施例1と同様にして測定した。結果を下記の表1に示
す。
【0037】実施例4 血液抗凝固剤としてヘパリンナトリウム水溶液を用意
し、実施例1と同様の金属キレート用濾紙を用いて濾過
した。次に、9ccの容量のポリエチレンテレフタレー
ト管からなる有底管状の採血管本体の内面に、濾過処理
された血液抗凝固剤を30μl塗布し、さらに血清分離
剤(積水化学工業社製、商品名:エスコレクト)1.2
gを投入し、15.1mm径の架橋タイプのシリコンオ
イルを塗布してなるゴム栓(ブチルゴム製)で打栓し、
採血管を作製した。この採血管を用い、3mlの全血試
料を採取し、60分放置した後、2500rpm×5分
の条件で遠心分離し、血漿と血球とに分離し、血漿検体
を採取した。得られた血漿検体中のアルミニウム濃度を
原子吸光法により測定した。結果を下記の表1に示す。
【0038】実施例5 実施例1と同様にして採血管を製造し、この採血管に血
液に代えてイオン交換水を採取し、以下実施例1と同様
に処理を施し、試料中のアルミニウム濃度を測定した。
この測定をくり返し回数2で行ったところ、試料中のア
ルミニウム濃度は、0.02μg/dlと0.05μg
/dlであった。
【0039】比較例1 濾過処理を施していない血液凝固促進剤を用いたことを
除いては、実施例1と同様にして採血管を製造した。こ
の採血管を用いて実施例1と同様にして血清検体を得、
得られた血清検体中のアルミニウム濃度を測定した。結
果を下記の表1に示す。
【0040】比較例2 ゴム栓として、架橋タイプではないシリコンオイル(ト
ーレダウコーニング社製、親水性シリコンオイル、商品
名:SH3749)を表面に塗布したブチルゴムよりな
るゴム栓を用いたことを除いては、実施例1と同様にし
て採血管を製造した。得られた採血管を用いて、実施例
1と同様にして血清検体を得、該血清検体中のアルミニ
ウム濃度を測定した。結果を下記の表1に示す。
【0041】比較例3 血液抗凝固剤を濾過処理せずにそのまま用いたことを除
いては、実施例4と同様にして採血管を製造した。得ら
れた採血管を用いて、実施例4と同様にして血漿検体を
得、該血漿検体中のアルミニウム濃度を測定した。結果
を下記の表1に示す。
【0042】なお、実施例1〜4及び比較例1〜3で
は、それぞれ、検体については、2名のボランティア
(ボランティアA,Bとする)から提供された全血試料
を用いて作製した。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、実施例1〜4で
は、何れの場合においても、ボランティアA及びBのア
ルミニウム検査値は、それぞれ、0.86±0.04及
び0.77±0.1μg/dlの範囲であり、アルミニ
ウム検査値のばらつきが非常に小さいことがわかる。
【0045】また、実施例5の結果から、実施例1にお
いて作製した採血管では、アルミニウム汚染量が0.0
2μg/dlあるいは0.05μg/dlと非常に低い
ことがわかる。従って、実施例1〜4の結果と実施例5
の結果とを比較すれば、採血管におけるアルミニウム汚
染量が非常に低く0.05μg/dl以下であるため、
血清もしくは血漿検体のアルミニウム検査値のばらつき
が非常に小さいものと思われる。
【0046】これに対して、比較例1〜3では、ボラン
ティアAの血清もしくは血漿検体のアルミニウム検査値
が1.25μg/dl、1.56μg/dl、1.42
μg/dlと非常に高い値となっており、かつそれぞれ
の検査値においても大きな隔たりのあることがわかる。
同様に、ボランティアBから得た血清もしくは血漿検体
においても、比較例1では1.36μg/dl、比較例
2の採血管では1.47μg/dl、比較例3では1.
34μg/dlと非常に高くなり、かつそれぞれの間に
おいても大きなばらつきのみられることがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
係る採血管では、アルミニウム汚染濃度が1.0μg/
dl以下とされているため、血清もしくは血漿検体中の
アルミニウム濃度を高精度にかつ安定に測定し得ること
がわかる。
【0048】また、請求項2に記載のように、血液凝固
促進剤を金属キレート用濾紙を用いて濾過した場合に
は、血液凝固促進剤中のアルミニウムがキレートを形成
するため、血液凝固促進剤中のアルミニウム含有量が効
果的に低減される。よって、より確実に、アルミニウム
汚染濃度を1.0μg/dl以下とされている採血管を
提供することが可能となる。
【0049】同様に、請求項3に記載のように、血液抗
凝固剤を金属キレート用濾紙を用いて濾過した場合に
は、血液抗凝固剤中のアルミニウムがキレートを形成す
るため、血液抗凝固剤中のアルミニウム含有量が効果的
に低減される。よって、より確実に、アルミニウム汚染
濃度を1.0μg/dl以下とされている採血管を提供
し得る。
【0050】さらに、請求項4に記載の発明において
は、ゴム栓として、アルミニウム溶出量が1.0μg/
dl以下となるようなゴム栓が用いられているので、採
血管のアルミニウム汚染量をより確実に1.0μg/d
l以下とすることができる。
【0051】さらに、請求項5に記載の発明において
は、ゴム栓として、アルミニウム溶出量もしくは流出量
の少ない、架橋タイプのシリコンオイルが塗布されたゴ
ム栓が用いられているので、採血管のアルミニウム汚染
量をより確実に1.0μg/dl以下とすることができ
る。
【0052】よって、本発明に係る採血管の製造方法を
利用することにより、採血管を構成する部材や血液凝固
促進剤に由来するアルミニウム検査値のばらつきや異常
値の発生を抑制することができるため、血清もしくは血
漿検体中のアルミニウム検査値を高精度に測定すること
ができ、神経性疾患等の診断精度を高めることができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体のアルミニウム濃度をばらつかせる
    アルミニウム汚染濃度が1.0μg/dl以下であるこ
    とを特徴とする採血管。
  2. 【請求項2】 金属キレート用濾紙で血液凝固促進剤を
    濾過して血液凝固促進剤中のアルミニウム含有量を低減
    する工程と、 前記血液凝固促進剤を採血管内に付与する工程とを備え
    ることを特徴とする請求項1に記載の採血管の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 金属キレート用濾紙で血液抗凝固剤を濾
    過して血液抗凝固剤中のアルミニウム含有量を低減する
    工程と、 前記血液抗凝固剤を採血管内に付与する工程とを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の採血管の製造方法。
  4. 【請求項4】 採血管が一端に開口を有する有底管状の
    採血管本体と、採血管本体を封止している栓とを有し、
    前記栓としてアルミニウムの溶出量が1.0μg/dl
    以下となるようなゴム栓を用いることを特徴とする請求
    項2または3に記載の採血管の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゴム栓が架橋タイプのシリコンオイルが
    塗布されたゴム栓であることを特徴とする請求項4に記
    載の採血管の製造方法。
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