JPH10165434A - 足温器、手温器及び体温器 - Google Patents

足温器、手温器及び体温器

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JPH10165434A
JPH10165434A JP35198296A JP35198296A JPH10165434A JP H10165434 A JPH10165434 A JP H10165434A JP 35198296 A JP35198296 A JP 35198296A JP 35198296 A JP35198296 A JP 35198296A JP H10165434 A JPH10165434 A JP H10165434A
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JP
Japan
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heating element
heating
outer bag
infrared radiation
far
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JP35198296A
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English (en)
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Shigeyuki Yasuda
繁之 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加温温度を一定に保ち易く、安価に製造で
き、安全で取扱いが容易な遠赤外線放射型暖房用温熱体
を用いた足温器、手温器及び体温器を提供する。 【解決手段】 適宜の温度の変化(30〜65℃)に対
して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成
物(例えば、樹脂と該樹脂中に分散される導電性粒子と
を含む組成物)を面状に形成させるとともに電極を備え
る自己温度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵した
加熱型の遠赤外線放射型暖房用温熱体を配設した足温器
を提供する。また、該温熱器と電源部分を一体型とする
足温器としてもよい。更に、該温熱体は手温器及び体温
器に用いてもよい。また、該温熱体とは別に、外袋と、
融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤(ポリエチ
レングリコール等)とを備えた蓄熱型温熱体を提供す
る。更に、上記と同様な自己温度調節型面状発熱素子を
外袋内に配置した加熱・蓄熱型温熱体としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は足温器、手温器及び
体温器に関する。更に詳しく言えば、加温温度を一定に
保ち易く、ランニングコストが低く、構造が簡単で、安
価に製造でき、しかも、安全で、取扱いが容易な遠赤外
線放射型暖房用温熱体である、足温器、手温器及び体温
器に関する。
【0002】
【従来の技術】身体を温める場合、電気、ガス、石油、
木炭等を用いた暖房器具で行うことが多い。また、暖房
器具の設置形態として、床面設置型、壁面設置型、天井
内設置型、床内設置型等があり、それぞれ発熱部分・放
熱部分・換気部分の一体型と分離型がある。これら暖房
器具として、ストーブ、温風ファン、エアーコンディシ
ョナー、パネルヒータ等が知られている。
【0003】ところで、近年、職場のみならず、一般家
庭においても、省エネルギーのために、暖房温度を低め
に設定することが多くなっている。この様な状況下で、
長時間にわたって手足等、体の各部分を露出した状体で
机に向かって仕事若しくは勉強等の作業をする者にとっ
ては、器具の冷たさによって手元又は体全体等が冷える
感じがすることが多いし、体が疲れたりすることも多
い。更に、暖房器具はの多くは部屋全体を暖房する為
に、通常は不必要な場所まで加温してしまい、省エネル
ギーに関して好ましいとはいえない。このため、こたつ
等の器具によって局所的に暖房するのが望ましいとされ
ている。
【0004】また、従来より、仕事をしたり、勉強をす
る者にとっては、仕事若しくは勉強等の作業能率を高め
るために、所謂「頭寒足熱の状態」を実現することが望
ましいとされている。このため、上記暖房装置による暖
房温度を低目にするか、この様な暖房装置を用いないと
共に、足温器を用いて足部を温めたり、温熱体を備えた
座布団(以下、「温熱座布団」と称する。)により尻
部、腰部等を温めることもなされている。更に、我が国
の伝統的な暖房機器である「こたつ」や、近年、多用さ
れているパネルヒータ等の床暖房装機器によっても、こ
の「頭寒足熱の状態」を実現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記机
に向かって仕事若しくは勉強等の作業をする者を効果的
に温めるための暖房装置は、未だ、提案されていない。
また、上記足温器、温熱座布団、こたつ等は、熱源とし
て、電気ヒータ式(ニクロム線ヒータ等)、赤外線ラン
プを用い、その稼働の制御を行うことがなかったり、サ
ーモスタット等の断続的な方法により制御することが多
い。このため、使用中に熱源の発する熱が、大きく変動
することが多く(例えば、±10℃)、使用者にとって
好ましい温度を長時間維持することは困難である。ま
た、電力消費量の多いヒータ等を稼働させ、しかも、こ
の稼働が連続であったり、ON状態と、OFF状態とを
繰り返す断続であるものであるため、無駄が発生し、ラ
ンニングコストが高くなり易い。このため、上記「省エ
ネルギー」の要請に反することとなり易い。
【0006】また、床暖房装機器では、施工上の手間と
費用とが大きくなると共に、上記足温器等と同様に、暖
房温度の変動幅、電力消費量が大きい。更に、この暖房
温度の変動幅、電力消費量が大きいことは、ストーブ、
温風ファン、エアーコンディショナー、パネルヒータ等
の他の在来の暖房装置においても、同様である。更に、
上記各暖房装置、機器よりも、構造が簡単で、安価に製
造でき、しかも、安全で、効率的に用いられる暖房装
置、若しくはかかる暖房装置を実現するための温熱体の
出現が従来より望まれている。
【0007】本発明は、上記観点に鑑みてなされたもの
であり、暖房温度を一定に保ち易く、ランニングコスト
が低く、構造が簡単で、安価に製造でき、しかも、安全
で、取扱いが容易な遠赤外線放射型暖房用温熱体を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本第1発明の足温器は、
外袋と該外袋内に収納され融解温度が30〜65℃に調
節された蓄熱剤とからなる遠赤外線放射型暖房用温熱体
が、机状体のレッグホール部を取り囲む各板部の各レッ
グホール側面のうちの少なくもいずれか一の面に配設さ
れていることを特徴とする。
【0009】本第2発明の足温器は、適宜の温度の変化
に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗
組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己温
度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠赤
外線放射型暖房用温熱体が、机状体のレッグホール部を
取り囲む各板部の各レッグホール側面のうち少なくとも
いずれか一の面に配設されていることを特徴とする。
【0010】本第3発明の足温器は、外袋と、該外袋内
に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
と、該外袋内配置された30〜65℃の範囲の適宜の温
度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱
電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備え
る自己温度調節型面状発熱素子と、からなる遠赤外線放
射型温熱体が、机状体のレッグホール部を取り囲む各板
部の各レッグホール側面のうちの少なくもいずれか一の
面に配設されていることを特徴とする。
【0011】上記「机状体」は、事務机、勉強机、会議
机、食事用テーブル等の椅子を用いて使用するもの(以
下、「洋式机」と称する。)の他に、文机、座敷机、ち
ゃぶ台、やぐらこたつ、堀ごたつ等の様に、椅子を用い
ずに使用するもの(以下、「和式机」と称する。)、ス
ナック等に配置されるカウンター、建物、乗り物等と一
体とされた机状体(例えば、ファーストフード店等に見
られるの内壁と一体とされながら突出する机状体、列車
等にみられる窓下の壁や座席の背もたれの後部より突出
する机状体等)等も含まれる。また、これらの机状体
は、一人で使用するサイズでも、複数人が同時に使用で
きるサイズ(会議用机、図書館の机、カウンター等)で
もよい。
【0012】また、レッグホール部は、使用時に、使用
者の脚部、膝部等が挿入される部分であり、このレッグ
ホール部を構成することとなる板部の数、外形等は、机
状体の種類、デザイン等により異なる。例えば、図1に
示す様に、天板部と、左右一対の箱引出し付き台部と、
隠し板部とを備えた机の場合には、天板部の裏面と、各
台部の内側面と、隠し板部の裏面とが、レッグホール部
を取り囲む各レッグホール側面となる。
【0013】本第4発明の足温器は、外袋と該外袋内に
収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤と
からなる遠赤外線放射型暖房用温熱体が、堀ごたつ本体
の凹部空間を取り囲む側壁面及び/又は底面のうちの少
なくもいずれか一の面に配設されていることを特徴とす
る。
【0014】本第5発明の足温器は、適宜の温度の変化
に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗
組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己温
度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠赤
外線放射型暖房用温熱体が、堀ごたつ本体の凹部空間を
取り囲む側壁面及び/又は底面のうち少なくともいずれ
か一の面に配設されていることを特徴とする。
【0015】本第6発明の足温器は、外袋と該外袋内に
収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤と
該外袋内配置された30〜65℃の範囲の適宜の温度の
変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気
抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自
己温度調節型面状発熱素子とからなる遠赤外線放射型温
熱体が、堀ごたつ本体の凹部空間を取り囲む側壁面及び
/又は底面のうちの少なくもいずれか一の面に配設され
ていることを特徴とする。
【0016】上記「堀ごたつ本体」は、床面下に「凹部
空間」を設け、使用時に、使用者の脚部、膝部等が挿入
される机状体であれば特に問わず、いわゆる「堀ごた
つ」の他に、床面下に凹部空間を設けた洋式机、和式机
等でもよい。また、これらの机状体は、一人で使用する
サイズでも、複数人が同時に使用できるサイズでもよい
し、建物、乗物等と一体となっていてもよい。上記「堀
ごたつ本体」の「凹部空間」は、使用時に、使用者の脚
部、膝部等が挿入される部分であり、これを構成するこ
ととなる外形等は、堀ごたつの種類、デザイン等により
異なる。
【0017】本第7発明の足温器は、外袋と該外袋内に
収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤と
からなる遠赤外線放射型暖房用温熱体が、マット状本体
の裏面側若しくは内部に設けられた温熱体収容部内に配
設されていることを特徴とする。
【0018】本第8発明の足温器は、適宜の温度の変化
に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗
組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己温
度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠赤
外線放射型暖房用温熱体が、マット状本体の裏面側若し
くは内部に設けられた温熱体収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
【0019】本第9発明の足温器は、外袋と該外袋内に
収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤と
該外袋内配置された30〜65℃の範囲の適宜の温度の
変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気
抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自
己温度調節型面状発熱素子とからなる遠赤外線放射型温
熱体が、マット状本体の裏面側若しくは内部に設けられ
た温熱体収容部内に配設されていることを特徴とする。
【0020】上記「マット状本体」は、足マット、カー
ペット、座布団、クッション(座用、背もたれ用、肘
用、足用等)等、身体の下半身部分を載置するものなら
ば特に問わない。また、これらのマット状本体は、一人
で使用するサイズでも、複数人が同時に使用することが
できるサイズでもよい。また、台所、浴室等の水気や湿
気の多いところや、屋外などに配置して使用してもよ
い。
【0021】本第10発明の足温器は、足を覆うととも
に内部に温熱体収容部を備える足温器本体と、外袋と該
外袋内に収納され融解温度が30〜45℃に調節された
蓄熱剤とからなる遠赤外線放射型暖房用温熱体とを備
え、該遠赤外線放射型暖房用温熱体は、上記温熱体収容
部内に収納されることを特徴とする。
【0022】本第11発明の足温器は、足を覆うととも
に内部に温熱体収容部を備える足温器本体と、適宜の温
度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱
電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備え
る自己温度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵して
なる遠赤外線放射型暖房用温熱体とを備え、該遠赤外線
放射型暖房用温熱体は、上記温熱体収容部内に収納され
ることを特徴とする。
【0023】本第12発明の足温器は、足を覆うととも
に内部に温熱体収容部を備える足温器本体と、外袋と該
外袋内に収納され融解温度が30〜45℃に調節された
蓄熱剤と該外袋内配置された30〜45℃の範囲の適宜
の温度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する
感熱電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を
備える自己温度調節型面状発熱素子とからなる遠赤外線
放射型温熱体とを備え、該遠赤外線放射型温熱体は、上
記温熱体収容部内に収納されることを特徴とする。
【0024】本第13発明の足温器は、足を覆う靴状外
枠部材と、該靴状外枠部材の足首部にリンク状に接合さ
れた中袋状部材と、該靴状外枠部材のうちの踵部を除い
て上下に2分割されるとともにこの2分割するためのフ
ァスナー部とからなる足温器本体と、外袋と該外袋内に
収納され融解温度が30〜45℃に調節された蓄熱剤と
からなる遠赤外線放射型暖房用温熱体とを備え、該遠赤
外線放射型暖房用温熱体は、上記靴状外枠部材と中袋状
部材との間に収納されることを特徴とする。
【0025】本第14発明の足温器は、足を覆う靴状外
枠部材と、該靴状外枠部材の足首部にリンク状に接合さ
れた中袋状部材と、該靴状外枠部材のうちの踵部を除い
て上下に2分割されるとともにこの2分割するためのフ
ァスナー部とからなる足温器本体と、適宜の温度の変化
に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗
組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己温
度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠赤
外線放射型暖房用温熱体とを備え、上記遠赤外線放射型
温熱体は、上記靴状外枠部材と中袋状部材との間に収納
されることを特徴とする。
【0026】本第15発明の足温器は、足を覆う靴状外
枠部材と、該靴状外枠部材の足首部にリンク状に接合さ
れた中袋状部材と、該靴状外枠部材のうちの踵部を除い
て上下に2分割されるとともにこの2分割するためのフ
ァスナー部とからなる足温器本体と、外袋と該外袋内に
収納され融解温度が30〜45℃に調節された蓄熱剤
と、該外袋内配置された30〜45℃の周囲の適宜の温
度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱
電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備え
る自己温度調節型面状発熱素子と、からなる遠赤外線放
射型温熱体とを備え、上記遠赤外線放射型温熱体は、上
記靴状外枠部材と中袋状部材との間に収納されることを
特徴とする。
【0027】上記「靴状外枠部材」は、靴形状、サンダ
ル形状、スリッパ形状、下駄形状等を含み、その材質及
び形状については特に問わない。また、使用者の片足ご
とに1つの本「足温器」を使用するか、1つの本足温器
に両足を共に挿入するかについては特に問わない。ま
た、同時に使用することができる使用者の人数について
も特に問わない。
【0028】本第16発明の手温器は、手を覆うととも
に内部に温熱体収容部を備える手温器本体と、外袋と該
外袋内に収納され融解温度が30〜45℃に調節された
蓄熱剤とからなる遠赤外線放射型暖房用温熱体とを備
え、上記温熱体収容部内に、上記遠赤外線放射型暖房用
温熱体が収納されることを特徴とする。
【0029】本第17発明の手温器は、手を覆うととも
に内部に温熱体収容部を備える手温器本体と、適宜の温
度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱
電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備え
る自己温度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵して
なり電池により加熱される遠赤外線放射型暖房用温熱体
とを備え、上記温熱体収容部内に、上記遠赤外線放射型
暖房用温熱体が収納されることを特徴とする。
【0030】本第18発明の手温器は、手を覆うととも
に内部に温熱体収容部を備える手温器本体と、外袋と該
外袋内に収納され融解温度が30〜45℃に調節された
蓄熱剤と該外袋内配置された30〜45℃の範囲の適宜
の温度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する
感熱電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を
備える自己温度調節型面状発熱素子とを具備する遠赤外
線放射型温熱体とを備え、上記温熱体収容部内に、上記
遠赤外線放射型温熱体が収納されることを特徴とする。
【0031】上記「手温器本体」は、手袋、鍋つかみ、
自転車のハンドルカバー等、使用者の手の周囲を覆う物
なら特に問わない。また、該手温器本体の材質及び形状
についても特に問わない。更に、同時に使用することが
できる使用者の人数については特に問わない。
【0032】本第19発明の体温器は、衣類本体と、外
袋と該外袋内に収納され融解温度が30〜45℃に調節
された蓄熱剤とからなる遠赤外線放射型暖房用温熱体と
を備え、上記衣類本体に設けられた温熱体収容部内に、
上記遠赤外線放射型暖房用温熱体が収納されることを特
徴とする。
【0033】本第20発明の体温器は、衣類本体と、適
宜の温度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有す
る感熱電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極
を備える自己温度調節型面状発熱素子を発熱源として内
蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温熱体とを備え、上記
衣類本体に設けられた温熱体収容部内に、上記遠赤外線
放射型暖房用温熱体が収納されることを特徴とする。
【0034】本第21発明の体温器は、衣類本体と、外
袋と該外袋内に収納され融解温度が30〜65℃に調節
された蓄熱剤と該外袋内配置された30〜65℃の範囲
の適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を
有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに
電極を備える自己温度調節型面状発熱素子とからなる遠
赤外線放射型温熱体とを備え、上記衣類本体に設けられ
た温熱体収容部内に、上記遠赤外線放射型温熱体が収納
されることを特徴とする体温器。
【0035】上記「衣類本体」は、身体に付ける衣類、
又はそれに準するものなら特に問わず、例えばベスト、
肌着、ズボン、コート、腹巻、ベルト、靴下、腕巻き、
マフラー、動物などに扮するための衣装(縫いぐるみ又
は着ぐるみとも呼ばれる)等を含む広い意味に用いる。
また、衣類本体の材質及び形状については特に問わな
い。更に、体温器は身体に付ける衣類、又はそれに準す
るものに配置して使用するものでもよい。
【0036】本第22発明の体温器は、外袋と該外袋内
に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
とからなる遠赤外線放射型暖房用温熱体が、座席カバー
本体内部に設けられた温熱体収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
【0037】本第23発明の体温器は、適宜の温度の変
化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵
抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己
温度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠
赤外線放射型暖房用温熱体が、座席カバー本体内部に設
けられた温熱体収容部内に配設されていることを特徴と
する。
【0038】本第24発明の体温器は、外袋と該外袋内
に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
と該外袋内配置された30〜65℃の範囲の適宜の温度
の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電
気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える
自己温度調節型面状発熱素子とからなる遠赤外線放射型
温熱体が、座席カバー本体内部に設けられた温熱体収容
部内に配設されていることを特徴とする。
【0039】上記「座席カバー本体」は、椅子、ベンチ
等の座席類を覆うものであれば良く、対象とする座席の
一部分を覆う、全体を覆う等については特に問わない。
また、座席カバーの座席への固定方法、座席カバーの材
質及び形状等についても特に問わない。
【0040】本第25発明の体温器は、外袋と該外袋内
に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
とからなる遠赤外線放射型暖房用温熱体が、シート状寝
具本体に設けられた温熱体収容部内に配設されているこ
とを特徴とする。
【0041】本第26発明の体温器は、適宜の温度の変
化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵
抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己
温度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠
赤外線放射型暖房用温熱体が、シート状寝具本体に設け
られた温熱体収容部内に配設されていることを特徴とす
る。
【0042】本第27発明の体温器は、外袋と該外袋内
に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
と該外袋内配置された30〜65℃の範囲の適宜の温度
の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電
気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える
自己温度調節型面状発熱素子とからなる遠赤外線放射型
温熱体が、シート状寝具本体に設けられた温熱体収容部
内に配設されていることを特徴とする。
【0043】上記「シート状寝具本体」は、掛け蒲団、
敷き蒲団、毛布及びマットレス等の寝るときに用いるシ
ート形状の道具であれば特に問わない。また、これらに
用いるカバー類も含めることができる。更に、シート状
寝具の材質、形状及び大きさ等についても特に問わな
い。また、温熱体を配設する部位もシート状寝具本体の
内部、表面等特に問わない。更に足部、胴部、胸部等の
一部位のみを温熱できる大きさとしてシート状寝具本体
の所定部位に配設してもよいし、体全部位又は寝具全部
位を温熱できるように配設してもよい。
【0044】本第28発明の体温器は、外袋と該外袋内
に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
とからなる遠赤外線放射型暖房用温熱体が、縫いぐるみ
体内部に設けられた温熱体収容部内に配設されているこ
とを特徴とする。
【0045】本第29発明の体温器は、適宜の温度の変
化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵
抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己
温度調節型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠
赤外線放射型暖房用温熱体が、縫いぐるみ体内部に設け
られた温熱体収容部内に配設されていることを特徴とす
る。
【0046】本第30発明の体温器は、外袋と該外袋内
に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
と該外袋内配置された30〜65℃の範囲の適宜の温度
の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電
気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える
自己温度調節型面状発熱素子とからなる遠赤外線放射型
温熱体が、縫いぐるみ体内部に設けられた温熱体収容部
内に配設されていることを特徴とする。
【0047】上記「縫いぐるみ体」は、中に充填物を包
み込んで外側を縫い合わせたものであり、特に動物や人
物等を連想させて子供や幼児が携帯したり、添い寝がで
きるものをいう。また、縫いぐるみ体の材質、形状及び
大きさ等についても特に問わない。更に、縫いぐるみ体
は上記に加えて枕、クッション等を含めることができる
し、充填物を発泡体等とすることもできる。
【0048】上記各発明における感熱電気抵抗組成物
は、重合体(高分子化合物、樹脂類を含む意味に用い
る)又はポリエーテル化合物と該重合体中に分散される
導電性粒子とを含むものとすることができる。上記重合
体のうち、好適に用いられる「ポリアルキレンオキシド
類化合物」は、骨格にモノアルキレンオキシド部分又は
ポリアルキレンオキシド部分を有するもの(ポリエーテ
ル類化合物と言える)であって、抵抗温度係数が正特性
を示すものであればよい。この化合物は、通常、融点が
18℃〜75℃(特に36〜65℃)のほぼ常温固体の
ものである。その具体的化合物を以下に例示する。
【0049】ポリアルキレンオキシド類としては、例え
ば、ポリエチレングリコール(PEGともいう。)、ポ
リエチレンオキシド(ジエチレングリコール等)、ポリ
プロピレングリコール(PPGともいう。)、ポリプロ
ピレンオキシド(ジプロピレングリコール等)、ポリオ
キシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合
体(いわゆるプルロニック、テトロニックと称されるも
の、図31参照)、ポリオキシエチレン−モノ若しくは
ジアルキルエーテル(図31参照)、ポリオキシエチレ
ン−モノ若しくはジアリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン−モノ
若しくはジアルキルエステル、ポリオキシエチレン−モ
ノ若しくはジアルキルアミン、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのうち、
ポリエチレングリコールが好ましい。また、PEGの平
均分子量は500〜20000(特に好ましくは100
0〜6000)が好ましい。
【0050】また、上記「重合体」は、融点が18℃〜
75℃(特に33〜65℃)で抵抗温度係数が正特性を
示すものであれば、ポリアルキレンオキシド類化合物以
外のものでもよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂(P
E、EVA等)、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリフェニレンオキサイド等でもよい。
更に、重合体以外の例えば、環状ポリエーテル化合物を
含むことができる。
【0051】この環状ポリエーテル化合物としては、ト
リオキサンの他に、各種クラウンエーテル類、例えば、
ジベンゾ−14−クラウン−4、15−クラウン−5、
ベンゾ−15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジ
ベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18
−クラウン−6、ジベンゾ−21−クラウン−7、ジベ
ンゾ−24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−
クラウン−8、テトラベンゾ−24−クラウン−8、ジ
ベンゾ−60−クラウン−20等が挙げられる(表1参
照)。
【0052】
【表1】
【0053】上記導電性粒子は、粉末、繊維若しくはウ
イスカーの形態をなす炭素微細片、金属微細片又は金属
酸化物微細片であるものとすることができる。この「炭
素微細片」としては、黒鉛、活性炭又は無定形炭素等か
らなり、上記アルキレンオキシド類化合物中に混合可能
なものである。このうち、黒鉛が好ましい。また、上記
アルキレンオキシド類化合物中に混合される化合物とし
ては、上記に示す炭素化合物の代わりに、金属、金属酸
化物等の他の導電性微細片(粉末、繊維若しくはウイス
カーの形態を問わない)を用いることもできる。これら
の場合においても、エーテル結合の酸素の孤立電子対
が、充填剤の分散等に対してやはり重要な役割を演じて
いると思われる。この導電性粒子等の具体例は次の通り
である。
【0054】金属粉末、金属箔片、金属繊維としての金
属は、金、銀(図32参照)、銅、鉛、錫、アンチモ
ン、鉄、ニッケル、コバルト、インジウム、アンチモン
の少なくとも一つがドープされた酸価錫(図32参照)
等を用いることができる。この金属粉末の粒子径は約
0.1〜50μm程度、金属箔片は厚さ0.1〜20μ
m、アスペクト比5〜200程度のものが好ましい。ま
た、金属繊維としては、太さ0.05〜50μm、長さ
1〜2mm程度のものが好ましい。
【0055】上記感熱電気抵抗組成物の具体的な構成成
分については、本発明の目的を達成できる範囲で種々選
択できるが、例えば、分子中に複数のアルキレンオキシ
ド部分を含有するポリアルキレンオキシド類化合物から
なる重合体と、炭素微細片、金属微細片又は金属酸化物
微細片である導電性粒子との組み合わせとすることがで
きる。両者の混合物は、いかなる組成比でも極めて安定
で且つ均一に混合することができ、相分離しないもので
ある。そして、炭素微細片等の混合割合によって抵抗温
度係数が正特性として表れる領域があり、しかも定常加
熱温度が所定の温度範囲に入る組成(種類及びその配合
割合)であればよい。通常、この両者100重量部に対
する炭素微細片の配合割合は、15〜40重量部の範囲
である。この15重量部より少ない配合場合は高抵抗で
通電性がない場合が多く、40重量部を越えると、逆に
通電性が大となって温度変化により正特性を示さないも
のが多くなる。しかし、ポリアルキレンオキシド類化合
物の種類及び重合度、並びに炭素微細片の種類及びその
配合割合、更には、水またはプロピレングリコール等の
添加物の添加等によって正特性の表れる範囲は変動する
ので、上記範囲に限定されるものではない。
【0056】本感熱電気抵抗組成物は電力を供給すると
温度が低い間は低抵抗であるので電流が流れ、その結
果、発熱体温度が上昇し、ある温度に近づくと抵抗値が
急増するので電流は減少し、その結果発熱体は一定温度
(定常発熱温度)で発熱する(例えば図23及び図26
参照)。そして、この組成物においては、以下の〔発明
の実施の形態〕欄に示すように、(1)黒鉛粉末の配合
量、(2)ポリエチレングリコール(PEGという)類
の分子量、(3)分子量の異なるPEG同士の配合、
(4)PEGとポリプロピレングリコール(PPGとい
う。)とのブロック共重合、(5)水又はポリプロピレ
ングリコール等の添加、及び(6)膨潤する高分子物質
の添加剤等により、定常発熱温度を30〜65℃程度に
自由に設定できる。従って、これらの調整により、暖房
及び温熱に適する組成物を調製できる。また、この発熱
温度の上下変動が従来のPTCヒータに比べて格段に少
なく、温熱効果が安定していると共に、温度コントロー
ル用のサーモスタットが不要であり、電気回路構成も極
めて簡単である。
【0057】上記各発明における蓄熱剤は、融解温度が
30〜65℃(好ましくは38〜45℃)に調節された
ことを特徴とする。即ち、蓄熱剤を温めると、融解温度
にまで温度が上昇し、次いで、融解しながら潜熱を蓄え
る。そして、常温に移すと、潜熱を一定時間放熱する。
しかも、放熱温度の上下変動が極めて少なく(実質上ほ
とんどなく)、温熱効果が極めて安定している。これに
加え、この蓄熱剤の融解温度が、30〜65℃の範囲に
調整され、温熱体から放射される赤外線、とりわけ遠赤
外線が、使用者の被温熱部位を温める。
【0058】上記各発明における蓄熱剤は、上記「感熱
電気抵抗組成物」の説明で例示したポリアルキレンオキ
シド類化合物が好適に用いられる。そして、これらの化
合物のうちで、ポリエチレングリコールが好ましい。更
に、ポリエチレングリコールを用いる場合には、その平
均分子量500〜20000とすれば、これにより構成
される蓄熱剤の融解温度を、上記「30〜65℃」に調
節することが容易となり、更に好ましい。また、この他
に、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、チオ硫酸ナトリウム等の無機水和塩やパラフィン等
を用いることができる。
【0059】上記において、「電気抵抗が急変する温度
(以下、「急変温度」という。)」、及び「蓄熱剤の融
解温度」を、30〜65℃とするのは、多少の熱損失を
考慮しても、65℃を越えると、接触、若しくは近接す
る人体に熱く感じるし、30℃未満であると、余り温か
い感じがしないと考えられるからである。尚、好ましく
は、38〜42℃である。35〜65℃(特に、38〜
42℃)とすれば、これに接触、若しくは近接する人体
にとって、熱すぎない心地の良い温度であるからであ
る。
【0060】本発明の遠赤外線放射型暖房用温熱体の形
状は特に問わず、例えば、平板状でもよいし、縦断面が
L字状でもよいし、平面形状も四角形、楕円形、丸状等
でもよいし、大きさも使用する面全面の大きさでもよい
し、その一部の大きさでもよい。上記「電源コード」
は、温熱体を浴室や屋外等の湿気の多い場所にて使用す
るような場合には防水性である必要があるが、直接水に
接触することがなければ必ずしも防水性にする必要はな
い。
【0061】また、上記温熱体は、複数に分割し、該温
熱体を折り畳み可能にすることができる。折り畳んだ温
熱体により、加熱対象物(例えば、本第2発明の温熱
体)を包み込み、上記温熱体を加熱させれば、この加熱
対象物の加温装置として使用できる。また、この様に折
り畳み可能とすることにより、携帯に便利な暖房装置、
機器等を得ることが容易になる。また、温熱体が折り畳
み可能であるか否かを問わず、本温熱体に内蔵される面
状発熱素子は、大型とされた1枚の素子により構成され
ても、分割され小型とされた複数枚の素子(素子片)に
より構成されてもよい。更に、いずれの場合において
も、この面状発熱素子が、温熱体の平面形状に略沿った
面形状を有しても、温熱体に散点状、間欠状に内蔵され
ていてもよい。
【0062】また、本各発明の温熱体を、ゴム又は樹脂
から構成される被覆部により被覆することができる。こ
の被覆部は、温熱体の剛性を高めたり又は全体としての
柔軟性を付与したり、温熱体を湿気、汚れ等から保護す
るためのものである。そして、被覆部にゴムを用いる場
合、その種類は特に限定されないが、シリコンゴム若し
くはウレタンゴムが特に好ましい。これらは耐水性に優
れるとともに、液状原料を用いて常温下若しくは加熱下
において容易に型成形できるからである。但し、EP
R、EPDM等の他の熱可塑性エラストマー、更には天
然ゴム、SBR、NBR等の合成ゴムを用いることもで
きる。
【0063】また、被覆部を、ひまし油から誘導された
変成ポリオールとポリイソシアネートとを反応硬化させ
てなる、又はひまし油から誘導された変成ポリオールと
ポリイソシアネートとを反応させてなるプレポリマーを
硬化させてなるポリウレタン樹脂から構成することもで
きる。この場合、耐水性、耐湿気老化性、常温硬化性及
び成形容易性に優れることとなる。更に、被覆部の材質
として、例えば、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、更にはポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられ、成形容
易性の点では前者のポリエステル樹脂等の液状原料のも
のが好ましい。また、独立気泡型発泡樹脂(ポリエチレ
ン、ポリウレタン、ポリプロピレン等)として軽量化す
ることもできる。
【0064】また、上記各発明の面状発熱素子を、シリ
コンゴムマット又はひまし油系ポリウレタン樹脂マット
内にインサート成形したものにおいては、常温硬化させ
ることができるので、製造が極めて簡単であり、しかも
防水性、防湿性に優れ、可撓性(変形性)があって肌触
りが良く、劣化が少ない。
【0065】本発明の主体をなす遠赤外線放射型温熱体
には、適宜な方法により電力を供給することが必要であ
る。この電力の供給は、所定の電源コードを介して、A
C電源より行ってもよいが、乾電池、バッテリー等のD
C電源より行ってもよい。また、本温熱体は、AC電源
及びDC電源の双方により使用可能とされていてもよ
い。自動車室内の暖房用に利用する場合、自動車用バッ
テリーを利用できるので、大変便利である。また、乾電
池、特にコイン型電池を利用すれば、低電圧で且つ軽量
のため、利用価値が高い。更に、電源コードの中間部に
は、所定の電力変換ユニット〔商用100V電力を30
V以下(好ましくは17V以下)の電力に変換するトラ
ンス、スイッチング電源等を有するもの等〕を配置して
もよい。このユニットには、万一漏電が発生した場合を
考慮して、漏電遮断器を内蔵してもよい。
【0066】面状発熱素子に、商用電力を30V以下
(特に17V以下)の電力に変換して給電するものにお
いては、この素子が、万一漏電を起こしても、人体に与
える影響が極めて少なくなり、安全性が向上する。尚、
17V以下の電力に変換するのが特に好ましいのは、こ
の電圧が人体にほとんど危害を与えるものではないの
で、極めて安全となると共に、例えば1.5Vの乾電池
1個及びその複数個の連結によっても、作動させること
ができる。また、これら電源を面状発熱素子と一体化若
しくは直接脱着可能とする事で電源コードを不要とし、
扱いが容易となる。また、電源をシート状とするなどと
すれば嵩張らない。
【0067】次に、面状発熱体若しくは蓄熱剤と、その
輻射遠赤外線スペクトルとの関係について述べる。これ
らの発熱体はスイッチング機能により通電後、若しくは
加温後に、一定温度を保持し続けるわけであるが、この
一定温度とは30℃〜65℃程度である。黒体輻射の法
則(ウイーンの変位則)から計算すると、輻射遠赤外線
は8.7μm〜9.3μmに極大値をもつスペクトルを
与える。この温度と輻射遠赤外線波長の関係は以下に示
す通りである。 10℃(10.24μm)、30℃(9.56μm)、
40℃(9.26μm)、50℃(8.97μm)、6
0℃(8.70μm)。 的確な暖房を行う上で、30℃〜65℃程度の加熱によ
り放射される10μm弱程度の波長の遠赤外線は不可欠
と考えられる。
【0068】尚、従来の暖房装置、機器には、熱源とし
て赤外線ランプを用いるもの種々存在する。しかし、こ
のランプは、赤外線をも含む可視光線ランプであること
が多く、その放射光は波長が制御されているわけではな
いため、本当の意味での遠赤外線照射を行い難いことも
多い。これに対し、本各発明の温熱体では、放射光の波
長が的確に制御され、本当の意味での遠赤外線照射を行
う。
【0069】
【発明の実施の形態】本発明において、遠赤外線放射型
暖房用温熱体に使用される感熱電気抵抗組成物の条件を
検討するために、即ち定常発熱温度を37〜65℃(好
ましくは42〜55℃)間に調整可能とするために、ま
ず、(1)黒鉛粉末の配合量、(2)ポリエチレングリ
コール類の分子量、(3)分子量の異なるポリエチレン
グリコール(PEGという)同士の配合、(4)PEG
とポリプロピレングリコール(PPGという)とのブロ
ック共重合、(5)水又はポリプロピレングリコール等
の添加、及び(6)膨潤する高分子物質の添加剤につい
て、以下に検討する。また、(7)遠赤外線放射型温熱
体に使用される蓄熱剤について、以下に検討する。
【0070】(1)黒鉛粉末の配合量の検討 黒鉛粉末の配合量と適正な定常発熱温度との関係を調べ
るために、以下の試験を行い、その結果を第23図及び
第24図に示す。即ち、PEG(融点:49℃、分子
量:約2000)及び黒鉛粉末を、図23に示す割合で
混合した感熱電気抵抗組成物を調整し、透明なアクリル
樹脂板(260×350×2mm)とウレタンゴム板
(260×350×30mm)中に形成された間隙中に
感熱電気抵抗組成物を厚さ50mmの状態で封じ込ん
だ。そして電極を交互に感熱電気抵抗組成物中に配設し
た。また、この発熱体の中央には温度測定のための熱電
対が配設されている。この発熱体に、交流100Vの電
圧印加をして温度変化を調べた(図23参照)。この結
果によれば、黒鉛粉末の配合割合によって、定常加熱温
度を自由に設定できる。黒鉛粉末の添加を25〜33%
程度とすれば、暖房に適する40〜60℃の定常加熱温
度を確保できる。
【0071】また、図23に示す黒鉛添加率33.3%
の組成物は、ほとんど30分以内に融点の49℃近くに
なりPEGは溶融する。溶融と共に電気抵抗が500Ω
程度から1900Ω以上となり、図33に示すように、
電流値は1.5Aから0.07A以下に下がり、ある点
(キューリー点)から温度上昇がみられなくなり一定の
温度を保っている。これらの黒鉛がポリアルキレンオキ
シド類化合物に対して極めて大きな正特性が安定して得
られる理由は、いまだ十分に明らかではないが、以下に
示す理由が考えられる。即ち、黒鉛等には、構造中に存
在するπ電子により正に帯電した部分が存在する。この
部分に、アルキレンオキシドの酸素の孤立電子が配位可
能である。従って、このポリアルキレンオキシド類化合
物に含まれるエーテル酸素の孤立電子と、黒鉛に含まれ
る製に帯電した部分とが相互作用を及ぼして配位するた
めに、黒鉛粒子などの優れた分散が得られるものと考え
られる。このことは、以下に記す「(5)水又はポリプ
ロピレングリコール等の添加」の項からも類推できる。
即ち、水又はポリプロピレングリコールには、孤立電子
を有する酸素がある。この酸素の孤立電子が、黒鉛等と
ポリアルキレンオキシド類化合物とが配位することを妨
害するものと考えられ、そのために水等が先に黒鉛等と
相互作用を及ぼす。そのため、急変する温度が容易に下
がるものと考えられる。
【0072】一方、黒鉛25%を含有する組成物におい
て加熱時間による経過を調べると、まず、電圧印加によ
って電極付近から5分間以内に完全に溶融してしまう。
温度変化をみると、2時間位の通電によって最高温度4
2℃になっている。以後は自己温度調節機能が働いて同
じ温度を保持しているのである。この状態で6時間30
分経過後電圧印加を止めた(図24参照)。尚、従来の
チタン酸バリウム系感熱抵抗素子の場合は、直ちに常温
に戻ってしまう。しかし、PEGを用いた本例では、通
電を止めた後1時間30分もの長い間にわたって同一温
度を保っている。そして、その後徐々に温度は下がり、
完全に常温に戻るのは通電を止めた後7時間以上経過し
てからであり、長期の保温性に優れる。の原因は、溶
融状態のPEGが大きな潜熱を蓄え、凝固とともに熱を
放散するためである。
【0073】(2)ポリエチレングリコールの分子量の
検討 PEGは#600(融点:約18℃、第一工業製薬株式
会社製)、#600+#1000(比率7:3)、#1
000(融点:約37℃)、#1540(融点:43〜
46℃)、#2000(融点:50〜51℃)、#40
00、#6000(融点:56〜61℃)、#1000
0及び#20000のものを用いた。これらの数字は、
そのPEGの略平均分子量の数字を示す。尚、#400
0のPEGの分子量は3050であり、#6000のP
EGの分子量は8200である。これらをそれぞれ溶融
状態にまで加熱し、その後、それぞれに黒鉛(西村黒鉛
株式会社製、「90−300M」、平均300メッシ
ュ、13μmの大きさ)を27重量%(但し、#600
の場合のみ28重量%)添加し、通常の混合機により撹
拌混合した。その後、300×80mmの内面に繊維層
を取着したポリエチレンテレフタレート製フィルム(1
10μm)を用いて、この組成物(層厚さ;80μm)
をサンドイッチ状にし、両側へ幅6mm、厚さ80mm
の鋸歯状の銅製電極を設けて、素子を製作した。
【0074】上記各素子に100V印加後の経過時間毎
の発熱温度を測定し、その結果を図25に示した。更
に、図25に示す20分後の発熱温度とPEGの分子量
との関係を図34に示す。これらの図に示すように、分
子量を変えることにより、この温度を自由に調整でき
る。また、暖房用としては、分子量が1000〜600
0程度(同温度;33〜56℃程度)が好ましいことが
判る。尚、この図25の結果は、黒鉛(西村黒鉛株式会
社製、「90−300M」)を27重量%含むものであ
り、この組成物層は80×3000×80mmであり、
鋸歯状の銅製電極を用い、印加電圧は100Vである。
また、PEGは第一工業製薬製の「#600」(分子
量:600)、「#4000」(分子量:3050)、
「#6000」(分子量:8200)を使用した。
【0075】(3)分子量の異なるポリエチレングリコ
ール同士の混合 分子量100万の超高分子PEGと、分子量40万の中
分子PEGと、3000〜8000程度の低分子PEG
とを、各々配合して、その場合の定常加熱温度を調べ、
その結果を表2並びに図26及び図27に示した。
【0076】
【表2】
【0077】これらの結果によれば、その組み合わせに
よって定常加熱温度を調節できる。これらのデータにお
いても、この温度が感熱電気抵抗素子に適する51〜5
5℃程度の目的のものが得られている。
【0078】尚、これらの結果は、以下のようにして素
子を製作し、測定した。即ち、トルエン95重量部に対
して平均分子量約100万のポリエチレングリコール
(ユニオンカーバイド・Polyox(WSR N-12K) )5部を混
合し、ポリマーが十分溶解した後、鱗片状黒鉛(西村黒
鉛株式会社製、「90−300M」)1.58部を分散
させた。予め、ガラス板上に網状のシールド線を電極と
してセットし、これに対して前述の溶液を流して乾燥さ
せ、電極間距離76mm、長さ30cmの面状発熱体を
形成し、真空乾燥して溶媒を除去した。得られた面状発
熱体は柔軟性に非常に優れている。即ち、分子量の高い
ポリエチレングリコールは柔軟性を示すのでこれを用い
ればフレキシブルな面状発熱体が得られる。これを厚さ
5mmの発泡ウレタンシートで上下を覆い、AC100
Vを印加した後の各時刻における発熱温度と抵抗の関係
を調べた。
【0079】(4)PEGとPPGとのブロック共重合
体の使用について ポリプロピレングリコールの分子の両側にポリエチレン
グリコールを反応させた共重合体であるプルロニック
(旭電化工業株式会社製、「F88」)70gとグラフ
ァイトカーボン(米山薬品工業製)30gの組成物を加
熱溶融し、繊維付きポリエステルシートに銅箔電極を接
着したもの2枚の間にシリコン製スペーサネットと共に
はさみ込んで面状発熱体とした。面状発熱体の一方の面
にアルミ箔を接着して放熱板とし、温度センサーを装着
して50mm断熱材2枚の間にはさみ込んで単一乾電池
数個を並列につないだ1.5VDC電源により通電し、
各時間における温度を図30及び図31に示した。尚、
図31に示す結果は、グラファイトカーボン量が28重
量%のものを用いた。これらの結果に示すように、定常
加熱温度が40〜50℃という暖房用に適したものが得
られている。また、図30に示すように、乾電池1個
(1.5V)の電源であっても、100VACと同様
に、適正の発熱挙動を示した。
【0080】(5)水又はポリプレピレングリコール等
の添加 水等の添加 水等の添加剤の影響について試験を行い、その結果を図
28に示す。この結果によれば、水の添加量を変えるこ
とにより、容易にその温度を変えることができる。ま
た、同図に示すように、37〜65℃の範囲の組成物が
得られている。尚、これらの結果は、以下のようにして
素子を製作し、測定した。即ち、ポリエチレングリコー
ル(第一工業製薬製、「#6000」、分子量:約82
00)と黒鉛粉末(米山薬品工業製、28重量%)と所
定量の水の混合物を加熱溶融して、これを300×80
×0.11の繊維付きポリエステルシートの2枚の間に
入れ、全体を厚さ300μmのシート状にした。電極は
幅6mm、厚さ80μmのジグザグ状の銅テープ電極を
用いた。尚、この面状発熱体の一方の面に厚さ50μm
のアルミ箔を接着して放熱板とした。AC100V通電
後各時間における温度を測定した。同図に示されるよう
に、定常発熱温度は水の添加により低下し、また、水の
添加による抵抗値増加もはっきりとみられる。
【0081】更に、水以外に、アルコール、カルボン酸
又は側鎖を有するポリアルキレングリコールの一種又は
二種以上を添加することによっても、同様に調節でき
る。尚、水は調節剤としての添加効果が極めて大きい
が、揮発性が大きな点で密閉系での使用に限定される。
このアルコールとしては、エチルアルコール、プロピル
アルコール、セチルアルコールのような高級アルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ペンチトールのような多価アルコール等を用い
ることもできる。このカルボン酸も低級でも高級でもよ
い。
【0082】ポリプレピレングリコールの添加 まず、ポリエチレングリコール(PG、#6000)−
黒鉛(GC)系に3種のプルロニック(旭電化工業株式
会社製)「F−68」、「F−88」及び「F−10
8」を加えて、以下に示す組成物を調製した。尚、ポリ
プロピレングリコールの分子量(Mn)は「F−68」
が1750、「F−88」が2250、「F−108」
が3250である。
【0083】
【表3】
【0084】これら4種の組成物をそれぞれ加熱溶融
し、繊維付きポリエステルシート(シート部50μm、
厚さ300μmの面状発熱体とした。この面状発熱体の
両面に、水等の添加と同じアルミ箔を接着して放熱板
とし、これを50mmの発泡ポリウレタン断熱材2枚の
間にはさんで、温度センサーをつけ、AC100V通電
後、各時間における温度を測定し、表3に示した。この
表3からわかるように、3種のプルロニックの添加によ
って定常発熱温度が低下する。注目すべきことはプルロ
ニックのポリプロピレングリコール分子量の大きさに従
って発熱が低下することである。このことは、黒鉛のエ
ーテル結合酸素の不対電子への配位の妨げが大きいもの
程、その温度の低下が大きいものと考えられる。
【0085】更に、上記結果を考慮して、以下に示すよ
うに、定常発熱温度45℃の組成物A及び定常発熱温度
35℃のBを調製した。 組成物A; PG(#6000) 50g(35.72wt%) PG(#2000) 50g(35.72wt%) プルロニックF−68 5g (3.57wt%) GC 35g(25wt%) 組成物B; PG(#4000) 50g(35.72wt%) PG(#1000) 50g(35.72wt%) プルロニックF−68 5g (3.57wt%) GC 35g(25wt%)
【0086】(6)膨潤する高分子物質の添加効果 膨潤する高分子物質を添加することもできる。この添加
により、高圧(200V)であっても、図29(ポリビ
ニルピロリドンの場合)に示すように、安定な挙動を示
すことが判る。即ち、100Vの時はほぼ44.5℃で
安定し、200Vの時も約53℃で安定した。比較例と
して、上記混合物からポリビニルピロリドンを除去した
発熱体の場合を同図の中に点線でC及びDに示した。こ
の物質としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、澱
粉、可溶性澱粉、セルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、寒天、カゼイン、ゼラチン等
とすることができる。この添加量は、僅か0.3%の添
加で顕著な効果を示す。従って、定常加熱温度が37〜
65℃程度の組成物に更に、この添加物を添加すること
により、より安定な性能を備えるものとすることができ
る。尚、これらの結果は、上記(5)で示す方法により
素子を製作し、測定した。
【0087】(7)遠赤外線放射型温熱体に使用される
蓄熱剤について 蓄熱剤32としては、分子量500〜20000の混合
物であり平均分子量が約2000のポリエチレングリコ
ールを用いている。これは、融解温度を37〜65℃に
調節することが容易なためである。また、この混合物量
が300gの場合、発熱持続時間は常温で約3時間であ
る。更に、ポリエチレングリコールを用いるのは、人体
に害を与える心配がなく、コストを低く抑えることがで
きるからである。但し、蓄熱剤32の材質は、これに限
定されない。
【0088】〔実施例1〕本実施例1では、図1に示す
様に、洋式机(事務用、勉強用の机等)2のレッグホー
ル部22の側面221、222、223、224に配置
して用いられる足温器1Aについて述べる。このうち、
足温器1Aは、図3及び図8に示す様に、自己温度調節
型面状発熱素子122と、この表裏両面に配置されたひ
まし油系ポリウレタン樹脂マット(被覆部)129と、
電源コード(図示を省略する)とを備えた、加熱型暖房
用温熱体12である。但し、図6に示す様に、面状発熱
素子122の裏面(レッグホール部22の側面と接する
面)に熱損失を防ぐための断熱材128が接合すること
もできる。また、樹脂マット129をシリコンゴム等の
他の素材で作製することもできる。
【0089】また、この面状発熱素子122は、図3に
示す様に、ポリエチレングリコール(第一工業製薬製、
分子量;約2000、融点;49℃」)に炭素粉末(黒
鉛粉末、米山薬品工業製)を均一に分散させて作った感
熱抵抗組成物1222を用い、この組成物1222を電
極1223と混在(配置)させて面状に圧延成形すると
共に、その表裏両面を、内面に不織布が接合されたポリ
エチレンテレフタレート製フィルム1229で挟み込ん
だものである。この場合、ポリエチレングリコールに分
散させる炭素粉末は、各種の形態のものを利用でき、例
えば、無定形のカーボンブラックから結晶形の黒鉛まで
幅広く利用でき、その混合割合を25〜33重量%の範
囲内で設定することが好ましい。但し、アセチレンブラ
ックのように嵩比重の小さい炭素粉末は、混合割合を少
なめにし、黒鉛のような嵩比重の大きな炭素粉末は、混
合割合を多めに設定することが好ましい。本感熱電気抵
抗組成物は、電力を供給すると温度が低い間は抵抗が低
いので電流が流れ、その結果、発熱体温度が上昇し、あ
る温度に近づくと抵抗値が急増するので電流は減少し、
その結果発熱体は一定温度(定常発熱温度)で発熱する
(例えば図23及び図26参照)。
【0090】尚、炭素粉末の混合割合が5重量%以上2
5%未満、及び33重量%を越えて45重量%以下の場
合であっても、前記に示すように、黒鉛量、PEGの分
子量及び水の添加等により、目的とする30〜65℃の
定常加熱温度に調整することができる。但し、加熱型暖
房用温熱体12全体の定常加熱温度が、一様とされる必
要はなく、例えばその中央に近接する箇所の温度を高め
にする等の選択も可能である。このように構成された面
状発熱素子122の特長は、ポリエチレングリコールの
分子量を例えば500〜20000程度の範囲で適宜設
定することにより、所望の発熱温度を任意に設定できる
ことである。しかも、この発熱温度の上下変動が従来の
PTCヒータに比べて格段に少なく、素子全面で温熱効
果が安定していると共に、温度コントロール用のサーモ
スタットも不要である。
【0091】特に、面状発熱素子が30〜65℃の範囲
で放熱を行う場合には、赤外線、とりわけ遠赤外線を放
射して、被温熱部位を芯から温めることとなる。そし
て、温熱効果及び遠赤外線効果の相乗効果により、使用
者の体の芯から温めることができる。例えば、この温熱
体を本第8発明に示す様なマット形状とし、足の下に敷
いて使用すれば、冬季に机に向かって仕事や勉強を行う
場合に、足元の凍傷が防止され、更に冬に悪くなりがち
な血行を良くすることができる。そして、この温熱効果
と、遠赤外線効果の相乗効果とにより、身体の芯から温
められることとなる。
【0092】そして、この足温器1A(加熱型温熱体1
2)は、例えば、以下の様に製造される。先ず、ひまし
油から誘導されたポリオール(伊藤製油株式会社製:商
品名「URIC H」)とポリイソシアネート(例え
ば、TDI)とを配合して、数分間混合攪拌して作った
ひまし油系ポリウレタンの原液(図5参照)を成形型内
に所定量注入する。尚、ひまし油から誘導されたポリオ
ールとイソシアネートとを反応させて得たプレポリマー
(伊藤製油株式会社製:商品名「URIC N」)と触
媒を配合した原液を用いることもできる。
【0093】この成形型内には、予め面状発熱素子12
2が水平に浮かせた状態にセットされ、ひまし油系ポリ
ウレタンの原液を成形型内に所定量注入することで、面
状発熱素子122がひまし油系ポリウレタンの原液の中
央に位置した状態となる。但し、図6に示す様に、面状
発熱素子122の裏面に、断熱材128を配置する場合
には、成形型内に、面状発熱素子122と共に断熱材1
28もセットされることとなる。
【0094】そして、この状態で、1時間程度、常温で
放置すると、ひまし油系ポリウレタンの原液が硬化し始
め、その後、15時間程度経過すると、完全に硬化し、
ひまし油系ポリウレタン樹脂マット129内に面状発熱
素子122をインサート成形した加熱型暖房用温熱体1
2ができあがる。但し、面状発熱素子122の表裏両面
に配置される樹脂マット129を予め、成形しておい
て、その対応する周縁部同士を接着、溶着、縫い合わせ
等して袋状体を形成し、この中に面状発熱素子122を
収納した構成とすることもできる。
【0095】そして、この様にして製造される足温器1
Aは、製造が極めて簡単であることに加え、防水性、防
湿性に優れ、可撓性(変形性)があって肌触りが良く、
劣化が少なく、長期間にわたって安定した防水性、防湿
性を維持できる。この様なひまし油系ポリウレタン樹脂
マット129内に面状発熱素子122をインサート成形
することで、面状発熱素子122に対する防水対策が万
全なものになる。
【0096】また、本温熱体を用いる暖房装置、機器等
の構造は簡易なものとし易い。更に、この温熱体を備え
る暖房装置、機器では、温度コントロール用のサーモス
タット等が不要であると共に、電気回路構成も極めて簡
単にできる。従って、軽量で、取扱いが容易で、安全で
あり、安価な暖房装置、機器等を得ることが容易であ
る。
【0097】上記電源コード127の中間部には、所定
の電力変換ユニットが配置されている(図示を省略す
る。)。このユニットは、商用100V電力を30V以
下(好ましくは17V以下)の電力に変換するトラン
ス、スイッチング電源等を有するものである。また、こ
のユニットには、万一漏電が発生した場合を考慮して、
漏電遮断器(図示せず)を内蔵してもよい。但し、この
漏電遮断器を備えていなくても、この電力変換ユニット
によって、面状発熱素子122に加わる電圧が30V以
下とされるため、安全である。尚、本実施例では、電源
コード127を備えているが、この電源コード127の
代わりに、若しくはこの電源コード127(この場合、
電源コード127を折り畳み式、若しくは脱着可能なも
のとすることが望ましい。)と共に、携帯に適した電力
供給部(電池ボックス及び乾電池、若しくはバッテリー
等)を備えたものとしてもよい。また、電力供給部を電
源コート127を介さず、面状発熱素子122と一体型
としてもよい。
【0098】以上の様に、本足温器1Aは、製造が容易
で、安全性に優れると共に、以下の様な効果を発揮す
る。即ち、加熱型暖房用温熱体12により放射される赤
外線、とりわけ遠赤外線は、使用者の手元を内部から直
接温める。これに加え、面状発熱素子122は非常に安
定した温熱効果を発する。そして、温熱効果及び遠赤外
線効果の相乗効果により、机2に向かって仕事をした
り、勉強をする者は、体の芯から温められることとな
る。また、本足温器1Aは、構造が簡易であり、しか
も、温度コントロール用のサーモスタット等が不要であ
ると共に、電気回路構成も極めて簡単にできる。従っ
て、軽量で、取扱いが容易で、安価に製造できる。更
に、この様に、効率の良い加温や遠赤外線の放射が可能
なため、使用電力を節減でき、省エネルギーの観点から
も好ましい。
【0099】また、本足温器1Aと、ストーブ、温風フ
ァン、エアーコンディショナー等の在来の暖房装置、機
器とを併用すれば、より効率的で、より低コストの暖房
を行うことができる。更に、この併用により、在来の暖
房装置の暖房温度を低めに設定しても、十分に温かいた
め、上記「頭寒足熱の状態」を実現し易い。但し、本足
温器1Aのみを用いて暖房を行ってもよい。また、携帯
用の電力供給部を備える場合には、電源コード127に
よる電力供給が困難な野外においても好適に用いられ
る。
【0100】尚、本実施例では、図1に示す様に、足温
器1Aを机2のレッグホール部22の側面221、22
2、223、224に配置しているが、この温熱体1A
の配置箇所は、これに限定されず、例えば天板部24の
表面241上に配置してもよい。また、机2の配置され
る床面のうちで、レッグホール部22の下方に位置し、
使用者の脚先が到達する脚先配置面23に配置してもよ
い。また、足温器1Aは対象となる面221、222、
223、224より離脱しない様に、足温器1Aを面フ
ァスナー、両面テープ等を介して、確実に固定すること
が好ましい。また、机2の配置される床面のうちで、レ
ッグホール部22の下方に位置し、使用者の足先が到達
する足先配置面23に配置してもよい。
【0101】更に、天板部24の表面241、各レッグ
ホール部22の側面221、222、223、223及
び脚先配置面23の計6面より選ばれる2以上の面に、
足温器1Aを配置して、より効率的な暖房を行うことも
できる。また、机2の2以上の面に対して、足温器1A
を配置する場合には、各面に配置される足温器1A毎
に、放熱温度が異なっていてもよい。例えば、使用者の
体と接触することが少ないレッグホール部22の側面2
21、222、223、223上の加熱型温熱体12の
放熱温度を高めにし、使用者の腕部が直接、接触する天
板部24の表面241上の足温器1Aや、使用者の足先
が接触する脚先配置面23上の足温器1Aの放熱温度を
低めにする等の選択を行うこともできる。尚、上記レッ
グホール部22の側面221、222、223、223
の数、形状等は、目的とする机2の形状等により異な
る。また、机2と共に用いられる椅子に、上記足温器1
Aを配置し、使用者の尻部を温めることもできる。
【0102】〔実施例2〕本実施例2の足温器1Bは、
図9に示す様に、和式机2(座敷机、文机、ちゃぶ台及
びやぐらこたつ等)の天板部24の裏面242に取着し
て用いられる。この足温器1Bは、略平面矩形状(85
mm×115mm×10mm)の外形とされている。そ
して、図2に示す様に、外袋119と、この内部に収納
された蓄熱剤111とを備えた蓄熱型暖房用温熱体11
を備えている。
【0103】このうち、外袋119は、熱可塑性合成樹
脂シートの周縁部を熱溶着し、熱溶着縁119を形成し
た密閉袋である。この樹脂シートの材質は適宜、選択さ
れるが、蓄熱型温熱体11全体が、後に電子レンジや熱
湯等で加熱されることを考えれば、融点が100℃以上
のものであることが望ましい。例えば、エチレン・ビニ
ルアールコールの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、塩素化ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等
のシートを挙げることができる。これらのシートは、単
層シートであってもよいが、本実施例では、強度を上げ
るために積層シートを用いた。この積層シート119と
しては、エチレン・酢酸ビニル共重合体シート又はエチ
レン・ビニルアールコールの共重合体のシートと、ポリ
エステルシートと、ナイロンシートとを順次積層したも
のを例示できる。
【0104】上記蓄熱剤111としては、分子量500
〜6000の混合物であり平均分子量が約2000のポ
リエチレングリコールを用いている。これは、融解温度
を30〜65℃に調節することが容易なためである。特
に、融解温度を36〜45℃程度とするには、通常、平
均分子量を800〜2000程度とする。また、ポリエ
チレングリコールは、人体に害を与える心配がなく、コ
ストを低く抑えることができるからである。但し、蓄熱
剤111の材質は、これに限定されない。そして、この
蓄熱型暖房用温熱体11は、和式机3の天板部24の裏
面242から突出する係止部材を用いて、この裏面24
2に取着される。但し、蓄熱型温熱体11の係止方法
は、これに限定されるものではなく、例えば、面ファス
ナ、両面テープ等を用いて行ってもよい。
【0105】尚、本実施例2では、この天板部24の裏
面242から複数組の係止部材を突出させ、各組毎に、
それぞれ、各蓄熱型温熱体11を取着しているが、蓄熱
型温熱体11自体を大型にすれば、この係止部材の組数
を減らす(例えば、1組にする。)こともできる。その
反面、本実施例の様に、複数の蓄熱型温熱体11を取着
可能とした場合には、この天板部24の裏面242に取
着する蓄熱型温熱体11の数を自由に調整できるメリッ
トがある。具体的には、十分に温まりたい場合(例え
ば、冬季)には、蓄熱型温熱体11の取着数を増やし、
余り温める必要がない場合(例えば、春先)には、蓄熱
型温熱体11の取着数を減らすという選択が可能とな
る。
【0106】本発明では、蓄熱剤111が、上記実施例
1の面状発熱素子の作用を行うこととなる。即ち、蓄熱
剤111を温めると、融解温度にまで温度が上昇し、次
いで、融解しながら潜熱を蓄える。そして、常温に移す
と、凝固しながら潜熱を一定時間放熱する。しかも、放
熱温度の上下変動が極めて少なく(実質上ほとんどな
く)、温熱効果が極めて安定している。これに加え、こ
の蓄熱剤111の融解温度が、30〜65℃の範囲に調
整され、温熱体から放射される赤外線、とりわけ遠赤外
線が、使用者の被温熱部位を温める。尚、本蓄熱型温熱
体11の使用数は、1以上であれば特に問わない。
【0107】次に、以上の足温器1B(蓄熱型温熱体1
1)の使用例を述べる。先ず、蓄熱型温熱体11を熱湯
中に入れるか、電子レンジに入れて加温する。次いで、
この蓄熱型温熱体11を、天板部24の裏面242に取
着すれば、使用状態となる。但し、本足温器1Bでは、
上記加温により、蓄熱剤111の溶解している部分と、
軟化している部分とが混在することが多い。この場合、
天板部24の裏面242に取着する前に、蓄熱型温熱体
11をもみほぐして蓄熱剤全体を溶解させることが好ま
しい。そして、この蓄熱型温熱体11は、熱湯により約
5分間程度加温した場合、若しくは電子レンジ(500
W出力)により約1分間加温した場合に、加温後、約1
分たったところで、(例えば)約42℃の放熱を行い、
これを約1時間、維持する。この様に、本足温器1Bで
は、所望の放熱温度を設定できると共に、面状発熱素子
の発熱温度の上下変動が極めて少なく(実質上ほとんど
なく)、温熱効果が極めて安定している。従って、使用
者の被温熱部位を、略一定の温度で加温できる。
【0108】本実施例の足温器1Bも、実施例1の足温
器1Aと同様な効果を示す。また、この足温器1Bも、
在来の暖房装置、機器との併用で、より効率的で、より
低コストの暖房を行うことができ、また、上記「頭寒足
熱の状態」を実現し易くなる。更に、この足温器1B単
独で暖房を行ってもよい。尚、本実施例の蓄熱型温熱体
11を、図1に示した洋式机2に対して取着することも
できる。即ち、レッグホール部22の側面221、22
2、223、224から選ばれる1以上の面等から、上
記係止部材と同様な係止部材を突出させ、これを用いて
蓄熱型温熱体11を係止してもよい。
【0109】尚、本実施例で用いた蓄熱剤111は、一
度の加熱による放熱時間が約1時間とされているが、外
袋119に収納されるポリエチレングリコールの量を増
量させれば、この放熱時間を長くすることができる。ま
た、ポリエチレングリコールの平均分子量を選択すれ
ば、上記放熱温度を30〜65℃の範囲で適宜、選択で
きる。
【0110】また、本実施例の蓄熱型温熱体11に、図
7に示す様な蓄熱剤溶解器14を付加すると利便性が更
に向上する。この溶解器14は、内部に、実施例1の面
状発熱素子122と同様な素子を2分割した面状発熱素
子142を配置した樹脂マット149を用いて構成され
ている。そして、この樹脂マット149は、中間部で2
つ折りにされ、2つ折りされた内部空間147に蓄熱型
温熱体11を挟み込んで加熱するものである。尚、この
加熱は、使用する蓄熱剤111の溶融温度以上に行われ
る。また、面状発熱素子142の可撓性が十分であり、
略U字に湾曲させても不都合がない場合には、この様な
分割を敢えて行う必要はない。更に、面状発熱素子14
2の分割数は3以上であってもよい。そして、この溶解
器14を用いれば、熱湯、電子レンジ等を用いずに、蓄
熱型温熱体11の蓄熱剤111の溶解を容易に行うこと
ができ、利便性が更に向上する。
【0111】更に、机2の天板部24の裏面242に取
着される全ての蓄熱型温熱体11(以下、「第1温熱体
群」とする。)とは別に、これと同数の蓄熱型温熱体1
1(以下、「第2温熱体群」とする。)を用意すれば、
利便性は更に一層向上する。即ち、予め加熱された第1
温熱体群を上記天板部24の裏面242に取着し、第2
温熱体群を待機状態にしておく。そして、第1温熱体群
の放熱温度が低下する時期までには、熱湯、電子レンジ
及び蓄熱剤溶解器14等を用いて第2温熱体群の加熱を
行い、第2温熱体群を使用可能な状態とする。そして、
第1温熱体群の放熱温度が低下した所で、発熱可能な状
体となった第2温熱体群と取り替えれば、継続的な加温
を行うことができる。更に、第1温熱体群と、第2温熱
体群とを交互に取り替えて使用すれば、より長時間の加
温が可能となる。
【0112】また、この蓄熱剤溶解器14への電力の供
給を、乾電池、バッテリー等の可搬可能な電源によって
も可能とすることで、本蓄熱型温熱体11を野外におい
ても好適に使用できる。例えば、キャンプ用の和式、若
しくは洋式の机の天板部の裏面より、上記係止部材を突
出させると共に、この係止部材を用いて、この裏面に、
この蓄熱剤溶解器14を用いて加熱された蓄熱型温熱体
11を取着する。これと共に、天板部の表面より、布団
を被せれば、キャンプ用の机が、即席のこたつとして使
用できることとなる。また、この蓄熱剤溶解器14自体
が、暖房用、若しくは温熱用に用いられてもよい。例え
ば、使用者の特に加温を行いたい部位(例えば、冷え性
の女性の脚部等)をある場合には、この部位を、この溶
解器14で巻き込んで、加温することもできる。
【0113】更に、本蓄熱型温熱体11の加熱方法は、
上述した熱湯、電子レンジ若しくは蓄熱剤溶解器14を
用いる方法に限定されず、種々選択される。例えば、本
蓄熱型温熱体11を、在来の暖房装置、機器と併用する
場合には、これらの装置、機器が発する熱を利用するこ
とができる。例えば、ストーブや、エアーコンディショ
ナー等の近くに、本蓄熱型温熱体11を配置して蓄熱剤
111の溶解を行うこともできる。また、熱湯を利用す
る場合においても、この熱湯をストーブ等の熱を用いて
沸かしてもよい。この場合、本蓄熱型温熱体11のラン
ニングコストが、更に低減できることとなる。また、本
蓄熱型温熱体11は、野外で沸かした熱湯(キャンプフ
ァイアー、焚き火等を用いて沸かした熱湯)を利用して
加熱してもよい。
【0114】更に、自動車のエンジンの余熱等を利用し
て、この蓄熱型温熱体11の加熱を行うこともできる。
この場合、蓄熱型温熱体11は、乗員が身につけたり、
乗員の周囲に取着したり(例えば、ドアの室内面に取着
する。)、自動車用の座布団、敷物等の下に敷く等して
用いられる。かかる場合には、自動車内を暖房するため
のヒーターの設定温度をやや低目にしても、ドライバー
は寒く感じないため、自動車内の温め過ぎを防止して、
居眠り運転の防止を図ることもできる。尚、この場合、
自動車のエンジンルーム内に、蓄熱型温熱体11を収納
し、蓄熱剤111の溶解を行うためのケースを配置する
こともできる。また、この自動車のエンジンの余熱を利
用する方法は、本蓄熱型温熱体11を野外において使用
する場合の加熱方法としても好適である。そして、実施
例1及び2から判る様に、本第1発明等に示す温熱体
は、洋風の生活シーンにおいても、和風の生活シーンに
おいても、好適に用いることができる。
【0115】〔実施例3〕本実施例3の足温器1Cは、
実施例1及び2と同様に、例えば図1に示す、机(洋式
でも、和式でもよい。)2の天板部24の裏面242に
取着して用いられる。この足温器1Cは、図4に示すよ
うに、実施例1及び2と同様な外袋139と、蓄熱剤1
31と、外袋139内に所定の電源コード137の取着
された面状発熱素子132と、を備える加熱・蓄熱型暖
房用温熱体13である。この面状発熱素子132は、実
施例1で述べられた面状発熱素子122と同様の構造を
もって構成されている。この場合、通常は面状発熱素子
132の急変温度が、蓄熱剤の融解温度より大きいもの
である。このため、蓄熱剤131を融解させてから電源
を止めても蓄熱剤131の放熱によって足温器1Cが使
用できるし、水に濡れても安全である。
【0116】上記面状発熱素子132は実施例1と同様
に、電源コード137を通じて電力が供給されると、上
下動が殆ど無い状態で、効率良く、蓄熱材131を加熱
する。そして、この蓄熱材131が放熱を行い、実施例
1及び2と同様な効果が得られる他、以下の効果が得ら
れる。即ち、面状発熱素子132が、蓄熱剤131の熱
源を外袋139内に配置した構造であるため、蓄熱剤1
31の融解を行う際に、一々、面状発熱素子132を天
板部24より取り外す必要がない。従って、本実施例の
足温器1Cは、実施例2の足温器1Bよりも、更に利便
性が高い。
【0117】本実施例では、上記加熱型温熱体12に備
える面状発熱素子122と同様の面状発熱素子132
を、上記外袋内に配置している。この面状発熱素子13
2によって、実施例1と同様の作用を奏すると共に、蓄
熱剤131の熱源としての面状発熱素子132を備える
ため、蓄熱剤131を融解させる際に、加熱・蓄熱型温
熱体13を、その取着箇所より取り外す必要がない。但
し、本実施例に示す蓄熱剤131の熱源は、共に備えら
れた面状発熱素子132に限定されるものではなく、電
子レンジ、熱湯等を用いて、この蓄熱剤131の融解を
行うことができる。また、本実施例2に挙げている蓄熱
剤溶解器14を、蓄熱剤131の熱源とすることもでき
る。
【0118】特に、電源コード137を用いて適宜、給
電を行えば、蓄熱剤131の放熱温度が低下した場合で
も、この蓄熱剤131の再度の融解を行って、この温度
を高めることができ、長時間(1時間以上)に渡る継続
使用が容易になる点で大きな意義を有している。また、
連続して面状発熱素子132を通電して使用する場合に
おいて、電源の瞬間的な電圧変動によって面状発熱素子
132の発熱量の変化が起きても、蓄熱剤131の吸放
熱によって平坦化し、温度変化が極めて抑えられること
ができる。更に電力供給が止まり、面状発熱素子132
による発熱がなくなっても蓄熱剤131による数時間に
及ぶ発熱が得られ、急激な温度低下を抑えることがで
き、不快感を押さえられる。
【0119】尚、本実施例では、机2の天板部24の裏
面242に取着して用いられる足温器1C(加熱・蓄熱
型温熱体13)について述べているが、この足温器1C
を机2の他の面(例えば天板部24の表面241や、他
のレッグホール部22の側面221、222、223、
224等)に取着してもよい。また、脚先載置面に配置
したり、座布団、カーペットの下に敷いたり、堀ごたつ
の穴内に配置することもできる。
【0120】〔実施例4〕図9に示す本実施例の足温器
1Dは、「堀ごたつ本体」用として好適に用いられるも
のである。この足温器1Dも、実施例1の足温器1Aと
同様な構造を備えている。そして、この足温器1Dは、
図9に示す様に、加熱型暖房用温熱体12を、堀ごたつ
3用の凹部空間32の底面321に載置して用いられ
る。尚、本足温器1Dを、この凹部空間32の底面32
1の代わりに、若しくは凹部空間32の底面321と共
に、凹部空間32の側壁322に取着してもよい。但
し、この場合には、足温器1を凹部空間側壁322に対
して、螺子、フック、面ファスナー、両面テープ等の係
止部材を用いて固定することが望ましい。この足温器1
Dも、実施例1の足温器1Aと同様な効果(但し、使用
者の被加温部位は異なる。)を発揮する。特に、加熱源
として、ヒーター、赤外線ランプ、練炭等を用いる在来
の堀ごたつに比べ、ランニングコストが、大きく低減さ
れる点で大きな意義を有している。更に、足温器1Dに
備える温熱体は、加熱型温熱体12のみではなく、実施
例2に用いられる蓄熱型温熱体11や、実施例3に用い
られる加熱・蓄熱型温熱体13としたり、各温熱体を併
用してもよい。
【0121】〔実施例5〕本実施例5は、図10(平面
図)及び図11(使用状態を示す説明断面図)に示す、
座布団4の内部に遠赤外線放射型暖房用加熱型温熱体1
2を配設される足温器1Eとに関するものである。本足
温器1Eに備えられる加熱型暖房用温熱体12は、座布
団4内部の上方(又は中央、若しくは下方)に脱着でき
ないよう収容され、電源コード(図示を省略する)を座
布団4より延出する。尚、この温熱体12を収容する座
布団4内部の空間が温熱体収容部42となる。この加熱
型暖房用温熱体12は、実施例1の足温器1Aに備えら
れた加熱型温熱体12と同様の構造を備えることによっ
て、同様な温熱効果を持つ。
【0122】また、使用者の選択により、足温器1Eと
足温器1A等を同時に使用しても、一方のみを使用して
もよい。更に温熱体収容部42を座布団4の表面(上下
を問わない)に設け、表面に温熱体12を設けてもよ
い。この場合においては、温熱体12を面ファスナーや
接着剤等を用いて座布団4の表面に固定してもよい。ま
た、温熱体収容部42内の温熱体12は脱着できないと
したが、任意の脱着手段を設けて温熱体12を脱着可能
としてもよい。この脱着手段の例として、座布団4の一
面(又は表裏面、若しくは側面)を開口し、この開口部
分を袋状の温熱体収容部42と接続することによってポ
ケット状とし、温熱体12を出し入れすることが挙げら
れる。更に、開口部分をファスナー、ボタン、面ファス
ナー等によって開閉可能とし、不用意に温熱体12が温
熱体収容部42から脱離しないようにしてもよい。
【0123】足温器1Eに備える温熱体は、加熱型温熱
体12のみではなく、実施例3に用いられる加熱・蓄熱
型温熱体13や、実施例2に用いられる蓄熱型温熱体1
1としてもよいし、また、各温熱体を併用してもよい。
この加熱・蓄熱型温熱体13を用いる場合は、上記の加
熱型温熱体12における使用方法と同様に使用すること
ができる。更に、あらかじめ面状発熱素子132や外部
の加熱手段によって蓄熱剤131を加熱融解させたのち
は、電源がなくても蓄熱剤131の放熱によって温熱効
果を得ることができる。また、電源は座布団4の任意の
表面にコネクタを設け、電源コードを脱着可能としても
よい。更に、電源にバッテリー等を用いて、温熱体収容
部42内に温熱体12、13とともに設けたり、温熱体
12、13と一体型とする等をして、電源コードを不要
としてもよい。一方、蓄熱型温熱体11を用いる場合
は、電源コードは不要であり、携帯性に優れる。また、
蓄熱剤111を加熱する必要があるため、温熱体11
は、座布団4から脱着可能とする必要がある。この脱着
可能とする手段としては、上記に示すような、袋状又は
ポケット形状の温熱体収容部にファスナー等の開閉手段
を用いたものとすることができる。
【0124】また、足温器1Eは、座布団本体41の内
部に設けられた温熱体収容部42に配置して用いられ
る。これにより、在来の電気式座布団の様に用いられる
こととなる。この場合にも、在来の電気式座布団に比べ
て、ランニングコストが、大きく低減される。
【0125】本実施例5の足温器1Eも、実施例1の足
温器1Aと同様な効果を示す。また、実施例1と同様
に、在来の暖房装置、機器との併用で、より効率的で、
より低コストの暖房を行うことができ、また、上記「頭
寒足熱の状態」を実現し易くなる。更に、足温器1のみ
によっても、十分な暖房を行うことができる。尚、本実
施例においても、天板部24の表面241に、手腕用の
暖房用温熱体(足温器1A等)を載置することもでき
る。また、足温器1Eを大型(4畳半用、6畳用等の大
きさ)とすると共に、座布団41の代わりに、この足温
器1Eを隠蔽できる大きさのカーペットを用いれば、こ
のカーペットが、あたかも、電気式のカーペットの様に
用いられる。また、座布団41の代わりに台所、浴室、
玄関等に使う足マット、クッション等としてもよい。
【0126】〔実施例6〕本実施例6は、図12(平面
図)、図13(使用状態を示す説明断面図)に示す形態
のスリッパ5Aと、図14、15、16に示すそれぞれ
異なる形態であるスリッパ5B、5B、5Cに備える足
温器1Fに関する。この足温器1Fは、樹脂等をスリッ
パ形状に形成して構成されたスリッパ本体51と、該ス
リッパ本体51に設けられた温熱体収容部52とを備
え、加熱型暖房用温熱体12は温熱体収容部52に収容
される。この加熱型温熱体12は、実施例1の加熱型温
熱体12と同様な構造を備える。
【0127】スリッパ5Aは温熱体収容部52を、足の
甲及び裏の全体を覆うように設けている。また、上記収
容部52は、図14のスリッパ5Bに示すように、足の
裏のみを温熱するように設けてもよいし、足の甲のみに
設けてもよいし、足先や踵等一部分を温熱するように設
けてもよい。特に、冷えやすい足先に設けるとよく、効
果的である。スリッパ5Cは、加熱型温熱体12をスリ
ッパ本体51と一体型としたものであり、スリッパ5D
は、スリッパ5Cの変形例であり、踵抑えが設けられた
ものである。
【0128】また、必要に応じて温熱体収容部52か
ら、所定のコネクタを設け、このコネクタと加熱型温熱
体12とを所定の電源コードを用いて接続する。そし
て、このコネクタと対の関係となるコネクタを備えた電
源コード(図示を省略する。)を用いて、この加熱型温
熱体12の面状発熱素子122へ給電が行われる。但
し、この加熱型温熱体12への給電は、商用電源、乾電
池、バッテリー等により適切な電圧に変換したのち給電
される。また、加熱型温熱体12ではなく、蓄熱剤11
1を備えた蓄熱型温熱体11を使用する場合は、コネク
タ及び給電手段は不要である。
【0129】本温熱体12を備えたスリッパ5によれ
ば、実施例1〜5と同様に、使用者の被温熱部位(特に
足先である、足指を中心とする部分)を、一定の温度
で、しかも、低コストにて、温めることができる。ま
た、構造が簡単で、安価に製造でき、安全性が高い。ま
た、本スリッパ5では、加熱型温熱体12への給電を行
うための電源コードが着脱可能とされているため、通常
のスリッパと同様に、これを履いて、室内、屋外を自由
に歩き回ることができる。更に、加熱型温熱体12と電
源部とが一体となった足温器1Fとすれば、外部へ電極
が露出されず、故障が少なく安全性が高い。
【0130】また、本実施例の変形例として、図17
(正面図)及び図18(使用状態を示す説明断面図)に
示す様な足温器1Gを挙げることができる。この足温器
1Gは、一般に見られる靴形状とされた足温器本体61
と、該靴本体61の足首部にリンク状に接合された中袋
部63と、該靴本体61のうちの踵部を除いて上下に2
分割するためのファスナー64とを備え、靴本体61と
中袋部63とによって設けられた温熱体収容部62中に
加熱型暖房用温熱体12を備える。
【0131】また、この加熱型温熱体12は、実施例1
の足温器1Aに備えられた加熱型温熱体12の面状発熱
素子122と同様な構造を備えた面状発熱素子122を
持ち、更に、温熱体内部にバッテリーを備えている。こ
のため、充電時を除いて電源コードは不要となってお
り、足温器1Gをより歩行に適したものとしている。更
に、この足温器5を、長靴形状、長尺ブーツ形状等とし
て、使用者の足先及び踵等のみならず、ひざ下部や、脚
全体を覆うこと(この場合、加熱型温熱体12を、ひざ
下部や、脚全体を取り囲む様に、配置してもよい。)も
できる。また、足温器1F、1Gに備える温熱体は、加
熱型温熱体12のみではなく、実施例2に用いられる蓄
熱型温熱体11や、実施例3に用いられる加熱・蓄熱型
温熱体13としたり、各温熱体を併用してもよい。
【0132】〔実施例7〕本実施例は、図19(平面
図)、図20(使用状態を示す説明断面図)に示す様な
手袋7に備える手温器1Hに関する。本手温器1Hは、
適宜な手段にて手袋形状に形成された手袋本体71と、
該手袋本体71に設けられた温熱体収容部72とを備
え、遠赤外線放射型暖房用加熱型温熱体12は温熱体収
容部72に収容される。この加熱型温熱体12は、実施
例1の加熱型温熱体12と同様な構造を備え、同様な温
熱効果を持つ。更に、手温器1Hに備える温熱体は、加
熱型温熱体12のみではなく、実施例2に用いられる蓄
熱型温熱体11や、実施例3に用いられる加熱・蓄熱型
温熱体13としたり、各温熱体を併用してもよい。
【0133】本温熱体12を備えた手袋7によれば、実
施例1〜6と同様に、使用者の被温熱部位である手先
を、一定の温度で、且つ低コストにて、温めることがで
きる。また、構造が簡単で、安価に製造でき、安全性が
高い。また、本手温器1Hは手袋7に限らず、鍋掴み、
自動車のハンドルカバー、自転車のハンドルカバー等に
も使用することができる。特にハンドルカバーの場合
は、車軸に接続された発電機を電源とすることができ
る。
【0134】〔実施例8〕本実施例は、図21に示す様
なベスト8に備える体温器1Jに関する。本体温器1J
は、適宜な手段にてベスト形状に形成されたベスト本体
81と、該ベスト本体81に設けられた温熱体収容部8
2と、電源コード(図示を省略する)とを備え、加熱型
暖房用温熱体12は温熱体収容部82に収容される。こ
の加熱型温熱体12は、実施例1の加熱型温熱体12と
同様な構造を備え、同様な温熱効果を持つ。更に、体温
器1Jに備える温熱体は、加熱型温熱体12のみではな
く、実施例2に用いられる蓄熱型温熱体11や、実施例
3に用いられる加熱・蓄熱型温熱体13としたり、各温
熱体を併用してもよい。
【0135】本温熱体12を備えたベスト8によれば、
実施例1〜7と同様に、使用者の被温熱部位である胴部
を、一定の温度で、且つ低コストにて、温めることがで
きる。また、構造が簡単で、安価に製造でき、安全性が
高い。また、本体温器1Jは、ベスト8に限らず、肌
着、ズボン、コート、腹巻、ベルト、靴下、腕巻き、マ
フラー等とする事ができる。また、各種衣類に温熱体収
容部を設けずに、面ファスナー、両面テープ、紐等の係
止手段を用いて本温熱体12を衣類に固定してもよい
し、各種衣類に既設される又は専用に設けた、ポケット
部等に挿入してもよい。
【0136】〔実施例9〕本実施例は、図22に示す様
な座席シート9に備える体温器1Kに関する。本体温器
1Kは、適宜な手段にて座席シート形状に形成された座
席シート本体91と、該座席シート本体91に設けられ
た温熱体収容部92と、所定の電源へ接続する電源コー
ド(図示を省略する)とを備え、加熱型暖房用温熱体1
2は、温熱体収容部92に収容される。この加熱型温熱
体12は、実施例1の加熱型温熱体12と同様な構造を
備え、同様な温熱効果を持つ。更に、体温器1Kに備え
る温熱体は、加熱型温熱体12のみではなく、実施例2
に用いられる蓄熱型温熱体11や、実施例3に用いられ
る加熱・蓄熱型温熱体13としたり、各温熱体を併用し
てもよい。また、座席カバーだけではなく、枕カバー、
布団カバー等の寝具のカバーに温熱体12を備えてもよ
いし、座布団カバー等に備えてもよい。
【0137】本温熱体12を備えた座席シート9によれ
ば、実施例1〜8と同様に、使用者の被温熱部位であ
る、胴部を、一定の温度で、しかも、低コストにて、温
めることができる。また、構造が簡単で、安価に製造で
き、安全性が高い。
【0138】〔実施例10〕本実施例は、図35(平面
図)、図36(使用状態を示す説明断面図)に示す様な
毛布Aを備える体温器1Lに関する。本体温器1Lは、
適宜な手段にて毛布に形成された毛布本体A1と、該毛
布本体A1に設けられた温熱体収容部A2と、所定の電
源へ接続する電源コード(図示を省略する)とを備え、
加熱型暖房用温熱体12は、温熱体収容部A2に収容さ
れる。この加熱型温熱体12は、実施例1の加熱型温熱
体12と同様な構造を備え、同様な温熱効果を持つ。
【0139】本温熱体12を備えた毛布Aによれば、実
施例1〜9と同様に、使用者の被温熱部位である、胴部
を、一定の温度で、しかも、低コストにて、温めること
ができる。また、構造が簡単で、安価に製造でき、安全
性が高い。また、変形例として、毛布Aの一部分を占め
るように配設することによって、足部、胸部等というよ
うに被温熱部位を限定することができる。更に、温熱体
12の配設位置は毛布本体A1の内部に限らず、表面に
配設してもよい。毛布の表面に配設する場合、使用者と
接して使用してもよいし、毛布Aを介するように使用し
てもよい。また、実施例5に示すように、温熱体収容部
A2に任意の開閉手段を設けて温熱体12を毛布Aから
脱着可能としてもよい。更に、体温器1Lに備える温熱
体は、加熱型温熱体12のみではなく、実施例2に用い
られる蓄熱型温熱体11や、実施例3に用いられる加熱
・蓄熱型温熱体13としたり、各温熱体を併用してもよ
い。更に、これらの温熱体11、13は、実施例5に示
すような使用形態とすることができる。
【0140】〔実施例11〕本実施例は、図37(正面
図)、図38(使用状態を示す説明断面図)に示す様な
縫いぐるみBを備える体温器1Mに関する。本体温器1
Mは、適宜な手段にて毛布に形成された縫いぐるみB1
と、該縫いぐるみB1に設けられた温熱体収容部B2と
を備え、加熱型暖房用温熱体12は、電源(バッテリ、
図示せず)とともに温熱体収容部B2に収容される。ま
た、電源コードを介して縫いぐるみB1表面に充電端子
(図示せず)が設けられている。この加熱型温熱体12
は、実施例1の加熱型温熱体12と同様な構造を備え、
同様な温熱効果を持つ。
【0141】本温熱体12を備えた縫いぐるみBによれ
ば、実施例1〜10と同様に、使用者が本体温器1Mに
接する部位(例えば本体温器1Mを胸部に抱きかかえた
場合は、胸部及び腕部)を、一定の温度で、しかも、低
コストにて、温めることができる。また、構造が簡単
で、安価に製造でき、安全性が高い。また、温熱体収容
部B2に収容される温熱体12は、縫いぐるみB1から
脱着できないようになっているが、実施例5と同様に、
温熱体脱着口B4と袋状の温熱体収容部B3とを備え、
温熱体12を脱着可能とすることができる縫いぐるみB
1を挙げることができる。この温熱体脱着口B4は、フ
ァスナーによって開閉可能であり、温熱体を温熱体脱着
口B4より温熱体収容部B3へ挿入することができる
し、脱離することもできる。更に、温熱体脱着口B4
は、開閉手段に面ファスナーなどを用いてもよいし、開
閉手段を設けなくても良い。また、体温器1Mに備える
温熱体は、加熱型温熱体12のみではなく、実施例2に
用いられる蓄熱型温熱体11や、実施例3に用いられる
加熱・蓄熱型温熱体13としたり、各温熱体を併用して
もよい。更に、これらの温熱体11、13は、実施例5
に示すような使用形態とすることができる。
【0142】尚、本発明においては、上記具体的な実施
の形態に示すものに限らず、目的、用途に応じて本発明
の範囲内で種々変更した別の実施の形態、変形的な形
態、別の実施例、変形例とすることができる。即ち、実
施例1〜11等では、足温器、手温器及び体温器等を単
一物としていたが、小型とされた複数の遠赤外線放射型
暖房用温熱体11、12、13等を並べてもよい。更
に、実施例1等の樹脂マットの素材は、ひまし油系ポリ
ウレタンに限定されず、他の合成樹脂であっても良く、
その形成法は、実施例1に示す注型法に限定されない。
【0143】また、上記各遠赤外線放射型暖房用温熱体
11、12、13等を机に配置する場合には、これらを
レッグホール内に吊り下げてもよい。この点に関して
は、堀ごたつ等においても同様である。更に、各温熱体
11、12、13等を上記蓄熱剤溶解器14の様に折り
畳み可能としたり、分解可能とすれば、より一層、利便
性が向上する。更に、各温熱体11、12、13等は、
実施例6と同様に配設、取着等される対象物に埋設した
り、挿入することができる。例えば、図1に示す机2の
場合には、天板部24を樹脂で構成すると共に、この天
板部24を成形する際に、温熱体11、12、13等の
単数または複数を、インサートしても良いし、天板部2
4に空洞部を設け、温熱体11、12、13等をこの空
洞部に挿脱可能としてもよい。また、自動車の座席用の
シート、ベットのクッション、車椅子の座席部や背もた
れ部、座布団、座椅子、台所用のマット、風呂用のマッ
ト等の足マットの内部等に挿入したり、埋設してもよ
い。
【0144】更に、実施例1、2及び3では、上記各温
熱体11、12、13等の洋式若しくは和式の机への適
用例を述べているが、スナックのカウンター、建物、乗
物等と一体とされた机状体等の各種の机状体に配設して
使用できる。また、実施例2で示した蓄熱剤溶解器14
の様に、面状発熱素子122、132、142等を複数
に分割し、折り畳み可能にすれば、この蓄熱剤溶解器1
4により、種々の加温対象物(実施例2に示す蓄熱型温
熱体11に限定されず、食品等であってもよい。)を包
み込んで加温することができる。従って、この蓄熱剤溶
解器14は、使用範囲が広く、極めて便利である。
【0145】遠赤外線放射型暖房用温熱体11、12、
13、14の構造は、図2、3、4、6に示したものに
限らず、例えば、面状発熱体122内の電極1223を
感熱電気組成物1222の表面に配置したり、加熱型・
蓄熱型温熱体13の蓄熱剤131を面状発熱素子132
2の内部に配置したりすることができる。また、温熱体
11、12、13、14の内外に断熱材を設けることも
できる。更に、各温熱体にバッテリー、電圧変換装置等
の電源装置を一体化又は脱着可能等としてもよい。
【0146】また、加温(保温・蓄熱)する加温対象物
は、弁当等の各種の食品であっても良い。例えば、食品
の保温、加熱(再加熱を含む。)、各種食品のむらし、
熟成、冷凍品の解凍等の種々の用途に用いられる。更
に、床暖房用、屋根の下地材(主に、雪国において、屋
根の上等に降り積もった雪を溶かすために用いる。)、
道路の下地材(主に、雪国において、アスファルトの上
等に降り積もった雪を溶かすために用いる。)等として
も用いられる。また、釣り用の椅子、野球場、サッカー
場等のベンチ(観戦用でも、選手用でもよい。)等に、
各温熱体11等を上部に配設したり、これらのベンチの
内部に埋設したり、挿入すること等も可能である。更
に、野外音楽場、野外劇場等のベンチや椅子の配設した
り、埋設、若しくは挿入するのも有効である。
【0147】更に、上記各実施例及び変形例に例示した
各温熱体11、12、13等は、温熱治療用のあんかと
しても好適に用いられる。即ち、これらにより、暖房を
行いながら、使用者の「こりを生じた部位」、「炎症を
生じた部位」等を、遠赤外線を放射しつつ、芯から温め
ることができるからである。例えば、実施例2に示す蓄
熱型温熱体11は、外袋119内に、温熱媒体として平
均分子量500〜6000のポリエチレングリコール
(蓄熱剤)111を封入している。この様な平均分子量
を備えたポリエチレングリコール(蓄熱剤)111を用
いることにより、蓄熱型温熱体11の放熱温度(ポリエ
チレングリコール111の融解温度)を、温熱治療の熱
源として適した温度範囲である30〜65℃の範囲に設
定することができる。これと共に、その温度範囲で、相
変化に伴う潜熱を利用して効率良く蓄熱することができ
て、長時間にわたって温熱治療効果を維持させることが
できる。
【0148】更に、ポリエチレングリコール(蓄熱剤)
111の平均分子量を変えることで、融解温度を調節す
ることができ、例えば、がん治療に用いる場合には、人
体の良性細胞に悪影響を与えることなく、がん細胞のみ
を死滅させる温度範囲である40〜45℃程度に融解温
度を設定すれば良い。この様に、温熱治療用のあんかと
して好適に用いられることは、実施例1〜11の温熱体
等においても同様である。
【0149】加熱型暖房用温熱体及び発熱・蓄熱型暖房
用温熱体の電源は充電式電池等を用いて温熱体と一体と
することによって、取扱及び携帯性を向上させることが
できる。また、上記の電源一体型の温熱体において電源
コードが接続される場合においても、適切な脱着手段を
用いて分離することもできる。更に、各温熱体を複数用
いることができるし、それぞれの定常発熱温度を異なる
ものとしてもよい。特に、身体の箇所によって適する温
熱温度が異なる場合が多いので、それぞれの温度に合わ
せた温熱体を用意するとよい。
【0150】また、加熱対象は人間に限らず、動植物類
(例えば、犬、小鳥、魚などの動物や、観葉植物、茸な
どの植物等)用の暖房装置として用いてもよい。これら
に対して本発明を用いる場合、温熱体本体の一部損傷の
場合でも危険性が少なく、局所が高温になることがな
く、ランニングコストが低く抑えられるため、安心して
暖房をすることができる。
【0151】
【発明の効果】以上の様に、上記各発明の温熱体を用い
れば、加熱温度を一定に保ちつつ、ランニングコストを
低く抑えた暖房等を行える。また、この温熱体を用いる
ことで、暖房装置、機器の構造を簡単にでき、その製造
コストを低く抑えられると共に、安全で、取扱いが容易
となる。更に、在来の暖房装置、機器との併用により、
より効率的で、低コストの暖房を可能とする。また、こ
の温熱体を用いれば、仕事や、勉強に適した「頭寒足
熱」の環境を作り易くなる。一体型とするとき、充電式
電池をシート型などにすれば、充電式電池のための空間
を特に必要とすることがなく、便利である。高い温度に
することにより、湿気を手早く除去することができ、そ
の結果カビなどの繁殖を押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の足温器を説明するための斜視図であ
る。
【図2】遠赤外線放射型暖房用温熱体の説明断面図であ
る。
【図3】遠赤外線放射型暖房用温熱体の説明断面図であ
る。
【図4】遠赤外線放射型暖房用温熱体の説明断面図であ
る。
【図5】ひまし油系ポリウレタン樹脂マットの成形法を
説明する図である。
【図6】図2の遠赤外線放射型暖房用温熱体の変形例を
示す断面図である。
【図7】実施例2の遠赤外線放射型暖房用温熱体と共に
使用すると便利な蓄熱剤溶解器を説明するための概略的
な正面図である。
【図8】実施例1の遠赤外線放射型暖房用温熱体を説明
するための一部横断面図である。
【図9】実施例2及び実施例4の足温器の説明図であ
る。
【図10】実施例5の足温器の説明図である。
【図11】実施例5の足温器の説明図である。
【図12】実施例6の足温器の説明図である。
【図13】実施例6の足温器の説明図である。
【図14】実施例6の足温器の説明図である。
【図15】実施例6の足温器の説明図である。
【図16】実施例6の足温器の説明図である。
【図17】実施例6の足温器の変形例の説明図である。
【図18】実施例6の足温器の変形例の説明図である。
【図19】実施例7の手温器の説明図である。
【図20】実施例7の手温器の説明図である。
【図21】実施例8の体温器の説明図である。
【図22】実施例9の体温器の説明図である。
【図23】黒鉛粉末の配合量を変えた場合の通電時間と
温度との関係を示すグラフである。
【図24】黒鉛粉末25%含有組成物の加熱経過時間と
温度との関係を示すグラフである。
【図25】ポリエチレングリコールの分子量と温度との
関係を示すグラフである。
【図26】分子量の異なるポリエチレングリコール同士
の混合効果を調べた結果を示すグラフである。
【図27】分子量の異なるポリエチレングリコール同士
の混合効果を調べた結果を示すグラフである。
【図28】水の添加効果を調べた結果を示すグラフであ
る。
【図29】ポリビニルピロリドンの温熱効果を調べた結
果を示すグラフである。
【図30】ポリエチレングリコール類及びPEGとPP
Gとのブロック共重合体における発熱体温度と電気抵抗
との関係を示すグラフである。
【図31】PEGとPPGとのブロック共重合体と温度
との関係を示すグラフである。
【図32】銀等の導電性物質において通電時間と発熱体
の温度との関係を示すグラフである。
【図33】黒鉛添加量が33.3%の場合の通電時間と
温度と電流の関係を示すグラフである。
【図34】ポリエチレングリコールの分子量と温度の関
係を示すグラフである。
【図35】実施例10の体温器の説明図である。
【図36】実施例10の体温器の説明図である。
【図37】実施例11の体温器の説明図である。
【図38】実施例11の体温器の説明図である。
【符号の説明】
11、12、13;遠赤外線放射型暖房用温熱体、11
1、131;蓄熱剤、122、132、142;面状発
熱素子、1222、1322;ポリエチレングリコール
に炭素粉末を均一に分散させて作った組成物、122
3、1323;電極、127、137;電源コード、1
28;断熱材、119、139、1329;ポリエチレ
ンテレフタレート製フィルム、129;ひまし油系ポリ
ウレタン樹脂マット(被覆部)、14;蓄熱剤溶解器、
147;内部空間、30;ひまし油系ポリウレタンの原
液、32;成形型、2;洋式机、和式机、22;レッグ
ホール部、221、222、223、224;レッグホ
ール部側壁、23;足先配置面、241;天板表、24
2;天板裏、3;堀ごたつ、32;凹部空間、321、
322;凹部空間側壁、4;座布団、42、52、6
2、72、82、92、A2、B2、B3;温熱体収容
部、5、6;足温器、63;リング、64;ファスナ
ー、7;手温器、8、9;体温器、99;座席、A;毛
布、B;縫いぐるみ。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が3
    0〜65℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤外線放射
    型暖房用温熱体が、机状体のレッグホール部を取り囲む
    各板部の各レッグホール側面のうちの少なくもいずれか
    一の面に配設されていることを特徴とする足温器。
  2. 【請求項2】 適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急
    変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成さ
    せるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素子
    を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温熱
    体が、机状体のレッグホール部を取り囲む各板部の各レ
    ッグホール側面のうち少なくともいずれか一の面に配設
    されていることを特徴とする足温器。
  3. 【請求項3】 外袋と、該外袋内に収納され融解温度が
    30〜65℃に調節された蓄熱剤と、該外袋内配置され
    た30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気
    抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状
    に形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状
    発熱素子と、からなる遠赤外線放射型温熱体が、机状体
    のレッグホール部を取り囲む各板部の各レッグホール側
    面のうちの少なくもいずれか一の面に配設されているこ
    とを特徴とする足温器。
  4. 【請求項4】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が3
    0〜65℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤外線放射
    型暖房用温熱体が、堀ごたつ本体の凹部空間を取り囲む
    側壁面及び/又は底面のうちの少なくもいずれか一の面
    に配設されていることを特徴とする足温器。
  5. 【請求項5】 適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急
    変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成さ
    せるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素子
    を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温熱
    体が、堀ごたつ本体の凹部空間を取り囲む側壁面及び/
    又は底面のうち少なくともいずれか一の面に配設されて
    いることを特徴とする足温器。
  6. 【請求項6】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が3
    0〜65℃に調節された蓄熱剤と該外袋内配置された3
    0〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗
    が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形
    成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱
    素子とからなる遠赤外線放射型温熱体が、堀ごたつ本体
    の凹部空間を取り囲む側壁面及び/又は底面のうちの少
    なくもいずれか一の面に配設されていることを特徴とす
    る足温器。
  7. 【請求項7】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が3
    0〜65℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤外線放射
    型暖房用温熱体が、マット状本体の裏面側若しくは内部
    に設けられた温熱体収容部内に配設されていることを特
    徴とする足温器。
  8. 【請求項8】 適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急
    変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成さ
    せるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素子
    を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温熱
    体が、マット状本体の裏面側若しくは内部に設けられた
    温熱体収容部内に配設されていることを特徴とする足温
    器。
  9. 【請求項9】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が3
    0〜65℃に調節された蓄熱剤と該外袋内配置された3
    0〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗
    が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形
    成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱
    素子とからなる遠赤外線放射型温熱体が、マット状本体
    の裏面側若しくは内部に設けられた温熱体収容部内に配
    設されていることを特徴とする足温器。
  10. 【請求項10】 足を覆うとともに内部に温熱体収容部
    を備える足温器本体と、外袋と該外袋内に収納され融解
    温度が30〜45℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤
    外線放射型暖房用温熱体とを備え、該遠赤外線放射型暖
    房用温熱体は、上記温熱体収容部内に収納されることを
    特徴とする足温器。
  11. 【請求項11】 足を覆うとともに内部に温熱体収容部
    を備える足温器本体と、適宜の温度の変化に対して電気
    抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状
    に形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状
    発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖
    房用温熱体とを備え、該遠赤外線放射型暖房用温熱体
    は、上記温熱体収容部内に収納されることを特徴とする
    足温器。
  12. 【請求項12】 足を覆うとともに内部に温熱体収容部
    を備える足温器本体と、外袋と該外袋内に収納され融解
    温度が30〜45℃に調節された蓄熱剤と該外袋内配置
    された30〜45℃の範囲の適宜の温度の変化に対して
    電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を
    面状に形成させるとともに電極を備える自己温度調節型
    面状発熱素子とからなる遠赤外線放射型温熱体とを備
    え、該遠赤外線放射型温熱体は、上記温熱体収容部内に
    収納されることを特徴とする足温器。
  13. 【請求項13】 足を覆う靴状外枠部材と、該靴状外枠
    部材の足首部にリンク状に接合された中袋状部材と、該
    靴状外枠部材のうちの踵部を除いて上下に2分割される
    とともにこの2分割するためのファスナー部とからなる
    足温器本体と、外袋と該外袋内に収納され融解温度が3
    0〜45℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤外線放射
    型暖房用温熱体とを備え、該遠赤外線放射型暖房用温熱
    体は、上記靴状外枠部材と中袋状部材との間に収納され
    ることを特徴とする足温器。
  14. 【請求項14】 足を覆う靴状外枠部材と、該靴状外枠
    部材の足首部にリンク状に接合された中袋状部材と、該
    靴状外枠部材のうちの踵部を除いて上下に2分割される
    とともにこの2分割するためのファスナー部とからなる
    足温器本体と、適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急
    変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成さ
    せるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素子
    を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温熱
    体とを備え、上記遠赤外線放射型温熱体は、上記靴状外
    枠部材と中袋状部材との間に収納されることを特徴とす
    る足温器。
  15. 【請求項15】 足を覆う靴状外枠部材と、該靴状外枠
    部材の足首部にリンク状に接合された中袋状部材と、該
    靴状外枠部材のうちの踵部を除いて上下に2分割される
    とともにこの2分割するためのファスナー部とからなる
    足温器本体と、外袋と該外袋内に収納され融解温度が3
    0〜45℃に調節された蓄熱剤と、該外袋内配置された
    30〜45℃の周囲の適宜の温度の変化に対して電気抵
    抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に
    形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発
    熱素子と、からなる遠赤外線放射型温熱体とを備え、上
    記遠赤外線放射型温熱体は、上記靴状外枠部材と中袋状
    部材との間に収納されることを特徴とする足温器。
  16. 【請求項16】 手を覆うとともに内部に温熱体収容部
    を備える手温器本体と、外袋と該外袋内に収納され融解
    温度が30〜45℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤
    外線放射型暖房用温熱体とを備え、上記温熱体収容部内
    に、上記遠赤外線放射型暖房用温熱体が収納されること
    を特徴とする手温器。
  17. 【請求項17】 手を覆うとともに内部に温熱体収容部
    を備える手温器本体と、適宜の温度の変化に対して電気
    抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状
    に形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状
    発熱素子を発熱源として内蔵してなり電池により加熱さ
    れる遠赤外線放射型暖房用温熱体とを備え、上記温熱体
    収容部内に、上記遠赤外線放射型暖房用温熱体が収納さ
    れることを特徴とする手温器。
  18. 【請求項18】 手を覆うとともに内部に温熱体収容部
    を備える手温器本体と、外袋と該外袋内に収納され融解
    温度が30〜45℃に調節された蓄熱剤と該外袋内配置
    された30〜45℃の範囲の適宜の温度の変化に対して
    電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を
    面状に形成させるとともに電極を備える自己温度調節型
    面状発熱素子とを具備する遠赤外線放射型温熱体とを備
    え、上記温熱体収容部内に、上記遠赤外線放射型温熱体
    が収納されることを特徴とする手温器。
  19. 【請求項19】 衣類本体と、外袋と該外袋内に収納さ
    れ融解温度が30〜45℃に調節された蓄熱剤とからな
    る遠赤外線放射型暖房用温熱体とを備え、上記衣類本体
    に設けられた温熱体収容部内に、上記遠赤外線放射型暖
    房用温熱体が収納されることを特徴とする体温器。
  20. 【請求項20】 衣類本体と、適宜の温度の変化に対し
    て電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物
    を面状に形成させるとともに電極を備える自己温度調節
    型面状発熱素子を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放
    射型暖房用温熱体とを備え、上記衣類本体に設けられた
    温熱体収容部内に、上記遠赤外線放射型暖房用温熱体が
    収納されることを特徴とする体温器。
  21. 【請求項21】 衣類本体と、外袋と該外袋内に収納さ
    れ融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤と該外袋
    内配置された30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に
    対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組
    成物を面状に形成させるとともに電極を備える自己温度
    調節型面状発熱素子とからなる遠赤外線放射型温熱体と
    を備え、上記衣類本体に設けられた温熱体収容部内に、
    上記遠赤外線放射型温熱体が収納されることを特徴とす
    る体温器。
  22. 【請求項22】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が
    30〜65℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤外線放
    射型暖房用温熱体が、座席カバー本体内部に設けられた
    温熱体収容部内に配設されていることを特徴とする体温
    器。
  23. 【請求項23】 適宜の温度の変化に対して電気抵抗が
    急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成
    させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素
    子を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温
    熱体が、座席カバー本体内部に設けられた温熱体収容部
    内に配設されていることを特徴とする体温器。
  24. 【請求項24】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が
    30〜65℃に調節された蓄熱剤と該外袋内配置された
    30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵
    抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に
    形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発
    熱素子とからなる遠赤外線放射型温熱体が、座席カバー
    本体内部に設けられた温熱体収容部内に配設されている
    ことを特徴とする体温器。
  25. 【請求項25】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が
    30〜65℃に調節れた蓄熱剤とからなる遠赤外線放射
    型暖房用温熱体が、シート状寝具本体に設けられた温熱
    体収容部内に配設されていることを特徴とする体温器。
  26. 【請求項26】 適宜の温度の変化に対して電気抵抗が
    急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成
    させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素
    子を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温
    熱体が、シート状寝具本体に設けられた温熱体収容部内
    に配設されていることを特徴とする体温器。
  27. 【請求項27】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が
    30〜65℃に調節された蓄熱剤と該外袋内配置された
    30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵
    抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に
    形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発
    熱素子とからなる遠赤外線放射型温熱体が、シート状寝
    具本体に設けられた温熱体収容部内に配設されているこ
    とを特徴とする体温器。
  28. 【請求項28】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が
    30〜65℃に調節された蓄熱剤とからなる遠赤外線放
    射型暖房用温熱体が、縫いぐるみ体内部に設けられた温
    熱体収容部内に配設されていることを特徴とする体温
    器。
  29. 【請求項29】 適宜の温度の変化に対して電気抵抗が
    急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成
    させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素
    子を発熱源として内蔵してなる遠赤外線放射型暖房用温
    熱体が、縫いぐるみ体内部に設けられた温熱体収容部内
    に配設されていることを特徴とする体温器。
  30. 【請求項30】 外袋と該外袋内に収納され融解温度が
    30〜65℃に調節された蓄熱剤と該外袋内配置された
    30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵
    抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に
    形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発
    熱素子とからなる遠赤外線放射型温熱体が、縫いぐるみ
    体内部に設けられた温熱体収容部内に配設されているこ
    とを特徴とする体温器。
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