JPH10178228A - レーザ温度制御方法および装置ならびに放射線画像読取装置 - Google Patents

レーザ温度制御方法および装置ならびに放射線画像読取装置

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JPH10178228A
JPH10178228A JP33809396A JP33809396A JPH10178228A JP H10178228 A JPH10178228 A JP H10178228A JP 33809396 A JP33809396 A JP 33809396A JP 33809396 A JP33809396 A JP 33809396A JP H10178228 A JPH10178228 A JP H10178228A
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laser
temperature
target temperature
heating element
value
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JP33809396A
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Hiroaki Yasuda
裕昭 安田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザダイオード励起固体レーザの温度制御
方法および装置において、レーザを起動させたとき、そ
の温度を素早く最終目標温度に到達させる。 【解決手段】 レーザを構成する共振器の部分、半導体
レーザ11および集光レンズ12を銅等よりなる基準板22に
固定し、基準板22をペルチェ素子24の上に固定する。レ
ーザが発光しているときの自己発熱量と発熱体44の発熱
量とが概ね同等となるように、電力源46から電力を供給
し発熱体44を余熱する。温度制御回路42によりペルチェ
素子24を駆動制御しレーザを一定の温度に保つ。レーザ
が起動したとき、発熱体44への電力の供給を停止する。
このとき、レーザの自己発熱による温度上昇が概ね相殺
されるように発熱体44に供給される実効電力を漸次減少
するようにするとなお良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体レーザ結晶を
レーザダイオード(半導体レーザ)によって励起するレ
ーザダイオード励起固体レーザ(以下、単に「レーザ」
という。)を一定の温度に保つ方法およびその装置に関
し、特に詳細には、レーザの発光を開始したときのレー
ザの温度制御方法およびその装置並びに該レーザ温度制
御装置を使用したレーザ光源を有する放射線画像読取装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭62-189783 号公報に示され
るように、ネオジウム等の希土類が添加された固体レー
ザ結晶を、レーザダイオードから発せられた光によって
励起するレーザが公知となっている。この種のレーザに
おいては、より短波長のレーザビームを得るために、そ
の共振器内に非線形光学結晶を配置して、固体レーザビ
ームを第2高調波や和周波等に波長変換することも広く
行なわれており、例えば第2高調波を取り出すものはS
HGレーザといわれている。
【0003】また、このレーザにおいては、励起源であ
るレーザダイオードの光出力および発振波長の変動を抑
えるため、さらに上述の波長変換を行なう場合は非線形
光学結晶において所定の位相整合状態を維持するため
に、レーザダイオード、固体レーザ結晶および共振器の
部分を所定温度に温度調節するのが一般的である。この
温度調節は通常、上記の各部分を電子冷却素子(ペルチ
ェ素子)の冷却面上に載置するとともに、レーザダイオ
ードや共振器内の温度を検出し、その検出温度に基づい
て電子冷却素子の駆動を最終目的温度値に保つようにフ
ィードバック制御することによってなされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このレーザが
上述のように温度調節されている場合であっても、レー
ザを起動させた後(即ち、レーザの発光が開始した後)
の一定の期間は、レーザの自己発熱により温度調節の制
御状態が崩れレーザが所望の温度に安定するまでに時間
がかかっていた。このため、レーザが所望の温度に安定
するまでの間、光出力や発振波長が不安定になるという
問題を生じ、レーザ起動後の一定期間は使用に耐え得な
かった。
【0005】特に、放射線画像読取装置の光源として、
上記レーザを使用する場合は、最適な読取画像を得るた
めに光出力が安定していることが要請されている。上記
レーザを常時稼働させたまま使用することは寿命の問題
があり許されない。そのため、上記レーザを起動して光
出力が安定するまでに要する時間が装置のサイクルタイ
ムに影響を与えるため、レーザ起動後素早く光出力を安
定させることが望まれている。
【0006】尚、ここで「放射線画像読取装置」とは、
放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに
励起光を照射する励起光照射手段と、上記蓄積性蛍光体
シートに蓄積記録された上記放射線画像情報に応じて輝
尽発光する輝尽発光光を検出してこの放射線画像情報を
読み取る読取手段とを有するものである(例えば、特公
平 3−79695号、特開平7−191421号
等)。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、レーザを起動させた際に素早く所望の温度に達
するようにレーザの温度を制御することにより、光出力
や発振波長を素早く安定化させることのできるレーザ温
度制御方法および装置並びに該レーザ温度制御装置を使
用したレーザ光源を有する放射線画像読取装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による第1のレー
ザ温度制御方法は、固体レーザ結晶をレーザダイオード
から発せられたレーザビームによって励起するレーザ
(上述のように波長変換するものも含む。以下同様であ
る。)の温度をフィードバック温度制御により最終目的
温度値に保つレーザ温度制御方法であって、発熱体を上
記レーザの近傍に配置し、上記レーザの動作が停止して
発光が停止しているときはこのレーザが起動し発光して
いるときの自己発熱量と上記発熱体の発熱量とが概ね同
等となるようにこの発熱体に電力を供給し、上記レーザ
が起動して発光を開始したときは上記発熱体への電力の
供給を停止することによりこのレーザの最終目的温度値
への到達時間を短くすることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明による第2のレーザ温度制御
方法は、固体レーザ結晶をレーザダイオードから発せら
れたレーザビームによって励起するレーザの温度をフィ
ードバック温度制御により最終目的温度値に保つレーザ
温度制御方法であって、発熱体を上記レーザの近傍に配
置し、上記レーザの動作が停止して発光が停止している
ときはこのレーザが起動し発光しているときの自己発熱
量と上記発熱体の発熱量とが概ね同等となるようにこの
発熱体に電力を供給し、上記レーザが起動して発光を開
始したときは、このレーザの自己発熱が概ね相殺される
ように上記発熱体に供給される実効電力を漸次減少する
ことにより、このレーザの最終目的温度値への到達時間
を短くすることを特徴とするものである。尚、上記レー
ザが最終目的温度値へ達した後は上記発熱体に供給され
る電力を停止させても良く、また、上記フィードバック
制御による温度制御手段に熱負荷の変動を与えない範囲
で上記発熱体に微小電力の供給を継続していても良い。
【0010】また、本発明による第3のレーザ温度制御
方法は、固体レーザ結晶をレーザダイオードから発せら
れたレーザビームによって励起するレーザの温度をフィ
ードバック温度制御により第1の最終目的温度値に保つ
レーザ温度制御方法であって、上記レーザの動作が停止
して発光が停止しているときは上記第1の最終目的温度
値を目標温度値としてこのレーザの温度を制御し、上記
レーザが発光を開始してから所定の期間は、このレーザ
の自己発熱が相殺されるように上記第1の最終目的温度
値以下の第2の最終目的温度値を目標温度値としてこの
レーザの温度を制御し、上記所定の期間経過後は、上記
第1の最終目的温度値を目標温度値として上記レーザの
温度を制御することにより最終目的温度値への到達時間
を短くすることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明によるレーザ温度制御装置
は、上記方法に従ってレーザの温度制御を行うことを特
徴とするものである。
【0012】すなわち、本発明による第1のレーザ温度
制御装置は、固体レーザ結晶をレーザダイオードから発
せられたレーザビームによって励起するレーザの温度を
フィードバック制御により最終目的温度値に保つ温度制
御手段を有するレーザ温度制御装置であって、上記レー
ザの近傍に配置された発熱体と、上記レーザの動作が停
止し発光が停止しているときはこのレーザが起動し発光
しているときの自己発熱量と上記発熱体の発熱量とが概
ね同等となるようにこの発熱体に電力を供給し、上記レ
ーザが起動して発光を開始したときは上記発熱体への電
力の供給を停止することによりこのレーザの最終目的温
度値への到達時間を短くする発熱体制御手段とを有する
ことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明による第2のレーザ温度制御
装置は、固体レーザ結晶をレーザダイオードから発せら
れたレーザビームによって励起するレーザの温度をフィ
ードバック制御により最終目的温度値に保つ温度制御手
段を有するレーザ温度制御装置であって、上記レーザの
近傍に配置された発熱体と、上記レーザの動作が停止し
発光が停止しているときはこのレーザが起動し発光して
いるときの自己発熱量と上記発熱体の発熱量とが概ね同
等となるようにこの発熱体へ電力を供給し、上記レーザ
が起動して発光を開始したときは、このレーザの自己発
熱が概ね相殺されるように上記発熱体に供給される実効
電力を漸次減少することによりこのレーザの最終目的温
度値への到達時間を短くする発熱体制御手段とを有する
ことを特徴とするものである。尚、上記レーザが最終目
的温度値へ達した後は上記発熱体に供給される電力を停
止させても良く、また、上記フィードバック制御による
温度制御手段に熱負荷の変動を与えない範囲で上記発熱
体に微小電力の供給を継続していても良い。
【0014】また、本発明による第3のレーザ温度制御
装置は、固体レーザ結晶をレーザダイオードから発せら
れたレーザビームによって励起するレーザの温度をフィ
ードバック制御により第1の最終目的温度値に保つ温度
制御手段を有するレーザ温度制御装置であって、上記温
度制御手段が、上記レーザの動作が停止し発光が停止し
ているときは上記第1の最終目的温度値を目標温度値と
してこのレーザの温度を制御し、上記レーザが起動して
発光を開始してから所定の期間は、このレーザの自己発
熱が略相殺されるように上記第1の最終目的温度値以下
の第2の最終目的温度値を目標温度値としてこのレーザ
の温度を制御し、上記所定の期間経過後は、上記第1の
最終目的温度値を目標温度値として上記レーザの温度を
制御することにより最終目的温度値への到達時間を短く
することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明による放射線画像読取装置
は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シー
トに励起光を照射する励起光照射手段と、上記蓄積性蛍
光体シートに蓄積記録された上記放射線画像情報に応じ
て輝尽発光する輝尽発光光を検出してこの放射線画像情
報を読み取る読取手段とを有する放射線画像読取装置で
あって、上記励起光照射手段が、上述のレーザ温度制御
装置により構成される励起光光源を有することを特徴と
するものである。
【0016】
【発明の作用および効果】本発明によるレーザ温度制御
方法および装置によれば、レーザの動作が停止し発行を
停止しているときは、レーザが起動し発光しているとき
のレーザの自己発熱量とレーザの近傍に配された発熱抵
抗などの発熱体の発熱量とが概ね同等となるように発熱
体に電力を供給することにより予めレーザを余熱してお
く。次に、レーザが起動して発光を開始したときは、発
熱体への電力の供給を停止することによりレーザの自己
発熱による温度上昇と発熱体の温度低下のバランスを採
る。これにより、レーザが起動して発光を開始しても、
フィードバック制御による温度制御手段に対して熱負荷
の変動を少なくすることができ、レーザの起動開始から
最終目的温度値への到達時間を短くすることが可能とな
る。
【0017】さらに、本発明による第2のレーザ温度制
御方法および装置のように、レーザが起動して発光を開
始したときに発熱体への電力の供給を停止させるのでは
なく、レーザの自己発熱による温度上昇が発熱体の発熱
量の低下により相殺されるように発熱体に供給される実
効電力を漸次減少することにより、フィードバック制御
による温度制御手段に対して熱負荷の変動を著しく少な
くすることができ、レーザの起動開始から最終目的温度
値への到達時間を極めて短くすることが可能となる。
【0018】また、本発明による第3のレーザ温度制御
方法および装置によれば、上述のような発熱体を設ける
ことなく、レーザが起動して発光を開始してから所定の
期間は、フィードバック制御による温度制御手段がレー
ザの自己発熱による温度上昇が相殺されるように最終目
的温度値以下の第2の最終目的温度値を目標温度値とし
てレーザの温度を制御する。これにより、レーザが起動
して発光を開始しても、レーザの温度変化を少なくする
ことができ、レーザの起動開始から最終目的温度値への
到達時間を短くすることが可能となる。
【0019】また、本発明による放射線画像読取装置
は、上述のレーザ温度制御装置により構成される励起光
光源(レーザ光源)を有するものであるから、装置を起
動してから光出力が安定するまでに要する時間を短くす
ることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレーザ温度制御方
法および装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。図1および図2は、本発明によるレーザ温度制御
装置を示すものである。このレーザ温度制御装置はレー
ザを一定の温度に保つように温度制御をするものであ
る。レーザは、励起光としてのレーザビーム10を発する
チップ状態の半導体レーザ11と、発散光である上記レー
ザビーム10を集光する例えば屈折率分布型ロッドレンズ
等からなる集光レンズ12と、ネオジウム(Nd)がドー
ピングされた固体レーザ媒質であるYAG結晶(以下、
「Nd:YAG結晶」という。)13と、このNd:YA
G結晶13の前方側(図中右方側)に配された共振器ミラ
ー14と、この共振器ミラー14とNd:YAG結晶13との
間に配されたKNbO3 結晶(以下、「KN結晶」とい
う。)15とを有している。
【0021】半導体レーザ11としては、波長809 nmの
レーザビーム10を発するものが用いられている。Nd:
YAG結晶13は入射したレーザビーム10によってネオジ
ウムイオンが励起されて、波長946 nmの光を発する。
Nd:YAG結晶13の励起光入射側の端面13aには、波
長946 nmの光は良好に反射させ(反射率99.9%以
上)、波長809 nmの励起用レーザビーム10は良好に透
過させる(透過率99%以上)コーティングが施されてい
る。一方共振器ミラー14のミラー面14aには、波長946
nmの光は良好に反射させ下記の波長473 nmの光は透
過させるコーティングが施されている。
【0022】したがって、波長946 nmの光は上記各面
13a、14a間に閉じ込められてレーザ発振を引き起こ
し、こうして発生したレーザビーム18はKN結晶15によ
り波長が1/2すなわち473 nmの第2高調波19に変換
され、主にこの第2高調波19が共振器ミラー14から出射
する。すなわち、本レーザはSHGレーザとして機能す
る。
【0023】半導体レーザ11および集光レンズ12はホル
ダー20に固定され、一方Nd:YAG結晶13、KN結晶
15および共振器ミラー14は別のホルダー21に固定され、
これらのホルダー20および21が基準板22に固定されてい
る。この基準板22は、熱伝導率が高くて温度勾配が生じ
難い銅等からなり、装置載置面23上に固定されたペルチ
ェ素子24の上に固定されている。
【0024】また、温度検出用のサーミスタ40および発
熱抵抗などの発熱体44が基準板22に固定されている。サ
ーミスタ40は温度制御回路42に接続され、ペルチェ素子
24が温度制御回路42によって駆動制御される。また、電
力源46は電力を発熱体44に供給する。
【0025】上述のように本実施の形態においては、N
d:YAG結晶13と共振器ミラー14とによってファブリ
ー・ペロー型共振器が構成され、この共振器の部分と半
導体レーザ11および集光レンズ12は、基準板22に固定さ
れたサーミスタ40によりその温度が検出される。温度制
御回路42はフィードバック型の温度制御回路であり、上
記ペルチェ素子24を駆動制御することにより、上記共振
器の部分、半導体レーザ11および集光レンズ12(すなわ
ち、レーザ)を所定温度に保つ。
【0026】次に、APCについて説明する。装置載置
面23上には基準板22およびペルチェ素子24とは別体にし
てホルダー30が固定され、このホルダー30にはダイクロ
イック・フィルター31および部分透過ミラー32が固定さ
れている。ダイクロイック・フィルター31は、第2高調
波19とともに共振器ミラー14から出射した微弱なレーザ
ビーム10およびレーザビーム18をカットする。そして第
2高調波19の進行方向に対して傾けて配された部分透過
ミラー32は、第2高調波19の大半は使用光19Aとして透
過させる一方、一部を検出光19Bとして反射させる。
【0027】なおホルダー30には、部分透過ミラー32に
よって分岐される前の第2高調波19および、分岐された
後の検出光19Bを通過させるための孔30aが形成されて
いる。
【0028】上記検出光19Bは基準板22の上に固定され
たAPC用光検出器33によって検出され、その出力信号
SはAPC回路34に入力される。APC回路34はこの出
力信号Sに基づいて、該出力信号Sが一定化するように
半導体レーザ11の駆動電流を制御する。それにより、レ
ーザビーム10の光出力が一定化されて、第2高調波19の
出力が安定するようになる。
【0029】なお基準板22の上に固定されたAPC用光
検出器33は、上記共振器の部分と半導体レーザ11および
集光レンズ12とともに温度調節されて、所定温度に保た
れる。
【0030】レーザ制御信号がオフのとき、上述のよう
にレーザは所定温度に保たれている。このとき、レーザ
がオン(発光)しているときのレーザの自己発熱量と発
熱体44の発熱量とが概ね同等となるように、電力源46か
ら電力が供給され発熱体44が余熱されている(図3(B)
参照)。
【0031】レーザ制御信号がオンしレーザが発光を開
始したとき、発熱体44への電力の供給が停止(オフ)さ
れ(図3(B) 参照)、発熱体44の温度が徐々に低下しよ
うとする。このとき、レーザは自己発熱によりその温度
が徐々に上昇しようとする。したがって、発熱体44の温
度低下がレーザの自己発熱による温度上昇を相殺するよ
うに働く。発熱体44の温度低下とレーザの温度上昇の均
衡がとれている場合は、これらがほぼ完全に相殺され、
レーザの発光開始に際して温度制御回路42に与えられる
熱負荷の変動を少なくすることができる。
【0032】なお、レーザ制御信号がオンしレーザが発
光を開始したとき、発熱体44への電力の供給を停止する
場合、上述のようにすぐに停止するのではなく、レーザ
の自己発熱による温度上昇が概ね相殺されるように発熱
体44に供給される実効電力を漸次減少するようにするこ
とで、熱負荷の変動を極めて少なくすることができる。
例えば、発熱体44への電力の供給をアナログ的に漸次低
減させても良く(図3(C) 参照)、また、パルス的に電
力の供給を制御しても良い。この場合、パルス幅変調
(PWM)により電力の供給時間を漸次短くする方法
(図3(D) 参照)や、パルスコード変調又はパルス数変
調(PCM)により所定幅の電力供給時間の単位毎に漸
次その数を低減する方法(図3(E) 参照)などを用いる
ことができる。また、レーザの温度が安定した後は、発
熱体44に供給される電力を完全に停止しても良く、また
温度制御回路42に熱負荷の変動を与えない範囲で余熱を
継続させることもできる。
【0033】上述のように発熱体44に供給される電力を
制御することにより、温度制御回路42に与えられる熱負
荷の変動を少なくすることができ、レーザが起動した後
のレーザの最終目的温度値への到達時間を短くすること
が可能となる。
【0034】次に図4〜図6を参照して、本発明の第2
の実施の形態によるレーザ温度制御方法および装置につ
いて説明する。なお図4〜図6において、図1〜図3中
の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについて
の説明は特に必要のない限り省略する。
【0035】この第2の実施の形態のレーザ温度制御方
法および装置には、発熱体44および電力源46が用いられ
ていない。レーザ制御信号がオフのとき、温度制御回路
42は最終目標温度を20℃として温度制御する。したがっ
て、第1の実施の形態と同様にレーザは所定温度(20
℃)に保たれている(図6(B) 参照)。
【0036】レーザ制御信号がオンしレーザが発光を開
始したとき、温度制御回路42は一定期間は最終目標温度
を15℃として温度制御し、その後、最終目標温度を20℃
に戻して温度制御する(図6(B) 参照)。レーザが発光
を開始したとき、レーザは自己発熱によりその温度が徐
々に上昇しようとする。このとき、上述のように温度制
御回路42の最終目標温度が15℃と低下しているので、温
度制御回路42はレーザの温度を低下させる方向に働く。
したがって、温度制御回路42によるレーザの温度低下が
レーザの自己発熱による温度上昇を相殺するように働
く。温度制御回路42によるレーザの温度低下とレーザの
自己発熱による温度上昇の均衡がとれている場合は、こ
れらがほぼ完全に相殺され、レーザの温度変化を少なく
することができる。
【0037】なお、レーザ制御信号がオンしレーザが発
光を開始したとき、レーザの自己発熱による温度変化に
追従させて、それを相殺するように温度制御回路42の最
終目標温度を漸次変更することにより(図6(C) 参
照)、レーザの温度変化を極めて少なくすることが可能
となる。
【0038】上述のようにレーザが起動した後の温度制
御回路42の最終目標温度を変更することにより、レーザ
の温度変化を少なくすることができ、レーザが起動した
後のレーザの最終目的温度値への到達時間を短くするこ
とが可能となる。
【0039】したがって、上述のようなレーザ温度制御
装置により構成される励起光光源を放射線画像読取装置
に搭載することにより、装置を起動してから光出力が安
定するまでに要する時間を短くすることができる。
【0040】また、本発明によるレーザ温度制御装置を
レーザ光源(励起光源)に適用し、このレーザ光源を使
用して特開平7−191421号等に記載の放射線画像
読取装置を構成することも可能である。図7は放射線画
像読取装置を構成する画像読取部の光ビーム走査装置の
概略構成図であり、この光ビーム走査装置は、本発明に
よるレーザ温度制御装置を適用したレーザ光源131 を備
えている。この光ビーム走査装置について簡単に説明す
る。
【0041】光ビーム走査装置は、所定の波長のレーザ
光Lを出射する本発明のレーザ温度制御装置を適用した
レーザ光源131 、この出射されたレーザ光Lを反射偏向
する回転多面鏡132 、この回転多面鏡132 を回転駆動す
るモータ133 、レーザ光Lを集光するfθレンズ134 、
集光されたレーザ光Lを反射して向きを変える反射光学
系135 からなる。このレーザ光Lの照射によって、蓄積
記録されている放射線画像情報に応じた光量で発光する
輝尽発光光Aを集光する光ガイド136 、集光された輝尽
発光光Aを増幅して光電変換するフォトマルチプライヤ
137 などの画像情報読取手段が蓄積性蛍光体シート140
に蓄積記録された放射線画像情報を読み取る。
【0042】放射線画像情報の蓄積記録された蓄積性蛍
光体シート140 は搬送手段160 に載置されて矢印X方向
に搬送され、画像読取部に搬入される。画像読取部にお
いては、レーザ光源131 より出射したレーザ光Lは、モ
ータ133 により高速回転駆動される回転多面鏡132 によ
り所定の方向に偏向され、この変更されたレーザ光Lは
fθレンズ134 により集光され、さらに反射光学系135
により反射されて蓄積性蛍光体シート140 を照射する。
このとき回転多面鏡132 の矢印K方向への回転により、
レーザ光Lは蓄積性蛍光体シート140 を矢印Y方向に主
走査し、蓄積性蛍光体シート140 は、この主走査と搬送
手段160 の矢印X方向への移動(副走査)とが組み合わ
されて、均一にレーザ光Lを照射される。
【0043】レーザ光Lを照射された蓄積性蛍光体シー
ト140 の表面からは、蓄積記録された放射線画像情報に
応じた輝尽発光光Aが発光し、この輝尽発光光Aは光ガ
イド136 によって集光されて読み取られ、フォトマルチ
プライヤ137 により増幅されたうえで電気信号S0に光電
変換される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるレーザ温度制
御装置を示す平面図
【図2】上記レーザ温度制御装置の一部破断側面図
【図3】上記レーザ温度制御装置のレーザ制御信号等を
示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態であるレーザ温度制
御装置を示す平面図
【図5】上記第2の実施の形態であるレーザ温度制御装
置の一部破断側面図
【図6】上記第2の実施の形態であるレーザ温度制御装
置のレーザ制御信号等を示す図
【図7】本発明によるレーザ温度制御装置を適用したレ
ーザ光源を有する光ビーム走査装置の概略図
【符号の説明】
10 レーザビーム(励起光) 11 半導体レーザ 12 集光レンズ 13 Nd:YAG結晶 14 共振器ミラー 15 KN結晶 18 固体レーザビーム 19 第2高調波 22 基準板 24 ペルチェ素子 30 ホルダー 31 ダイクロイック・フィルター 31a、31b ダイクロイック・フィルターの光通過端
面 32 部分透過ミラー 33 APC用光検出器 34 APC回路 40 サーミスタ 42 温度制御回路 44 発熱体 46 電力源 131 レーザ光源 132 回転多面鏡 133 モータ 134 fθレンズ 135 反射光学系 136 光ガイド 137 フォトマルチプライヤ 140 蓄積性蛍光体シート 160 搬送手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体レーザ結晶をレーザダイオードから
    発せられたレーザビームによって励起するレーザダイオ
    ード励起固体レーザの温度をフィードバック温度制御に
    より最終目的温度値に保つレーザ温度制御方法におい
    て、 発熱体を前記レーザの近傍に配置し、 前記レーザの発光が停止しているときは該レーザが発光
    しているときの自己発熱量と前記発熱体の発熱量とが略
    同等となるように該発熱体に電力を供給し、 前記レーザが発光を開始したときは前記発熱体への電力
    の供給を停止することにより該レーザの最終目的温度値
    への到達時間を短くすることを特徴とするレーザ温度制
    御方法。
  2. 【請求項2】 固体レーザ結晶をレーザダイオードから
    発せられたレーザビームによって励起するレーザダイオ
    ード励起固体レーザの温度をフィードバック温度制御に
    より最終目的温度値に保つレーザ温度制御方法におい
    て、 発熱体を前記レーザの近傍に配置し、 前記レーザの発光が停止しているときは該レーザが発光
    しているときの自己発熱量と前記発熱体の発熱量とが略
    同等となるように該発熱体に電力を供給し、 前記レーザが発光を開始したときは該レーザの自己発熱
    が略相殺されるように前記発熱体に供給される実効電力
    を漸次減少することにより該レーザの最終目的温度値へ
    の到達時間を短くすることを特徴とするレーザ温度制御
    方法。
  3. 【請求項3】 固体レーザ結晶をレーザダイオードから
    発せられたレーザビームによって励起するレーザダイオ
    ード励起固体レーザの温度をフィードバック温度制御に
    より第1の最終目的温度値に保つレーザ温度制御方法に
    おいて、 前記レーザの発光が停止しているときは前記第1の最終
    目的温度値を目標温度値として前記レーザの温度を制御
    し、 前記レーザが発光を開始してから所定の期間は、該レー
    ザの自己発熱が略相殺されるように前記第1の最終目的
    温度値以下の第2の最終目的温度値を目標温度値として
    該レーザの温度を制御し、 前記所定の期間経過後は、前記第1の最終目的温度値を
    目標温度値として前記レーザの温度を制御することによ
    り最終目的温度値への到達時間を短くすることを特徴と
    するレーザ温度制御方法。
  4. 【請求項4】 固体レーザ結晶をレーザダイオードから
    発せられたレーザビームによって励起するレーザダイオ
    ード励起固体レーザの温度をフィードバック制御により
    最終目的温度値に保つ温度制御手段を有するレーザ温度
    制御装置において、 前記レーザの近傍に配置された発熱体と、 前記レーザの発光が停止しているときは該レーザが発光
    しているときの自己発熱量と前記発熱体の発熱量とが略
    同等となるように該発熱体に電力を供給し、前記レーザ
    が発光を開始したときは前記発熱体への電力の供給を停
    止することにより該レーザの最終目的温度値への到達時
    間を短くする発熱体制御手段とを有することを特徴とす
    るレーザ温度制御装置。
  5. 【請求項5】 固体レーザ結晶をレーザダイオードから
    発せられたレーザビームによって励起するレーザダイオ
    ード励起固体レーザの温度をフィードバック制御により
    最終目的温度値に保つ温度制御手段を有するレーザ温度
    制御装置において、 前記レーザの近傍に配置された発熱体と、 前記レーザの発光が停止しているときは該レーザが発光
    しているときの自己発熱量と前記発熱体の発熱量とが略
    同等となるように該発熱体に電力を供給し、前記レーザ
    が発光を開始したときは該レーザの自己発熱が略相殺さ
    れるように前記発熱体に供給される実効電力を漸次減少
    することにより該レーザの最終目的温度値への到達時間
    を短くする発熱体制御手段とを有することを特徴とする
    レーザ温度制御装置。
  6. 【請求項6】 固体レーザ結晶をレーザダイオードから
    発せられたレーザビームによって励起するレーザダイオ
    ード励起固体レーザの温度をフィードバック制御により
    第1の最終目的温度値に保つ温度制御手段を有するレー
    ザ温度制御装置において、 前記温度制御手段が、前記レーザの発光が停止している
    ときは前記第1の最終目的温度値を目標温度値として該
    レーザの温度を制御し、前記レーザが発光を開始してか
    ら所定の期間は、該レーザの自己発熱が略相殺されるよ
    うに前記第1の最終目的温度値以下の第2の最終目的温
    度値を目標温度値として該レーザの温度を制御し、前記
    所定の期間経過後は、前記第1の最終目的温度値を目標
    温度値として前記レーザの温度を制御することにより最
    終目的温度値への到達時間を短くすることを特徴とする
    レーザ温度制御装置。
  7. 【請求項7】 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性
    蛍光体シートに励起光を照射する励起光照射手段と、 前記蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された前記放射線画
    像情報に応じて輝尽発光する輝尽発光光を検出して該放
    射線画像情報を読み取る読取手段とを有する放射線画像
    読取装置において、 前記励起光照射手段が、請求項4から6いずれか1項記
    載のレーザ温度制御装置により構成される励起光光源を
    有することを特徴とする放射線画像読取装置。
JP33809396A 1996-12-18 1996-12-18 レーザ温度制御方法および装置ならびに放射線画像読取装置 Withdrawn JPH10178228A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013162358A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Seiko Epson Corp 発振器回路、半導体集積回路素子、電子機器、及び半導体集積回路素子の出力制御方法
JP2016082228A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company レーザー光線の波面を制御するレーザーシステム及び方法

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