JPH10166980A - 改良型エアバッグシステム - Google Patents

改良型エアバッグシステム

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JPH10166980A
JPH10166980A JP8346575A JP34657596A JPH10166980A JP H10166980 A JPH10166980 A JP H10166980A JP 8346575 A JP8346575 A JP 8346575A JP 34657596 A JP34657596 A JP 34657596A JP H10166980 A JPH10166980 A JP H10166980A
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airbag
vehicle
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gas generating
airbag system
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JP8346575A
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S Breed David
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Automotive Technologies International Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/164Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags combined with vehicle venting means for reducing or avoiding the passenger compartment overpressure during inflation

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  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在まで使用できなかった有害物を発生する
ガス発生剤を使用できるエアバッグシステムを提供す
る。又、複数のエアバッグの展開によって発生する過剰
の圧力を放出するシステムを提供する。 【解決手段】 車両内に少なくとも1個のエアバッグモ
ジュールが配置されており、各エアバッグモジュール
が、少なくとも1個のエアバッグと、このエアバッグを
膨張させるための有害物を含むガスを発生するガス発生
手段と、エアバッグを前記ガス発生手段に取り付けて、
ガス発生手段と流体的に連通させるための取り付け手段
と、ガス発生手段に連結され、エアバッグの展開が必要
とされる車両の衝突に応答してガス発生手段を作動させ
る作動開始手段と、エアバッグの展開に伴って発生され
る車室内の有害ガスの濃度を減らすための低減手段とを
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のエアバッグ
を有し、事故の際に2個以上のエアバッグが展開して車
室内に過大な圧力が生じる可能性がある車両で使用する
エアバッグシステムに関する。本発明は又、長時間吸入
した場合に人体に有害なガスを発生する広範な種類の推
進剤(propellant)のガス発生剤としての使用にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車メーカーは現在1台の車両に2個
を越える数のエアバッグを搭載し始めている。事実、側
面および後部座席エアバッグの設置については、夫々少
なくとも1社が表明している。即ち、或る日本のメーカ
ーは後部座席エアバッグの設置を表明し、ドイツの或る
メーカーは、側面用エアバッグの設置を表明している。
しかしながら前者は、1台の車両に総数で2個を越える
数のエアバッグを提供する事はできないとしており、後
部座席用エアバッグを設置する車両については助手席側
エアバッグは装着しないという事である。又、後者のエ
アバッグに関しては、前部エアバッグが展開する場合は
側面エアバッグは展開しない様であるが、これは2個を
越える数のエアバッグが同時に展開すると、車室内で展
開するエアバッグによって過大な力がドアに掛かる事に
なるからである。これらの力はドアを押し開くのに十分
な力であり、その結果、もし衝突の際にドアが押し開か
れると、車両の乗員が投げ出されて重大な負傷を招く可
能性が非常に大きくなる。更に、車室内に発生する圧力
が過大な騒音を作り出し、人体に損傷を与えかねない問
題もある。
【0003】側面衝撃用および後部座席エアバッグに加
えて、膝用クッション(knee bolster)としてもエアバ
ッグが使用される可能性が出て来ている。何故ならば、
自動車メーカーは顧客の望む快適なスペースを提供する
一方で、衝突時に膝を負傷から守るのに重大な問題を抱
えているからである。
【0004】事故時に3個以上のエアバッグが展開した
場合に、即座に車両に穴を形成し、エアバッグの展開の
結果生じる車室内の高圧力を逃がす様な工夫がなされな
ければならない。しかしながら、車両内から車両外へ大
量にガスを放出できる開口部が設けられれば、エアバッ
グを膨張させるために使用されるインフレータ用ガスの
組成に対する要求条件が変わり、以下に議論するよう
に、大量の有害ガスを発生するインフレータも使用でき
る様になるという点は現在まで考慮されていなかった。
【0005】現在のエアバッグシステムに使用されてい
る主要なガス発生剤は、アジ化ナトリウムである。その
理由の一部は、アジ化ナトリウムが酸化剤の存在下で燃
焼した場合に大量の窒素ガスを発生するという事実にあ
る。この物質はまた酸化ナトリウムも同時に発生する
が、これは水分と混ざるとアルカリ液となって人体に非
常に有害であるため、インフレータ内に閉じ込めておか
ねばならない。従って、現在のインフレータは、車室内
に窒素ガスだけを放出し、乗員は密閉された車室内でも
長時間危険性なしに呼吸することが出来る様になってい
る。このアジ化ナトリウムを使用するインフレータは、
ガス発生物質の約60%が固形物としてインフレータ内
に残り、約40%だけがガスとして放出されるという事
実を考慮して、形状も大きなものとなっている。
【0006】ニトロセルロース、ニトログアニジン、及
びその他のダブルベースおよびトルプルベース組成物等
の他のガス発生剤、並びに多くの液体ガス発生剤をエア
バッグを膨張させるために使用できるが、それらは通常
窒素及び酸化物を含有する種々の量のガスと共に、大量
の二酸化炭素を発生する。多くの場合、これらその他の
ガス発生剤から発生するガスは、長時間に亘って吸入し
た場合にだけ人体に有毒なものである。若し、事故後数
分内に有害ガスが車両から除去されるのであれば、これ
らガス発生剤の多くがエアバッグ膨張用に使用可能とな
る。
【0007】インフレータ内でアジ化ナトリウムが燃焼
した時に放出されるエネルギーの多くは、冷却及び濾過
用フィルタによってガスから除去されてしまう。幾つか
のデザインでは、酸化ナトリウムをフィルタで捕捉しな
ければならないが、そのために酸化ナトリウムの凝縮温
度までガスを冷却する必要がある。全てのデザインにお
いて、ガスは冷却されるため、エアバッグ中のガスの温
度は乗員が火傷をするようなものとはならない。現在の
すべてのデザインにおいては、ガス発生剤のエネルギー
の相当部分は、この冷却プロセスによって失われるた
め、これによってより多くのガス発生剤をインフレータ
に装填しておく必要が出てくる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】エアバッグシステムは
主として、自動車の計器パネル又はハンドル内に設置さ
れている。その結果、吸引式インフレータシステムを作
る多くの試みがなされてきたものの、それらは助手席側
エアバッグに採用されただけであり、又、それらの効率
は低いものであった。吸引式インフレータシステムで
は、エアバッグを膨張させるためのガスの一部は車室内
から引き込まれる。しかしながら、今日使用されている
吸引方式を採用した典型的な助手席側エアバッグシステ
ムでは、エアバッグを膨張させるガスのうち実質的に約
30%未満だけが車室から引き込まれる。従来のアジ化
ナトリウムインフレータおよび布製エアバッグの大きな
サイズを考えると、エアバッグシステムのためには限ら
れた空間しかなく、利用できる残りスペース内におさま
る吸引システムを設計するのは困難である。1つの理由
は計器パネルを通してアスピレータ(吸引器)に入る空
気流の抵抗である。吸引式インフレータシステムの効率
が低いもう1つの理由は、今日使用されている吸引シス
テムが、非効率的なノズルデザインのものを使用してい
ることである。出願人が別途出願している米国出願番号
08/571,247に記載されているような吸引シス
テムの理論的研究においては、車室内から引き込まれる
ガスの割合を75%程度あるいは90%まで引き上げる
事が可能であることを示している。
【0009】エアバッグの吸引方法の1つが米国特許第
4,909,549号(プール〔Poole〕ら)に記述さ
れている。プールらは、一次ガス混合体を少なくともベ
ンチュリを通すことによって空気を吸引し、これによっ
て、実質的に非毒性の一次ガス混合体を外部空気によっ
て希釈する様にしたエアバッグの膨張方法を記述してい
る。但しプールらは、外部空気を車室から引き込む事に
ついては示唆しておらず、従って、前記したような複数
のエアバッグを展開した時に車室内に発生する過剰圧力
の問題に対する解決策は提供していない。
【0010】若し、他のより効率的なガス発生剤が使用
され、又、若し、それによって発生するガスがより高温
で排出されるとすれば、車室からエアバッグへ流れ込む
ガスを加熱するために、より多くのエネルギーが得られ
る事になり、これにより更にエアバッグシステムの効率
を高める事ができ、又、必要なガス発生剤の量を減らす
事も可能となる。冷却用フィルタが不要となり、又、ガ
ス発生剤の効率が高くなるため、インフレータを小さく
する事ができ、効率的な吸引ノズルを設計するために必
要とされる余分のスペースが生み出される事になる。
【0011】多くの代替ガス発生剤は有害物を含むガス
を発生するが、(i)若し使用される量が相当削減さ
れ、(ii)若し車室内へのガスの流入を防止する手段
が提供され、或いは(iii)若しエアバッグの展開
後、直ちに有害ガスを車両から排出する手段が車両内に
設けられれば、これらのガス発生剤の使用が可能とな
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した現在のエアバッ
グシステムの問題点は、本明細書に開示し、以下に詳述
する本発明によって解決される。
【0013】本発明の主な目的は、毒性を有するために
普通は使用できないガス発生剤の使用を可能にする新規
且つ改良された方法および装置を提供することにある。
【0014】本発明のその他の基本的な目的は次のとお
りである。 1.1台の車両の中で複数のエアバッグが展開され、
又、エアバッグを膨張させるために使用するガスが、人
体に有害なものを含有しているがが、乗員に害を与える
前に車室から取り除かれ、それによって現在まで使用で
きなかった有害物を発生するガス発生剤を使用できる様
にするエアバッグシステムを提供する。 2.複数のエアバッグの展開によって発生する過剰の圧
力を逃がすシステムを提供し、これにより、この過剰な
圧力によってドアが不意に開いてしまうのを防止する。 3.特に、過剰の圧力を逃がし、有害ガスと過剰圧力の
逃げ道を作るために、車両の窓を破壊する方法を提供す
る。 4.乗員の負傷を防止するのに役立つエアバッグだけを
展開するシステムを提供し、それによって、衝突時に展
開されるエアバッグの合計数を最少にする。 5.車両内の最大圧力及び騒音を減らすために、1個以
上のエアバッグモジュール中にエアバッグ展開遅延シス
テム有するエアバッグシステムを提供する。 6.事故時に座席に横たわっている乗員の負傷を減らす
のに役立つ大型の膝保護用エアバッグを使用できる様に
する。 7.斜め前方からの衝撃、又はその他の衝撃を受けた場
合に、複数のエアバッグの展開により発生する過剰圧力
を逃がす方法により、前面衝突保護用エアバッグと共に
展開される側面保護用エアバッグを提供する。これによ
り、乗員を種々の屋根支持ピラーの衝撃から守る保護手
段を提供する。 8.単一の衝突事故時に2個を越える数のエアバッグを
展開できるシステムを提供する。
【0015】要するに本発明は、事故時に2個を越える
数のエアバッグが展開される際に、過剰の圧力が蓄積さ
れる問題を、複数のエアバッグの展開前,展開時及び/
又は展開後に(車両内の)圧力を低下させる事により解
決する事を中心課題とするものである。先ず第1には、
特定の座席に乗員が存在する事を検知して不必要なエア
バッグを展開しない様にして問題を減らすように注意が
払われる。こうして、若し助手席に乗員が存在しない場
合には、助手席の乗員を保護する様に設計されたエアバ
ッグは展開させない。これは他の同様のシステムの様に
修理コストを少なくする事を目的とするものでなく、複
数のエアバッグが展開された時の圧力の蓄積をコントロ
ールするためである。どの座席を保護するかという決定
がなされた後、その次のステップは、それらの座席の乗
員に最善の保護を与える為に幾つのエアバッグが必要か
を決定する。このためには膝用エアバッグの展開が必要
となる事があるであろう。これは特に、若し乗員がシー
トベルトを装着していない場合に必要となり、又、若し
前面衝突が角度成分を含み、これが例えば乗員の頭を車
両のAピラーに打ち付ける様な場合には、側面頭部保護
用エアバッグの展開が必要になろう。展開されるエアバ
ッグの合計数が所定の数を超えた場合、次には圧力の蓄
積を減らすために車両に穴を形成するための手段が講じ
られる。
【0016】何個のエアバッグが展開した時に穴を形成
することが必要となるかを決定するには、その他の要素
も考慮に入れる。この中には高度吸引式エアバッグシス
テムの使用も含まれる。吸引システムは現在も使用され
ているが、これは複数のエアバッグの展開によって引き
起こされる車両内の圧力の蓄積を減らす目的には使用さ
れていない。実際のところ、車両の事故時に2個を越え
る数のエアバッグが展開される事はないのが実態であ
る。
【0017】本発明による圧力を低減させるという特徴
によって得られる予期せざる結果は今日までエアバッグ
用には考えられなかったガス発生剤の使用が可能にな
り、これによってエアバッグシステムのコストを著しく
低減でき、性能を改善できる事である。
【0018】上記した目的及びその他の目的又は目標を
達成するために、本発明の好ましい実施例においては、
エアバッグシステムは複数のエアバッグモジュールを含
み、各エアバッグモジュールが有害物を含むガスを発生
するインフレータを備え、複数のエアバッグの展開に伴
う圧力の蓄積を防止するか若しくは過剰圧力を逃がすシ
ステムと結合される。エアバッグの展開後に有害物を含
むガスを車両から除去する方式と組み合わせる事もでき
る。本発明は、基本的には車両が複数のエアバッグを有
する場合を意図したものであるが、本発明の原理は車両
がただ1個のエアバッグを有する場合にも同様に適用で
きる事は勿論である。例えば、単一の大きなエアバッグ
の展開によって発生する圧力が非常に大きい場合に、本
発明の圧力放出システムを適用する事ができる。
【0019】上記の及びその他の目的と利点は、以下の
好適な実施例の記載から明らかになるであろう。
【0020】用語の定義 以下の用語が本発明の説明に使用されるが、明確にする
為にここに定義する。
【0021】車両、特に乗用車の“Aピラー”とは、車
両の前部にある最初の屋根支持柱と定義され、通常前部
ドアを支持する。これは又ヒンジ・ピラーとも呼ばれ
る。“Bピラー”とは、Aピラーの後方にある次の屋根
支持柱である。“Cピラー”とは、通常後部座席位置又
はその後方にある最後部の屋根支持柱である。
【0022】“スクイブ”という用語は、自動車の窓を
破壊させるのに十分なエネルギーを放出できる全ての電
気的に作動される火工式(pyrotechnic)装置を指す。
これは又、インフレータ中のガス発生剤を点火するイニ
シエータの燃焼を開始させる機構を指すものとしても使
用される。
【0023】“エアバッグモジュール”という用語は、
一般的に、少なくとも1個のエアバッグと、ガスを発生
させる為のガス発生手段と、エアバッグをガス発生手段
に取り付け又は結合させてガス発生手段と流体的に連通
させ、エアバッグを膨張させるためにガス発生手段から
エアバッグ中にガスを導入させる様にした手段と、エア
バッグの展開が必要な自動車の衝突に応答してガス発生
手段を作動させる作動開始手段、並びに車室内でエアバ
ッグを展開するのに効果的な位置に上記のユニットを取
り付け又は連結する手段とを有するユニットを指す。
【0024】
【発明の実施の形態】同一又は類似の要素については、
同一番号が付された添付図面を参照すると、前部及び側
面保護用の幾つかの展開したエアバッグを示した車両の
斜視図が図1に示されている。この車両は、前部保護用
エアバッグ110,112,120,122と、側面/
頭部保護用エアバッグ130,132を有し、それらは
夫々エアバッグモジュール(図略)に結合されており、
夫々のモジュールは、1個以上のエアバッグ,並びにエ
アバッグを膨張させるためのガス発生手段,エアバッグ
をガス発生手段に取り付け、流体的に連通させる手段、
及び自動車の衝突に応答してガス発生手段を作動させる
作動開始手段を含んでいる。車両の後部窓170は、以
下に示す理由及び方法で、破壊若しくは飛び出した状態
になっている。運転者側の前部エアバッグ110は、天
井取り付けの側面頭部保護用エアバッグ130と共に展
開している。このケースの場合には、エアバッグの展開
をコントロールする為の感知システム(図示されていな
いが全てのエアバッグモジュールに結合されている)
は、衝突に角度成分が含まれており、車両のAピラー1
40又は側面窓150との衝撃で乗員が頭部を負傷する
可能性があることを検知し、そして、この感知システム
は、前部保護用エアバッグ110,120及び122の
展開と併せて、側面頭部保護用エアバッグ130及び1
32を展開することを決定している。助手席が占有され
ていない事は乗員位置センサ(図略)によって検知さ
れ、そのため、それに対応した前部保護エアバッグ11
2及び右側保護エアバッグ(図略)は展開されなかっ
た。後部座席は両方とも占有されているため、適当な後
部座席保護用のエアバッグ132,120および122
が展開されたものである。このようにして、衝突条件に
応じて、車室内の複数のエアバッグ(例えば側面/頭部
保護エアバッグ、前部保護エアバッグ)の何れを展開す
るかを選択的にコントロール又は判断して不必要なエア
バッグの展開を回避することが可能である。どのエアバ
ッグの展開が必要であるかを判断する感知システムは図
示されていないが、このシステムはどの座席が占有され
ているかを感知するための乗員感知手段を含むか、或い
は当該手段に接続されている。
【0025】出願人の他の出願に掛かる米国出願(出願
番号08/571,247号及び同08/247,76
3号)に詳細に説明されている様に、このエアバッグシ
ステムに使用するのに望ましいインフレータは非アジ化
ナトリウム系の高度吸引式のものであり、最も望ましい
エアバッグはプラスチックフィルム製のものである。こ
のようなインフレータを使用することにより、エアバッ
グの展開によって生ずる車室内の圧力上昇は最小に抑え
られる。それでもなお圧力上昇が過大である場合には、
以下に述べる様な適当な手段で後部窓170からガラス
を除去する事によって簡単に排気することができる。こ
の場合には、例え複数の有害物を含むガスを発生するイ
ンフレータが使用されるとしても、窓ガラス170が無
い事及びインフレータのガスは周囲の大気温度よりも高
い事から天井部へ上り、破壊された窓170から流出す
るために、車両内の有害ガスの濃度は急速に低下する。
【0026】当然の事ながら、ここでは後部窓170が
除去されるようになっているが、側面窓のいずれか、或
いはサンルーフがある場合にはサンルーフでも良く、
又、1個の窓ではなく、複数の窓を除去したり、強制的
に破壊することもできる。以下に述べる幾つかのケース
では、窓ガラスを破壊し、又ある場合には窓ガラスを飛
び出させる様にしている。若し窓がテンパ−処理(焼き
戻し処理)されたガラスで作られている場合は、このガ
ラスは危険のない細かい破片に壊れ、車両内圧力が高い
ために車両から外へ放出されることになる。
【0027】図1に示したエアバッグシステムは、Aピ
ラー、Bピラー、Cピラー(前記の定義参照)の様な車
両の様々な構造材との衝撃に対する乗員の保護を提供す
る。連邦法では現在、これらのピラーとの衝撃に対する
保護を要求しているが、これは衝撃吸収用の詰め物のた
めに利用できるスペースが限られている事から達成する
のが困難であり、従って、この法律は非常に説得力が弱
く、殆ど効果は上がっていない。天井から降りてくる1
30のような側面衝撃用エアバッグは、これらのピラー
の衝撃に対して優れた保護を提供する。前部衝撃におい
ては、エアバッグが展開されても、AピラーとBピラー
の衝撃で、なお相当数の乗員が負傷している事から、多
くのケースで前部衝撃用エアバッグが展開される時に、
側面エアバッグも展開するのが望ましい。
【0028】図1に示されたエアバッグシステムには、
ハンドル、天井および前部座席の背面から膨出するエア
バッグを備えている。エアバッグモジュールを、膝保護
のために下部計器パネルに取り付けたり、運転者保護或
いは後部乗員保護のために天井に取り付ける等、車室内
の他の場所に取り付け得るのは明らかである。
【0029】図2,図3及び図4は、エアバッグの展開
によって車室内に発生する圧力を低減し、併せてそこか
ら有毒ガスを排出できる様にするために、窓のガラスを
除去する為の種々の方法を示している。図2には、火薬
を用いた火工式窓破壊機構の部分概略断面図の全体が2
00で示されている。この機構は、214で概略的に示
されている車両衝突センサシステムから延びる電線21
2と、ハウジングに納められ且つ窓ガラス215の一部
分に接する様に配置された電気式スクイブ(squib),プ
ライマ(primer),又はデトネータ(detonator)210
を含んでいる。エアバッグの展開が保証されている車両
の衝突が発生すると、センサシステム214が判断する
と、このセンサシステム214は、エアバッグモジュー
ル(図示されていない)に信号を送り、又、別の回路も
電線212を通して窓破壊スクイブ210に電流又はそ
の他の電気的信号を送る。スクイブ210が点火される
と窓215を粉砕するのに十分な、小さいが強力な衝撃
インパルスをガラス表面に与える。前述の様に、スクイ
ブとは自動車の窓を破壊するのに十分なエネルギを放出
できる全ての電気的に作動される火工式装置を指す。そ
の様な装置の或るものは、例えば加熱ブリッジワイヤを
使用し、又、他のものは半導体ブリッジやレーザー作動
システムを使用するものがある。
【0030】図3には、電気機械式窓破壊機構の全体が
220で示されており、これは窓ガラス215の一部に
接したハウジングを含む。この実施例においては、車両
衝突センサシステム214からの電流又はその他の信号
が、ハウジング内に配置され且つ硬化された鋭い先端部
を有するスプリング装填式の衝撃プランジャ222を解
放する。この先端部224がハウジング内の解放用開口
を通ってガラス215に突き当たると、ガラス215が
粉砕される。プランジャ222の電気式解放に代わるも
のとしては、衝突そのものに応答する機械式センサを使
用するものである。スプリング装填式センターポンチ2
24が、自動車のガラスに衝突すればガラスを粉砕する
ことはよく知られている。米国の少なくとも1つの州で
は、こうした装置の一般向け販売が禁止されているが、
これは、暴漢や泥棒が上記の装置を自動車のガラスを粉
砕する目的に使用するからである。
【0031】窓からガラスを除去する別の方法を図4に
示す。図4は、車両内の圧力が設計値を超えた時に窓ガ
ラスが完全に車両から飛び出る様にした窓解放機構の部
分断面図である。この設計値は、若し2個を越える数の
エアバッグが展開した場合にのみ窓ガラスが飛び出るよ
うに選定することができる。この場合、ガラス表面21
5にかかる圧力が、通常は取り付け構造物の中に位置決
めされたガスケット217によって保持されているガラ
スの端部216に沿った力を生み出す。この力が取り付
けガスケット217の保持力を超えた場合に、窓ガラス
が解放され、車両内の圧力によって外に突き出る事にな
る。
【0032】エアバッグの展開によって車室内に過大な
圧力が発生する場合に、1個以上のエアバッグの展開中
にガラスを除去する事を可能にする別の方法としては、
所定値以上の車両内部圧力によってガラスが応力を受け
た時に、窓ガラスの外表面にテンションが掛かって粉砕
する特性をガラスに持たせる事である。自動車窓の破壊
は深刻な状態という訳ではなく、実際にエアバッグが必
要とされる様な側面衝突事故では殆ど常に起きる事であ
る。図示していないが、もう1つ別の実施方法では、窓
又はドア表面全体に掛かる圧力によって作り出される力
を使用して、前記と同様の方法で破壊機構の全体又は一
部を、スプリング装填式衝撃ピンが解放されて窓ガラス
を粉砕する様に変形させるのに使用する。当然の事なが
ら、これまでの説明により当業者にとってはその他の方
法も自明のものとなった。
【0033】上で議論した様に、複数のエアバッグの展
開に伴う過剰圧力の放出に加えて、事故の際に車両に大
きな穴を形成する基本的な理由は、アジ化ナトリウム以
外のガス発生剤を使用できる様にするためであり、これ
によって、それらのガス発生剤から発生する車室内の有
害ガスを破壊又は除去された窓を通して排出させるので
ある。若し車両の車室に通気口が設けられ、或いは又ガ
ラスの粉砕又は除去によって開口が形成されけば、車室
はもはや密閉されたものではなくなり、如何なる有害ガ
スも車室から換気される事になり、ニトロセルロース,
ニトログアニジン,及びその他のダブルベース及びトル
プルベース組成物,テトラゾール(プールらの米国特許
第4,909,549号参照)又は類似のガス発生剤が
エアバッグシステムの全てのインフレータに使用できる
事になる。これらは、現時点では大量の二酸化炭素及び
その他の汚染物質が発生する事、並びに車室内のガスは
1時間といった様な或る一定時間呼吸できなければなら
ないという要求条件がある事から実施されていない。若
し上記のガス発生剤の1つがガラス粉砕又は除去システ
ムと共に使用されるならば、インフレータのサイズと重
量は2分の1又はそれ以上に小さなものに減らす事がで
き、そして又、効率的な吸引システムも使用されるとな
れば、更にそれを4分の1程度とする事ができ、併せて
従来のインフレータの約8分の1のものとする事ができ
る。
【0034】車室内の有害ガスの蓄積を排除する別の方
法は、図5に一例が示されている様に、1個以上のエア
バッグのガスを車両外に排出することである。この実施
例においては、天井取り付けエアバッグ310のガスは
車両の天井340に設けられた通気口330を通して排
出される。通気口330は車両外に通じており、従って
エアバッグ310がしぼんでも、ガスは乗員が呼吸する
車室内には入ってこない。当然の事であるが、この手法
はドアや計器パネルに取り付けられるその他のエアバッ
グにも使用できる。この手法を前部乗員用の前部衝突保
護用エアバッグに使用するのはためらうれているが、そ
れはこの方法では防火壁に穴を開ける必要があり、エン
ジンルームからの煙や場合によっては炎が車室に侵入す
るのを防ぐという防火壁の本来の目的が部分的に阻害さ
れてしまうからである。これは天井又はドア取り付けの
エアバッグの場合には問題とならない。
【0035】前面衝突時にエアバッグによってより多く
の人が死亡や重大な負傷から守られる様になってきてい
る一方で、膝及び足の重大な負傷件数が増大している点
に留意する必要がある。実際問題、膝クッションの効果
的な設計は、乗員の大きさ,体重,年令及び着座位置が
種々異なり、又、全ての乗員について膝部の隙間を確保
する必要があるため極めて難しい問題である。或る場合
には、小柄な運転者のために膝クッションを最適な位置
に設置しても、大柄な運転者に対しては隙間が大き過ぎ
るという事もある。フィルム製エアバッグの開発と、本
明細書で開示した様な非アジ化ナトリウムの吸引式イン
フレータの使用で、現在使用されている従来型の膝クッ
ションの代わりに膝支持用エアバッグが使用可能なもの
となる。膝用エアバッグは過去に一般販売車で使用され
ていたが、それは前部乗員を保護するための別のエアバ
ッグの一部として、膝用エアバッグが主エアバッグの中
に組み込まれていただけのものである。本発明の場合
は、膝用エアバッグは個別のモジュールで、エアバッグ
コントロール回路によって別個に作動される。本発明に
よって、圧力増加により車両のドアが開かれてしまうと
か、乗員の鼓膜を傷つける恐れなしに事故時に複数のエ
アバッグを展開できるため、大型の膝用エアバッグを実
際に使用できる事となった。
【0036】その様な膝用エアバッグの一例が図6に示
されている。図6は膝拘束用エアバッグの斜視図であ
り、運転者の膝を支え、又、車両の乗員席に横たわって
寝ている乗員(図略)を支持する状態を示す。この膝支
持用エアバッグは、上記した出願人の他の米国特許出願
(出願番号08/571,247号)に詳細が開示され
ている様に、幾つかの小さなエアバッグ411,41
2,413,414で構成されているフィルム製エアバ
ッグ410を含んでいる。或いは又、膝用エアバッグ
は、出願人の他の米国特許出願(出願番号08/53
9,676号)に開示されている様に、単一のフィルム
エアバッグで作る事もできる。この膝支持エアバッグ
は、従来この目的で使用されていたエアバッグよりかな
り大きくする事ができ、その結果、事故前に車両の座席
に横たわって寝ている乗員(図略)に対しても或る程度
の保護を与えるものとなる。
【0037】上記の様なフィルムエアバッグ及びインフ
レータのデザインの進展に伴って、前記参照した米国特
許願第08/247,763号に開示されている様に、
非常に薄いエアバッグモジュールが可能となっている。
その様なモジュールは、どのような長さにもでき、車両
内の多くの場所で使用できる事となる。例えば、後部座
席乗員を保護するために1個を天井に配置する事もでき
る。又、前部及び後部乗員を側面衝突による頭部負傷か
ら守るために、別のモジュールを車両の両側に長手方向
に長く配置する事もできる。このデザインのモジュール
はそれ自体を、図6に示されている様に展開可能な膝拘
束用具として使用する事ができる。究極的には、特にワ
イヤ駆動(drive-by-wire)システムが実施されてハン
ドルとカラムが再設計又は取り払われる場合は、その様
なエアバッグシステムを天井に取り付け、前部座席乗員
及び運転者の全てを前部衝突から守るために使用できる
事になろう。前述の経済性の点で、このタイプのエアバ
ッグは非常に安価なもの、おそらく同様の保護を与える
現在のエアバッグモジュールのコストの5分の1程度と
なろう。
【0038】前述の様に、衝突時に複数のエアバッグが
展開されると音圧レベルが人の鼓膜に損傷を与えるほど
過大なものとなる。その様な損傷を最小とするため、エ
アバッグシステム設計者は運転者用及び乗員用エアバッ
グの展開を段階的に行い、それによって展開騒音圧力の
ピークを小さくする様にしている。これらのシステムは
センサ・診断回路の一部に遅延回路を有するものとなる
が、これは回路の設計を複雑にし、又、コストを増加さ
せ、そしてシステムの信頼性を減ずることになる。これ
に代わるより簡単なシステムが図8(a)に開示されて
いるが、これは火工式遅延要素を組み込んだインフレー
タ・スクイブを示す詳細断面図である。
【0039】図7は、1個のエアバッグ500が結合さ
れたエアバッグモジュール510を示しているが、勿論
1個のモジュールに複数のエアバッグを結合させる事も
可能である。このモジュールは、580として概略的に
示されたセンサ・診断回路に連結されている。この回路
は、それに結合された、特定の衝突時において展開すべ
き全てのエアバッグモジュールに電流又は信号を送る。
図7に示されている様に、モジュール500はエアバッ
グ510と、それに結合されたインフレータ組立体52
0を含んでいる。インフレータ組立体520は、ガス発
生剤530を収容するチャンバ,インフレータ組立体中
の通路を通してガス発生剤530と接続されたイニシエ
ータ535及びイニシエータ535を点火するスクイブ
組立体540を含む。スクイブ組立体540は、センサ
・診断回路580に接続されており、この回路がスクイ
ブ組立体540の作動させてガス発生剤530を点火
し、エアバッグ500を膨張させるためのガスを発生さ
せるか否かを決定する。スクイブ組立体540が拡大図
として図8(a)に示されているが、これは図7の丸で
囲んだ部分8(a)の部分を示すものである。スクイブ
組立体540は、燃焼ワイヤ式電気作動スクイブ541
と、それに隣接した火工式遅延要素542を含む。スク
イブ541は遅延要素542によってイニシエータ53
5と切り離されており、それによって早すぎる作動を回
避している。遅延要素542は、1ミリ秒から数ミリ秒
単位までの望ましい遅延を与える事ができ、時としてガ
ス発生剤又はその他の火工材料を含むコイル式チューブ
で作られる。その様な遅延装置は主として軍関係で使用
される火工式遅延装置の設計を行う当業者には公知のも
のである。
【0040】数ミリ秒の遅延を得る為の火工式遅延要素
は高価であるため、別の機械的な方法を使用する事がで
きる。1つの実施例が図8(b)に示されているが、こ
れは遅延発生装置を示すもので、電気式スクイブ組立体
540が燃焼ワイヤ式電気作動スクイブ541を点火
し、その点火により着火ピン546が解放される。着火
ピン546はスプリング547によってスクイブ組立体
540の通路を通って突込点火部548に突き進む。突
込点火部は、イニシエータ535を点火させることによ
りエアバッグの展開を開始させる。必要な遅延を与える
ために、着火ピンの走行距離及び質量を調整する事がで
きる。正常位置では、スクイブ541は、スプリング5
47の反発力に抗して着火ピン546を保持している。
【0041】吸引方式を使用してエアバッグを膨張させ
るガスを、実質的に車室内そのものから得る事も車両の
車室内の圧力及び有害ガスを減らす為に望ましい事であ
る。吸引システムは、現在助手席側の前面衝撃エアバッ
グシステムで使用されているが、吸引の割合は極めて低
いものである。典型的にはエアバッグを膨張させる為に
使用されるガスの約30%だけが車室から取り込まれ、
残りはガス発生剤の燃焼によるものである。この割合は
吸引ノズルを注意深く設計することにより、車室から約
90%又はそれ以上のガスを引き込める様に大幅に増加
させる事ができる。高い吸引割合を使用する事によっ
て、インフレータからの、より高温のガスを使用できる
事にもなる。何故ならば車両の車室の空気が希釈用に使
用され、それによってインフレータガスを冷却する事に
なるからである。こうすれば、一般的にはインフレータ
からのガスを冷却する必要がなくなり、冷却用フィルタ
も不要となる。
【0042】若し、エアバッグが車両の天井に取り付け
られ且つ車室からインフレータへの空気の注入部を、イ
ンフレータの長手方向に沿って狭くて長いスリットの形
とすれば、前記米国特許出願(出願番号08/571,
247号)に開示されている様な効率的なノズルのデザ
インが可能となる。この場合、車室からエアバッグへの
ガスの流入の為に使用される流入口は、衝突時にエアバ
ッグから流出するガスの出口オリフィスとしても使用で
きる。この場合には1つの付加的な利点が得られるが、
それは車両の車室へのインフレータガスの排出が高温に
なり、ガスの排出の目的で破壊又は除去された窓を通し
てガスを車両外に流出し易くできる事である。
【0043】この方式を図9に示しており、エアバッグ
からの流出ガスの出口を天井面に有する天井取り付けエ
アバッグシステムの斜視図である。図9において、長く
て薄いエアバッグモジュールが、前記米国出願(出願番
号08/571,247号)に詳細が記述されている様
に車両の天井部に配置されている。衝突時に乗員がエア
バッグ610に衝突してエアバッグ610に対して圧力
を与えると、エアバッグ610内に蓄積された圧力によ
ってエアバッグ中のガスがモジュール開口部640を通
って逆流し、天井の高さで車室650に流出する。排出
ガスは高温であるため、ガスは破壊若しくは除去された
後部窓(図示されていない)を通って流出し、車室から
大気中へ放出される事になる。吸引ノズルを出口オリフ
ィスとして使用する事により、エアバッグそのものには
通気穴を設ける必要はない。これは特にフィルム製エア
バッグが使用される場合に利点となる。
【0044】或る実施例においては、車両の形状によっ
て高い吸引率を達成できないか、又はインフレータガス
を冷却する必要があるかのいずれかの理由で、1つ又は
それ以上の窓を破壊するだけでは要求される呼吸可能性
テストに合格するための有害ガスの排出が不十分な事が
ある。主たる有害ガスは二酸化炭素であり、これは冷却
されると車両の下部に溜まる。若し乗員が意識不明また
は他の何らかの理由で乗員の口が窓の高さより下にある
場合、かなりの量の有害ガスを吸入させられる状態とな
り、障害を受けることになる。こうした場合には、乗員
の口の位置よりも低い車両の位置に空気の通路を設ける
必要がある。1つの実施例が図9に示されているが、こ
れは吹き出しパネルが車室の底部に設置されている事を
示す車両の内部の部分図である。
【0045】図9に示されている様に、又、図10
(a)により詳しく示されている様に、カバー682の
中にある破壊可能なシールをスクイブ684によって火
工方式で粉砕する事により、穴680が座席より下の位
置に開けられる。スクイブ684は、上で議論した窓ガ
ラスの粉砕に使用されるのと同じセンサ・診断回路に接
続されており、それによって作動される。当然のことな
がら、車両の底部に空気通路を設けるには既存の多くの
方法がある。ある場合には例えば、車両のドアを事故後
10秒程度で吹き飛ばして開けてしまう方が望ましい事
さえあるが、この場合は適当なドア開放機構(図9に6
86として略示されている)により行うことができる。
この方法は、負傷した乗員に車両外への脱出口を与える
という付加的な利点もある。
【0046】希なケースでは、窓の破壊に加えて、更に
車室の底部に穴を開けて換気するとしても、乗員に障害
の危険を与えない短時間で有害ガスを除去するには不十
分な場合がある。こうした場合には、図9および図10
(b)に示されている様に小さな電気式又は火工式で駆
動されるファンを開口部690に取り付ける事ができ
る。図9のファン組立体の部分斜視図である図10
(b)に、このファンが692で示されている。2個以
上のエアバッグの展開が必要とされる事故の場合に、電
線694を通して車両の電気システムで駆動されるファ
ン692が作動され、一定時間車両の底部の扉696を
通してガスを排出させる。或いは、このファンはバッテ
リ又はコンデンサを含むそれ自身の動力源、或いは火工
式手段によっても駆動することができる。
【0047】当然の事ながら1つの事故で展開されるエ
アバッグの合計数を減らす事ができれば、上に開示した
有害ガスを除去する方法は不必要となるであろう。従っ
て本発明の別の好ましい実施例においては、夫々のエア
バッグに乗員位置センサを備え、特定の座席位置に関わ
るエアバッグが展開される前に、その特定の座席位置に
乗員が存在する事を確認する様にする。一般的には、座
席が占有されていない場合にはエアバッグを展開する必
要はないであろう。乗員位置センサの更に洗練された方
式では、所定位置にいない乗員,背面式チャイルドシー
トの存在及び座席に子供が寝そべっている事を判断する
事もできる。
【0048】この実施例を更に良いものとする為には、
エアバッグシステムに付属する電子回路の多くを分散化
して、エアバッグモジュールの夫々の中に収める。夫々
のモジュールは、独自の動力源と診断回路を含む電子パ
ッケージを有する様にする。1つのセンサシステムだけ
は、前部衝突時に全てのエアバッグを展開駆動するため
に使用する。全てのエアバッグが同時に展開する時の有
害な騒音を避けるために、各モジュールは前述した様
に、それ自体に遅延用の、好ましくは火工方式の装置を
備える様にする。例えば後部座席用のモジュールは、運
転者用のモジュールに比べて数ミリ秒の着火遅延とし、
又、前部乗員用モジュールは、それより少ない遅延とす
る。各モジュールは又、夫々乗員位置センサ及びそれに
付属する電子回路も有する様にする。この構成において
は、エアバッグシステムにおいて最も信頼性の低い部分
である車両の電気システムとの間での電力及びデータの
伝達に対する依存度を最小限にする事ができる。各モジ
ュールが各センサシステムから一旦信号を受け取ると、
各モジュールはそれ自身で動作し、それ以外の電力又は
情報はもはや不要となる。モジュールのための主診断回
路も各モジュール中に存在する様にし、主モニタ回路に
作動可能信号又は故障信号を送る様にする。これらの信
号は、モジュールの何れかが作動可能信号を送れない場
合や、故障信号を送った場合に警告灯を点灯するだけの
ために必要である。
【0049】主電子回路を夫々のモジュール中に配置す
るのは、コンピュータが巨大な集中メインフレーム方式
からマイクロコンピュータのネットワークに移行した発
展経路にならうものである。乗員位置センサに必要とさ
れるコンピュータ能力は、単一のポイントセンサとエア
バッグシステム診断回路に必要とされるものよりも大き
い。こうした理由で、この電子パッケージを夫々のモジ
ュールに納める方が理にかなっている。この方法によれ
ば、機能の殆どは中央のシステムではなく、夫々個別モ
ジュール中に存在する事になるため、集中式の単一ポイ
ントセンサ及び診断システムの利点はなくなる。例えば
米国特許願第08/024、076に開示されている様
な単純且つより効果的な衝突スイッチセンサが、現在広
く採用されている単一ポイントセンサ及び診断システム
よりもコスト効果の高いものとなっている。
【0050】上述のシステムが図11に概略的に示され
ているが、これは座席が占有されていないか、又は乗員
がエアバッグに近過ぎて展開による負傷の危険性がある
場合に、エアバッグの展開を防止する様に設計された乗
員位置センサとエアバッグモジュールの組み合わせを示
すものである。全体が700で示されているモジュール
は、エアバッグ710と、エアバッグ710を展開する
為ののインフレータ組立体720と、超音波発信機72
2及び超音波受信機724を含む乗員位置センサを含ん
でいる。モジュール700は又、各インフレータ組立体
720、発信機722及び受信機724の夫々に連結さ
れた電子パッケージ730を含み、超音波信号を発信機
722に送り、又、乗員位置センサ受信機724からの
データを処理する機能を果たす。更に、電子モジュール
は、電源の電圧をモニタし、必要な場合にインフレータ
組立体720を作動させたり、又、その他のプロセスを
駆動するのに十分な電力が確実に蓄えられている様に
し、そして760で概略的に示されている中央診断モジ
ュールに定期的に報告を送り、モジュールが作動可能状
態にあることを示すか、又は故障が検知された場合に故
障信号を送る様になっている。衝突スイッチセンサは略
図880にも示されているが、これはこのシステムにお
ける唯一の判別センサである。
【0051】上記の様に、ニトロセルロース,ニトログ
アニジンの様な幾つかのガス発生剤及びその他のダブル
ベース又はトルプルベース組成物或いはテトラゾール
が、2個以上のエアバッグモジュールを有する車両に使
用できる候補となった。本発明の主たる必要条件は、エ
アバッグから発生するガスを、乗員に障害を与える事な
く短時間呼吸できる様にする事である。この時間の長さ
は、勿論、車両の種類及び車室から有害ガスを排出する
為に選択される方法に依存する。このクラスに属するそ
の様な全てのガス発生剤、即ち短時間安全に吸入できる
ガス発生剤を、ここでは有害ガス発生剤と称する。勿
論、エアバッグ用ガス発生剤の候補としては全く考えら
れないほど有毒なその他のガス発生剤もある。そのクラ
スのガス発生剤はここでは考慮せず、従ってそれらはこ
こで使用する有害ガス発生剤の範囲外のものである。本
明細書の目的においてガスに適用されている有害性と
は、人体に害を与えずに数分間以上は呼吸できないこと
を意味する。
【0052】以上、幾つかの好ましい実施例を図解して
説明してきたが、他の形状,材料及び異なる寸法で同じ
機能を果たす要素の組み合わせも可能であり、又、車室
から有害ガスを取り除く異なる方法や、そもそも有毒ガ
スが車室内に入るのを防止する異なった方法も可能であ
る。本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特
許請求の範囲によって判断されるべきものである。
【0053】
【発明の効果】本発明の効果は次の通りである。 1.1台の車両の中で複数のエアバッグが展開され、
又、エアバッグを膨張させる為に使用するガスが人体に
有害なものではあるが、乗員に害を与える前に車室から
取り除かれ、それによって現在まで使用できなかった有
害物を発生するガス発生剤を使用できる様にしたエアバ
ッグシステムを提供できる。 2.複数のエアバッグの展開によって発生する過剰の圧
力を放出するシステムを提供し、それにより、この過剰
な圧力によってドアが不意に開いてしまうのを防止する
事ができる。 3.特に、過剰の圧力を放出し、有害ガスと過剰圧力の
放出口を形成する為に、車両の窓を破壊する方法を提供
できる。 4.乗員の負傷を防止するのに役立つエアバッグだけを
展開するシステムを提供し、それによって衝突時に展開
されるエアバッグの合計数を最少にできる。 5.車両内の最大圧力及び騒音を減らす為に、1個以上
のエアバッグモジュール中にエアバッグ展開遅延システ
ムを提供できる。 6.事故時に座席に横たわっている乗員の負傷を減らす
のに役立つ大型の膝保護用エアバッグが使用できる。 7.斜め前方からの衝撃、又はその他の衝撃を受けた場
合に、複数のエアバッグの展開によって発生する過剰圧
力を放出する方法により、前面衝突保護用エアバッグと
共に展開される側面保護用エアバッグを提供し、これに
より、乗員を種々の屋根支持ピラーの衝撃から守る保護
手段を提供できる。 8.単一の衝突事故時に、2個を越える数のエアバッグ
を展開できるシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】展開された幾つかのエアバッグと、破壊された
後部窓を有する車両の1部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明に従って使用される火工式窓破壊機構の
部分概略断面図である。
【図3】本発明に基づく電気機械式窓破壊機構の部分概
略断面図である。
【図4】車両内圧力が設計値を超えた場合に車両から窓
ガラスが飛び出す様にした本発明による窓解放機構の部
分概略断面図である。
【図5】2個の展開したエアバッグを有する車両の側面
を切り欠いた部分図であり、エアバッグのガスが車両の
天井内に排出されていることを示す要部断面図である。
【図6】乗員の膝を支持するのに十分な大きさの2個の
膝支持用エアバッグの展開状態を示す車両の要部斜視図
である。
【図7】エアバッグとインフレータを示すエアバッグモ
ジュールの断面図で、ガス発生剤,イニシエータ及びス
クイブ組立体を示す為のインフレータが断面で示され、
センサ・診断回路が概略的に示されている概略断面図で
ある。
【図8】(a)は図7の丸で囲んだ部分8(a)の詳細
断面図で、火工式遅延要素が組み込まれたスクイブを示
し、(b)は別の機械式展開遅延機構の詳細断面図で、
スプリングによって点火部へ推進される着火ピンを開放
するための電気式スクイブを示す詳細断面図である。
【図9】天井取り付けエアバッグシステムの要部断面図
で、エアバッグからガスを排出するガス排出口を天井に
有し、吹き出しパネルが車室の底部に設置され、ファン
排出システムが車室の底部に配置されたものを示す車室
の要部断面図である。
【図10】(a)は図9の吹き出しパネルの拡大図であ
り、(b)は図9の排出ファンの拡大図である。
【図11】座席が占有されていない場合にエアバッグの
展開を防止する様に設計された乗員位置センサとエアバ
ッグモジュールの組み合わせを示す概略図である。
【符号の説明】
110,112,120,122 前部保護用エアバ
ッグ 130,132 側面/頭部保護用エアバッグ 200,220 窓破壊機構 310 エアバッグ 330 通気口 411,412,413,414 エアバッグ 500 エアバッグモジュール 510 エアバッグ 530 ガス発生剤 535 イニシエータ 540 スクイブ組立体 541 スクイブ 542 遅延要素 546 着火ピン 547 スプリング 548 突込点火部 580 センサ・診断回路 610 エアバッグ 640 エアバッグモジュール開口部 680 穴 682 カバー 684 スクイブ 690 開口部 692 ファン 700 エアバッグモジュール 720 インフレータ組立体 722 超音波発振器 724 超音波受信機 730 電子パッケージ 760 中央診断モジュール 880 衝突スイッチセンサ

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室を有する車両のためのエアバッグシ
    ステムであって、前記車両内に配置された少なくとも1
    個のエアバッグモジュールを包含し、この少なくとも1
    個のエアバッグモジュールの各々が、 少なくとも1個のエアバッグと、 前記少なくとも1個のエアバッグを膨張させるための有
    害物を含むガスを発生するガス発生手段と、 前記少なくとも1個のエアバッグを前記ガス発生手段に
    取り付けて、前記ガス発生手段と流体的に連通させるた
    めの取り付け手段と、 前記ガス発生手段に連結され、前記少なくとも1個のエ
    アバッグの展開が必要とされる前記車両の衝突に応答し
    て前記ガス発生手段を作動させる作動開始手段と、 前記少なくとも1個のエアバッグの展開に伴って発生さ
    れる車室内の有害物を含むガスの濃度を減らすための有
    害物低減手段とを含むことを特徴とするエアバッグシス
    テム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエアバッグシステムで
    あって、前記有害物低減手段が、前記エアバッグモジュ
    ールの少なくとも1個から少なくとも1個の前記エアバ
    ッグが展開した後、車両の車室から有害物を含むガスを
    排出する排出手段を含むものであるエアバッグシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエアバッグシステムで
    あって、前記排出手段が車室に穴を形成する排出穴形成
    手段を含むものであるエアバッグシステム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のエアバッグシステムで
    あって、前記排出穴形成手段が車両の外側パネル中に設
    けられた吹き出しパネルを含むものであるエアバッグシ
    ステム。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のエアバッグシステムで
    あって、前記排出手段が車両の外側パネルに設けられて
    車室と連通する開口と、この開口の近接位置に設置され
    たファンを含むものであるエアバッグシステム。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のエアバッグシステムで
    あって、前記少なくとも1個のエアバッグモジュール
    が、衝突時に乗員の膝を保護するように配置されたもの
    であるエアバッグシステム。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のエアバッグシステムで
    あって、前記排出手段が、衝突後に前記車両のドアを開
    けるドア開放手段を含むものであるエアバッグシステ
    ム。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のエアバッグシステムで
    あって、2個のエアバッグモジュールを有するものであ
    るエアバッグシステム。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のエアバッグシステムで
    あって、前記有害物低減手段が、車室内の圧力を減らす
    ために車室から空気を吸入し、前記吸引した空気を前記
    有害物を含むガスと混合し、それによって前記有害物の
    濃度を減ずる吸引手段を含むものであるエアバッグシス
    テム。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のエアバッグシステム
    であって、前記有害物低減手段が、前記ガス発生手段の
    作動開始とともに、車両の車室を規定する窓の少なくと
    も一部を取り除く窓ガラス除去手段を含むものであるエ
    アバッグシステム。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のエアバッグシステ
    ムであって、前記ガラス除去手段が、窓ガラスの隣接部
    に配置された火工(pyrotechnic)手段を含むものであ
    るエアバッグシステム。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載のエアバッグシステ
    ムであって、前記ガラス除去手段が、窓ガラスと係合す
    るように配置された機械式手段を含むものであるエアバ
    ッグシステム。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載のエアバッグシステ
    ムであって、窓ガラスが取り付け機構に保持された状態
    にあり、前記ガラス除去手段が窓ガラスを取り付け機構
    から解放するための解放手段を含むものであるエアバッ
    グシステム。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載のエアバッグシステ
    ムであって、前記ガラス除去手段が、テンパー処理した
    窓ガラスを含むものであるエアバッグシステム。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のエアバッグシステム
    であって、前記有害物低減手段が、前記少なくとも1個
    のエアバッグからの実質的に全ての有害物を含むガスが
    車両の車室に入るのを防止する防止手段を含むものであ
    るエアバッグシステム。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のエアバッグシステ
    ムであって、前記防止手段が、前記少なくとも1個のエ
    アバッグからの有害物を含むガスを車両の天井内に排出
    する排出手段を含むものであるエアバッグシステム。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載のエアバッグシステ
    ムであって、前記防止手段が、前記少なくとも1個のエ
    アバッグからの有害物を含むガスを車両の外に通じる通
    路内に排出する排出手段を含むものであるエアバッグシ
    ステム。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載のエアバッグシステム
    であって、前記有害物低減手段が、車両の車室内の圧力
    を減らす減圧手段を含むものであるエアバッグシステ
    ム。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載のエアバッグシステム
    であって、複数のエアバッグモジュールを有し、さらに
    前記複数のエアバッグモジュールの少なくとも1個に設
    けられた前記エアバッグの少なくとも1個の展開を遅ら
    せるための展開遅延手段も含み、この展開遅延手段が、
    前記エアバッグモジュールの内の1個に設けられた前記
    ガス発生手段の作動を遅らせるために、前記エアバッグ
    モジュールの前記1個に設けられた遅延要素を含むもの
    であるエアバッグシステム。
  20. 【請求項20】 車室を有する車両における騒音低減エ
    アバッグシステムであって、前記車両に少なくとも2個
    のエアバッグモジュールが配置され、このエアバッグモ
    ジュールのそれぞれが、 少なくとも1個のエアバッグと、 前記少なくとも1個のエアバッグを膨張させるためのガ
    スを発生させるガス発生手段と、 前記少なくとも1個のエアバッグを前記ガス発生手段に
    取り付けて、前記ガス発生手段と流体的に連通させるた
    めの取り付け手段と、 車両の衝突に応答して前記ガス発生手段を作動させ、前
    記少なくとも1個のエアバッグを展開させる作動開始手
    段と、 前記エアバッグモジュール中の少なくとも前記1個のエ
    アバッグの展開を遅らせるための展開遅延手段とを包含
    し、前記展開遅延手段は前記エアバッグモジュール中の
    少なくとも1個に設けられ、前記エアバッグモジュール
    中の少なくとも1個に設けられた前記ガス発生手段の動
    作を遅延させる遅延要素を含むことを特徴とするエアバ
    ッグシステム。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のエアバッグシステ
    ムであって、前記遅延要素が前記作動手段に係合するス
    クイブ組立体を包含し、このスクイブ組立体が前記遅延
    要素と係合する電気的に作動されるスクイブを含むもの
    であるエアバッグシステム。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載のエアバッグシステ
    ムであって、前記遅延要素が、着火ピンと、この着火ピ
    ンに抗して配置されたスプリングと、前記着火ピンを前
    記スプリングに抗して拘束するためのスクイブと、この
    スクイブによる拘束力が解放された場合に前記着火ピン
    によって接触される突込点火部とを含むものであるエア
    バッグシステム。
  23. 【請求項23】 複数の座席を含む車室を有する車両の
    ためのエアバッグシステムであって、 前記車両中に配置された少なくとも3個のエアバッグモ
    ジュールを包含し、各エアバッグモジュールはそれぞれ
    車室内の座席の1個に関連づけられており、且つ少なく
    とも1個のエアバッグと、 前記少なくとも1個のエアバッグを膨張させるためのガ
    スを発生させるガス発生手段と、 前記少なくとも1個のエアバッグを前記ガス発生手段に
    取り付けて、前記ガス発生手段と流体的に連通させるた
    めの取り付け手段と、 車両の衝突に応答して前記少なくとも1個のエアバッグ
    を膨張・展開させるために前記ガス発生手段を作動させ
    る作動開始手段と、 前記少なくとも3個のエアバッグモジュールの夫々に関
    連する座席に乗員が存在するか否かを感知するための感
    知手段と、 車両が事故に遭遇した時に車両の車室内の圧力を減ずる
    ための第1圧力低減手段であって、もし前記少なくとも
    3個のエアバッグモジュールのうちの1個に関連する座
    席に乗員がいない場合には前記少なくとも3個のエアバ
    ッグモジュールの1個に関連する前記少なくとも1個の
    エアバッグの展開を防止するための防止手段を包含する
    第1圧力低減手段と、 前記エアバッグの少なくとも3個が展開された場合に、
    車両内の圧力を減ずるための第2圧力低減手段とを含む
    ことを特徴とするエアバッグシステム。
  24. 【請求項24】 車室を有する車両における前部および
    側面衝撃用エアバッグシステムであって、 車両中に配置された少なくとも3個のエアバッグモジュ
    ールを包含し、このエアバッグモジュールがそれぞれ、 少なくとも1個のエアバッグと、 前記少なくとも1個のエアバッグを膨張させるためのガ
    スを発生させるガス発生手段と、 前記少なくとも1個のエアバッグを前記ガス発生手段に
    取り付けて前記ガス発生手段と流体的に連通させるため
    の取り付け手段と、 車両の衝突に応答して前記少なくとも1個のエアバッグ
    を展開させるために、前記ガス発生手段を作動させるた
    めの第1作動開始手段と、 衝突時に前記エアバッグモジュール中の側面および前部
    エアバッグの展開を作動させる第2作動開始手段とを含
    み、 前記エアバッグモジュールの第1のものが右側前部エア
    バッグの展開をコントロールし、前記エアバッグモジュ
    ールの第2のものが左側前部エアバッグの展開をコント
    ロールし、前記エアバッグモジュールの第3のものが右
    側面エアバッグの展開をコントロールし、前記エアバッ
    グモジュールの第4のものが左側面エアバッグの展開を
    コントロールするものであることを特徴とするエアバッ
    グシステム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024106718A1 (ko) * 2022-11-16 2024-05-23 아우토리브 디벨롭먼트 아베 자동차의 에어백 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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