JPH1017747A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH1017747A
JPH1017747A JP17248596A JP17248596A JPH1017747A JP H1017747 A JPH1017747 A JP H1017747A JP 17248596 A JP17248596 A JP 17248596A JP 17248596 A JP17248596 A JP 17248596A JP H1017747 A JPH1017747 A JP H1017747A
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meth
thermoplastic resin
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Yoshitomo Nakada
善知 中田
Susumu Inaoka
享 稲岡
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、成形性および耐衝撃性を有すると共
に、着色が抑制されて色相に優れ、かつ、艶外観に優れ
た熱可塑性樹脂組成物とする。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステル系単量体50
重量%〜99.9重量%、反応性基(a)を有する単量体
0.1重量%〜20重量%、共重合可能なビニル系単量体0
重量%〜49.9重量%からなる(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体(A)と、上記反応性基(a)と反応する酸
基を有するポリマー(B)とを含む熱可塑性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性等の機械
的性質、加工性などの成形上の性質に優れると共に、耐
熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、互いに異なる各ポリマー同士を混
合するポリマーアロイ化技術により、従来知られていな
い、耐熱性等の優れた物性を有する樹脂組成物が製品と
して上市されている。
【0003】例えば、ABS(Acrylonitrile-Butadien
e-Styrene)樹脂やHIPS(High Impact PolyStyrene)
樹脂に代表されるゴム強化スチレン系樹脂は、耐衝撃
性、剛性、寸法安定性等の機械的性質、加工性などの成
形上の性質、および、光沢性などの外観的性質に優れ、
自動車部品、事務機部品、雑貨など広範な分野に採用さ
れている。しかしながら、上記ゴム強化スチレン系樹脂
は、耐熱性や耐薬品性に劣るため自動車分野などへの使
用には制限があるという問題点を有している。
【0004】そこで、上記問題点を回避するために、ゴ
ム強化スチレン系樹脂に対する、様々なポリマーアロイ
による改良が検討されてきており、例えば、耐熱性の改
良のためポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、
ポリアリレート等とのポリマーアロイ、耐薬品性の改良
のためにポリアミド、飽和ポリエステルとのポリマーア
ロイといった、エンジニアリングプラスチック等とのポ
リマーアロイが主に検討されている。
【0005】このようなポリマーアロイを作製する場合
に、各ポリマーが互いに非相溶なとき、非相溶同士の各
ポリマーを単純に混合するだけでは、所望する耐衝撃性
などの物性が十分に得られないため、さらに相溶化剤を
用いることが通例となっている。このような相溶化剤に
は、非反応性相溶化剤と、反応性相溶化剤とが知られて
いる。非反応性相溶化剤と比べて反応性相溶化剤の方が
比較的低添加量にて相溶による効果が得られると言われ
ている。
【0006】例えば、特公平7−25979号公報にお
いては、ゴム強化スチレン系樹脂とエンジニアリングプ
ラスチックとに対し、さらに反応性相溶化剤としてのス
チレン−アクリロニトリル系オキサゾリンポリマーを配
合したポリマーアロイが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来公報の熱可塑性樹脂組成物は、上記スチレン−アクリ
ロニトリル系オキサゾリンポリマーを添加することでゴ
ム強化スチレン系樹脂とエンジニアリングプラスチック
とを互いに相溶化させることができるものの、上記熱可
塑性樹脂組成物において着色や、つや(艶)外観の劣化
が生じることがあるという問題を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明者ら
は、上記の問題を解決するため、鋭意検討した結果、特
定の反応性基にて変性され、アルキル(メタ)アクリレ
ート単量体を主成分として50重量%以上含む単量体成
分からなる、特定の分子量範囲の(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体と、上記反応性基と反応する官能基を有
するポリマーとを含むことにより、耐衝撃性および色相
に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、
本発明を完成するに到った。
【0009】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以上の課
題を解決するために、(メタ)アクリル酸エステル系単
量体50重量%〜99.9重量%、反応性基を有する単量体0.
1 重量%〜20重量%、共重合可能なビニル系単量体0重
量%〜49.9重量%からなる(メタ)アクリル酸エステル
系重合体と、上記反応性基と反応する酸基を有するポリ
マーとを含むことを特徴としている。また、上記熱可塑
性樹脂組成物は、さらに熱可塑性樹脂を含んでいてもよ
い。
【0010】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物として
は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重量%〜9
9.9重量%、反応性基を有する単量体0.1 重量%〜20重
量%、共重合可能なビニル系単量体0重量%〜49.9重量
%からなる重量平均分子量10,000〜100,000 の(メタ)
アクリル酸エステル系重合体と、上記反応性基と反応す
る官能基を有するポリマーとを含むものであってもよ
い。
【0011】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物とし
ては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重量%〜
99.9重量%、反応性基を有する単量体0.1 重量%〜20重
量%、共重合可能なビニル系単量体0重量%〜49.9重量
%からなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、上
記反応性基と反応する酸基を有するポリマーと、ゴム強
化スチレン系樹脂とを含むものであってもよい。
【0012】上記の各熱可塑性樹脂組成物によれば、耐
衝撃性等の機械的性質、加工性などの成形上の性質、耐
熱性に優れると共に、着色が抑制されて色相に優れ、か
つ、つや外観に優れたものとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
耐衝撃性等の機械的性質、加工性などの成形上の性質、
耐熱性を付与するために、ゴム強化スチレン系樹脂等の
熱可塑性樹脂(C)と、官能基を有するポリマー(B)
とを混合し、さらに、ポリマー(B)と熱可塑性樹脂
(C)との間の相溶性を向上させ、かつ、得られた熱可
塑性樹脂組成物における、色相の劣化やつや外観の低下
を抑制するための反応性相溶化剤として、上記官能基と
反応する反応性基(a)を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体(A)を配合したものである。
【0014】本発明において用いられる(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体(A)とは、オキサゾリン基また
はエポキシ基である反応性基(a)を有する単量体と、
主成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを
含む単量体成分からなる重合体、すなわち(メタ)アク
リル酸アルキルエステル50重量%〜99.9重量%、反応性
基(a)を有する単量体 0.1重量%〜20重量%、必要に
応じて、これらの単量体と共重合可能な単量体0重量%
〜49.9重量%からなる単量体成分を共重合させることに
より得られる重合体である。
【0015】次に、本発明にかかる(メタ)アクリル系
重合体(A)について、その製造方法に基づいて説明す
ると、まず、原料の単量体として用いられる(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されるも
のではないが、具体的には、例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレー
ト、iso-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メ
タ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート、n-オクチル(メタ)アクリレート、iso-ノニル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】これら(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルは、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を適宜
混合して用いてもよい。これら(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの中でも、脂肪族アルキル(メタ)アクリ
レートが好ましく、メチルメタクリレートが最も好まし
い。
【0017】上記単量体成分中における(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの含有量が50重量%未満であれ
ば、成形時の着色を充分に抑えることができず、また、
ゴム強化スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂(C)との相
溶性が低下するので好ましくない。前記単量体成分中に
おける(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量
は、50重量%を超えていれば、特に限定されないが、よ
り好ましくは55重量%〜99.9重量%の範囲内であり、60
重量%〜99.9重量%の範囲内が特に好ましい。
【0018】また、上記反応性基(a)としては、具体
的には、オキサゾリン基、エポキシ基、酸無水物基、イ
ソシアナート基等が挙げられるが、好ましくはオキサゾ
リン基および/またはエポキシ基であり、より好ましく
はオキサゾリン基である。
【0019】上記オキサゾリン基やエポキシ基は、広く
酸や酸無水物基、アミノ基、水酸基、チオール基等の官
能基と反応することができる。なかでも、オキサゾリン
基は非常に反応性が高く、また、自己反応によるゲル化
が生じ難いという利点を有している。
【0020】上記反応性基(a)を有する単量体のう
ち、例えばオキサゾリン基を有する単量体としては、具
体的には、2-ビニル−2-オキサゾリン、5-メチル−2-ビ
ニル−2-オキサゾリン、4,4-ジメチル−2-ビニル−2-オ
キサゾリン、4,4-ジメチル−2-ビニル−5,5-ジヒドロ-4
H-1,3-オキサジン、4,4,6-トリメチル−2-ビニル−5,6-
ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン、2-iso-プロペニル−2-オ
キサゾリン、4,4-ジメチル−2-iso-プロペニル−2-オキ
サゾリン等のビニルオキサゾリンが挙げられるが、特に
これらに限定されるものではない。これらオキサゾリン
基を有する単量体のなかでも、2-iso-プロペニル−2-オ
キサゾリンが、入手が容易であり、また、反応性が良好
であるため好ましい。
【0021】また、エポキシ基を有する単量体として
は、具体的には、例えば、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコ
ン酸グリシジル等の不飽和有機酸のグリシジルエステル
類;アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル
類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。こ
れらエポキシ基を有する単量体のなかでも、アクリル酸
グリシジル、メタクリル酸グリシジルが好ましい。
【0022】酸無水物基を有する単量体としては、具体
的には、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水
イタコン酸等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。また、イソシアネート基を有する単量体として
は、具体的には、例えば、ビニルイソシアネート等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。
【0023】これら反応性基(a)を有する単量体は、
一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合
して用いてもよい。上記単量体成分中における反応性基
(a)を有する単量体の含有量は、0.1 重量%〜20重量
%であることが好ましく、さらに好ましくは 0.5重量%
〜10重量%である。
【0024】反応性基(a)を有する単量体の含有量が
0.1 重量%未満であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物
の耐衝撃性等の物性を充分に向上させることができなく
なるので好ましくない。一方、上記反応性基(a)を有
する単量体の含有量が20重量%を越えると、加工性や成
形性が低下する虞れがあるので好ましくない。
【0025】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルおよび反応性基(a)を有する単量体と共重合可
能な単量体、すなわち、上記単量体成分中に必要に応じ
て含まれる、その他の単量体(以下、その他の単量体と
称する)としては、特に限定されるものではないが、具
体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の
芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル等のシアン化
ビニル系単量体等が挙げられる。これらその他の単量体
は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を
混合して用いてもよい。これらその他の単量体のなかで
も、スチレンおよび/またはアクリロニトリルが、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとの反応性が良好であ
り、特に好ましい。
【0026】上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)の製造方法としては、特に限定されるものではな
く、例えば、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合
等、従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0027】上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)の製造方法において、溶液重合法を採用して各単
量体を共重合させる場合に用いることができる溶媒とし
ては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メチ
ルエチルケトン、メチルiso-ブチルケトン等のケトン
類;iso-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、is
o-ブチルアルコール等の脂肪族アルコール類;エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これ
ら溶媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以
上を適宜混合して用いてもよい。また、これら溶媒の使
用量は、特に限定されるものではない。
【0028】また、単量体成分を共重合させる際には、
重合開始剤を用いることができ、上記重合開始剤として
は、具体的には、例えば、アゾビスiso-ブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t−ブチルパーオキ
サイド等のラジカル重合開始剤等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。また、重合開始剤の使用量
は、特に限定されるものではない。
【0029】さらに、反応系には、熱分解の抑制や固有
粘度を調節する目的で、オクチルメルカプタンやドデシ
ルメルカプタン等のアルキルメルカプタン等のメルカプ
タン類やα−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤
や、重合調節剤を用いてもよい。また、固有粘度を調整
する目的で、重合反応後、得られた共重合体を熱処理し
ても構わない。
【0030】上記の反応を行う際の反応温度や反応時間
は、特に限定されるものではなく、用いる単量体や重合
開始剤の種類等に応じて、重合反応が完結するように、
適宜設定すればよい。
【0031】このようにして得られた(メタ)アクリル
酸エステル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1
0,000〜150,000 の範囲内であればよいが、好ましく
は、20,000〜100,000 の範囲内、さらに好ましくは30,0
00〜70,000の範囲内であり、また、その固有粘度(極限
粘度数)は、0.05〜0.6 (100ml/g) であればよいが、さ
らに好ましくは 0.1〜0.35(100ml/g) の範囲内である。
【0032】上記固有粘度〔η〕とは、濃度の異なる溶
液の各粘度を測定し、それぞれの溶液の(ηsp/c)あ
るいは(lnηr /c)と容積濃度との関係式において、
適当な方法でcを0に外挿することによって求められる
値を示す。なお、溶液の粘度をη、溶媒の粘度をη0
するとき、相対粘度を示すηr は、η/η0 であり、比
粘度を示すηspは、{ηsp=(η−η0 )/η0 =ηr
−1}により求められる。また、cは溶液の容積濃度
(溶質重量/溶媒容積)を示す。
【0033】上記固有粘度は、具体的には、上記(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体(A)をジメチルホル
ムアミドに溶解させて、例えば濃度1g/100ml 、0.5
g/100ml 、0.3 g/100ml の濃度の異なる3種類の溶
液を作製し、これらの溶液を30℃に調製した後、ウベロ
ーデ粘度計により粘度をそれぞれ測定して濃度と粘度と
の間の関係式を求め、その関係式に対し濃度0を外挿す
ることによって求められる。
【0034】上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)の固有粘度や重量平均分子量が上記の範囲内にあ
ることで、得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性が、そ
の成形性に悪影響を及ぼす程度に低下することを抑える
ことができると共に、耐熱性や耐溶剤性、加工性等の各
種物性を低下させることなく、耐衝撃性を充分に向上さ
せることができ、その上、着色やつや外観の低下を抑制
することができる。
【0035】これにより、耐衝撃性に優れると共に、耐
熱性、耐溶剤性、および加工性等の物性と、耐衝撃性、
色相およびつや外観とのバランスのとれた熱可塑性樹脂
組成物とすることができる。
【0036】また、ポリマー(B)としては、上記反応
性基(a)と反応することができる官能基を有するポリ
マーであれば、特に限定されるものではない。例えば、
オキサゾリン基と反応する官能基としては、アミノ基、
カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、メルカプト
基、イソシアネート基、ハロゲン基、水酸基、チオール
基等が挙げられる。また、オキサゾリン基、およびエポ
キシ基と反応する官能基としては、例えば、カルボキシ
ル基等の酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、チオー
ル基等が挙げられる。また、酸無水物基と反応する官能
基としては、例えば、アミノ基や水酸基が挙げられる。
【0037】そこで、好ましいポリマー(B)として
は、カルボキシル基等の酸基、水酸基、アミノ基からな
る群より選ばれる少なくとも一種である官能基を有する
ポリマーが挙げられ、特に好ましくは、カルボキシル基
等の酸基を官能基として有するポリマーが挙げられる。
【0038】このようなポリマー(B)としては、具体
的には、結晶性ポリマーやエンジニアリングプラスチッ
クである、例えば、ポリアミド、飽和ポリエステル、ポ
リフェニレンエーテル、フェノール樹脂およびポリアリ
レート等が挙げられる。
【0039】上記ポリマー(B)のうち、カルボキシル
基等の酸基を少なくとも有するポリマーとしては、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等の熱可塑性ポリエステル;酸変性ポリエチレ
ン等の各種酸変性樹脂;ナイロン等のポリアミドなどが
挙げられる。
【0040】上記酸変性樹脂についてさらに具体的に挙
げるならば、酸基を有する単量体(例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、2−ノルボルネン−5,6 −ジカルボン酸等の不飽
和モノおよびジカルボン酸等)を共重合性成分として共
重合した重合体(例えば、エチレン−アクリル酸共重合
体、酸変性AS(Acrylonitrile-Styrene )樹脂等)、
上記酸基を有する単量体をグラフト共重合することによ
り酸変性した変性ポリオレフィン、および、酸変性PP
E(Polyphenylene ether)樹脂等が挙げられる。これら
ポリマー(B)は、一種類のみを用いてもよいし、二種
類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0041】水酸基を少なくとも有するポリマー(B)
としては、具体的には、例えば上記熱可塑性ポリエステ
ル;水酸基含有単量体を共重合成分として共重合して得
られた共重合体等が好ましいものとして挙げられるが、
特に限定されるものではない。これらポリマー(B)
は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を適宜混
合して用いてもよい。
【0042】上記水酸基含有単量体としては、具体的に
は、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシメチ
ルベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4
−ヒドロキシメチルベンジルアクリレート、4−ヒドロ
キシメチルベンジルメタクリレート等が挙げられるが特
に限定されるものではない。なお、水酸基を少なくとも
有するポリマー(B)として、さらに好ましくは、前記
熱可塑性ポリエステル、前記共重合体が挙げられる。
【0043】アミノ基を少なくとも有するポリマー
(B)としては、具体的には、例えば、ナイロン6、ナ
イロン66、6/66共重合ナイロン、ナイロン46、ナイロン
12等のポリアミド;アミノ基を有する単量体を共重合し
て得られた共重合体等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。これらポリマー(B)は、一種類のみを
用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。上記アミノ基を有する単量体としては、具体的に
は、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。
【0044】前記の熱可塑性樹脂(C)としては、前記
の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を含むア
クリル系重合体、オレフィン系重合体、およびポリマー
(B)と異なり、(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)に対する溶解度パラメータが±2( cal/cm3)
1/2 以内である、上記(メタ)アクリル酸エステル系重
合体(A)に対して相溶性の高い熱可塑性樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0045】上記溶解度パラメーターとは、化合物の極
性を表す尺度として一般的に用いられているパラメータ
ーである。本発明では、Small の計算式にHoy の凝集エ
ネルギー定数を代入して導いた値〔単位( cal/cm3)
1/2 〕を上記溶解度パラメーターとして用いている。
【0046】上記熱可塑性樹脂(C)としては、特に、
ゴム強化スチレン系樹脂が好ましい。上記ゴム強化スチ
レン系樹脂は、特に限定されるものではないが、例え
ば、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、
AES(Acrylonitrile-EPDM-Styrene)樹脂、AAS
(Acrylonitrile-Acrylic-Styrene)樹脂、HIPS樹
脂、MBS(Methylmethacrylate-Butadiene-Styrene)樹
脂等、ゴム状重合体の存在下で芳香族ビニル系単量体お
よび必要に応じて上記芳香族ビニル系単量体と共重合可
能な他のビニル系単量体(以下、他のビニル系単量体と
記す)を重合してなるグラフト共重合体を含む重合体が
挙げられる。
【0047】上記ゴム状重合体としては、特に限定され
るものではないが、具体的には、例えば、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体等のジエン系ゴム;エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−プロピレン非共役ジエン
共重合体、アクリル系ゴム、塩素化ポリエチレン等の非
ジエン系ゴム等が挙げられる。これらゴム状重合体は、
一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を適宜混合し
て用いてもよい。
【0048】上記ゴム状重合体の製造方法は特に限定さ
れるものではなく、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊
状重合等、従来公知の種々の方法を用いて製造すること
ができる。また、上記ゴム状重合体を得る際の重合条件
は、特に限定されるものではない。
【0049】上記芳香族ビニル系単量体としては、特に
限定されるものではないが、具体的には、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−メチルスチ
レン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、
クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、
ジブロモスチレン等が挙げられる。これら芳香族ビニル
系単量体は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上
を適宜混合して用いてもよい。これら芳香族ビニル系単
量体のなかでも、スチレン、α−メチルスチレンが特に
好適に用いられる。
【0050】上記の他のビニル系単量体としては、特に
限定されるものではないが、具体的には、例えば、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
系単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体
が挙げられる。これら他のビニル系単量体は、一種類の
みを用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用いて
もよい。これら他のビニル系単量体の中でも、アクリロ
ニトリル、メチルメタクリレート、N−フェニルマレイ
ミドが特に好適に用いられる。
【0051】上記グラフト共重合体の製造方法、即ち、
ゴム状重合体の存在下で、芳香族ビニル系単量体および
必要に応じて他のビニル系単量体を重合させる重合方法
としては、特に限定されるものではなく、乳化重合、溶
液重合、懸濁重合、塊状重合等、従来公知の種々の方法
を用いることができる。
【0052】上記グラフト共重合体を得る際の各単量体
(芳香族ビニル系単量体および他のビニル系単量体)と
ゴム状重合体との配合割合は、特に限定されるものでは
ないが、上記各単量体の合計量80重量%〜20重量%、ゴ
ム状重合体20重量%〜80重量%となるように配合するこ
とが好ましい。さらに、上記配合割合以外の重合条件は
特に限定されるものではなく、上記の重合反応が完了す
るように適宜設定すればよい。
【0053】また、上記ゴム強化スチレン系樹脂とし
て、芳香族ビニル系単量体および必要に応じて他のビニ
ル系単量体を重合してなる芳香族ビニル系重合体と、上
記グラフト共重合体との混合物を用いてもよい。
【0054】上記芳香族ビニル系重合体の原料として用
いられる芳香族ビニル系単量体および他のビニル系単量
体としては、上記グラフト共重合体の製造において例示
した単量体と同様の単量体を用いることができる。ま
た、上記芳香族ビニル系重合体の製造方法は、特に限定
されるものではなく、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、
塊状重合等、従来公知の種々の方法を用いることができ
る。
【0055】上記芳香族ビニル系重合体とグラフト共重
合体との混合物を得る際の芳香族ビニル系単量体と他の
ビニル系単量体との配合割合は、特に限定されるもので
はないが、芳香族ビニル系単量体10重量%〜 100重量
%、他のビニル系単量体90重量%〜0重量%となるよう
に配合することが好ましく、芳香族ビニル系単量体30重
量%〜70重量%、他のビニル系単量体70重量%〜30重量
%となるように配合することがさらに好ましい。
【0056】本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、ゴ
ム強化スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂(C)と、ポリ
マー(B)と、(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)とを混合することによって、容易に得ることがで
きる。
【0057】(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)、ポリマー(B)、および熱可塑性樹脂(C)の
割合は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)
0.1重量%〜90.1重量%、好ましくは 0.1重量%〜20重
量%さらに好ましくは 0.5重量%〜10重量%、ポリマー
(B) 9.9重量%〜90重量%、好ましくは 9.9重量%〜
60重量%、さらに望ましくは 9.9重量%〜55重量%、お
よび熱可塑性樹脂(C)0重量%〜90重量%、好ましく
は 9.9重量%〜90重量%、さらに好ましくは39.9重量%
〜90重量%、さらに望ましくは44.9重量%〜90重量%で
ある。
【0058】特に、本発明の熱可塑性樹脂に対し、耐衝
撃性をより一層確保する場合には、(メタ)アクリル酸
エステル系重合体(A)が、 1.5重量%〜10重量%が好
ましく、成形性や加工性をより一層確保する場合には、
0.5重量%〜5重量%が好ましい。
【0059】また、上記熱可塑性樹脂(C)とポリマー
(B)と(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)と
の合計量に対する上記(メタ)アクリル酸エステル系重
合体(A)が有する反応性基(a)の量は、0を越えて
0.05モル/kg以下であることが好ましい。
【0060】上記熱可塑性樹脂(C)とポリマー(B)
と(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)との合計
量に対する上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)が有する反応性基(a)の量が0.05モル/kgを越
えると、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱性、耐溶剤
性、および加工性等の物性が低下する虞れがあるので好
ましくない。
【0061】上記熱可塑性樹脂(C)、ポリマー
(B)、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)の混合方法は、特に限定されるものではなく、上
記熱可塑性樹脂(C)、ポリマー(B)、および(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体(A)を同時に混合し
てもよく、上記熱可塑性樹脂(C)、ポリマー(B)、
および(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)のう
ち、予め2成分を混合した後、残る1成分を混合しても
よい。また、上記熱可塑性樹脂(C)、ポリマー
(B)、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(A)の混合順序も特に限定されるものではない。
【0062】さらに、混合時における上記各成分として
の熱可塑性樹脂(C)、ポリマー(B)、および(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体(A)の形状などの各
状態は、特に限定されるものではなく、ペレット、ビー
ズ、パウダー等、種々の状態で混合することができる。
上記各成分の混合には、具体的には、例えば、バンバリ
ーミキサー等の高速攪拌機、ロール、1軸あるいは多軸
の押出機等、従来公知の混練機を用いることができる
が、特に限定されるものではない。
【0063】上記ポリマー(B)と(メタ)アクリル酸
エステル系重合体(A)との組み合わせは、特に限定さ
れるものではないが、上記ポリマー(B)がカルボキシ
ル基である酸基を有するポリマーであり、(メタ)アク
リル酸エステル系重合体(A)がオキサゾリン基および
/またはエポキシ基を有する共重合体である組み合わせ
が、得られる熱可塑性樹脂組成物の物性からみて特に好
ましい。
【0064】また、上記各樹脂組成物には、必要に応じ
て、顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、金
属フレーク等の補強材や充填材、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑
剤、難燃剤等の従来公知の種々の添加剤を添加してもよ
い。これら添加剤は、一種類のみを用いてもよいし、二
種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、これら添
加剤の添加量は、特に限定されるものではない。また、
所望する物性に応じて、上記樹脂組成物に、ポリアセタ
ール、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル等の、他
の熱可塑性樹脂を適宜配合してもよい。
【0065】以上のような本発明にかかる熱可塑性樹脂
組成物は、例えば、冷蔵庫、洗濯機、掃除機等の家庭電
気器具、自動車の内外装部品、雑貨用、家具建材等、耐
熱性、成形性、加工性、および耐衝撃性等の物性と共に
外観の美麗さも必要とする広範な用途に利用され得るも
のとなっている。
【0066】本発明の熱可塑性樹脂組成物としては、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重量%〜99.9重
量%、反応性基を有する単量体0.1 重量%〜20重量%、
共重合可能なビニル系単量体0重量%〜49.9重量%から
なる(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、上記反応
性基と反応する官能基を有するポリマーと、(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体および上記ポリマーと異なる
熱可塑性樹脂とを含むものであって、上記熱可塑性樹脂
が、上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体と相溶性
を有するものであり、ABSやHIPS等のスチレン系
樹脂、および塩化ビニル系樹脂からなる群から選択され
た少なくとも一種であるものでもよい。
【0067】
【実施例】以下、各実施例および比較例により、本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何
ら限定されるものではない。なお、本明細書では、記載
の「部」および「%」は、重量基準にて表したものであ
る。
【0068】熱可塑性樹脂組成物は、反応性相溶化剤と
して、反応性基としてのオキサゾリン基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体(A)(以下、共重合
体という)と、上記オキサゾリン基と反応する官能基と
しての酸基を有するポリマー(B)としてのPBT樹脂
(PolyButyreneTerephthalate )と、熱可塑性樹脂
(C)としてのABS樹脂とを含むものである。
【0069】次に、上記共重合体の各例についてそれぞ
れ以下に説明すると、まず、還流管、温度センサ、ガス
導入管、モノマーおよび開始剤滴下各装置、並びに攪拌
装置を取り付けた反応容器内を窒素ガスで十分に置換し
た。続いて、この反応容器に対し、溶媒として100部
のトルエン、6部のメチルメタクリレートと、3.5部
のスチレンと、0.5部の2-iso-プロペニル−2-オキサ
ゾリン(以下、IPOという)との混合物を仕込んだ。
【0070】一方、モノマー滴下装置に対し、54部の
メチルメタクリレートと、31.5部のスチレンと、
4.5部のIPOとの混合物を仕込んだ。また、開始剤
滴下装置に対し、重合開始剤として、2部のt-ブチルパ
ーオキシ−2-エチルヘキサノエートを仕込んだ。
【0071】次に、上記反応容器内の反応溶液を、10
0℃に昇温した後、攪拌下で、滴下装置内の混合物、お
よび重合開始剤を徐々に上記反応溶液に滴下した。滴下
終了後、上記反応溶液を100〜110℃にてさらに所
定時間攪拌することによって溶液重合反応を完了させ
た。その結果、上記反応容器内にて透明で粘ちょうなポ
リマー溶液を得た。
【0072】続いて、このポリマー溶液を所定の方法で
減圧脱揮し、ペレット化することにより、共重合体
(1)を得た。得られた共重合体(1)は、重量平均分
子量(Mw)が47,000であった。
【0073】次に、他の共重合体としての共重合体
(2)について以下に説明すると、前記反応容器に対
し、溶媒として50部のトルエン、23.75部のメチ
ルメタクリレートと、1.25部のIPOとの混合物を
仕込んだ。
【0074】一方、モノマー滴下装置に対し、23.7
5部のメチルメタクリレートと、1.25部のIPOと
の混合物を仕込んだ。また、開始剤滴下装置に対し、重
合開始剤として、0.55部のt-ブチルパーオキシ−2-
エチルヘキサノエートを仕込んだ。
【0075】次に、上記反応容器内の反応溶液を、10
0℃に昇温した後、攪拌下で、開始剤滴下装置内の重合
開始剤を滴下して重合を開始した。また、攪拌下で、モ
ノマー滴下装置内の混合物および重合開始剤を徐々に上
記反応溶液に滴下した。滴下終了後、上記反応溶液を1
00〜110℃にて、さらに所定時間攪拌することによ
って溶液重合反応を完了させた。その結果、上記反応容
器内にて透明で粘ちょうなポリマー溶液を得た。
【0076】続いて、このポリマー溶液を所定の方法で
減圧脱揮し、ペレット化することにより、共重合体
(2)を得た。得られた共重合体(2)は、重量平均分
子量(Mw)が100,000であった。
【0077】さらに他の共重合体としての共重合体
(3)について以下に説明すると、前記反応容器に対
し、溶媒として50部のトルエン、3.6部のメチルメ
タクリレートと、0.4部のIPOと、1部のα−メチ
ルスチレンダイマーとの混合物を仕込んだ。
【0078】一方、モノマー滴下装置に対し、41.4
部のメチルメタクリレートと、4.6部のIPOとの混
合物を仕込んだ。また、開始剤滴下装置に対し、重合開
始剤として、1部のt-ブチルパーオキシ−2-エチルヘキ
サノエートを仕込んだ。
【0079】次に、上記反応容器内の反応溶液を、10
0℃に昇温した後、攪拌下で、開始剤滴下装置内の重合
開始剤を滴下して重合を開始した。また、攪拌下で、モ
ノマー滴下装置内の混合物および重合開始剤を徐々に上
記反応溶液に滴下した。滴下終了後、上記反応溶液を1
00〜110℃にて、さらに所定時間攪拌することによ
って溶液重合反応を完了させた。その結果、上記反応容
器内にて透明で粘ちょうなポリマー溶液を得た。
【0080】続いて、このポリマー溶液を所定の方法で
減圧脱揮し、ペレット化することにより、共重合体
(3)を得た。得られた共重合体(3)は、重量平均分
子量(Mw)が20,000であった。
【0081】さらに他の共重合体としての共重合体
(4)について以下に説明すると、前記反応容器に対
し、溶媒として50部のトルエン、14.25部のメチ
ルメタクリレートと、0.75部のIPOと、0.01
25部のオクタンチオールとの混合物を仕込んだ。
【0082】また、モノマー滴下装置に対し、33.2
5部のメチルメタクリレートと、1.75部のIPO
と、0.0125部のオクタンチオールとの混合物を仕
込む一方、開始剤滴下装置に対し、重合開始剤として、
1部のt-ブチルパーオキシ−2-エチルヘキサノエートを
仕込んだ。
【0083】次に、上記反応容器内の反応溶液を、10
0℃に昇温した後、攪拌下で、開始剤滴下装置内の重合
開始剤を滴下して重合を開始した。また、攪拌下で、モ
ノマー滴下装置内の混合物および重合開始剤を、それぞ
れ徐々に上記反応溶液に滴下した。
【0084】滴下終了後、上記反応溶液を100〜11
0℃にて、さらに所定時間攪拌することによって溶液重
合反応を完了させた。その結果、上記反応容器内にて透
明で粘ちょうなポリマー溶液を得た。
【0085】次いで、このポリマー溶液を所定の方法で
減圧脱揮し、ペレット化することにより、共重合体
(4)を得た。得られた共重合体(4)は、重量平均分
子量(Mw)が36,000であった。
【0086】次に、前記の共重合体(1)および共重合
体(4)を用いて、本発明の各熱可塑性樹脂組成物をそ
れぞれ調製した。まず、50部のPBT樹脂(三菱エン
ジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバドゥー
ル5010)と、50部のABS樹脂(JSR社製、商
品名:ABS10)とに対し、上記共重合体(1)の添
加量を、表1に示すように5部、3部、1部とそれぞれ
代えて、また、上記共重合体(4)の添加量を、表1に
示すように5部、3部、2部、1部とそれぞれ代えて、
本実施例の各熱可塑性樹脂組成物を混練によりそれぞれ
作製した。
【0087】混練は、2軸混練機(ペレストミルE40A、
L/D=33.5)を、ベントバキューム有りにて用い、回転
数 150 rpm、混練温度 240℃にて行われ、また、射出成
形は、温度 240℃にて行われた。
【0088】また、上記各共重合体(2)および(3)
をそれぞれ3部用いて、本発明の熱可塑性樹脂組成物を
調製したところ、共重合体(1)の添加量を3部とした
場合と同様な結果が得られた。
【0089】次に、比較例として、上記熱可塑性樹脂組
成物から共重合体の添加を省いた(0部)もの、つまり
50部のPBT樹脂と、50部のABS樹脂とのみから
なる比較熱可塑性樹脂組成物である比較組成物(1)を
作製した。
【0090】また、他の比較例として、オキサゾリン基
を有する他の比較共重合体を用いた場合の比較組成物
(2)についても調製した。まず、上記比較共重合体
を、その製造方法に基づいて説明すると、上記実施例に
て用いた反応容器に対し、溶媒として40部のトルエ
ン、4.2部のスチレンと、1.5部のアクリロニトリ
ルと、0.3部のIPOとの混合物を仕込んだ。
【0091】また、前述のモノマー滴下装置に対し、3
7.8部のスチレンと、13.5部のアクリロニトリル
と、2.7部のIPOとの混合物を仕込む一方、開始剤
滴下装置に対し、重合開始剤として、1部のt-ブチルパ
ーオキシ−2-エチルヘキサノエートを仕込んだ。
【0092】次に、上記反応容器内の反応溶液を、10
5℃に昇温した後、攪拌下で、開始剤滴下装置内の重合
開始剤を滴下して重合を開始した。また、攪拌下で、モ
ノマー滴下装置内の混合物および重合開始剤を、それぞ
れ徐々に上記反応溶液に滴下した。
【0093】滴下終了後、上記反応溶液を100〜11
0℃にて、さらに所定時間攪拌することによって溶液重
合反応を完了させた。その結果、上記反応容器内にて透
明で粘ちょうなポリマー溶液を得た。
【0094】次いで、このポリマー溶液を所定の方法で
減圧脱揮し、ペレット化することにより、比較共重合体
を得た。得られた比較共重合体は、重量平均分子量(M
w)が51,000であった。
【0095】次に、上記比較共重合体を用いて熱可塑性
樹脂組成物を作製、つまり50部のPBT樹脂と、50
部のABS樹脂と、5部の上記比較共重合体とを互いに
混練して、比較組成物(2)を作製した。
【0096】上記実施例の各熱可塑性樹脂組成物および
各比較組成物について、耐熱性を示す熱変形温度(HD
T、Hot Distortion Temperature) 、成形性および加工
性を示す流動性(MFR、Melt Flow Rate)、耐衝撃性
を示すアイゾット(izod)衝撃強度(衝撃値)、得られ
た成形体における外観の観察による着色を示す色相、お
よび上記成形体における外観の観察によるつや外観をそ
れぞれ測定した。それらの結果を表1に示した。上記の
つや外観とは、成形体の表面の光沢などのつやの有無を
目視にて判断したものである。
【0097】
【表1】
【0098】上記表1に記載の結果から明らかなよう
に、本実施例の各熱可塑性樹脂組成物は、5以上のMF
Rといった良好な流動性による優れた成形性や加工性を
示し、また、反応性相溶化剤を省いて調製された比較組
成物(1)と比較すると、耐熱性を維持しながら、アイ
ゾット衝撃強度が13以上というように耐衝撃性が向上
したものであり、かつ、つや外観が改善されたものとな
っていることが判る。
【0099】また、上記表1に記載の結果から明らかな
ように、本実施例の各熱可塑性樹脂組成物は、反応性相
溶化剤としての比較共重合体を用いた比較組成物(2)
において着色やつや外観の劣化が観察されたことに対
し、着色が抑制されて色相に優れ、かつ、つや外観に優
れたものとなっていることが判る。
【0100】特に、共重合体(4)の添加量が、2部、
1部と少ない、本実施例の各熱可塑性樹脂組成物では、
上記添加量を0.5部〜2.5部の範囲内というように
低減しても、アイゾット衝撃強度が45以上と高く、か
つ、色相、つや外観の双方に優れたものとなっており、
耐衝撃性等の上記の優れた各物性を発揮しながら、添加
量の低減によるコストダウンを図ることができるものと
なっている。
【0101】なお、熱可塑性樹脂組成物のMFRが5未
満の場合、上記熱可塑性樹脂組成物に対し、優れた成形
性や加工性を付与するためには、加工温度を上げて流動
性を向上させる必要があり、よって樹脂の熱分解などの
不都合を生じる。一方、MFRが大きくなった場合で
は、加工温度を下げて流動性を調整すればよく、よって
上記MFRについて上限を設ける必要はない。
【0102】上記の耐衝撃性、耐熱性、成形性、および
重量平均分子量(Mw)は、以下の各測定方法によりそ
れぞれ評価された。耐衝撃性は、JIS K 7110に記載の2
号試験片を用いて、JIS K 7110に基づくアイゾット衝撃
強度により測定され。すなわち、得られた樹脂組成物を
成形して得られた試験片のいわゆる1/8"ノッチ付きアイ
ゾット衝撃強度を測定することによって評価した。つま
り、中央にV字形のノッチ(切込み)を入れた試験片を
一端で支え、ノッチと同じ側からハンマーで打撃し、そ
の破損によって吸収されたエネルギーの大きさを求め、
その大きさから耐衝撃性を示すアイゾット衝撃強度を算
出した。
【0103】耐熱性は、JIS K 7207に基づいて、得られ
た熱可塑性樹脂組成物を成形して得られた試験片の熱変
形温度(荷重たわみ温度)を測定することによって評価
された。つまり、上記熱可塑性樹脂組成物から作製され
た試験片(12.5mm×6mm)を、その長手方向両端を固定
し、試験片の中央部に18.5 kgf/cm2 の応力の相当する
荷重を厚さ方向に加えながら、2℃/min の速度で昇温
させ、試験片に0.26mmのたわみを生ずる時の温度をもっ
て荷重たわみ温度とした。
【0104】成形性および加工性は、JIS K 7210に基づ
き、得られた熱可塑性樹脂組成物の流動性を測定するこ
とによって評価された。つまり、得られた樹脂組成物
を、温度 240℃、荷重10kgの条件下で所定の試験装置か
ら押し出し、10分間あたりの押し出し量(MFR)を求
めた。得られたMFRの値は、大きいほど流動性が高い
ことを示す。
【0105】重量平均分子量(Mw)は、GPC法を用
い、下記の条件で測定された。 装置 :ポンプ、カラムオーブン(東ソー:HLC-8020) 溶媒 :THF 流量 :1ml/min 打ち込み量 : 0.2〜0.5 wt% 70μl カラム:東ソー サンプル側 ガードカラムHx-H、 カラムG6000H2本、G5000H、G4000H G3000H、G1000H リファレンス側 GRCXLL、GRCXLH カラム温度 40℃ 検出 :検知器RI屈折率計 標準 :TSK standard Polystyrene 前記のABS樹脂の物性は、MFIが 9.5g/10 min
( 220℃、10kg、JIS K7210に準拠して測定)、比重が
1.03g/cm3 (ASTM D792 に準拠して測定)、アイゾッ
ト衝撃強度が40kg・cm/cm(ASTM D256 に準拠して測
定)であった。また、前記のPBT樹脂の物性は、MF
Iが14g/10 min( 235℃、2.16kg)、融点が 224℃、
比重が1.31g/cm3 であった。
【0106】ところで、特公平7−25979号公報に
記載の熱可塑性樹脂組成物では、耐衝撃性が改良される
ものの、未だ充分な改良がなされているとは言い難い。
そこで、充分な耐衝撃性の改質効果を得ようとして、上
記従来の熱可塑性樹脂組成物に対し、相溶化剤をさらに
多く加えても、耐衝撃性のさらなる改善は望めないもの
であり、また、多量の相溶化剤の添加は、流動性等が低
下することに起因する加工性の低下という問題点を招来
する。
【0107】また、一般的に、相溶化剤の添加量を抑え
る目的で、相溶化剤中の官能基の含有量を高くする試み
がなされている。しかしながら、この場合は、副反応が
生じ易くなることから、熱可塑性樹脂組成物全体の流動
性が低下する。このため、やはり加工性が損なわれると
いう問題点を有している。
【0108】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形性な
どの物性の低下を、実用上支障がない程度に抑えること
ができて、上記各問題点を回避できると共に、耐熱性を
維持でき、かつ、耐衝撃性に優れており、その上、着色
が抑制されて色相に優れ、また、つや外観に優れた実用
性の高いものとなっている。
【0109】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以上の
ように、(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重量%
〜99.9重量%、反応性基を有する単量体 0.1重量%〜20
重量%、共重合可能なビニル系単量体0重量%〜49.9重
量%からなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、
上記反応性基と反応する酸基を有するポリマーとを含む
構成である。
【0110】それゆえ、上記構成は、耐熱性、成形性、
耐衝撃性などの各物性に優れると共に、さらに色相やつ
や外観が改善されたものとなるので、上記各物性のみだ
けではなく、外観にも優れることが要求される自動車部
品等の各種の工業部品用材料として好適なものであると
いう効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重
    量%〜99.9重量%、反応性基を有する単量体 0.1重量%
    〜20重量%、共重合可能なビニル系単量体0重量%〜4
    9.9重量%からなる(メタ)アクリル酸エステル系重合
    体と、 上記反応性基と反応する酸基を有するポリマーとを含む
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重
    量%〜99.9重量%、反応性基を有する単量体 0.1重量%
    〜20重量%、共重合可能なビニル系単量体0重量%〜4
    9.9重量%からなる重量平均分子量10,000〜100,000 の
    (メタ)アクリル酸エステル系重合体と、 上記反応性基と反応する官能基を有するポリマーとを含
    むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(メタ)アクリル酸エステル系単量体50重
    量%〜99.9重量%、反応性基を有する単量体 0.1重量%
    〜20重量%、共重合可能なビニル系単量体0重量%〜4
    9.9重量%からなる(メタ)アクリル酸エステル系重合
    体と、 上記反応性基と反応する酸基を有するポリマーと、 ゴム強化スチレン系樹脂とを含むことを特徴とする熱可
    塑性樹脂組成物。
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