JP2836299B2 - 赤外線固体撮像素子 - Google Patents

赤外線固体撮像素子

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JP2836299B2
JP2836299B2 JP3169820A JP16982091A JP2836299B2 JP 2836299 B2 JP2836299 B2 JP 2836299B2 JP 3169820 A JP3169820 A JP 3169820A JP 16982091 A JP16982091 A JP 16982091A JP 2836299 B2 JP2836299 B2 JP 2836299B2
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直毅 油谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、赤外線固体撮像素子
に関し、さらに詳しくは、ショットキバリアダイオード
を赤外線の光検出器に用いて構成する赤外線固体撮像素
子に係るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、この種の赤外線固体撮像素子とし
ては、ショットキバリアダイオードを赤外線の光検出
器,つまり、赤外光検出器に用いて、十分に実用に耐え
得る画素数をもった赤外線固体撮像素子が開発されてい
る。
【0003】こゝで、図4には、従来例によるショット
キバリアダイオードを赤外光検出器に用いて構成した赤
外線固体撮像素子における各部全体の配置構成を模式的
に示してあり、また、図5には、同上図4での1単位の
素子構成におけるB−B線部に対応した断面構造を模式
的に示してある。
【0004】すなわち、まず最初に、図4に示す従来の
赤外線固体撮像素子の配置構成において、符号21はシ
ョットキ接合を用いて垂直,水平の2次元方向にアレイ
状に配置させた各赤外光検出部であり、22は垂直方向
に信号電荷を転送する電荷掃き寄せ方式(以下,C
方式と呼ぶ)による垂直シフトレジタ、23は水平方
向に信号電荷を転送するCCD方式による水平シフトレ
タ、24は信号電荷を外部へ読み出す出力部であ
る。
【0005】また、25はトランスファゲート(以下、
TGと呼ぶ)スキャナ、26はCSDスキャナであっ
て、これらの各スキャナ25,26には、走査線配線7
を介して1水平ライン上のゲート電極(垂直シフトレジ
タ22の構成要素)6が電気的に接続され、TGスキ
ャナ25からの読み出しパルスと、CSDスキャナ26
からの転送パルスとを、それぞれに印可できるようにな
っている。
【0006】続いて、図5に示す1単位の素子構造にお
いて、符号1は p型シリコン基板であり、2は白金,パ
ラジウム,イリジウムなどの金属とか、白金珪化物,パ
ラジウム珪化物,イリジウム珪化物などの金属珪化物か
らなる金属電極であって、これらの基板1と金属電極2
とでショットキ接合を形成しており、3は金属電極2の
周辺部における電界集中を緩和して、暗電流を防止する
ためのn-型領域によるガードリングである。
【0007】また、4は前記赤外光検出部21から垂直
シフトレジタ22へ信号電荷を転送するTG部のn+
領域、5,6はそれぞれに前記垂直シフトレジタ22
を構成するCSDの n型埋め込みチャネル,およびゲー
ト電極であり、当該ゲート電極6は、TG部の電極とC
SDの転送電極とを兼ねている。
【0008】さらに、7はアルミ配線からなる走査線配
線、8はシリコン酸化膜からなる素子間分離,絶縁のた
めのフィールド絶縁膜、9,10は酸化膜などからなる
層間絶縁膜、11は前記金属電極2上に層間絶縁膜10
を挟んで形成され、当該金属電極2を透過した赤外光を
反射して、再度,入射させるためのアルミ反射膜であ
る。
【0009】次に、前記構成による従来装置の動作につ
いて述べる。
【0010】従来構成の場合にあって、 p型シリコン基
板1の裏面側から入射される赤外光は、まず、ショット
キ接合の金属電極2に到達して光電変換され、かつ発生
した光信号電荷は、当該ショットキ接合に一旦,蓄積さ
れた上で、このショットキ接合に蓄積された信号電荷
は、TGスキャナ25からゲート電極6に読み出しパル
スを印加させることで、 n型埋め込みチャネル5に転送
される。
【0011】また、前記ショットキ接合の金属電極2
は、この読み出しパルスの印加時にあって、信号電荷を
読み出すと同時に、読み出しパルス電圧に対応した電圧
までリセットされ、かつこのリセット後、次に読み出さ
れるまでの間,新たに検出される光電荷を蓄積する。
【0012】しかして、CSD方式においては、まず、
走査線配線7の1本が、前記TGスキャナ25によって
選択されると共に、この走査線配線7につながる1水平
ライン上のゲート電極6に読み出しパルスが印加される
ことで、当該1水平ライン上の信号電荷が n型埋め込み
チャネル5に転送され、また、CSDスキャナ26によ
って走査線配線7からゲート電極6に垂直転送パルスが
印加されることで、当該信号電荷が垂直方向に転送され
て水平シフトレジスタ23に入る。
【0013】なお、この場合,こゝでのゲート電極6
は、前記したように信号電荷を読み出すトランスファゲ
ートの電極と、信号電荷を転送するCSDの転送ゲート
との役割を兼ねている。
【0014】その後、前記水平シフトレジスタ23のC
CDによって当該信号電荷が水平方向へ転送され、出力
部24から1水平ラインの映像信号として外部に読み出
される。
【0015】続いて、前記TGスキャナ25によって選
択される水平ラインを1段づゝずらせて読み出しパルス
を印加させ、同様な動作を順次に繰り返すことにより、
結果的には、所期通りの1画面の映像出力を得られるの
である。
【0016】こゝで、前記したように、ゲート電極6が
信号電荷を読み出すトランスファゲートの電極と、信号
電荷を転送するCSDの転送ゲートとを兼ねている場合
にあっては、当該ゲート電極6に垂直転送パルスが印加
されているときに、トランスファゲートが開かないよう
にするために、当該トランスファゲートのしきい値電圧
を、少なくとも垂直転送パルスの“H”レベルの電圧以
上になるようにする必要がある。
【0017】また、アルミ反射膜11は、金属電極2に
よって吸収されずに透過した赤外光を反射して、当該金
属電極2に再入射させることで、受光感度の向上を図り
得るのである。
【0018】そして、前記金属電極2と基板1とのショ
ットキ接合からなる光電変換層にあっては、ショットキ
障壁における障壁の高さ以上のエネルギをもつ赤外光成
分の検出が可能であり、例えば、白金シリサイド(PtSi)
と p型シリコンとのショットキ接合の場合であれば、約
5.6μm 以下の波長の赤外光成分を検出し得るのであ
る。
【0019】次に、図6は、前記赤外線固体撮像素子を
用いた赤外線撮像装置における光学系の概要構成を示す
説明図である。
【0020】この図6の装置構成において、61は赤外
レンズを示し、62は当該赤外レンズ61の開口絞り、
63は赤外光の入射角を制限し得るように設定される冷
却されたコールドシールド、64はコールドシールド6
3内にあって、赤外レンズ61の焦点位置に対応して配
置される赤外線固体撮像素子、65はコールドシールド
63と赤外線固体撮像素子64とを冷却するためのクー
ラーヘッドを示している。
【0021】しかして、前記赤外線固体撮像素子64に
ついては、熱雑音を低減させるために、クーラーヘッド
65により冷却して利用され、かつ一般的に、この種の
赤外光の光学系では、赤外レンズ61の鏡筒などからの
熱放射が、雑音光として入射されることから、冷却され
たコールドシールド63により、赤外光の入射角を制限
して雑音光の入射を抑制するようにしている。
【0022】また、信号光束の広がりを決める開口絞り
62をコールドシールド63の開口に一致させた開口整
合光学系を用いると、赤外線固体撮像素子64の各検出
素子は、コールドシールド63の開口を通して鏡筒を見
ることがなく、このために鏡筒から放射される不要な赤
外線が当該検出素子に入射されず、雑音出力が減少して
S/N比が向上するもので、このために、赤外線撮像装
置の光学系には、開口整合光学系が用いられる場合が多
い。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
から赤外線固体撮像素子においては、開口整合光学系で
使用される場合が多いのであるが、例えば、高温の物体
などのように、赤外線の放射量の大きい対象物を撮像す
るときなどには、当該赤外線固体撮像素子の出力が飽和
しないようにするために、その入射光量を減らすとか、
あるいは、素子自体の感度を減ずるなどの調整が必要に
なる。
【0024】こゝで、可視光の撮像装置の場合には、赤
外レンズの開口絞りをより小さく絞ることによって入射
光量の調整が可能であるが、赤外光の撮像装置では、こ
のように赤外レンズの開口絞りを絞ると、コールドシー
ルドとの開口整合がとれなくなり、却って、雑音光が増
加してS/N比が劣化することになる。
【0025】一方,従来の赤外線固体撮像素子において
は、素子感度の調整が不可能なために、赤外線の放射量
の大きい対象物を撮像するときなどには、S/N比の劣
化を是認して、赤外レンズの開口絞りを絞るしか、対策
の立てようがないものであった。
【0026】この発明は、従来のこのような問題点を解
消するためになされたもので、その目的とするところ
は、ショットキバリアダイオードの赤外感度を外部から
印加する電圧により容易に変えられるようにして、赤外
光検出器自体に感度調整機能を与え、強力な赤外光が入
射されたときにも、赤外レンズの開口絞りを絞らずに、
かつ素子の出力が飽和しないようにして受光感度を調整
し得るようにした,この種の赤外線固体撮像素子を提供
することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明に係る赤外線固体撮像素子は、半導体基
板上の一部に、第1導電型の半導体と金属,もしくは金
属珪化物との接合によって形成されるショットキバリア
ダイオードを用いた赤外光検出器を有し、当該赤外光検
出器に電圧を印加した状態で、入射赤外光によって生成
される光電荷信号を蓄積させ、かつ半導体基板上の他部
に、当該光電荷信号を読み出す手段を備えた赤外線固体
撮像素子において、前記ショットキバリアダイオードの
界面での前記第1導電型の半導体側に、第2導電型の所
要量の不純物を導入すると共に、前記光電荷信号を読み
出す手段とは別に、第1導電型の半導体領域の電位を独
立に設定する手段を備えて構成したことを特徴とするも
のである。
【0028】
【作用】従って、この発明に係る赤外線固体撮像素子の
場合、ショットキ接合における第1導電型の半導体領域
の界面に形成された第2導電型の不純物導入領域は、シ
ョットキ接合にかけられる電位差によって赤外光検出器
の光感度を大きく変え得る作用を有しており、一方,当
該第1導電型の半導体領域の電位を独立に設定する手段
は、この領域の電位によってショットキ接合の電位差を
調整し得る作用を有しているために、結果的には、第1
導電型の半導体領域の電位によって、ショットキ接合の
電位差を調整して赤外光検出器の光感度を容易に変える
ことが可能になり、ひいては入射光量に対応して出力が
飽和しないように、当該赤外光検出器の光感度を調整し
得るのである。
【0029】
【実施例】以下,この発明に係る赤外線固体撮像素子の
実施例につき、図1ないし図3を参照して詳細に説明す
る。
【0030】図1はこの発明の一実施例によるショット
キバリアダイオードを赤外光検出器に用いて構成した赤
外線固体撮像素子における各部全体の配置構成を模式的
に示す平面図であり、また、図2は同上図1での1単位
の素子構成におけるA−A線部に対応した概要構造を模
式的に示す断面図である。これらの図1,図2に示す実
施例構成において、上記図4,図5に示す従来例構成と
同一符号は、同一または相当部分を示している。
【0031】すなわち、図1に示すこの実施例による赤
外線固体撮像素子の配置構成においても、符号21は1
次元的,もしくは2次元的にアレイ状に配置,こゝで
は、垂直,水平の2次元方向に配置されたショットキ接
合による各赤外光検出部であって、22は垂直方向に信
号電荷を転送するCSD方式の垂直シフトレジタ、2
3は水平方向に信号電荷を転送するCCD方式の水平シ
フトレジタ、24は信号電荷を外部へ読み出す出力部
である。
【0032】また、25はTGスキャナ、26はCSD
スキャナであって、これらの各スキャナ25,26に
は、走査線配線7を介して1水平ライン上のゲート電極
(垂直シフトレジタ22の構成要素)6が電気的に接
続され、TGスキャナ25からの読み出しパルスと、C
SDスキャナ26からの転送パルスとを、それぞれに印
可できるようになっている。
【0033】さらに、続いて別に述べるが、13は前記
赤外光検出器21におけるショットキ接合の半導体側電
極としての p型領域であり、この場合,垂直方向の各赤
外光検出器21について共通になっている。14は当該
p型領域13の周辺部,および下部側を囲むと共に、シ
ョットキ接合の金属側電極端をカバーするように配置さ
れた n型領域である。15は外部電源を示し、前記 p型
領域13に電気的に接続されると共に、その電源電圧VD
を変化させることで、当該 p型領域13の電位を変え得
るようになっている。
【0034】次に、図5に示す1単位の素子構造におい
ても、符号1は p型シリコン基板であり、2は白金,パ
ラジウム,イリジウムなどの金属とか、白金珪化物,パ
ラジウム珪化物,イリジウム珪化物などの金属珪化物か
らなる金属電極であって、これらの基板1と金属電極2
とでショットキ接合を形成している。
【0035】また、13は前記した p型領域で、前記金
属電極2に接して、当該金属電極2と併せて、前記光電
変換を行なうショットキ接合の赤外光検出器21を形成
しており、その界面には、 n型不純物導入領域12が形
成されている。14は前記した n型領域で、前記金属電
極2の周辺部における電界集中を緩和して、暗電流を防
止するためのガードリングとして作用する。
【0036】そしてまた、4は前記赤外光検出部21か
ら垂直シフトレジタ22へ信号電荷を転送するトラン
スファゲート部のn+型領域、5,6はそれぞれに前記垂
直シフトレジタ22を構成するCSDの n型埋め込み
チャネル,およびゲート電極であり、当該ゲート電極6
は、トランスファゲート部の電極とCSDの転送電極と
を兼ねている。
【0037】さらに、7はアルミ配線からなる走査線配
線、8はシリコン酸化膜からなる素子間分離,絶縁のた
めのフィールド絶縁膜、9,10は酸化膜などからなる
層間絶縁膜である。11は前記金属電極2上に層間絶縁
膜10を挟んで形成され、当該金属電極2を透過した赤
外光を反射して、再度,入射させるためのアルミ反射膜
であり、この場合、当該アルミ反射膜11は、前記各赤
外光検出器21のそれぞれに分離して設けられ、前記金
属電極2とトランスファゲート部のn+型領域4とを電気
的に接続する配線をも兼ねている。
【0038】次に、前記構成による実施例装置の動作に
ついて述べる。
【0039】この実施例による装置構成の場合にあって
も、 p型シリコン基板1の裏面側から入射される赤外光
は、まず、金属電極2と p型領域13とからなるショッ
トキ接合に到達して光電変換され、かつ発生した光信号
電荷は、当該ショットキ接合に一旦,蓄積された上で、
このショットキ接合に蓄積された信号電荷は、TGスキ
ャナ25からゲート電極6に読み出しパルスを印加させ
ることで、 n型埋め込みチャネル5に転送される。
【0040】また、前記ショットキ接合の金属電極2
は、この読み出しパルスの印加時にあって、信号電荷を
読み出すと同時に、読み出しパルス電圧に対応した電圧
までリセットされ、かつこのリセット後、次に読み出さ
れるまでの間,新たに検出される光電荷を蓄積する。
【0041】こゝで、CSD方式においては、先にも述
べたように、まず、走査線配線7の1本が、前記TGス
キャナ25によって選択されると共に、この走査線配線
7につながる1水平ライン上のゲート電極6に読み出し
パルスが印加されることで、当該1水平ライン上の信号
電荷が n型埋め込みチャネル5に転送され、また、CS
Dスキャナ26によって走査線配線7からゲート電極6
に垂直転送パルスが印加されることで、当該信号電荷が
垂直方向に転送されて水平シフトレジスタ23に入る。
【0042】そして、この場合にも、こゝでのゲート電
極6は、前記したように信号電荷を読み出すトランスフ
ァゲートの電極と、信号電荷を転送するCSDの転送ゲ
ートとの役割を兼ねている。
【0043】その後、前記水平シフトレジスタ23のC
CDによって当該信号電荷が水平方向へ転送され、出力
部24から1水平ラインの映像信号として外部に読み出
される。
【0044】続いて、前記TGスキャナ25によって選
択される水平ラインを1段づゝずらせて読み出しパルス
を印加させ、同様な動作を順次に繰り返すことにより、
結果的には、所期通りの1画面の映像出力を得られるの
である。
【0045】こゝで、前記したように、ゲート電極6が
信号電荷を読み出すトランスファゲートの電極と、信号
電荷を転送するCSDの転送ゲートとを兼ねている場合
にあっては、当該ゲート電極6に垂直転送パルスが印加
されているときに、トランスファゲートが開かないよう
にするために、当該トランスファゲートのしきい値電圧
を、少なくとも垂直転送パルスの“H”レベルの電圧以
上になるように設定する必要がある。
【0046】また、アルミ反射膜11は、金属電極2に
よって吸収されずに透過した赤外光を反射して、当該金
属電極2に再入射させることで、受光感度の向上を図り
得るほか、金属電極2とトランスファゲート部のn+型領
域4とを電気的に接続して、当該n+型領域4から信号電
荷を読み出せるようにする配線としての役割をも果たし
ている。
【0047】そして、こゝでも、前記金属電極2と基板
1とのショットキ接合からなる光電変換部にあっては、
ショットキ障壁における障壁の高さ以上のエネルギをも
つ赤外光成分の検出が可能であり、例えば、白金シリサ
イド(PtSi)と p型シリコンとのショットキ接合の場合で
あれば、約 5.6μm 以下の波長の赤外光成分を検出し得
るのである。
【0048】また次に、図3は一般的なショットキ接合
の赤外光検出器における光感度のバイアス電圧依存性を
示すグラフである。
【0049】この図3において、曲線aは、従来での p
型シリコン基板上に白金シリサイド(PtSi)を形成したシ
ョットキ接合での光感度の印加バイアス電圧依存性を示
し、また、曲線bは、この実施例での同上ショットキ接
合の p型シリコン半導体界面に n型不純物(この場合,
例えば、リン)を導入した場合での光感度の印加バイア
ス電圧依存性を示している。
【0050】この図3からも明らかなように、従来構造
によるショットキ接合においては、光感度の印加バイア
ス電圧依存性が小さく、バイアス電圧による光感度の調
整は難しい。一方,この実施例構造によるショットキ接
合の接合界面,この場合は、p型シリコン半導体界面に
n型の不純物を導入した領域,すなわち、 n型不純物導
入領域12を形成するときは、印加バイアス電圧によっ
て光感度を容易に調整できるようになる。また、この場
合の n型不純物の導入量については、界面がn反転する
まで導入しなくとも効果がある。
【0051】こゝで、前記従来構造のショットキ接合に
おいても、バイアス電圧が低い領域では、光感度の印加
バイアス電圧依存性の大きいことが知られているが、 p
型シリコン半導体界面にリン,砒素などの n型の不純物
を導入することにより、当該界面の電界強度が低下し
て、前記の従来でのバイアス電圧が低い領域と同じよう
に、バイアス電圧が高い領域でも、光感度の印加バイア
ス電圧依存性が大きくなる。
【0052】さらに、前記 p型シリコン半導体界面での
極く薄い領域(数10nm程度以下)がn型になるほどに不
純物を導入すれば、ショットキバリアのバリア頂点が、
界面よりも深い位置に形成されるようになって、光感度
の印加バイアス電圧依存性がより一層,大きくなる。但
し、あまりにも不純物の導入量が多い場合には、図3の
曲線cに示すように、光感度が著るしく低下してバリア
高も高くなり、遮断波長が短くなって使用不能になる。
【0053】従って、この実施例構造でのように、ショ
ットキ接合の p型シリコン半導体界面に適当する量の n
型不純物を導入した領域12を形成させることによっ
て、光感度の印加バイアス電圧依存性を図3の曲線bの
ようにすることが可能になり、この結果,ショットキ接
合のバイアス電圧を変化させて、赤外光検出器21の光
感度を調整し得るのである。
【0054】さらにまた、前記従来例による赤外線固体
撮像素子の構成では、TGスキャナ25における読み出
しパルスの“H”レベル電圧VTG を可変にすることによ
り、当該電圧VTG に依存する赤外光検出器21のリセッ
ト電圧が変化し、当該赤外光検出器21でのショットキ
接合のバイアス電圧を変えることができる(この場合
は、リセット電圧がバイアス電圧に等しい)のである
が、先にも述べたように、トランスファゲートと垂直転
送ゲートとの電極が共通であるときには、垂直転送時で
もトランスファゲートが開かないように、そのしきい値
電圧を少なくとも垂直転送パルスの“H”レベルの電圧
以上にしなければならないことから、読み出しパルスの
“H”レベル電圧VTGをして、この垂直転送パルスの
“H”レベルの電圧以下には調整できない。
【0055】このため、従来の場合には、たとえ、ショ
ットキ接合の p型シリコン半導体界面に n型不純物導入
領域を設けることで、図3の曲線bに示したような光感
度の印加バイアス電圧依存性を実現できたとしても、そ
の“H”レベル電圧VTG による赤外光検出器21の光感
度調整では、その調整範囲が電圧VTG の最低値によって
制限されることになる。
【0056】これに反して、この実施例による赤外線固
体撮像素子の構成においては、赤外光検出器21でのシ
ョットキ接合の半導体側電極である p型領域13を n型
領域14により囲むように配置させ、かつ当該 p型領域
13に接続される外部電源15の電圧VDによって、その
電位を変え得るようにすることで、たとえ電圧VTG が一
定で、かつ赤外光検出器21のリセット電圧VRが一定で
あっても、金属電極2と p型領域13とで形成されるシ
ョットキ接合のバイアス電圧を当該外部電源15の電圧
VDによって変えることが可能(この場合,バイアス電圧
はVR−VD)になるものであり、こゝでは、外部電源15
の電圧VDを変化させることで、赤外光検出器21の光感
度を広範囲に亘って調整し得るのである。
【0057】なお、前記実施例構成においては、 p型領
域13が垂直方向の各赤外光検出器21で共通の場合に
ついて述べたが、この p型領域13は、各検出器のそれ
ぞれに対して、相互に間隔を隔てゝ形成しても、あるい
は全検出器に共通なように形成してもよい。
【0058】そしてまた、 n型領域14が金属電極2の
周囲のガードリングを兼ねる場合について述べたが、こ
の点でも、ガードリングのみを別に形成し、ガードリン
グを含む赤外光検出器の全体を覆うように形成してもよ
く、その他,どのような形状でもあれ、 p型領域13の
電位をCSDとかCCDなどの電荷読み出し手段の電位
とは分離して独立に設定できる構造であればよい。
【0059】すなわち、例えば、 n型のシリコン基板上
に素子を形成し、かつ赤外光検出器と電荷読み出し手段
とが、相互に分離された p型領域に形成されていても、
赤外光検出器の電位を電荷読み出し手段の電位とは独立
して設定できるので、これらの構成によっても、実施例
の場合と同様な作用,効果が得られる。
【0060】また、前記実施例構成においては、アルミ
反射膜11が、赤外光検出器21の金属電極2とn+領域
4との間を電気的に接続する配線の役割りを兼ねるよう
にしていたが、当該配線を別の導電膜で配線してもよ
く、かつまた、こゝでの金属電極2への接続について
も、必ずしも中心部である必要はない。
【0061】さらに、前記実施例構成においては、1画
素を形成するショットキ接合の赤外光検出器を2次元的
に配設させ、かつ垂直方向の読み出しがCSD方式であ
る場合について述べたが、当該画素配列は、1次元的で
あってもよく、読み出しがCCD方式,あるいはMOS
方式(赤外光検出器の出力にMOS-Trを付設させて、その
ON/OFFによって信号読み出しを行なう方式)などのそれ
ぞれであってもよく、こゝでも実施例の場合と同様な作
用,効果が得られるのである。
【0062】
【発明の効果】以上、実施例によって詳述したように、
この発明によれば、ショットキ接合での第1導電型の半
導体領域の界面に第2導電型の不純物導入領域を形成し
て赤外光検出器における光感度のバイアス電圧依存性を
大きくし、ショットキ接合の半導体側電極である第1導
電型領域の電位を電荷信号読み出し手段の電位とは独立
に設定できるようにさせ、かつ当該第1導電型領域の電
位を設定する外部電源により、ショットキ接合に印加さ
れるバイアス電圧を調整することによって、赤外光検出
器における光感度を調整可能にしたから、例えば、赤外
光の放射量が大きい高温の物体を撮像するような場合に
あっても、従来のように光学系の開口整合をくずしてS
/N比を劣化させたりせずに、赤外光検出器での第1導
電型領域の電位をリセット電位に近付けることにより、
ショットキ接合のバイアス電圧が小さくなって、当該赤
外光検出器の光感度が低下され、出力が飽和しないよう
な状態で、その撮像を可能にし得るのであり、結果的
に、この赤外線固体撮像素子においては、入射光量に対
応して出力が飽和しないように、赤外光検出器の光感度
を容易に調整し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるショットキバリアダ
イオードを赤外光検出器に用いて構成した赤外線固体撮
像素子での各部全体の配置構成を模式的に示す平面図で
ある。
【図2】同上図1での1単位の素子構成におけるA−A
線部に対応した概要構造を模式的に示す断面図である。
【図3】一般的なショットキ接合の赤外光検出器におけ
る光感度のバイアス電圧依存性を示すグラフである。
【図4】従来例によるショットキバリアダイオードを赤
外光検出器に用いて構成した赤外線固体撮像素子での各
部全体の配置構成を模式的に示す平面図である。
【図5】同上図4での1単位の素子構成におけるB−B
線部に対応した概要構造を模式的に示す断面図である。
【図6】赤外線撮像装置における光学系の概要構成を模
式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 p型シリコン基板 2 金属電極 4 n+型領域 5 n型埋め込みチャネル 6 ゲート電極 7 走査線配線 8 フィールド絶縁膜 9,10 層間絶縁膜 11 アルミ反射膜 12 n型不純物導入領域 13 p型領域 14 n型領域 15 外部電源 21 赤外光検出器 22 垂直シフトレジスタ 23 水平シフトレジスタ 24 出力部 25 トランスファゲートスキャナ 26 CSDスキャナ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上の一部に、第1導電型の半
    導体と金属,もしくは金属珪化物との接合によって形成
    されるショットキバリアダイオードを用いた赤外光検出
    器を有し、当該赤外光検出器に電圧を印加した状態で、
    入射赤外光によって生成される光電荷信号を蓄積させ、
    かつ半導体基板上の他部に、当該光電荷信号を読み出す
    手段を備えた赤外線固体撮像素子において、 前記ショットキバリアダイオードの界面での前記第1導
    電型の半導体側に、第2導電型の所要量の不純物を導入
    すると共に、前記光電荷信号を読み出す手段とは別に、
    第1導電型の半導体領域の電位を独立に設定する手段を
    備えて構成したことを特徴とする赤外線固体撮像素子。
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