JPH10177053A - 回転電機の固定子コイルの劣化検知方法及び装置 - Google Patents

回転電機の固定子コイルの劣化検知方法及び装置

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JPH10177053A
JPH10177053A JP33793096A JP33793096A JPH10177053A JP H10177053 A JPH10177053 A JP H10177053A JP 33793096 A JP33793096 A JP 33793096A JP 33793096 A JP33793096 A JP 33793096A JP H10177053 A JPH10177053 A JP H10177053A
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coil
capacitance
electrode
electrodes
electric machine
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JP33793096A
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English (en)
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Yutaka Higashimura
東村  豊
Shuya Hagiwara
修哉 萩原
Kazuo Goto
和夫 後藤
Yoshiaki Uchinuma
善朗 内沼
Yasuo Kimura
康雄 木村
Yoshimi Ito
義見 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Tests Of Circuit Breakers, Generators, And Electric Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】回転電機の固定子コイル1の絶縁層の漏水また
は剥離による劣化を検出するには、対地静電容量が影響
して検出しにくかった。 【構成】固定子コイル1のコイル絶縁層4の表面に電極
30を配置し、この電極30とコイル導体2との間の絶
縁層31の静電容量または誘電率を測定する。 【効果】絶縁上の問題もなく、既設の回転電機に適用で
き、浮遊の静電容量や絶縁厚みのバラツキによる影響を
除去して、コイル絶縁層4の吸水や剥離による変化を比
誘電率や静電容量の変化として精度よく評価できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の固定子コ
イル絶縁層の剥離劣化または直接水冷却発電機固定子コ
イル絶縁層の水漏れ劣化を検出する方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に大容量回転電機の固定子コイルに
おいては、固定子コイルの素線内に冷却水を通す、いわ
ゆる直接水冷却方式を採用している。固定子コイルは固
定子鉄心スロットに収納されるとともに、エンド部にて
他のスロットに納められたコイルと電気的に接続すると
ともに、冷却水の通水路も形成する必要がある。この冷
却水通水路は電気接続部と一体とされ、固定子コイル端
部には中空のクリップが設けられている。このような接
続にはろう付けで行われているが、複雑な構造のため、
フラックス等が残り腐食し、水漏れが発生することがあ
る。この水漏れを検出するため、例えば特開昭49−3105
号公報のように感水絶縁層を介して電極を絶縁層内に配
置したような方法が行われていた。
【0003】また、発電機の固定子コイルの絶縁層は長
年の使用により層内に剥離劣化が発生することがある
が、このような劣化は例えば電気学会技術報告(II部)第
182号25ページ記載(昭和52年12月発行)のよ
うな絶縁劣化診断により検出する方法が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来例のような方法で
は、予め感水絶縁層と電極を絶縁層に配置しておく必要
があり、既に運転中の回転電機には適用できない。ま
た、電極に接続された接続線を外部に出しておく必要が
あり、絶縁上問題があった。
【0005】また、従来例のようなコイル絶縁層の剥離
検出法は固定子巻線全体で検出試験を実施するため、ほ
とんど全コイルが剥離するような場合でないと検出でき
ず、数本のコイルのみが剥離している場合は検出できな
いという問題点があった。
【0006】本発明の目的は、既設の回転電機に適用で
き、浮遊の静電容量や絶縁厚みのバラツキによる影響を
除去して、コイル絶縁層の吸水や剥離による変化を比誘
電率や静電容量の変化として精度よく評価できる回転電
機の固定子コイルの劣化検知方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は既に運転中の機
器にも適用できて、絶縁上の問題もなく、また数本のコ
イルのみに発生した剥離劣化を検出できる装置、方法を
提供するもので、コイルエンド部のコイル表面に配置し
た電極とこの電極をコイル表面に密着させる手段、コイ
ル導体とこの電極間の静電容量を測定する手段、この静
電容量を評価し劣化コイルを検出する手段とからなる。
【0008】発電機コイル絶縁層の比誘電率は約4に対
し、水は約80,空気や水素は1である。従って、コイ
ルに漏水が発生して絶縁層が吸水すると絶縁層の比誘電
率が増加して、静電容量が増加することになる。一方水
素中や空気中で使用されているコイルの絶縁層が剥離す
ると、この部分に空気や水素が充填され、絶縁層の比誘
電率が低下して、静電容量が低下する。本発明は個々の
コイルの絶縁層の静電容量を測定して、健全部の値と比
較してコイル絶縁層の漏水または剥離を検出するもので
ある。
【0009】スロット内のコイルの絶縁層最外部は低抵
抗コロナシールド層と称せられる抵抗率の小さなコイル
表面接地層で固定子コアに接触されており、またコイル
導体は全コイルが接続されているため、スロット内の部
分では個々のコイルの絶縁層の静電容量は測定できな
い。本発明では、この低抵抗コロナシールドの外側のコ
イルエンド部分に測定用の電極を配置し、この電極と個
々のコイル導体との間のコイル絶縁層の静電容量を測定
できるようにしたものである。
【0010】このような電極による静電容量は十数pF
ときわめて小さな値であるため電極周囲の浮遊静電容量
の影響をなくした電極構成にした。
【0011】一方、絶縁層の静電容量はコイル絶縁層の
厚さに依存するにもかかわらず、このコイルエンド部分
は曲げられた形状部や、接続部があるため、絶縁層の厚
みが必ずしも一定ではないので、コイルの両側面に形成
した電極間の絶縁層の静電容量による方法や、2以上の
周波数の静電容量による方法により、絶縁層の厚みの影
響が少ない絶縁層の漏水,剥離劣化を検出する手段を提
供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】即ち、コイル表面の両側面に配置
した電極間の静電容量は、コイルよりコイル導体を除い
た絶縁層の部分の静電容量Cspとして Csp=ε0εS/(D−d) で計算される。ここでε0;真空の誘電率、ε;絶縁層
の比誘電率、D;コイルの厚み、d;コイル導体の厚
み、S;電極の面積である。
【0013】一方、コイル導体はスロット内の絶縁層の
大きな静電容量を介して接地されているので、コイル表
面の両側面に配置した電極間の静電容量は直接には測定
できないが、個々の電極とコイル導体との間の静電容量
Cna,Cnbを測定して、 Cp=1/(1/Cna+1/Cnb) より、両電極間の静電容量Cpを求めることができる。
この静電容量は上記Cspの計算式よりわかるように、実
測できるコイル厚みDと、バラツキのほとんどないコイ
ル導体の厚みdの差に反比例する値であるので、この値
を用いて同じ絶縁厚みの静電容量に補正して、他のコイ
ル表面の、コイルの両側面に配置した電極間の静電容量
Cp′と比較することができる。すなわち、絶縁層の厚
さのバラツキの影響を除去した評価ができる。
【0014】なお、複雑な形状をしているがコイル絶縁
層を形成するマイカ絶縁テープの巻回数が同じで、コイ
ル断面形状と曲げ形状は型で成形するため、スロット出
口部近傍のコイルエンド部では、異なるコイル同士でも
同じ位置の絶縁層の厚みのバラツキは小さいので、同じ
位置で静電容量を測定し比較する場合は絶縁層の厚みの
バラツキの影響は小さい。
【0015】一方、コイル絶縁層の静電容量の周波数特
性101,102,103は、一般に図4に示すように
測定周波数が低いほど大きいが、吸水劣化したコイル絶
縁層では、吸水した水分と絶縁層を構成する物質との相
互作用の影響で高い周波数になるほど分極しにくくなる
ため、101のように高い周波数の静電容量に対し、低
い周波数の静電容量が著しく大きくなる。一方剥離劣化
したコイル絶縁層ではほとんど分極しない空気や水素が
含有されるため、103のように静電容量は測定周波数
に依存しにくくなる。劣化のない健全なコイル絶縁層の
静電容量の周波数特性は102のようにこの中間の周波
数依存性を示す。尚、101は吸水劣化したコイル絶縁
層の静電容量の周波数特性、102は健全なコイル絶縁
層の静電容量の周波数特性、103は剥離劣化したコイ
ル絶縁層の静電容量の周波数特性である。従って、例え
ば低い周波数で測定した静電容量と高い周波数で測定し
た静電容量の比は、吸水劣化したコイル絶縁層では著し
く大きく、剥離劣化したコイル絶縁層ではほぼ1に近い
値となる。そして劣化のない健全なコイル絶縁層ではそ
の中間の値となる。この値は絶縁層の厚みに依存しない
ので、この比を用いると絶縁層のバラツキの影響を除去
した評価ができる本発明になる実施例を以下に説明す
る。図5は本発明になる一実施例を示し、固定子コイル
1のコイルエンド部のn番目とn+1番目のクリップ部
分10に適用したものである。
【0016】図5において、本発明になる電極30は直
径45mmの導電性ゴムからなり、内側に空気を充填でき
る袋51の外側の両表面に形成されている。この電極3
0は袋51の内部に充填された空気圧により、並列する
n番目とn+1番目のクリップ部分10の対向する絶縁
層表面に押当て密着させている。空気の加圧力は、空気
圧制御装置52により0.3kg/cm2に制御している。電
極30と静電容量測定器40との間に電極切替装置41
を設け、n番目のコイル導体との静電容量を測定するA
電極30Aと、n+1番目のコイル導体との静電容量を
測定するB電極30Bと静電容量測定器40との接続を
切り替えている。
【0017】この電極切替装置41の操作により、A,
B電極一括の場合、A電極30Aのみの場合、B電極3
0Bのみの場合、A,B電極とも接続しない場合の測定
ができるようになっている。この測定結果をC12,C
1,C2,C0とすると、C0は静電容量測定器40か
ら電極切替装置41までの接続部分の静電容量である。
C1はA電極30Aとn番目のコイル導体2との間の静
電容量に、A電極30Aと隣接するn+1番目のコイル
導体2との間の浮遊静電容量が加算されたものである。
【0018】一方、C2はB電極30Bとn+1番目の
コイル導体2との間の静電容量に、B電極30Bと隣接
するn番目のコイル導体2との間の浮遊の静電容量が加
算されたものである。本実施例のようにA,B電極間が
近い場合には、電極と隣接するコイル導体間の浮遊の静
電容量はA,B電極間の浮遊の静電容量Cgにほぼ等し
いので、C12ではこの電極が同じ電位になり、この電
極間の浮遊静電容量が測定されず、Aとn番の導体,B
電極n+1番目のコイル導体との間の静電容量が加算さ
れたものである。
【0019】静電容量の評価部42では、この測定結果
C12,C1,C2,C0より、A電極とn番目、B電
極とn+1番目のコイル導体との静電容量をそれぞれC
na,C(n+1)bとして Cg=(C1+C2−C12−C0)/2 Cna=C1−C0−Cg C(n+1)b=C2−C0−Cg で算出した。この測定を順に実施していくと、全コイル
について両側面の静電容量が得られる。その結果よりn
番目のコイルに対し、A,B電極間の静電容量 Cp=1/(1/Cna+1/Cnb) を求めた。またこのコイルの厚みDを測定し、導体の厚
みdを用いて、A,B電極間静電容量の計算値Csp Csp=ε0εS/(D−d) との比K K=Cp/Csp を求めた。
【0020】個々のコイルのKを用いて、全コイルのK
の平均値mとその標準偏差μを算出し、各コイル毎のK
について、このKの平均値mからの偏差を算出し、この
偏差が全コイルのKの標準偏差μの3倍以上大きいコイ
ルは漏水劣化と判定し、全コイルのKの標準偏差μの3
倍以下に小さいコイルは剥離劣化と判定する装置とし
た。
【0021】上述のようにC12,C1,C2,C0を
測定して、Cna,C(n+1)bを求める処理方法に
よると、例えば、A電極と隣接するn+1番目のコイル
の導体との浮遊静電容量はほぼA,B電極間の静電容量
Cgに等しくなり、CnaにはこのCgを除去している
ので、浮遊の静電容量の影響を除去した高精度のCaを
測定できる効果がある。
【0022】本実施例では静電容量の比Kで評価した
が、 ε=Cp(D−d)/ε0S により、比誘電率により評価しても同様の効果が得られ
る。
【0023】また、電極をコイル表面より容易に脱着で
きるので、同一電極によりすべてのコイルの測定を行う
ことができ、電極の違いによる測定値のバラツキをなく
することができる効果がある。
【0024】本発明になる他の実施例を以下に説明す
る。図1は本発明を固定子コイル1のn番目とn+1番
目のスロット出口近傍のコイルエンド部3に適用したも
のである。この図1の実施例では、本発明になる電極3
0は直径45mmの導電性ゴムからなり、Pから見た図1
の拡大図2のように、さらにポリイミドフイルムからな
る絶縁層31で絶縁して銅箔からなるシールド層32を
設けた構成にしている。この電極30を内部に充填した
空気圧により伸縮するポリプロピレン製の蛇腹状の袋5
1の外側表面に2個配置し、空気圧で袋51を伸ばし
て、並列するn番目とn+1番目のコイルのコイルエン
ド部3の対向する絶縁層表面に押当て密着させている。
空気の加圧力は、空気圧制御装置52により0.3kg/c
m2に制御している。電極30と静電容量測定器40との
間に電極切替装置41を設け、n番目のコイル導体2と
の静電容量を測定するA電極30Aと、n+1番目のコ
イル導体2との静電容量を測定するB電極30Bと静電
容量測定器40との接続を切り替えている。
【0025】静電容量測定器40は供試体に1kHzの
正弦波電圧を印加し、供試体に流れる電流成分より静電
容量を測定できる構成にし、測定器本体を絶縁変圧器で
完全に電源より切離して、この電流成分を計測する部分
43をバイパスする端子、所謂ゲート端子44を接地よ
りフロートにしても、安定して静電容量を測定できるよ
うにした。そして、静電容量測定器40と電極切替装置
41,電極30のゴム電極とを結ぶシールド接続線45
はシールド線とし、このシールドをこのゲート端子44
に接続した。更に電極30に設けたシールド層32をこ
のシールド接続線45のシールドに接続した。
【0026】この実施例によると電極30のシールド層
32とゴム電極は同電位になるので、蛇腹を伸ばして電
極をコイル絶縁層表面に押しつけて、シールド層32と
ゴム電極との距離が変化した場合にも、電流成分の値は
変わらず、即ち、静電容量の測定に影響をおよぼさな
い。そして、シールド接続線や電極のシールド層の効果
により、電極と隣接するコイル導体との浮遊の静電容量
は測定されないので、特に実施例の1で採用したような
処理はせず、A,B電極それぞれに接続した場合の静電
容量を、それぞれA電極とn番目、B電極とn+1番目
のコイル導体との静電容量Cna,C(n+1)bとし
た。
【0027】このスロット出口近傍のコイルエンド部3
は複雑な形状をしているが、コイル絶縁層を形成するマ
イカ絶縁テープの巻回数が同じで、コイル断面形状と曲
げ形状は型で成形するため、異なるコイル同士でも同じ
位置の絶縁層の厚みのバラツキは小さいので、同じ位置
の静電容量を測定して、これを比較しているので絶縁層
の厚みのバラツキの影響は小さい。
【0028】そこでまず個々のコイルのA電極30Aの
測定値Caを用いて、全コイルのCaの平均値maとそ
の標準偏差μaを算出し、各コイル毎のCaについて、
このCaの平均値maからの偏差を算出し、この偏差が
全コイルのCaの標準偏差μaの3倍以上大きいコイル
は漏水劣化と判定し、全コイルのCaの標準偏差μaの
3倍以下に小さいコイルは剥離劣化と判定する装置とし
た。また個々のコイルのB電極30Bの測定値Cbを用
いて、全コイルのCbの平均値mbとその標準偏差μb
を算出し、各コイル毎のCbについて、このCbの平均
値mbからの偏差を算出し、この偏差が全コイルのCb
の標準偏差μbの3倍以上大きいコイルは漏水劣化と判
定し、全コイルのCbの標準偏差μbの3倍以下に小さ
いコイルは剥離劣化と判定する装置とした。この実施例
のようにコイルのA電極側、B電極側それぞれ個別に静
電容量を評価すると、コイルの片側のみが劣化している
場合もこの劣化を検出できる効果があった。
【0029】実施例1のようにC12,C1,C2,C0
を測定して、Cna,C(n+1)bを求める処理方法
を適用しても特に問題はない。また、本実施例のC1
2,C1,C2,C0のおのおのの測定において、5回
の測定の平均値を3回測定し、その中央の値を静電容量
測定値とした場合、突発的な雑音が混入した場合にもそ
の影響を除去できる効果があった。
【0030】また、実施例1の場合と同様、本実施例で
も電極をコイル表面より容易に脱着できるので、同一電
極によりすべてのコイルの測定を行うことができ、電極
の違いによる測定値のバラツキをなくすることができる
効果がある。
【0031】また、本実施例では、静電容量測定器40
の本体を絶縁変圧器で電源より切り離したが、電池を電
源として同じ構成の装置とした場合にも同じ効果が得ら
れた。また本実施例においてはケーブルの静電容量が測
定値に含まれないので、静電容量検出感度を高くするこ
とができる効果があった。
【0032】また、図3のようにコイル表面に対向する
ゴム電極面の外周に絶縁した銅箔によるガード層33を
設け、シールド層32と接続した電極30を用いた場合
にはさらに外乱の影響を小さくできた。特に電極30を
配置した部分のコイル絶縁層にコイル表面電界緩和用の
高抵抗コロナシールド層がある場合には、このシールド
層の抵抗値が静電容量の測定値に影響しない効果があっ
た。
【0033】本発明になる他の実施例3を以下に説明す
る。実施例3では、本発明を固定子コイル1のn番目と
n+1番目のコイルエンド部3に適用したものである。
実施例2と同様に電極30,空気圧制御装置52,静電
容量測定器40を接続した。この静電容量測定器は少な
くとも2個以上の周波数で静電容量を計測できる装置と
した。本実施例では50Hzと60Hz,200Hz,1
000Hzで測定できる装置とした。実施例と同様に電
極を配置したのち、測定器の周波数を50Hzと100
0Hzに切り替えてA電極30Aとn番目のコイル導体
2とのそれぞれの静電容量Cna50,Cna1000
を測定した。そして両者の比Kf Kfa=Cna50/Cna1000 を求めた。
【0034】このそれぞれのコイルのKfaについて、
全コイルのKfaの平均値mfaとその標準偏差μfa
を算出し、各コイル毎のKfaについて、このKfaの
平均値mfaからの偏差を算出し、この偏差が全コイル
のKfaの標準偏差μfaの3倍以上大きいコイルは漏
水劣化と判定し、全コイルのKfaの標準偏差μfaの
3倍以下に小さいコイルは剥離劣化と判定する装置とし
た。また同様にB電極30Bの測定値についても同様の
処理をする装置とした。
【0035】この測定周波数は50Hzと1000Hz
に限るものではなく、例えば100Hzや1000Hz
あるいは50Hz使用区域では60Hzと1000Hz
とした場合にも同様の効果が得られた。
【0036】以上実施例1,2,3とも静電容量の偏差
は全コイルの平均値からの偏差を用いたが、必ずしも全
コイルである必要はなく、全コイルの一部の、同一ロッ
トのコイルの平均値や、測定できたコイルの平均値を用
いた場合でもほぼ同様の効果が得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、浮遊の静電容量や絶縁
厚みのバラツキによる影響を除去して、コイル絶縁層の
吸水や剥離による変化を誘電率や静電容量の変化として
精度よく評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である固定子コイルの説明図
である。
【図2】図2は図1のPから見ると共に回転電機の固定
子コイルの劣化検知装置の説明図である。
【図3】図1及び図2の電極部の説明図である。
【図4】健全または劣化したコイル絶縁層の静電容量の
周波数特性を示す。
【図5】本発明の他の実施例になる装置を固定子コイル
クリップ部に適用したところを示す図である。
【符号の説明】
1…固定子コイル、2…コイル導体、3…コイルエンド
部、4…コイル絶縁層、5…高抵抗コロナシールド層、
10…クリップ部、30…電極、31…絶縁層、32…
シールド層、33…ガード層、40…静電容量測定器、
41…電極切替装置、42…評価部、43…電流成分計
測部、44…ゲート端子、45…シールド接続線、51
…袋、52…空気圧制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内沼 善朗 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 木村 康雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 伊藤 義見 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定子コイルの絶縁層の表面に電極を配置
    し、この電極とコイル導体との間の絶縁層の静電容量ま
    たは誘電率を測定することを特徴とする回転電機の固定
    子コイルの劣化検知方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、かかる電極がコイル表
    面より着脱できるものであることを特徴とするコイル絶
    縁層の漏水または剥離による劣化を検出することを特徴
    とする回転電機の固定子コイルの劣化検知方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、並列して配置されてい
    るコイルの互いに対向するそれぞれのコイル表面に電極
    を配置したことを特徴とする回転電機の固定子コイルの
    劣化検知方法。
  4. 【請求項4】請求項2において、かかる電極が内側に空
    気を充填できる袋の外側表面に導電性の弾性体で形成さ
    れ、袋の内側に充填した空気の圧力を制御して、一定の
    圧力でコイル絶縁層表面におし当てるものであることを
    特徴とする回転電機の固定子コイルの劣化検知方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、かかる静電容量または
    誘電率の測定を2個以上の周波数の交流電圧に対して行
    うことを特徴とする回転電機の固定子コイルの劣化検知
    方法。
  6. 【請求項6】請求項3において、2個の対向する電極と
    静電容量を測定する装置との間に接続切り替え装置を配
    置し、この静電容量測定器とこの電極との接続を切り替
    えるようにして、両電極に測定電圧を印加した場合、片
    側電極のみに測定電圧を印加した場合、測定電圧は切り
    替え装置までのみに印加し両電極ともに印加しない場合
    の静電容量から、かかる電極とコイル導体との間の静電
    容量または誘電率を測定することを特徴とする回転電機
    の固定子コイルの劣化検知方法。
  7. 【請求項7】請求項1において、静電容量を測定する装
    置は、印加電圧に対する電流成分を測定する構成とし、
    電流成分測定部分をバイパスするゲート端子を接地より
    フロートできる装置であることを特徴とする回転電機の
    固定子コイルの劣化検知装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、電極の測定面以外の部
    分に導電体のシールド層を配置し、かつかかる静電容量
    測定器と電極とはシールド線で接続し、このシールドを
    電極のシールド層と静電容量測定器のゲート端子に接続
    したことを特徴とする回転電機の固定子コイルの劣化検
    知装置。
  9. 【請求項9】請求項1においてスロット出口近傍のコイ
    ルエンド部または、水冷却配管とコイル導体素線とを接
    続するクリップ部に電極を形成したことを特徴とする回
    転電機の固定子コイルの劣化検知装置。
  10. 【請求項10】請求項1において、測定した静電容量ま
    たは誘電率の理論値からの偏差、または同一方法で製作
    したコイル群の平均値からの偏差の評価により劣化コイ
    ルを検出することを特徴とする固定子コイルの劣化検知
    方法。
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