JPH10173998A - ショットキー障壁型固体撮像素子およびこれを用いた撮像装置 - Google Patents

ショットキー障壁型固体撮像素子およびこれを用いた撮像装置

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JPH10173998A
JPH10173998A JP8335602A JP33560296A JPH10173998A JP H10173998 A JPH10173998 A JP H10173998A JP 8335602 A JP8335602 A JP 8335602A JP 33560296 A JP33560296 A JP 33560296A JP H10173998 A JPH10173998 A JP H10173998A
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infrared
image
visible light
electrode
imaging device
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JP8335602A
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Shigeru Toyama
茂 遠山
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線画像と可視光画像の両者を高感度に検
出できるショットキ障壁型固体撮像素子を提供する。 【解決手段】 画素が配列された受光領域12下が画素
ピッチ程度あるいはそれ以下の厚さになっている、受光
領域12下のp型Si1裏面には、p型Si1と電気的
接触をなし、ショットキ電極2を透過した赤外線を再利
用するための金属反射鏡兼裏面電極11aを有してい
る。垂直CCD電極8を覆うように金属遮光膜9が設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショットキダイオ
ードから成る受光部が2次元に配列され、該受光部にお
いて光電変換されて発生した2次元画像信号を時系列信
号として出力する電子走査機能素子を有するショットキ
障壁型固体撮像素子およびそれを用いた撮像装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ショットキダイオードから成る受
光部が2次元に配列され、該受光部において光電変換さ
れて発生した2次元画像信号を時系列信号として出力す
る電子走査機能素子を具備するショットキ障壁型赤外線
固体撮像素子は、図5に示す単位画素構造であり、全体
構成は図6に示すようになっていた。
【0003】p型Si1の表面に金、パラジウム・白金
・イリジウムなどの金属あるいはパラジウムシリサイド
・白金シリサイド・イリジウムシリサイドなどの金属シ
リサイドの膜から成るショットキ電極2が形成されてお
り、ショットキ電極2の周囲には電界集中による暗電流
を抑制するためn型ガードリング3が設けられている。
一部は信号読み出しのためのソース領域として動作する
+型領域4となっている。n+型領域4はn型CCDチ
ャネル領域5と対向しており、その間のp型Si1のま
まの領域が読み出しゲート(図6の22に相当)であ
る。熱酸化膜7を挟んで、n型CCDチャネル領域5か
らn+型領域4まで至る垂直CCD電極8がある。この
垂直CCD電極8は読み出しゲート電極を兼ねている。
画素間にはp+型素子分離領域6が設けられているが、
これは図の断面以外の読み出しゲートが無い部分におい
ては、ショットキダイオードから成る受光部とn型CC
Dチャネル領域5との間にも設けられている。素子上は
Si酸化物やSi窒化物等から成る絶縁膜10で覆われ
ているが、その内部にショットキ電極2と対向して金属
反射鏡11bが形成されている。この素子は裏面照射型
であるため、光入射面であるp型Si1裏面に反射防止
膜20が設けられている。
【0004】この単位画素を2次元に配列すると、図6
の受光領域12のようにショットキダイオード21から
成る受光部が2次元に配列され、受光部列と受光部列と
の間に垂直CCD23が垂直に通った形となる。垂直C
CD23の終端は水平CCD24に繋がっており、さら
に水平CCD24の終端に出力部25が設けてある。垂
直CCD23は4相駆動(垂直CCD駆動信号26がΦ
V1〜ΦV4の4つの信号から成る)、水平CCD24
は2相駆動(水平CCD駆動信号27がΦH1,ΦH2
の2つの信号から成る)である。
【0005】光電変換はショットキダイオード21を蓄
積モードにして行なうが、この初期段階ではショットキ
ダイオード21が逆バイアス状態になっている。p型S
i1裏面から入射した赤外線は、p型Si1を透過して
この表面のショットキ電極2に入射し、光電変換され
る。ショットキ電極2は非常に薄いので、入射した赤外
線の一部は吸収されずに透過するが、金属反射鏡11b
によってそれを反射し、ショットキ電極2に再度入射さ
せて再利用される。光電変換によって発生した信号電荷
は逆バイアスされたショットキダイオ−ド21の接合容
量によって蓄積されるが、その信号電荷のうちの電子が
ショットキ電極2に蓄積され、バイアス状態が変化す
る。一定期間蓄積した後、垂直CCD電極8にリセット
パルスが印加され、ショットキダイオ−ド21は初期の
逆バイアス状態に戻されるとともに、信号電荷の電子が
+型領域4と読み出しゲートを介してn型CCDチャ
ネル領域5(垂直CCD23)に読み出される。その
後、ショットキダイオード21は再び光電変換により信
号電荷蓄積を行なう。垂直CCD23に読み出された信
号電荷は、一水平期間のうちに、一水平ライン分が水平
CCD24に転送され、順次水平CCD24から出力部
25を経て外部へ読み出される。出力部25はキャパシ
タとソースフォロアアンプから構成され、信号電荷に電
荷−電位変換及びインピーダンス変換を施して、変換後
の信号を、外部回路を動作させ得る信号として出力す
る。一水平ライン分の信号読み出しを一水平期間毎に繰
返し行ない、信号電荷蓄積期間内に画面の信号を時系列
信号として読み出す。
【0006】このような従来のショットキ障壁型赤外線
固体撮像素子を用いて構成できる赤外線撮像装置(監視
装置)としては、図7に示した特開平4−324785
号において従来例として記載されている赤外線監視装置
(撮像装置)がある。
【0007】駆動回路16は撮像素子28に基本的なタ
イミング信号や駆動電圧などを供給し、前述のように撮
像素子28を動作させて、赤外線画像情報を時系列信号
として増幅器17へ出力を送出させる。増幅器17は撮
像素子28の出力を得てNTSC規格などのビデオ信号
になるように変換増幅する。例えば、赤外線光学系3
0、可変開口29等の影響による撮像画面内の赤外線強
度のむらなどの補正が必要な場合、増幅器17にて補正
を行なう。画像モニタ18は増幅器17のビデオ電気信
号を受け画像表示する。画像モニタ18に表示される画
像は、被写体31の放射する赤外線強度に対応する画像
であるが、入力する赤外線入力が強過ぎ、撮像素子28
が飽和領域にある場合には、画像モニタ18をオペレー
タが見て、動作領域になるまで可変開口29を狭め赤外
線入力を弱める。逆に、画像モニタ18の表示が撮像素
子28の下限を下回るときは、動作領域になるまで可変
開口29を拡げ、画像モニタ18の被写体表示が適切に
なるようにする。
【0008】上述した特開平4−324785号におい
て従来例として記載されている赤外線監視装置(撮像装
置)においては、問題点の一つとして、画像モニタ18
の表示が赤外線画像のみであるため、当該赤外線画像内
の表示位置と観測者が視認する被写体の関連付けが困難
であるということがあり、この課題の解決を目的の一つ
として特開平4−324785号の発明がなされた。そ
の実施例1による赤外線監視装置(撮像装置)の構成図
を図8に示す。
【0009】駆動回路16、増幅器17、画像モニタ1
8、赤外線光学系30、被写体31は図7に示した赤外
線監視装置(撮像装置)の構成図のものと同じである。
図8の被写体31は実際は一つであるが、赤外線光学系
30及びビデオカメラ36が同一視野に設定されてお
り、充分遠方にある被写体31を同時に捉えるので便宜
的に2つ表示されている。ゲ−ト付撮像素子34は前述
の従来の撮像素子に電子的シャッター機能を持たせるた
めに時間ゲートが付加されたもので、基本的な撮像機能
等は前述のものと同様である。時間回路33は時間ゲー
トの開閉を制御する信号をゲート付撮像素子34に供給
するものであり、切替器32はその時間回路33の出力
の時間ゲート時間幅を段階的に制御するものである。切
替器32、時間回路33、ゲート付撮像素子34は赤外
線監視装置(撮像装置)に電子的シャッター機能を持た
せ、可変開口を使用する図7の赤外線監視装置(撮像装
置)の場合よりも、被写体の放射エネルギーの強弱への
対応を容易にし、正確な減衰度の制御を可能にすること
を目的とするものなので、前述の課題の解決に関係する
ものではない。図8の赤外線監視装置(撮像装置)で
は、赤外線光学系30とビデオカメラ36の視野を同一
に設定し、ゲート付撮像素子34及び増幅器17より得
られる被写体31の赤外線画像ビデオ信号と、ビデオカ
メラ36より得られ1る被写体31の可視光画像ビデオ
信号とを加算回路35によって加算し、画像モニタ18
に赤外線画像と可視光画像とを重ね合わせた画像を表示
することによって、前述の赤外線画像内の表示位置と観
測者が視認する被写体の関連付けが困難であるという課
題を解決している。
【0010】しかしながら、この図8の赤外線監視装置
(撮像装置)は、赤外線用の撮像装置(図7の赤外線監
視装置)と可視光用の撮像装置(ビデオカメラ36)の
2台を組み合わせたものであるため、装置全体が大型・
複雑で高価となり、調整も難しくなるという問題があ
る。この課題を解決するには、赤外線画像信号と可視光
画像信号のどちらも出力可能な固体撮像素子を用いて撮
像装置を構成すればよく、そのような技術として特開昭
59−225680号記載の固体撮像素子が挙げられ
る。
【0011】図9に特開昭59−225680号に記載
された固体撮像素子における単位画素の断面構造図を示
す。図9において、1はp型Si、2はp型Si1上に
形成された赤外線検出部のショットキダイオードのショ
ットキ電極、37はp型Si1との間で可視光検出部の
pn接合を構成するn型領域、5はn型CCDチャネル
領域、7は素子分離用及び絶縁用の熱酸化膜、38はト
ランスファゲート(読み出しゲート)のゲート電極、8
は垂直CCD電極、39は絶縁用のリンガラス膜、9は
金属遮光膜、40は素子全体を保護する表面保護用Si
窒化膜である。図のように、この固体撮像素子では赤外
線検出部を成すショットキ電極2の周辺部に可視光検出
を目的とするpn接合を設けることによって、赤外線画
像信号と可視光画像信号の両者を検出できるようにして
いる。そのため、前述の従来のショットキ障壁型赤外線
固体撮像素子におけるショットキ電極2周辺部のn型ガ
−ドリンク3に比べて、pn接合を構成するn型領域3
7は大幅に広い面積を有し、赤外光も可視光も入射でき
るように表面側に金属反射鏡11bを持たない表面照射
型となっている。また、可視光によって垂直CCDで光
電変換が起こらないように、金属遮光膜9を具備してい
る。トランスファゲート(読み出しゲート)38が垂直
CCD電極8から独立した単位画素構成であるため、一
定期間信号電荷を蓄積した後、n型CCDチャネル領域
5に信号電荷を読み出すためのリセットパルスが印加さ
れるのはトランスファゲ−ト(読み出しゲート)38で
あるが、その後垂直CCDと水平CCDによって電荷を
転送し、出力部から時系列信号として出力する動作は、
前述の従来のショットキ障壁型赤外線固体撮像素子と同
様である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
ショットキ障壁型赤外線固体撮像素子を用いて構成され
る赤外線撮像装置においては、画像モニタの表示が赤外
線画像のみであるため、当該赤外線画像内の表示位置と
観測者が視認する被写体の関連付けが困難であり、同一
視野の可視画像も撮像して観測者の被写体の特定を容易
にしたいという要求があった。
【0013】この要求に対し、特開平4−324785
号による赤外線監視装置(撮像装置)のように、赤外線
撮像装置と可視光撮像装置とを組み合わせ、同一視野と
見做せるように調整設定し、赤外線画像と可視光画像と
を合わせた画像を画像モニタに表示する方式のシステム
が用いられていた。しかしながら、このようなシステム
では、装置全体が大型・複雑で高価となり、調整も難し
くなるという問題がある。
【0014】一方、撮像装置の大型化・複雑化を招くこ
とのない、赤外線画像信号と可視光画像信号のどちらも
出力可能な特開昭59−225680号記載の固体撮像
素子が考案されている。しかしながら、この固体撮像素
子では、表面照射型のショットキ障壁型赤外線検出器と
なっているので、従来の金属反射鏡を有する裏面照射型
に比べて量子効率が数分の一になってしまううえ、赤外
線検出部と可視光検出部とを画素面内で分け合って設け
ているので、有効面積がどちらも狭くなり、低感度にな
ってしまうという問題がある。
【0015】本発明の目的は、赤外線画像と可視光画像
の両者を高感度に検出できるショットキ障壁型固体撮像
素子およびこれを用いた撮像装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のショットキ障壁
型固体撮像素子は、受光領域下の基板が少なくとも画素
ピッチ程度あるいはそれ以下の厚さに成っており、受光
領域裏面に金属反射鏡兼裏面電極を備え、少なくとも電
子走査機能素子上に金属遮光膜を有する。
【0017】本発明の撮像装置は、前記ショットキ障壁
型固体撮像素子と、赤外線像も可視光像も前記撮像素の
受光面に結合させる反射型光学系と、可視光カットフィ
ルタおよび赤外光カットフィルタと、前記可視光カット
フィルタと赤外光カットフィルタの切替機構と、前記撮
像素子を駆動する駆動回路と、前記冊像素子の出力をビ
デオ信号に変換し、増幅する増幅器と、前記増幅器の出
力から画像表示する画像モニタと、前記切替機構を制御
するフィルタ制御装置を有する。
【0018】本発明の実施態様によれば、前記フィルタ
制御装置は可視光カットフィルタおよび赤外光カットフ
ィルタを一画面毎に切替え、前記増幅器はデジタル化さ
れた赤外線画像信号と可視光画像信号を出力し、デジタ
ル化された赤外線画像信号と可視光画像信号をそれぞれ
蓄えるフレームメモリと、該フレームメモリから読み出
した信号を組み直して1つの画面の中に赤外・可視両画
像が入ったビデオ信号を作り出し、前記画像モニタに表
示するスキャンコンバータを有する。
【0019】本発明のショットキ障壁型固体撮像素子
は、表面照射型ではあるが、受光領域下の基板が少なく
とも画素ピッチ程度あるいはそれ以下の厚さで、受光領
域裏面に金属反射鏡兼裏面電極を備えることにより、従
来の金属反射鏡を有する裏面照射型と同様にショットキ
電極を透過した赤外線を再利用できる構造となっている
ので、裏面照射型並にショットキ電極を極薄にしても赤
外線の利用率を大きく確保できる。ショットキ電極を極
薄にすると、光生成キャリア(ホットホールとホット電
子)がショットキ障壁とショットキ電極表面(絶縁物と
の界面)との間で多重反射を頻繁に起こすようになり、
光生成キャリアの対消滅前にショットキ障壁を越えるキ
ャリア(p型基板の場合はホットホール・n型基板の場
合はホット電子)を増やすことができるので、高い量子
効率を得ることができる。また、極薄のショットキ電極
は可視光に対しても透過率が高くなるので、ショットキ
電極下の基板で可視光の光電変換が可能となる。受光領
域下の基板が少なくとも画素ピッチ程度あるいはそれ以
下の厚さになっているうえ、受光領域裏面に設けた金属
反射鏡兼裏面電極の効果によってショットキ電極に印加
するバイアスによるポテンシャルの勾配が基板の垂直方
向に規則正しく掛かり、ショットキ電極へ光生成キャリ
アを効率良く収集させることができるので、赤外線検出
器のショットキダイオードがそのまま高感度の可視光検
出器となる。したがって、赤外線検出部と可視光検出部
とを画素面内で分け合って設ける必要がないので、赤外
線に対しても可視光に対しても画素内の有効受光面積を
大きくでき、高感度の赤外・可視両用の固体撮像素子を
提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の一実施形態のショットキ障
壁型固体撮像素子における単位画素の断面構造図、図2
は本発明の一実施形態のショットキ障壁型固体撮像素子
の断面構造概略図である。
【0022】本実施形態固体撮像素子は、従来のショッ
トキ障壁型赤外線固体撮像像素子と同様、p型Si1と
ショットキ電極2から成るショットキダイオードを受光
部としている。p型Si1は、例えば1013〜1015
ー3程度のボロン濃度のものを用い、画素が配列された
受光領域12下が画素ピッチ程度あるいはそれ以下の厚
さになっており、例えば10〜50μm程度である。シ
ョットキ電極2は、金・ニッケル・コバルト、パラジウ
ム・白金・イリジウムなどの金属あるいはニッケルシリ
サイド・コバルトシリサイド・パラジウムシリサイド・
白金シリサイド・イリジウムシリサイドなどの金属シリ
サイドの膜から成っている。その厚さは裏面照射型の場
合と同様、1〜6nm程度である。ショットキ電極2の
周囲には電界集中による暗電流を抑制するためn型ガー
ドリング3が設けてあり、ショットキ電極2から信号電
荷を読み出すためのソース領域として、一部にn+型領
域4を形成している。n型ガードリング3は、リンある
いは砒素濃度1016〜10 18cmー3程度を有し、幅0.
5〜2μm程度の帯状でショットキ電極2の縁を取り巻
いている。n+型領域4は、リンあるいは砒素濃度10
18〜1020cmー3程度である。n+型領域4はn型CC
Dチャネル領域5と対向しており、その間のp型Si1
のままの領域が読み出しゲートとして働く。n型CCD
チャネル領域5は、リンあるいは砒素濃度1016〜10
17cmー3程度である。熱酸化膜7を挟んで、n型CCD
チャネル領域5からn+型領域4まで至る垂直CCD電
極8がある。この垂直CCD電極8は読み出しゲート電
極を兼ねている。可視光によって垂直CCDが光電変換
を起こさないように、垂直CCD電極8を覆うように金
属遮光膜9が設けてある。画素間にはp+型素子分離領
域6を設けているが、図の断面以外の読み出しゲートが
無い部分においては、ショットキダイオードから成る受
光部とn型CCDチャネル領域5との間にもp+型素子
分離領域6を設けている。p+型素子分離領域6は、ボ
ロン濃度1017〜1020cmー3程度である。素子上はS
i酸化物やSi窒化物等から成る絶縁膜10で覆われて
いる。受光領域12下のp型Si1裏面には、p型Si
1と電気的接触をなし、ショットキ電極2を透過した赤
外線を再利用するための金属反射鏡兼裏面電極11aを
具備している。図2には、金属反射鏡兼裏面電極11a
がp型Si1の薄板化された受光領域12の裏側にのみ
あるように表示しているが、その一部あるいは全部をp
型Si1の薄板化されていない部分まで延ばすか、他の
金属配線等でp型Si1の薄板化されていない部分まで
繋ぎ、ICパッケージ等への実装で外部と電気的に接続
できるようにする。金属遮光膜9及び金属反射鏡兼裏面
電極11aは、アルミニウム・銅・モリブデン・タング
ステン・チタン・タンタル・金・ニッケル・コバルト・
パラジウム・白金・イリジウムあるいはそれらの合金等
から成る。
【0023】本固体撮像素子の全体構成は、光入射面が
従来のショットキ障壁型赤外線固体撮像素子と裏表逆に
なるので、従来のショットキ障壁型赤外線固体撮像素子
の全体構成を示す図6の左右を反転させた形となる。
【0024】光電変換はショットキダイオード21を蓄
積モードにして行なうが、この初期段階ではショットキ
ダイオード21が逆バイアス状態になっている。このと
き、p型Si1の不純物濃度が低く厚さが薄いので、シ
ョットキ電極2と金属反射鏡兼裏面電極11aとの間に
おけるp型Si1内に基板垂直方向のポテンシャルの勾
配が生じている。金属反射鏡兼裏面電極11aには基準
電位が均一に掛かるので、ポテンシャル勾配の面内均一
性を極めて高くすることができる。赤外線も可視光も表
面側から入射する。赤外線は絶縁膜10を透過してショ
ットキ電極2に入射し、そこで光電変換されて、ホット
ホールとホット電子を生成する。このうちホットホール
がショットキ障壁を越えてp型Si1に放出されると、
ショットキ電極2に取り残されたホット電子が信号電荷
となる。ショットキ電極2は非常に薄いので、光生成キ
ャリアが対消滅する前にホットホールが絶縁膜10/シ
ョットキ電極2界面とショットキ障壁との間で多重反射
し、p型Si1に放出される確率を非常に高いものにで
きている。ショットキ電極2が極薄であることから、入
射した赤外線の一部は吸収されずに透過するが、金属反
射鏡兼裏面電極11aによってそれを反射し、ショット
キ電極2に再度入射させて再利用できるので、赤外線利
用効率も高い。一方、可視光は絶縁膜10を透過してシ
ョットキ電極2に入射し、そこで一部吸収を受ける。し
かし、ショットキ電極2は非常に薄いので、それによる
損失分は前述の1〜6nm程度に対して3〜19%程度
である。さらに、ショットキ電極2が極薄なことから、
可視光によって励起される光生成キャリアの放出効率も
高く、吸収分の1/2程度は有効な光信号となる。ショ
ットキ電極2を透過した可視光のほとんど全てはp型S
i1内で吸収される。可視光の吸収によるバンド間遷移
によって、p型Si1に電子−ホール対が形成される。
ショットキ電極2と金属反射鏡兼裏面電極11aとの間
のバイアスによるp型Si1内のポテンシャル勾配によ
って、電子−ホール対が効率良く分離され、電子がショ
ットキ電極2に信号電荷として集められる。p型Si1
が薄く、金属反射鏡兼裏面電極11aによってポテンシ
ャル勾配が面内で均一性良く垂直方向に生じるので、画
素間のクロストークも抑えられる。
【0025】ショットキ電極2に蓄積された信号電荷で
ある電子の読み出し方法は、前述した従来のショットキ
障壁型赤外線固体撮像素子と同様なので、ここでは省略
する。
【0026】なお、上記実施形態では電子走査機能素子
が垂直CCDと水平CCDとで構成された場合について
述べたが、この電子走査機能素子がMOSトランジスタ
スイッチとX−Y走査回路とで構成されたMOS型の固
体撮像素子にも本発明は適用可能である。
【0027】また、p型Siを基板として用いた場合に
ついて述べたが、n型Siを基板として用い、領域3,
5をp型、領域4をp+型、領域6をn+型にしても、同
様な構成が可能である。
【0028】図3は本発明のショットキ障壁型固体撮像
素子を用いた撮像装置の一例を示す構成図である。
【0029】この撮像装置は、赤外線像も可視光像も本
発明のショットキ障壁型固体撮像素子14の受光面に結
像させるカセグレン光学系13と、可視光カットフィル
タおよび赤外光カットフィルタ15と、撮像素子14を
駆動する駆動回路16と、撮像素子14の出力をビデオ
信号に変換し、増幅する増幅器17と、増幅器17の出
力から画像表示する、CRTディスプレイなどの画像モ
ニタ18と、可視光カットフィルタと赤外光カットフィ
ルタ15の切替機構19Aと、切替機構19Aを制御す
るフィルタ制御装置19で構成されている。撮像素子1
4は、ショットキ障壁が低い長波長の赤外線まで検出可
能なものでは、ガラスデュワなどに真空封入し、冷却器
で低温に維持する必要があるが、図3ではそれらの機構
は省略している。駆動回路16は撮像素子14に基本的
なタイミング信号や駆動電圧などを供給し、撮像素子1
4を動作させて、赤外線画像情報あるいは可視光画像情
報を時系列信号として増幅器17へ出力を送出させる。
増幅器17は撮像素子14の出力を得てNTSC規格な
どのビデオ信号になるように変換増幅する。撮像画面内
の補正が必要な場合、増幅器17にて補正を行なう。画
像モニタ18は増幅器17のビテオ電気信号を受け画像
表示する。図3には可変開口が描かれてないが、撮像装
置としては当然備えており、画像モニタ18に表示され
る画像から、入力する赤外線入力あるいは可視光入力が
強過ぎ、撮像素子14が飽和領域にある場合には、画像
モニタ18をオペレータが見て、動作領域になるまで可
変開口を狭め入力光を弱める。逆に、画像モニタ18の
表示が撮像素子14の下限を下回るときは、動作領域に
なるまで可変開口を拡げ、画像モニタ18の被写体表示
が適切になるようにする。赤外線画像と可視光画像との
表示切替えは可視光カットフィルタと赤外光カットフィ
ルタ15の切替えによって行なうが、オペレータが赤外
線画像を観測したい場合には可視光カットフィルタが光
学系13の光軸上に入り、オペレータが可視光画像を観
測したい場合には赤外光カットフィルタが光学系13の
光軸上に入るように、フィルタ制御装置19により切替
機構19Aを操作して切替える。
【0030】ここでは、赤外線画像と可視光画像とをオ
ペレータが切替え操作する撮像装置について述べたが、
図4に示すように、画像モニタ18に赤外線画像と可視
光画像とを同時に表示する撮像装置を構成することもで
きる。この場合、フィルタ制御装置19に駆動回路16
から同期信号を送り、フィルタ制御装置19が可視光カ
ットフィルタと赤外光カットフィルタ15を一画面毎に
切替えるようにする。増幅器17からはデジタル信号化
した赤外線画像信号と可視光画像信号とを出力させ、そ
れぞれ別々のフレームメモリ41、42に一旦蓄え、そ
れぞれのフレームメモリ41、42から読み出してきた
信号をスキャンコンバータ43で組み直して一つの画面
の中に赤外・可視両画像が入ったビデオ電気信号を作り
出し、それを画像モニタ18に表示させる。
【0031】このように、カセグレン系等の反射型の光
学系で撮像システムを構成すれば、可視光カットフィル
タと赤外光カットフィルタの入れ換え以外は同一の光学
系で赤外画像と可視画像の両者の撮像が可能となるの
で、装置全体を極めて小型にすることができる。また、
屈折型の光学系でも、赤外線画像と可視光画像の切替え
可能な光学系及び機構以外は共通なので、やはり小型の
撮像システムを構成できる。しかも、本発明のショット
キ障壁型固体撮像素子は、前述のように赤外線に対して
も可視光に対しても高感度であるため、撮像装置を高性
能にすることができる。
【0032】
【実施例】抵抗率30〜50Ωcm(ボロン濃度3×1
14cmー3程度)面方位(100)のp型Si基板を用
いて、撮像素子を製作した。p型Si基板と共にショッ
トキダイオードを構成するショットキ電極は、白金を真
空蒸着法で1.5nmの厚さp型Si基板上に堆積さ
せ、白金とSiとを熱的に固相反応させたおよそ3nm
厚の白金シリサイドである。画素サイズは30μm□と
し、通常の2層ポリSiプロセスでデバイス製造した
後、最終段階で水酸化カリウム溶液による異方性エッチ
ングを行ない、受光領域下をおよそ20μmの厚さにし
た。金属遮光膜はステップカバレッジの良いタングステ
ンで形成し、金属反射鏡兼裏面電極はp型Siと良好な
電気的接触を容易に得られるアルミニウムで形成してい
る。
【0033】この撮像素子では、ショットキ障壁が0.
21eV程度であり、波長5.9μmまでの赤外線を検
出できた。赤外線に対する感度は、従来の裏面照射型と
同程度が得られ、波長4μm付近で約3×10ー2A/W
であった。また、可視光に関しても高感度であり、波長
550nm付近で60〜65%の高い量子効率が得られ
た。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、赤外線画像と可視光画像の両者を高感度で検出でき
るので、これを撮像装置に用いれば、赤外線画像内の表
示位置と観測者が視認する被写体の関連付けが容易で、
しかも小型・高性能・高信頼にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のショットキ障壁型固体撮
像素子における単位画素の断面構造図である。
【図2】本発明の一実施形態のショットキ障壁型固体撮
像素子の断面構造概略図である。
【図3】本発明のショットキ障壁型固体撮像素子を用い
た撮像装置の一例を示す構成図である。
【図4】本発明のショットキ障壁型固体撮像素子を用い
た撮像装置の他の例を示す構成図である。
【図5】従来のショットキ障壁型赤外線固体撮像素子に
おける単位画素の断面構造図である。
【図6】従来のショットキ障壁型赤外線固体撮像素子の
全体構成を示す図である。
【図7】特開平4−324785号において従来例とし
て記載されている赤外線監視装置(撮像装置)の構成図
である。
【図8】特開平4−324785号に記載された実施例
1による赤外線監視装置(撮像装置)の構成図である。
【図9】特開昭59−225680号に記載された固体
撮像素子における単位画素の断面構造図である。
【符号の説明】
1 p型Si 2 ショットキ電極 3 n型ガードリング 4 n+型領域 5 n型CCDチャネル領域 6 p+型素子分離領域 7 熱酸化膜 8 垂直CCD電極 9 金属遮光膜 10 絶縁膜 11a 金属反射鏡兼裏面電極 11b 金属反射鏡 12 受光領域 13 カセグレン光学系 14 ショットキ障壁型固体撮像素子 15 可視光カット及び赤外光カットフィルタ 16 駆動回路 17 増幅器 18 画像モニタ 19 フィルタ制御装置 19A フィルタ切替機構 20 反射防止膜 21 ショットキダイオード 22 読み出しゲート 23 垂直CCD 24 水平CCD 25 出力部 26 垂直CCD駆動信号 27 水平CCD駆動信号 28 撮像素子 29 可変開口 30 赤外線光学系 31 被写体 32 切替器 33 時間回路 34 ゲート付撮像素子 35 加算回路 36 ビデオカメラ 37 p型Si1との間で可視光検出部のpn接合を
構成するn型領域 38 トランスファゲート(読み出しゲート)のゲー
ト電極 39 絶縁用リンガラス膜 40 表面保護用Si窒化膜 41、42 フレームメモリ 43 スキャンコンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 11/22 H01L 27/14 K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショットキダイオードから成る受光部が
    2次元に配列され、該受光部において光電変換されて発
    生した2次元画像信号を時系列信号として出力する電子
    走査機能素子を有するショットキ障壁型固体撮像素子に
    おいて、 受光領域下の基板が少なくとも画素ピッチ程度あるいは
    それ以下の厚さに成っており、受光領域裏面に金属反射
    鏡兼裏面電極を備え、少なくとも前記電子走査機能素子
    上に金属遮光膜を有することを特徴とするショットキ障
    壁型固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のショットキ障壁型固体撮
    像素子と、 赤外線像も可視光像も前記撮像素子の受光面に結合させ
    る反射型光学系と、 可視光カットフィルタおよび赤外光カットフィルタと、 前記可視光カットフィルタと赤外光カットフィルタの切
    替機構と、 前記撮像素子を駆動する駆動回路と、 前記撮像素子の出力をビデオ信号に変換し、増幅する増
    幅器と、 前記増幅器の出力から画像表示する画像モニタと、 前記切替機構を制御するフィルタ制御装置を有する撮像
    装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ制御装置は前記可視光カッ
    トフィルタおよび赤外光カットフィルタを一画面毎に切
    替え、前記増幅器はデジタル化された赤外線画像信号と
    可視光画像信号を出力し、デジタル化された赤外線画像
    信号と可視光画像信号をそれぞれ蓄えるフレームメモリ
    と、該フレームメモリから読み出した信号を組み直して
    1つの画面の中に赤外・可視両画像が入ったビデオ信号
    を作り出し、前記画像モニタに表示するスキャンコンバ
    ータを有する、請求項2記載の撮像装置。
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