JPH10169410A - タービンローターの微動回転駆動装置 - Google Patents

タービンローターの微動回転駆動装置

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JPH10169410A
JPH10169410A JP35188596A JP35188596A JPH10169410A JP H10169410 A JPH10169410 A JP H10169410A JP 35188596 A JP35188596 A JP 35188596A JP 35188596 A JP35188596 A JP 35188596A JP H10169410 A JPH10169410 A JP H10169410A
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JP
Japan
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ratchet plate
hydraulic cylinder
turbine rotor
connecting arm
arm
Prior art date
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Application number
JP35188596A
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English (en)
Inventor
Itsuharu Morisono
伍治 森園
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FUJI SEIKI ENG KK
UMEDA KOKI KK
Original Assignee
FUJI SEIKI ENG KK
UMEDA KOKI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置内の油圧シリンダーを伸長時に力を発揮す
る小型のものを使用し、その小型化を図り、倒れモーメ
ントによる反力も無くするか或いはより小さくするこ
と。 【解決手段】タービンローターに固定されるラチェット
プレート10と、このラチェットプレート10の外周に設け
られた複数の歯14に係合する係合ピン25をその先端に有
する連結アーム23と、この連結アーム23の根本部に、シ
リンダーロッド22が接続する油圧シリンダー21と、この
油圧シリンダー21の上端部を取り付けたハウジング20と
から成る。油圧シリンダー21のシリンダーロッド22の伸
縮作動により、連結アーム23を介して係合ピン25が上下
に往復動を行い、これによりラチェットプレート10の歯
14が上方に送り移行せられ、同時にタービンローター1
が微動回転を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】発電所等のタービンの定期的
な保守点検時に、タービンローター(タービンの軸)を
微動回転させる作業が必要となるが、本願発明は、この
タービンローターの微動回転のための駆動装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来においては、このタービンローター
を微動回転させるために、タービンローターのカップリ
ングの位置に、ローター及びカップリングを跨ぐように
して、大型の門型(略逆U字形状)の枠組みを組み立
て、この枠組みの上方の水平枠体に油圧シリンダーやク
レーンを取り付け、カップリングに設けられたボルト穴
にピンを取り付け、このピンを前記油圧シリンダーやク
レーンによって垂直上方に引き上げることにより、ター
ビンローターを回転させていた。或いは、上記のような
ローターのカップリングを跨ぐような大型のものでな
く、略逆L字型の枠体をタービンローターのカップリン
グの側方位置に設け、その上方の水平枠体に油圧シリン
ダーを取り付けて、上記と同様にタービンローターのカ
ップリングのボルト穴に取り付けたピンを垂直上方に引
き上げることにより、ローターの微動回転を行ってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置において
は、先ず装置の規模が大型のものとなり、また油圧シリ
ンダーに関しても、そのシリンダーロッドの引上げ(収
縮)時に力を発揮するタイプのものを使用しているた
め、押し出し(伸長)時に力を発揮するタイプの油圧シ
リンダーと比較すると、これよりも大型の油圧シリンダ
ーが必要となる。また、上記の逆L字型の枠体を使用し
たものにあっても、その枠体の上方の水平枠体の先端部
に大型の油圧シリンダーが取り付けられ、上方に引き上
げる関係上、その枠体の高さをある一定の高さ以上に形
成しなければならず、床面に取り付けられた枠体の基台
部において、油圧シリンダーが設けられた反対側の部位
に倒れモーメントによる大きな反力(反作用力)が掛か
ることになり、基台部のこの部位に強力な固定手段を設
ける必要があった。
【0004】そこで、本願発明においては、先ずこのタ
ービンローターの微動回転駆動装置の小型化を図ること
をその第一の課題とし、この小型化によって通常タービ
ンは複数個直列に連結されているが、このタービンの連
結部のカップリングの部位にこの駆動装置をそれぞれ個
々に配置させて使用することができ、個々のタービン毎
に回転させたり、これらの駆動装置を連動させて全体の
ローターを連結したまま同時に回転させることも可能と
なる。更に、この駆動装置の液圧シリンダーを伸長時に
力を発揮するタイプの小型のものを使用できること、こ
れにより液圧シリンダーのハウジングを小さく且つ背の
低いものとすることができ、また、ローターを回転させ
るに際して、その回転駆動力に対する倒れモーメントに
よる反力も基台部に負荷されることがなく、或いは倒れ
モーメントによる反力をより小さくできる駆動装置を提
供することも本願発明の課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願の第1の発明は、タービンローターに固定さ
れるラチェットプレート10と、このラチェットプレー
ト10の外周に設けられた複数の歯14に係合する係合
ピン25をその先端に有する連結アーム23と、この連
結アーム23の根本部に、シリンダーロッド22が接続
する液圧シリンダー21と、この液圧シリンダー21を
取り付けたハウジング20とから成り、液圧シリンダー
21のシリンダーロッド22の往復作動により、連結ア
ーム23を介して係合ピン25が往復動作を行い、これ
により係合ピン25がラチェットプレート10の歯14
を順次送り移行させることによってラチェットプレート
10が微動回転し、これに伴いタービンローター1も微
動回転するものである。ここで、送り移行とは、ラチェ
ットプレート10が回転して行く方向への移行をいい、
右回転であれば、右回転方向への移行をいい、左回転で
あれば、左回転方向への移行をいう。以下同じである。
【0006】本願の第2の発明は、タービンローターに
固定されるラチェットプレート10と、このラチェット
プレート10の外周に設けられた複数の歯14に係合す
る係合ピン25をその先端に有する連結アーム23と、
この連結アーム23の根本部に、シリンダーロッド22
が接続する液圧シリンダー21と、この液圧シリンダー
21を取り付けたハウジング20とから成り、液圧シリ
ンダー21のシリンダーロッド22の伸長作動により、
連結アーム23を介して係合ピン25が送り移行され、
これにより係合ピン25がラチェットプレート10の歯
14を送り移行させ、液圧シリンダー21のシリンダー
ロッド22の収縮作動により、連結アーム23を介して
係合ピン25が戻り移行してラチェットプレート10の
次の歯14に係合し、この動作を繰り返すことにより係
合ピン25がラチェットプレート10の歯14を順次送
り移行することによって、ラチェットプレート10が微
動回転し、これに伴いタービンローター1も微動回転す
るものである。ここで、戻り移行とは、前記の送り移行
と反対方向への移行をいう。以下同じである。
【0007】本願発明の第3のものは、上記第2の発明
において、連結アーム23が2本の腕部23a、23b
を軸部24によって相互に軸着したものから成り、先端
に係合ピン25が設けられた腕部23bがラチェットプ
レート10の側に付勢手段によって付勢されていること
を特徴とするものである。
【0008】上記の第2及び第3の発明により、油圧シ
リンダー21のシリンダーロッド22が押し出されて
(伸長作動)、連結アーム23を介して係合ピン25が
送り移行し、この係合ピン25が係合するラチェットプ
レート10の歯14も送り移行され、次にシリンダーロ
ッド22が引き戻されて(収縮作動)、連結アーム23
を介して係合ピン25が戻り移行して、ラチェットプレ
ート10の次の歯14に係合する。この動作を繰り返す
ことによって係合ピン25が順次ラチェットプレート1
0の歯14を送り移行し、ラチェットプレート10を微
動回転させ、同時にタービンローター1が微動回転せら
れるのである。
【0009】これにより、液圧シリンダー21のシリン
ダーロッド22の伸長作動によって、ラチェットプレー
ト10の歯14が送り移行されるため、シリンダーロッ
ド22の押し出し時に力を発揮するタイプの液圧シリン
ダーを用いることができるため、小型のもので間に合
う。これにより液圧シリンダーのハウジングも小型にす
ることができ、或いはそのハウジングの背の高さも低い
ものとして実施することができるのである。また、本願
発明の何れのものにおいても、従来のように液圧シリン
ダーを上方に吊るして、上方に係合ピンを引き上げるタ
イプのものではないため、上記の通り液圧シリンダーを
小型にすることができ、その液圧シリンダーの取り付け
方により、ハウジング20の基台部を上方に引き上げる
ような倒れモーメントによる反作用力が掛からないよう
にすることもでき、或いは、その反作用力をより小さな
ものとすることができ、ハウジング20のその反力が掛
かる基台部の部位に特別強力な固定手段を設けなくとも
よいという利点も有する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づき本願発
明の実施の形態について説明する。添付の図面は全て本
願発明の実施の形態を図示している。図1は、その第1
の実施形態を図示する全体説明図である。先ず、タービ
ンローターのカップリング同士を接続しているボルトを
全て外して、タービンローター同士の連結を解除する。
そして、1つのタービンローター1のカップリング2の
接合面3にラチェットプレート10を接合する。
【0011】ラチェットプレート10は、側面視略半円
形のもので、その外周部に多数の歯14が設けられてお
り、後に詳述するが、このラチェットプレート10は、
同一形状のプレートを2枚一定間隔を保って立体的に形
成されているものである。図1においては、向こう側の
プレートのみを図示して、内部構造が判るようにしてい
る。このラチェットプレート10は、タービンローター
1の下半分の部分に沿わせ、且つカップリング2の接合
面3に接合し、そしてラチェットプレート10の一方の
端部に設けられたピン孔11を、カップリング2の一つ
のボルト穴5に合致させて、固定ピン12によって取り
付けられる。
【0012】更に、ラチェットプレート10は、その両
端部がローラーチェーン15によって連結されており、
ローラーチェーン15の一方の端部側に設けられたター
ンバックル16を締め付けて、ラチェットプレート10
をタービンローター1に固定できる。尚、ラチェットプ
レート10には、適数個のジャッキボルト13が設けら
れ、ジャッキボルト13のボルト軸の長さの調整によ
り、ラチェットプレート10のタービンローター1への
取り付け固定が、上記ローラーチェーン15の固定と相
俟ってより完全なものとなる。
【0013】他方、このラチェットプレート10を作動
させるための駆動機構の構造に関しては、先ずタービン
ローター1のカップリング2の近傍の床面に固定された
ハウジング20と、ハウジング20内に設備された油圧
シリンダー21と、油圧シリンダー21のシリンダーロ
ッド22の先端に連結された連結アーム23と、連結ア
ーム23の先端に取り付けられた係合ピン25とから形
成されている。油圧シリンダー21は、その上方端部が
ハウジング20に固定されており、シリンダーロッド2
2が連結アーム23の一端を下方部に押し下げるとき
に、力を付加して、軸部26を回動軸として連結アーム
23の他端に設けられた係合ピン25を上方方向に移行
(送り移行)させ、ラチェットプレート10の歯14を
順次上方に押し上げる(送り移行させる)のである。
【0014】連結アーム23は、1つの軸部24で軸着
された2本の腕部23a、23bとから形成されてお
り、シリンダーロッド22に接続する腕部23aがその
略中央部の軸部26でハウジング20に軸着されてい
る。従って、シリンダーロッド22が往復運動すること
によって、腕部23aの図中左端部が、軸部26を中心
として上下に回動し、これにより腕部23aの右端部も
上下に回動し、同時に腕部23bの先端に取り付けられ
た係合ピン25が上下に往復運動を行うのである。
【0015】この係合ピン25の上下運動によって、こ
の係合ピン25が係合するラチェットプレート10の歯
14が順次上方に送られて移行し、ラチェットプレート
10が上方に回動し、これによってタービンローター1
も微動回転することができるのである。尚、この連結ア
ーム23の腕部23bは、図示はしていないが、バネに
よって軸部24を中心として時計と反対方向に常に付勢
されている。これによって、軸部24が上下に往復運動
を行うことに伴って、腕部23bの先端の係合ピン25
がラチェットプレート10の歯14の形状に沿って左右
に揺動しつつ、次の歯14に係合し、順次これを繰り返
すことによってラチェットプレート10が図中時計回り
に回動し、同時にタービンローター1も同方向に微動回
転を行うことが出来るのである。
【0016】以上の構成により、油圧シリンダー21
は、シリンダーロッド22を押し出す伸長方向に力を発
揮するタイプのものを使用しているため、小型のもので
間に合う。また、ハウジング20内の駆動機構は、軸部
26を中心として梃子の原理を応用して、ラチェットプ
レート10を回転させるため、その作動の反作用力、つ
まり倒れモーメントは右回転方向に掛かるが、上記の通
り油圧シリンダー21が小型で、ハウジング20の高さ
も低いものが使用できるため、その倒れモーメントの反
力をより小さいものとすることができ、つまりハウジン
グ20の基台部28に上方に作用する引っ張り力をより
小さく抑えることができ、従来のものと比較すれば、ハ
ウジング20のその反力が掛かる部位の固定に特別強力
な固定手段を用いる必要はない。
【0017】ラチェットプレート10の歯14が最初の
ものから最後のものまで順次送られて、タービンロータ
ー1が1/2回転したとき、ラチェットプレート10
は、図1において上方の側に位置することとなるが、そ
の後は、固定ピン12の固定を解除して、このラチェッ
トプレート10の位置を図1の状態に取り付け直して、
上記の動作を繰り返して、タービンローター10を更に
微動回転させることができる。ラチェットプレート10
の取り付け直しは、小型クレーンを利用して行うことが
できる。以上、駆動装置の全体の概要について説明した
が、更にそれぞれの構成部材の構造について説明する。
【0018】図2は、ラチェットプレート10の一部斜
視説明図であって、ジャッキボルト13の図示は省略し
ている。このラチェットプレート10は、2枚の同一形
状のプレート10a、10bを一定間隔に固定したもの
からなり、それぞれのプレート10a、10bの外周に
は、同一形状の多数の歯14が形成されている。それぞ
れのプレート10a、10bの一方の端部には、固定ピ
ンによってローラーチェーンを取り付けるためのピン孔
11が形成されている。このラチェットプレート10の
一方のプレート10aをタービンローターのカップリン
グの接合面に接合して、固定ピンによってカップリング
のボルト穴に固定すると同時に、この固定ピンにローラ
ーチェーンの一方の端部も取り付け、ローラーチェーン
の他方端をラチェットプレート10の他方端に連結し
て、このラチェットプレート10をタービンローターに
固定することが出来るのである。
【0019】図3は、ローラーチェーン15の一部側面
図を示しており、ローラーチェーン15は、回転ローラ
ー17を一定間隔に保って並列させ、各回転ローラー1
7同士を帯板18で連結したものである。この際、帯板
18がタービンローター1の外表面に接触しない程度の
長さに形成する必要がある。つまり、列設された隣合う
回転ローラー17の直径及び回転ローラー17相互間の
間隔を所定の長さに設定する必要がある。
【0020】図4は、駆動装置の部分の概略説明図であ
り、ハウジング20内にその上部が固定された油圧シリ
ンダー21の下方先端のシリンダーロッド22(図中シ
リンダーロッドは完全に収縮しているため、図には現れ
ていない。)が下方向に押し出されることによって、連
結アーム23の一方の腕部23aの左端部を軸部26を
中心として左方向に回動させ、腕部23aの右端の軸部
24を同様に左方向に回動させて、腕部23bの下方先
端に設けられた係合ピン25を上方に送り移行させる。
これによりラチェットプレートの歯が上方に送り移行せ
られるのである。また、腕部23bは、例えばコイルバ
ネ30等により、軸部24を中心として左回転方向に付
勢されているため、腕部23bの先端に設けられた係合
ピン25がラチェットプレートの歯に順次良好に係合し
て行くことができるのである。腕部23bを軸部24を
中心に左回転方向に付勢する付勢手段は、上記のコイル
バネ以外のものを使用することができ、板バネや各種線
状材からなる巻きバネ等を使用することができる。
【0021】また、付勢手段の付勢方向は、軸部24を
中心として左回転方向ばかりでなく、図1において、油
圧シリンダー21をタービンローター1の右側に配置し
たときは、右回転方向にする必要がある。この場合には
ラチェットプレート10の歯14の向きも逆にする必要
があり、ローターの回転方向も逆になる。要するに、こ
の装置をタービンローターの何れの側に配置するにして
も、この付勢手段は、ラチェットプレートの側に向かっ
て付勢されていればよいのである。尚、この付勢手段
は、必ずしも必須のものでなく、シリンダーロッド22
のストロークや、連結アーム23の腕部23bの先端に
設けられた係合ピン25のストロークを適切に設定する
ことにより、自重によってラチェットプレート10の歯
14に適切に順次係合させることができ、付勢手段は設
けなくとも実施可能である。
【0022】図5は、連結アーム23の部分とラチェッ
トプレート10との係合状態を図示しており、図1にお
いて油圧シリンダー21の左側からラチェットプレート
10の方向を見た説明図である。連結アーム23は、軸
部26によってハウジングに軸着された腕部23aと、
この腕部23aに軸部24で連結された腕部23bとか
ら成る。腕部23aの一方端の軸部29においては、シ
リンダーロッドの先端部22aが連結している。腕部2
3bを付勢する付勢手段の図示は省略している。シリン
ダーロッドの先端部22aが下方に押し下げられると、
軸部29が下方に移行し、腕部23aの軸部24が、軸
部26を回動中心として上方に移行し、同時に腕部23
bの先端に設けられた係合ピン25も上方に移行する。
これによって係合ピン25がラチェットプレート10の
歯14を押し上げ、ラチェットプレート10が上方に移
行する。この図から解る通り、係合ピン25は、ラチェ
ットプレート10の両側のプレート10a及び10bの
両方に係合している。
【0023】図6は、本願発明の第2の実施形態を図示
しており、駆動機構の形態が異なっているが、その駆動
原理はほぼ同一である。また、ラチェットプレート10
を固定するローラーチェーン15の図示は省略してい
る。即ち、ハウジング40内に油圧シリンダー21が設
備され、その油圧シリンダー21の下端部がハウジング
40の基台部28上に軸部41によって軸着されてい
る。シリンダーロッド22の先端部には、軸部29によ
って連結アーム23が連結しており、連結アーム23の
先端には、ラチェットプレート10の歯14と係合する
係合ピン25が設けられている。
【0024】連結アーム23は、シリンダーロッド側の
腕部23aと軸部24で軸着された腕部23bとから成
る。腕部23aには、ハウジング40に設けられたガイ
ド溝42に適合する突起部45が形成されており、この
ガイド溝42により突起部45が案内され、これによっ
て腕部23aの動きも案内される。腕部23bは、前記
第1の実施形態と同様にバネによって軸部24を中心と
して左回転方向に付勢されている。その他のラチェット
プレートやこれを固定するローラーチェーン等の構成
は、前記の実施形態と同様である。
【0025】以上の構成により、床面に固定されたハウ
ジング40内部の油圧シリンダー21が作動開始し、シ
リンダーロッド22が上方に押し上げられる(伸長す
る)と、これに伴って腕部23aの軸部29も上方に押
し上げられ、腕部23aの突起部45がハウジング40
のガイド溝42に案内されて上方に移行して、腕部23
aの全体が斜め上方に押し上げられる。これに伴って、
軸部24に軸着された腕部23bが上方に引き上げら
れ、その先端部に設けられた係合ピン25も上昇する。
これによって係合ピン25に係合しているラチェットプ
レート10の歯14も同時に引き上げられる(送り移行
される)。
【0026】次に、シリンダーロッド22が下方に引き
下げられる(収縮する)と、上記の動作の反対方向の動
作を行い、つまり、係合ピン25が下方に移行して係合
ピン25が一つの歯14から他の次の隣接する下方の歯
14に係合し(戻り移行し)、更にシリンダーロッド2
2が再度上昇することにより、この歯14を上方に送り
移行させるのである。このような動作を繰り返すことに
よって、カップリング2を介してタービンローター1も
微動回転を行うことになるのである。
【0027】尚、この形態において、シリンダーロッド
22の先端と腕部23aを連結する軸部29において
は、これら両者の連結は固定的に連結されている。従っ
て、油圧シリンダー21の方がその下端で基台部28に
軸部41で軸着され、回動しうるように形成されてい
る。つまり、油圧シリンダー21は、シリンダーロッド
22が往復運動を行うのに伴って、軸部41で左右に回
動し、揺動するものである。この実施の形態において
も、油圧シリンダー21がそのシリンダーロッド22を
押し出すときの伸長方向に力を発揮するタイプのものを
使用しているため、小型の油圧シリンダーで間に合い、
また、油圧シリンダーが下方から上方向に作用するた
め、その負荷と反力は基台部で合持ちとなり、前記の第
1の実施形態と異なり、倒れモーメントは発生しないも
のとなる。これにより、基台部28において倒れモーメ
ントによる上方に働く反力は存在しなくなるため、ハウ
ジング40を床面に固定するための固定手段として特別
強力なものを使用する必要がなくなる。
【0028】以上、実施の形態について説明したが、本
願発明においては以下の通り種々設計変更することが可
能である。先ずラチェットプレート10は、外周に歯1
4が設けられた1枚のものから形成されたものであって
もよい。ジャッキボルト13も任意のものであり、設け
なくとも実施可能である。歯14の大きさ、形状、及び
その数も自由に設計することができ、係合ピン25の係
脱が良好に行われるものであればよい。ローラーチェー
ン15についてもその構造や形状等全く自由であり、ま
たラチェットプレート10をタービンローター1に取り
付けることの出来るものであれば、その他の各種の固定
バンド等同様の固定機能を有するものを使用することが
できる。尚、このローラーチェーン15は、ラチェット
プレート10を直接タービンローター1のカップリング
2のボルト穴に直接ボルト・ナットによって固定するこ
とも可能で、この場合にはローラーチェーン15は不要
のものとなる。
【0029】油圧シリンダー21を設備するハウジング
の形状等は全く自由に設計することができものであっ
て、油圧シリンダーを固定できる枠体のみからなるもの
であってもよい。即ち、上記の第1の実施形態にあって
は、基台部と油圧シリンダーを取り付ける天部と、この
天部を支える支持部さえあればよい。また、上記の第2
の実施形態にあっては、油圧シリンダーを取り付ける基
台部と腕部23aに設けられた突起部45と適合するガ
イド溝が設けられた側方枠体さえあればよいのである。
ガイド溝は、ガイド孔部であってもよく、前記突起部4
5を案内できるものであればなんでもよい。
【0030】油圧シリンダー21も他の種類の液圧シリ
ンダーを使用することが出来、その能力やシリンダーの
ストローク等、適切なものを採用して使用することが出
来る。連結アーム23についても、上記の実施形態にお
いては、いずれも2本の腕部23a及び23bから形成
されていたが、この連結アーム23は、1本の腕部から
形成することも可能である。この場合には、この1本の
腕部23の先端に係合ピン25を進退可能に取り付ける
ことによってラチェットプレート10の歯14と順次係
合させて行き、ラチェットプレート10の歯14を順次
送り移行させて行くことが可能である。上記第2の実施
形態において、ハウジング40に形成されたガイド溝4
2に適合する腕部23aに形成された突起部45は、こ
のガイド溝42内をころがるローラー或いは滑り車等に
よって形成してもよい。これによってガイド溝42との
摩擦抵抗を極力少なくすることができる。
【0031】最後に、本願発明においては、ラチェット
プレートをタービンローターの下側に取り付けたが、こ
れをその上側に取り付け、歯の向きも反対向きとし、係
合ピンを上から下方向に押し下げることによってラチェ
ットプレートの歯を下方向に送り移行させることもでき
る。この場合には、油圧シリンダーを上記第1の実施形
態及び第2の実施形態において上下逆向きに取り付ける
ことによって可能となる。
【0032】
【発明の効果】本願発明の何れのものにおいても、その
駆動装置を小型のものとして実施することができ、ター
ビンローターのカップリングの側方の床面に設置して、
使用することが可能となる。本願発明の第2及び第3の
いずれのものにおいても、液圧シリンダーとして、シリ
ンダーロッドを押し出す際に力を発揮するものを使用し
ているため、小型の液圧シリンダーを使用することがで
きる。また、その液圧シリンダーを内蔵するハウジング
をタービンローターのカップリングの近傍の床面に固定
する際に、液圧シリンダーをハウジングに取り付けるそ
の取り付け方によっては、液圧シリンダーの作動による
倒れモーメントによる反作用力が基台部に掛からないも
のとすることもできる(前記第2実施形態)ため、この
場合にはハウジングの基台部に特別強力な固定手段を設
ける必要もない。
【0033】このように、本願発明に係るタービンロー
ターの微動回転駆動装置は、小型のものとして実施でき
るため、通常直列に複数連結されるタービンのローター
の連結箇所であるカップリングの部位の床面に個々の駆
動装置を取り付けることができ、個々のタービンのロー
ターを回転したり、この駆動装置を連動させて、タービ
ンローターを連結したまま複数のタービンローターを同
時に微動回転させることもでき、タービンの保守点検時
にローターの微動回転の作業をより容易とし、省力化、
消エネ化に寄与できるものである。
【0034】更に、本願発明の第3のものにおいては、
連結アームの係合ピンが設けられた側の腕部がラチェッ
トプレートの側に向かって付勢されているため、係合ピ
ンのラチェットプレートの歯への係合がよりスムースと
なるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態の全体説明図である。
【図2】上記実施形態におけるラチェットプレートの一
部斜視説明図である。
【図3】上記実施形態におけるローラーチェーンの一部
側面説明図である。
【図4】上記実施形態における駆動機構の部分の説明図
である。
【図5】上記実施形態における連結アームの部分とラチ
ェットプレートとの係合を示しており、図1において油
圧シリンダーの左側からラチェットプレートの方向を見
た説明図である。
【図6】本願発明に係る第2の実施形態の全体説明図で
ある。
【符号の説明】 1 タービンローター 2 カップリング 10 ラチェットプレート 15 ローラーチェーン 20、40 ハウジング 21 油圧シリンダー 22 シリンダーロッド 23 連結アーム 23a、23b 腕部 24、26、29 軸部 25 係合ピン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンローターに固定されるラチェット
    プレート(10)と、 このラチェットプレート(10)の外周に設けられた複数の
    歯(14)に係合する係合ピン(25)をその先端に有する連結
    アーム(23)と、 この連結アーム(23)の根本部に、シリンダーロッド(22)
    が接続する液圧シリンダー(21)と、 この液圧シリンダー(21)を取り付けたハウジング(20)と
    から成り、 液圧シリンダー(21)のシリンダーロッド(22)の往復作動
    により、連結アーム(23)を介して係合ピン(25)が往復動
    作を行い、 これにより係合ピン(25)がラチェットプレート(10)の歯
    (14)を順次送り移行させることによってラチェットプレ
    ート(10)が微動回転し、これに伴いタービンローター
    (1) も微動回転することを特徴とするタービンローター
    の微動回転駆動装置。
  2. 【請求項2】タービンローターに固定されるラチェット
    プレート(10)と、 このラチェットプレート(10)の外周に設けられた複数の
    歯(14)に係合する係合ピン(25)をその先端に有する連結
    アーム(23)と、 この連結アーム(23)の根本部に、シリンダーロッド(22)
    が接続する液圧シリンダー(21)と、 この液圧シリンダー(21)を取り付けたハウジング(20)と
    から成り、 液圧シリンダー(21)のシリンダーロッド(22)の伸長作動
    により、連結アーム(23)を介して係合ピン(25)が送り移
    行され、これにより係合ピン(25)がラチェットプレート
    (10)の歯(14)を送り移行させ、 液圧シリンダー(21)のシリンダーロッド(22)の収縮作動
    により、連結アーム(23)を介して係合ピン(25)が戻り移
    行してラチェットプレート(10)の次の歯(14)に係合し、 この動作を繰り返すことにより係合ピン(25)がラチェッ
    トプレート(10)の歯(14)を順次送り移行することによっ
    て、ラチェットプレート(10)が微動回転し、これに伴い
    タービンローター(1) も微動回転することを特徴とする
    タービンローターの微動回転駆動装置。
  3. 【請求項3】連結アーム(23)が2本の腕部(23a)(23b)を
    軸部(24)によって相互に軸着したものから成り、 先端に係合ピン(25)が設けられた腕部(23b) がラチェッ
    トプレート(10)の側に付勢手段によって付勢されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のタービンローターの
    微動回転駆動装置。
JP35188596A 1996-12-10 1996-12-10 タービンローターの微動回転駆動装置 Pending JPH10169410A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012076067A (ja) * 2010-10-06 2012-04-19 Kumagai Gumi Co Ltd 固液分離装置
CN104121045A (zh) * 2013-04-23 2014-10-29 阿尔斯通技术有限公司 燃气涡轮转子定位装置

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