JPH10170262A - 傾斜センサ - Google Patents

傾斜センサ

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JPH10170262A
JPH10170262A JP32633896A JP32633896A JPH10170262A JP H10170262 A JPH10170262 A JP H10170262A JP 32633896 A JP32633896 A JP 32633896A JP 32633896 A JP32633896 A JP 32633896A JP H10170262 A JPH10170262 A JP H10170262A
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JP
Japan
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pendulum
light
light emitting
tilt
sensor
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Application number
JP32633896A
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English (en)
Inventor
Koji Takano
耕司 高野
Naoki Zanmatsu
直樹 残松
Shigeru Kato
茂 加藤
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Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所望の装置に設けられている蓋体の開閉検知を
行うなど、所定の装置や機器類の特定部分の傾斜状態や
傾斜動作を検知する場合に、その取付け位置に大きな制
約を受けたり、装置や機器類の外観体裁を損なうといっ
た不具合を極力回避することができ、しかも構成が簡易
で、安価に製造することができる使い勝手の良好な傾斜
センサを提供する。 【解決手段】 重力によって一定の角度姿勢に維持され
るように揺動可能な振り子4と、この振り子4の位置を
検知するための検知手段2,3とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、所望の装置や機器類の特定箇
所の傾斜状態あるいは傾斜動作を検知するのに用いられ
る傾斜センサに関する。
【0002】
【従来の技術】本願の発明者は、たとえば図17に示す
ような試料検査装置Dにおいて、蓋体7eが下降回転動
作を開始すると、その時点でスライドテーブル90を筐
体91の内部へスライド移動させるという技術思想を先
に着想した。上記のような動作制御を行うと、筐体91
の外部に位置するスライドテーブル90上に試料用容器
92が載置されている場合に、蓋体7eが作業者の不注
意などによって誤って下降回転操作されても、その際に
スライドテーブル90を筐体91の内部に進入させるこ
とによって、蓋体7eが試料用容器92に不当に接触す
ることを回避することができ、試料用容器92の破損防
止が図れる。
【0003】上記のような動作制御を実行するには、蓋
体7eの下降回転動作を検知するための検知手段を、上
記試料検査装置Dに設ける必要がある。この場合の具体
的な手段としては、たとえば筐体91の外面部のうち、
蓋体7eと対面する位置にプッシュスイッチ(図示略)
を設けることにより、蓋体7eが一定角度だけ下降回転
したときに上記プッシュスイッチが蓋体7eによって押
圧されるように構成することが考えられる。また、他の
手段としては、たとえば筐体91の外面部に発光素子と
受光素子とを備えた透過型のフォトインタラプタ(図示
略)を設けるとともに、蓋体7eには遮光板(図示略)
を設けることにより、蓋体7eが一定角度だけ下降回転
すると、その時点で遮光板が上記フォトインタラプタの
光経路を遮断するように構成することも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たいずれの手段の場合も、プッシュスイッチまたはフォ
トインタラプタなどの所定部品の全体、あるいはその一
部を、試料検査装置Dの筐体91の外面部に配置する必
要があり、これらの部品が外部から不体裁なかたちで見
えてしまう。したがって、従来では、装置全体の美感が
損なわれる虞れがあった。また、上述した手段では、プ
ッシュスイッチまたはフォトインタラプタなどの所定の
部品の取付位置が、狭い特定領域に制約されてしまい、
その取付けに不便を生じていた。とくに、上述した手段
では、試料検査装置Dの筐体91に、プッシュスイッチ
などの所定部品を取付けるための専用の加工を施す必要
が生じるなど、装置の設計仕様を変更せねばならない場
合もあり、一層の不便を生じていた。
【0005】なお、上記蓋体7eの下降回転動作を検知
するための手段としては、上述した手段以外として、蓋
体7eの傾斜角度を検出するための傾斜センサを用いる
ことが考えられる。また、このような傾斜センサとして
は、従来において種々のものが提案されている。ところ
が、従来の傾斜センサは、いずれも構成が複雑で、かつ
その製造コストが比較的高価であるのが実情であり、必
ずしも上述した蓋体の開閉検知用途などには適するもの
ではなかった。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
だされたものであって、所望の装置に設けられている蓋
体の開閉検知を行うなど、装置や機器類の特定部分の傾
斜状態や傾斜動作を検知する場合に、その取付け位置に
大きな制約を受けたり、装置や機器類の外観体裁を損な
うといった不具合を極力回避することができ、しかも構
成が簡易で、安価に製造することができる使い勝手の良
好な傾斜センサを提供することをその課題としている。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】すなわち、本願発明は、重力によって一定
の角度姿勢に維持されるように揺動可能な振り子と、こ
の振り子の位置を検知するための検知手段と、を備えて
いることを特徴としている。
【0009】本願発明においては、上記振り子および検
知手段を備えた傾斜センサを所望の傾斜検知対象物に直
接取付けて使用する。このような使用状態においては、
傾斜検知対象物の傾斜角度が種々変化した場合であって
も、上記振り子は重力の影響によって一定の角度姿勢を
維持し、または維持するように動作する。これに対し、
上記検知手段は、上記傾斜検知対象物の傾斜動作に伴っ
てその傾斜角度が変化する。このため、上記傾斜検知対
象物の傾斜動作に応じて、上記振り子と検知手段との相
対的な位置関係が種々変化することとなり、上記検知手
段によって上記振り子の位置を検知することにより、上
記傾斜検知対象物の傾斜動作、あるいは傾斜角度が的確
に判断できることとなる。
【0010】このように、本願発明に係る傾斜センサ
は、傾斜検知対象物に直接取付けた場合であっても、そ
の傾斜検知対象物の傾斜動作、あるいは傾斜角度を適切
に検知することができる。したがって、たとえば傾斜角
度が種々変化する蓋体の開閉動作を検知するような場合
には、本願発明に係る傾斜センサを上記蓋体内に組み込
むなどして上記蓋体に直接取付けることにより、上記蓋
体の開閉動作を適切に検知することが可能となる。従来
とは異なり、蓋体の開閉動作を検知するための機器を蓋
体を支持する所定部材の外面部に不体裁なかたちで設け
る必要を無くすことが可能となる。その結果、本願発明
では、傾斜センサの使用に際し、所望の装置や機器類の
外観体裁を大きく損なうことが回避できる。
【0011】また、本願発明では、既述したとおり、傾
斜センサを傾斜検知対象物に直接取付ければよいため
に、従来とは異なり、傾斜センサの取付け位置が狭い特
定領域に限定されるといった制約を受け難く、傾斜セン
サの取付けに大きな融通性が得られる。したがって、所
望の装置や機器類に本願発明に係る傾斜センサを組み込
む場合には、それら装置や機器類の設計仕様の変更を無
くし、あるいはその設計仕様の変更を最小限度に抑制す
ることができるという利点が得られる。とくに、本願発
明では、傾斜センサを所望の傾斜検知対象物に取付ける
場合において、たとえばその傾斜検知対象物に回路基板
が設けられている場合には、この回路基板に傾斜センサ
を直接実装し、傾斜センサと回路基板とを簡単に配線接
続することも可能となる。
【0012】さらに、本願発明に係る傾斜センサは、振
り子と、この振り子の位置を検知するための検知手段と
を具備する構成であるから、これら全体の構成を簡素に
でき、その製造コストを安価にすることができる。ま
た、全体の小型化も容易に図ることができる。
【0013】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
検知手段は、上記振り子の揺動経路を挟んで相互に対向
する発光手段と受光手段とを有し、かつ上記発光手段か
ら発せられた光が上記受光手段によって受光されたと
き、または上記光が上記振り子によって遮られることに
より上記受光手段での受光が停止されたときに、所定の
信号出力を行う透過型のフォトインタラプタである。
【0014】このような構成によれば、傾斜センサを取
付けた傾斜検知対象物の傾斜角度が変化し、振り子が発
光手段と対面する位置に配置されて上記発光手段から発
せられた光が上記振り子によって遮られたとき、または
上記振り子が上記発光手段と対面しない位置へ配置され
て上記発光手段から発せられた光が受光手段によって受
光されたときには、所定の信号出力がなされる。したが
って、上記発光手段および受光手段を具備する透過型の
フォトインタラプタによって、このフォトインタラプタ
と振り子との相対的な位置関係を正確に検出することが
でき、所望の傾斜検知対象物の傾斜動作を確実に検知す
ることができる。また、上記透過型のフォトインタラプ
タと振り子とは、非接触でよいために、上記振り子の揺
動動作を円滑にして、その動作を確実なものにでき、傾
斜検知の信頼性を高めることができる。
【0015】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記検知手段は、上記振り子の揺動経路の一側方におい
て上記移動経路にそれぞれ対向するように設けられた発
光手段と受光手段とを有し、かつ上記発光手段から発生
された光が上記振り子によって反射されて上記受光手段
によって受光されたとき、またはその受光が停止された
ときに、所定の信号出力を行う反射型のフォトインタラ
プタである。
【0016】このような構成によれば、傾斜センサを取
付けた傾斜検知対象物の傾斜角度が変化し、振り子が発
光手段と対面する位置に配置されて上記発光手段から発
光させられた光が上記振り子によって受光手段側に反射
されたとき、または上記振り子が発光手段と対面しない
位置に配置されて上記発光手段から発せられた光が受光
手段によって受光されなくなったときには、所定の信号
出力がなされる。したがって、上記透過型のフォトイン
タラプタを用いた場合と同様に、フォトインタラプタと
振り子との相対的な位置関係が正確に判断でき、傾斜検
知対象物の傾斜動作を適切に検知することができる。む
ろん、透過型のフォトインタラプタを用いた場合と同様
に、反射型のフォトインタラプタの振り子とを非接触状
態に維持しておくことができるために、傾斜検知の信頼
性を高めることができる。
【0017】本願発明の好ましい他の実施形態では、上
記発光手段と受光手段とを保持する保持部材を具備し、
かつ上記振り子は、上記保持部材に揺動可能に支持され
ている。
【0018】このような構成によれば、傾斜センサを構
成する各部品を一纏まりにして、その取扱いを容易なも
のにすることができる。また、傾斜センサの小型化を図
る上でも好ましいものとすることができる。
【0019】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記振り子が上記発光手段と対面しない位置から上記発
光手段に対面する位置へ配置されるように第1の方向へ
移動したときに上記振り子が上記第1の方向へそれ以上
移動することを阻止する第1のストッパ手段を具備して
いる。
【0020】このような構成によれば、傾斜センサを取
付けた傾斜検知対象物が所定方向に傾斜することに起因
して、振り子が発光手段と対面する位置へ配置されるよ
うに第1の方向へ相対移動した場合において、上記傾斜
検知対象物がその後上記所定方向へさらに傾斜しても、
第1のストッパ手段の作用によって、上記振り子を発光
手段と対面する位置へそのまま配置させておくことが可
能となる。すなわち、上記傾斜検知対象物が上記所定方
向へかなり大きく傾斜した場合であっても、上記振り子
が上記発光手段と対面する位置を通過して上記発光手段
と対面しない位置まで過当に移動することを防止できる
こととなる。したがって、傾斜検知対象物が一定角度以
上に傾斜したか否かを判断するような用途には最適とな
る。
【0021】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記振り子が上記発光手段と対面する位置から上記発光
手段に対面しない位置へ配置されるように第2の方向へ
移動したときに上記振り子が上記第2の方向へそれ以上
移動することを阻止する第2のストッパ手段を具備して
いる。
【0022】このような構成によれば、傾斜センサを取
付けた傾斜検知対象物が所定方向に傾斜することに起因
して、振り子が発光手段と対面しない位置へ配置される
ように第2の方向へ相対移動した場合において、上記傾
斜検知対象物がその後上記所定方向へさらに傾斜して
も、第2のストッパ手段の作用によって、上記振り子を
上記発光手段と対面しない位置にそのまま保持させるこ
とが可能となる。したがって、先に述べた第1のストッ
パ手段を具備する実施の形態の場合と同様に、振り子が
必要以上に移動動作することを防止でき、たとえば傾斜
検知対象物が一定角度以上に傾斜したか否かを判断する
といった用途に最適となる。
【0023】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記振り子の全体または一部は、金属または磁石であ
り、かつ上記検知手段は、上記振り子が接近したときに
その旨を検知する金属センサまたは磁気センサである。
【0024】このような構成によれば、金属センサまた
は磁気センサによって、これらセンサと振り子との相対
的な位置関係を検知することができ、検知対象物の傾斜
状態または傾斜動作を的確に検知することができる。金
属センサまたは磁気センサは、上述したフォトインタラ
プタと同様に、振り子と非接触でその位置検知が可能で
あるから、振り子の移動動作を円滑、かつ確実なものと
し、傾斜検知の信頼性を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0026】図1は、本願発明に係る傾斜センサAの一
例を示す側面図である。図2は、図1のX1−X1断面
図である。図3は、図2のX2−X2断面図である。図
4は、図1に示す傾斜センサAの動作状態を示す側面図
である。図5は、図4のX3−X3断面図である。
【0027】図1および図2において、この傾斜センサ
Aは、ホルダ1、発光素子2、受光素子3、振り子4、
およびストッパピン5を具備して構成されている。
【0028】上記ホルダ1は、本願発明にいう保持部材
の一例に相当するものである。このホルダ1は、全体が
合成樹脂製であり、内部に発光素子2と受光素子3とを
収容している。このホルダ1の下部には、このホルダ1
の幅方向に突出する突片部10,10が設けられてお
り、図3によく表れているように、これら突片部10,
10のそれぞれには、ボルトなどを挿通するための孔部
11が設けられている。傾斜センサAを所望の傾斜検知
対象物に取付ける場合には、上記孔部11が利用され
る。
【0029】上記発光素子2および受光素子3は、透過
型のフォトインタラプタを構成するものであり、上記ホ
ルダ1に設けられた溝部12を介して相互に対面するよ
うに設けられている。上記溝部12は、図1において、
ホルダ1の左右両側面と上面部とのそれぞれに開口した
形状であり、図2に示すように、その側壁部には一対の
スリット13,13aが相互に対向して設けられてい
る。上記発光素子2は、たとえばLEDなどで構成され
ており、上記スリット13を介して溝部12内への投光
を行う。上記受光素子3は、上記発光素子2から発せら
れた光をスリット13aを介して受光したときには、所
定の信号出力を行うものである。
【0030】上記振り子4は、たとえばその側面視形状
が略扇形状に形成された板状部材によって構成されてい
る。この振り子4は、ホルダ1の上部に設けられた一組
の突起部14,14に支持された支持ピン40に上端部
が支持され、この支持ピン40を中心として揺動可能で
ある。この振り子4の揺動動作は、図1ないし図3に示
すように、振り子4が溝部12内に進入して発光素子2
から発せられる光を遮る位置と、図4および図5に示す
ように、振り子4の大部分が溝部12の外部へ退出して
発光素子2から発せられる光を遮らない位置とに移動す
るようになされる。ただし、上記振り子4の揺動動作
は、上記振り子4の自重、すなわち重力によってなされ
る。したがって、上記振り子4は、本来的には、その中
心線C1が常に鉛直方向に沿う角度姿勢に維持される。
ところが、本実施形態では、上記振り子4の下部に凸状
部41が設けられており、図1ないし図3に示すよう
に、振り子4が矢印N1方向に揺動し、発光素子2から
発せられる光を遮る位置に配置されたときには、上記凸
状部41がホルダ1の側壁部12aに当接することによ
り、上記振り子4が上記矢印N1方向へそれ以上揺動す
ることが阻止されるように構成されている。上記凸状部
41および側壁部12aは、本願発明にいう第1のスト
ッパ手段の一例に相当する。また、上記凸状部41は、
上記側壁部12aとの当接によって、振り子4を一定角
度だけ傾斜させた状態に維持させる機能を発揮するため
に、何らかの事情によって振り子4を図3の矢印N1方
向とは反対の方向に動作させる衝撃が発生しても、その
方向に振り子4が容易に振れ(チャタリング)を生じる
ことが極力抑制できることとなる。
【0031】上記ストッパピン5は、ホルダ1の突起部
14,14に支持されている。このストッパピン5は、
図4に示すように、振り子4が矢印N2方向に揺動し、
発光素子2から発せられる光を遮らない位置に配置され
たときには、上記振り子4の一側面に当接するように設
けられている。このストッパピン5は、本願発明にいう
第2のストッパ手段の一例に相当するものであり、この
ストッパピン5に振り子4が当接することにより、振り
子4が上記矢印N2方向へそれ以上揺動することが阻止
される。
【0032】上記構成の傾斜センサAにおいては、図4
および図5に示すように、振り子4が発光素子2と対面
しない位置に相対移動したときには、発光素子2から発
せられた光が受光素子3によって受光されることとな
り、この受光素子3は所定の信号出力を継続して行う。
これに対し、図1ないし図3に示すように、振り子4が
発光素子2と対面する位置に相対移動したときには、発
光素子2から発せられた光が振り子4によって遮られる
こととなり、受光素子3での受光が中断される。したが
って、この状態では、受光素子3からの所定の信号出力
がなされない。
【0033】次に、上記構成の傾斜センサAの一使用例
について説明する。
【0034】図6は、上記傾斜センサAが用いられた試
料検査装置Bの一例を示す要部断面側面図である。図7
は、図6に示す試料検査装置Bの蓋体を閉じた状態を示
す要部断面側面図である。
【0035】試料検査装置Bは、一端に開口部60を有
する筐体6、蓋体7、スライドテーブル61、およびカ
バー体62を具備している。上記スライドテーブル61
は、その上面に所望の試料用容器(図示略)を載置する
ためのものであり、筐体6の内外へのスライド移動が自
在である。上記試料用容器に収容される試料としては、
たとえば人間の血液や尿などが適用される。上記スライ
ドテーブル61上への試料用容器のセッティングは、図
6に示すように、スライドテーブル61を筐体6の外部
へ前進させた状態で行い、そのセッティングが終了した
後にスライドテーブル61を筐体6内へ移動させるよう
になっている。上記筐体6の内部には試料用検査機器6
3が設けられている。この試料用検査機器63は、たと
えば上記試料用容器から試料を一定量だけ取り出した後
に、この試料を所定の試薬上に添着するピペット動作機
能を備えた装置や、試薬上に試料が添着された後にこの
試薬の色彩変化を光学的に読み取るための読み取り装置
などを具備している。
【0036】上記カバー体62は、スライドテーブル6
1上に載置される試料の保護などを図るためのものであ
り、軸64を中心として上下方向に揺動自在である。上
記蓋体7は、筐体6に支持された軸65を中心として上
下方向に揺動可能なものであり、図6に示すように、筐
体6の上方へはね上げられた蓋開き状態と、図7に示す
ように、筐体6の開口部60と対面する位置へ下降した
蓋閉じ状態とに設定可能である。
【0037】傾斜センサAは、上記蓋体7内に組み込ま
れている。より具体的には、上記蓋体7の内部には、回
路基板70が設けられており、この回路基板70に上記
傾斜センサAが直接取付けられている。上記回路基板7
0は、試料検査装置Bの各部の動作制御やデータ処理を
行うための制御回路を具備するものであり、傾斜センサ
Aの受光素子3から出力される所定の信号は上記制御回
路に入力されるように構成されている。また、発光素子
2の駆動電源についても、上記制御回路から供給される
ように構成されている。
【0038】上記したように、傾斜センサAを試料検査
装置Bの蓋体7に取付けた状態では、次のような動作が
なされる。まず、図8の実線に示すように、蓋体7を上
方へ回転させた蓋開状態においては、傾斜センサAの振
り子4は、重力によって矢印N3方向に移動した状態と
なる。このため、発光素子2から発せられた光は、上記
振り子4によって遮られることはなく、受光素子3は受
光状態であり、所定の信号を出力する。この信号出力が
なされている限りは、回路基板70の制御回路は、蓋体
7が開いた状態であると判断する。なお、振り子4が上
記矢印N3方向へ不必要に大きく移動することは、スト
ッパピン5によって阻止される。したがって、傾斜セン
サAの取付けに必要な蓋体7内のスペースを小さくする
のに有利となる。
【0039】次いで、上記蓋体7を矢印N4方向に下降
回転させると、傾斜センサAのホルダ1はそれに伴って
その角度姿勢が変化する。その一方、振り子4は、鉛直
方向に沿う角度姿勢となるように、上記ホルダ1に対し
て相対揺動することとなる。その結果、同図仮想線に示
すように、蓋体7を略水平状態になるまで下降回転させ
たときには、上記振り子4が発光素子2から発せられた
光を遮ることとなる。すると、受光素子3からの所定の
信号出力が中断されることとなり、これが回路基板70
の制御回路で検出される。したがって、その時点におい
て、試料検査装置Bのスライドテーブル61を筐体6の
内部へ移動させるように制御すれば、下降回転する蓋体
7が、スライドテーブル61上にセッティングされてい
るカバー62や試料用容器に不当に接触することを回避
することが可能となる。
【0040】また、その後上記蓋体7が矢印N4方向へ
なおも下降回転された場合であっても、上記振り子4の
凸状部41がホルダ1の側壁部12aに当接するため
に、上記振り子4が矢印N5方向へさらに移動すること
はない。したがって、図7に示すように、蓋体7を大き
く下降回転させて蓋閉じ状態にした場合に、振り子4が
発光素子2と対面する位置を超えて不当に大きく移動す
ることが回避されることとなる。すなわち、蓋体7を、
図7に示すように、大きく下降回転させた場合であって
も、発光素子2から発せられた光が常に振り子4によっ
て遮られるように設定することができ、受光素子3から
所定の信号が出力されない状態を適切に維持させること
ができる。その結果、蓋体7が開状態から閉状態に移行
する動作を上記傾斜センサAによって正確に検知するこ
とができることとなる。
【0041】上記試料検査装置Bにおいては、傾斜セン
サAを、蓋体7の内部に組み込んでおり、傾斜センサA
を外部から認識できないようにしている。したがって、
傾斜センサAが試料検査装置Bの外観体裁を損なうこと
はない。また、傾斜センサAを蓋体7内に組み込むこと
によって、傾斜センサAの保護が図れる効果も期待でき
る。さらには、傾斜センサAを回路基板70に直接取付
けているために、傾斜センサAの配線なども非常に容易
に行えるようになる。
【0042】図9は、上記傾斜センサAが用いられた試
料検査装置Baの他の例を示す斜視図である。図10
は、図9に示す試料検査装置Baの蓋体を開けた状態の
側面図である。
【0043】この試料検査装置Baは、不透明な遮光性
を有する蓋体7aを有するものであり、この蓋体7aに
よってカバーされるテーブル67上に所望の試料(図示
略)をセッティングすることにより、この試料の検査を
可能とするものである。上記蓋体7aは軸部69を中心
として上下方向に回転可能であり、この蓋体7aに傾斜
センサAが取付けられている。
【0044】上記構成の試料検査装置Baの実際の使用
時においては、蓋体7aを閉じて試料を検査している最
中に、上記蓋体7aが不当に開けられる場合がある。上
記試料が、たとえば遮光された条件下において検査され
るべきものである場合には、その検査処理中に蓋体7a
が開けられることは適切でない。したがって、このよう
な場合には、傾斜センサAによって蓋体7aの開動作を
検知させることにより、蓋体7aが開けられたときに試
料の検査処理を中断させることができる。その結果、試
料の検査処理に便宜を図ることができる。
【0045】図11は、本願発明に係る傾斜センサAが
用いられたパーソナルコンピュータCの一例を示す斜視
図である。図12は、上記パーソナルコンピュータCを
閉じた状態を示す斜視図である。
【0046】このパーソナルコンピュータCは、いわゆ
るノートブック型パソコンと称されるタイプのものであ
り、キーボード82などを有する本体部80に対して、
ディスプレイ83を備えた蓋体81を軸部84を介して
回動自在に連結している。傾斜センサAは、上記蓋体8
1内に組み込まれている。
【0047】上記構成においては、パーソナルコンピュ
ータCの蓋体81の傾斜角度を傾斜センサAによって検
知することができ、図11に示すように蓋体81が開い
た状態と、図12に示すように、蓋体81が閉じられた
状態とを判断することができる。したがって、図12に
示すように、蓋体81が閉じられたときには、これを傾
斜センサAによって検知させることにより、パーソナル
コンピュータCの電源をオフにするように制御すること
ができる。このような制御を行えば、パーソナルコンピ
ュータCの蓋体81が閉じられているにもかかわらず、
その電源が不当にオン状態のまま維持されることが解消
され、無駄な電力消費を回避することができる。
【0048】上述の実施形態では、傾斜センサAを試料
検査装置B,BaやパーソナルコンピュータCに用いた
場合を具体例として説明したが、本願発明はこれに限定
されない。本願発明に係る傾斜センサは、種々の装置類
または機器類に取付けて、所望の特定部分の傾斜状態あ
るいは傾斜動作を検知する用途に用いることが可能であ
り、その具体的な使用用途は限定されるものではない。
【0049】図13(a)は、本願発明に係る傾斜セン
サAaの他の例を示す断面図であり、同図(b)は、そ
の側面図である。図14(a)は、上記傾斜センサAa
の動作状態を示す断面図であり、同図(b)は、その側
面図である。
【0050】この傾斜センサAaは、発光素子2および
受光素子3によって反射型のフォトインタラプタを構成
している点で、上記傾斜センサAとは相違している。具
体的には、発光素子2および受光素子3を保持するホル
ダ1Aの一側方には、片もち梁状に設けられた支持ピン
40Aによって支持された振り子4Aが配されている。
上記振り子4Aは、上記支持ピン40Aを中心として揺
動可能である。上記発光素子2および受光素子3のそれ
ぞれは、上記振り子4Aの揺動経路に対向するように設
けられており、発光素子2はホルダ1のスリット13b
を介して振り子4Aの一側面に投光可能である。受光素
子3は、上記発光素子2から発せられて振り子4Aによ
って反射された光をスリット13cを介して受光可能で
あり、その受光を行っているときには、所定の信号出力
を行うように構成されている。
【0051】上記構成の傾斜センサAaによれば、図1
3に示すように、振り子4Aが発光素子2および受光素
子3のそれぞれに対面する位置へ移動したときには、受
光素子3から所定の信号出力がなされる。これに対し、
図14に示すように、振り子4Aがホルダ1に対して相
対移動し、発光素子2および受光素子3と対面しない位
置に移動したときに、発光素子2から発せられた光が受
光素子3では受光できなくなり、所定の信号出力が停止
される。むろん、上記ホルダ1Aと振り子4Aとの相対
的な位置関係は、ホルダ1Aが取付けられた傾斜検知対
象物の実際の傾斜角度に対応する。したがって、上記傾
斜センサAと同様に、所望の傾斜検知対象物が所定の傾
斜角度になったか否かを適切に判断することができる。
また、上記傾斜センサAaにおいては、たとえばホルダ
1Aの一側面にピン41Aを突設し、このピン41Aに
振り子4Aが当接するように設定することによって、振
り子4Aがホルダ1Aに対して必要以上に所定方向(矢
印N6方向)へ相対移動することを防止することができ
る。
【0052】このように本願発明においては、透過型の
フォトインタラプタのみならず、反射型のフォトインタ
ラプタによっても、振り子の位置を適切に検知すること
ができ、本願発明はいずれのタイプとして構成してもか
まわない。反射型のフォトインタラプタ型式を採用すれ
ば、図13に示す構成から明らかなように、発光素子2
と受光素子3とをホルダ1A内にコンパクトに収容する
ことができ、全体の小型化を図る上で好ましいものとな
る。ただし、本願発明は、フォトインタラプタを採用す
る手段に限定されず、次に述べるように、それ以外の種
々の検知手段を採用することができる。
【0053】すなわち、本願発明では、たとえば図15
に示すような傾斜センサAbの構成としてもかまわな
い。この傾斜センサAbは、支持ピン40Aを中心とし
て揺動可能な振り子4Bの一側面に、金属片8を設ける
とともに、ホルダ1Bの一側面には、金属センサ3Aを
設けた構成である。このような構成によれば、傾斜検知
対象物の傾斜角度に応じて振り子4Bが相対揺動し、金
属片8が金属センサ3Aに接近した時点で、これを検知
することができる。このような構成であっても、上記傾
斜センサA,Aaと同様に、振り子とは非接触で振り子
の位置検知を行うことができ、所望の傾斜検知が行え
る。
【0054】また、本願発明では、上記図15に示した
構成において、上記金属片8に代えて磁石を振り子4B
に装着するとともに、上記金属センサ3Aに代えて磁気
センサを用いることにより、振り子4Bの位置検知を行
うように構成することもできる。さらには、振り子4B
の一部に金属片や磁石を設けるのではなく、振り子4B
の全体を金属あるいは磁石とすることによって、金属セ
ンサや磁気センサを用いて振り子の位置検知を行わせる
ように構成することもできる。このように本願発明にお
いては、検知手段としては種々の手段を採用することが
できる。本願発明では、振り子と機械的に接触すること
によってスイッチング動作を行うスイッチ類を検知手段
として採用してもかまわない。
【0055】さらに、本願発明では、図16に示すよう
な傾斜センサAcの構成にしてもかまわない。この傾斜
センサAcは、振り子4Cに多数の孔80を一定ピッチ
間隔で設けており、これら多数の孔80のそれぞれを、
発光素子2などを用いて検知できるように設定されてい
る。このような構成によれば、この傾斜センサAcが取
付けられた傾斜検知対象物の傾斜角度が徐々に変化し、
振り子4Cとホルダ1Cとの相対的な位置関係が変化す
るときに、上記孔80がフォトインタラプタによって検
知される回数をカウントすることにより、ホルダ1Cに
対する振り子4Cの相対的な角度姿勢を適宜判断するこ
とが可能となる。すなわち、所望の傾斜検知対象物が一
定角度以上より傾斜したか否か判断できるだけではな
く、傾斜検知対象物の具体的な傾斜角度をも検知するこ
とが可能となる。上記傾斜センサAcにおいては、多数
の孔80に代えて、多数の金属片あるいは磁石などを採
用し、これらを個々に検知するように構成することもで
きる。
【0056】その他、本願発明に係る傾斜センサの各部
の具体的な構成は、上記各実施形態に限定されず、種々
に設計変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る傾斜センサの一例を示す側面図
である。
【図2】図1のX1−X1断面図である。
【図3】図2のX2−X2断面図である。
【図4】図1に示す傾斜センサの動作状態を示す側面図
である。
【図5】図4のX3−X3断面図である。
【図6】本願発明に係る傾斜センサが用いられた試料検
査装置の一例を示す要部断面側面図である。
【図7】図6に示す試料検査装置の蓋体を閉じた状態を
示す要部断面側面図である。
【図8】図6および図7に示す試料検査装置の蓋体を動
作させる際の傾斜センサの作用を示す要部破断拡大断面
図である。
【図9】傾斜センサが用いられた試料検査装置の他の例
を示す斜視図である。
【図10】図9に示す試料検査装置の蓋体を開けた状態
の側面図である。
【図11】本願発明に係る傾斜センサが用いられたパー
ソナルコンピュータの一例を示す斜視図である。
【図12】図11に示すパーソナルコンピュータを閉じ
た状態を示す斜視図である。
【図13】(a)は、本願発明に係る傾斜センサの他の
例を示す断面図であり、(b)は、その側面図である。
【図14】(a)は、図13に示す傾斜センサの動作状
態を示す断面図であり、(b)は、その側面図である。
【図15】(a)は、本願発明に係る傾斜センサの他の
例を示す断面図であり、(b)は、その側面図である。
【図16】本願発明に係る傾斜センサの他の例を示す側
面図である。
【図17】従来技術の一例を示す説明図である。
【符号の説明】 A,Aa〜Ac 傾斜センサ B,Ba 試料検査装置 C パーソナルコンピュータ 1,1A〜1B ホルダ 2 発光素子 3 受光素子 3A 金属センサ 4,4A〜4C 振り子 5 ストッパピン 7,7a 蓋体 8 金属片 12 溝部 12a 側壁部 41 凸状部 61 スライドテーブル 70 回路基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重力によって一定の角度姿勢に維持され
    るように揺動可能な振り子と、この振り子の位置を検知
    するための検知手段と、を備えていることを特徴とす
    る、傾斜センサ。
  2. 【請求項2】 上記検知手段は、上記振り子の揺動経路
    を挟んで相互に対向する発光手段と受光手段とを有し、
    かつ上記発光手段から発せられた光が上記受光手段によ
    って受光されたとき、または上記光が上記振り子によっ
    て遮られることにより上記受光手段での受光が停止され
    たときに、所定の信号出力を行う透過型のフォトインタ
    ラプタである、請求項1に記載の傾斜センサ。
  3. 【請求項3】 上記検知手段は、上記振り子の揺動経路
    の一側方において上記移動経路にそれぞれ対向するよう
    に設けられた発光手段と受光手段とを有し、かつ上記発
    光手段から発生された光が上記振り子によって反射され
    て上記受光手段によって受光されたとき、またはその受
    光が停止されたときに、所定の信号出力を行う反射型の
    フォトインタラプタである、請求項1に記載の傾斜セン
    サ。
  4. 【請求項4】 上記発光手段と受光手段とを保持する保
    持部材を具備し、かつ上記振り子は、上記保持部材に揺
    動可能に支持されている、請求項2または3に記載の傾
    斜センサ。
  5. 【請求項5】 上記振り子が上記発光手段と対面しない
    位置から上記発光手段に対面する位置へ配置されるよう
    に第1の方向へ移動したときに上記振り子が上記第1の
    方向へそれ以上移動することを阻止する第1のストッパ
    手段を具備している、請求項2ないし4のいずれかに記
    載の傾斜センサ。
  6. 【請求項6】 上記振り子が上記発光手段と対面する位
    置から上記発光手段に対面しない位置へ配置されるよう
    に第2の方向へ移動したときに上記振り子が上記第2の
    方向へそれ以上移動することを阻止する第2のストッパ
    手段を具備している、請求項2ないし5のいずれかに記
    載の傾斜センサ。
  7. 【請求項7】 上記振り子の全体または一部は、金属ま
    たは磁石であり、かつ上記検知手段は、上記振り子が接
    近したときにその旨を検知する金属センサまたは磁気セ
    ンサである、請求項1に記載の傾斜センサ。
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