JP4003921B2 - 熱線遮蔽ガラス及びこれを用いた複層ガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱線遮蔽ガラス及びこれを用いた複層ガラスに関する。本発明は、特に、熱線を反射する金属膜を1層のみ有する熱線遮蔽ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
銀膜を誘電体膜で挟持した多層膜を形成して窓ガラスに熱線遮蔽機能を付与する技術は、古くから知られている。この多層膜において、銀膜は熱線反射膜として作用し、誘電体膜は可視光透過率の低下を抑制する反射防止膜として作用する。例えば、特公昭47-6315号公報には、ガラス板上に、12〜35nmの銀膜とその両面に設けられた7〜55nmの誘電体膜とからなるいわゆる3層構成膜を形成した熱線遮蔽ガラスが開示されている。
【0003】
2層の銀膜を含む多層膜、例えば2層の銀膜と3層の誘電体膜とを交互に積層した、いわゆる5層構成膜も公知である。例えば、特開昭63-134232号公報には、従来の3層構成膜では「反射色調が紫系統に限られる」ことを指摘した上で、複数の銀膜を用いれば、可視光透過率を70%以上に保持しつつ反射色調を自由に選択できることが開示されている。この公報の実施例には、緑色、青緑色等の反射色を有する熱線遮蔽ガラスが開示されている。また例えば、特開昭63-239044号公報には、3層構成膜では「可視光透過率を十分上げ、同時に可視光反射率をガラス程度に抑えるためには、銀層の厚みとして120Å(12nm)程度しか許されず、こ(の)ときの表面抵抗は約8Ω/□程度」であることを指摘した上で、複数の銀膜を用いると、可視光透過率70%以上と表面抵抗値6Ω/□以下とを両立できることが開示されている。ここでは、熱線遮蔽機能の代用特性として表面抵抗値が用いられている。
【0004】
5層構成の熱線遮蔽膜は、3層構成の熱線遮蔽膜と比較して、分光反射率曲線における、可視域の端部、特に可視域から近赤外域にかけての立ち上がりを急峻にできる。このため、所望の熱線遮蔽機能を得るために銀膜の全膜厚を大きくとっても高い可視光透過率を保持しやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし実際には、製造上の優位性にもかかわらず、3層構成の熱線遮蔽膜がほとんど顧みられていない最大の要因は、むしろ反射色調における制約にある。分光反射率曲線の一般的傾向を示した図6を参照すれば明らかなように、3層構成の熱線遮蔽膜では、所望の熱線遮蔽機能を維持しつつ高い可視光透過率(低い可視光反射率)を得ようとすると、可視域両端における反射を十分に抑えることができない。この可視域端部における反射が、特開昭63-134232号公報が指摘する避けがたい「紫系統」の反射色をもたらしている。紫系に代表される赤味を帯びた反射色は、一般には、窓の外観を損なうものとして避けられている。
【0006】
反射色調に対する嗜好性、特に緑系の反射色に対するニーズはますます顕著になっている。その一方、熱線遮蔽ガラスを用いる地域や窓の(建築物における)部位は拡大しており、熱線遮蔽ガラスに求められる遮熱特性にも多様化の兆しがある。
【0007】
本発明は、かかる事情を考慮して、いわゆる3層構成に基づく膜構成を備えながらも、紫系以外の反射色を呈しうる熱線遮蔽ガラスの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
鋭意検討した結果、本発明者は、いわゆる3層構成の熱線遮蔽膜であっても、紫系以外の反射色、さらには現在需要が多い緑系の反射色をも実現できる所定の膜構成があることを見出した。
【0009】
本発明の熱線遮蔽ガラスは、透明基板とこの透明基板上に形成された多層膜とを含み、この多層膜が、銀を主成分とする金属膜を1層のみ有し、かつ上記透明基板と上記金属膜との間に介在する第1誘電体膜と、上記金属膜に関して上記透明基板と反対側に配置された第2誘電体膜とを含む基本構成を有する。
【0010】
そして、本発明の第1の側面によれば、第1誘電体膜及び第2誘電体膜は、それぞれ、400nm〜700nmの波長域において屈折率が1.9以上2.2以下の酸化物、窒化物又は酸窒化物であり、第1誘電体膜の膜厚が17.5nm以上27.5nm以下であり、第2誘電体膜の膜厚が60nm以上70nm以下であり、第1誘電体膜の膜厚と第2誘電体膜の膜厚との合計値が82.5nm以上95nm以下であり、金属膜の膜厚が5.5nm以上7nm以下であり、少なくとも一方の面から入射する光についての反射色が、 JIS Z8726 に準拠した表色系により表示して、− 10.0 ≦ a * ≦− 5.0 、− 1.0 ≦ b * ≦ 2.0 の範囲の緑色系であり、透過色が、上記表色系により表示して、ニュートラルな− 3.0 ≦ a * ≦ 1.0 、− 2.0 ≦ b * ≦ 4.0 の範囲である熱線遮蔽ガラスが提供される。
【0011】
また、本発明の第2の側面によれば、第1誘電体膜及び第2誘電体膜は、それぞれ、400nm〜700nmの波長域において屈折率が1.9以上2.2以下の酸化物、窒化物又は酸窒化物であり、それぞれの膜厚が37.5nm以上47.5nm以下であって膜厚の合計値が77.5nm以上92.5nm以下であり、かつ第1誘電体膜の膜厚に対する第2誘電体膜の膜厚の比率が0.85以上1.15以下であり、金属膜の膜厚が5.5nm以上6.5nm以下であり、少なくとも一方の面から入射する光についての反射色が、 JIS Z8726 に準拠した表色系により表示して、− 10.0 ≦ a * ≦− 5.0 、− 1.0 ≦ b * ≦ 2.0 の範囲の緑色系となり、透過色が、上記表色系により表示して、ニュートラルな− 3.0 ≦ a * ≦ 1.0 、− 2.0 ≦ b * ≦ 4.0 の範囲である熱線遮蔽ガラスが提供される。
【0012】
本明細書では、色の数値化のために、JIS Z8726−1990に準拠した表色系を採用する。この表色系では、a*の値が負から正へと変化するにつれて、色は緑系から赤系へと移行する。b*の値が負から正へと変化するにつれて、色は青系から黄系へと移行する。本発明によれば、非紫系の反射色が得られるが、さらには赤味を帯びない反射色、即ちa*が1以下、好ましくは負である反射色を有する熱線遮蔽ガラスを提供できる。本発明によれば、少なくとも一方の面について、緑系の反射色、具体的にはa*が負であってa*の絶対値がb*の絶対値よりも大きい反射色を得ることもできる。
【0014】
本発明は、上記熱線遮蔽ガラスを含む複層ガラスを包含する。銀を主成分とする金属膜を利用した熱線遮蔽ガラスは、主として耐久性上の問題から複層ガラスとして用いられることが多い。本発明の複層ガラスは、その日射熱取得率を、例えば0.66〜0.76の範囲内に調整しやすい。この範囲は、実施例の欄において作製した典型的な複層ガラスの態様において、いわゆる5層構成の熱線遮蔽膜を利用した場合よりもかなり高く、熱線遮蔽ガラスを用いない場合よりも低い領域に属する。この範囲の日射熱取得率の実現は、多様化しつつある窓ガラスへの要求に応えるために有用である。
【0015】
第1誘電体膜及び第2誘電体膜の少なくとも一方は、酸化亜鉛及び窒化シリコンから選ばれる少なくとも一方を主成分とすることが好ましい。本発明の熱線遮蔽ガラスは、基本的に、いわゆる5層構成を採用する熱線遮蔽ガラスよりも製造効率の点で有利であるが、酸化亜鉛を用いれば、その速い成膜速度により製造上の利点がより顕著となる。窒化シリコンは、酸化亜鉛と同様、400nm〜700nmの波長域において上記範囲内の屈折率を有する誘電体であり、かつ耐久性において酸化亜鉛を補完しうる好ましい材料である。
【0016】
なお、400nm〜700nmの波長域は、視感度が高い可視光の領域であり、色調を決定する上で最も重要な領域である。また、本明細書において、「主成分」とは、50重量%以上を占める成分をいう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい形態について説明する。
多層膜を一方の主表面に形成したガラス板では、この主表面(膜面)と他方の主表面(ガラス面)とにおいて、やや異なる反射色が観察されることが多い。通常は屋外側からの反射色が重視されるため、いずれか一方の面についての反射色を調整すれば足りることもある。しかし、本発明によれば、上記両面についての反射色を、共にa*が負であって、a*の絶対値がb*の絶対値よりも大きい緑系とすることも可能である。さらに、少なくとも一方の面についての反射色を、美観上好まれ、需要が多い緑色、具体的には−16.0≦a*≦−4.0、−2.0≦b*≦4.0の範囲、特に−10.0≦a*≦−5.0、−1.0≦b*≦2.0の範囲とすることもできる。このように、本発明を適用すれば、熱線を反射する金属膜を複数用いなくても、非紫系、例えば緑系の反射色を有する熱線遮蔽ガラスを提供できる。
【0018】
図6に模式的に示した分光反射率曲線の一般的傾向により、従来は、いわゆる3層構成膜では反射色が紫系に限定される、と考えられてきた。しかし、典型的には図1に示した分光反射率曲線が示すように、赤色域から近赤外域にかけての反射率がやや低下することにはなるが、膜構成を適切に調整すれば、3層構成膜であっても、可視域における反射率曲線を平坦化して色調を変化させることができる。反射率曲線の平坦化には、金属膜の膜厚を、例えば8nm以下、好ましくは7nm以下に制限することが好ましい。ただし、5.5nmよりも薄くしようとすると、金属膜の連続性が失われることがある。分光反射率曲線の形状には、誘電体膜の材料、膜厚等も影響を及ぼす。後述する実施例に示されているように、これらを適切に選択すれば、窓ガラスの外観として好まれる反射色を得ることができる。
【0019】
赤色域から近赤外域にかけての反射率の低下は、日射反射率の低下、即ち熱線遮蔽機能の低下をもたらす。しかし、この機能の低下を許容範囲内に納めることは可能である。むしろ、許容範囲内であれば、日射反射率の低下(日射透過率の上昇)が望ましい場合さえある。これは、現実にはすべての窓について低い日射透過率が望まれているわけではないという事実に基づいている。例えば、北向きの窓では、低放射特性は開口部の断熱に有用であるが、日射透過率自体を考慮する必要性はない。その他の方角に面する窓においても、低すぎる日射透過率は、むしろ、冬期に窓際で体感できる、いわゆる「ぽかぽか感」を奪う。日射は、ごく一般的な建築物では、窓の周囲にある他の部材(例えばブラインド、カーテン、庇)によっても遮蔽できる。これらの部材は、開閉可能であったり、そうでないとしても、例えば庇のように季節に応じた太陽高度の変動によって遮蔽機能が自動的に調整されるという利点を有し、恒常的に日射を遮蔽する必要性を低下させる。
【0020】
従来の熱線遮蔽ガラスは、ややもすれば夏期における日射の遮蔽を重視し過ぎていたが、庇と本発明の熱線遮蔽ガラスとの組み合わせは、夏期における日射の遮蔽の一部を庇が担うことにより、冬期における日射熱の体感をも可能にする新しい開口部の基礎となりうる。このように、本発明によれば、本発明の複層ガラスと、少なくとも夏至の正午の時点でこの複層ガラスへの日射の少なくとも一部を遮蔽するように配置された日射遮蔽部材(例えば庇)、とを備えた窓構造、さらにはこの窓構造を含む建築物も提供できる。
【0021】
普及に伴って熱線遮蔽ガラスが採用される窓も多様化している。このため、反射色調を統一しつつ、その部位に応じた日射遮蔽特性を有する熱線遮蔽ガラスの必要性が高まっている。かかる観点からも、単層の銀膜を用いつつ、複数の銀膜を用いた場合の反射色と調和する反射色を提供できる熱線遮蔽ガラスの存在価値は極めて高い。
【0022】
本発明の好ましい形態では、透過光のニュートラル化(無色化)も実現できる。透過色は、具体的には−3.0≦a*≦1.0、−2.0≦b*≦4.0、特に−1.5≦a*≦0、−1.0≦b*≦2.0の範囲が好ましい。この優れた特性により、窓ガラスを通して自然な眺望が得られるようになる。
【0023】
本発明の熱線遮蔽ガラスは、例えば図2に示すように、ガラス板10上と、第1誘電体膜1、銀膜2、追加の誘電体膜3、第2誘電体膜4をガラス板側からこの順に含む多層膜とを有する。このように、いわゆる3層構成膜を利用してはいるが、本発明の熱線遮蔽ガラスに含まれる層の数は3に限定されない。
【0024】
ガラス板10の成分、厚み、その他については特に制限はない。ガラス板として、強化ガラスや合わせガラスを用いても構わない。
【0025】
第1誘電体膜1及び第2誘電体膜4は、400nm〜700nmの波長域において、屈折率が1.9〜2.2であり、例えば酸化錫、酸化タンタル、酸化ビスマス、酸化亜鉛、窒化シリコン及び酸窒化シリコンから選ばれる少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。これら誘電体の複数を用いる場合は、その合計量が主成分となっていればよい。特に好ましい誘電体は、酸化亜鉛及び窒化シリコンである。この場合、誘電体膜は、酸化亜鉛又は窒化シリコンの単層膜であってもよく、この単層膜を複数含む膜、例えば酸化亜鉛膜と窒化シリコン膜とを交互に積層した多層膜であってもよい。酸化亜鉛と窒化シリコンとが混在する膜を用いても構わない。
【0026】
酸化亜鉛膜及び窒化シリコン膜は、ともに直流スパッタリング法により成膜できる。本発明の熱線遮蔽ガラスの製法が直流スパッタリング法に限定できるわけではないが、この方法が、少なくとも現時点では、窓ガラスに必要とされる程度の大面積の基板に適用しうる工業的成膜法としては最も有利である。
【0027】
酸化亜鉛(ZnO)は、成膜速度が大きく量産に有利であるが、水分や腐食性ガス等が透過しやすい柱状結晶構造をとる傾向がある。一方、窒化シリコン(SiNx)は、成膜速度では酸化亜鉛に劣るが非晶質構造をとりやすい。このため、酸化亜鉛膜と窒化シリコン膜とを交互に積層すると、成膜スピードと銀膜の耐久性とを両立しやすい。酸化亜鉛と窒化シリコンとは、500nm〜600nmの波長域でその屈折率(ともに約2.0)が近似しているため、交互に積層しても界面での余分な反射や屈折が生じにくい。
【0028】
従って、誘電体膜の好ましい形態には、ZnO/SiNx/ZnO、ZnO/SiNx/ZnO/SiNx/ZnO等と表示できる3層、5層又はそれ以上の層からなる多層膜が含まれる。これら多層膜において、酸化亜鉛膜及び窒化シリコン膜は、成膜スピードや耐久性を考慮して、例えばそれぞれの膜厚を15〜35nm及び6〜20nmとするとよい。
【0029】
このような酸化亜鉛膜と窒化シリコン膜との積層構造は、銀膜よりも雰囲気側(ガラス板と反対側)に位置する第2誘電体膜に特に適している。これに対し、第1誘電体膜は、その膜厚の過半、さらには膜厚のすべてを成膜スピードが速い酸化亜鉛膜により構成してもよい。
【0030】
酸化亜鉛膜と窒化シリコン膜との積層構造とともに、あるいはこれに代えて、銀膜の耐久性を向上させるための別の手段を採用してもよい。この手段には、銀膜への微量成分、例えばPd、Pt、Rh、Au等の金属、の添加が含まれる。
【0031】
このように、銀膜2は、銀を主成分としていればよく、便宜上「銀膜」と呼んでいるがこれにより他の微量成分が排除されるわけではない。この点は、上記における「酸化亜鉛膜」「窒化シリコン膜」において同様である。
【0032】
追加の誘電体膜3は、追加の金属膜(バリア膜)が酸化等されて生成したものである。バリア膜は、基本的には反応性スパッタリング法の採用に伴って要求される層であり、第2誘電体膜4を反応性スパッタリング法により成膜する際の銀膜の酸化等による劣化を防止するために形成される。バリア層が酸化、窒化等されて生成する誘電体膜3は、その直上の誘電体と同一材料であれば、独立した層としてではなく、第2誘電体膜4の一部として観察される場合がある。例えば亜鉛バリア層の直上に、亜鉛ターゲットを用いて酸素含有雰囲気中で酸化亜鉛膜を成膜すれば、銀膜上には見かけ上1層として観察される酸化亜鉛膜が残存することになる。
【0033】
バリア膜としては、例えばNb、Ni、Cr、Ti、Zn等の金属膜を使用できる。このバリア膜から生じる追加の誘電体膜は、上記に例示した金属を含む誘電体、例えば金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物となる。自ら犠牲となって酸化等されるバリア層には、適用する反応性スパッタリング法に応じた適切な膜厚範囲が存在する。この膜厚範囲は、酸化等された後の膜厚により表示して、通常、1.5〜5nm、好ましくは2〜4nmである。
【0034】
本発明の熱線遮蔽ガラスから、図示した以外の膜が排除されるわけではない。本発明の上記目的が達成される限り、例えば、銀膜と誘電体膜との間に、付着性等を改善するために追加の金属膜を配置してもよく、第2誘電体膜上にさらに保護膜を形成してもよい。
【0035】
本発明の複層ガラスは、例えば図3に示すように、熱線遮蔽ガラス21と別のガラス板22とを含んでいる。この複層ガラスでは、ガラス周縁部に介在するスペーサ24により確保された空気層23が、同じく周縁部に介在するシール材25により気密に封止されている。図示は省略されているが、スペーサ内には乾燥剤等が配置されることが多い。複層ガラスの製法は、従来から公知の方法を適用すれば足りる。
【0036】
図3では、熱線遮蔽ガラスを屋内側(室内側)ガラス板として配置したが、この逆の配置としてもよい。一般に、前者の配置では、後者の配置よりも日射熱取得率がやや高くなる。このため、やや高めの日射熱取得率(例えば0.7以上)が望ましい場合には、図示した配置が好適である。より好ましい範囲に調整された反射色が屋外側(室外側)から観察されるような複層ガラスの配置を選択してもよい。通常、膜面は空気層側に配置されるため、図示した配置では膜面の反射色が屋外側から観察されることになる。複層ガラスの構造、例えば周縁部の封止構造等は図示した形態に限られない。例えば、断熱性を高めるために空気層を減圧する場合は、周縁部に、排気及びその後の封止に供される部材等が配置される。この場合は、通常、空気層(減圧層)にも間隔保持のためのスペーサが配置される。
【0037】
【実施例】
インライン式の直流スパッタリング装置を用いて、厚さ3mmのソーダライムガラス板上に、ガラス板側から、酸化亜鉛膜、銀膜、酸化チタン膜、酸化亜鉛膜をこの順に含む熱線遮蔽膜を成膜した。各膜の膜厚を表1に示す。酸化亜鉛膜はアルゴンと酸素とを1:9の流量比で導入した0.4Paの減圧雰囲気下で、窒化シリコン膜はアルゴンと窒素とを1:9の流量比で導入した0.4Paの減圧雰囲気下で、その他の膜は0.4Paに減圧したアルゴン雰囲気下で、それぞれ成膜した。酸化亜鉛膜、窒化シリコン膜、銀膜、酸化チタン膜は、それぞれ、亜鉛、シリコン、銀、チタンをターゲットとして成膜した。酸化チタン膜は、チタン膜として成膜し、この膜を次の酸化亜鉛膜の成膜工程で酸化して生成させた。成膜条件(印加電圧、成膜時間等)は、各膜の膜厚が表中の値となるように予め確認した条件を適用した。すべてのサンプルにおいて、チタン膜は2nmとなるように成膜した。
【0038】
こうして得た各熱線遮蔽ガラスについて、可視光透過率、日射透過率、透過色、並びに膜面及びガラス面から入射する光についての可視光反射率、日射反射率、反射色を測定した。可視光透過率、可視光反射率、日射透過率及び日射反射率は、JIS R3106−1998に基づき、透過色及び反射色は、JIS Z8726−1990に基づき測定した。なお、透過率及び反射率の測定には、日立製作所製U3410型自記分光光度計を使用した。反射特性は入射角を12°とした正反射光により、透過特性は入射角を0°として測定した。透過色及び反射色の計算には、光源としてD65を採用し、視野角は2°とした。さらに熱線遮蔽膜を形成した面(膜面)及び形成していない面(ガラス面)について、それぞれの反射色を目視により観察した。結果を表2にまとめて示す。
【0039】
上記と同様にして、表3に示した膜構成からなる熱線遮蔽膜を厚さ3mmのソーダライムガラス板上に成膜した。この熱線遮蔽膜では、第2誘電体膜として、酸化亜鉛膜と窒化シリコン膜とを交互に積層した6層構成の多層膜が用いられている。こうして得た各熱線遮蔽ガラスについて、上記と同様にして特性を測定した。結果を表4にまとめて示す。さらに、各熱線遮蔽ガラスと、熱線遮蔽膜を形成しない上記ガラス板とを用いて図3と同様の構成の複層ガラスを作製した。空気層の厚さは12mmとした。これらの複層ガラスについて、日射熱取得率を測定した。日射熱取得率は、熱線遮蔽ガラスが屋内側、即ち日射非入射側となるように配置して測定した。日射熱取得率の測定は、JIS R3106−1998に基づいて行った。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
サンプル22〜23を除く各サンプルからは、両面についてa*が1以下の赤みを帯びていない反射色が得られた。サンプル1〜11では、両側(膜面側及びガラス面側)の反射色とも、a*が負であり、a*の絶対値がb*の絶対値よりも大きい緑がかった色となった。しかもこれらのサンプルでは、透過色のa*及びb*の絶対値が1以下であり、透過光がほとんど着色していなかった。すべてのサンプルについて、可視光透過率は70%以上であった。
【0045】
表1に示した膜構成では、銀膜の膜厚がすべて8nm以下であり、さらにサンプル15を除いては7nm以下となっている。このように銀膜を薄くすると、図1に模式的に示したように、可視域における反射率曲線が平坦化するため、反射色を紫系以外に調整しやすくなる。しかし、サンプル22〜23の存在からわかるように、銀膜を薄くしても好ましい反射色が得られない場合もある。
【0046】
図4に示したように、サンプル4及びサンプル19の膜面についての反射率曲線は、可視域内にピークが存在する。これに対し、サンプル23の膜面についての反射率曲線は、図5に示したように、可視域端部から紫外域にかけてピークを有する。このピークの位置にほぼ対応して、サンプル4の膜面からは緑系の反射色が、サンプル19の膜面からは緑青系の反射色が、サンプル23の膜面からは紫系の反射色がそれぞれ得られている。図4及び図5より、分光反射率曲線の可視域における微妙な形状の変化が反射色に影響していることが確認できる。
【0047】
分光反射率曲線の形状は、各膜の材料及び膜厚のみならず、これらの相対的な関係にも影響される。本発明の第1及び第2の側面は、これらの要因を考慮して定められたもので、発明の目的を達成できる範囲内にあり、現在好ましいとされている反射色を提供するために最適化されたものでもある。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、基板/第1誘電体膜/金属膜(熱線反射膜)/第2誘電体膜を基本とするいわゆる3層構成膜を利用しながらも、紫系以外の反射色を有する熱線遮蔽ガラスを提供できる。主として反射色の設計の容易さから、従来は、専ら、2層の金属膜を用いる5層構成膜が製品開発の対象となっていた。量産に有利な3層構成膜においても多様な反射色を提供するものとして、あるいは美観上の要請に応えつつも部位等に応じた適切な熱線遮蔽機能を有する窓ガラスを提供するものとして、本発明の利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のいわゆる3層構成の熱線遮蔽ガラスと本発明の熱線遮蔽ガラスとから得られる分光反射率曲線の相違を模式的に示した図である。
【図2】 本発明の熱線遮蔽ガラスの一形態を示す断面図である。
【図3】 本発明の複層ガラスの一形態を示す断面図である。
【図4】 本発明の熱線遮蔽ガラスによる分光反射率曲線(膜面)の例を示す図である。
【図5】 紫色の反射色を呈する熱線遮蔽ガラスによる分光反射率曲線(膜面)の例を示す図である。
【図6】 従来のいわゆる3層構成の熱線遮蔽ガラスといわゆる5層構成の熱線遮蔽ガラスとから得られる分光反射率曲線の相違を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 第1誘電体膜
2 銀膜
3 追加の誘電体膜
4 第2誘電体膜
10 ガラス板
21 熱線遮蔽ガラス
22 ガラス板
23 空気層
24 スペーサ
25 シール材
Claims (8)
- 透明基板と前記透明基板上に形成された多層膜とを含み、前記多層膜が、銀を主成分とする金属膜を1層のみ有し、かつ前記透明基板と前記金属膜との間に介在する第1誘電体膜と、前記金属膜に関して前記透明基板と反対側に配置された第2誘電体膜とを含み、前記第1誘電体膜及び前記第2誘電体膜は、それぞれ、400nm〜700nmの波長域において屈折率が1.9以上2.2以下の酸化物、窒化物又は酸窒化物であり、前記第1誘電体膜の膜厚が17.5nm以上27.5nm以下であり、前記第2誘電体膜の膜厚が60nm以上70nm以下であり、前記第1誘電体膜の膜厚と前記第2誘電体膜の膜厚との合計値が82.5nm以上95nm以下であり、前記金属膜の膜厚が5.5nm以上7nm以下であり、少なくとも一方の面から入射する光についての反射色が、 JIS Z8726 に準拠した表色系により表示して、− 10.0 ≦ a * ≦− 5.0 、− 1.0 ≦ b * ≦ 2.0 の範囲の緑色系であり、透過色が、前記表色系により表示して、ニュートラルな− 3.0 ≦ a * ≦ 1.0 、− 2.0 ≦ b * ≦ 4.0 の範囲であることを特徴とする熱線遮蔽ガラス。
- 透明基板と前記透明基板上に形成された多層膜とを含み、前記多層膜が、銀を主成分とする金属膜を1層のみ有し、かつ前記透明基板と前記金属膜との間に介在する第1誘電体膜と、前記金属膜に関して前記透明基板と反対側に配置された第2誘電体膜とを含み、前記第1誘電体膜及び前記第2誘電体膜は、それぞれ、400nm〜700nmの波長域において屈折率が1.9以上2.2以下の酸化物、窒化物又は酸窒化物であり、かつ膜厚がそれぞれ37.5nm以上47.5nm以下であって膜厚の合計値が77.5nm以上92.5nm以下であり、前記第1誘電体膜の膜厚に対する前記第2誘電体膜の膜厚の比率が0.85以上1.15以下であり、前記金属膜の膜厚が5.5nm以上6.5nm以下であり、少なくとも一方の面から入射する光についての反射色が、 JIS Z8726 に準拠した表色系により表示して、− 10.0 ≦ a * ≦− 5.0 、− 1.0 ≦ b * ≦ 2.0 の範囲の緑色系であり、透過色が、前記表色系により表示して、ニュートラルな− 3.0 ≦ a * ≦ 1.0 、− 2.0 ≦ b * ≦ 4.0 の範囲であることを特徴とする熱線遮蔽ガラス。
- 第1誘電体膜及び第2誘電体膜から選ばれる少なくとも一方が、酸化亜鉛及び窒化シリコンから選ばれる少なくとも一方を主成分とする請求項1又は2に記載の熱線遮蔽ガラス。
- 第1誘電体膜及び第2誘電体膜から選ばれる少なくとも一方が、酸化亜鉛を主成分とする膜と窒化シリコンを主成分とする膜とを交互に積層してなる請求項3に記載の熱線遮蔽ガラス。
- 金属膜に接するように配置された、追加の金属膜及び追加の誘電体膜から選ばれる少なくとも一方をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の熱線遮蔽ガラス。
- 金属膜上に配置された追加の誘電体膜をさらに含み、前記追加の誘電体膜の膜厚が1.5nm以上5nm以下である請求項5に記載の熱線遮蔽ガラス。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の熱線遮蔽ガラスを含む複層ガラス。
- 熱線遮蔽ガラスが屋内側ガラスとして用いられ、多層膜が空気層に面している請求項7に記載の複層ガラス。
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