JPH10173440A - 周波数シフトキー変調オシレータ - Google Patents

周波数シフトキー変調オシレータ

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JPH10173440A
JPH10173440A JP32442096A JP32442096A JPH10173440A JP H10173440 A JPH10173440 A JP H10173440A JP 32442096 A JP32442096 A JP 32442096A JP 32442096 A JP32442096 A JP 32442096A JP H10173440 A JPH10173440 A JP H10173440A
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JP
Japan
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signal
oscillator
transistor
circuit
impedance
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JP32442096A
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English (en)
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P Hill John
ピー.ヒル ジョン
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Lear Corp EEDS and Interiors
Original Assignee
Lear Corp EEDS and Interiors
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Publication date
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  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】既知の技術の限界を克服した周波数シフト・キ
ー変調発振回路を提供する。 【解決手段】 第1または第2発振周波数で選択的に発
振を行うシステムは、発振出力を供給する発振器によっ
て構成する。更に、このシステムは、電圧を有する選択
信号に応答して第1または第2インピーダンスを選択す
る切替素子によって構成する。第1及び第2インピーダ
ンスの各々は選択した信号電圧に依存せずに固定され、
その結果、上記発振出力は、上記第1インピーダンスを
供給した場合には、第1発振周波数で発振し、上記第2
インピーダンスを供給した場合には、第2発振周波数で
発振する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的に遠隔送信機
に関し、更に詳しくは、周波数変調平衡発振器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンパクトな無線周波数(RF)送信機
は、主として自動ガレージ・ドア・システム、電子音シ
ステム、テレビ、VCRsを離れた位置から制御するた
めの遠隔信号通信システムと関連して広く使用されてい
る。自動車産業では、コンパクトなRF送信機が、車両
に対するアクセスを離れた場所から制御するためのリモ
ート・キーレス・エントリ・システム並びに、例えば、
警報システムの特徴とトランクの開放を含むその他の車
両の機能を動作させるために、一般的に使用されてい
る。携帯用送信機は電池によって動作し、エネルギー効
率がよく、コンパクトな容器に収容できるのが、理想で
ある。
【0003】1つのコンパクトな公知の遠隔システムの
設計では、RF送信機はオンとオフに切り替わるパター
ンに従って符号化した所定の搬送周波数のRF信号を放
射する。この放射信号は、その後離れた位置にある受信
機によって受信される。受信すると、必要に応じ、この
信号を処理し、次にこの信号をシステムの機能または特
徴を制御する制御信号を与えるようになっている。
【0004】現在、多くのコンパクトな遠隔RF送信機
は、局所的な発振信号を供給するために、単一の発振器
の設計を使用している。図1に示すように、従来の送信
回路5は、一般的にコルピッツ発振器と呼ぶ単一の発振
回路を有するものとして図示している。送信回路5は局
所的な発振信号を発生し、これはアンテナ素子L1から
送信される。その簡便性により、回路5は車両の遠隔制
御キーレス・エントリ・システムの送信機に使用してい
る構成要素として選択されている。
【0005】より詳細に図1を参照すると、回路5のコ
ルピッツ発振器は、コルピッツ構成のトランジスタQ1
と入力共振タンク回路を有している。タンク回路は、一
般的に表面音波(「SAW」)素子2のような共振器と
一対の帰還コンデンサC1とC2を有する。更に、発振器
は、トランジスタQ1を適切に動作させるために、また
多数のバイアス抵抗を有している。送信回路5は、また
RF出力信号を放射するためのアンテナ素子として動作
するインダクタL1を有する。
【0006】構造上、トランジスタQ1は、ベース4
と、コレクタ6と、エミッタ8と、を有している。ベー
ス端子4は表面音波共振器2と結合し、コレクタ6はイ
ンダクタL1と結合し、一方エミッタ8は抵抗R3を介し
てアースされている。更に、帰還コンデンサC2はエミ
ッタ8とアースの間に結合し、従ってこれは抵抗R3
並列である。帰還コンデンサC1は、コレクタ6とエミ
ッタ8の間に結合されている。更に、第3コンデンサC
3をインダクタL1とアースの間に結合し、一定のDC電
圧を保持するための大容量を確保している。
【0007】回路5、更に詳しくは、L1とC3は、直流
(「DC」)電圧源に結合されていて、一般には6Vの
DCバイアス入力VINを受取る。送信回路5は、またR
F搬送信号を符号化するためにデータ入力信号VDATA
受信する。上記で詳細に説明したように、回路5は、イ
ンダクタL1を介して放射出力信号を発生する。これに
よって、共振タンク回路と組み合わせて増幅器として動
作するトランジスタQ1は、共振信号を発生し、これは
発振電流信号IとしてインダクタL1に供給される。イ
ンダクタL1に電流Iが流れることにより、放射出力信
号を電磁界として送信する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記で説明したコルピ
ッツ発振器は、リモート・キーレス・エントリ・システ
ムのRF信号送信の用途に十分適するものである。しか
し、このような発振器の設計では、電力出力の量が限定
される。更に、放射しているインダクタL1のインダク
タンスの値をより大きくするという代替案では、このよ
うな構成要素に固有の限界によって対応するように電力
の増加を達成することのできない場合がある。構成要素
の値を最適化することによって出力電力を向上させると
いう同様の試みによれば、これによって発生するマッチ
ングロスのため無駄であることがわかっている。更に、
トランジスタQ1に於いてレール対レール(rail−
to−rail)電圧をスイングさせると、この回路を
介して流れる電流の量を制限してしまう傾向があり、こ
れによって、所定の送信回路によって実現される使用可
能な電力出力が小さくなる。
【0009】コルピッツ発振器を使用するコンパクトな
遠隔送信機では使用可能な電力が限定されている結果、
コンパクトな遠隔送信機にこの発振器を適用する場合
に、他の問題が発生する。一般的に、コンパクトな遠隔
送信機は、把持して一般的にシステムの受信機の方向に
向けられる。これによって、使用者の手によって寄生イ
ンピーダンスが発生する。この付加的なインピーダンス
によって、受信機に向かって送信されるエネルギーの量
が減少する。伝統的なコルピッツ発振器で使用可能な電
力が限定的なものとなっていることに鑑みれば、これは
特に重要な問題である。
【0010】更に、現在のコンパクトな遠隔送信機は、
周波数シフト・キー(「FSK」)変調スキームを使用
している。これらの設計を実現する場合には、PINま
たは可変容量ダイオードのような高価な構成部品が含ま
れることになる。これらの回路では、PINまたは可変
容量ダイオードは、加えた制御電圧の変化に応答して容
量を変化させる。不都合なことに、この制御電圧はバッ
テリ供給電圧の寿命と共に変化する。従って、FSK発
振器の中心周波数は、ドリフトすることになる。この周
波数のドリフト現象は、コンパクトな遠隔送信機の設計
の長期間にわたる使用の際には極めて好ましくない。
【0011】これらの問題に鑑みて、ドリフトする傾向
のない予測可能な中心周波数を有する周波数シフト・キ
ー変調発振回路が必要とされている。更に、よりコスト
効率のよい周波数シフト・キー変調発振回路が必要とさ
れている。更に、産業界は、電源から取出すエネルギー
がより少なく、従って寿命のより長い周波数シフト・キ
ー変調発振回路を必要としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の利点は、
既知の技術の限界を克服することである。
【0013】本発明の他の利点は、周波数のドリフトの
発生する傾向のない予測可能な中心周波数を有する周波
数シフト・キー変調発振回路を提供することである。
【0014】本発明の他の利点は、よりコスト効率のよ
い周波数シフト・キー変調発振回路を提供することであ
る。
【0015】本発明の更に他の利点は、電源からより少
ないエネルギーを消費し、従って長い寿命を有する周波
数シフト・キー変調発振回路を提供することである。
【0016】本発明の上記の利点を達成するため、第1
または第2発振周波数で選択的に発振を行うシステムを
開示する。このシステムは、発振出力を供給する発振器
を有している。更にこのシステムは、電圧を有する選択
信号に応答して第1または第2インピーダンスを選択す
る切替素子を有している。上記第1と第2インピーダン
スの各々は選択した信号電圧に依存せずに固定され、そ
の結果、上記発振出力は、上記第1インピーダンスが与
えられた場合には、第1発振周波数で発振し、上記第2
インピーダンスが与えられた場合には、第2発振周波数
で発振するようになっている。
【0017】これら及びその他の利点と目的は、添付の
請求項及び以下の詳細な説明に添付した図面と、この詳
細な説明から当業者に明らかにすることができる。
【0018】本開示の図は、スケールどうりのものでは
なく、単に概略を表示するものであり、また、本発明の
特定のパラメータまたは構造上の細部を図示することを
意図するものではなく、これらはここに示す情報を用い
て検討する当業者が随意に決定することのできるもので
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、添付の図面を参照しつ
つ、以下の非限定的な実施例の説明により、よりよく理
解することができる。
【0020】図2には、本発明の第1実施例として平衡
発振器と送信機のシステム10を示す。システム10
は、共振周波数を有する基準信号を発生する共振器18
を有している。共振器18は、表面音波(「SAW」)
素子を有しているのが好ましく、この共振周波数は無線
周波数(「RF」)スペクトル内であるのが好ましい。
しかし、例えば、バルク音波(「BAW」)素子のよう
な他の構成要素を使用して、共振器の機能上の目的を実
現することができることは、当業者にとって明らかであ
る。
【0021】システム10は、第1及び第2発振器12
と15を有しており、これらの発振器の各々は共振器1
8の共振周波数に応答して発振出力を発生する。第1発
振器12は、共振器18によって供給される基準信号に
対応する入力を増幅する増幅器14と、この増幅器14
に結合され、この増幅器14の出力に応答して発振信号
を発生する共振回路13と、を有している。同様に、第
2発振器15は、共振器18によって供給される基準信
号に対応する入力を増幅する増幅器16と、この増幅器
16に結合され、この増幅器16の出力に応答して発振
信号を発生する共振回路17と、を有している。
【0022】これらの発振器はいずれも同一の機能を有
する構成要素によって構成するのが好ましいが、本発明
の利点を尚達成するには、これとは別の発振器の設計で
もよいことは当業者にとって明らかである。バランスの
取れた設計を行うため両発振器12と15の出力は互い
に位相が180°ずれており、その大きさは略等しくさ
れている。
【0023】システム10は、1つの周波数を有する出
力信号を放射するアンテナ11をさらに有している。ア
ンテナ11の出力信号は、第1及び第2発振出力の両者
を重畳させたものに対応している。出力信号と第1及び
第2発振信号の間の関係は、システム10の出力特性を
正しく認識することによって最もよく理解することがで
きる。出力インピーダンスを有する場合には、システム
10には、電圧分割器のモデルを使用することができ
る。この例を使用すると、第1及び第2発振器の出力
は、いずれも分割器に対する入力を表している。このモ
デルは、各発振器がアースされている場合のインピーダ
ンスと関連する第1インピーダンス並びにこの第1イン
ピーダンスと並列の第2インピーダンスを有している。
第2インピーダンスは、システム10の出力インピーダ
ンスのモデルである。この電圧分割器のモデルによれ
ば、アンテナ11の発生する出力信号は第1インピーダ
ンスの両端部での電圧低下を表す。従って、そのバラン
スした特性に鑑みて、システム10のアンテナ11の送
信した出力信号は、その振幅のみが発振出力の合計と異
なり、電流は同一である。それにも関わらずこの出力信
号は、当業者にとって明かなように、例えば、周波数ま
たは位相並びにこれらの組み合わせに於いて重畳された
発振出力から意図的に識別することができる。
【0024】アンテナ11は、直流(「DC」)の中心
点を有するインダクタを有することが好ましい。このD
Cの中心点によって、インダクタを第1と第2の等価な
インダクタに分割する。更に、アンテナ11は、交流
(「AC」)のバランスの取れた発振点を有しており、
この発振点は第1及び第2発振器12と15の発振出力
のAC電圧の大きさがいずれも実質的にゼロになるアン
テナ11に沿った場所である。ACとDCの中心点の両
方によって、「バランスの取れた」発振器が実現でき
る。
【0025】このバランスの取れた発振器の設計では、
従来のバランスさせた発信器設計の用に共振回路13と
17は厳しい許容誤差を必要としない。この利点は、D
Cの中心点とACの中心点並びにバランスの取れた回路
自身によって達成される。更に、アンテナ11は単一の
1次周波数で両方の発振器の出力を送信するのが好まし
いので、共振回路13と17に関連する許容誤差は、シ
ステム10の動作全体にとって其れほど厳密ではない。
【0026】本発明の他の実施例では、アンテナ11
は、中心にタップを有する変圧器の一次巻線を有してお
り、この変圧器は第1及び第2発振器12と15の両方
の発振出力を2次巻線に伝達するものである。この構成
によって、2次巻線は、これらの発振出力を放射するこ
とによってアンテナ自身として動作することができる。
しかし、このアプローチは低周波の動作に対して好まし
い。他の周波数に於ける動作をサポートするためには、
発振出力を放射するためのフイルタとマッチング回路と
を組合わせて出力インダクタ等に使用しなければならな
い。
【0027】図3を参照して、これは図2の平衡発振器
と送信機のシステムを実現した回路20を示す。平衡発
振器及び送信機の回路20は、第1及び第2疑似コルピ
ッツ発振器を有している。いずれの疑似コルピッツ発振
器も互いに対して平衡し、電力出力を効率化するため、
共通のタンク回路と発振電流信号Iを共有している。こ
こで説明する回路20は、特に自動車用のリモート・キ
ーレス・エントリ・システムに適用することのできるも
のである。しかし、当業者は明らかに他の用途も考える
ことができる。
【0028】更に詳細に説明すれば、回路20は、平衡
発振器を有しており、この構成は局所的発振信号を発生
するための2つの疑似コルピッツ発振回路を有してい
る。この発振回路は第1トランジスタQ2と第2トラン
ジスタQ3を有し、これらのトランジスタは各々その間
に位置する共振素子22と結合している。共振素子22
は発振電流信号Iを発生し、安定させるための直列共振
入力タンクとして動作する。これによって、共振RF搬
送周波数が得られる。
【0029】第1及び第2トランジスタQ2とQ3は、各
々バイポーラ接合トランジスタ(「BJT」)を有して
いるのが好ましい。しかし、これとは別にヘテロ接合バ
イポーラ・トランジスタ(「HBT」)も、当業者にと
って明らかであろう。この実施例によれば、トランジス
タQ2とQ3は、各々MMBTH10型のバイポーラ・ト
ランジスタが用いられている。
【0030】トランジスタQ2とQ3は、各々増幅段とし
て動作し、定常状態の動作のための単一のループ利得を
提供する。第1トランジスタQ2は、それぞれ、ベー
ス、コレクタ及びエミッタ30、32、34を有してい
る。同様に、第2トランジスタQ3は、それぞれ、ベー
ス、コレクタ、エミッタ36、38、40を有してい
る。トランジスタQ2とQ3は、各々チューニングしたL
C回路と正帰還を有する疑似コルピッツ発振器として構
成されている。他の種々のトランジスタ及び発振器構成
によって、上記の構成を置き換えても、同じ機能上の目
的を達成することができることを、当業者は理解できよ
う。
【0031】共振素子22は、トランジスタQ2とQ3
ベース端子30と36の間にそれぞれ共振器出力線42
と44を介して結合されている。共振器22は、圧電基
板上に形成した金属フィンガのアレイを有するものとし
て図示している。共振器22は、搬送信号の発振を安定
させるように動作するのが有利である。共振素子22
は、直列共振入力タンク回路の表面音波(「SAW」)
素子を有するのが好ましいが、他の実施例によれば、S
AW共振器22は、RFモノリシック社(RF Monolithic
s, Incorporated)の製造販売しているRO2073 S
AW共振器とされている。
【0032】回路20は、さらに一対の出力タンク回路
を有している。各出力タンク回路はコンデンサとインダ
クタと、を有し、第1入力タンクは第1インダクタL2
を有していて、第2入力タンクは第2インダクタL3
有している。インダクタL2とL3は、各々アンテナ放射
素子として動作し、共有している発振電流信号Iに応答
して出力信号を放射する。第1インダクタL2はトラン
ジスタQ2のコレクタ端子32とノード28の間に結合
され、一方第2インダクタL3はトランジスタQ3のコレ
クタ端子38とノード28の間に結合されている。従っ
て、インダクタL2とL3は、ノード28に於いて共に直
列に結合される。電圧入力源24をインダクタL2とL3
の間でノード28に結合されており、DC電圧入力VIN
がこれに印加されるようになっている。本発明の1実施
例によれば、電圧入力信号VINは、+3ボルトのDC信
号である。インダクタL2とL3の間に+3ボルトを印加
することによってトランジスタQ2とQ3をバイアスし、
必要な利得が実現できる。インダクタL2とL3は、各々
アンテナとして動作し、所定の搬送周波数を有する発振
信号を有した電磁界を送信及び放射する。
【0033】回路20は、それぞれの抵抗R6とR7を介
して両方の共振器の出力線42と44に結合されたデー
タ入力26を有している。データ入力26はオン/オフ
・データ入力信号VDATAを受信し、この信号はSAW共
振器22の両側に印加される。共振器の出力線42と4
4の各々は、それぞれの抵抗R5とR8を介してまたアー
スに結合する。データ入力信号VDATAは変調スキームに
よって搬送信号を符号化し、この搬送信号に情報を与え
る。好適な変調フォーマットは周波数シフト・キー
(「FSK」)であるが、当業者によればパルス幅変調
(「PWM」)と振幅変調(「AM」)を含む他のスキ
ームによって上記のスキームを容易に代替することがで
きる。搬送信号上に与えた情報によってドア・ロック作
動機構並びに回路20のオン/オフ動作のような種々の
システム動作の制御及び/または始動を行うことができ
る。データ入力信号VDATAの印加は、例えば、プッ
シュ・ボタン・パッド、スイッチまたはその他のパルス
によって動作する素子のような動作機構を介して手動制
御によって開始させることができる。
【0034】SAW共振器22によって入力タンク回路
が提供され、この回路は疑似コルピッツの対によって共
有されている。インダクタL2は、コンデンサC4とC5
とを組み合わせて、第1出力タンク回路となっている。
同様に、インダクタL3は、コンデンサC6とC7と組み
合わせて、第2出力タンク回路を形成する。直列共振入
力タンクは共振信号の発振を安定させるが、これらの出
力タンクはRF出力信号の放射を行う。コンデンサC4
とC5は、また電圧分割器のネットワーク並びにトラン
ジスタQ2に対する正帰還経路を形成する。同様に、コ
ンデンサC6とC7は、電圧分割器とトランジスタQ3
対する正帰還経路を形成する。エネルギーはコンデンサ
4乃至C7とインダクタL2とL3に効率的に貯えられ、
さもなければトランジスタQ2とQ3の各サイクルに対し
て新たに要求されるエネルギーの量を削減することによ
って放射効率を向上させる。
【0035】図4を参照すると、回路20は、代替例と
して第1及び第2インダクタL2とL3の代わりに中心に
タップを有する変圧器46を含むように構成することも
できる。この目的のため、中心にタップを有する変圧器
46は、第1一次巻線部分48aと第2一次巻線部分4
8bと、を有する一次巻線を有している。一次巻線部分
48aと48bは実質的に等しい寸法であるのが好まし
い。電圧入力源24をこれらの一次巻線部分48aと4
8bの間に位置する中心タップ49に結合され、これに
対してDC電圧入力VINが供給される。
【0036】中心にタップを有する変圧器46は、一次
巻線部分48aと48bの近傍に位置する二次巻線50
を更に有している。この変圧器46は、一次巻線部分4
8aと二次巻線50の間に第1の磁気的結合を形成し、
一次巻線部分48bと二次巻線50の間に第2の磁気的
結合を形成する。この二次巻線50は、次に両端部でフ
イルタ及びマッチング・ネットワーク52に結合してい
る。このフイルタ及びマッチング・ネットワーク52か
ら延びる一対の出力線は放射インダクタL4に結合し、
出力電磁界をこれから放射する。
【0037】図4の別実施例によれば、中心にタップを
有する変圧器46の第1及び第2一次巻線部分48aと
48bは、各々これを介して転送された発振電流信号I
に応答して電磁界を発生する。一次巻線部分48aと4
8bの各々から供給された電磁界が伝達されて、中心に
タップを有する変圧器46の二次巻線50に誘導電流が
発生する。二次巻線52に誘起された信号は、互いに重
畳される。この重畳された信号は次にフィルタされて好
ましくないノイズを除去し、フイルタ及びマッチング・
ネットワーク52を介してインピーダンスマッチングが
行われる。このフィルタされたインピーダンスをマッチ
ングさせた信号は次に放射インダクタL4を通過し、単
一の放射出力信号を転送する。中心にタップを有する変
圧器46を使用することによって、偶数次の高調波を効
果的にに分離し、この単一の放射出力信号の転送制御の
向上を一般的によりよく達成することができる。
【0038】SAW共振器22は、他の同等の直列共振
周波数安定素子によっても実施することのできる直列共
振入力タンク回路である。SAW共振器22に対する代
替例として、この直列共振タンク回路は、所望の安定し
た信号の発振を達成することができれば、バルク音波
(「BAW」)素子、水晶素子、マイクロストリップま
たはいずれかの他の直列共振構造または素子であっても
よい。
【0039】図5を特に参照して、ここでは、直列共振
タンク回路60は、図2〜図4のSAW共振器22の代
替例を示す。ここで、この直列共振タンク回路60は、
抵抗RMと、コンデンサCMと、インダクタLMと、を有
している。これらの構成要素の各々は直列に結合して直
列共振タンク回路60を形成する。このタンク回路60
の共振周波数は、一般的にインダクタLMとコンデンサ
Mの寸法によって決まる。
【0040】動作上、回路20は電圧入力源24を介し
てDC入力電圧信号VINを受信する。データ入力VDATA
は、またデータ入力26を介して受信され、搬送信号を
所定の変調スキームによって符号化する。最初、回路2
0は共振信号を形成し、この信号によって、既知の周波
数の発振を有する定常状態のエネルギー・レベルを起動
して形成する。これによって、トランジスタQ2とQ3
ノイズまたはその他の誘起された信号に応答してコレク
タ端子38とエミッタ端子40の間を循環し、定常状態
に達するまで循環が行われる。
【0041】始動の間、各増幅段で1を超える利得が与
えられる。定常状態において、各増幅段の利得は全ての
エネルギー・ロスを補償するためにほぼ1に等しいかこ
れよりも若干大きくされている。SAW共振器22を有
する直列共振タンク回路は、回路20内の信号発振の安
定性を保持しこれを保証する。次に発振信号はアンテナ
放射素子、インダクタL2とL3を介して流れる電流信号
Iによって示す。更に、コンデンサC4とC5及びコンデ
ンサC6とC7を介して設けた帰還経路によって位相遅れ
を形成し、これによってループ時間を調整して所望の周
波数を実現する。
【0042】図6には、本発明の第1実施例によって達
成される電圧波形をグラフによって示したものである。
ここで、図2の回路20のインダクタL2とL3は、各々
別の電磁界により別の信号を放射するが、これらの電磁
界はいずれも共有されている発振電圧信号Iに応じた同
一の搬送周波数を有している。インダクタL2とL3から
のこれらの放射出力信号と、重畳された放射出力を図6
の波形66によって示す。インダクタL2から転送した
第1放射出力信号を電圧波形62として示し、一方イン
ダクタL3から転送した第2放射出力信号を電圧波形6
4として示す。電圧波形62と64は、等しい振幅と互
いに約180度の位相シフトしているという特徴があ
る。放出した放射信号62と64は、アース電圧28に
対して測定し、従って上述した180度の位相シフトを
示している。波形62と64はいずれもノード28に対
して測定するので、共有電流信号Iに対して両波形62
と64が重畳される結果、単一の放射出力信号66を表
す電圧波形が得られる。従って、出力信号66は、本発
明の一対の均衡発振器及び出力タンクを使用して達成す
ることができる。
【0043】1つの実施例に於ける単一の放射出力信号
66は、約315MHzの周波数を有している。更に、
第1及び第2出力タンクの両インダクタL2とL3から
の出力はバランスの取れた信号であり、ノード28に対
して対称である。また、これらの信号は+3ボルトDC
に設定するのが好ましい。これと対比して本発明の代替
実施例の1つの中心にタップを有する変圧器46によっ
て形成した別個の放射信号は、重畳され次に転送する前
にフィルタされ、インピーダンスマッチングを行うこと
ができる。
【0044】図7を参照して、これはバッファした平衡
発振器及び送信システム70を示す。システム70は、
共振周波数を有する基準信号を発生する共振器72を有
する。共振器72は表面音波(「SAW」)素子を有す
るのが好ましく、共振周波数は無線周波数(「RF」)
のスペクトル内にあるのが好ましい。しかし、また、例
えば、バルク音波(「BAW」)素子を使用して共振器
の機能上の目的を実現することができることも当業者に
とって明らかであろう。
【0045】システム70は第1及び第2発振器74と
76を更に有し、これらの各々は、共振器72の共振周
波数に応答して発振出力を発生する。第1発振器74は
共振器72の発生した基準信号に対応する入力を増幅す
る増幅器78と、増幅器78に結合され、この増幅器7
8の出力に応答して発振信号を発生する共振回路80
と、を有している。同様に、第2発振器76は共振器7
2の発生した基準信号に対応する入力を増幅する増幅器
82と、増幅器82に結合されこの増幅器82の出力に
応答して発振信号を発生する共振回路84と、を有して
いる。両発振器は同一の機能を有する構成要素を有する
ことが好ましいが、本発明の利点を尚達成しながら、こ
れに代替する発振器の設計を実現することができること
は当業者にとって明らかであろう。バランスの取れた設
計を行うため、両発振器74と76の出力は相互に位相
が180度ずれているが、尚大きさは等しくされてい
る。
【0046】動作中コンパクトな遠隔RF送信機を手で
保持または覆っているユーザの手によって発生するよう
な寄生インピーダンスの影響を実質的に最小にする手段
として、システム70はまた第1及び第2バッファ86
と88を有している。第1及び第2バッファ86と88
は、共振回路80と84をそれぞれアンテナ100から
機能的に絶縁する。この目的のため、第1バッファ86
は共振回路93と結合したバッファ増幅器90を有し、
一方第2バッファ増幅器88は共振回路93と結合した
バッファ増幅器96を有している。共振回路93は、直
列または並列のチューニングした共振タンクと放射素子
100を有している。この構成により、発振器74と、
76と、によって形成した両方の経路に沿ったアンテナ
100のDCの中心点から見た場合のシステム70の出
力インピーダンスは実質的に低下し、電流は増加する。
電流の利得によってインピーダンスが低下し電流が増加
する結果、アンテナ100によって放射される出力信号
が得られ、この出力信号は第1及び第2発振信号のより
大きい割合を有している。出力信号が第1及び第2発振
信号のより大きいパーセンテージを有しているので、よ
り強力な出力信号が得られ、より強力な送信機が実現さ
れる。
【0047】更に、システム70は、単一の周波数を有
する出力信号を放射するアンテナ100を有している。
アンテナ100の出力信号は両第1及び第2発振出力の
重畳したものに相当する。出力信号と第1及び第2発振
信号の間の関係は、システム70の出力特性を正しく認
識することによって最もよく理解することができる。出
力インピーダンスを構成する場合、システム70は電圧
分割器のモデルを使用することができる。このような例
示を使用する場合、両第1及び第2発振器の出力は分割
器に対する入力を表す。このモデルは、各発振器をアー
スしたと見なした場合のインピーダンスと関連する第1
インピーダンス並びにこの第1インピーダンスと直列の
第2インピーダンスを有している。第2インピーダンス
は、システム70の出力インピーダンスのモデルであ
る。この電圧分割器のモデルによるとアンテナ100の
発生する出力信号は第1インピーダンスの両端での電圧
降下を表す。従って、そのバランスの取れた特性を考慮
するとシステム70のアンテナ100によって送信した
出力信号は、振幅のみが重畳されて発振出力とは異なっ
ている。それにも関わらず、当業者にとって明らかなよ
うに、この出力信号は、例えば、周波数または位相並び
にこれらの組み合わせに於いて重畳された発振出力から
意図的に識別することができることがわかる。
【0048】アンテナ100は、直流(「DC」)の中
心点を有する共振回路の一部としてのインダクタを有す
ることが好ましい。このDCの中心点によって、上記の
インダクタを等価な第1及び第2インダクタに分割して
いる。この中心点から、各発振器を介してアースに高い
インピーダンスが発生する。更に、アンテナ100は、
交流(「AC」)がバランスする発振点を有しており、
これによって第1及び第2発振器74と76と、による
の発振出力の大きさがいずれも実質的にゼロになる位置
がアンテナ100に沿って設けられる。このAC及びD
Cの両中心点によって、「バランスの取れた」発振器が
実現できる。
【0049】このバランスの取れた発振器を設計する場
合には、発振回路80、84、93に対して厳しい許容
誤差は要求されない。この利点は、DC及びACの中心
点並びにバランスの取れた回路自身によって達成され
る。更に、アンテナ100は単一の一次周波数で両発振
器の出力を送信するのが好ましいので、共振回路80、
84、93の許容誤差はシステム70の動作全体にとっ
てよさほど重要ではない。
【0050】本発明の他の実施例では、アンテナ100
は中心にタップを有するトランスの一次巻線を有し、こ
の一次巻線によって両第1及び第2発振器74と76の
発振出力を第2次巻線に転送する。この構成によって、
第2次巻線はそれ自身が発振出力を放射することができ
る。これとは別の実施例では、発振出力を放射する目的
のため、フィルタとマッチング回路と組合わせて出力イ
ンダクタ等を使用することができる。
【0051】本発明の更に他の実施例では、第1及び第
2発振出力信号の各々の出力範囲を増加するための素子
を用いることもできる。上述の電圧分割器のモデルを使
用すると、この素子は更に且つより直接的に出力電力を
増加し、システム70の上記で定義した寄生インピーダ
ンスに対する影響を低下させる。その他のインピーダン
スを使用することもできるが、この素子はコンデンサを
有することが好ましく、これによって増幅器78と82
による、より大きい量の電圧の範囲をバッファ増幅器9
0と96にそれぞれ加える。
【0052】図8には、図7のバッファした平衡発振器
及び送信機システムを実現した回路110を示す。この
バッファした平衡発振器及び送信機回路110は、第1
及び第2疑似コルピッツ発振器を有している。両疑似コ
ルピッツ発振器は相互にバランスし、タンク回路と発振
電流信号Iを共有することによって電力出力の効率を向
上させている。ここで説明する回路110は、特に自動
車用のリモート・キーレス・エントリ・システムに適用
することのできるものである。しかし、当業者は明らか
に他の用途も考えることもできることは明らかである。
【0053】更に詳細に説明すれば、回路110は平衡
発振器を有し、さらにこれは局部的な発振信号を発生す
る2つの疑似コルピッツ発振回路を有している。この発
振回路は、第1トランジスタQ4と第2トランジスタQ5
を有し、これらの各々はその間に位置する共振素子11
2に結合されている。共振素子112は、発振電流信号
Iを発生して安定させる直列共振入力タンクとして動作
する。これによって、共振RF搬送周波数を得ることが
できる。
【0054】第1及び第2トランジスタQ4とQ5は、各
々バイポーラ接合トランジスタ(「BJT」)によって
構成するのが好ましい。しかし、ヘテロ接合バイポーラ
・トランジスタ(「HBT」)のような代替例も当業者
にとって明らかである。この実施例によれば、トランジ
スタQ4とQ5は、各々MMBTH10型バイポーラ・ト
ランジスタである。
【0055】トランジスタQ4とQ5は、各々増幅段とし
て動作し、定常状態の動作に対して単一のループ利得を
与える。第1トランジスタQ4は、ベース、コレクタ、
エミッタ120、122、124を有している。同様
に、第2トランジスタQ5は、ベース、コレクタ、エミ
ッタ126、128、130を有している。トランジス
タQ4とQ5は、各々チューニングしたLC回路と正帰還
とを有する疑似コルピッツ発振器として構成されてい
る。しかし、当業者は上記の構成を種々の他のトランジ
スタによる発振器の構成と代替しても同一の機能上の目
的を達成することができることを理解できよう。
【0056】共振素子112は、出力線132と134
を介してトランジスタQ4とQ5のベース端子120と1
26の間にそれぞれ結合されている。共振器112は、
圧電基板上に形成した金属のフィンガのアレイを有する
ものとして図示している。共振器112は、搬送信号の
発振を安定するように動作する効果を有する。共振素子
112は、直列共振入力タンク回路の表面音波(「SA
W」)素子を有することが好ましい。しかし、この実施
例では、SAW共振器112としては、RFモノリシッ
ク社の製造販売しているRO2073SAW共振器を用
いている。
【0057】回路110は、一対の出力タンク回路によ
って更に有し、これらの回路はトランジスタQ4とQ5
組み合わされて第1及び第2発振器を形成している。各
出力タンク回路はコンデンサとインダクタを有し、第1
入力タンクは第1インダクタL5を有しているととも
に、第2入力タンクは第2インダクタL6を有してい
る。第1インダクタL5はトランジスタQ2のコレクタ端
子122とノード118の間に結合し、一方第2イダク
タL6はトランジスタQ5のコレクタ端子128とノード
118の間に結合している。従って、インダクタL5
6は互いにノード118と直列に結合する。電圧入力
源114はインダクタL5とL6の間でノード118と結
合し、これに対してDC電圧入力VINを印加する。本発
明の1つの例によれば電圧入力信号VINは、+3ボル
トDC信号である。インダクタL5とL6の間に+3ボル
トを印加することによってトランジスタQ4とQ5をバイ
アスし、必要な利得を実現する。
【0058】更に、回路110は、それぞれの抵抗R12
とR13を介して両共振器出力線132と134に結合さ
れたデータ入力116を有している。データ入力116
は、SAW共振器112の両側に印加されたオン/オフ
・データ入力信号VDATAを受信する。共振器の出力線1
32と134の各々は、各抵抗R11とR14を介してまた
アースに結合されている。データ入力信号VDATAは搬送
信号を変調スキームによって符号化し、この搬送信号に
情報を与える。好適な変調フォーマットは周波数シフト
・キー(「FSK」)であるが、当業者はパルス幅変調
(「PWM」)及び振幅変調(「AM」)を含む他のス
キームによってこれを容易に代替することができる。搬
送信号に与えた情報によって、ドア・ロック作動機構並
びに回路110のオン/オフ動作のような種々のシステ
ムの動作を制御及び/または始動することができる。デ
ータ入力信号VDATAの印加は、例えば、プッシュ・ボタ
ン・パッド、スイッチまたはその他のパルスによって動
作する素子のような動作機構を介して手動制御によって
開始することができる。
【0059】SAW共振器112によって入力タンク回
路が提供され、この回路は平衡発振器の対を共有する。
インダクタL5は、コンデンサC8とC9と組み合わせ
て、第1出力タンク回路を与えている。同様に、インダ
クタL6は、コンデンサC10とC11と組み合わせて、第
2出力タンク回路を形成している。直列共振入力タンク
は共振信号の発振を安定させるが、これらの出力タンク
はRF出力信号の放射を行う。コンデンサC8とC9は、
また電分割器のネットワーク並びにトランジスタQ4
対する正帰還経路を形成する。同様に、コンデンサC10
とC11は、電圧分割器とトランジスタQ5に対する正帰
還経路を形成する。エネルギーはコンデンサC8乃至C
11とインダクタL5とL6に効率的に貯えられ、アンテナ
によるエネルギーの放射効率を向上させ、さもなければ
トランジスタQ4とQ5の各サイクルに対して新たに要求
されるエネルギーの量を削減する。
【0060】図7のアンテナ100は、この実施例では
所定の搬送周波数を有するバッファした発振信号を示す
電磁界を転送及び放射するインダクタL7によって実現
される。この実施例では、インダクタL7は共に直列に
接続した2つのインダクタによって更に構成することが
でき、これらのインダクタは共通のDC電源を有する中
心点、及び共通のDC電源を有さずアースされた両イン
ダクタの間でこれらの近傍に位置する抵抗によって構成
された中心点を有している。
【0061】回路110は、寄生インピーダンスの影響
を実質的に最小にする手段をまた提供する。本発明その
特徴を実現するため、図7で第1及び第2バッファ86
と88として示すように、回路110は第3トランジス
タQ6と第4トランジスタQ7を更に有している。第3及
び第4トランジスタQ6とQ7とは、いずれもバイポーラ
接合トランジスタによって構成するのが好ましい。しか
し、これとは別にヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ
(「HBT」)も利用可能であり、このことは当業者に
とって明らかである。この実施例によれば、トランジス
タQ6とQ7は、各々MMBTH10型バイポーラ・トラ
ンジスタである。
【0062】トランジスタQ6とQ7は、各々これらのそ
れぞれの疑似コルピッツ発振器により発生した第1及び
第2発振出力信号をバッファするためのバッファとして
動作する。トランジスタQ6は第1補助タンク及びトラ
ンジスタQ4を伴った出力共振タンクの両方に結合さ
れ、一方トランジスタQ7は第2補助タンク及びトラン
ジスタQ5を伴った出力共振タンクの両方に結合されて
いる。図7で共振回路93として参照する第1及び第2
補助共振タンクは、回路110の出力インピーダンスを
機能的に低減させる。これによって、アンテナL7によ
って最終的に放射された出力信号は、第1及び第2出力
信号の割合が増大される。
【0063】トランジスタQ6はベース、コレクタ、エ
ミッタ136、138、140を有しており、一方トラ
ンジスタQ7はベース、コレクタ、エミッタ142、1
44、146を有している。トランジスタQ6のベース
136はコンデンサC8とCの間に於いてトランジス
タQのエミッタ124が抵抗R10と結合されているノ
ードに結合され、一方コレクタ138はノード118と
結合する。更に、エミッタ140は第1補助共振タンク
に結合する。第1補助共振タンクは、いずれもアースさ
れたコンデンサC12と抵抗R16及び第2補助共振タンク
と結合したインダクタL7の第1端子を有している。同
様に、トランジスタQ7のベース142はコンデンサC
10とC11の間に於いてトランジスタQ5のエミッタ13
0が抵抗R15とまた結合されているノードに結合し、一
方コレクタ144はノード118に結合している。更
に、エミッタ146は、第2補助共振タンクに結合す
る。第2補助共振タンクは、いずれもアースされたコン
デンサC13と抵抗R17及び第1補助共振タンクと結合し
た第2端子のインダクタL7を有している。同一の機能
上の目的を達成するため、種々のその他のトランジスタ
によるバッファ構成によって上記の構成を代替すること
ができることを当業者は理解できよう。
【0064】図9には、図7のバッファした平衡発振器
及び送信機システムを実現した第2の回路を示す。図8
の回路150は、代替例として第1及び第2疑似コルピ
ッツ発振器の発振出力の各々の出力範囲を増加させる素
子を含むように構成されていても良い。この素子はそれ
ぞれ第1及び第2疑似コルピッツ発振器用の第1及び第
2電圧分割器回路を有していることが好ましい。
【0065】更に詳細に説明すると、トランジスタQ4
とQ5は、各々トランジスタQ6とQ7に電圧分割器回路
を形成する第1及び第2変形共振回路によってそれぞれ
結合される。トランジスタQ4についてはコレクタ12
2をコンデンサC8と結合し、一方エミッタ124はコ
ンデンサC9とC14並びに抵抗R10と結合する。更に、
コンデンサC8は、コンデンサC14とトランジスタQ6
入力ノードに於いて結合する。同様に、トランジスタQ
5のコレクタ128は、コンデンサC10と結合する。エ
ミッタ130は、コンデンサC11とC15及び抵抗R15
結合する。コンデンサC10は、コンデンサC15とトラン
ジスタQ7の入力ノードに於いて結合する。トランジス
タQ6とQ7のベース136と142には、トランジスタ
4とQ5によってコンデンサC8とC14並びにC10とC
15がそれぞれ共に結合される点に供給され、より大きい
電圧の振れ幅を与えるようになっている。
【0066】更に、抵抗ネットワークをVDATAと変更し
た共振回路の間に設けるが、その詳細はここで説明す
る。トランジスタQ6に関しては、抵抗R19をトラン
ジスタQ6のベース136の入力ノードに結合し、一方
抵抗R18はベース136の入力ノードからアースへと結
合される。従って、抵抗R18は、コンデンサC14とC9
と並列である。同様に、抵抗R20はトランジスタQ7
ベース142の入力ノードに結合し、抵抗R21はベース
142のこの入力ノードからアースに結合し、その結
果、抵抗R21はコンデンサC15とC11に並列にされる。
これによって、抵抗R18とR21の両端に生じる出力範囲
は実質的に増加する。この増加は、付け加えた電圧分割
器を考慮すると、それぞれトランジスタQ4とQ5のコレ
クタとアース間電圧に対するベース136と142の再
配置及びこれらの関連する範囲に帰するものである。1
つの実施例では、上記のコンデンサと抵抗要素に対して
ある値を使用することによって、電圧の範囲が100パ
ーセント増加する。
【0067】図10には、これとは別の実施例は、バッ
ファした発振器及び送信機回路160を示す。回路16
0は、3つの機能ステージ、すなわち、疑似コルピッツ
発振器162、バッファ164と出力システム166
と、を有する。ここで説明する回路160は、特に自動
車用のリモート・キーレスエントリ・システムに適用す
ることのできるものである。しかし、他の用途も明らか
に当業者にとって予測可能であろう。
【0068】更に詳細に説明すれば、発振器162は、
コルピッツ構成のトランジスタQ10と入力共振タンク回
路によって構成する。このタンク回路は、一般的に表面
音波(「SAW」)素子172のような共振器と、一対
の帰還コンデンサC16及びC17と、インダクタL8と、
一定のDC電圧を保持するための大きな容量を与えるコ
ンデンサC19と、を有している。更に、発振器は、トラ
ンジスタQ10の適正な動作を可能にするための多数のバ
イアス抵抗を有している。トランジスタQ10は、定常状
態の動作のために単一のループ利得を与える機能を有す
る。
【0069】構造上、トランジスタQ10は、ベース17
6と、コレクタ178と、エミッタ180と、を有して
いる。ベース端子176は表面音波共振器172に結合
し、コレクタ178はインダクタL8に結合し、一方エ
ミッタ180は抵抗R24を介してアースに結合されてい
る。更に、帰還コンデンサC16は、エミッタ180とア
ースと間に結合されており、これは抵抗R24と並列であ
り、一方帰還コンデンサC17はコレクタ178とエミッ
タ180の間に結合されている。コンデンサC19はアー
スとVINの間に結合されている。
【0070】トランジスタQ10は、インダクタL8を介
して直流(「DC」)電圧源170に結合し、典型的に
は6VのDCバイアス入力VINを受信する。発振器16
2は、またデータ入力信号VDATA168を受信し、電圧
分割器回路を形成する抵抗ネットワークによってRF搬
送信号を符号化する。データ入力168はSAW共振器
172に印加されるオン/オフ・データ入力信号VDATA
を受取る。データ入力信号VDATAは搬送信号を変調スキ
ームによって符号化し、搬送信号に情報を与える。好適
な変調フォーマットは周波数シフト・キー(「FS
K」)であるが、当業者によれば、パルス幅変調(「P
WM」)及び振幅変調(「AM」)を含む他のスキーム
によってこれを容易に代替することができる。搬送信号
に設けた情報によって、ドア・ロック作動機構並びに回
路160のオン/オフ動作のような種々のシステムの動
作を制御及び/または始動することができる。データ入
力信号VDATAの印加は、例えば、プッシュ・ボタン
・パッド、スイッチまたはその他のパルスによって動作
する素子のような動作機構を介して手動制御によって開
始することができる。この構成により、増幅器として動
作するトランジスタQ10は共振タンク回路と組み合わさ
れて発振出力信号を発生する。
【0071】トランジスタQ10とQ11は、各々バイポー
ラ接合トランジスタ(「BJT」)によって構成するの
が好ましい。しかし、ヘテロ接合バイポーラ・トランジ
スタ(「HBT」)のような代替例も当業者にとって明
らかである。この実施例によれば、トランジスタQ10
11は、各々MMBTH10型バイポーラ・トランジス
タである。
【0072】共振素子172は、トランジスタQ10のベ
ース176とアースの間に結合されている。共振器17
2は、搬送信号の発振を安定させるように動作する効果
を有する。共振素子172は、直列共振入力タンク回路
の表面音波(「SAW」)素子を有しているのが好まし
い。この実施例によれば、SAW共振器172は、RF
モノリシック社の製造販売しているRO2073SAW
共振器である。
【0073】バッファ164は、ここで詳細に説明する
種々の手段によって、発生した寄生インピーダンスの影
響を機能的に最小にしている。この利点を実現するた
め、バッファ164は、トランジスタQ11並びにインダ
クタL9とコンデンサC18のバッファ共振タンクを有す
る。トランジスタQ11は、ベース184と、コレクタ1
86と、エミッタ182と、を有している。バッファ1
64は、2つのノードに於いて発振器162と結合す
る。先ず、バッファ164はコレクタ186に於いて直
流(「DC」)電圧源170を介してDCバイアス入力
INを受信し、ここから発振器162のL8はまたバイ
アスされている。バッファ164は、またトランジスタ
10のエミッタ180とトランジスタQ11のベースに於
いて発振器162と結合している。
【0074】出力ステージ166は、発振信号を転送す
る目的のためにバッファ164と結合している。共振周
波数の発振出力を有するバッファ164の出力は、ステ
ージ166を横切って転送される。ステージ166は、
回路の出力インピーダンスをマッチングさせるための素
子174を更に有している。最後に、出力段166はイ
ンダクタL10の形態のアンテナを有し、これによって得
られる発振信号を送信する。
【0075】本発明の発振器と送信機の回路はコンパク
トな容器内に取り付けることができ、特に遠隔制御のキ
ーレス・エントリ・システムと関連して使用するために
制御信号を送信するのに使用するのが効果的である。こ
のような用途のため、ユーザはVDATA入力を手動で作動
させて搬送信号として選択した情報を符号化する。搬送
信号と変調情報は、次に送信回路から出力タンクによっ
て放射される。一般的に車両内に取り付けている受信機
はこの放射信号を受信し、変調情報を復号し、例えば、
車両のドアの施錠または開錠、警報システムの起動また
は停止のような選択した動作を開始及び/または実行す
る。従来のアプローチと対比して、これらの回路は出力
電力の増加を有効に達成することができ、効率的な電力
の使用を保持している。
【0076】更に、本発明の実施例はこの発明から離脱
することなく変更可能な種々のサイズの構成部品を使用
することができる。1例として、インダクタL8とL
9は、各々約40nHのインダクタンスとすることがで
きる。コンデンサC17とC18は各々約4.7pFの容量
を有し、一方コンデンサC16は約22pFの容量を有す
ることができる。抵抗R23は約15kΩの抵抗を有して
いても良い。抵抗R22は約6.8kΩの抵抗を有してい
ても良い。一方抵抗R24は約180Ωの抵抗を有してい
ても良い。
【0077】図11には、第1または第2周波数で選択
的に発振するためのシステム200のブロック図を示
す。システム200は、f1またはf2の発振出力を発生
する発振器220と、発振出力を送信するアンテナ22
5と、を有している。発振器220は、基準信号を発生
するSAWまたはBAWのような共振器(図示せず)
と、基準信号を増幅する増幅器と(図示せず)、基準信
号を増幅する増幅器に応答して発振出力を発生するイン
ダクタと、コンデンサを含む共振回路(図示せず)と、
を一般に有している。本発明の1つの実施例では、発振
器220はコルピッツ発振回路である。本発明のこの実
施例では、発振器220は平衡発振器を有している。
【0078】更に、システム200は、切替素子205
を有している。切替素子205は、選択信号210に応
答して、第1(Z1)または第2(Z2)のインピーダン
ス215を発振器220に供給する。この構成の結果と
して、システム200の発振器の出力は、第1(Z1
インピーダンスを発振器220を与える場合には第1周
波数f1で発振し、一方第2(Z2)インピーダンスを発
振器220に与える場合には第2周波数f2で発振す
る。
【0079】切替素子205は、選択信号210の電圧
水準によって第1(Z1)及び第2(Z2)インピーダン
ス215の間で切り替わる。従って、選択信号210が
第1電圧水準にあると、第1インピーダンス(Z1)が
イネーブルされ、一方選択信号210が第2電圧水準に
あると、第2インピーダンス(Z2)がイネーブルされ
る。更に、既知の技術と違って、第1(Z1)及び第2
(Z2)インピーダンス215はそれぞれ、選択信号2
10の電圧水準に依存しない固定されたインピーダンス
値を有している。従って、本発明は第1及び第2インピ
ーダンスを提供し、これらはいずれもドリフトする傾向
を有していない。
【0080】本発明の好適な実施例では、切替素子20
5は、バイポーラ接合トランジスタを有している。その
結果、切替素子205は選択信号210に応答して飽和
動作モードとオフ動作モードの間で切り替わる。また、
飽和モードとオフ・モードの間に於ける遷移中にトラン
ジスタが活性動作モードにある期間中に発生する好まし
くない反射を除去するため、フイルタ(図示せず)をま
た有している。
【0081】図12には、図11のシステム200を実
現した第1の回路230を示す。この第1の実現回路2
30は、発振器235と変調器240と、を有してい
る。発振器235は、コルピッツ発振器を有している。
しかし、発振器235はその他の発振器の構成によって
も実現することができることは、当業者にとって明らか
であろう。
【0082】コルピッツ発振器235は、トランジスタ
13と入力共振タンク回路を有している。このタンク回
路は、表面音波(「SAW」)素子245のような共振
器と一対の帰還コンデンサC22及びC23と、を有してい
る。更に、発振器235はまた多数のバイアス共振器を
有し、トランジスタQ13の適切な動作を可能にする。第
1の実現回路230はインダクタL11を有し、これはそ
の結果得られる発振出力信号を放射するアンテナ素子と
して動作する。
【0083】構造上、トランジスタQ13は、ベースと、
コレクタと、エミッタと、を有している。ベース端子は
表面音波共振器245に結合し、コレクタはインダクタ
11に結合し、一方エミッタは抵抗R31を介してアー
スに結合している。更に、帰還コンデンサC23はエミッ
タとアースの間に結合されており、従ってこれは抵抗R
31と並列である。帰還コンデンサC22はコレクタとエミ
ッタの間に結合する。更に、第3コンデンサC24をイン
ダクタL11とアースの間に結合されていて、大きな容量
を提供して一定のDC電圧を保持している。
【0084】第1の実現回路230、更に詳しくは、L
11とC24は、直流(「DC」)電圧源に結合し、一般的
に6VのDCバイアス入力VINを受信する。回路230
は、また切替素子即ち変調器240によってデータ入力
信号VFM DATAを受信し、RF搬送信号を符号化する。
上記で詳述したように回路230は、インダクタL11
介して放射出力信号を発生する。これによって、増幅器
として動作するトランジスタQ13は、共振タンク回路と
組み合わされて共振信号を発生し、これは発振電流信号
としてインダクタL11に供給される。次にインダクタL
11を介する発振電流信号の伝導によって、放射出力信号
を電磁界として転送する。
【0085】変調器240によって、データ入力電圧信
号VFM DATAに応じた第1または第2インピーダンスが
与えられる。第1及び第2インピーダンスの各々は、デ
ータ入力電圧信号VFM DATAの電圧水準に依存せずに固
定されているので、その結果、インダクタL11を通過す
る発振電流出力は、第1インピーダンスがイネーブルさ
れる場合、第1発振周波数を有し、第2インピーダンス
がイネーブルされる場合、第2発振周波数を有する。
【0086】変調器240は、トランジスタQ12を有す
るトランジスタ回路によって実現する。トランジスタQ
12はバイポーラ接合トランジスタ(「BJT」)によっ
て実現するのが好ましいが、電界効果トランジスタ
(「FET」)もまた使用することができる。トランジ
スタQ12は、入力抵抗R26を介してデータ入力電圧信号
FM DATAと結合したベースと、抵抗R28とコンデンサ
21のノードの間に結合したコレクタと、アースに結合
したエミッタと、を有している。抵抗R28とコンデンサ
21のノードによって、トランジスタQ12のコレクタか
ら固定インピーダンスが供給される。この構成によっ
て、変調器240はトランジスタQ12がオフ・モードで
動作している期間中の固定インピーダンスのみと、この
トランジスタQ12が飽和モードで動作する結果発生する
インピーダンスと上記の固定インピーダンスを組合わせ
たインピーダンスの間をシフトする。
【0087】変調器240は、フィルタ250を更に有
している。フィルタ250を内臓することによって、ト
ランジスタQ12が活性動作モードで動作する期間中に発
生する好ましくない反射を除去する。フィルタ250
は、アースに結合した抵抗R27とコンデンサC20によっ
て構成する。データ入力電圧信号VFM DATAの電圧水準
によってトランジスタQ12はオフ・モードまたは飽和モ
ードのいずれかで動作する。しかし、データ入力電圧信
号VFM DATAの電圧水準がハイからローまたはローから
ハイに変化することによってトランジスタQ12はオフ・
モードから飽和モードにまたはこの逆に移動する。この
遷移期間中、一定期間の間、トランジスタQ12は直線の
活性動作モードで機能し始める。この結果、回路230
を介して潜在的に損傷の原因となる反射が発生するが、
これは内蔵したフィルタ250によって簡単に最小にす
ることができる。
【0088】図13には、図11のシステム200を実
現した好適な回路255を示す。ここで、回路255
は、平衡発振器260と変調器265を有している。平
衡発振器260は、第1及び第2疑似コルピッツ発振器
を有している。両疑似コルピッツ発振器は相互に対して
バランスし、共通のタンク回路と発振電流信号を共有し
て電力出力を高率化している。
【0089】更に詳細な説明によれば、平衡発振器26
0は、局所的発振信号を発生するための2つの疑似コル
ピッツ発振回路を有している。この発振回路は、第1ト
ランジスタQ14と第2トランジスタQ18と、を有し、こ
れらは各々その間に位置する共振素子270と結合して
いる。共振素子270は、インダクタL12とL13を駆動
する発振電流信号を発生し、安定させる直列共振入力タ
ンクとして動作する。これによって、共振RF搬送周波
数が得られる。
【0090】第1及び第2トランジスタQ14とQ18は、
各々バイポーラ接合トランジスタ(「BJT」)によっ
て構成するのが好ましい。しかし、ヘテロ接合バイポー
ラ・トランジスタ(「HBT」)のような代替例も当業
者にとって明らかであろう。さらに実施例によれば、ト
ランジスタQ14とQ18は、各々MMBTH10型バイポ
ーラ・トランジスタである。
【0091】トランジスタQ14とQ18は、各々増幅段と
して定常動作のための単一のループ利得を与えるために
動作する。両トランジスタQ14とQ18は、ベースと、コ
レクタと、エミッタと、を有しており、チューニングし
たLC回路と正帰還を有する疑似コルピッツ発振器とし
て構成されている。同一の機能上の目的を達成するため
に、種々の他のトランジスタによる発振器の構成によっ
て上記の構成を代替することができることを当業者は理
解できよう。
【0092】共振素子270は、トランジスタQ14とQ
18のベースの間に結合する。更に、抵抗R34とR40をそ
れぞれ各トランジスタQ14とQ18のベースと共振器27
0の間のノードに加え、アースに結合してトランジスタ
14とQ18の動作をそれぞれ更に容易にする。共振器2
70は、搬送信号の発振を安定させるように動作する効
果がある。共振素子270は、直列共振入力タンク回路
の表面音波(「SAW」)素子によって構成するのが好
ましい。しかし、この実施例によれば、共振器270
は、RFモノリシックス社が製造販売しているRO20
73SAW共振器である。
【0093】回路255は、一対の出力タンク回路を有
している。各出力タンク回路は、コンデンサとインダク
タを有し、第1入力タンクは第1インダクタL12を有し
ており、第2入力タンクは第2インダクタL13を有して
いる。インダクタL12とL13は、各々これら両者を通過
する発振電流信号に応答して出力信号を放射するアンテ
ナ放射素子として動作する。第1インダクタL12は、ト
ランジスタQ14のコレクタと、抵抗R33、第1変調抵抗
38と電圧入力信号VINが加えられているノードの間に
結合する。同様に、第2インダクタL13は、トランジス
タQ18のコレクタと、抵抗R39、第2変調抵抗R35と電
圧入力信号VINが加えられている同じノードの間に結合
する。従って、インダクタL12とL13は、このノードに
於いて共に直列に結合される。
【0094】電圧入力源をこのノードに結合し、これに
対してDC電圧入力VINを印加する。本発明の1つの例
では、電圧入力信号VINは+3ボルトのDC信号であ
る。インダクタL12とL13の間に+3ボルトを印加する
ことによって、トランジスタQ14とQ18をバイアスし、
必要な利得を実現する。インダクタL12とL13は、各々
アンテナとして動作し、このアンテナは所定の搬送周波
数を有する発振信号を示す電磁界を送信及び放射する。
【0095】変調器265は、FMデータ入力に応答し
て機能的に第1または第2インピーダンスを供給する。
この目的のため、変調器は、入力抵抗R36と鏡映配置に
あるトランジスタ回路を介して共振器270の両出力線
に結合したFMデータ入力を有している。FMデータ入
力は、鏡映配置のトランジスタ回路を介してSAW共振
器270の両側に印加したオン/オフ・データ入力信号
FM DATAを受信する。FMデータ入力信号VFM
DATAは、搬送信号を変調スキームによって符号化し、搬
送信号に情報を与える。好適な変調フォーマットは周波
数シフト・キー(「FSK」)であるが、当業者はパル
ス幅変調(「PWM」)を含む他のスキームによってこ
れを容易に代替することができる。
【0096】変調器265の鏡映的トランジスタ回路
は、一対のトランジスタQ15とQ16から構成されてい
る。トランジスタQ15とQ16の各々のベースは、FMデ
ータ入力抵抗R36とフィルタ275を結合するノードに
於いて相互に接続する。VFM DATAの電圧水準に応答し
て第1及び第2インピーダンスの間でシフトさせるた
め、変調器は、一対の抵抗−コンデンサ・ブランチを有
している。この対の各ブランチの第1レッグは、抵抗R
35とR38によってそれぞれ構成し、これらは電圧入力信
号VIN、インダクタL12とL13、及び抵抗R33とR39
取り付けているノードの間に結合する。各ブランチの第
2レッグは、コンデンサC27とC29を有しており、これ
らは共振器270の出力に結合する。これらのブランチ
の各々の各レッグの間には、各トランジスタQ15とQ16
の各コレクタを結合しているコレクタ・ノードが存在し
ている。各トランジスタQ15とQ16のエミッタは、更に
アースに結合している。
【0097】フィルタ275を内臓することによって、
トランジスタQ15とQ16が活性動作モードで機能する期
間中に発生する好ましくない反射を除去する。フィルタ
275は、アースに結合した抵抗R37とコンデンサC28
によって構成する。データ入力電圧信号VFM DATAの電
圧水準によって、トランジスタQ15とQ16はオフ・モー
ドまたは飽和モードのいずれかで機能する。しかし、デ
ータ入力電圧信号VFM DATAの電圧水準がハイからローま
たはローからハイに変化することによってトランジスタ
15とQ16はオフ・モードから飽和モードにまたはこの
逆に移動する。この遷移期間中、一定期間の間、トラン
ジスタQ15とQ16は直線活性動作モードで機能し始め
る。この結果、回路255を介して潜在的に損傷の原因
となる反射が発生するが、これは内蔵したフィルタ27
5によって簡単に最小にすることができる。
【0098】SAW共振器270は入力タンク回路を提
供し、これは一対の疑似コルピッツによって共有されて
いる。インダクタL12は、コンデンサC25とC26と組み
合わされ、第1出力タンク回路を提供する。同様に、イ
ンダクタL13は、コンデンサC30とC31と組み合わさ
れ、第2出力タンク回路を形成する。直列共振入力タン
クは共振信号の発振を安定させるが、これらの出力タン
クはRF出力信号の放射を行う。コンデンサC25とC26
は、電圧分周器のネットワーク並びにトランジスタQ14
に対する正帰還経路をまた形成する。同様に、コンデン
サC30とC31は、電圧分周器とトランジスタQ18に対す
る正帰還経路を形成する。エネルギーはコンデンサ
25、C26、C30、C31とインダクタL12とL13に効率
的に貯えられ、さもなければトランジスタQ14とQ18
各サイクルに対して新たに要求されるエネルギーの量を
削減することによって放射効率を向上させる。
【0099】特定の発明を図示の実施例を参照して説明
したが、この説明は限定された意味で解釈すべきことを
意味するものではない。本発明は好適な実施例について
説明しているが図示の実施例の種々の変形例と本発明の
他の実施例は、これに添付した請求項で述べているよう
に、本発明の技術思想から離脱することなくこの説明を
参照することによって当業者に明らとなることを理解し
なければならない。従って、添付の請求項は本発明の真
の範囲内にある全てのこのような変形例または実施例を
包含するものであると考える。
【0100】ここで引用した全ての米国特許は、これら
の全体を説明したものとしてここに参考として含んでい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の単一のコルピッツ型発振及び送
信回路を示す回路図を示す。
【図2】図2は、平衡発振器と送信機のシステムのブロ
ック図を示す。
【図3】図3は、平衡発振器と送信機のシステムを実現
した第1回路を示す。
【図4】図4は、平衡発振器と送信機のシステムを実現
した第2回路を示す。
【図5】図5は、直列共振タンク回路を実現した回路を
示す。
【図6】図6は、図2の平衡発振器及び送信機システム
によって達成した電圧の波形をグラフによって示す。
【図7】図7は、好適な平衡発振器及び送信機システム
のブロック図を示す。
【図8】図8は、図7のシステムを実現した第1の回路
を示す。
【図9】図9は、図7のシステムを実現した第2の回路
を示す。
【図10】図10は、バッファした発振及び送信回路を
示す。
【図11】図11は、第1または第2周波数に於いて選
択的に発振を行うシステムのブロック図を示す。
【図12】図12は、図11のシステムを実現した第1
回路を示す。
【図13】図13は、図11のシステムを実現した好適
な回路を示す。
【符号の説明】
10,70,200…システム 11…アンテナ 12,15,74,76,162,220,235,2
60…発振器 13,17,80,84,93…共振回路 14,16,78,82,88…増幅器 18,72,112,270…共振器 20…送信回路 22,172,270…共振素子 24,114…電圧入力源 26,116…データ入力 28,118…ノード 30,32,34,36,38,40,120,12
2,124,130 140,142,144,146…エミッタ 46…変圧器 52…フィルタ及びマッチング・ネットワーク 60…共振タンク回路 62,64… 電圧波形 66…信号放射出力信号 86,88,164…バッファ 110…送信回路 100…アンテナ 128,138…コレクタ 136,142,176,184…ベース 166…出力段 172,245…表面音波素子 205…切替素子 240,265…変調器 250,275…フィルタ C…コンデンサ I…発振電流信号 L…インダクタ Q…トランジスタ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1または第2発振周波数で選択的に発
    振を行うシステムに於いて、上記システムは、 発振出力を供給する発振器と、 電圧を有する選択信号に応答して第1または第2インピ
    ーダンスを選択する切替素子と、を有しており、 上記インピーダンスは各々選択した信号電圧に依存せず
    に固定され、上記発振出力は、上記第1インピーダンス
    が与えられた場合には第1発振周波数で発振し、 上記
    第2インピーダンスが与えられた場合には第2発振周波
    数で発振することを特徴とするシステム。
  2. 【請求項2】 上記発振器は、 基準信号を発生する共振器と、 上記基準信号を増幅する増幅器と、 上記増幅器が上記基準信号を増幅すると上記発振出力を
    発生するようになっている共振回路と、 を有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
  3. 【請求項3】 上記共振器は表面音波(「SAW」)素
    子を有することを特徴とする請求項2記載のシステム。
  4. 【請求項4】 上記共振回路は、コンデンサとインダク
    タを有することを特徴とする請求項2記載のシステム。
  5. 【請求項5】 上記増幅器はバイポーラ接合トランジス
    タと電界効果トランジスタのうちの少なくとも1つを有
    することを特徴とする請求項2記載のシステム。
  6. 【請求項6】 上記発振器は、平衡コルピッツ発振回路
    を有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
  7. 【請求項7】 上記選択信号は、上記切替素子が変調器
    として動作するような周波数変調搬送波であることを特
    徴とする請求項1記載のシステム。
  8. 【請求項8】 上記変調器は、周波数シフト・キー
    (「FSK」)変調法と周波数変調(「FM」)法のう
    ちの少なくとも1方を使用することを特徴とする請求項
    7記載のシステム。
  9. 【請求項9】 上記発振出力を送信するアンテナを更に
    有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
  10. 【請求項10】 上記切替素子は、上記選択信号に応じ
    て飽和動作モードとオフ動作モードで駆動されるトラン
    ジスタによって構成することを特徴とする請求項1記載
    のシステム。
  11. 【請求項11】 上記切替素子は、上記トランジスタが
    活性動作モードで駆動した場合に発生する好ましくない
    反射を除去するためのフイルタを更に有することを特徴
    とする請求項10記載のシステム。
  12. 【請求項12】 上記第1インピーダンスは約6pFの
    容量と約100Ωの抵抗によって構成され、上記第2イ
    ンピーダンスは約10pFの容量と約10,000Ωの
    抵抗によって構成されていることを特徴とする請求項1
    0記載のシステム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006041108A1 (ja) * 2004-10-12 2006-04-20 Epson Toyocom Corporation 圧電発振器
KR100791169B1 (ko) 2006-06-09 2008-01-02 전만영 전계효과 트랜지스터를 사용한 저 전원전압 차동 클랩 전압제어 발진기
JP2012010015A (ja) * 2010-06-23 2012-01-12 Denso Corp 発振装置

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