JPH10176210A - スラグフォーミング抑制方法 - Google Patents

スラグフォーミング抑制方法

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JPH10176210A
JPH10176210A JP33586296A JP33586296A JPH10176210A JP H10176210 A JPH10176210 A JP H10176210A JP 33586296 A JP33586296 A JP 33586296A JP 33586296 A JP33586296 A JP 33586296A JP H10176210 A JPH10176210 A JP H10176210A
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slag
forming
hot metal
pretreatment
pretreatment agent
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JP33586296A
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English (en)
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Akihiro Arimura
昭洋 有村
Toshifumi Hachiman
稔文 八幡
Kenichi Okuyama
健一 奥山
Nobukazu Kitagawa
伸和 北川
Toshio Fujimura
俊生 藤村
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】フォーミング抑止剤の使用量を抑えつつ、有効
にスラグフォーミングを抑制可能なスラグフォーミング
抑制方法を提供することを課題としている。 【解決手段】溶銑2への上記石灰化合物投入速度に対す
る酸素投入量の比とスラグ塩基度とを指標として求めら
れるスラグフォーミング発生条件に基づきスラグフォー
ミングの発生し易い領域と発生しにくい領域との発生臨
界を求め、上記酸化鉄、石灰化合物等の各予備処理剤
を、上記求めた発生臨界内に収めるように投入量を制御
しランス4を介して溶銑2に吹き込む。そして、上記酸
化鉄、石灰化合物等の各予備処理剤の投入量の一時的な
増減によって上記発生臨界を越えたときにのみ、ランス
6を介してスラグ内に炭材を吹き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑の予備処理方
法に係り、特に、溶銑の予備処理の際に発生するスラグ
の反応容器からの溢れ出しを抑えるスラグフォーミング
抑制方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トピードカー等の反応容器内で溶銑の脱
珪、脱燐、脱硫等の予備処理を行う場合には、反応容器
内の溶銑中にランスを浸漬し、このランス先端部から酸
素ガス,固体酸化物(酸化鉄等)、石灰化合物等の各予
備処理剤を吹き込むことで溶銑の脱珪等の処理を行って
いる。この処理の際、例えば、固体酸化物を一気に大量
に投入すると、脱炭反応等で急激に生成されるCOガス
により容器内のスラグが急激にスロッピングを起こし
て、所謂スラグフォーミングを生じる。そして、そのま
までは、スラグの一部が反応容器から溢れ出てしまう。
【0003】このことは、鉄歩留りの低下に繋がるばか
りでなく、溢れ出たスラグ等の除去作業を必要とする。
この対策として、従来においては、例えば、特開平2−
290911号公報に記載されているように、予備処理
剤を投入するランスの側面から、溶銑上に浮遊している
スラグとの溶銑との界面近傍に窒素ガスなどのガスを常
時吹きつけることで、スラグを壁面方向に移動させて溶
銑面を露出させる開孔部を形成し、これによって、発生
したCOガス等を空中に放散させてスラグフォーミング
を抑制しようとしている。
【0004】または、特開平5−125424号公報に
記載されているように、上記予備処理剤を投入するラン
スの近傍に、スラグフォーミング抑止剤である炭材を投
入するランスを設置し、かつ監視用カメラで実際のスラ
グのスロッピング高さを監視して、所定高さ以上のなっ
たときに上記炭材を投入することでスラグフォーミング
を抑える方法も提示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ガ
スを吹きつけて開孔部を形成する抑制方法では、窒素、
二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等のガスを、例えば,
250〜500Nm3 /hで上記溶銑の予備処理中ずっと
吹きつける必要がある。このため、スラグフォーミング
の抑制のために大量の上記窒素ガス等を必要としコスト
上,不利となるという問題がある。
【0006】また、上記特開平5−125424号公報
に記載されているように、実際のスラグのスロッピング
高さを常時,監視して抑制方法では、スラグフォーミン
グ抑止剤の投入が目視判定となるため自動化が困難であ
る。
【0007】さらに、上記のような従来の抑制方法で
は、溶銑に予備処理剤を投入する位置の上側近傍に在る
スラグに対してスラグフォーミング抑止剤の投入を行っ
ている。しかし、溶銑の予備処理効果を高めるために通
常、予備処理剤を投入するランスは、その軸を傾けて溶
銑に浸漬される。このような場合、溶銑の流動(対流)
でスラグのスロッピング高さは上記予備処理剤を吹き出
す位置とは反対側の部分のスラグのスロッピング高さが
定常的に高くなる(図1参照)。このため、上述のよう
に上記予備処理剤を吹き出す位置側で予備処理剤を投入
する方法では抑止効果の発生が遅く、また、スラグは流
動性が低いので抑止に必要な炭材(スラグフォーミング
抑止剤)の投入量も多くなるという問題がある。
【0008】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、フォーミング抑止剤の使用量を抑えつ
つ、有効にスラグフォーミングを抑制可能なスラグフォ
ーミング抑制方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載のスラグフォーミング
抑制方法は、反応容器内の溶銑に、固体酸化物、石灰化
合物、その他の予備処理剤を投入して、溶銑の脱珪、脱
硫等の予備処理を行う際に発生するスラグフォーミング
を抑制する方法であって、溶銑への上記石灰化合物投入
速度に対する酸素投入量の比とスラグ塩基度とを指標と
して求められるスラグフォーミング発生条件に基づきス
ラグフォーミングの発生し易い領域と発生しにくい領域
との発生臨界を求め、上記固体酸化物、石灰化合物等の
各予備処理剤の時間当たりの投入量を、上記求めた発生
臨界内に収めるように制御することを特徴とするもので
ある。
【0010】ここで、上記酸素投入量は、固定酸化物に
よる酸素投入量と気体酸素の投入量との合計値である。
本発明者らは、次のような検討から本発明を行った。
【0011】即ち、スラグフォーミングは、スラグの塩
基度が高いほど起こりにくい。また、フォーミングの原
因となるCOガスの発生速度は酸素投入速度が大きくな
るほど大きくなると考えられる。さらに、例えば,脱珪
反応により発生するSiO2を主成分とするスラグは石
灰化合物の投入により高塩基度のスラグに変えることが
できる。
【0012】この観点から、石灰化合物投入速度に対す
る酸素投入量の比とスラグ塩基度とを指標としたスラグ
フォーミングの発生の難易を求めて見たところ、図4に
示すような結果を得た。図4中、Aは、スラグフォーミ
ングの発生し易い領域と発生しにくい領域との発生臨界
を示し、この発生臨界Aを越えた上側(図4中斜線部
分)ではフォーミングが発生しやすかったが、発生臨界
Aを越えない下側ではスラグフォーミングが発生しにく
かった。
【0013】従って、このスラグフォーミング発生条件
に基づき、発生臨界Aを越えないように予備処理剤の時
間当たりの投入量を制御すれば、スラグフォーミングを
抑制しつつ溶銑の連続した予備処理が可能となる。
【0014】しかも、スラグフォーミングの発生臨界A
が分かっているので、その発生臨界A近傍に設定して予
備処理材の投入を制御することで、操業能率を落とす必
要もない。
【0015】ここで、上記指標中の石灰化合物投入速度
は、実際の石灰化合物の投入量を制御すれば制御可能で
ある。また、酸素投入速度は、酸化鉄等の固体酸化物や
気体酸素の投入量を制御すれば制御可能である。また、
スラグの塩基度は、(石灰化合物)/SiO2 のように
表されるが、SiO2 は溶銑中のSiと固体酸化物との
反応生成物であるので、その反応速度に応じた固体酸化
物の投入量を制御すれば制御可能である。
【0016】以上のことから、石灰石化合物、固体酸化
物、気体酸素の時間当たりの投入量をそれぞれ調整する
ことで、上記発生臨界A内に収めることは可能である。
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された
構成に対して、上記固体酸化物、石灰化合物等の各予備
処理剤の実際の投入量を測定し、該測定値に基づき、当
該各予備処理剤の実際の投入量の一時的な増減によって
上記発生臨界を越える又は越えるおそれがあると判断し
た場合にのみ、上記反応容器内のスラグにフォーミング
抑止剤を投入することを特徴とするものである。
【0017】上記請求項1に記載の発明のように各予備
処理剤の投入量を制御すれば、理論上は、フォーミング
の発生を抑制可能であるが、実際には、各予備処理剤の
投入量には変動があるために、一時的に発生臨界Aを越
える場合がある。
【0018】本発明は、このような点に鑑みたもので、
各予備処理剤の実際の投入量から上記発生臨界Aを越え
る又は越えるおそれがある時にだけフォーミング抑止剤
を投入することで、確実にスラグフォーミングを抑制し
つつ、使用するフォーミング抑止剤の使用量を削減可能
となる。
【0019】次に、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載された構成に対して、上記フォーミング抑止剤の
投入位置は、上記スラグのスロッピング高さが一番高い
スラグ部分に設定することを特徴とするものである。
【0020】スラグのスロッピング高さが一番高い部分
のスラグから溢れ出るので、その一番危険なスラグ部分
にスラグフォーミング抑止剤を投入することで、抑止効
果の速応性が向上する。さらに、当該スラグのスロッピ
ング高さが一番高いスラグ部分にのみ抑止すればよいの
で、使用するフォーミング抑止剤も少なくて済む。
【0021】なお、スラグは流動性が低いので、抑止剤
投入位置から離れたスラグ部分でのフォーミングの抑止
のためには、抑止効果が生じるのに時間が掛かると共に
必要以上に抑止剤を投入する必要がある。
【0022】次に、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の構成に対して、予備処理剤投入用のランスを、
その軸を傾けて溶銑内に浸漬させて当該溶銑の脱珪、脱
硫等の予備処理を行う場合には、上記予備処理剤投入用
のランスによる予備処理剤の吹き込み方向とは反対側に
位置するスラグに向けてフォーミング抑止剤を投入する
ことを特徴とするものである。
【0023】一般に、予備処理の効率を高めるために、
予備処理剤投入用のランスの軸を傾けて溶銑内に浸漬さ
せる場合があるが、この場合には、当該ランス先端部、
つまり予備処理剤投入位置とは反対側のスラグのスロッ
ピング高さが定常的に高くなっている。従って、その予
備処理剤の吹き込み方向とは反対側に位置するスラグに
フォーミング抑止剤を投入させるようにすることで、フ
ォーミング抑止剤を投入する位置を固定しても、常にス
ラグのスロッピング高さが高い位置にフォーミング処理
剤が投入可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。まず、構成を説明すると、図1
に示すように、反応容器であるトピードカー1内に対象
とする溶銑2が収容され、その溶銑2の上にスラグ3が
形成されている。
【0025】また、トピードカー1内には、上側から予
備処理剤用のランス4が挿入され、そのランス4の下端
先端部を上記溶銑2内に浸漬している。このランス4は
軸を斜めに配置されている。なお、ランス4の軸を斜め
に設定するのは、ランス4から吹き出す予備処理剤によ
って生じた、流動する溶銑2の対流域を長くして予備処
理の反応の促進を図るためである。
【0026】その予備処理剤用のランス4の上端部は、
予備処理剤供給装置5に連通し、該予備処理剤供給装置
5から順次,供給される予備処理剤を溶銑2内に投入す
るようになっている。
【0027】また、上記トピードカー1内には、上記ラ
ンス4とは独立して作動する抑止剤用のランス6が挿入
され、そのランス4の下端部は、溶銑2上面より高い位
置でスラグ3内に浸漬されている。そのランス6は、上
記予備処理剤用のランス4とは反対方向に軸を傾けて配
置され、これによって、予備処理剤投入位置とは反対側
に位置するスラグ3に対してフォーミング抑止剤を投入
可能となっている。
【0028】その抑止剤用のランス6の上端部は、抑止
剤供給装置7に連通し、適宜、抑止剤供給装置7から供
給された予備処理剤を溶銑2内に投入可能となってい
る。また、上記予備処理剤供給装置5は、図2に示すよ
うな構成となっている。即ち、酸化鉄粉又は生石灰粉を
それぞれ収容したリザーバタンク10,11を備え、各
リザーバタンク10,11の出口は、それぞれロータリ
フィーダ12,13及び粉体供給遮断弁14,15を介
して合流管16に接続されることで合流し、その合流管
16を介して上記予備処理剤用のランス4に接続してい
る。図2中、17,18はそれぞれ搬送ラインである。
なお、上記各リザーバタンク10,11は、それぞれ粉
体材料供給制御弁19,20を介して酸化鉄粉及び生石
灰粉をそれぞれ収容した各粉体材料供給源21,22に
接続されている。
【0029】また、上記各リザーバタンク10,11
は、それぞれ加圧ライン23,24、バルブユニット2
5,26、及び加圧ガス供給ライン27を介して加圧ガ
ス供給源28に接続されることで、所定圧力で加圧され
ている。この加圧の目的は、リザーバタンク10,11
内の各粉体材料をロータリーフィーダ12,13に圧送
して、粉体材料の切り出しを確実にするためである。
【0030】また、上記加圧ガス供給源28からバルブ
ユニット25,26に導入された加圧ガスは分岐し、バ
ルブユニット25,26内の搬送ガス制御弁25a,2
6aを介して搬送ガス供給ライン29,30に供給され
ている。その搬送ガス供給ライン29,30は、上記ロ
ータリフィーダ12,13及び粉体供給遮断弁14,1
5の下流側に配置された粉体・ガス混合器31,32に
接続されている。これによって、各ロータリフィーダ1
2,13及び粉体供給遮断弁14,15を介して供給さ
れた各粉体材料(酸化鉄粉及び生石灰粉)は、この粉体
・ガス混合器31,32で上記搬送ガス供給ライン2
9,30から供給された加圧ガスとの混合することによ
って、流動状態になると共に、当該加圧ガス流によって
上記合流管16に搬送可能となっている。
【0031】ここで、上記バルブユニット25,26
は、搬送用のガス流量及びガス圧を制御するものであっ
て、上記バルブユニット25,26内の25b,26b
は圧力制御弁を、25c,26cはガス流量制御弁を表
している。
【0032】また、上記ロータリーフィーダ12,13
や供給遮断弁14,15等の各アクチュエータは、それ
ぞれコントローラ33に接続され、該コントローラ33
からの信号によって作動が制御されている。
【0033】ここで、25d,26dはガス流量セン
サ、34,35は各リザーバタンク10,11内の圧力
を検出するタンク圧力センサ、36は、合流管16内の
圧力を検出する合流部圧力センサ、37はランス4に供
給されるガスの背圧を検出する背圧センサであって、上
記各センサは検出した検出信号をそれぞれ上記コントロ
ーラ33に供給可能となっている。
【0034】また、各リザーバタンク10,11には、
ロードセル等からなる粉体重量センサ36,37が取り
付けられ、この粉体重量センサ36,37は、各リザー
バタンク10,11内に収容された各粉体(酸化鉄粉や
生石灰粉)の重量をそれぞれ検出して、その重量信号を
コントローラ33に供給可能となっている。
【0035】次に、上記抑止剤供給装置7について説明
する。該抑止剤供給装置7は、上記予備処理剤供給装置
5と同様な構成をしていて、図3に示すように、フォー
ミング抑止剤であるコークスや石炭等の炭材が抑止剤用
リザーバタンク40に収容され、その抑止材用リザーバ
タンク40の出口がロータリフィーダ41及び粉体供給
遮断弁42を介して上記抑止剤用ランス6に接続されて
いる。また、上記リザーバタンク40は、炭材供給制御
弁43を介して各炭材貯蔵源44に接続されている。
【0036】また、上記リザーバタンク40は、それぞ
れ加圧ライン45、バルブユニット46、及び加圧ガス
供給ライン47を介して窒素ガス等からなる加圧ガス供
給源48に接続されることで、所定圧力で加圧されてい
る。
【0037】また、上記加圧ガス供給源48からバルブ
ユニット46に導入された加圧ガスは分岐し、バルブユ
ニット46内の搬送ガス制御弁46aを介して搬送ガス
供給ライン49に供給可能になっている。その搬送ガス
供給ライン49の下流側は、上記ロータリフィーダ41
及び粉体供給遮断弁42の下流側に配置された粉体・ガ
ス混合器50に接続されている。
【0038】また、上記ロータリーフィーダ41や供給
遮断弁42等の各アクチュエータは、それぞれコントロ
ーラ33に接続され、該コントローラ33からの信号に
よって制御されている。
【0039】ここで、45bは圧力制御弁を、46cは
ガス流量制御弁を、46dはガス流量センサ、51はリ
ザーバタンク40内の圧力を検出するタンク圧力センサ
であって、各センサは検出した検出信号をそれぞれ上記
コントローラ33に供給可能となっている。また、上記
リザーバタンク40には、ロードセル等からなる粉体重
量センサ52が取り付けられ、この粉体重量センサ52
は、リザーバタンク40内に収容された炭材の重量を検
出して、その重量信号をコントローラ33に供給可能と
なっている。
【0040】コントローラ33は、上記各センサからの
信号を基に、予備処理剤供給装置5の各ロータリフィー
ダ12,13、粉体供給遮断弁14,15を作動して各
リザーバタンク10,11から切り出される酸化鉄粉及
び生石灰粉の各量を制御すると共に搬送ガスの流量及び
圧力を制御することで、単位時間当たりに溶銑2内に投
入される酸化鉄粉、生石灰粉の量、気体酸素量を制御す
る。
【0041】上記各酸化鉄粉及び生石灰粉などの単位時
間当たりの投入量は、溶銑2への上記石灰化合物投入速
度に対する酸素投入量の比とスラグ塩基度とを指標とし
て、図4に示すように、スラグフォーミング発生の発生
し易い領域と発生しにくい領域との発生臨界Aを求め、
その発生臨界Aを越えないような投入計画を図5に示す
ように予め決定し、この投入計画に従うように上記各ロ
ータリフィーダ12,13、粉体供給遮断弁14,15
を作動する。
【0042】ここで、図5の妥当性は、予備処理の初期
段階では、スラグ塩基度である(石灰化合物)/SiO
2 は低いので、酸化鉄の投入量を抑えると共に生石灰の
投入量を多めに設定して早期にスラグ塩基度を上げるよ
うにする。そして、スラグ塩基度の上昇に合わせて酸化
鉄の投入量を増加すると共に、生石灰の投入量を抑え
る。これによって、上記発生臨界Aの近傍で且つ発生臨
界Aを越えない状態で予備処理が行われる。また、この
ように制御することで、生石灰の投入量の最適化が図ら
れる。
【0043】同時に、コントローラ33は、粉体重量セ
ンサ36,37からの信号に基づき、実際の酸化鉄粉や
生石灰の時間当たりの投入量を検出して、現在のスラグ
塩基度を逐次算出すると共に、当該酸化鉄粉や生石灰の
時間当たりの投入量と流量計からの信号に基づく搬送ガ
ス量を検出して、現在の石灰化合物投入速度に対する酸
素投入量の比の比を逐次算出して、目標とする投入量か
らの各値の変動によって、図4における発生臨界Aを越
えた又は越えるおそれるがあるかどうか判定し、発生臨
界Aを越えた又は越えるおそれるがあると判定した場合
には、抑止剤用の粉体供給遮断弁14,15及び搬送ガ
ス制御弁25a,26aに作動信号を供給して、所定時
間だけ所定量の炭材をランス4からスラグ3内に吹き出
すように制御する。ここで、炭材の吹出し量は、一定量
に設定してもよいし、発生臨界Aからのオーバー量に合
わせて変動させるように設定しておいてもよい。
【0044】次に、上記装置の作動や効果などについて
説明する。上記構成の装置では、コントローラ33によ
って、溶銑2への各酸化鉄粉、生石灰粉、搬送ガス量の
単位時間当たりの各投入量が、図4及び図5に基づき、
石灰化合物投入速度に対する酸素投入量の比とスラグ塩
基度とを指標とした発生臨界A内に収まるように計画的
に投入される。
【0045】これによって、スラグフォーミングの発生
を抑制してドピードカー1からのスラグ3の溢れ出しを
抑えつつ脱珪等の予備処理が行われる。このとき、コン
トローラ33は、上記目標の切り出し量となるようにロ
ータリフィーダ12,13の作動量を制御するが、実際
には、切り出し量の変動がある。また、搬送ガスのガス
流にしても実際には目標ガス流からの変動がある(図5
中破線で例示した)。
【0046】このため、図5中、Bで示すように、例え
ば,実際に溶銑2内に投入される酸化鉄の量が目標値か
ら一時的に多く投入される場合がある。この場合には、
一時的に発生臨界Aを越えてスラグフォーミングを発生
又は発生するおそれがあるが、コントローラ33は、上
記発生臨界Aを越えたことを検知したら、抑止剤供給装
置の供給信号を供給し、一時的に所定の量の炭材(フォ
ーミング抑止剤)をスラグ3に投入して、スラグ3の溢
れ出しを回避する。
【0047】これによって、確実に、スラグ3の溢れ出
しが防止される。このとき、必要なときにだけ炭材を投
入するので、炭材の使用量が少なくて済む。しかも、一
番、スラグ3のスロッピング高さが高い位置に投入して
いるので、そのスラグフォーミング抑止効果が迅速に作
用し、且つ、必要最小限の炭材投入量で済む。
【0048】また、本実施の形態では、使用する炭材の
投入量が少なくても済むにも関わらず、当該炭材の投入
を自動化できる。なお、上記実施の形態では、固体酸化
物として酸化鉄を例に説明しているが、他の周知の固体
酸化物を予備処理剤として採用した場合にも適用可能で
ある。
【0049】また、フォーミング抑止剤として炭材を例
に説明しているが、アルミ材等の他の抑止剤を使用して
もよい。また、上記実施の形態では、予備処理剤投入位
置とは反対側のスラグ3に抑止剤を投入するようにして
いるが、必ずも反対側位置でなくてもよい。但し、この
場合には、抑止効果に遅れが伴うと共に使用量も増加す
る。また、抑止剤用のランス6を傾けているが、特に傾
ける必要もない。また、フォーミング抑止剤の投入はラ
ンスを使用しない方法であってもよい。
【0050】また、上記説明では、コントローラ33
で、全ての予備処理材の実際の投入量を測定し、その測
定値を基に発生臨界Aを越えるかどうかを演算して抑止
剤を投入するか判断しているが、これに限定されない。
例えば、固体酸化物の投入量が初期段階では、目標投入
量よりも所定限界値より多くなったら上記発生臨界Aを
越えるおそれがあると推定して抑止剤の投入を行うよう
に制御してもよい。
【0051】また、本実施の形態では、抑止剤の投入を
自動化した例で説明しているが、従来のように、実際の
スラグのスロッピング高さが所定以上となったときに抑
止剤を投入するようにしてもよい。この場合であって
も、スラグのスロッピング高さが一番高い部分にフォー
ミング抑止剤を投入すると効果的である。
【0052】
【実施例】実際の処理実績を図6に示す。図6中、各黒
点が測定結果である。
【0053】この図から、上記実施形態のように予備処
理剤の投入を制御することで、フォーミング発生を抑え
て予備処理が出来ることが分かる。また、実際に発生限
界を越えた図6中、Cのときにのみフォーミング抑止剤
を投入することで、少ないフォーミング抑止剤の使用で
スラグのスロッピング高さが所定以上を越えることが確
実に防止された。
【0054】これによって、フォーミング抑止のための
コストが大幅に削減される。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のスラ
グフォーミング抑制方法では、溶銑への上記石灰化合物
投入速度に対する酸素投入量の比とスラグ塩基度とを指
標として求められる発生臨界内に収まるように、固体酸
化物、石灰化合物等の各予備処理剤の投入量を制御する
だけで、スラグフォーミングを抑えつつ溶銑の予備処理
が可能となり、殆どフォーミング抑止剤を使用する必要
がなくなるという効果がある。
【0056】しかも、スラグフォーミングの発生臨界を
求めているので、スラグフォーミングを抑えた状態で且
つ適正な時間で脱珪等の予備処理を行うことができる。
このとき、請求項2に記載の発明を採用すると、実際の
予備処理剤の投入量の変動によってスラグフォーミング
が発生した場合にのみ抑止剤を投入することで、確実に
スラグの溢れ出しを回避できると共に、使用するフォー
ミング抑止剤の量を少なくすることができる。さらに、
抑止剤の投入を自動化することも可能となるという効果
がある。
【0057】さらに、請求項3に記載の発明を採用する
と、一番危険なスラグ部分にフォーミング抑止剤を投入
すればよいので、抑止効果の反応が早くなると共に、当
該一番スラグのスロッピング高さが一番高い部分にのみ
抑止すればよいので、使用する抑止剤も少なくて済む。
この結果、さらに、必要なフォーミング抑止剤の量が削
減されると共に、スラグのスロッピンを早期に抑えるこ
とが可能となる。
【0058】このとき、請求項4に記載の発明を採用す
ると、フォーミング抑止剤の投入位置を固定しても、常
にスラグのスロッピング高さが高い位置にフォーミング
処理剤が投入可能となり、効果的なフォーミング処理剤
の投入が自動化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る溶銑の予備処理の概
略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る予備処理剤供給装置
を示す構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る抑止剤供給装置を示
す構成図である。
【図4】石灰化合物投入速度に対する酸素投入量の比と
スラグ塩基度を指標としたスラグフォーミング発生条件
を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る酸化鉄等の投入を説
明するための図である。
【図6】本発明に基づく処理実績を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
A 発生臨界 1 トピードカー 2 溶銑 3 スラグ 4 予備処理剤用のランス 5 予備処理剤供給装置 6 抑止剤用のランス 7 抑止剤供給用装置 10,11 リザーバタンク 12,13 ロータリフィーダ 36,37 粉体重量センサ 33 コントローラ 40 リザーバタンク 41 ロータリフィーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 健一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 北川 伸和 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 藤村 俊生 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内の溶銑に、固体酸化物、石灰
    化合物、その他の予備処理剤を投入して、溶銑の脱珪、
    脱硫等の予備処理を行う際に発生するスラグフォーミン
    グを抑制する方法であって、 溶銑への上記石灰化合物投入速度に対する酸素投入量の
    比とスラグ塩基度とを指標として求められるスラグフォ
    ーミング発生条件に基づきスラグフォーミングの発生し
    易い領域と発生しにくい領域との発生臨界を求め、上記
    固体酸化物、石灰化合物等の各予備処理剤の時間当たり
    の投入量を、上記求めた発生臨界内に収めるように制御
    することを特徴とするスラグフォーミング抑制方法。
  2. 【請求項2】 上記固体酸化物、石灰化合物等の各予備
    処理剤の実際の投入量を測定し、該測定値に基づき、当
    該各予備処理剤の実際の投入量の一時的な増減によって
    上記発生臨界を越える又は越えるおそれがあると判断し
    た場合にのみ、上記反応容器内のスラグにフォーミング
    抑止剤を投入することを特徴とする請求項1に記載され
    たスラグフォーミング抑制方法。
  3. 【請求項3】 上記フォーミング抑止剤の投入位置は、
    上記スラグのスロッピング高さが一番高いスラグ部分に
    設定することを特徴とする請求項2に記載されたスラグ
    フォーミング抑制方法。
  4. 【請求項4】 予備処理剤投入用のランスを、その軸を
    傾けて溶銑内に浸漬させて当該溶銑の脱珪、脱硫等の予
    備処理を行う場合には、上記予備処理剤投入用のランス
    による予備処理剤の吹き込み方向とは反対側に位置する
    スラグに向けてフォーミング抑止剤を投入することを特
    徴とする請求項3に記載されたスラグフォーミング抑制
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8192521B2 (en) * 2007-08-06 2012-06-05 Kobe Steel, Ltd. Method of suppressing slag foaming in continuous melting furnace
CN115466020A (zh) * 2022-10-31 2022-12-13 水艺环保集团股份有限公司 一种含氟废水一体化净化处理装置

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