JP3084108B2 - 赤外固体撮像素子 - Google Patents
赤外固体撮像素子Info
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- JP3084108B2 JP3084108B2 JP03290825A JP29082591A JP3084108B2 JP 3084108 B2 JP3084108 B2 JP 3084108B2 JP 03290825 A JP03290825 A JP 03290825A JP 29082591 A JP29082591 A JP 29082591A JP 3084108 B2 JP3084108 B2 JP 3084108B2
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- impurity
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ショットキバリアダ
イオードを赤外線の光検出器に用いた赤外固体撮像素子
に関するものである。
イオードを赤外線の光検出器に用いた赤外固体撮像素子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、赤外固体撮像素子としては、シリ
コンショットキバリアダイオードを赤外線の光検出器に
用いて、十分に実用に耐え得る画素数を持った赤外固体
撮像素子が開発されている。例えば、垂直方向の電荷転
送手段に、いわゆる電荷掃き寄せ方式(以下CSD方式
という)を用いた赤外固体撮像素子では512×512
画素を持ったものが開発されている。この素子について
は公知に係る文献(ISSCC:IEEE International S
olid-State Circuits Conference, Digest ofTechnical
Paper 1987年2月号の110頁)に詳しく開示されて
いる。
コンショットキバリアダイオードを赤外線の光検出器に
用いて、十分に実用に耐え得る画素数を持った赤外固体
撮像素子が開発されている。例えば、垂直方向の電荷転
送手段に、いわゆる電荷掃き寄せ方式(以下CSD方式
という)を用いた赤外固体撮像素子では512×512
画素を持ったものが開発されている。この素子について
は公知に係る文献(ISSCC:IEEE International S
olid-State Circuits Conference, Digest ofTechnical
Paper 1987年2月号の110頁)に詳しく開示されて
いる。
【0003】図4は従来のショットキバリアダイオード
を光検出器として使用したCSD方式の赤外固体撮像素
子の配置を示した配置図である。図4において、21は
ショットキ接合を用いた光検出部、22はCSDよりな
り垂直方向に電荷を転送する垂直シフトレジスタ、23
はCCDよりなり水平方向に電荷を転送する水平シフト
レジスタ、24は外部へ電荷を読み出す出力部、25は
トランスファゲート(TG)スキャナ、26はCSDス
キャナで、1水平ライン上のゲート電極6(垂直シフト
レジスタ22の構成要素)が走査線配線7で電気的に接
続され、TGスキャナ25からの読み出しパルスとCS
Dスキャナ26からの転送パルスが印加できるようにな
っている。
を光検出器として使用したCSD方式の赤外固体撮像素
子の配置を示した配置図である。図4において、21は
ショットキ接合を用いた光検出部、22はCSDよりな
り垂直方向に電荷を転送する垂直シフトレジスタ、23
はCCDよりなり水平方向に電荷を転送する水平シフト
レジスタ、24は外部へ電荷を読み出す出力部、25は
トランスファゲート(TG)スキャナ、26はCSDス
キャナで、1水平ライン上のゲート電極6(垂直シフト
レジスタ22の構成要素)が走査線配線7で電気的に接
続され、TGスキャナ25からの読み出しパルスとCS
Dスキャナ26からの転送パルスが印加できるようにな
っている。
【0004】図5は図4に示した赤外固体撮像素子のX
−Y断面の構造を示した断面構造図である。図5におい
て、1はP形Si半導体基板、2は白金,パラジュウ
ム,イリジュウム,もしくは白金珪化物、パラジュウム
珪化物,イリジュウム珪化物等の金属または金属珪化物
からなる金属薄膜層で、基板1とショットキ接合が形成
された光電変換層になっている。3はショットキバリア
の金属薄膜層2の周辺での電界集中を緩和し、暗電流を
防止するためのN- 形領域よりなるガードリング、4は
光検出部21より垂直シフトレジスタ22へ信号電荷を
転送するトランスファゲート部のN+ 形領域で、5,6
はそれぞれ垂直シフトレジスタを構成するCSDのN形
埋め込みチャネルとゲート電極である。ゲート電極6は
トランスファゲートの電極とCSDの転送電極を兼ねて
いる。7はアルミ配線よりなる走査線配線、8はシリコ
ン酸化膜よりなる素子分離及び絶縁のためのフィールド
絶縁膜、9,10は酸化膜等よりなる層間絶縁膜、11
は光電変換層2の上に層間絶縁膜10を挟んで形成さ
れ、光電変換層2を透過した赤外光を反射して光電変換
層2に再入射させるためのAl反射膜である。また12
はフィールド絶縁膜の下部に形成された分離のためのチ
ャネルストップP+ 不純物層である。
−Y断面の構造を示した断面構造図である。図5におい
て、1はP形Si半導体基板、2は白金,パラジュウ
ム,イリジュウム,もしくは白金珪化物、パラジュウム
珪化物,イリジュウム珪化物等の金属または金属珪化物
からなる金属薄膜層で、基板1とショットキ接合が形成
された光電変換層になっている。3はショットキバリア
の金属薄膜層2の周辺での電界集中を緩和し、暗電流を
防止するためのN- 形領域よりなるガードリング、4は
光検出部21より垂直シフトレジスタ22へ信号電荷を
転送するトランスファゲート部のN+ 形領域で、5,6
はそれぞれ垂直シフトレジスタを構成するCSDのN形
埋め込みチャネルとゲート電極である。ゲート電極6は
トランスファゲートの電極とCSDの転送電極を兼ねて
いる。7はアルミ配線よりなる走査線配線、8はシリコ
ン酸化膜よりなる素子分離及び絶縁のためのフィールド
絶縁膜、9,10は酸化膜等よりなる層間絶縁膜、11
は光電変換層2の上に層間絶縁膜10を挟んで形成さ
れ、光電変換層2を透過した赤外光を反射して光電変換
層2に再入射させるためのAl反射膜である。また12
はフィールド絶縁膜の下部に形成された分離のためのチ
ャネルストップP+ 不純物層である。
【0005】図7は従来の赤外固体撮像素子の検出器部
の製造工程の概略を示す。以下、この図7を参照してそ
の製造方法について説明する。例えばP形シリコン基板
よりなる半導体基板1上に、素子分離用の厚い酸化膜2
を形成し、併せてP+ 形不純物拡散層よりなるチャネル
ストッパ3を酸化膜2下に形成する。次に写真製版法等
でパターニングしたレジスト15をマスクとして、例え
ばリンや砒素等のN形不純物をイオン注入法等で選択的
に半導体基板1の表面領域に注入し、N形不純物拡散層
よりなるガードリング3を形成する(図7(a) 参照)。
の製造工程の概略を示す。以下、この図7を参照してそ
の製造方法について説明する。例えばP形シリコン基板
よりなる半導体基板1上に、素子分離用の厚い酸化膜2
を形成し、併せてP+ 形不純物拡散層よりなるチャネル
ストッパ3を酸化膜2下に形成する。次に写真製版法等
でパターニングしたレジスト15をマスクとして、例え
ばリンや砒素等のN形不純物をイオン注入法等で選択的
に半導体基板1の表面領域に注入し、N形不純物拡散層
よりなるガードリング3を形成する(図7(a) 参照)。
【0006】次にレジスト15を除去した後、層間絶縁
膜9を形成し、新たなレジストを層間絶縁膜9上に形成
し、これを写真製版法等でパターニングしたレジスト1
6をマスクとして、ショットキ・バリア・ダイオードの
接合部となるべき領域の層間絶縁膜9を選択的にエッチ
ング除去して開口部17を形成する(図7(b) 参照)。
膜9を形成し、新たなレジストを層間絶縁膜9上に形成
し、これを写真製版法等でパターニングしたレジスト1
6をマスクとして、ショットキ・バリア・ダイオードの
接合部となるべき領域の層間絶縁膜9を選択的にエッチ
ング除去して開口部17を形成する(図7(b) 参照)。
【0007】次に、レジスト16を除去した後、開口部
17の半導体基板1上に蒸着法等で例えば白金等を形成
するが、白金を蒸着した場合、熱処理をすることによ
り、白金珪化物となって金属電極2を形成し、その後王
水により層間絶縁膜9上の未反応の白金を除去する(図
7(c))。
17の半導体基板1上に蒸着法等で例えば白金等を形成
するが、白金を蒸着した場合、熱処理をすることによ
り、白金珪化物となって金属電極2を形成し、その後王
水により層間絶縁膜9上の未反応の白金を除去する(図
7(c))。
【0008】最後に、層間膜10を形成し、その上にA
l反射膜11を形成することによって検出部が完成する
(図7(d) )。
l反射膜11を形成することによって検出部が完成する
(図7(d) )。
【0009】次に図4及び図5を参照して動作について
説明する。P形Si半導体基板1の裏面より入射した赤
外光は、ショットキ接合の光電変換層2に到達し、そこ
で光電変換されて信号電荷が生じる。この光信号電荷が
光電変換層2のショットキ接合の容量とN- 形領域より
なるガードリング3の容量に蓄積される。蓄積された信
号電荷はゲート電極6にTGスキャナ25より読み出し
パルスを印加することによりN形埋め込みチャネル5へ
転送される。ショットキ接合の光電変換層2は読み出し
パルス印加時に信号電荷を読み出すと同時に読み出しパ
ルスの電圧に応じた電圧までリセットされる。リセット
後、次に信号電荷が読み出されるまで光検出部22は光
信号電荷を検出し蓄積する。CSD方式では、まず走査
線配線7の1本がTGスキャナで選択され、読み出しパ
ルスがこの走査線配線7につながる1水平ライン上のゲ
ート電極6に印加され、1水平ラインの光信号電荷がN
形埋め込みチャネル5へ転送される。次にCSDスキャ
ナより垂直転送パルスを走査線配線7からゲート電極6
に印加することにより、信号電荷は垂直方向に転送され
水平シフトレジスタに入る。ゲート電極6は信号を読み
出すトランスファゲートの電極と信号を転送するCSD
の転送ゲートを兼ねている。次に、水平シフトレジスタ
のCCDにより信号電荷は水平方向へ転送され、出力2
4から1水平ラインの映像信号として外部へ読み出され
る。次に、TGスキャナで選択するラインを1段ずらし
て読み出しパルスを印加し、同様な動作を繰り返すこと
により1画面の映像出力を得る。また、Al反射膜11
は光電変換層2で吸収されずに透過した赤外光を反射し
て光電変換層へ再入射させ感度の向上を図るものであ
る。
説明する。P形Si半導体基板1の裏面より入射した赤
外光は、ショットキ接合の光電変換層2に到達し、そこ
で光電変換されて信号電荷が生じる。この光信号電荷が
光電変換層2のショットキ接合の容量とN- 形領域より
なるガードリング3の容量に蓄積される。蓄積された信
号電荷はゲート電極6にTGスキャナ25より読み出し
パルスを印加することによりN形埋め込みチャネル5へ
転送される。ショットキ接合の光電変換層2は読み出し
パルス印加時に信号電荷を読み出すと同時に読み出しパ
ルスの電圧に応じた電圧までリセットされる。リセット
後、次に信号電荷が読み出されるまで光検出部22は光
信号電荷を検出し蓄積する。CSD方式では、まず走査
線配線7の1本がTGスキャナで選択され、読み出しパ
ルスがこの走査線配線7につながる1水平ライン上のゲ
ート電極6に印加され、1水平ラインの光信号電荷がN
形埋め込みチャネル5へ転送される。次にCSDスキャ
ナより垂直転送パルスを走査線配線7からゲート電極6
に印加することにより、信号電荷は垂直方向に転送され
水平シフトレジスタに入る。ゲート電極6は信号を読み
出すトランスファゲートの電極と信号を転送するCSD
の転送ゲートを兼ねている。次に、水平シフトレジスタ
のCCDにより信号電荷は水平方向へ転送され、出力2
4から1水平ラインの映像信号として外部へ読み出され
る。次に、TGスキャナで選択するラインを1段ずらし
て読み出しパルスを印加し、同様な動作を繰り返すこと
により1画面の映像出力を得る。また、Al反射膜11
は光電変換層2で吸収されずに透過した赤外光を反射し
て光電変換層へ再入射させ感度の向上を図るものであ
る。
【0010】なお、上記ショットキ接合よりなる光電変
換層では、ショットキ障壁の障壁の高さ以上のエネルギ
ーを持った光成分の検出が可能で、例えば、白金シリサ
イド(PtSi)とP形シリコンのショットキ接合で
は、約5.6μm以下の波長の光成分が検出できる。
換層では、ショットキ障壁の障壁の高さ以上のエネルギ
ーを持った光成分の検出が可能で、例えば、白金シリサ
イド(PtSi)とP形シリコンのショットキ接合で
は、約5.6μm以下の波長の光成分が検出できる。
【0011】可視領域の固体撮像素子で一般によく使わ
れている垂直方向の電荷転送にCCDを用いたインター
ライン(IL)CCD方式に比べ、CSD方式は垂直方
向の最大電荷転送能力が大きいという特徴がある。これ
はIL−CCD方式では全画素の信号電荷が一度に垂直
CCDの転送チャネルに転送され、各画素の信号が混じ
りあわないように転送されるので、垂直CCDは全画素
の信号を分離して蓄積しなければならないのに対し、C
SD方式では、前述したようにCSDの転送チャネルに
は1回に1水平ライン上の画素の信号しか転送されない
ので、1本の転送チャネル全体で1つの信号を蓄積する
ことができるからである。従って、IL−CCD方式で
は飽和出力レベル(非常に強い光が入射した時の出力レ
ベル)は一般にCCDの最大電荷転送能力で制限される
のに対し、CSD方式ではCSDの最大電荷転送能力が
非常に大きいので、飽和出力レベルは検出器の最大電荷
蓄積能力で決まるレベルまで大きくすることができる。
れている垂直方向の電荷転送にCCDを用いたインター
ライン(IL)CCD方式に比べ、CSD方式は垂直方
向の最大電荷転送能力が大きいという特徴がある。これ
はIL−CCD方式では全画素の信号電荷が一度に垂直
CCDの転送チャネルに転送され、各画素の信号が混じ
りあわないように転送されるので、垂直CCDは全画素
の信号を分離して蓄積しなければならないのに対し、C
SD方式では、前述したようにCSDの転送チャネルに
は1回に1水平ライン上の画素の信号しか転送されない
ので、1本の転送チャネル全体で1つの信号を蓄積する
ことができるからである。従って、IL−CCD方式で
は飽和出力レベル(非常に強い光が入射した時の出力レ
ベル)は一般にCCDの最大電荷転送能力で制限される
のに対し、CSD方式ではCSDの最大電荷転送能力が
非常に大きいので、飽和出力レベルは検出器の最大電荷
蓄積能力で決まるレベルまで大きくすることができる。
【0012】赤外領域の撮像においては、室温物体から
の背景光が大きいので、飽和出力レベルが低いと少し熱
い物体(赤外線の放出量が大きい)を撮像しただけで出
力が飽和してしまう。従って、赤外領域の撮像において
は、飽和出力レベルを高くできるCSD方式が有利であ
る。CSD方式では、飽和出力レベルは検出器の最大電
荷蓄積能力で決まるため、CSD方式の利点を最大限に
生かすためには検出器の容量を大きくすることが重要で
ある。
の背景光が大きいので、飽和出力レベルが低いと少し熱
い物体(赤外線の放出量が大きい)を撮像しただけで出
力が飽和してしまう。従って、赤外領域の撮像において
は、飽和出力レベルを高くできるCSD方式が有利であ
る。CSD方式では、飽和出力レベルは検出器の最大電
荷蓄積能力で決まるため、CSD方式の利点を最大限に
生かすためには検出器の容量を大きくすることが重要で
ある。
【0013】検出器の容量は、金属薄膜電極2とP形基
板1との間のショットキ接合の容量とN- ガードリング
3とP形基板1の間のPN接合の容量と、N- ガードリ
ング3とチャネルストップP+ 不純物層12の間のPN
接合の容量とで決まっている。
板1との間のショットキ接合の容量とN- ガードリング
3とP形基板1の間のPN接合の容量と、N- ガードリ
ング3とチャネルストップP+ 不純物層12の間のPN
接合の容量とで決まっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように赤外固体撮
像素子は、背景光の大きな赤外領域の撮像においては、
検出器の容量が小さいと、少し熱い物体を撮像しただけ
で出力が飽和してしまい、実効的なダイナミックレンジ
が低下してしまう。
像素子は、背景光の大きな赤外領域の撮像においては、
検出器の容量が小さいと、少し熱い物体を撮像しただけ
で出力が飽和してしまい、実効的なダイナミックレンジ
が低下してしまう。
【0015】また、赤外固体撮像素子の温度分解能(物
体の温度差の識別能力)を向上させるには検出器の感度
を上げれば良いが、検出器の容量が小さいままで、感度
を向上させるだけでは室温の背景輻射光だけで検出器の
容量が飽和してしまい、撮像ができなくなる。光学系を
工夫して入射光量を減らし、検出器の飽和を防ぐことも
できるが、それでは温度分解能も落ちてしまう。
体の温度差の識別能力)を向上させるには検出器の感度
を上げれば良いが、検出器の容量が小さいままで、感度
を向上させるだけでは室温の背景輻射光だけで検出器の
容量が飽和してしまい、撮像ができなくなる。光学系を
工夫して入射光量を減らし、検出器の飽和を防ぐことも
できるが、それでは温度分解能も落ちてしまう。
【0016】従来の赤外固体撮像素子では、検出器の容
量は、金属薄膜電極とP形基板との間のショットキ接合
の容量と、N- ガードリングとP形基板の間のPN接合
の容量と、N- ガードリングとチャネルストップP+ 不
純物層の間のPN接合の容量とで決まっているが、赤外
固体撮像素子に一般に使用されるP形Si基板の不純物
濃度は1015cm-3以下で薄いため、P形基板との間のP
N接合やショットキ接合の容量が小さく、そのため検出
器の容量は小さかった。
量は、金属薄膜電極とP形基板との間のショットキ接合
の容量と、N- ガードリングとP形基板の間のPN接合
の容量と、N- ガードリングとチャネルストップP+ 不
純物層の間のPN接合の容量とで決まっているが、赤外
固体撮像素子に一般に使用されるP形Si基板の不純物
濃度は1015cm-3以下で薄いため、P形基板との間のP
N接合やショットキ接合の容量が小さく、そのため検出
器の容量は小さかった。
【0017】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、その目的とするところは、ショ
ットキバリアダイオードよりなる赤外検出器の容量を増
大させ、これによって強い赤外光が入射した場合にも検
出器が飽和しないようにし、また検出器の感度を向上さ
せたときに背景光だけで出力が飽和してしまうという不
都合も防ぐことができるような赤外固体撮像素子を提供
することを目的とする。
ためになされたもので、その目的とするところは、ショ
ットキバリアダイオードよりなる赤外検出器の容量を増
大させ、これによって強い赤外光が入射した場合にも検
出器が飽和しないようにし、また検出器の感度を向上さ
せたときに背景光だけで出力が飽和してしまうという不
都合も防ぐことができるような赤外固体撮像素子を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る赤外固体
撮像素子は、ショットキバリアダイオードを用いた光検
出器のガードリングをN+またはP+の高濃度層で形成
し、該ガードリングのN + またはP + 層の外側にP + また
はN + チャネルストップ不純物層を形成し、さらにガー
ドリングのN+またはP+層の周辺(外側側面及び底面)
にN+またはP+層に接するようにP+またはN+の不純物
層を形成したものである。
撮像素子は、ショットキバリアダイオードを用いた光検
出器のガードリングをN+またはP+の高濃度層で形成
し、該ガードリングのN + またはP + 層の外側にP + また
はN + チャネルストップ不純物層を形成し、さらにガー
ドリングのN+またはP+層の周辺(外側側面及び底面)
にN+またはP+層に接するようにP+またはN+の不純物
層を形成したものである。
【0019】この発明に係る赤外固体撮像素子は、ショ
ットキバリアダイオードを用いた光検出器のガードリン
グをN+またはP+の高濃度層で形成し、該ガードリング
のN + またはP + 層の外側にP + またはN + チャネルストッ
プ不純物層を形成し、さらにガードリングのN+または
P+層の周辺(外側側面及び底面)にN+またはP+層に
接するようにP+またはN+の不純物層を形成し、さらに
ショットキバリアの下にもショットキ接合の界面には接
しないようにP+またはN+の不純物層を形成したもので
ある。
ットキバリアダイオードを用いた光検出器のガードリン
グをN+またはP+の高濃度層で形成し、該ガードリング
のN + またはP + 層の外側にP + またはN + チャネルストッ
プ不純物層を形成し、さらにガードリングのN+または
P+層の周辺(外側側面及び底面)にN+またはP+層に
接するようにP+またはN+の不純物層を形成し、さらに
ショットキバリアの下にもショットキ接合の界面には接
しないようにP+またはN+の不純物層を形成したもので
ある。
【0020】
【作用】この発明によるショットキ接合の光検出器のガ
ードリングのN+またはP+ 層とN+ またはP+ 層周辺
のP+ またはN+ 層はこれらの間で高不純物のPN接合
を形成し、ガードリングの容量が増大するので、これに
よってショットキ接合の光検出器の容量が増大し、検出
器の最大電荷蓄積能力が向上し、素子のダイナミックレ
ンジが向上し、出力の飽和が起こりにくくなる。
ードリングのN+またはP+ 層とN+ またはP+ 層周辺
のP+ またはN+ 層はこれらの間で高不純物のPN接合
を形成し、ガードリングの容量が増大するので、これに
よってショットキ接合の光検出器の容量が増大し、検出
器の最大電荷蓄積能力が向上し、素子のダイナミックレ
ンジが向上し、出力の飽和が起こりにくくなる。
【0021】この発明によるショットキ接合の光検出器
のガードリングのN+ またはP+ 層とN+ またはP+ 層
周辺のP+ またはN+ 層はこれらの間で高不純物のPN
接合を形成し、ガードリングの容量が増大し、さらにシ
ョットキ接合の下のP+ またはN+ 層はショットキ接合
の容量を増大させるので、これらによってショットキ接
合の光検出器の容量が増大し、検出器の最大電荷蓄積能
力が向上し、素子のダイナミックレンジが向上し、出力
の飽和が起こりにくくなる。
のガードリングのN+ またはP+ 層とN+ またはP+ 層
周辺のP+ またはN+ 層はこれらの間で高不純物のPN
接合を形成し、ガードリングの容量が増大し、さらにシ
ョットキ接合の下のP+ またはN+ 層はショットキ接合
の容量を増大させるので、これらによってショットキ接
合の光検出器の容量が増大し、検出器の最大電荷蓄積能
力が向上し、素子のダイナミックレンジが向上し、出力
の飽和が起こりにくくなる。
【0022】
【実施例】以下、この発明に係る赤外固体撮像素子の実
施例につき、図1,図2を参照して詳細に説明する。
施例につき、図1,図2を参照して詳細に説明する。
【0023】図1は、この発明の一実施例を適用した赤
外固体撮像素子の配置を示した図である。また、図2は
図1のX−Y線部の構造を示した断面構造図であり、こ
れらの図1,図2に示す実施例の構成において、前記図
4,図5に示す従来例と同一符号は同一または相当部分
を示している。
外固体撮像素子の配置を示した図である。また、図2は
図1のX−Y線部の構造を示した断面構造図であり、こ
れらの図1,図2に示す実施例の構成において、前記図
4,図5に示す従来例と同一符号は同一または相当部分
を示している。
【0024】即ち、これらの図1,図2に示す実施例の
赤外固体撮像素子においても、21はショットキ接合を
用いた光検出部であり、22は垂直方向に電荷を転送す
るCSD方式よりなる垂直シフトレジスタ、23は水平
方向に電荷を転送するCCD方式よりなる水平シフトレ
ジスタ、24は外部へ電荷を読み出す出力部、25はト
ランスファゲート(TG)スキャナ、26はCSDスキ
ャナである。1水平ライン上のゲート電極6(垂直シフ
トレジスタ22の構成要素)は走査線配線7で電気的に
接続され、TGスキャナ25からの読み出しパルスとC
SDスキャナ26からの転送パルスが印加できるように
なっている。また、1はP形Si半導体基板、2は白
金,パラジュウム,イリジュウム,もしくは白金珪化
物,パラジュウム珪化物,イリジュウム珪化物等の金属
または金属珪化物からなる金属電極と基板1で形成され
るショットキ接合よりなる光電変換層であり、その膜厚
は入射光によって励起されたホットホールの多重反射に
よる量子効率改善のため数十オングストロームに設定さ
れる。3は光電変換層2の周辺での電界集中を緩和し、
暗電流を防止するためのN+ 形領域よりなるガードリン
グ、4は光検出部21より垂直シフトレジスタ22へ信
号電荷を転送するトランスファゲート部のN+ 形領域
で、その深さは例えば0.5 μm程度である。5,6はそ
れぞれ垂直シフトレジスタを構成するCSDのN形埋め
込みチャネルとゲート電極である。ゲート電極6はトラ
ンスファゲートの電極とCSDの転送電極を兼ねてい
る。7はアルミ配線よりなる走査線配線、8はシリコン
酸化膜よりなる素子分離及び絶縁のためのフィールド絶
縁膜、9,10は酸化膜等よりなる層間絶縁膜であり、
絶縁膜10は絶縁膜の光学的な膜厚が検出波長の1/4
になるように設定され、例えば絶縁膜の屈折率がn=1.
45であれば、波長λ=4μmの光に対する感度を向上す
る場合は、t=λ/(4n)=6900オングストロー
ムに設定される。11は光電変換層2の上に層間絶縁膜
10を挟んで形成され、光電変換層2を透過した赤外光
を反射して光電変換層2に再入射させるためのAl反射
膜である。
赤外固体撮像素子においても、21はショットキ接合を
用いた光検出部であり、22は垂直方向に電荷を転送す
るCSD方式よりなる垂直シフトレジスタ、23は水平
方向に電荷を転送するCCD方式よりなる水平シフトレ
ジスタ、24は外部へ電荷を読み出す出力部、25はト
ランスファゲート(TG)スキャナ、26はCSDスキ
ャナである。1水平ライン上のゲート電極6(垂直シフ
トレジスタ22の構成要素)は走査線配線7で電気的に
接続され、TGスキャナ25からの読み出しパルスとC
SDスキャナ26からの転送パルスが印加できるように
なっている。また、1はP形Si半導体基板、2は白
金,パラジュウム,イリジュウム,もしくは白金珪化
物,パラジュウム珪化物,イリジュウム珪化物等の金属
または金属珪化物からなる金属電極と基板1で形成され
るショットキ接合よりなる光電変換層であり、その膜厚
は入射光によって励起されたホットホールの多重反射に
よる量子効率改善のため数十オングストロームに設定さ
れる。3は光電変換層2の周辺での電界集中を緩和し、
暗電流を防止するためのN+ 形領域よりなるガードリン
グ、4は光検出部21より垂直シフトレジスタ22へ信
号電荷を転送するトランスファゲート部のN+ 形領域
で、その深さは例えば0.5 μm程度である。5,6はそ
れぞれ垂直シフトレジスタを構成するCSDのN形埋め
込みチャネルとゲート電極である。ゲート電極6はトラ
ンスファゲートの電極とCSDの転送電極を兼ねてい
る。7はアルミ配線よりなる走査線配線、8はシリコン
酸化膜よりなる素子分離及び絶縁のためのフィールド絶
縁膜、9,10は酸化膜等よりなる層間絶縁膜であり、
絶縁膜10は絶縁膜の光学的な膜厚が検出波長の1/4
になるように設定され、例えば絶縁膜の屈折率がn=1.
45であれば、波長λ=4μmの光に対する感度を向上す
る場合は、t=λ/(4n)=6900オングストロー
ムに設定される。11は光電変換層2の上に層間絶縁膜
10を挟んで形成され、光電変換層2を透過した赤外光
を反射して光電変換層2に再入射させるためのAl反射
膜である。
【0025】また、12はフィールド絶縁膜の下部に形
成された分離のためのチャネルストップP+ 不純物層で
ある。また、13はガードリングのN+ 層3の周辺(外
側側面及び底面)にN+ 層に接するように形成されたP
+ 不純物導入層である。これらのN+ 層,P+ 層の不純
物濃度は、例えば1017cm-3以上程度であればよい。P
+ 不純物導入層13とガードリングのN+ 層3の接合面
積はできるだけ大きいほうがよい。従って、P+ 不純物
導入層13はガードリングのN+ 層3の内側側面にも形
成したほうがよいが、この場合、ショットキ接合の金属
薄膜電極2とP+ 不純物導入層13は直接接することが
ないようにする必要がある。
成された分離のためのチャネルストップP+ 不純物層で
ある。また、13はガードリングのN+ 層3の周辺(外
側側面及び底面)にN+ 層に接するように形成されたP
+ 不純物導入層である。これらのN+ 層,P+ 層の不純
物濃度は、例えば1017cm-3以上程度であればよい。P
+ 不純物導入層13とガードリングのN+ 層3の接合面
積はできるだけ大きいほうがよい。従って、P+ 不純物
導入層13はガードリングのN+ 層3の内側側面にも形
成したほうがよいが、この場合、ショットキ接合の金属
薄膜電極2とP+ 不純物導入層13は直接接することが
ないようにする必要がある。
【0026】図6は図1の赤外固体撮像素子の検出器部
の製造工程の概略を示す。以下、この図6を参照してそ
の製造方法について説明する。例えば、図2のP+不純
物層13は検出器形成工程でガードリング3を形成する
前に、P形の不純物であるボロン等をイオン注入等の方
法で導入し、その上からガードリング3の表面のP形が
打ち消されてN+形になるように、N形の不純物を導入
すればよい(図6(a,b) 参照)。
の製造工程の概略を示す。以下、この図6を参照してそ
の製造方法について説明する。例えば、図2のP+不純
物層13は検出器形成工程でガードリング3を形成する
前に、P形の不純物であるボロン等をイオン注入等の方
法で導入し、その上からガードリング3の表面のP形が
打ち消されてN+形になるように、N形の不純物を導入
すればよい(図6(a,b) 参照)。
【0027】また、図2,3のP+不純物層13は高エ
ネルギーのイオン注入でボロン等のP形の不純物をガー
ドリング3の下部の位置に形成できるように注入するこ
とにより形成してもよく、その注入はガードリング形成
の前後いずれでもよい(図6(c,d) 参照)。
ネルギーのイオン注入でボロン等のP形の不純物をガー
ドリング3の下部の位置に形成できるように注入するこ
とにより形成してもよく、その注入はガードリング形成
の前後いずれでもよい(図6(c,d) 参照)。
【0028】次に、図1および図2を参照して動作につ
いて説明する。P形Si半導体基板1の裏面より入射し
た赤外光は、ショットキ接合の光電変換層2に到達し、
そこで光電変換されて信号電荷が生じる。この光信号電
荷がショットキ接合に蓄積される。蓄積された信号電荷
はゲート電極6にTGスキャナ25より読み出しパルス
を印加することによりN形埋め込みチャネル5へ転送さ
れる。ショットキ接合の光電変換層2は読み出しパルス
印加時に信号電荷を読み出すと同時に、読み出しパルス
の電圧に応じた電圧までリセットされる。このリセット
動作の後、次に信号電荷が読み出されるまで、光検出部
22は光信号電荷を検出し蓄積する。
いて説明する。P形Si半導体基板1の裏面より入射し
た赤外光は、ショットキ接合の光電変換層2に到達し、
そこで光電変換されて信号電荷が生じる。この光信号電
荷がショットキ接合に蓄積される。蓄積された信号電荷
はゲート電極6にTGスキャナ25より読み出しパルス
を印加することによりN形埋め込みチャネル5へ転送さ
れる。ショットキ接合の光電変換層2は読み出しパルス
印加時に信号電荷を読み出すと同時に、読み出しパルス
の電圧に応じた電圧までリセットされる。このリセット
動作の後、次に信号電荷が読み出されるまで、光検出部
22は光信号電荷を検出し蓄積する。
【0029】CSD方式では、まず走査線配線7の1本
がTGスキャナで選択され、読み出しパルスがこの走査
線配線7につながる1水平ライン上のゲート電極6に印
加され、1水平ラインの光信号電荷がN形埋め込みチャ
ネル5へ転送される。次にCSDスキャナより垂直転送
パルスを走査線配線7からゲート電極に印加することに
より信号電荷は垂直方向に転送され、水平シフトレジス
タに入る。ゲート電極6は信号を読み出すトランスファ
ゲートの電極と信号を転送するCSDの転送ゲートを兼
ねている。次に水平シフトレジスタのCCDにより信号
電荷は水平方向へ転送され、出力部24から1水平ライ
ンの映像信号として外部へ読み出される。次に、TGス
キャナで選択するラインを1段ずらして読み出し、パル
スを印加し、同様な動作を繰り返すことにより、1画面
の映像出力を得る。また、Al反射膜11は光電変換層
2で吸収されずに透過した赤外光を反射して光電変換層
へ再入射させ、感度の向上を図るものである。なお、上
記ショットキ接合よりなる光電変換層では、ショットキ
障壁の障壁の高さ以上のエネルギーを持った光成分の検
出が可能で、例えば白金シリサイド(PtSi)とP形
シリコンのショットキ接合では約5.6μm以下の波長
の光成分が検出できる。
がTGスキャナで選択され、読み出しパルスがこの走査
線配線7につながる1水平ライン上のゲート電極6に印
加され、1水平ラインの光信号電荷がN形埋め込みチャ
ネル5へ転送される。次にCSDスキャナより垂直転送
パルスを走査線配線7からゲート電極に印加することに
より信号電荷は垂直方向に転送され、水平シフトレジス
タに入る。ゲート電極6は信号を読み出すトランスファ
ゲートの電極と信号を転送するCSDの転送ゲートを兼
ねている。次に水平シフトレジスタのCCDにより信号
電荷は水平方向へ転送され、出力部24から1水平ライ
ンの映像信号として外部へ読み出される。次に、TGス
キャナで選択するラインを1段ずらして読み出し、パル
スを印加し、同様な動作を繰り返すことにより、1画面
の映像出力を得る。また、Al反射膜11は光電変換層
2で吸収されずに透過した赤外光を反射して光電変換層
へ再入射させ、感度の向上を図るものである。なお、上
記ショットキ接合よりなる光電変換層では、ショットキ
障壁の障壁の高さ以上のエネルギーを持った光成分の検
出が可能で、例えば白金シリサイド(PtSi)とP形
シリコンのショットキ接合では約5.6μm以下の波長
の光成分が検出できる。
【0030】可視領域の固体撮像素子で一般によく使わ
れている垂直方向の電荷転送にCCDを用いたインター
ライン(IL)CCD方式に比べ、CSD方式は垂直方
向の最大電荷転送能力が大きいという特徴がある。これ
はIL−CCD方式では、全画素の信号電荷が一度に垂
直CCDの転送チャネルに転送され、各画素の信号が混
じりあわないように転送されるので、垂直CCDは全画
素の信号を分離して蓄積しなければならないのに対し、
前述したようにCSD方式では、垂直方向の転送チャネ
ルには1回に1水平ライン上の画素の信号しか転送され
ないので、1本の転送チャネル全体で1つの信号を蓄積
することができるので、IL−CCD方式に比べ、垂直
方向の最大電荷転送能力が大きい。従って、IL−CC
D方式では飽和出力レベル(非常に強い光が入射した時
の出力レベル)は一般にCCDの最大電荷転送能力で制
限されるのに対し、CSD方式ではCSDの最大電荷転
送能力が非常に大きいので飽和出力レベルは検出器の最
大電荷蓄積能力で決まるレベルまで大きくすることがで
きる。検出器の最大電荷蓄積能力は検出器の容量で決ま
る。
れている垂直方向の電荷転送にCCDを用いたインター
ライン(IL)CCD方式に比べ、CSD方式は垂直方
向の最大電荷転送能力が大きいという特徴がある。これ
はIL−CCD方式では、全画素の信号電荷が一度に垂
直CCDの転送チャネルに転送され、各画素の信号が混
じりあわないように転送されるので、垂直CCDは全画
素の信号を分離して蓄積しなければならないのに対し、
前述したようにCSD方式では、垂直方向の転送チャネ
ルには1回に1水平ライン上の画素の信号しか転送され
ないので、1本の転送チャネル全体で1つの信号を蓄積
することができるので、IL−CCD方式に比べ、垂直
方向の最大電荷転送能力が大きい。従って、IL−CC
D方式では飽和出力レベル(非常に強い光が入射した時
の出力レベル)は一般にCCDの最大電荷転送能力で制
限されるのに対し、CSD方式ではCSDの最大電荷転
送能力が非常に大きいので飽和出力レベルは検出器の最
大電荷蓄積能力で決まるレベルまで大きくすることがで
きる。検出器の最大電荷蓄積能力は検出器の容量で決ま
る。
【0031】検出器の容量はショットキ接合の容量とガ
ードリングのPN接合の容量で決まる。本実施例におい
ては、ガードリングの容量はガードリングのN+ 層3と
P+ 不純物導入層13のPN接合の容量で決まってい
る。例えば、ガードリングのN+ 層3の不純物濃度を1
018cm-3以上の高濃度にすると、P+ 層13の不純物濃
度を高くするほど検出器の容量は増大する。但し、P+
層13の不純物濃度を高くしすぎると、PN接合がブレ
ークダウンしやすくなり、検出器の耐圧が低下する。
ードリングのPN接合の容量で決まる。本実施例におい
ては、ガードリングの容量はガードリングのN+ 層3と
P+ 不純物導入層13のPN接合の容量で決まってい
る。例えば、ガードリングのN+ 層3の不純物濃度を1
018cm-3以上の高濃度にすると、P+ 層13の不純物濃
度を高くするほど検出器の容量は増大する。但し、P+
層13の不純物濃度を高くしすぎると、PN接合がブレ
ークダウンしやすくなり、検出器の耐圧が低下する。
【0032】一般的な赤外固体撮像素子では、検出器の
リセット電圧は5V程度なので、P+ 層の不純物濃度は
1018cm-3以下であることが必要である。例えば、P+
層の不純物濃度を1017cm-3にすると、従来のP形基板
(1015cm-3以下)に対するPN接合と比べると容量は
10倍になる。その理由は、PN接合の容量は(不純物
濃度)1/2 に比例するからである。
リセット電圧は5V程度なので、P+ 層の不純物濃度は
1018cm-3以下であることが必要である。例えば、P+
層の不純物濃度を1017cm-3にすると、従来のP形基板
(1015cm-3以下)に対するPN接合と比べると容量は
10倍になる。その理由は、PN接合の容量は(不純物
濃度)1/2 に比例するからである。
【0033】なお、上記実施例ではP+ 不純物層13が
ガードリングのN+ 層3の周辺(外側側面及び底面)に
N+ 層に接するように形成された場合について説明した
が、このP+ 不純物層13は図3に示すように、ガード
リング3の周辺だけでなく、ショットキ接合の下にも形
成してもよい。ショットキ接合の下にもP+ 不純物層1
3を形成することにより、ガードリングだけでなく、シ
ョットキ接合の容量も増大し、検出器の容量がさらに増
大する。但し、この場合、P+ 不純物層13の不純物濃
度を高くしすぎると、ショットキ接合の接合界面の電界
強度が強くなりすぎ、ショットキ効果によりショットキ
接合のバリア高が低くなる。バリア高が低くなると、遮
断波長は長波長側に伸びるが、同時に暗電流も増大する
ので、赤外固体撮像素子の動作温度によっては、あまり
バリア高を下げることはできない。そのため、P+ 不純
物層13の不純物濃度は制限される。
ガードリングのN+ 層3の周辺(外側側面及び底面)に
N+ 層に接するように形成された場合について説明した
が、このP+ 不純物層13は図3に示すように、ガード
リング3の周辺だけでなく、ショットキ接合の下にも形
成してもよい。ショットキ接合の下にもP+ 不純物層1
3を形成することにより、ガードリングだけでなく、シ
ョットキ接合の容量も増大し、検出器の容量がさらに増
大する。但し、この場合、P+ 不純物層13の不純物濃
度を高くしすぎると、ショットキ接合の接合界面の電界
強度が強くなりすぎ、ショットキ効果によりショットキ
接合のバリア高が低くなる。バリア高が低くなると、遮
断波長は長波長側に伸びるが、同時に暗電流も増大する
ので、赤外固体撮像素子の動作温度によっては、あまり
バリア高を下げることはできない。そのため、P+ 不純
物層13の不純物濃度は制限される。
【0034】また、第2の実施例ではP+ 不純物層13
の不純物濃度がガードリング3の周辺とショットキ接合
の下で同じものについて説明したが、これは互いに異な
っていて独立に設定できるようになっていてもよい。P
+ 不純物層13の作成工程は複雑になるが、そのほうが
ガードリング3の周辺のP+ 不純物層13の濃度は検出
器の耐圧が許すかぎり高くできるし、ショットキ接合の
下のP+ 不純物層13の濃度もショットキ接合のバリア
高が許すかぎり高くでき、検出器の容量を最大限に増大
させることが可能になる。
の不純物濃度がガードリング3の周辺とショットキ接合
の下で同じものについて説明したが、これは互いに異な
っていて独立に設定できるようになっていてもよい。P
+ 不純物層13の作成工程は複雑になるが、そのほうが
ガードリング3の周辺のP+ 不純物層13の濃度は検出
器の耐圧が許すかぎり高くできるし、ショットキ接合の
下のP+ 不純物層13の濃度もショットキ接合のバリア
高が許すかぎり高くでき、検出器の容量を最大限に増大
させることが可能になる。
【0035】また、前記各実施例において、各導電層の
導電形を反転させてもよく、前記実施例と同様の効果を
奏する。
導電形を反転させてもよく、前記実施例と同様の効果を
奏する。
【0036】また、前記実施例においては、1画素を形
成するショットキ接合の光検出器を2次元的に配設さ
せ、かつ垂直方向の読み出しがCSD方式である場合に
ついて述べたが、当該画素配列は1次元であってもよ
く、またその読み出し方式がCCD方式あるいはMOS
方式、即ち光検出器の出力にMOSトランジスタを設け
てそのオン/オフによって信号読み出しを行う方式など
であってもよい。
成するショットキ接合の光検出器を2次元的に配設さ
せ、かつ垂直方向の読み出しがCSD方式である場合に
ついて述べたが、当該画素配列は1次元であってもよ
く、またその読み出し方式がCCD方式あるいはMOS
方式、即ち光検出器の出力にMOSトランジスタを設け
てそのオン/オフによって信号読み出しを行う方式など
であってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る赤外固体
撮像素子によれば、ショットキバリアダイオードからな
る光検出器のガードリングをN+またはP+の高濃度層で
形成し、該ガードリングのN + またはP + 層の外側にP +
またはN + チャネルストップ不純物層を形成し、さらに
ガードリングのN+またはP+層の周辺(外側側面及び底
面)にN+またはP+層に接するようにP+またはN+の不
純物層を形成するようにしたので、ガードリングのN+
またはP+層とN+またはP+層周辺のP+またはN+層の
間で高不純物のPN接合が形成され、ガードリングの容
量が増大するので、これによってショットキ接合の光検
出器の容量が増大し、検出器の最大電荷蓄積能力が向上
し、素子のダイナミックレンジが向上し、出力の飽和が
起こりにくくなる。
撮像素子によれば、ショットキバリアダイオードからな
る光検出器のガードリングをN+またはP+の高濃度層で
形成し、該ガードリングのN + またはP + 層の外側にP +
またはN + チャネルストップ不純物層を形成し、さらに
ガードリングのN+またはP+層の周辺(外側側面及び底
面)にN+またはP+層に接するようにP+またはN+の不
純物層を形成するようにしたので、ガードリングのN+
またはP+層とN+またはP+層周辺のP+またはN+層の
間で高不純物のPN接合が形成され、ガードリングの容
量が増大するので、これによってショットキ接合の光検
出器の容量が増大し、検出器の最大電荷蓄積能力が向上
し、素子のダイナミックレンジが向上し、出力の飽和が
起こりにくくなる。
【0038】また、ショットキ接合の光検出器のガード
リングのN+またはP+層の周辺のP+またはN+層に加
え、該ガードリングのN + またはP + 層の外側にP + また
はN + チャネルストップ不純物層を形成し、さらにショ
ットキバリアの下にもショットキ接合の界面には接しな
いようにP+またはN+の不純物層を形成するようにした
ので、ショットキ接合の容量も増大させることができ、
これらによってショットキ接合の光検出器の容量が増大
し、検出器の最大電荷蓄積能力が向上し、素子のダイナ
ミックレンジが向上し、出力の飽和が起こりにくくな
る。
リングのN+またはP+層の周辺のP+またはN+層に加
え、該ガードリングのN + またはP + 層の外側にP + また
はN + チャネルストップ不純物層を形成し、さらにショ
ットキバリアの下にもショットキ接合の界面には接しな
いようにP+またはN+の不純物層を形成するようにした
ので、ショットキ接合の容量も増大させることができ、
これらによってショットキ接合の光検出器の容量が増大
し、検出器の最大電荷蓄積能力が向上し、素子のダイナ
ミックレンジが向上し、出力の飽和が起こりにくくな
る。
【図1】本発明の一実施例による赤外固体撮像素子の配
置を示した図である。
置を示した図である。
【図2】本発明の一実施例による赤外固体撮像素子の主
要部分の断面図である。
要部分の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例による赤外固体撮像素子の
主要部分の断面図である。
主要部分の断面図である。
【図4】従来の赤外固体撮像素子の配置を示した図であ
る。
る。
【図5】従来の赤外固体撮像素子の主要部分の断面図で
ある。
ある。
【図6】本発明の一実施例による赤外固体撮像素子の検
出器部の概略製造工程を示す断面図である。
出器部の概略製造工程を示す断面図である。
【図7】従来の赤外固体撮像素子の検出器部の概略製造
工程を示す断面図である。
工程を示す断面図である。
1 P形Si半導体基板 2 金属薄膜層 3 ガードリング 4 トランスファゲートのN+ 領域 5 CSDのN形埋め込みチャネル 6 CSDのゲート電極 7 走査線配線 8 フィールド絶縁膜 9 層間絶縁膜 10 層間絶縁膜 11 Al反射膜 12 チャネルストップP+ 不純物層 13 P+ 不純物層 21 光検出部 22 垂直シフトレジスタ 23 水平シフトレジスタ 24 出力部 25 トランスファゲートスキャナ 26 CSDスキャナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14 - 27/148 H01L 29/762 - 29/768 H01L 29/872
Claims (2)
- 【請求項1】 P形またはN形半導体と金属もしくは金
属硅化物の金属薄膜電極より形成されるショットキバリ
アダイオードよりなる赤外検出器が1次元もしくは2次
元にアレイ状に配置され、赤外線によって該赤外検出器
に生成される光電流を蓄積し、光信号を読み出す機構を
備えた赤外固体撮像素子において、 上記ショットキバリアダイオードの金属薄膜電極の周囲
にN+またはP+不純物導入層であるガードリングが形成
され、 該ガードリングのN + またはP + 層の外側にP + またはN +
チャネルストップ不純物層が形成されており、 さらに、 該ガードリングのN+またはP+層の外側側面及
び底面には接するが、少なくとも該金属薄膜電極には接
しないようにP+またはN+不純物導入層が形成されてい
ることを特徴とする赤外固体撮像素子。 - 【請求項2】 上記P+またはN+不純物導入層が上記金
属薄膜電極の下部にも形成されていることを特徴とする
請求項1記載の赤外固体撮像素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03290825A JP3084108B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | 赤外固体撮像素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03290825A JP3084108B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | 赤外固体撮像素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05102450A JPH05102450A (ja) | 1993-04-23 |
JP3084108B2 true JP3084108B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=17760975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03290825A Expired - Fee Related JP3084108B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | 赤外固体撮像素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3084108B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-08 JP JP03290825A patent/JP3084108B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05102450A (ja) | 1993-04-23 |
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