JPH10173944A - 色補正方法 - Google Patents

色補正方法

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JPH10173944A
JPH10173944A JP8329678A JP32967896A JPH10173944A JP H10173944 A JPH10173944 A JP H10173944A JP 8329678 A JP8329678 A JP 8329678A JP 32967896 A JP32967896 A JP 32967896A JP H10173944 A JPH10173944 A JP H10173944A
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JP8329678A
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Akihito Okubo
彰人 大久保
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷物やカラー写真などのハードコピー画像と
CRTや液晶などの表示装置に表示されたソフトコピー
画像とを従来の測色一致によるカラーマッチングを行っ
た場合に生じる誤差、すなわち色順応を除去した状態で
測色値を合わせる時の測色値の誤差(ずれ)を補正する
ことのできる色補正方法を提供する。 【解決手段】ハードコピー画像として背景が黒である少
なくとも1個のパッチを出力するとともに、このパッチ
の色と測色値レベルで一致する色のパッチを背景を黒と
してソフトコピー画像として出力し、両画像のパッチを
それぞれ独立に観察者の観察位置から同じ非接触型の測
定機で計測し、両画像のパッチの測色値に基づいてハー
ドコピー画像およびソフトコピー画像の少なくとも一方
の色補正を行うことにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真や印刷物など
のハードコピー画像とCRT表示装置や液晶表示装置な
どの自己発光型記録媒体に表示されたソフトコピー画像
とにおいて、測色基準色空間における測色一致による色
の一致(カラーマッチング)を行った場合に生じる誤差
を補正する色補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、印刷分野では、印刷機で多量
の印刷物を製作する本機刷りに先立って、本機刷りにお
いて得られる印刷製品の色校正のために、予測される印
刷製品の仕上がり画像をプレプルーフとしてCRTなど
の表示装置に表示したり、ジアゾ感光材料、感光性樹脂
(フォトポリマー)材料、銀塩写真式感光材料や電子写
真式感光材料などの各種の感光材料に露光、現像、もし
くはさらに転写を行う写真法によって、プレプルーフ
(カラープルーフ)として再現したり、さらには校正機
を使って校正刷りを行っている。
【0003】このように色校正に用いられる校正刷りや
写真法によるカラープルーフなどのハードコピー画像
は、最終的には、発注者の印刷許可の得るための印刷製
品見本となるため、従来、本機刷りにできるだけ近づけ
ることが行われている。このため、特に印刷製品と同様
に印刷方式で行う品質的に最も近似する校正刷りでは、
本機刷りと同じ網点を用いる刷版、同じインキおよび同
じ紙を用いて同様に印刷を行っているが、トラッピング
やドットゲイン等々の色々な現象が異なるため、基本的
には完全な色一致(カラーマッチング)を得ることはで
きないという問題がある。
【0004】これは、感光方式によってカラープルーフ
を得る写真法においても同様で、印刷本機と同じ網点方
式のカラープリンタで同じインキおよび同じ紙を用いて
印刷用画像を再現する場合であっても、印刷方式とは異
なる画像再現方式であるため、完全な色一致は、さらに
困難であるという問題もある。このため、従来は、感光
方式によるカラープルーフは、発注者への印刷製品見本
としてよりは、内部の生産管理用のプレプルーフとして
用いられていることが多い。一方、CRTなどの表示装
置に表示されたソフトコピー画像は、印刷方式とは全く
異なる画像再現方式で表示されているので、印刷製品見
本としてではなく、内部生産管理用プレプルーフとして
用いられている。
【0005】しかしながら、近年カラーマネージメント
システムの導入により印刷分野においても、校正刷りの
ように印刷製品にできるだけ近づけた印刷製品見本によ
って色の一致を図るのではなく、方式や媒体が異なって
も、人間の目による色の見え(Color Appearance)の一
致を図る試みがなされている。この試みは、印刷製品と
写真法によるカラープルーフなどのように材料の異なる
ハードコピー画像同志の色一致のみならず、印刷製品と
CRT等の表示画像のようなハードコピー画像とソフト
コピー画像の間でも行われている。一方、最近、パーソ
ナルコンピュータなどにおいても、カラー画像を生成し
たり、印刷物や写真などから画像を取り込んで所望の画
像処理や色処理を容易に行うことができるようになって
きているが、CRTなどの表示装置に表示されたソフト
コピー画像とカラープリンタによって出力されたハード
コピー画像との色が一致していないため、コンピュータ
関連分野においても、ソフトコピー画像とハードコピー
画像との色一致の試みがなされている。
【0006】ここで、印刷物とカラー写真やカラーコピ
ーなどのようなハードコピー画像同志の色一致は、多数
提案されているが、このようなハードコピー画像とCR
Tや液晶などに表示されたソフトコピー画像との色一致
については、簡便で十分なる色一致を図る方法が確立さ
れていないのが実情である。
【0007】ところで、カラープリンタや印刷機などの
画像出力装置においてカラー画像の記録を行う場合、通
常、R(赤)、G(緑)、B(青)やC(シアン)、M
(マゼンタ)、Y(イエロー)やC,M,Y,K(黒)
に係る色画像データを制御することで所望の色を持つカ
ラー画像をハードコピー画像として得ることができる。
しかしながら、このような色画像データは、画像出力装
置のハードコピー画像の出力特性に依存するため、特性
の異なる画像出力装置に出力する場合にはその特性を考
慮して色画像データの色変換処理を行う必要がある。こ
れは、CRTなどの画像表示装置においてはさらに顕著
である。
【0008】このため、C,M,Yからなる色画像デー
タを画像出力装置に依存しない、例えば国際照明委員会
(CIE)が規定するCIEXYZ表色系の3刺激値
(X,Y,Z)やCIEL* * * 表色系の明度指数
* (明るさ)および知覚色度指数a* ,b* (色相お
よび彩度)などの画像データに変換し、これらの表色系
の色空間において同一画像データであれば、この画像デ
ータに対応する画像をどのような画像出力装置で出力し
ても、測色値レベルで色一致を図ることができるという
方法がある。しかしながら、測色値レベルでの一致によ
り色一致(カラーマッチング)を図ることができるの
は、ハードコピー画像同志の場合であって、特別な場合
を除いて、基本的にはハードコピー画像とソフトコピー
画像との間では、測色値レベルで一致しても、色順応の
影響を除去した状態でカラーマッチングを行った場合に
生じる誤差、例えば測色値の誤差(ずれ)などを補正す
ることができておらず、このため人間の目による完全な
見えの一致を得ることができていなかった。
【0009】ところで、ハードコピー画像とソフトコピ
ー画像の色一致(カラーマッチング)を達成することが
できるのは、特定の環境下で両者の測色値を一致させる
場合であった。この特定の環境とは、例えば、ソフトコ
ピー画像としてCRTに表示された表示画像を代表例と
すると、完全暗室において、観察光はハードコピー画像
のみに照射され、ソフトコピー画像や人間の目には直接
に入射しない環境である。そして、両者の測色値を一致
させるとは、例えば、色度x,yおよび3刺激値X,
Y,Zの1つ、ここでは輝度Y、すなわち(x,y,
Y)を一致させることである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
特定な環境で両者の測色値を一致させた場合であって
も、下記の点が原因となって、色の一致が得られなくな
ることがあるという問題があった。 1)ハードコピー画像を記録する感光材料や紙などの支
持体に蛍光増白材が含まれていると、光の反射率が変わ
ってしまって測色値に影響を与えてしまうし、観察光
源、例えば蛍光灯の蛍光励起成分の影響があると測色値
にも影響を与えてしまう。 2)ソフトコピー画像を出力するCRTには変動、特に
長期的な変動や退色は不可避であるし、一方ハードコピ
ー画像を出力する印刷機やカラープリンタなどにも、キ
ャリブレーションをやっていたとしても長期的な変動や
退色が避けられない。
【0011】また、上述した特定の環境で色の一致(カ
ラーマッチング)が得られても、一般の環境に持ってき
て観察した場合に、下記の点が原因で見た目に色が合わ
なくなることがあるという問題があった。 3)測色値を算出するのに想定された観察光源に対し、
実際の観察光源の照明光は、同一品種であっても、例え
ば製造ばらつきなどによって少しずれてしまい、特に観
察光源の蛍光励起成分の違いも含め、両者には違いが存
在する。 4)外部光が、発光しているCRTの管面上に入射する
と、その反射により、CRTの管面の発光色、特に黒の
部分が明るくなって、色が変わり、階調がねてくる。 5)ハードコピー画像の観察光源、例えば一般の蛍光灯
の色温度は、3000K〜6000Kであり、極めて高
いものでも7000K程度であるのに対し、ソフトコピ
ー画像を表示するCRTの色温度は9300K程度で青
味がかっており、両者の色温度の違いにより、人間の目
がいずれの色温度に順応しているかによって、色の感じ
方が違う、いわゆる色順応がある。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、印刷物やカラー写真などのハードコピー画像と
CRTや液晶などの表示装置に表示されたソフトコピー
画像とを従来の測色一致によるカラーマッチングを行っ
た場合に生じる種々の誤差、例えば測定値(すなわち測
色値)のずれや誤差などを人間の目による色の見え(カ
ラーアピアランス)の不一致を避けるように色順応の効
果を取り外して、補正することのできる色補正方法を提
供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、自己発光型記録媒体に出力されたソフト
コピー画像と非自己発光型記録媒体に出力されたハード
コピー画像との間の色の一致のために色補正を行うに際
し、前記ハードコピー画像として背景が黒または彩度的
に無彩色から大きく離れた有彩色である少なくとも1個
のパッチを出力するとともに、このハードコピー画像の
パッチの色と測色基準色空間において一致する値を持つ
色のパッチを背景を無または彩度的に無彩色から大きく
離れた有彩色として同様に前記ソフトコピー画像として
出力し、出力されたハードコピー画像のパッチとソフト
コピー画像のパッチとをそれぞれ独立に観察者の観察位
置から同じ非接触型の測定機で計測し、前記ハードコピ
ー画像のパッチとソフトコピー画像のパッチとの計測値
に基づいて前記ハードコピー画像および前記ソフトコピ
ー画像の少なくとも一方の色補正を行うことを特徴とす
る色補正方法を提供するものである。
【0014】また、前記少なくとも1個のパッチは、白
色の1個のパッチ、白色および黒色の2個のパッチ、ま
たは白色、黒色および少なくとも1つの中間グレーとの
少なくとも3個のパッチであるか、もしくは、さらに少
なくとも1個の有彩色のパッチを含むものであるのが好
ましい。
【0015】また、前記自己発光型記録媒体は、外光の
反射による前記ソフトコピー画像の軟調化を抑制するた
めの可動フードを有するのが好ましい。さらに、前記色
補正は、前記自己発光型記録媒体の外光の反射による前
記ソフトコピー画像の軟調化を抑制するために、前記測
色基準色空間であるXYZ表色系においてY伸縮によっ
て階調調整を行うものであるのが好ましい。
【0016】また、本発明は、自己発光型記録媒体に出
力されたソフトコピー画像と非自己発光型記録媒体に出
力されたハードコピー画像との間の色の一致のために色
補正を行うに際し、前記ソフトコピー画像の背景を黒ま
たは彩度的に無彩色から大きく離れた有彩色にすること
を特徴とする色補正方法を提供するものである。
【0017】さらに、本発明は、自己発光型記録媒体に
出力されたソフトコピー画像と非自己発光型記録媒体に
出力されたハードコピー画像との間の色の一致のために
色補正を行うに際し、前記自己発光型記録媒体の外光の
反射による前記ソフトコピー画像の軟調化を抑制するた
めに、測色基準色空間としてのXYZ表色系においてY
伸縮によって階調調整を行うことを特徴とする色補正方
法を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る色補正方法を添付の
図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明す
る。
【0019】図1は、本発明の色補正方法を実施する装
置の一実施例を示す模式図である。同図に示すように、
本発明の色補正方法を実施する色補正装置10は、本発
明の色補正方法に用いられるカラーパッチがハードコピ
ー画像12として記録されたハードコピー14と、この
ハードコピー14の画像12を観察位置に配置するハー
ドコピー画像観察台16と、ハードコピー画像12を照
明する観察光源18と、ハードコピー画像12のカラー
パッチの色と測色基準色空間において一致する値を持つ
色のカラーパッチをソフトコピー画像20として表示す
る表示画面21をもつCRT表示装置(以下、CRTと
いう)22と、CRT22へのソフトコピー画像20の
表示を制御するとともに、本発明の色補正方法を実施す
る上で必要な演算を行うコンピュータ24と、CRT2
2に表示されたソフトコピー画像20をコンピュータ2
4とセットとして観察位置に配置するソフトコピー画像
観察台26と、観察台16に配置されたハードコピー1
4の画像12のカラーパッチ12aと観察台26に配置
されたCRTの表示ソフトコピー画像20のカラーパッ
チ20aをそれぞれ環境光の存在下で計測可能な色測定
機28と、ハードコピー画像12が記録されたハードコ
ピー14を出力するプリンタ30とを有する。
【0020】本発明の色補正方法においては、図2
(a)に示すハードコピー14にハードコピー画像12
として記録されたパッチ(カラーパッチ)12aおよび
図2(b)に示すCRT22の表示画面21にソフトコ
ピー画像20として表示されたパッチ20aは、同じ色
になるように補正されるが、各々の画像12および20
にそれぞれ1個のパッチ12aおよび20aを用いる場
合、これらのパッチ12a、20aの色は、無彩色、好
ましくは白とするのがよい。
【0021】なお、本発明は、ハードコピー画像12お
よびソフトコピー画像20の各々にそれぞれ1個のパッ
チ12aおよび20aを用いる場合に限定されず、それ
ぞれ2個のパッチ12a、12bおよび20a、20b
を用い、パッチ12aおよび20aは白色、パッチ12
bおよび20bは黒色としてもよいし、図示しないがこ
れらの白色および黒色の他にさらに少なくとも1種の中
間グレー(灰色)の少なくとも3個のパッチを用いても
よい。さらに、本発明に用いられるパッチは、カラー、
すなわち有彩色を含むパッチであってもよい。
【0022】本発明においては、ハードコピー画像12
およびソフトコピー画像20のいずれを、より長い時間
観察しているかで、色順応により、同じ色が異なった色
に見えてしまうために、画像以外の背景色、すなわちハ
ードコピー14のパッチ12aの背景13の色およびC
RT表示画面21のパッチ20aの背景21の色や色味
調整手段(GUI;graphic user interface, あるいは
スライダーバーやボタン)32を常に黒または無彩色
(グレー)から彩度(クロマ)的に大きく離れた有彩色
を基調にし、例えば背景を黒にして色味調整手段を黒基
調とし、文字や記号をなるべく彩度の高い有彩色にする
必要がある。こうすることにより人間の目の色順応の効
果をなくして、測色一致と見えの色一致を正確に合わせ
ることができる。
【0023】ここで、ハードコピー画像12は、本発明
の非自己発光型記録媒体に記録された画像、すなわち観
察に観察用光源が必要な画像であれば、特に制限的では
なく、例えば、印刷物、写真、カラー複写機によるカラ
ーコピーなどを挙げることができる。また、非自己発光
型記録媒体としては、例えば、印刷用紙、写真用印画
紙、コピー用紙などを挙げることができる。なお、ハー
ドコピー画像12が記録されたハードコピー14を出力
するプリンタ30も、特に制限的ではなく、例えば印刷
機、複写機、写真プリンタ等の従来公知のプリンタを挙
げることができる。一方、ソフトコピー画像20は、本
発明の自己発光型記録媒体に表示された画像であればよ
く、自己発光型記録媒体としては、図示例のCRT22
に限定されず、自己発光により表示画像の観察に別な観
察光源が不要なものであれば、特に制限的ではなく、液
晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイなどであ
ってもよい。
【0024】本発明に用いられる色測定機28は、観察
者の観察位置から観察台16に配置されたハードコピー
14のパッチ12aおよび観察台26にコンピュータ2
4を介して載置されたCRT22の表示画面21のパッ
チ20aを環境光の存在下で環境光をも含めて測色値X
YZとして測色可能な非接触型測色計であれば、特に制
限的ではなく、3または4フィルタ方式のものであって
も、分光方式のものであっても、測色値XYZを計測で
きればよいが、例えば、ガンタイプの測色計、具体的に
は、ミノルタCS100(ミノルタカメラ社製)、トプ
コンBM5A(トプコン社製)などのフィルター式測色
計やトプコンSR1(トプコン社製)などの分光汲形を
求める測色計などが好ましい。なお、色測定機28は、
内部に光学データを測色値算出部を有し、直接測色値X
YZを出力するものでも、測色値XYZを算出するため
の光学データを出力するものであってもよい。
【0025】なお、特開平7−222196号公報にお
いて開示されたような、自己発光するCRTモニタの白
色点の色度と絶対輝度を測定する密着型センサおよびハ
ードコピー画像を印刷するプリント用紙の白色点の色度
を測定する密着型センサなどは、環境光を含めて同時に
測定できないので、本発明には用いることができない。
同公報に開示された方法では、上述の密着型センサの他
にCRTモニタの視環境(CRTモニタに表示されたソ
フトコピー画像を観察する環境)に対応する数値として
の視環境パラメータを出力するためにCRTモニタが設
置されている環境の周囲の光(蛍光灯の光)の色度やハ
ードコピー画像を見る環境における周囲光の白色点の色
度を測定する放射色彩輝度計などのセンサを併用してい
るが、この方法ではハードコピー画像やソフトコピー画
像自体の色度や輝度の測定および視環境の周囲光の色度
の測定において、測色計同志の機差を補正していないた
め、厳密な意味での、特に印刷分野で要求される色一致
のレベルでは、少なくともハードコピー画像の測色計と
ソフトコピー画像の測色計との機差を合わせる必要があ
るなどの問題がある。さらに、本発明は、測色計の違い
や出力画像の変動も含めて、ハードコピー画像の測定値
とソフトコピー画像の測定値を補正するものであるのに
対し、この公報に開示された発明は、両画像の測色値を
そこで提案された順応モデルを使って合わせるもので、
両測色値を補正するものではなく、本発明とは全く異な
る手法(アプローチ)による技術であるといえる。ま
た、提案された順応モデルがすべての提案の場合に適用
できるわけではないという問題もあった。
【0026】これに対し、本発明で用いられる色測定機
28は、図1に示すように、ハードコピー画像12のパ
ッチ12aを測定する場合は、観察光源18からの照明
光19aがハードコピー画像12のパッチ12aで反射
した反射光19bのみならず、図示されていない環境
光、例えば観察光源18からの測定系内での拡散光やC
RT22の表示画面21からの拡散光や測定系外からの
拡散光などをも含めて測定できる。また、ソフトコピー
画像20のパッチ20aを測定する場合も、同一の色測
定機28によって、CRT22の表示画面21のパッチ
20aから射出される光23aのみならず、環境光、例
えば観察光源18から射出され、CRT22の表示画面
21で反射した反射光23bやその他の測定系内外の拡
散光などが同時に測定される。
【0027】本発明において用いられるコンピュータ2
4は、CRT22へのソフトコピー画像20の表示を制
御するのみならず、本発明の色補正を行うために必要な
演算を行うためのもので、図3に示すように、プリンタ
30からのCMY表色系のデバイス(入出力装置)に依
存するデータ(DDD;Device dependent data )であ
るCMY(K)データを測色基準色空間であるCIEX
YZ表色系のデバイス(入出力装置)に依存しないデー
タ(DID;Device Independent Data )である刺激値
データX1 1 1 に色空間を変換する色空間変換部3
4と、この刺激値データX1 1 1 からハードコピー
画像12のパッチ12aと同じ白色のパッチ20aをソ
フトコピー画像20としてCRT22に表示させるため
の刺激値データX2 2 2 を演算する色補正演算部3
6と、この刺激値データX2 22 をRGB表色系の
RGBデータに色変換する色変換部38と、このRGB
データに基づいてCRT22の表示を制御するCRT制
御部40と、色測定機28の測定出力から測色刺激値X
YZを算出する測色値算出部42とを有する。なお、こ
の測色値算出部42は、色測定機28が直接測色値XY
Zを出力できれば、コンピュータ24には不要である。
本発明の色補正方法を実施する色補正装置10は基本的
に以上のように構成される。
【0028】本発明の色補正方法について、ハードコピ
ー画像12とソフトコピー画像20との両者で色補正の
ために同じ色にしたいパッチ12aと20aの色が白色
であり、ソフトコピー画像20の色をハードコピー画像
12の色に色順応を排除した状態で合わせる場合、従っ
て、同環境下で人間の目による見えにおいても合わせる
場合を代表例として図5に示すフローチャートを参照し
て以下に説明する。まず、図5に示すように、プリンタ
30から所定の色のCMYデータ、例えば(C,M,
Y)=(0,0,0)である白色のパッチ12aをハー
ドコピー画像12として持つハードコピー14を出力す
る。なお、ハードコピー画像として所望の白色のパッチ
12aを持つハードコピー14が予め用意されている場
合には、プリンタ30による出力、従ってプリンタ30
も不要である。
【0029】次に、コンピュータ24の色空間変換部3
4において、このハードコピー画像12のパッチ12a
のデバイスに依存するデータ(DDD)であるCMYデ
ータからデバイスに依存しないデータ(DID)である
測色基準色空間(CIEXYZ)の刺激値データXYZ
に、例えばハードコピー画像12に予め設定されている
固有の色空間変換ルックアップテーブル LUTHRや変
換式を用いて色空間変換する。この時、ハードコピー画
像12の刺激値データXYZが(X1 ,Y1 ,Z1 )で
あったとする。
【0030】一方、CRT22にソフトコピー画像20
として表示するパッチ20aの刺激値データXYZをX
2 ,Y2 ,Z2 とすると、色補正演算部36において、
パッチ20a、パッチ12aと測色的に一致する白色を
表示させるには(X2 ,Y2,Z2 )=(X1 ,Y1
1 )とする。コンピュータ24は、色変換部38でこ
の刺激値データXYZ=(X2 ,Y2 ,Z2 )から表示
すべきCRT22に固有のDDDデータである、例えば
RGBデータに、例えばソフトコピー画像20に予め設
定されている固有の色変換ルックアップテーブル LU
SNや変換式を用いて色変換する。こうして得られたR
GBデータは、例えば8ビットデータに正規化されてい
るとして(R,G,B)=(255,252,249)
であったとする。そこで、CRT22は、コンピュータ
24のCRT制御部40からこのRGBデータを受け取
って、表示画面21にソフトコピー画像20として
(R,G,B)=(255,252,249)である白
色のパッチ20aを表示する。なお、ここでは色順応の
効果を補正していないので、表示画面21において、ソ
フトコピー画像20のパッチ20aの背景色は黒を基調
とするか、または高彩度の有彩色とするかのいずれかが
必要である。
【0031】このようにして出力された同じ刺激値デー
タを持ち、同じ白色となるべきハードコピー画像12の
パッチ12aとソフトコピー画像20のパッチ20aと
を環境光の存在下で観察位置において色測定機28によ
ってそれぞれ計測する。この時、両パッチ12aおよび
20aは、背景が黒等であり、色順応が排除できる環境
が作られているが、従来技術において述べた様々な理由
から、すなわちハードコピー画像の色空間変換ルックア
ップテーブルLUTHRを作成するのに用いた色測定機や
ソフトコピー画像の色変換ルックアップテーブルLUT
SNを作成するのに用いた色測定機などによる測定値(測
色値)の誤差やずれのために、測色的に同一とならな
い。ここで、コンピュータ24は色測定機28によって
計測されたパッチ12aおよびパッチ20aの測定値か
ら測色値算出部42において刺激値データXYZを算出
する。その結果、例えば、ハードコピー画像12のパッ
チ12aの測色値はXH ,YH ,ZH であり、ソフトコ
ピー画像20のパッチ20aの測色値はXS,YS ,Z
S であったとする。
【0032】こうして得られた両測色値(XH ,YH
H )および(XS ,YS ,ZS )を使って、ソフトコ
ピー画像20に色補正を行う。例えば、ソフトコピー画
像20のパッチ20aの白色をハードコピー画像12の
パッチ12aの白色に一致させる場合には、コンピュー
タ24の色補正演算部36において、ハードコピー画像
12のパッチ12aの測色値(XH ,YH ,ZH )を得
るのに用いた刺激値データ(X1 ,Y1 ,Z1 )に対し
て、ソフトコピー画像20としてCRT表示画面21に
表示させるパッチ20aを出力するための刺激値データ
(X2 ,Y2 ,Z2 )を色測定機28による測色値(X
H ,YH ,ZH )および(XS ,YS ,ZS )を使っ
て、下記式のように刺激値データ(X1 ,Y1 ,Z1
から刺激値データ(XH ・X1 /XS ,YH ・Y1 /Y
S ,ZH ・Z1 /ZS )に補正する。 X2 =(XH /XS )・X12 =(YH /YS )・Y12 =(ZH /ZS )・Z1 ・・・(1) そして、この新しい補正刺激値データ(X2 ,Y2 ,Z
2 )から、色変換部38において、再び色変換ルックア
ップテーブル LUTSNや変換式を使ってCRT表示画
面21に表示させるためのRGBデータを求め、CRT
22の表示画面21に新しい白色のパッチ20aに補正
する。
【0033】こうして、補正されたソフトコピー画像2
0のパッチ20aを色測定機28で計測すれば、補正前
の測色値(XS ,YS ,ZS )から補正後には測色値
(X,Y,Z)が(XH ,YH ,ZH )となって、観察
環境下における色測定機28による測色値がハードコピ
ー画像12のパッチ12aの測色値と一致して、かつ背
景が黒、特にCRT表示画面21のソフトコピー画像2
0のパッチ20aの背景が黒であるために、色順応の影
響がなく、人間の目による見えの色一致も得られる。こ
のように色一致が得られる上記関係式(1)をコンピュ
ータ24の色補正演算部36に保持しておき、ハードコ
ピー画像12の画像データ(C,M,Y,従ってX1
1 ,Z1 )とソフトコピー画像20の画像データ
(R,G,B,従ってX2 ,Y2 ,Z2 )とを上記関係
式(1)を用いて補正することにより、両画像12およ
び20の色一致を達成することができる。色補正の手順
は、上述した色補正方法において、パッチ12aの色デ
ータの代わりにハードコピー画像12の画像データを用
い、パッチ20aの代わりにソフトコピー画像20の画
像データを用いて同様に行えばよい。
【0034】なお、同じにしたい白色の同じ刺激値デー
タ(X,Y,Z)を持つハードコピー画像12およびソ
フトコピー画像20のパッチ12aおよび20aの測色
値(XH ,YH ,ZH )および(XS ,YS ,ZS )を
用いて見えの色一致を実現する色補正方法は上述した入
力刺激値データ(X1 ,Y1 ,Z1 )を各々XH /X S
倍する例には限定されず、色変換ルックアップテーブル
LUTSNや変換式を作り直す方法や、本出願人の出願
に係る特開平7−20585号公報に開示された、基準
白色(XS ,YS ,ZS )に基づく色空間からCIEL
* * * 色空間を介して基準白色(XH ,YS
S )に基づく色空間に変換する方法を用いてもよいな
ど、従来公知の方法を採用することができる。なお、本
発明においては、上述した測色計28による実測色値
(XS ,YS ,ZS )および(XH ,Y H ,ZH )を用
いて同様の効果を得るものであれば、色変換ルックアッ
プテーブル LUTSNや変換式の改訂は、特に制限的で
はなく、本出願人に係る特願平7−156555号明細
書に開示の色変換方法を用いてもよいし、従来公知の方
法を用いてもよい。
【0035】なお、上述した例では、色順応を排除した
状態でソフトコピー画像20の色をハードコピー画像1
2の色に一致させるように色補正して両者の見え色一致
を実現するものであったが本発明は、これに限定され
ず、逆にハードコピー画像の色をソフトコピー画像12
の色に一致させるように色補正して両者の見えの色一致
を行ってもよい。この場合には、CRT22の表示画面
21に表示されたパッチ20aのRGBデータから、例
えばCRT22に固有の色空間変換ルックアップテーブ
ル LUTSRや変換式を用いて刺激値データXYZに変
換し、このデータXYZからプリンタ30に固有の色変
換ルックアップテーブル LUTHNや変換式を用いてC
MY(K)データに色変換して、このCMY(K)デー
タを用いてプリンタ30からパッチ20aと同じ白色に
なるべき白色のパッチ12aを持つハードコピー画像1
2を出力すればよい。この後、色測定機28によって測
定されたパッチ12aの測色値(XH ,YH ,ZH )と
パッチ20aの測色値(XS ,YS ,ZS )とを用い
て、ハードコピー画像12の刺激値データ(X1
1 ,Z1 )に色補正を加えればよい。
【0036】さらに、ハードコピー画像12のパッチ1
2aとソフトコピー画像20のパッチ20aとに記録ま
たは表示すべき白色の刺激値データXYZが予め得られ
ている場合には、この刺激値データXYZから色変換ル
ックアップテーブルや変換式を用いてCMY(K)デー
タやRGBデータに変換し、これらのデータを用いてプ
リンタ30からハードコピー画像12を出力するととも
にCRT表示画面21にソフトコピー画像20を表示す
るようにしてもよい。また、CMY(K)データやRG
Bデータから刺激値データXYZへの変換やその逆変換
の方法は、上述したルックアップテーブルや変換式によ
るものに限定されず、3×3マトリックスを用いる方法
や1次元ルックアップテーブルを3本用いる方法やこれ
らを組み合わせて用いる方法などを含め公知の色変換方
法が採用可能である。
【0037】次に、上述した例は、ハードコピー画像1
2およびソフトコピー画像20のパッチとしてそれぞれ
同じ白色のパッチ12aおよび20aを用いるものであ
ったが、本発明はこれに限定されず、これらの白色のパ
ッチ12aおよび20aに加え、同じ黒色のパッチ12
bおよび20bを用いるものであってもよい。この場合
には、色測定機28によるパッチ12a,20aの測色
値(XH ,Y H ,ZH )および(XS ,YS ,ZS )の
他にパッチ12bおよび20bの測色値、(XHD
HD,ZHD)および(XSD,YSD,ZSD)が得られるの
で、ハードコピー画像12とソフトコピー画像20との
基準白色を合わせることができるのみならず、基準白色
から黒色までのダイナミックレンジをも合わせることが
できる。この場合、例えば補正されたソフトコピー画像
20の刺激値データ(X2 ,Y 2 ,Z2 )は、図5に刺
激値データXについてのグラフから明らかなように、下
記式によって与えられる。 X2 =(XH −XHD)(X1 −XSD)/(XS −XSD)+XHD2 =(YH −YHD)(Y1 −YSD)/(YS −YSD)+YHD2 =(ZH −ZHD)(Z1 −ZSD)/(ZS −ZSD)+ZHD ・・・(2)
【0038】また、本発明においては、ハードコピー画
像12およびソフトコピー画像20のパッチとして、白
色(12a,20a)および黒色(12b,20b)に
加え、さらに少なくとも1つの中間グレーを用いてもよ
い。この場合には、さらに、例えば中間グレーのパッチ
が2種の場合これらに対応する(XHG1 ,YHG1 ,Z
HG1 )と(XSG1 ,YSG1 ,ZSG1 )、および
(XHG2 ,YHG2 ,ZHG2 )と(XSG2 ,YSG2 ,Z
SG2 )が得られるので、基準白色、黒色およびそのダイ
ナミックレンジに加え、階調も合わせることが可能とな
る。この場合の補正されたソフトコピー画像20の刺激
値データ(X2 ,Y2 ,Z2 )は、刺激値データXのみ
図5に模式的に点線で示されている関係から明らかなよ
うに、白色と1番目(白色に近い)の中間グレーとの
間、1番目と2番目(黒色に近い)の中間グレーの間、
2番目の中間グレーと黒色との間でそれぞれ上記式
(2)と類似の関係式によって与えられる。例えば、白
色と1番目の中間グレーとの間では下記式によって表わ
される。他は同様であるので省略する。 X2 =(XH −XHG1 )(X1 −Xs )/(XS −XHG1 )+XH 2 =(YH −YHG1 )(Y1 −Ys )/(YS −YHG1 )+YH 2 =(ZH −ZHG1 )(Z1 −Zs )/(ZS −ZHG1 )+ZH ・・・(3)
【0039】さらに、本発明においては、ハードコピー
画像12およびソフトコピー画像20のパッチとして、
図示しないが、カラーパッチ、すなわち有彩色のパッチ
を用いてもよい。ところでカラーパッチを用いる場合に
は、白色、黒色、中間グレーのパッチを用いる場合のよ
うな線型関係が維持されないので、3×3マトリック
ス、3次元ルックアップテーブルや3次元補間などを使
って色測定機28による測色値(X,Y,Z)とを合わ
せ込むようにして、ソフトコピー画像20の補正刺激値
データ(X2 ,Y2 ,Z2 )を求めてもよい。なお、カ
ラーパッチは、上述した白色、黒色、少なくとも1種の
中間グレーとともに用いるのが良いが、本発明はこれに
限定されず、これらの無彩色の少なくとも1つとともに
用いても、単独で用いることも可能である。
【0040】ところで、本発明法に用いるパッチの色、
従って数は多くなるにつれて合わせ込むことのできる項
目、例えば基準白色、黒色(ダイナミックレンジ)、階
調、色度等が増え、ハードコピー画像とソフトコピー画
像との見えの色一致の精度も増えるが、パッチの色の色
測定機28による計測や演算処理が多くなり手間がかか
るようになり、簡便さが失われる。従って、本発明法の
適用におけるパッチの色の数は、用途に応じて適宜選択
すればよい。
【0041】ところで、ソフトコピー画像においては、
従来技術の5)で述べたように、外光のCRT22の表
示画面21上への反射による軟調化、すなわち黒が明る
くなり階調が、特にシャドウ部が寝てしまう現象があ
る。また、CRT22のソフトコピー画像20における
黒色の測色値は、上述した環境光の影響を受けるため、
白色と黒色との測色値XYZのダイナミックレンジは変
動し、ハードコピー画像12における白色と黒色との測
色値XYZのダイナミックレンジと整合性がとれなくな
る場合がある。すなわち、ハードコピー画像12とソフ
トコピー画像20とは、色を合わせ込むことは、例えば
測色値X,Y,Zから色度x,yあるいはL* * *
空間で色度a* * を求めて合わせ込むことにより可能
であるが、色を合わせると、明るさに関するファクタ
ー、例えば明度L* や輝度Yは一致しなくなることがあ
る。
【0042】従って、ハードコピー画像12およびソフ
トコピー画像20との測色値レベルでの一致と見えの色
一致とを一致させるには、明るさにおいてダイナミック
レンジを合わせ込み、階調を補正する必要がある。この
ため、本発明においては、図6に示すようにCRT22
に、外光や環境光に合わせて移動可能な可変フード44
をCRT22の表示画面21を覆うように設け、可変フ
ード44の移動により、CRT22の表示画面21上へ
の環境光の入射量を調整し、階調を調整するようにして
もよい。可変フード44の長さを調整することで、ハー
ドコピー画像12の観察環境に合わせて、環境光の影響
を調整し、ソフトコピー画像20の階調を硬調化させた
り、軟調化させたりすることにより、ハードコピー画像
12とソフトコピー画像20の階調やダイナミックレン
ジも含めて見えの色一致を図ることができる。
【0043】また、本発明においては、外光のCRT2
2の表示画面21上への反射による階調の軟調化の補正
を行う場合には、色味調整手段32による調整に加え、
刺激値XYZから色変換して得られる知覚均等空間L*
* * でのL* (明度)伸張(圧縮)ではなく、刺激
値XYZから求められる色度x(=X/(Y+Y+
Z))およびy(=Y/(X+Y+Z))で色を合わ
せ、輝度Yによって明るさを合わせる、いわゆるY伸縮
(伸張圧縮)で階調を合わせるのが好ましい。ところで
CIEXYZ表色系とCIEL* * * 表色系との間
の関係は、下記式の通りであり、L* は明度、a* とb
* は色度を表わす。 L* =116(Y/Y0 1/3 −16 a* =500{(X/X0 1/3 −(Y/Y0 1/3 } b* =200{(Y/Y0 1/3 −(Z/Z0 1/3
【0044】ここで、図7に示すように、明度L* につ
いて明度L2が明度L1に圧縮(または明度L1が明度
L2に伸張)されたとすると、直線LL* はL* 圧縮
(伸張)を表わす。このL* 圧縮(伸張)を上記式によ
って変換すると、曲線LYで表すことができ、曲線LY
はY圧縮(伸張)を表わすことがわかる。図7から明ら
かなように、Y圧縮(伸張)は、外光の影響で寝るシャ
ドウ部の階調を立てることになるので、人の目による観
察でハイライト部よりも目立つシャドウ部の階調を適正
にすることができる。
【0045】なお、色順応を排除して、ハードコピー画
像とソフトコピー画像との色の見え(カラーアピアラン
ス:Color Apearance )の一致するための色補正を行う
場合には、本発明の色一致のための色補正方法のみなら
ず、公知の色補正方法に対しても、上述した階調補正の
ためのY伸縮方法および色順応を防止するための背景の
黒基調化方法または高彩度有彩色化方法を適用すること
ができ、本発明法同様階調補正および色順応防止への効
果は大である。
【0046】以上、本発明の色補正方法について詳細に
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の変更お
よび改良を行ってもよいのはもちろんである。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来方法では、種々の理由から実際には色が合わないこ
とのある、ハードコピー画像とソフトコピー画像との色
一致を簡単にしかも精度良く、色補正することができ
る。また、本発明によれば、ハードコピー画像とソフト
コピー画像との色一致のための色補正を行う際に、人間
の目の色順応の効果をなくして行うことができ、色一致
の精度を上げることができる。さらに、本発明によれ
ば、上記両画像の色一致のための色補正を行う際に、階
調補正を適正に行うことができ、特にシャドウ部は、そ
の階調が不自然に立ったり寝たりすることがなく、また
つぶれたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る色補正方法を実施する色補正装
置の構成の一実施例の概略説明図である。
【図2】 (a)および(b)は、図1に示す色補正装
置に用いられるハードコピー画像およびソフトコピー画
像の一実施例の概略説明図である。
【図3】 図1に示す色補正装置のコンピュータの一実
施例のブロック図である。
【図4】 本発明に係る色補正方法の一例を説明するグ
ラフである。
【図5】 図1に示される色補正装置における本発明の
色補正方法の一例を説明するためのフローチャートであ
る。
【図6】 本発明に係る色補正装置のCRT表示装置の
一実施例の概略模式図である。
【図7】 本発明に係る色補正方法の別の一例を説明す
るグラフである。
【符号の説明】
10 色補正装置 12 ハードコピー画像 12a パッチ 14 ハードコピー 16 ハードコピー画像観察台 18 観察光源 20 ソフトコピー画像 20a パッチ 21 表示画面 22 CRT表示装置 24 コンピュータ 26 ソフトコピー画像観察台 28 色測定機 30 プリンタ 32 色味調整手段(GUI) 34 色空間変換部 36 色補正演算部 38 色変換部 40 CRT制御部 42 測色値算出部 44 可変フード

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己発光型記録媒体に出力されたソフトコ
    ピー画像と非自己発光型記録媒体に出力されたハードコ
    ピー画像との間の色の一致のために色補正を行うに際
    し、 前記ハードコピー画像として背景が黒または彩度的に無
    彩色から大きく離れた有彩色である少なくとも1個のパ
    ッチを出力するとともに、このハードコピー画像のパッ
    チの色と測色基準色空間において一致する値を持つ色の
    パッチを背景を無または彩度的に無彩色から大きく離れ
    た有彩色として同様に前記ソフトコピー画像として出力
    し、 出力されたハードコピー画像のパッチとソフトコピー画
    像のパッチとをそれぞれ独立に観察者の観察位置から同
    じ非接触型の測定機で計測し、 前記ハードコピー画像のパッチとソフトコピー画像のパ
    ッチとの計測値に基づいて前記ハードコピー画像および
    前記ソフトコピー画像の少なくとも一方の色補正を行う
    ことを特徴とする色補正方法。
  2. 【請求項2】前記少なくとも1個のパッチは、白色の1
    個のパッチである請求項1に記載の色補正方法。
  3. 【請求項3】前記少なくとも1個のパッチは、白色およ
    び黒色の2個のパッチである請求項1に記載の色補正方
    法。
  4. 【請求項4】前記少なくとも1個のパッチは、白色、黒
    色および少なくとも1つの中間グレーとの少なくとも3
    個のパッチである請求項1に記載の色補正方法。
  5. 【請求項5】前記少なくとも1個のパッチは、さらに少
    なくとも1個の有彩色のパッチを含む請求項1〜4のい
    ずれかに記載の色補正方法。
  6. 【請求項6】前記自己発光型記録媒体は、外光の反射に
    よる前記ソフトコピー画像の軟調化を抑制するための可
    動フードを有する請求項1〜5のいずれかに記載の色補
    正方法。
  7. 【請求項7】前記色補正は、前記自己発光型記録媒体の
    外光の反射による前記ソフトコピー画像の軟調化を抑制
    するために、前記測色基準色空間であるXYZ表色系に
    おいてY伸縮によって階調調整を行うものである請求項
    1〜6のいずれかに記載の色補正方法。
  8. 【請求項8】自己発光型記録媒体に出力されたソフトコ
    ピー画像と非自己発光型記録媒体に出力されたハードコ
    ピー画像との間の色の一致のために色補正を行うに際
    し、前記ソフトコピー画像および前記ハードコピー画像
    の背景を黒または彩度的に無彩色から大きく離れた有彩
    色にすることを特徴とする色補正方法。
  9. 【請求項9】自己発光型記録媒体に出力されたソフトコ
    ピー画像と非自己発光型記録媒体に出力されたハードコ
    ピー画像との間の色の一致のために色補正を行うに際
    し、前記自己発光型記録媒体の外光の反射による前記ソ
    フトコピー画像の軟調化を抑制するために、測色基準色
    空間としてのXYZ表色系においてY伸縮によって階調
    調整を行うことを特徴とする色補正方法。
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