JPH10167766A - 断熱ガラス - Google Patents

断熱ガラス

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JPH10167766A
JPH10167766A JP8328093A JP32809396A JPH10167766A JP H10167766 A JPH10167766 A JP H10167766A JP 8328093 A JP8328093 A JP 8328093A JP 32809396 A JP32809396 A JP 32809396A JP H10167766 A JPH10167766 A JP H10167766A
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JP
Japan
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film
layer
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silver
transparent dielectric
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JP8328093A
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Terufusa Kunisada
照房 國定
Etsuo Ogino
悦男 荻野
Kenji Murata
健治 村田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然な反射光、透過光、特に透過色について
は無彩色の程度にまで着色を排除した断熱効果の高いガ
ラスを提供する。 【解決手段】 ガラス板上に、順に、5〜18nmの透
明誘電体膜、7〜11nmの銀を主成分とする膜、70
〜85nmの透明誘電体膜、11〜14nmの銀を主成
分とする膜、25〜40nmの透明誘電体膜を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対的に、可視光
線を透過し、赤外線を反射する機能を有する多層膜を有
し、夏期には日射熱の流入を抑制し、冬期には室内から
の熱の流出を抑制する断熱ガラスの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス板上に、順に、透明誘電体
膜、銀膜、透明誘電体膜、銀膜、透明誘電体膜を形成し
た断熱ガラスが知られている。このような断熱ガラスに
おいては、銀膜および透明誘電体膜の厚さを所定範囲と
することにより、赤外線が高度に反射されながらも可視
光域での透明性が確保されている。
【0003】このような断熱ガラスを、多層膜を構成す
る各膜およびその膜厚とともに例示する。例えば、特開
昭63−134232号公報には、ガラス板上に、順
に、透明酸化物膜(20〜60nm)、銀膜(6〜11
nm)、透明酸化物膜(40〜120nm)、銀膜(6
〜11nm)、透明酸化物膜(20〜60nm)を形成
した断熱ガラスが開示されている。
【0004】特開昭63−239044号公報には、ガ
ラス板上に、順に、酸化亜鉛膜(20〜60nm)、銀
膜(7〜25nm)、酸化亜鉛膜(40〜120n
m)、銀膜(7〜25nm)、酸化亜鉛膜(20〜60
nm)を形成した断熱ガラスが開示されている。
【0005】特開平7−16442号公報には、2層の
銀膜の厚さを異厚にすることにより、見る角度によって
反射色が変化しないようにした断熱ガラスが開示されて
いる。好ましい膜構成としては、ガラス板の側から順
に、金属酸化物膜(30〜45nm)、銀膜(7〜9n
m)、金属酸化物膜(70〜80nm)、銀膜(11〜
13nm)、金属酸化物膜(30〜45nm)が記載さ
れている。この断熱ガラスの透過色および反射色は、美
的に好ましい青緑色であるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】断熱ガラスが普及す
るにつれて、自然な外観を呈する断熱ガラスへの要望が
強くなってきている。しかし、上記従来の断熱ガラス
は、この要望を十分に満たすものではなかった。例え
ば、特開平7−16442号公報に記載の断熱ガラス
は、断熱ガラスの外観を美的に整えるものではあるが、
特に透過色が緑色系となってしまうものであった。反射
光の過度の着色を排除して室外からの外観を整えるばか
りでなく透過色を無彩色としないことには、室内から室
外を見たときに自然な眺望が得られにくい。
【0007】このような問題点を考慮して、本発明は、
透過色および反射色の過度の着色を防止し、とりわけ透
過色については無彩色とした断熱ガラスを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された断熱ガラスは、ガラス板の表
面上に、このガラス板側から順に、第1層として金属酸
化物膜が、第2層として銀を主成分とする膜が、第3層
として金属酸化物膜が、第4層として銀を主成分とする
膜が、第5層として金属酸化物膜が形成された断熱ガラ
スにおいて、第1層の膜厚が5〜18nmであり、第2
層の膜厚が7〜11nmであり、第3層の膜厚が70〜
85nmであり、第4層の膜厚が11〜14nmであ
り、第5層が25〜40nmであることを特徴とする。
【0009】上記断熱ガラスにおいては、銀を主成分と
する層の膜厚を上述のように基本的には異厚となるよう
に調整することにより、可視光線の透過率と赤外線の反
射率を高く維持しながらも、反射色を青緑色系のニュー
トラル色に保っている。また、第1層、第3層および第
5層の膜厚を上述のように調整することも、本発明の目
的を達成するためには必須であって、特に第1層の膜厚
がこの範囲外となると、反射色を青緑色系のニュートラ
ルな色彩に保ちながら透過色を無彩色とすることはでき
ない。
【0010】なお、この明細書において「ニュートラ
ル」とは、L***表色系において、−10<a*<1
0、−10<b*<10の範囲にあることをいい、「無
彩色」とは、同表色系において、−3<a*<3、−3
<b*<3の範囲にあることをいうものとする。ここ
で、L***表色系とは、国際照明委員会(CIE)
が推奨する色空間であり、詳細は、JIS Z 872
9−1994に説明されている。
【0011】請求項1に記載された発明によれば、反射
色がニュートラルであり、透過色が無彩色である断熱ガ
ラスを提供することができる。この断熱ガラスは、建築
物などの窓部への適用を考慮すると、可視光透過率が7
0%以上、日射透過率が55%以下であることが好まし
く、可視光透過率が75%以上、日射透過率が50%以
下であることがさらに好ましい。
【0012】請求項2に記載された断熱ガラスは、請求
項1に記載された断熱ガラスにおいて、L***表色
系で表示したときに、透過色が−3<a*<0、0<b*
<3であることを特徴とする。この断熱ガラスによれ
ば、透過色が無彩色となるばかりでなく、透過色の微妙
な着色も黄緑色系のものとなり、例えば、赤色系に微妙
に着色しているときのような幾分不自然な窓からの眺望
はほとんど解消できる。
【0013】上記断熱ガラスにおいて、透明誘電体とし
ては、ジルコニウム、ニオブ、アルミニウム、チタン、
タンタル、ステンレス、ニクロム、錫、亜鉛などの酸化
物を使用することができる。なお、透明誘電体膜は、必
ずしも単層からなる必要はなく、それ自体が積層構造を
有する多層膜であってもよい。特に、第5層には保護膜
としての機能を有する膜を含んでいてもよい。保護膜
は、酸化チタン、窒化ケイ素などが用いられ、第5層の
最外層を構成する。
【0014】透明誘電体膜は、断熱ガラスの光学特性、
被膜の耐久性、スパッタリングで成膜するときの成膜速
度などを総合的に考慮すると、亜鉛および/または錫の
酸化物からなることが好ましい。この酸化物膜は、請求
項3に記載したように、具体的には、酸化亜鉛を主成分
とする膜、酸化錫を主成分とする膜、または酸化亜鉛を
主成分とする膜と酸化錫を主成分とする膜とを積層した
多層膜であることが好ましく、さらに具体的には、酸化
錫膜、酸化亜鉛膜、微量成分(例えば、アルミニウムお
よびガリウムのうちの少なくとも一つ)を添加した酸化
亜鉛膜、微量成分(例えば、アンチモンおよびフッ素の
うちの少なくとも一つ)を添加した酸化錫膜、またはこ
れらの膜の多層膜であることが好ましい。
【0015】銀を主成分とする膜は、純粋に銀からなる
膜であってもよく、パラジウム、金、インジウム、亜
鉛、錫、アルミニウムおよび銅などを少なくとも1種添
加して被膜の耐久性を向上させた銀からなる膜であって
もよい。
【0016】また、上記断熱ガラスにおいては、必要に
応じて、銀を主成分とする膜と接するように、追加の層
を形成してもよい。この追加の層は、膜の耐熱性向上な
どに効果があり、銀を主成分とする膜の上に形成した場
合には、スパッタリング法などによりこの膜の上に酸化
物膜を形成する場合の銀の酸化を防止する作用も有す
る。追加の層としては、チタン、ニクロム、ステンレ
ス、亜鉛またはこれらの酸化物を使用することができ
る。追加の層の適当な厚さは、1〜5nmである。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る断熱ガラス
の実施形態の一例の断面図を示したものである。この断
熱ガラス1は、膜の耐久性を向上させるとともに、断熱
性をさらに高めるために、図2に示すように、断熱ガラ
ス1ともう1枚のガラス板とを板厚方向にスペーサー6
を介して積層して、このスペーサー6により乾燥空気の
層8を保持するように構成された複層ガラス5として用
いてもよい。この場合は、多層膜が乾燥空気8側に面す
るように構成することが好ましい。このようにすると、
耐久性が高く、室外側から見た際の反射色が美的に好ま
しい青緑色系のニュートラル色、室内から室外を見た際
の透過色が無彩色に保たれた複層断熱ガラスを提供する
ことができる。
【0018】なお、各被膜を形成する方法に特に制限は
ないが、一般にはスパッタリング法が用いられる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 [実施例1]予備排気室とスパッタ室からなるインライ
ン式スパッタリング装置を用いて赤外線反射膜を成膜し
た。スパッタ室には2つのカソードが用意されている。
1つのカソードには金属亜鉛(Zn)を、もう1つのカ
ソードには金属銀(Ag)をターゲットとして設置し
た。スパッタ室をロータリーポンプおよびクライオポン
プで5×10-4Pa以下にまで排気し、洗浄した厚さ3
mmの無色透明フロートガラスを予備排気室に入れて
0.3Pa以下にまで排気した。このガラス板をスパッ
タ室に移し、スパッタ室にアルゴン(Ar)ガスと酸素
ガスを1:5の割合で導入し、圧力を0.3Paに調節
した。次に、以下の操作を順に行うことにより、ガラス
板の上に多層膜を形成した。
【0020】Znターゲットが備えられたカソードに、
直流電源より電力を供給して放電を起こし、電流を3A
に調節した(電圧は約490Vであった)。このターゲ
ットの上をガラス板を通過させることにより、16.3
nmの厚さの酸化亜鉛膜を第1層として形成した。
【0021】スパッタ室を再び5×10-4Paまで排気
した後、Arガスを導入し、圧力を0.3Paに調節し
た。Agターゲットが備えられたカソードに直流電源よ
り電力を供給して放電を起こし、このターゲットの上を
ガラス板を通過させることにより、8.9nmの厚さの
Ag膜を第2層として形成した。
【0022】Znターゲットが備えられたカソードに、
直流電源より電力を供給して放電を起こし、このターゲ
ットの上をガラス板を通過させて、1.5nmの厚さの
金属Zn膜を形成した。この非常に薄い金属Zn膜は、
次に酸化亜鉛膜を形成する際にAg膜の表面が酸化する
のを防止するために形成するものであって、この非常に
薄い金属Zn膜自体は、酸化錫膜を形成する際に酸化さ
れて酸化亜鉛膜に変化することがわかっている。
【0023】スパッタ室を再び5×10-4Paまで排気
した後、Arガスと酸素ガスを1:5の割合で導入し、
圧力を0.3Paに調節した。Znターゲットが備えら
れたカソードに、直流電源より電力を供給して放電を起
こし、ターゲットの上をガラス板を通過させることによ
り、79.1nmの厚さの酸化亜鉛膜を第3層として形
成した。
【0024】スパッタ室を再び5×10-4Paまで排気
した後、Arガスを導入し、圧力を0.3Paに調節し
た。Agターゲットが備えられたカソードに、直流電源
より電力を供給して放電を起こし、このターゲットの上
をガラス板を通過させることにより、11.9nmの厚
さのAg膜を第4層として形成した。
【0025】Znターゲットが備えられたカソードに、
直流電源より電力を供給して放電を起こし、このターゲ
ットの上をガラス板を通過させて、1.5nmの厚さの
金属Zn膜を形成した。この非常に薄い金属Zn膜は、
次に酸化錫膜を形成する際にAg膜の表面が酸化するの
を防止するために形成するものであって、酸化亜鉛膜を
形成する際に酸化されて酸化亜鉛膜に変化する。
【0026】スパッタ室を再び5×10-4Paまで排気
した後、Arガスと酸素ガスを1:5の割合で導入し、
圧力を0.3Paに調節した。Snターゲットが備えら
れたカソードに、直流電源より電力を供給して放電を起
こし、このターゲットの上をガラス板を通過させること
により、35.8nmの厚さの酸化錫膜を第5層として
形成した。
【0027】このようにして得られた断熱ガラスの構成
を表1に示す。また、この断熱ガラスの種々の光学特性
を分光光度計を用いて測定した結果を表2に示す。可視
光透過率が79.1%と高い値であるにもかかわらず、
45.7%と低い日射透過率が得られた。透過色は、L
***表色系で、a*値が−2.4、b*値が2.9で
あって無彩色であった。また、赤外線反射膜が形成され
ていないガラス板表面の可視光反射率は、8.2%と通
常のガラス並みであり、ぎらつきは観察されなかった。
反射色は、L***表色系で、a*値が−2.1、b*
値が−0.4であり、やはり無彩色であった。このよう
に、高い可視光透過率と赤外線反射率を維持したまま、
透過色と反射色を無彩色に調整した断熱ガラスを得るこ
とができた。なお、光学特性は標準C光源における値で
ある。
【0028】[実施例2、3]実施例1と同様にしてス
パッタ法により作製した種々の断熱ガラスの構成を表1
に示す。実施例2、3においては、透明誘電体膜として
酸化亜鉛と酸化錫の積層膜も採用した。なお、酸化錫膜
は、錫ターゲットを使用し酸素雰囲気で上記と同様のス
パッタリング法により成膜した。これら断熱ガラスの構
成と光学特性を表1、2に併せて示す。これらの透過色
も、実施例1と同様に、−3<a*<0、0<b*<3の
範囲にある無彩色であり、わずかな着色も黄緑色系のも
のであった。一方の反射色は青緑色系のニュートラル色
であった。
【0029】[比較例1、2]実施例1と同様にしてス
パッタ法により作製した種々の断熱ガラスの構成を表3
に示す。これらの断熱ガラスの種々の光学特性を分光光
度計を用いて測定した結果を表4に示す。これらの断熱
ガラスの透過色は、無彩色とはいえない程度のものであ
った。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、反
射色がニュートラルであり、透過色が無彩色である断熱
ガラスを提供することができる。また、請求項2に記載
された発明によれば、透過色が無彩色となるばかりでな
く、透過色の微妙な着色も黄緑色系となって、自然な眺
望を得ることができる断熱ガラスを提供することができ
る。さらに、これら効果に加えて、請求項3に記載され
た発明によれば、被膜の耐久性、生産効率の観点からも
好ましい断熱ガラスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る断熱ガラスの一例の断面図であ
る。
【図2】 本発明に係る断熱ガラスを一方のガラス板と
した複層ガラスの断面図である。
【符号の説明】
1:断熱ガラス、2:ガラス板、3:透明誘電体膜、
4:銀を主成分とする膜、5:断熱複層ガラス、6:ス
ペーサー、7:シール材、8:空気層、9:赤外線反射
被膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板の表面上に、このガラス板の側
    から順に、第1層として透明誘電体膜が、第2層として
    銀を主成分とする膜が、第3層として透明誘電体膜膜
    が、第4層として銀を主成分とする膜が、第5層として
    透明誘電体膜が形成された断熱ガラスにおいて、第1層
    の膜厚が5〜18nmであり、第2層の膜厚が7〜11
    nmであり、第3層の膜厚が70〜85nmであり、第
    4層の膜厚が11〜14nmであり、第5層の膜厚が2
    5〜40nmであることを特徴とする断熱ガラス。
  2. 【請求項2】 透過色がL***表色系において、−
    3<a*<0、0<b*<3である請求項1に記載の断熱
    ガラス。
  3. 【請求項3】 前記透明誘電体膜が、酸化亜鉛を主成分
    とする膜、酸化錫を主成分とする膜、または酸化亜鉛を
    主成分とする膜と酸化錫を主成分とする膜とを積層した
    多層膜であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の断熱ガラス。
JP8328093A 1996-12-09 1996-12-09 断熱ガラス Pending JPH10167766A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000087656A (ja) * 1998-09-14 2000-03-28 Nippon Sheet Glass Co Ltd ガラスパネル
EP1108693A1 (en) 1999-12-06 2001-06-20 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Heat shading glass, method for manufacturing the same, and heat shading laminated glass using the same
CN108264243A (zh) * 2018-04-16 2018-07-10 四川南玻节能玻璃有限公司 一种低辐射镀膜玻璃

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