JPH10170593A - ガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置 - Google Patents

ガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置

Info

Publication number
JPH10170593A
JPH10170593A JP8326866A JP32686696A JPH10170593A JP H10170593 A JPH10170593 A JP H10170593A JP 8326866 A JP8326866 A JP 8326866A JP 32686696 A JP32686696 A JP 32686696A JP H10170593 A JPH10170593 A JP H10170593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
sensors
insulated electric
abnormality
electric device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8326866A
Other languages
English (en)
Inventor
Akishige Ogawa
明栄 小川
Hiroshi Murase
洋 村瀬
Kenichi Nojima
健一 野嶋
Hiroshi Koyama
博 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Chubu Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Chubu Electric Power Co Inc filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP8326866A priority Critical patent/JPH10170593A/ja
Publication of JPH10170593A publication Critical patent/JPH10170593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/12Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing
    • G01R31/1227Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing of components, parts or materials
    • G01R31/1254Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing of components, parts or materials of gas-insulated power appliances or vacuum gaps

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス絶縁電気装置の内部で発生する絶縁異常の
前兆となる部分放電と送電線等から侵入する外部ノイズ
とを効率的にしかも万が一の誤りもなく確実に区別し、
さらに信頼性を高め低コスト化を図ること。 【解決手段】絶縁性のガスを充填した密閉金属容器の内
部に高電圧導体を絶縁物により支持配置して成るガス絶
縁電気装置で発生する異常を診断する異常診断方法にお
いて、ガス絶縁電気装置における異なる複数の場所で、
互いに同一の時刻から開始し同一の時刻で終了するよう
に高周波をそれぞれ測定して観測し、当該各々の場所で
の高周波の観測データを比較することによってガス絶縁
電気装置での異常の有無を判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性のガスを充
填した密閉金属容器の内部に高電圧導体を絶縁物により
支持配置して成るガス絶縁電気装置で発生する異常を診
断する方法および装置に係り、特に絶縁的に異常が発生
した時に生ずる高周波電磁波を観測するガス絶縁電気装
置の異常診断方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、用地の高騰や、都市部における電
力供給量の増大に伴なう変電設備の増強化の必要性か
ら、電気絶縁性および消弧性に優れたSF6 ガスを充填
しかつ接地された密閉金属容器の内部に、断路器や遮断
器等の変電機器(高電圧充電部)を収納配置し、耐環境
性とKV・A当りの据え付け体積をコンパクト化した、
いわゆる密閉形ガス絶縁開閉装置等のガス絶縁電気装置
が普及し、稼働してきている。
【0003】このようなガス絶縁電気装置は、コンパク
ト化、密閉金属容器の露出充電部の削除等の利点がある
反面、高性能化に伴なう保守診断の困難さや、保守修復
作業時間の増大等、密閉金属容器の内部に異常が生じた
場合に、その信頼性が著しく低下するという問題点があ
る。
【0004】そこで、従来から、ガス絶縁電気装置全体
の信頼性向上を実現するために、機器の適切な設計・製
作に努めてきているが、電力供給能力の質の向上の一貫
として、装置全体の信頼度確認および監視が必要とな
り、その有効な手段が種々検討されてきている。
【0005】その一つの手段として、ガス絶縁電気装置
の内部に発生する絶縁異常を検出する装置がある。
【0006】すなわち、ガス絶縁電気装置の内部におい
て、絶縁的な異常が生じた場合、その異常に伴なって部
分放電が発生することは、一般的に広く知られている。
そして、ガス絶縁電気装置の内部の絶縁的異常は、その
進展によって絶縁破壊に至る場合があり、もし絶縁破壊
に至れば、そのガス絶縁電気装置に接続されている電力
系統は停電を引き起こし、社会混乱を招ねいてしまう大
事態となってしまう。そのため、絶縁異常の前兆現象と
して発生する部分放電を検出することは、非常に重要な
ことである。
【0007】また、ガス絶縁電気装置は、新たに設置さ
れる場合には、密閉金属容器の内部にセンサを取り付け
ることが可能であるが、その多くの場合、既に設置され
ているガス絶縁電気装置や、ガス絶縁電気装置に何の改
造をすることなく、センサを取り付けることが汎用的で
あり、非常に効率的な診断を行なうことが可能となる。
【0008】そして、従来から、ガス絶縁電気装置の密
閉金属容器の内部に、電極を設置してこれをセンサと
し、高周波電磁波を測定する方法が実施されてきてい
る。
【0009】すなわち、例えば図5に概略構成図を示す
ように、密閉金属容器24の内部に高電圧導体23を絶
縁支持する絶縁スペーサ21に設置されたシールド電極
22をセンサ1として利用し、部分放電により発せられ
る高周波を、バンドパスフィルタ5,アンプ6からなる
観測装置2、および判断装置7によって診断する手法
が、既に実施されている。
【0010】ところで、このような方法における最大の
課題は、観測した高周波が、ガス絶縁電気装置の内部で
発生した絶縁異常の前兆となる部分放電によるものか、
それとも送電線等から侵入する外部ノイズによるものか
を区別することである。
【0011】この場合、両者を区別する方法としては、
従来からさまざまな研究者により研究されてきている。
【0012】例えば、送電線等から侵入するノイズは、
放送波等の定常的な気中の電磁波とコロナ放電による電
磁波であるため、それの存在しない周波数帯域がある場
合があり、この周波数帯域をねらって監視する方法が提
案されている。
【0013】また、気中のコロナ放電は、ガス中の部分
放電に、低い周波数成分しか存在しないことが知られて
おり、このことを利用してかなり高い周波数で監視する
方法も近年提案されてきている。
【0014】しかしながら、前者の方法は、必ずしも完
全なノイズ除去とは言えず、かなり高い信頼度を要求さ
れているガス絶縁電気装置の異常診断装置としては、信
頼度の点で不十分である。しかも、このような周波数の
窓は、設置場所や季節等の条件によって異なり、異常診
断装置を設置する前に、どのような周波数を選んだら良
いかを厳密に調査する必要がある。
【0015】また、後者の方法は、前者の方法よりも高
い信頼度を得ることができるが、これも十分な信頼度と
は言えず、さらには高い周波数を利用するため、異常診
断装置が高価となるばかりでなく、高い周波数は表皮効
果等の特殊な現象が顕著に現われて減衰が激しいため、
一つのセンサで監視できる範囲が狭くなる。従って、広
い範囲をカバーするためには、多数のセンサが必要とな
り、コストの点で不利になるという問題点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ガス絶縁電気装置の異常診断装置においては、信頼性が
十分ではなく、またコストの点でも不利であるという問
題があった。
【0017】本発明の目的は、ガス絶縁電気装置の内部
で発生する絶縁異常の前兆となる部分放電と送電線等か
ら侵入する外部ノイズとを効率的にしかも万が一の誤り
もなく確実に区別することが可能な信頼性が高くかつ低
コストなガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に対応する発明では、絶縁性のガ
スを充填した密閉金属容器の内部に高電圧導体を絶縁物
により支持配置して成るガス絶縁電気装置で発生する異
常を診断する異常診断方法において、ガス絶縁電気装置
における異なる複数の場所で、互いに同一の時刻から開
始し同一の時刻で終了するように高周波をそれぞれ測定
して観測し、当該各々の場所での高周波の観測データを
比較することによってガス絶縁電気装置での異常の有無
を判断するようにしている。
【0019】従って、請求項1に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断方法においては、部分放電や外部
から侵入する高周波は、伝播するに従ってその強度が減
衰するために、発生点もしくは侵人点で最も強度が高い
ことから、同一現象を観測する異なる複数の場所の観測
データを比較することにより、同一時刻で現象を観測し
て、同一の現象を観測することになるため、観測した高
周波がどこから来たものかの予想がつき、外部ノイズを
区別することができる。
【0020】一方、請求項2に対応する発明では、絶縁
性のガスを充填した密閉金属容器の内部に高電圧導体を
絶縁物により支持配置して成るガス絶縁電気装置で発生
する異常を診断する異常診断装置において、ガス絶縁電
気装置における異なる複数の場所にそれぞれ配置され、
当該場所での高周波を測定するセンサと、各々のセンサ
により測定されたデータを、互いに同一の時刻から開始
し同一の時刻で終了するように観測する観測手段と、観
測手段により観測された各々の観測データを比較するこ
とによってガス絶縁電気装置での異常の有無を判断する
データ処理装置とを備えて成る。
【0021】従って、請求項2に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、部分放電や外部
から侵入する高周波は、伝播するに従ってその強度が減
衰するために、発生点もしくは侵人点で最も強度が高い
ことから、同一現象を観測する異なる複数の場所のセン
サからのデータを観測手段で観測して、その観測データ
をデータ処理装置で比較することにより、同一時刻で現
象を観測して、同一の現象を観測することになるため、
観測した高周波がどこから来たものかの予想がつき、外
部ノイズを区別することができる。
【0022】また、請求項3に対応する発明では、上記
請求項2に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診断
装置において、2カ所のセンサを一対とし、当該一対の
センサから観測する周波数帯域を同一とし、両方の観測
データを比較するようにしている。
【0023】従って、請求項3に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、ブッシングに接
続されたガス絶縁電気装置の回線では、送電線に接続し
ているのがブッシング部であるために、外部から侵入す
るノイズの伝播経路および方向性は既知となることか
ら、2カ所のセンサを一対として、その一対のセンサか
ら観測する周波数帯域を同一とし、両方の観測データを
比較することにより、観測された高周波の伝播方向が予
測できるため、その伝播方向が既知のノイズの伝播方向
と異なれば、装置内部の異常と判断することができる。
【0024】さらに、請求項4に対応する発明では、上
記請求項2に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診
断装置において、センサを2カ所以上に配置して、当該
各々のセンサでの観測は複数の周波数帯域を有し、各々
の周波数帯域の観測データを比較するようにしている。
【0025】従って、請求項4に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、外部ノイズとガ
ス絶縁電気装置内部で発生した部分放電から発せられる
高周波では、その周波数成分に差があることから、各々
のセンサでの観測は複数の周波数帯域を有し、各々の周
波数帯域の観測データを比較することによって異常の有
無を判断することにより、各々のセンサで観測した高周
波の強度のみではなく、周波数をパラメータとした、よ
り一層高度な判断をすることができる。
【0026】さらにまた、請求項5に対応する発明で
は、上記請求項2に対応する発明のガス絶縁電気装置の
異常診断装置において、2カ所のセンサを一対とし、当
該一対のセンサから観測する周波数帯域を複数かつ同一
とし、各々の周波数帯域の観測データを比較するように
している。
【0027】従って、請求項5に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、ブッシングから
長尺のガス絶縁母線を通して接続されたガス絶縁電気装
置の回線において、他の回線が別のブッシングに接続さ
れている場合、他の回線とは主母線を介してこの回線が
接続されているために、外部から侵入するノイズの伝播
経路は既知となるが、方向性は前もって判断することは
できない(どちらからもノイズが同程度侵入してくる可
能性がある)ことから、高い周波数成分ほど早く減衰す
る性質を利用して、2種類以上の周波数成分の強度を比
較することにより、高周波がどこから来たのか判断する
ことができる、すなわち高周波の発生源が、2つのセン
サを配置した区間の外側か内側かを判断することができ
る。
【0028】一方、請求項6に対応する発明では、上記
請求項4に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診断
装置において、最も低い周波数帯域による観測データを
基準として、各々の周波数帯域の観測データとの比の値
を求めるようにしている。
【0029】従って、請求項6に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、諸量を比較する
作業は、コンピュータによる演算を用いると正確でしか
もコスト的に有利となり、最近の人工知能、すなわちA
Iやニューラルネットワークを利用したコンピュータに
よる判断技術を応用する場合、コンピュータに入力する
量は、汎用化されたソフトを使用できる点において、一
般化された無次元量がよいことから、最も低い周波数帯
域による観測データを基準として、各々の周波数帯域の
観測データとの比の値を求めることにより、上記のよう
なコンピュータによる汎用化された判断技術を応用する
ことができる。
【0030】また、請求項7に対応する発明では、上記
請求項5に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診断
装置において、一対とした2カ所のセンサにより観測す
る同一周波数帯域の観測データの比の値を求めるように
している。
【0031】従って、請求項7に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、一対とした2カ
所のセンサにより観測する同一周波数帯域の観測データ
の比の値を求めることにより、上記のようなコンピュー
タによる汎用化された判断技術を応用することができ
る。
【0032】さらに、請求項8に対応する発明では、上
記請求項6に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診
断装置において、最も低い周波数帯域の観測データを基
準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、一
対とした2カ所の各々のセンサ共にある定められた値以
下の場合には、外部ノイズとして処理するようにしてい
る。
【0033】従って、請求項8に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、最も低い周波数
帯域の観測データを基準とした各々の周波数帯域の観測
データの比の値が、一対とした2カ所の各々のセンサ共
にある定められた値以下の場合には、外部ノイズとして
処理することにより、上記のような人工知能、すなわち
AIやニューラルネットワークを利用することなく、簡
単なアルゴリズムによって、機械的に判断することがで
きる。
【0034】また、請求項9に対応する発明では、上記
請求項6に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診断
装置において、最も低い周波数帯域の観測データを基準
とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、一方
のセンサである定められた値以下であり、かつ他方のセ
ンサでは当該ある定められた値以上の場合には、当該2
つのセンサを配置した区間の外側に異常が存在すると判
断するようにしている。
【0035】従って、請求項9に対応する発明のガス絶
縁電気装置の異常診断装置においては、最も低い周波数
帯域の観測データを基準とした各々の周波数帯域の観測
データの比の値が、一方のセンサである定められた値以
下であり、かつ他方のセンサでは当該ある定められた値
以上の場合には、当該2つのセンサを配置した区間の外
側に異常が存在すると判断することにより、上記のよう
な人工知能、すなわちAIやニューラルネットワークを
利用することなく、簡単なアルゴリズムによって、機械
的に判断することができる。
【0036】さらに、請求項10に対応する発明では、
上記請求項6に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常
診断装置において、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一対とした2カ所の各々のセンサ共にある定められた値
以上の場合には、当該2つのセンサを配置した区間の内
側に異常が存在すると判断するようにしている。
【0037】従って、請求項10に対応する発明のガス
絶縁電気装置の異常診断装置においては、最も低い周波
数帯域の観測データを基準とした各々の周波数帯域の観
測データの比の値が、一対とした2カ所の各々のセンサ
共にある定められた値以上の場合には、当該2つのセン
サを配置した区間の内側に異常が存在すると判断するこ
とにより、上記のような人工知能、すなわちAIやニュ
ーラルネットワークを利用することなく、簡単なアルゴ
リズムによって、機械的に判断することができる。
【0038】一方、請求項11に対応する発明では、上
記請求項5に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診
断装置において、一対とした2カ所のセンサにより観測
する同一周波数帯域の観測データを比較することによっ
て、当該2つのセンサを配置した区間での異常の発生場
所を判断するようにしている。
【0039】従って、請求項11に対応する発明のガス
絶縁電気装置の異常診断装置においては、2つのセンサ
を配置した区間での異常の発生場所を判断することによ
り、高周波の発生場所が、2つのセンサを配置した区間
の外側か内側の判断のみならず、内側と判断した場合
に、どの場所で発生しているのかを予測することもでき
る。
【0040】また、請求項12に対応する発明では、上
記請求項8に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常診
断装置において、一対とした2カ所のセンサにより観測
する同一周波数帯域の観測データの比の値によって、当
該2つのセンサを配置した区間での異常の発生場所を判
断するようにしている。
【0041】従って、請求項12に対応する発明のガス
絶縁電気装置の異常診断装置においては、2カ所のセン
サにより観測する同一周波数帯域の観測データの比の値
によって、2つのセンサを配置した間の区間での異常の
発生場所を判断することにより、上記のような人工知
能、すなわちAIやニューラルネットワークを利用した
コンピュータによる汎用化された判断技術を応用して、
部分放電発生場所を判断することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0043】なお、以下の各実施の形態における高周波
を測定するセンサの構成については、本発明の規定する
ところではないので、前述した図5の従来技術を参照
し、同一部分には同一符号を付して、ここではその説明
を省略する。
【0044】(第1の実施の形態)(請求項1、請求項
2、請求項4、請求項6に対応) 図1は、本実施の形態によるガス絶縁電気装置(図1で
は、変電所を単線結線図で示す)の異常診断装置の構成
例を示す概要図である。
【0045】すなわち、図1に示すように、ガス絶縁電
気装置における異なる複数の場所(本例では5カ所)
に、その場所での高周波を測定するセンサ1a,1b,
1c,1d,1eをそれぞれ配置している。
【0046】ここで、センサ1a,1b,1c,1d,
1eを配置する場所としては、図示のように、センサ1
eはブッシング11近傍に配置し、センサ1aは電力ケ
ーブル12との接続部近傍に配置し、センサ1dは密閉
金属容器の接続部で電気的に絶縁されている部分に配置
し、センサ1b,1cは主母線13との接続部近傍に配
置している。
【0047】一方、各々のセンサ1a,1b,1c,1
d,1eにより測定されたデータを、観測装置2a,2
b,2c,2d,2eに入力して個別に観測するように
している。
【0048】また、各々の観測装置2a,2b,2c,
2d,2eには、共通のタイミング制御装置3を接続し
ており、互いに同一の時刻から観測を開始し同一の時刻
で観測を終了するように制御するようにしている。
【0049】さらに、各々の観測装置2a,2b,2
c,2d,2eにより観測された各々の観測データを、
データ処理装置であるデータプロセッサ4に入力し、各
々の観測データを比較することによって、ガス絶縁電気
装置である変電所での異常の有無を判断するようにして
いる。
【0050】ここで、各々のセンサ1a,1b,1c,
1d,1eでの観測は複数の周波数帯域を有し、各々の
周波数帯域の観測データを比較するようにしている。
【0051】また、最も低い周波数帯域による観測デー
タを基準として、各々の周波数帯域の観測データとの比
の値を求めるようにしている。
【0052】次に、以上のように構成した本実施の形態
のガス絶縁電気装置の異常診断装置の作用について説明
する。
【0053】図1において、ガス絶縁電気装置における
異なる複数の場所での高周波は、センサ1a,1b,1
c,1d,1eでそれぞ測定され、その測定されたデー
タは、観測装置2a,2b,2c,2d,2eに個別に
入力される。
【0054】また、各々の観測装置2a,2b,2c,
2d,2eの動作は、全てタイミング制御装置3により
制御されており、同一の時刻から観測を開始し同一の時
刻で観測を終了するように制御される。
【0055】そして、各々の観測装置2a,2b,2
c,2d,2eで観測された各々の観測データは、デー
タプロセッサ4に入力され、各々の観測データを比較す
ることによって、ガス絶縁電気装置である変電所での異
常の有無が判断される。
【0056】この場合、各々の観測装置2a,2b,2
c,2d,2eは、同一時刻で現象を観測して、同一の
現象を観測することになるため、観測した高周波がどこ
から来たものかの予想がつき、外部ノイズを区別するこ
とができる。
【0057】また、各々のセンサ1a,1b,1c,1
d,1eでの観測は複数の周波数帯域を有し、各々の周
波数帯域の観測データが比較される。
【0058】さらに、最も低い周波数帯域による観測デ
ータを基準として、各々の周波数帯域の観測データとの
比の値が求められる。
【0059】上述したように、本実施の形態のガス絶縁
電気装置の異常診断装置では、次のような効果を得るこ
とができる。
【0060】すなわち、ガス絶縁電気装置内部で発生し
た部分放電から発せられる高周波や、各々の観測装置2
a,2b,2c,2d,2e外部から侵入する高周波
は、伝播するに従ってその強度が減衰するために、発生
点もしくは侵人点で最も強度が高いことから、同一現象
を観測する異なる複数の場所の観測データを比較するこ
とにより、同一時刻で現象を観測して、同一の現象を観
測することになるため、観測した高周波がどこから来た
ものかの予想がつき、外部ノイズを区別することが可能
となる。
【0061】また、外部ノイズと、ガス絶縁電気装置内
部で発生した部分放電から発せられる高周波では、その
周波数成分に差があることから、各々のセンサ1a,1
b,1c,1d,1eでの観測は複数の周波数帯域を有
し、各々の周波数帯域の観測データを比較することによ
って異常の有無を判断することにより、各々のセンサ1
a,1b,1c,1d,1eで観測した高周波の強度の
みではなく、周波数をパラメータとした、より一層高度
な判断をすることが可能となる。
【0062】さらに、諸量を比較する作業は、コンピュ
ータによる演算を用いると正確でしかもコスト的に有利
となり、最近の人工知能、すなわちAIやニューラルネ
ットワークを利用したコンピュータによる判断技術を応
用する場合、コンピュータに入力する量は、汎用化され
たソフトを使用できる点において、一般化された無次元
量がよいことから、最も低い周波数帯域による観測デー
タを基準として、各々の周波数帯域の観測データとの比
の値を求めることにより、上記のようなコンピュータに
よる汎用化された判断技術を応用することが可能とな
る。
【0063】以上により、ガス絶縁電気装置の内部で発
生する絶縁異常の前兆となる部分放電と送電線等から侵
入する外部ノイズとを、効率的にしかも万が一の誤りも
なく確実に区別することができ、信頼性が高くかつ低コ
ストなガス絶縁電気装置の異常診断装置を得ることがで
きる。
【0064】(第2の実施の形態)(請求項3、請求項
5、請求項7乃至請求項12に対応) 図2は、本実施の形態によるガス絶縁電気装置(図2で
は、変電所を構成するーつの部分であるガス絶縁開閉装
置のーつの回線を示す)の異常診断装置の構成例を示す
概要図であり、図1と同一要素には同一符号を付して示
している。
【0065】すなわち、図2に示すように、ガス絶縁電
気装置における異なる複数の場所(本例では2カ所)
に、その場所での高周波を測定するセンサ1a,1bを
それぞれ配置している。
【0066】ここで、センサ1a,1bを配置する場所
としては、図示のように、センサ1aはブッシング11
近傍に配置し、センサ1bはこの回線と主母線13の接
続部近傍に配置している。
【0067】一方、各々のセンサ1a,1bにより測定
されたデータを、観測装置2a,2bに入力して個別に
観測するようにしている。
【0068】また、各々の観測装置2a,2bには、共
通のタイミング制御装置3を接続しており、互いに同一
の時刻から観測を開始し同一の時刻で観測を終了するよ
うに制御するようにしている。
【0069】さらに、各々の観測装置2a,2bにより
観測された各々の観測データを、データ処理装置である
データプロセッサ4に入力し、各々の観測データを比較
することによって、ガス絶縁電気装置である変電所での
異常の有無を判断するようにしている。
【0070】ここで、各々2カ所のセンサ1a,1bを
一対とし、この一対のセンサ1a,1bから観測する周
波数帯域を同一とし、両方の観測データを比較するよう
にしている。
【0071】あるいは、一対した2カ所のセンサ1a,
1bから観測する周波数帯域を複数かつ同一とし、各々
の周波数帯域の観測データを比較するようにしている。
【0072】また、一対とした2カ所のセンサ1a,1
bにより観測する同一周波数帯域の観測データの比の値
を求めるようにしている。
【0073】一方、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一対とした2カ所の各々のセンサ1a,1b共にある定
められた値以下の場合には、外部ノイズとして処理する
ようにしている。
【0074】また、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一方のセンサ1aまたは1bである定められた値以下で
あり、かつ他方のセンサ1bまたは1aではこのある定
められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1bを
配置した区間の外側に異常が存在すると判断するように
している。
【0075】さらに、最も低い周波数帯域の観測データ
を基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値
が、一対とした2カ所の各々のセンサ1a,1b共にあ
る定められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1
bを配置した区間の内側に異常が存在すると判断するよ
うにしている。
【0076】一方、一対とした2カ所のセンサ1a,1
bにより観測する同一周波数帯域の観測データを比較す
ることによって、2つのセンサ1a,1bを配置した区
間での異常の発生場所を判断するようにしている。
【0077】あるいは、一対とした2カ所のセンサ1
a,1bにより観測する同一周波数帯域の観測データの
比の値によって、2つのセンサ1a,1bを配置した区
間での異常の発生場所を判断するようにしている。
【0078】次に、以上のように構成した本実施の形態
のガス絶縁電気装置の異常診断装置の作用について説明
する。
【0079】図2において、ガス絶縁電気装置における
異なる複数の場所での高周波は、センサ1a,1bでそ
れぞれ測定され、その測定されたデータは、観測装置2
a,2bに個別に入力される。
【0080】また、各々の観測装置2a,2bの動作
は、全てタイミング制御装置3により制御されており、
同一の時刻から観測を開始し同一の時刻で観測を終了す
るように制御される。
【0081】そして、各々の観測装置2a,2bで観測
された各々の観測データは、データプロセッサ4に入力
され、各々の観測データを比較することによって、ガス
絶縁電気装置である変電所での異常の有無が判断され
る。
【0082】この場合、各々の観測装置2a,2bは、
同一時刻で現象を観測して、同一の現象を観測すること
になるため、観測した高周波がどこから来たものかの予
想がつき、外部ノイズを区別することができる。
【0083】一方、一対のセンサ1a,1bから観測す
る周波数帯域を同一とし、両方の観測データが比較され
る。
【0084】あるいは、一対のセンサ1a,1bから観
測する周波数帯域を複数かつ同一とし、各々の周波数帯
域の観測データが比較される。
【0085】また、一対のセンサ1a,1bにより観測
する同一周波数帯域の観測データの比の値が求められ
る。
【0086】一方、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一対のセンサ1a,1b共にある定められた値以下の場
合には、外部ノイズとして処理される。
【0087】また、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一方のセンサ1aまたは1bである定められた値以下で
あり、かつ他方のセンサ1bまたは1aではこのある定
められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1bを
配置した区間の外側に異常が存在すると判断される。
【0088】さらに、最も低い周波数帯域の観測データ
を基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値
が、一対のセンサ1a,1b共にある定められた値以上
の場合には、2つのセンサ1a,1bを配置した区間の
内側に異常が存在すると判断される。
【0089】一方、一対のセンサ1a,1bにより観測
する同一周波数帯域の観測データを比較することによっ
て、2つのセンサ1a,1bを配置した区間での異常の
発生場所が判断される。
【0090】あるいは、一対のセンサ1a,1bにより
観測する同一周波数帯域の観測データの比の値によっ
て、2つのセンサ1a,1bを配置した区間での異常の
発生場所が判断される。
【0091】すなわち、図2に示すような構成において
は、外部ノイズの侵入はブッシング11からであり、各
種機器を通過して、主母線13の方へ伝播する。ここ
で、ノイズは、伝播するに従って減衰することがわかっ
ているため、同一の現象を観測する以上、センサlaで
は大きな信号を観測し、センサlbでは観測データは小
さくなるはずである。
【0092】このように、センサlaとセンサlbで観
測すべき観測データの比は、ガス絶縁電気装置内部に異
常がなければ、いつも一定の値となるはずである。ただ
し、外部ノイズは時間的に変化しており、常に同一の現
象を観測する必要があり、本方式はこれを可能としてい
る。
【0093】上述したように、本実施の形態のガス絶縁
電気装置の異常診断装置では、次のような効果を得るこ
とができる。
【0094】すなわち、ブッシング11に接続されたガ
ス絶縁開閉装置の回線では、送電線に接続しているのが
ブッシング部であるために、外部から侵入するノイズの
伝播経路および方向性は既知となることから、2カ所の
センサ1a,1bを一対として、その一対のセンサ1
a,1bから観測する周波数帯域を同一とし、両方の観
測データを比較することにより、観測された高周波の伝
播方向が予測できるため、その伝播方向が既知のノイズ
の伝播方向と異なれば、装置内部の異常と判断すること
が可能となる。
【0095】また、ブッシング11から長尺のガス絶縁
母線を通して接続されたガス絶縁電気装置の回線におい
て、他の回線が別のブッシングに接続されている場合、
他の回線とは主母線13を介してこの回線が接続されて
いるために、外部から侵入するノイズの伝播経路は既知
となるが、方向性は前もって判断することはできない
(どちらからもノイズが同程度侵入してくる可能性があ
る)ことから、高い周波数成分ほど早く減衰する性質を
利用して、2種類以上の周波数成分の強度を比較するこ
とにより、高周波がどこから来たのか判断することがで
きる、すなわち高周波の発生源が、2つのセンサ1a,
1bを配置した区間の外側か内側かを判断することが可
能となる。
【0096】さらに、一対とした2カ所のセンサ1a,
1bにより観測する同一周波数帯域の観測データの比の
値を求めることにより、前記のようなコンピュータによ
る汎用化された判断技術を応用することが可能となる。
【0097】一方、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一対とした2カ所の各々のセンサ1a,1b共にある定
められた値以下の場合には、外部ノイズとして処理する
ことにより、前記のような人工知能、すなわちAIやニ
ューラルネットワークを利用することなく、簡単なアル
ゴリズムによって、機械的に判断することが可能とな
る。
【0098】また、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一方のセンサ1aまたは1bである定められた値以下で
あり、かつ他方のセンサ1bまたは1aでは当該ある定
められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1bを
配置した区間の外側に異常が存在すると判断することに
より、前記のような人工知能、すなわちAIやニューラ
ルネットワークを利用することなく、簡単なアルゴリズ
ムによって、機械的に判断することが可能となる。
【0099】さらに、最も低い周波数帯域の観測データ
を基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値
が、一対とした2カ所の各々のセンサ1a,1b共にあ
る定められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1
bを配置した区間の内側に異常が存在すると判断するこ
とにより、前記のような人工知能、すなわちAIやニュ
ーラルネットワークを利用することなく、簡単なアルゴ
リズムによって、機械的に判断することが可能となる。
【0100】一方、2つのセンサ1a,1bを配置した
区間での異常の発生場所を判断することにより、高周波
の発生場所が、2つのセンサ1a,1bを配置した区間
の外側か内側の判断のみならず、内側と判断した場合
に、どの場所で発生しているのかを予測することも可能
となる。
【0101】また、2カ所のセンサ1a,1bにより観
測する同一周波数帯域の観測データの比の値によって、
2つのセンサ1a,1bを配置した間の区間での異常の
発生場所を判断することにより、前記のような人工知
能、すなわちAIやニューラルネットワークを利用した
コンピュータによる汎用化された判断技術を応用して、
部分放電発生場所を判断することが可能となる。
【0102】以上により、ガス絶縁電気装置の内部で発
生する絶縁異常の前兆となる部分放電と送電線等から侵
入する外部ノイズとを、効率的にしかも万が一の誤りも
なく確実に区別することができ、信頼性が高くかつ低コ
ストなガス絶縁電気装置の異常診断装置を得ることがで
きる。
【0103】(第3の実施の形態)(請求項3、請求項
5、請求項7乃至請求項12に対応) 図3は、本実施の形態によるガス絶縁電気装置(図3で
は、変電所を構成するーつの部分であるガス絶縁開閉装
置のーつの回線を示す)の異常診断装置の構成例を示す
概要図であり、図2と同一要素には同一符号を付して示
している。
【0104】すなわち、図3に示すように、ガス絶縁電
気装置における異なる複数の場所(本例では2カ所)
に、その場所での高周波を測定するセンサ1a,1bを
それぞれ配置している。
【0105】ここで、センサ1a,1bを配置する場所
としては、図示のように、センサ1aは回線を図示しな
いブッシングと接続している長尺のガス絶縁母線14と
回線との接続部近傍に配置し、センサ1bはこの回線と
主母線13の接続部近傍に配置している。
【0106】一方、各々のセンサ1a,1bにより測定
されたデータを、観測装置2a,2bに入力して個別に
観測するようにしている。
【0107】また、各々の観測装置2a,2bには、共
通のタイミング制御装置3を接続しており、互いに同一
の時刻から観測を開始し同一の時刻で観測を終了するよ
うに制御するようにしている。
【0108】さらに、観測装置2aは、複数個(本例で
は3個)のバンドパスフィルタ5a,5a' ,5a''、
およびアンプ6a,6a' ,6a''を有し、観測装置2
bは複数個(本例では3個)のバンドパスフィルタ5
b,5b' ,5b''、およびアンプ6b,6b' ,6
b''を有する。
【0109】このバンドパスフィルタ5aと5b、5
a' と5b' 、5a''と5b''は、それぞれ同一の周波
数特性を有する、すなわち同一の周波数帯域としてい
る。
【0110】また、このアンプ6aと6b,6a' と6
b' ,6a''と6b''は、それぞれ同一の周波数特性を
有し、全てのアンプ6a,6a' ,6a'',6b,6
b' ,6b''は同一の利得を有する。
【0111】一方、センサ1aからの信号を3個に分割
して、3個のバンドパスフィルタ5a,5a' ,5a''
に入力し、アンプ6a,6a' ,6a''を介して観測装
置2aから出力する。
【0112】また、センサ1bからの信号を3個に分割
して、3個のバンドパスフィルタ5b,5b' 、5b''
に入力し、アンプ6b,6b' ,6b''を介して観測装
置2bから出力する。
【0113】さらに、アンプ6aと6bからの出力をデ
ータプロセッサ4に、アンプ6a'と6b' からの出力
をデータプロセッサ4' に、アンプ6a''と6b''から
の出力をデータプロセッサ4''にそれぞれ入力し、各々
のデータプロセッサ4,4',4a''からの3個の信号
を、判断装置7に入力し、各々の観測データを比較する
ことによって、ガス絶縁電気装置である変電所での異常
の有無を判断するようにしている。
【0114】次に、以上のように構成した本実施の形態
のガス絶縁電気装置の異常診断装置の作用について説明
する。
【0115】図3において、ガス絶縁電気装置における
異なる複数の場所での高周波は、センサ1a,1bでそ
れぞれ測定され、その測定されたデータは、観測装置2
a,2bに個別に入力される。
【0116】また、各々の観測装置2a,2bの動作
は、全てタイミング制御装置3により制御されており、
同一の時刻から観測を開始し同一の時刻で観測を終了す
るように制御される。
【0117】すなわち、センサ1aからのデータは、観
測装置2aに入力して3個に分割され、3個のバンドパ
スフィルタ5a,5a' ,5a''、アンプ6a,6a'
,6a''を通して出力される。
【0118】また、センサ1bからのデータは、観測装
置2bに入力して3個に分割され、3個のバンドパスフ
ィルタ5b,5b' 、5b''、アンプ6b,6b' ,6
b''を通して出力される。
【0119】そして、各々の観測装置2a,2bで観測
された各々の観測データは、アンプ6aと6bからの出
力がデータプロセッサ4に、アンプ6a' と6b' から
の出力がデータプロセッサ4' に、アンプ6a''と6
b''からの出力がデータプロセッサ4''にそれぞれ入力
され、さらに各々のデータプロセッサ4,4' ,4a''
からの3個の信号が、判断装置7に入力され、各々の観
測データを比較することによって、ガス絶縁電気装置で
ある変電所での異常の有無が判断される。
【0120】この場合、各々の観測装置2a,2bは、
同一時刻で現象を観測して、同一の現象を観測すること
になるため、観測した高周波がどこから来たものかの予
想がつき、外部ノイズを区別することができる。
【0121】一方、一対のセンサ1a,1bから観測す
る周波数帯域を同一とし、両方の観測データが比較され
る。
【0122】あるいは、一対のセンサ1a,1bから観
測する周波数帯域を複数かつ同一とし、各々の周波数帯
域の観測データが比較される。
【0123】また、一対のセンサ1a,1bにより観測
する同一周波数帯域の観測データの比の値が求められ
る。
【0124】一方、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一対のセンサ1a,1b共にある定められた値以下の場
合には、外部ノイズとして処理される。
【0125】また、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一方のセンサ1aまたは1bである定められた値以下で
あり、かつ他方のセンサ1bまたは1aではこのある定
められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1bを
配置した区間の外側に異常が存在すると判断される。
【0126】さらに、最も低い周波数帯域の観測データ
を基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値
が、一対のセンサ1a,1b共にある定められた値以上
の場合には、2つのセンサ1a,1bを配置した区間の
内側に異常が存在すると判断される。
【0127】一方、一対のセンサ1a,1bにより観測
する同一周波数帯域の観測データを比較することによっ
て、2つのセンサ1a,1bを配置した区間での異常の
発生場所が判断される。
【0128】あるいは、一対のセンサ1a,1bにより
観測する同一周波数帯域の観測データの比の値によっ
て、2つのセンサ1a,1bを配置した区間での異常の
発生場所が判断される。
【0129】すなわち、図3に示すような構成において
は、前述した図2に示す構成のように、外部ノイズの伝
播の方向性はわからない。これは、図3には図示しない
ブッシングからの侵人ノイズが、長尺ガス絶縁母線14
を通過するに際して減衰を受けるために、他の回線から
侵人するノイズと比較してどちらが大きくなるか明かで
ないためである。
【0130】よって、図2に示すように、2カ所のセン
サ1a,1bの単純な観測量の比較では、ノイズの判別
は十分でない。
【0131】ところで、外部力から侵入するノイズは、
有する周波数成分が比較的低い周波数帯域に片寄ってい
ること、ガス絶縁電気装置内部で発生する部分放電パル
スは高い周波数成分まで有していること、高い周波数成
分ほど伝播に伴なう減衰が大きいこと、が良く知られて
いる。
【0132】センサlaを通過してセンサlbに達する
パルスのそれぞれの周波数成分の減衰は既知であり、ま
た同様に、センサlbを通過してセンサlaに達するパ
ルスのそれぞれの周波数成分の減衰も既知である。
【0133】よって、図3に示すように、3種類の周波
数帯域の各々の周波数成分の観測データを比較すること
によって、どのようなパルスがどちら側から伝播してき
たか、すなわち長尺ガス絶縁母線14側から侵入したパ
ルスの大きさ、主母線13側から侵入したパルスの大き
さ、およびセンサlaとセンサlbとの間のガス絶縁電
気装置内で発生したパルスの大きさを判別することがで
きる。ただし、この場合も同様に、外部ノイズは時間的
に変化しており、常に同一の現象を観測する必要があ
り、本方式はこれを可能としている。
【0134】上述したように、本実施の形態のガス絶縁
電気装置の異常診断装置では、次のような効果を得るこ
とができる。
【0135】すなわち、ブッシング11に接続されたガ
ス絶縁開閉装置の回線では、送電線に接続しているのが
ブッシング部であるために、外部から侵入するノイズの
伝播経路および方向性は既知となることから、2カ所の
センサ1a,1bを一対として、その一対のセンサ1
a,1bから観測する周波数帯域を同一とし、両方の観
測データを比較することにより、観測された高周波の伝
播方向が予測できるため、その伝播方向が既知のノイズ
の伝播方向と異なれば、装置内部の異常と判断すること
が可能となる。
【0136】また、ブッシング11から長尺のガス絶縁
母線を通して接続されたガス絶縁電気装置の回線におい
て、他の回線が別のブッシングに接続されている場合、
他の回線とは主母線13を介してこの回線が接続されて
いるために、外部から侵入するノイズの伝播経路は既知
となるが、方向性は前もって判断することはできない
(どちらからもノイズが同程度侵入してくる可能性があ
る)ことから、高い周波数成分ほど早く減衰する性質を
利用して、2種類以上の周波数成分の強度を比較するこ
とにより、高周波がどこから来たのか判断することがで
きる、すなわち高周波の発生源が、2つのセンサ1a,
1bを配置した区間の外側か内側かを判断することが可
能となる。
【0137】さらに、一対とした2カ所のセンサ1a,
1bにより観測する同一周波数帯域の観測データの比の
値を求めることにより、前記のようなコンピュータによ
る汎用化された判断技術を応用することが可能となる。
【0138】一方、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一対とした2カ所の各々のセンサ1a,1b共にある定
められた値以下の場合には、外部ノイズとして処理する
ことにより、前記のような人工知能、すなわちAIやニ
ューラルネットワークを利用することなく、簡単なアル
ゴリズムによって、機械的に判断することが可能とな
る。
【0139】また、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一方のセンサ1aまたは1bである定められた値以下で
あり、かつ他方のセンサ1bまたは1aでは当該ある定
められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1bを
配置した区間の外側に異常が存在すると判断することに
より、前記のような人工知能、すなわちAIやニューラ
ルネットワークを利用することなく、簡単なアルゴリズ
ムによって、機械的に判断することが可能となる。
【0140】さらに、最も低い周波数帯域の観測データ
を基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値
が、一対とした2カ所の各々のセンサ1a,1b共にあ
る定められた値以上の場合には、2つのセンサ1a,1
bを配置した区間の内側に異常が存在すると判断するこ
とにより、前記のような人工知能、すなわちAIやニュ
ーラルネットワークを利用することなく、簡単なアルゴ
リズムによって、機械的に判断することが可能となる。
【0141】一方、2つのセンサ1a,1bを配置した
区間での異常の発生場所を判断することにより、高周波
の発生場所が、2つのセンサ1a,1bを配置した区間
の外側か内側の判断のみならず、内側と判断した場合
に、どの場所で発生しているのかを予測することも可能
となる。
【0142】また、2カ所のセンサ1a,1bにより観
測する同一周波数帯域の観測データの比の値によって、
2つのセンサ1a,1bを配置した間の区間での異常の
発生場所を判断することにより、前記のような人工知
能、すなわちAIやニューラルネットワークを利用した
コンピュータによる汎用化された判断技術を応用して、
部分放電発生場所を判断することが可能となる。
【0143】以上により、ガス絶縁電気装置の内部で発
生する絶縁異常の前兆となる部分放電と送電線等から侵
入する外部ノイズとを、効率的にしかも万が一の誤りも
なく確実に区別することができ、信頼性が高くかつ低コ
ストなガス絶縁電気装置の異常診断装置を得ることがで
きる。
【0144】(第4の実施の形態)(請求項6、請求項
8乃至請求項12に対応) 図4は、本実施の形態によるガス絶縁電気装置(図4で
は、変電所を構成するーつの部分であるガス絶縁開閉装
置のーつの回線を示す)の異常診断装置の構成例を示す
概要図であり、図3と同一要素には同一符号を付して示
している。
【0145】すなわち、図4に示すように、ガス絶縁電
気装置における異なる複数の場所(本例では2カ所)
に、その場所での高周波を測定するセンサ1a,1bを
それぞれ配置している。
【0146】ここで、センサ1a,1bを配置する場所
としては、図示のように、センサ1aは回線を図示しな
いブッシングと接続している長尺のガス絶縁母線14と
回線との接続部近傍に配置し、センサ1bはこの回線と
主母線13の接続部近傍に配置している。
【0147】一方、各々のセンサ1a,1bにより測定
されたデータを、観測装置2a,2bに入力して個別に
観測するようにしている。
【0148】また、各々の観測装置2a,2bには、共
通のタイミング制御装置3を接続しており、互いに同一
の時刻から観測を開始し同一の時刻で観測を終了するよ
うに制御するようにしている。
【0149】さらに、観測装置2aは、複数個(本例で
は3個)のバンドパスフィルタ5a,5a' ,5a''、
およびアンプ6a,6a' ,6a''を有し、観測装置2
bは複数個(本例では3個)のバンドパスフィルタ5
b,5b' ,5b''、およびアンプ6b,6b' ,6
b''を有する。
【0150】このバンドパスフィルタ5aと5b、5
a' と5b' 、5a''と5b''は、それぞれ同一の周波
数特性を有する、すなわち同一の周波数帯域としてい
る。
【0151】また、このアンプ6aと6b,6a' と6
b' ,6a''と6b''は、それぞれ同一の周波数特性を
有し、全てのアンプ6a,6a' ,6a'',6b,6
b' ,6b''は同一の利得を有する。
【0152】一方、センサ1aからの信号を3個に分割
して、3個のバンドパスフィルタ5a,5a' ,5a''
に入力し、アンプ6a,6a' ,6a''を介して観測装
置2aから出力する。
【0153】また、センサ1bからの信号を3個に分割
して、3個のバンドパスフィルタ5b,5b' 、5b''
に入力し、アンプ6b,6b' ,6b''を介して観測装
置2bから出力する。
【0154】一方、アンプ6aと6a' からの出力を演
算装置8aに入力して、アンプ6aからの出力を基準と
したアンプ6a' からの出力との比の値を計算するよう
にしている。
【0155】また、アンプ6aと6a''からの出力を演
算装置8a' に入力して、アンプ6aからの出力を基準
としたアンプ6a''からの出力との比の値を計算するよ
うにしている。
【0156】さらに、アンプ6bと6b' からの出力を
演算装置8bに入力して、アンプ6bからの出力を基準
としたアンプ6b' からの出力との比の値を計算するよ
うにしている。
【0157】さらにまた、アンプ6bと6b''からの出
力を演算装置8b' に入力して、アンプ6bからの出力
を基準としたアンプ6b''からの出力との比の値を計算
するようにしている。
【0158】一方、各々のアンプ6aと6bからの出力
をデータプロセッサ4に、各々の演算装置8aと8bか
らの出力をデータプロセッサ4' に、各々の演算装置8
a'と8b' からの出力をデータプロセッサ4''にそれ
ぞれ入力し、さらに各々のデータプロセッサ4,4' ,
4a''からの3個の信号を、判断装置7に入力し、各々
の観測データを比較することによって、ガス絶縁電気装
置である変電所での異常の有無を判断するようにしてい
る。
【0159】次に、以上のように構成した本実施の形態
のガス絶縁電気装置の異常診断装置の作用について説明
する。
【0160】図3において、ガス絶縁電気装置における
異なる複数の場所での高周波は、センサ1a,1bでそ
れぞれ測定され、その測定されたデータは、観測装置2
a,2bに個別に入力される。
【0161】また、各々の観測装置2a,2bの動作
は、全てタイミング制御装置3により制御されており、
同一の時刻から観測を開始し同一の時刻で観測を終了す
るように制御される。
【0162】すなわち、センサ1aからのデータは、観
測装置2aに入力して3個に分割され、3個のバンドパ
スフィルタ5a,5a' ,5a''、アンプ6a,6a'
,6a''を通して出力される。
【0163】また、センサ1bからのデータは、観測装
置2bに入力して3個に分割され、3個のバンドパスフ
ィルタ5b,5b' 、5b''、アンプ6b,6b' ,6
b''を通して出力される。
【0164】そして、各々の観測装置2a,2bで観測
された各々の観測データは、アンプ6aと6a' からの
出力が演算装置8aに、アンプ6aと6a''からの出力
が演算装置8a' に、アンプ6bと6b' からの出力が
演算装置8bに、アンプ6bと6b''からの出力が演算
装置8b' にそれぞれ入力され、アンプ6aからの出力
を基準としたアンプ6a' ,6a''からの各々の出力と
の比の値、アンプ6bからの出力を基準としたアンプ6
b' ,6b''からの各々の出力との比の値が、それぞれ
求められる。
【0165】また、各々のアンプ6aと6bからの出力
がデータプロセッサ4に、各々の演算装置8aと8bか
らの出力がデータプロセッサ4' に、各々の演算装置8
a'と8b' からの出力がデータプロセッサ4''にそれ
ぞれ入力され、さらに各々のデータプロセッサ4,4'
,4a''からの3個の信号が、判断装置7に入力さ
れ、各々の観測データを比較することによって、ガス絶
縁電気装置である変電所での異常の有無が判断される。
【0166】この場合、各々の観測装置2a,2bは、
同一時刻で現象を観測して、同一の現象を観測すること
になるため、観測した高周波がどこから来たものかの予
想がつき、外部ノイズを区別することができる。また、
比較すべきデータは2個のみでよい。
【0167】すなわち、図4に示すような構成において
も、前記第3の実施の形態の場合と同様に、3種類の周
波数帯域の各々の周波数成分の観測データを比較するこ
とによって、どのようなパルスがどちら側から伝播して
きたか、すなわち長尺ガス絶縁母線14側から侵入した
パルスの大きさ、主母線13側から侵入したパルスの大
きさ、およびセンサlaとセンサlbとの間のガス絶縁
電気装置内で発生したパルスの大きさを判別することが
できる。
【0168】ただし、この場合も同様に、外部ノイズは
時間的に変化しており、常に同一の現象を観測する必要
があり、本方式はこれを可能としている。
【0169】また、演算装置8a,8a' ,8b,8
b' によって、諸量を無次元化することにより、判別装
置7によって演算を実施する際に普遍性を持たせること
ができる。
【0170】上述したように、本実施の形態のガス絶縁
電気装置の異常診断装置では、次のような効果を得るこ
とができる。
【0171】すなわち、諸量を比較する作業は、コンピ
ュータによる演算を用いると正確でしかもコスト的に有
利となり、最近の人工知能、すなわちAIやニューラル
ネットワークを利用したコンピュータによる判断技術を
応用する場合、コンピュータに入力する量は、汎用化さ
れたソフトを使用できる点において、一般化された無次
元量がよいことから、最も低い周波数帯域による観測デ
ータを基準として、各々の周波数帯域の観測データとの
比の値を求めることにより、前記のようなコンピュータ
による汎用化された判断技術を応用することが可能とな
る。
【0172】また、上記のような人工知能、すなわちA
Iやニューラルネットワークを利用することなく、簡単
なアルゴリズムによって、機械的に判断させることも可
能となる。
【0173】以上により、ガス絶縁電気装置の内部で発
生する絶縁異常の前兆となる部分放電と送電線等から侵
入する外部ノイズとを、効率的にしかも万が一の誤りも
なく確実に区別することができ、信頼性が高くかつ低コ
ストなガス絶縁電気装置の異常診断装置を得ることがで
きる。
【0174】(他の実施の形態)尚、本発明は前述した
ような各実施の形態に限定されるものではなく、各々の
観測装置からの出力データの処理アルゴリズムとして
は、様々な利用法が考えられる。
【0175】(a)請求項11に記載したように、一対
とした2カ所のセンサにより観測する同一周波数帯域の
観測データを比較することによって、2つのセンサを配
置した区間での異常の発生場所を判断することにより、
高周波の発生場所が、2つのセンサを配置した区間の外
側か内側の判断のみならず、内側と判断した場合に、ど
の場所で発生しているのかを予測することも可能とな
る。
【0176】(b)請求項12に記載したように、一対
とした2カ所のセンサにより観測する同一周波数帯域の
観測データの比の値によって、2つのセンサを配置した
区間での異常の発生場所を判断することにより、前記の
ような人工知能、すなわちAIやニューラルネットワー
クを利用したコンピュータによる汎用化された判断技術
を応用して、部分放電発生場所を判断することが可能と
なる。
【0177】(c)異常診断の判断結果によっては、ガ
ス絶縁電気装置の機能を停止させるように制御すること
も可能である。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に対応す
る発明によれば、絶縁性のガスを充填した密閉金属容器
の内部に高電圧導体を絶縁物により支持配置して成るガ
ス絶縁電気装置で発生する異常を診断する異常診断方法
において、ガス絶縁電気装置における異なる複数の場所
で、互いに同一の時刻から開始し同一の時刻で終了する
ように高周波をそれぞれ測定して観測し、当該各々の場
所での高周波の観測データを比較することによってガス
絶縁電気装置での異常の有無を判断するようにしたの
で、ガス絶縁電気装置の内部で発生する絶縁異常の前兆
となる部分放電と送電線等から侵入する外部ノイズとを
効率的にしかも万が一の誤りもなく確実に区別すること
が可能な信頼性が高くかつ低コストなガス絶縁電気装置
の異常診断方法が提供できる。
【0179】一方、請求項2に対応する発明によれば、
絶縁性のガスを充填した密閉金属容器の内部に高電圧導
体を絶縁物により支持配置して成るガス絶縁電気装置で
発生する異常を診断する異常診断装置において、ガス絶
縁電気装置における異なる複数の場所にそれぞれ配置さ
れ、当該場所での高周波を測定するセンサと、各々のセ
ンサにより測定されたデータを、互いに同一の時刻から
開始し同一の時刻で終了するように観測する観測手段
と、観測手段により観測された各々の観測データを比較
することによってガス絶縁電気装置での異常の有無を判
断するデータ処理装置とを備えるようにしたので、ガス
絶縁電気装置の内部で発生する絶縁異常の前兆となる部
分放電と送電線等から侵入する外部ノイズとを効率的に
しかも万が一の誤りもなく確実に区別することが可能な
信頼性が高くかつ低コストなガス絶縁電気装置の異常診
断装置が提供できる。
【0180】また、請求項3に対応する発明によれば、
上記請求項2に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常
診断装置において、2カ所のセンサを一対とし、当該一
対のセンサから観測する周波数帯域を同一とし、両方の
観測データを比較するようにしたので、観測された高周
波の伝播方向を予測してその伝播方向が既知のノイズの
伝播方向と異なれば、装置内部の異常と判断することが
可能な信頼性が高くかつ低コストなガス絶縁電気装置の
異常診断装置が提供できる。
【0181】さらに、請求項4に対応する発明によれ
ば、上記請求項2に対応する発明のガス絶縁電気装置の
異常診断装置において、センサを2カ所以上に配置し
て、当該各々のセンサでの観測は複数の周波数帯域を有
し、各々の周波数帯域の観測データを比較するようにし
たので、各々のセンサで観測した高周波の強度のみでは
なく、周波数をパラメータとした、より一層高度な判断
をすることが可能な信頼性が高くかつ低コストなガス絶
縁電気装置の異常診断装置が提供できる。
【0182】さらにまた、請求項5に対応する発明によ
れば、上記請求項2に対応する発明のガス絶縁電気装置
の異常診断装置において、2カ所のセンサを一対とし、
当該一対のセンサから観測する周波数帯域を複数かつ同
一とし、各々の周波数帯域の観測データを比較するよう
にしたので、高周波の発生源が2つのセンサを配置した
区間の外側か内側かを判断することが可能な信頼性が高
くかつ低コストなガス絶縁電気装置の異常診断装置が提
供できる。
【0183】一方、請求項6に対応する発明によれば、
上記請求項4に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常
診断装置において、最も低い周波数帯域による観測デー
タを基準として、各々の周波数帯域の観測データとの比
の値を求めるようにしたので、コンピュータによる汎用
化された判断技術を応用することが可能な信頼性が高く
かつ低コストなガス絶縁電気装置の異常診断装置が提供
できる。
【0184】また、請求項7に対応する発明によれば、
上記請求項5に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常
診断装置において、一対とした2カ所のセンサにより観
測する同一周波数帯域の観測データの比の値を求めるよ
うにしたので、コンピュータによる汎用化された判断技
術を応用することが可能な信頼性が高くかつ低コストな
ガス絶縁電気装置の異常診断装置が提供できる。
【0185】さらに、請求項8に対応する発明によれ
ば、上記請求項6に対応する発明のガス絶縁電気装置の
異常診断装置において、最も低い周波数帯域の観測デー
タを基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値
が、一対とした2カ所の各々のセンサ共にある定められ
た値以下の場合には、外部ノイズとして処理するように
したので、人工知能、すなわちAIやニューラルネット
ワークを利用することなく、簡単なアルゴリズムによっ
て機械的に判断することが可能な信頼性が高くかつ低コ
ストなガス絶縁電気装置の異常診断装置が提供できる。
【0186】また、請求項9に対応する発明によれば、
上記請求項6に対応する発明のガス絶縁電気装置の異常
診断装置において、最も低い周波数帯域の観測データを
基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値が、
一方のセンサである定められた値以下であり、かつ他方
のセンサでは当該ある定められた値以上の場合には、当
該2つのセンサを配置した区間の外側に異常が存在する
と判断するようにしたので、人工知能、すなわちAIや
ニューラルネットワークを利用することなく、簡単なア
ルゴリズムによって機械的に判断することが可能な信頼
性が高くかつ低コストなガス絶縁電気装置の異常診断装
置が提供できる。
【0187】さらに、請求項10に対応する発明によれ
ば、上記請求項6に対応する発明のガス絶縁電気装置の
異常診断装置において、最も低い周波数帯域の観測デー
タを基準とした各々の周波数帯域の観測データの比の値
が、一対とした2カ所の各々のセンサ共にある定められ
た値以上の場合には、当該2つのセンサを配置した区間
の内側に異常が存在すると判断するようにしたので、人
工知能、すなわちAIやニューラルネットワークを利用
することなく、簡単なアルゴリズムによって機械的に判
断することが可能な信頼性が高くかつ低コストなガス絶
縁電気装置の異常診断装置が提供できる。
【0188】一方、請求項11に対応する発明によれ
ば、上記請求項5に対応する発明のガス絶縁電気装置の
異常診断装置において、一対とした2カ所のセンサによ
り観測する同一周波数帯域の観測データを比較すること
によって、当該2つのセンサを配置した区間での異常の
発生場所を判断するようにしたので、高周波の発生場所
が2つのセンサを配置した区間の外側か内側の判断のみ
ならず、内側と判断した場合にどの場所で発生している
のかを予測することも可能な信頼性が高くかつ低コスト
なガス絶縁電気装置の異常診断装置が提供できる。
【0189】また、請求項12に対応する発明によれ
ば、上記請求項8に対応する発明のガス絶縁電気装置の
異常診断装置において、一対とした2カ所のセンサによ
り観測する同一周波数帯域の観測データの比の値によっ
て、当該2つのセンサを配置した区間での異常の発生場
所を判断するようにしたので、人工知能、すなわちAI
やニューラルネットワークを利用したコンピュータによ
る汎用化された判断技術を応用して、部分放電発生場所
を判断することが可能な信頼性が高くかつ低コストなガ
ス絶縁電気装置の異常診断装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガス絶縁電気装置の異常診断装置
の第1の実施の形態を示す概要図。
【図2】本発明によるガス絶縁電気装置の異常診断装置
の第2の実施の形態を示す概要図。
【図3】本発明によるガス絶縁電気装置の異常診断装置
の第3の実施の形態を示す概要図。
【図4】本発明によるガス絶縁電気装置の異常診断装置
の第4の実施の形態を示す概要図。
【図5】従来のガス絶縁電気装置の異常診断装置の一例
を示す概略構成図。
【符号の説明】
1a,1b,1c…センサ、 2a,2b,2c,2d,2e…観測装置、 3…タイミング制御装置、 4,4' ,4''…データプロセッサ、 5,5a,5a' ,5a'',5b,5b' ,5b''…バ
ンドパスフイルタ、 6,6a,6a' ,6a'',6b,6b' ,6b''…ア
ンプ、 7…判断装置、 8a,8a' ,8b,8b' …演算装置、 11…ブッシング、 12…電力ケーブル、 13…主母線、 14…長尺ガス絶縁母線、 21…絶縁スペーサ、 22…シールド電極、 23…高電圧導体、 24…密閉金属容器。
フロントページの続き (72)発明者 野嶋 健一 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 小山 博 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性のガスを充填した密閉金属容器の
    内部に高電圧導体を絶縁物により支持配置して成るガス
    絶縁電気装置で発生する異常を診断する異常診断方法に
    おいて、 前記ガス絶縁電気装置における異なる複数の場所で、互
    いに同一の時刻から開始し同一の時刻で終了するように
    高周波をそれぞれ測定して観測し、当該各々の場所での
    高周波の観測データを比較することによって前記ガス絶
    縁電気装置での異常の有無を判断するようにしたことを
    特徴とするガス絶縁電気装置の異常診断方法。
  2. 【請求項2】 絶縁性のガスを充填した密閉金属容器の
    内部に高電圧導体を絶縁物により支持配置して成るガス
    絶縁電気装置で発生する異常を診断する異常診断装置に
    おいて、 前記ガス絶縁電気装置における異なる複数の場所にそれ
    ぞれ配置され、当該場所での高周波を測定するセンサ
    と、 前記各々のセンサにより測定されたデータを、互いに同
    一の時刻から開始し同一の時刻で終了するように観測す
    る観測手段と、 前記観測手段により観測された各々の観測データを比較
    することによって前記ガス絶縁電気装置での異常の有無
    を判断するデータ処理装置と、 を備えて成ることを特徴とするガス絶縁電気装置の異常
    診断装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載のガス絶縁電気装置
    の異常診断装置において、 2カ所のセンサを一対とし、当該一対のセンサから観測
    する周波数帯域を同一とし、両方の観測データを比較す
    るようにしたことを特徴とするガス絶縁電気装置の異常
    診断装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項2に記載のガス絶縁電気装置
    の異常診断装置において、 前記センサを2カ所以上に配置して、当該各々のセンサ
    での観測は複数の周波数帯域を有し、各々の周波数帯域
    の観測データを比較するようにしたことを特徴とするガ
    ス絶縁電気装置の異常診断装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項2に記載のガス絶縁電気装置
    の異常診断装置において、 2カ所のセンサを一対とし、当該一対のセンサから観測
    する周波数帯域を複数かつ同一とし、各々の周波数帯域
    の観測データを比較するようにしたことを特徴とするガ
    ス絶縁電気装置の異常診断装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項4に記載のガス絶縁電気装置
    の異常診断装置において、 最も低い周波数帯域による観測データを基準として、各
    々の周波数帯域の観測データとの比の値を求めるように
    したことを特徴とするガス絶縁電気装置の異常診断装
    置。
  7. 【請求項7】 前記請求項5に記載のガス絶縁電気装置
    の異常診断装置において、 前記一対とした2カ所のセンサにより観測する同一周波
    数帯域の観測データの比の値を求めるようにしたことを
    特徴とするガス絶縁電気装置の異常診断装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項6に記載のガス絶縁電気装置
    の異常診断装置において、 最も低い周波数帯域の観測データを基準とした各々の周
    波数帯域の観測データの比の値が、前記一対とした2カ
    所の各々のセンサ共にある定められた値以下の場合に
    は、外部ノイズとして処理するようにしたことを特徴と
    するガス絶縁電気装置の異常診断装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項6に記載のガス絶縁電気装置
    の異常診断装置において、 最も低い周波数帯域の観測データを基準とした各々の周
    波数帯域の観測データの比の値が、一方のセンサである
    定められた値以下であり、かつ他方のセンサでは当該あ
    る定められた値以上の場合には、当該2つのセンサを配
    置した区間の外側に異常が存在すると判断するようにし
    たことを特徴とするガス絶縁電気装置の異常診断装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項6に記載のガス絶縁電気装
    置の異常診断装置において、 最も低い周波数帯域の観測データを基準とした各々の周
    波数帯域の観測データの比の値が、一対とした2カ所の
    各々のセンサ共にある定められた値以上の場合には、当
    該2つのセンサを配置した区間の内側に異常が存在する
    と判断するようにしたことを特徴とするガス絶縁電気装
    置の異常診断装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項5に記載のガス絶縁電気装
    置の異常診断装置において、 前記一対とした2カ所のセンサにより観測する同一周波
    数帯域の観測データを比較することによって、当該2つ
    のセンサを配置した区間での異常の発生場所を判断する
    ようにしたことを特徴とするガス絶縁電気装置の異常診
    断装置。
  12. 【請求項12】 前記請求項8に記載のガス絶縁電気装
    置の異常診断装置において、 前記一対とした2カ所のセンサにより観測する同一周波
    数帯域の観測データの比の値によって、当該2つのセン
    サを配置した区間での異常の発生場所を判断するように
    したことを特徴とするガス絶縁電気装置の異常診断装
    置。
JP8326866A 1996-12-06 1996-12-06 ガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置 Pending JPH10170593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8326866A JPH10170593A (ja) 1996-12-06 1996-12-06 ガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8326866A JPH10170593A (ja) 1996-12-06 1996-12-06 ガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10170593A true JPH10170593A (ja) 1998-06-26

Family

ID=18192610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8326866A Pending JPH10170593A (ja) 1996-12-06 1996-12-06 ガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10170593A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999039217A1 (en) * 1998-02-02 1999-08-05 Massachusetts Institute Of Technology System and method for measurement of partial discharge signals in high voltage apparatus
EP2574941A3 (en) * 2011-09-29 2017-07-05 Hyundai Heavy Industries Co., Ltd. Method of estimating location of partial discharge using signal attenuation rate in GIS tank

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62214372A (ja) * 1986-03-17 1987-09-21 Toshiba Corp 部分放電検出方式
JPH04353775A (ja) * 1991-05-31 1992-12-08 Furukawa Electric Co Ltd:The ケーブルの部分放電測定方法
JPH05157796A (ja) * 1991-12-10 1993-06-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 部分放電測定装置
JPH0750147B2 (ja) * 1989-06-14 1995-05-31 株式会社日立製作所 ガス絶縁電気機器の異常位置標定方法および装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62214372A (ja) * 1986-03-17 1987-09-21 Toshiba Corp 部分放電検出方式
JPH0750147B2 (ja) * 1989-06-14 1995-05-31 株式会社日立製作所 ガス絶縁電気機器の異常位置標定方法および装置
JPH04353775A (ja) * 1991-05-31 1992-12-08 Furukawa Electric Co Ltd:The ケーブルの部分放電測定方法
JPH05157796A (ja) * 1991-12-10 1993-06-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 部分放電測定装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999039217A1 (en) * 1998-02-02 1999-08-05 Massachusetts Institute Of Technology System and method for measurement of partial discharge signals in high voltage apparatus
US6420879B2 (en) 1998-02-02 2002-07-16 Massachusetts Institute Of Technology System and method for measurement of partial discharge signals in high voltage apparatus
EP2574941A3 (en) * 2011-09-29 2017-07-05 Hyundai Heavy Industries Co., Ltd. Method of estimating location of partial discharge using signal attenuation rate in GIS tank

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5146170A (en) Method and apparatus for locating an abnormality in a gas-insulated electric device
JP4157636B2 (ja) ガス絶縁機器の部分放電診断装置
CN110426616B (zh) 一种基于法兰盘螺栓的gis局部放电检测装置和方法
CN111505466A (zh) 一种组合电器局部放电振动检测方法
JPH10170593A (ja) ガス絶縁電気装置の異常診断方法および装置
JP3347004B2 (ja) 部分放電検出装置
EP0415370B2 (en) Power apparatus, power transmission/distribution unit, and tripping method therefor
JP2947300B2 (ja) 回転電機の異常検出装置
KR100518370B1 (ko) 가스절연 개폐장치의 방전 진단 시스템
KR100368425B1 (ko) 가스절연개폐장치의 동작상태 감시진단 방법
JPH0968556A (ja) 電気機器用絶縁診断装置
JP3112034B2 (ja) 変電機器の予防保全システム
JP2624914B2 (ja) 部分放電測定装置及びその試験方法
JP3854783B2 (ja) 部分放電診断装置
JP2723902B2 (ja) スペクトラム減算方式部分放電監視システム
JPH1152003A (ja) ガス絶縁電気装置の部分放電診断装置
Hoshino et al. Development of coaxial-to-waveguide antenna attached outer GIS for detecting partial discharge
JP2883709B2 (ja) ガス絶縁開閉装置の内部部分放電検出方法
JPH0283463A (ja) ガス絶縁開閉装置の内部部分放電検出システム
JP2000102159A (ja) ガス絶縁電気装置の異常診断方法及びその装置
CN112824914A (zh) 一种针对gis设备的快速检测方法
CN117706304A (zh) 特高频在线监测盲区的电力设备局部放电缺陷定位方法
JPS62134574A (ja) コロナ放電検知装置
JP2950425B2 (ja) 電気機器の部分放電監視装置
JPH06109800A (ja) 部分放電監視方法