JPH10170422A - 複合型匂いセンサ - Google Patents

複合型匂いセンサ

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JPH10170422A
JPH10170422A JP8332380A JP33238096A JPH10170422A JP H10170422 A JPH10170422 A JP H10170422A JP 8332380 A JP8332380 A JP 8332380A JP 33238096 A JP33238096 A JP 33238096A JP H10170422 A JPH10170422 A JP H10170422A
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JP
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odor
sensor
sensor array
sensors
type
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JP8332380A
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Iwao Tako
巌 多湖
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 匂い物質を構成する複数の化学物質の測定、
判別ができ、微妙な匂いを識別可能であって、冷蔵庫に
組み込み、牛肉の熟成度、野菜や魚肉などの鮮度を測定
したり、調理機器や自販機に組み込み食品や飲料の品質
管理に応用したり、空調機器や消脱臭装置の制御などに
使用できる匂いセンサを提供する。 【解決手段】 匂い物質の測定を行うための測定原理が
同じセンサを備えたセンサアレイと、このセンサとは化
学物質の測定を行うための測定原理を異にするセンサを
備えたセンサアレイから選ばれる少なくとも1つのセン
サアレイとを組み合わせた複合型匂いセンサを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は複合型匂いセンサ
に関するものであり、さらに詳しくは、匂い物質を構成
する複数の化学物質の測定、判別に用いられる複合型匂
いセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品や飲料の匂いはその品質を左右する
重要な要素であり、熟成・酸化・腐敗などの変化にとも
なって、匂いも著しく変化することが知られている。食
品や飲料の鮮度や熱成度を判定したり、保存によって品
質が変化するのを追跡したり、調理や加工による品質の
変化を検知して、食品や飲料の品質管理を行ったり、冷
蔵庫や調理機器の制御を行うことはそれらに携わる業者
にとって非常に重要な問題であり、そのために、匂いを
測定することが行われている。
【0003】従来、匂いを測定するための匂いセンサ
に、特定の化学物質を識別してこれと特異的に結合する
レセプター(受容体)と、このレセプターで結合された
物質に関する情報を電気信号に変換するトランスヂュー
サから構成されるセンサがあるが、特定の化学物質を識
別するためには他の化学物質の影響を防ぐための工夫が
必要となる問題がある、一方、匂いなどの官能に作用す
る化学物質は数千種類もあり、実際の匂いには多数の化
学物質が含まれているのでこのセンサではこれらを識別
することはできない。数千種類の化学物質に各々特異的
かつ選択的に反応するレセプターを全て見いだすことも
殆ど不可能である。
【0004】この欠点を改良するために、匂いを構成す
る複数の化学物質に渡ってこれを吸着できるレセプタが
表面に形成されている水晶振動子などの表面振動子を複
数個組み合わせて構成したセンサアレイを用いた匂検出
用の化学センサが提案されている(特開平1−2443
35号公報)。この匂検出用の化学センサは、前記各振
動子の固有振動状態を電気信号として検出する電気的検
出手段と、学習機能を有し、かつ上記電気的検出手段で
検出された複数の電気信号をパターン処理してパターン
を識別する神経模倣回路を構成している電子的判別手段
と、この判別の結果を表示する表示手段とを備えてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の匂検出用の化学
センサは、化学物質の測定を行うための測定原理が同じ
センサを複数個組み合わせたセンサアレイを用い、それ
らの出力パターンから匂いを識別しているので、大まか
な匂いの違いは識別できるが、微妙な匂い差は識別が難
しいという問題がある上、匂いは温度や湿度などの条件
によっても変化するが、測定原理が同じセンサを用いて
いると測定条件の影響がすべてのセンサに同じように現
われるため、匂いそのものの変化かセンサの特性の変化
なのかがわからないという問題がある。本発明の目的
は、匂い物質を構成する複数の化学物質の測定、判別が
でき、微妙な匂いを識別可能な匂いセンサを提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、微妙な匂い
を識別可能な匂いセンサを提供するために鋭意研究を重
ねた結果、測定原理が同じセンサを複数個組み合わせて
構成したセンサアレイと、このセンサとは測定原理を異
にするセンサを複数個組み合わせて構成したセンサアレ
イとを少なくとも1つ組み合わせた複合型匂いセンサを
用いて同時に測定することにより、匂いの情報量が増加
し、多くの匂いの中から目的の匂いを識別したり、牛肉
の熟成などの微妙な匂いの変化を検知することなどが可
能になるので、例えば、この複合型匂いセンサを冷蔵庫
に組み込み、牛肉の熟成度、野菜や魚肉などの鮮度を測
定したり、調理機器や自販機に組み込み食品や飲料の品
質管理に応用したり、空調機器や消脱臭装置の制御に用
いることができることを見出し、この発明を完成するに
到った。
【0007】すなわち、本発明の請求項1の発明は、匂
い物質の測定を行うための測定原理が同じセンサを備え
たセンサアレイと、このセンサとは化学物質の測定を行
うための測定原理を異にするセンサを備えたセンサアレ
イから選ばれる少なくとも1つのセンサアレイとを組み
合わせて判別を行うことを特徴とする複合型匂いセンサ
である。
【0008】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
の複合型匂いセンサにおいて、セラミック半導体型セン
サを複数個組み合わせて構成したセンサアレイと、水晶
振動子型センサを複数個組み合わせて構成したセンサア
レイとを組み合わせたことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載の複合型匂いセンサにおいて、各セン
サからの出力データを多変量解析法により計算する手段
と、この計算結果をグラフに表示する表示手段を備えた
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、測定原理が同
じ匂いセンサを複数個(例えば、8個)組み合わせて構
成したセンサアレイAと、この匂いセンサとは測定原理
を異にする匂いセンサを複数個(例えば、4個)組み合
わせて構成したセンサアレイBやこれらの匂いセンサと
はまた測定原理を異にする匂いセンサを複数個組み合わ
せて構成したセンサアレイCなどから成る群から選択さ
れる少なくとも1つのセンサアレイ(例えば、センサア
レイBおよび/またはセンサアレイC)とを組み合わせ
て複合型匂いセンサ(例えば、センサアレイAと、セン
サアレイBおよび/またはセンサアレイCとを組み合わ
せた複合型匂いセンサ)として使用する。測定原理が同
じ匂いセンサを複数個組み合わせて構成したセンサアレ
イのみを使用すると、上記のように大まかな匂いの違い
しか識別できず、微妙な匂い差は識別が難しい。
【0011】上記の例では、センサアレイAとして、測
定原理が同じ匂いセンサを8個で構成したセンサアレイ
を例示し、センサアレイBとして、センサアレイAに用
いた匂いセンサとは測定原理を異にする匂いセンサを4
個で構成したセンサアレイを例示したが、各センサアレ
イに設けられるセンサ数は1個でも、多数個でもよく特
に限定されるものではない。また、本発明の複合型セン
サに組み合わて使用されるセンサアレイ数も特に限定さ
れるものではない。
【0012】本発明で使用する匂いセンサとしては、具
体的には、例えば、セラミック半導体型センサ、水晶振
動子型センサ、導電性ポリマー型センサ、MIS型セン
サ、BAW(Bulk Acoustic Wave) 型センサ、SAW(S
urface Acoustic Wave) 型センサ、APM(Acoustic Pl
ate Mode) 型センサ、赤外線吸収型センサなどの測定原
理を異にする各種の公知の匂いセンサを挙げることがで
きる。これらの匂いセンサはいずれも市販品を購入した
り、あるいは作成して容易に用いることができる。
【0013】セラミック半導体型センサは、具体的に
は、例えば、ガスが吸着したり酸化反応が起こると電気
電動度が大きくなる現象を利用してガスを検出するSn
2 を主成分とする焼結型のn型半導体センサが好まし
く使用でき、構造の違いによって接触燃焼式センサ、傍
熱型半導体式センサ、熱線型半導体式センサ、直熱型半
導体式センサ、基板型半導体式センサなどがあり、いず
れも市販されており容易に用いることができる。
【0014】水晶振動子型センサとしては、具体的に
は、例えば、前記の特開平1−244335号公報に開
示されているような匂いを構成する複数の化学物質に渡
ってこれを吸着できるレセプタが表面に形成されている
水晶振動子などの表面振動子型センサを挙げることがで
きる。水晶振動子型センサには市販品があるのでそれを
使用することもできる。
【0015】導電性ポリマー型センサとしては、具体的
には、例えば、特定の半導体ポリマーを複数組み合わせ
た半導体ポリマー型センサアレイに低いppbレベルの
揮発物質が吸着および脱着する動きに起因する電気抵抗
の変化を検出してグラフィック、デジタルの型で匂いの
マッピングを可能にした(分析、認識、識別を可能にし
た)英国のアロマ・スキャン社(Aroma Scan plc. )製
のアロマ・スキャンテクノロジーによる電子機器を挙げ
ることができる。
【0016】MIS型センサとしては、具体的には、例
えば、Pt、Ir、Pdを帯状に同一Si基板上に付着
させ、これに直交させて温度分布をつけ、その表面電位
出力分布を光ビームを走査させて読み取る方式のセンサ
を挙げることができる(Physics of Artificial Olfacto
ry Images Produced By Catalytic Sensing Surface,Tr
ansducer '93) 。
【0017】BAW(Bulk Acoustic Wave) 型センサ、
SAW(Surface Acoustic Wave) 型センサ、あるいはA
PM(Acoustic Plate Mode) 型センサは、強誘電体への
化学物質(匂いを構成する化学物質)の付着による振動
数の変化に基づいて化学物質を検知するものである。
【0018】赤外線吸収型センサは、赤外線分光光度法
により匂いを構成する複数の化学物質を検出、定量する
ものである。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例により具体
的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1)市販のセラミック半導体型匂いセンサ8個
[商品名:フィガロガスセンサ、TGS800、TGS
813、TGS822、TGS823、TGS824、
TGS825、TGS880およびTGS−E71Nの
8個、フィガロ技研(株)製]から成るセンサアレイ
と、市販の水晶振動子型匂いセンサ4個[AS−151
AJ、AS−183AK、AS−353AN、AS−1
12AJの4個、相互薬工(株)製]から成るセンサア
レイを用いて、それぞれのセンサアレイを個別に使用し
た場合の単独の匂いセンサと、両方のセンサアレイを組
み合わせて使用した場合の複合型匂いセンサにつき、下
記の実験方法により匂いの種類を異にする10種類の薬
品の測定を行い、これら3種の匂いセンサの匂いの種類
に対する識別能力を評価した。
【0020】実験に用いた薬品:エタノール・メタノー
ル・アセトン・プロパノール・ペンタン・炭酸ジエチル
・ジエチルエーテル・ヘキサノン・ブチルアルデヒド・
吉草酸アルデヒドの10種類。
【0021】実験方法:図1の(a)、(b)および
(c)に実験装置の概略を示す。(a)は、セラミック
半導体型匂いセンサ8個から成るセンサアレイ5を使用
して、上記10種類の薬品の測定を行った場合の実験装
置の概略を示すものであり、図示しない恒温インキュベ
ータの庫内を10℃に保ち、その中にサンプルチェンバ
ー1−1を設置し、サンプルチェンバー1−1内の薬品
の濃度が5%になるように各薬品を注射器2−1で適量
取りチェンバー1−1に注入する。サンプルチェンバー
1−1内のガスをエアーポンプ3−1により吸引してラ
インaを経て測定チェンバー4−1に流入させ8個のセ
ラミック半導体型匂いセンサ(5−1、5−2、・・
・、5−8)により測定し(エタノール、メタノール、
アセトンの場合は濃度3%、10%の場合についても測
定した)、それぞれのセンサ素子の出力電圧の変化を測
定した。測定チェンバー4−1内のガスはラインbを経
てサンプルチェンバー1−1へリサイクルした。10種
類の薬品毎に、それぞれのセンサ素子(5−1、5−
2、・・・、5−8)の出力を規格化した値(それぞれ
のサンサ素子の出力電圧を8個のセンサ素子の出力電圧
の和で除した値)を、レーダーチャートにプロットした
結果を図2および図3に示す。10種類の薬品の匂いの
間の関係や各薬品に対するセンサアレイ5の識別能力を
調べるため、これらの測定データを多変量解析法の1つ
である主成分分析法[主成分分析法については、(多変
量解析のはなし)、著者 有馬哲、石村貞男、発行所
東京図書、コンピュータ・ケミストリーシリーズ3、ケ
モメトリックス(化学パターン認識と多変量解析)、著
者 宮下芳勝、佐々木慎一、発行所 共立出版などを参
照]により計算し、2次元グラフにプロットした結果を
図4に示す。
【0022】本発明で使用する多変量解析法には、個々
の匂いのパターンを視覚的相対比較ができる相対比較分
析図(Star Plot)、各匂い領域を2次元あるいは3次元
の主成分グラフのプロットで確認できる主成分分析法
(Principal Components Analysis)、既知のグループ情
報をデータに学習させ、グループの匂い領域の規範グラ
フのプロットで、未知のサンプルの規範識別グラフ上の
位置よりグループ属性の確認ができる規範識別分析(Can
onical Discriminate Analysis) 、匂い結合距離を樹状
図で表し、その分類と近似性の確認ができるクラスタ分
析(Cluster Analysis)および判別分析法、因子分析法
[例えば、初心者がらくらく読める多変量解析の実践、
著者 菅、発行所 現代数学社を参照]などがあり、い
ずれも使用できる。
【0023】人間の嗅神経系におけるパターン認識の機
能を模擬した人工的なニューラルネットワーク(AN
N)で、特性の異なる複数のセンサから得られた匂いの
反応パターンより、学習後未知の匂いの識別を自動的に
行えるようにしたニューラルネットワークによる匂いの
自動識別を本発明の複合型匂いセンサと組み合わせるこ
とにより、本発明の複合型匂いセンサの識別結果から、
自動的に匂いを判断することが可能になる。
【0024】図1の(b)は、水晶振動子型匂いセンサ
4個から成るセンサアレイ6を使用して、上記10種類
の薬品の測定を行った場合の実験装置の概略を示すもの
であり、図示しない恒温インキュベータの庫内を10℃
に保ち、その中にサンプルチェンバー1−2を設置し、
サンプルチェンバー1−2内の薬品の濃度が5%になる
ように各薬品を注射器2−2で適量取りチェンバー1−
2に注入する。サンプルチェンバー1−2内のガスをエ
アーポンプ3−2により吸引してラインaを経て測定チ
ェンバー4−2に流入させ4個の水晶振動子型匂いセン
サ(6−1、6−2、6−3、6−4)により測定し
(エタノール、メタノール、アセトンの場合は濃度3
%、10%の場合についても測定した)、それぞれのセ
ンサ素子の出力電圧の変化を測定した。測定チェンバー
4−2内のガスはラインbを経てサンプルチェンバー1
−2へリサイクルした。10種類の薬品毎に、それぞれ
のセンサ素子(6−1、6−2、6−3、6−4)の出
力を規格化した値(それぞれのサンサ素子の出力電圧を
4個のセンサ素子の出力電圧の和で除した値)を、レー
ダーチャートにプロットした結果を図5および図6に示
す。10種類の薬品の匂いの間の関係や各薬品に対する
センサアレイ6の識別能力を調べるため、これらの測定
データを多変量解析法の1つである主成分分析法により
計算し、2次元グラフにプロットした結果を図7に示
す。
【0025】図1の(c)は、セラミック半導体型匂い
センサ8個から成るセンサアレイ5と水晶振動子型匂い
センサ4個から成るセンサアレイ6を組み合わせて複合
型匂いセンサとして使用して、上記10種類の薬品の測
定を同様にして行った場合の実験装置の概略を示すもの
であり、図示しない恒温インキュベータの庫内を10℃
に保ち、その中にサンプルチェンバー1−3を設置し、
サンプルチェンバー1−3内の薬品の濃度が5%になる
ように各薬品を注射器2−3で適量取りチェンバー1−
3に注入する。サンプルチェンバー1−3内のガスをエ
アーポンプ3−1により吸引してラインaを経て測定チ
ェンバー4−1に流入させ8個のセラミック半導体型匂
いセンサ(5−1、5−2、・・・、5−8)により測
定し、それぞれのセンサ素子の出力電圧の変化を測定す
ると同時に、サンプルチェンバー1−3内のガスをエア
ーポンプ3−2により吸引してラインaを経て測定チェ
ンバー4−2に流入させ4個の水晶振動子型匂いセンサ
(6−1、6−2、6−3、6−4)により測定し(エ
タノール、メタノール、アセトンの場合は濃度3%、1
0%の場合についても測定した)、それぞれのセンサ素
子の出力電圧の変化を測定した。測定チェンバー4−1
および4−2内のガスはそれぞれラインbを経てサンプ
ルチェンバー1−3へリサイクルした。上記の場合と同
様にして、10種類の薬品の匂いの間の関係や各薬品に
対するセンサアレイ5とセンサアレイ6による識別能
力、すなわち複合型匂いセサの識別能力を調べるため、
これらの測定データを多変量解析法の1つである主成分
分析法により計算し、2次元グラフにプロットした結果
を図8に示す。図8に示した結果はプリンタによる印刷
あるいはデイスプレーによって表示される。
【0026】図4、図7、図8に示されるように、主成
分分析の結果から見ると、セラミック半導体型匂いセン
サアレイの場合(図4)は測定ごとのばらつきが大き
く、いくつかの薬品の領域が重なっている。これは湿度
などの変化が大きく影響しているためと考えられる。水
晶振動子型匂いセンサアレイの場合(図7)は、比較的
重なりが少ないがエタノール・メタノール・ペンタンが
重なっており識別が困難である。しかし、セラミック半
導体型匂いセンサアレイと水晶振動子型匂いセンサアレ
イで同時に測定した複合型匂いセンサの場合は、図8に
示されるように、10種類の薬品を完全に分離して識別
することができることが判る。これらから、多数の異な
る化学物質から成る匂いの種類を識別するためには、同
じタイプのセンサ素子を多数並べたセンサアレイを用い
るだけでは識別に限界があり、ある測定原理のセンサを
多数並べたセンサアレイと、それとは測定原理の異なる
タイプのセンサを多数並べたセンサアレイを少なくとも
1つ組合せて複合型匂いセンサとして用いることにより
識別能力が向上することがわかる。これは、少なくとも
2つのタイプのセンサアレイを用いることにより、異な
る角度から匂いを測定することができるため、1つのタ
イプのセンサアレイだけでは識別できないものも識別で
きるようになったものと考えられる。
【0027】
【発明の効果】本発明の複合型匂いセンサは、匂い物質
を構成する複数の化学物質の測定、判別ができ、微妙な
匂いを識別可能であり、多くの匂いの中から目的の匂い
を識別したり、牛肉の熟成などの微妙な匂いの変化を検
知することなどが可能になるので、例えば、本発明の複
合型匂いセンサを冷蔵庫に組み込み、牛肉の熟成度、野
菜や魚肉などの鮮度を測定したり、調理機器や自販機に
組み込み食品や飲料の品質管理に応用したり、空調機器
や消脱臭装置の制御、あるいは生ごみ処理機などのごみ
処理機の制御などに用いることができる。
【0028】セラミック半導体型センサおよび水晶振動
子型センサは比較的安価で購入し易いので、これらを組
み合わせることにより複合型匂いセンサの匂い識別能力
を向上させつつコストを低減できる。
【0029】種類が異なるセンサを組み合わせた場合で
もグラフ表示により容易に匂いを識別することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はセラミック半導体型匂いセンサ8個
から成るセンサアレイを使用して10種類の薬品の測定
を行った場合の実験装置の概略図であり、(b)は水晶
振動子型匂いセンサ4個から成るセンサアレイを使用し
て10種類の薬品の測定を行った場合の実験装置の概略
図であり、(c)は両方のセンサアレイを使用して10
種類の薬品の測定を行った場合の実験装置の概略図であ
る。
【図2】 エタノール、メタノール、アセトン、炭酸ジ
エチル、ジエチルエーテル、ヘキサンについて、それぞ
れのセンサ素子(5−1、5−2、・・・、5−8)の
出力を規格化した値を、レーダーチャートにプロットし
た図である。
【図3】 プロパノール、ペンタン、ブチルアルデヒ
ド、吉草酸アルデヒドについて、それぞれのセンサ素子
(5−1、5−2、・・・、5−8)の出力を規格化し
た値を、レーダーチャートにプロットした図である。
【図4】 セラミック半導体型匂いセンサ8個から成る
センサアレイを使用して10種類の薬品の測定を行った
測定データを主成分分析法により計算し、2次元グラフ
にプロットした図である。
【図5】 エタノール、メタノール、アセトン、炭酸ジ
エチル、ジエチルエーテル、ヘキサンについて、それぞ
れのセンサ素子(6−1、6−2、6−3、6−4)の
出力を規格化した値を、レーダーチャートにプロットし
た図である。
【図6】 プロパノール、ペンタン、ブチルアルデヒ
ド、吉草酸アルデヒドについて、それぞれのセンサ素子
(6−1、6−2、6−3、6−4)の出力を規格化し
た値を、レーダーチャートにプロットした図である。
【図7】 水晶振動子型匂いセンサ4個から成るセンサ
アレイを使用して10種類の薬品の測定を行った測定デ
ータを主成分分析法により計算し、2次元グラフにプロ
ットした図である。
【図8】 両方のセンサアレイを使用して10種類の薬
品の測定を行った測定データを主成分分析法により計算
し、2次元グラフにプロットした図である。
【符号の説明】
1−1、1−2、1−3 サンプルチェンバー 2−1、2−2、2−3 注射器 3−1、3−2、3−3 エアーポンプ 4−1、4−2 測定チェンバー 5 セラミック半導体型匂いセンサアレイ 5−1〜5−8 セラミック半導体型匂いセンサ素子 6 水晶振動子型匂いセンサアレイ 6−1〜6−4 水晶振動子型匂いセンサ素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 匂い物質の測定を行うための測定原理が
    同じセンサを備えたセンサアレイと、このセンサとは化
    学物質の測定を行うための測定原理を異にするセンサを
    備えたセンサアレイから選ばれる少なくとも1つのセン
    サアレイとを組み合わせて判別を行うことを特徴とする
    複合型匂いセンサ。
  2. 【請求項2】 セラミック半導体型センサを複数個組み
    合わせて構成したセンサアレイと、水晶振動子型センサ
    を複数個組み合わせて構成したセンサアレイとを組み合
    わせたことを特徴とする請求項1記載の複合型匂いセン
    サ。
  3. 【請求項3】 各センサからの出力データを多変量解析
    法により計算する手段と、この計算結果をグラフに表示
    する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1あるい
    は請求項2記載の複合型匂いセンサ。
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