JPH10163285A - 半導体基板の評価方法 - Google Patents

半導体基板の評価方法

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JPH10163285A
JPH10163285A JP33505296A JP33505296A JPH10163285A JP H10163285 A JPH10163285 A JP H10163285A JP 33505296 A JP33505296 A JP 33505296A JP 33505296 A JP33505296 A JP 33505296A JP H10163285 A JPH10163285 A JP H10163285A
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JP
Japan
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semiconductor substrate
defect
oxide film
void
etching
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JP33505296A
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English (en)
Inventor
Yoshio Yanase
好生 柳瀬
Takafumi Kitamura
貴文 北村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Sitix Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来観察されていた欠陥の形状はSC−1洗
浄によりエッチングされた後の痕跡の形状であり、欠陥
の真の形状を観察することができなかった。 【解決手段】 熱処理を施こすことにより半導体基板バ
ルク中に存在するボイド欠陥の壁面に酸化膜を形成し、
その後ボイド欠陥の存在する内部まで半導体基板の表面
層を除去して観察する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主にチョクラルスキ
ー(CZ)法により引き上げられた単結晶を用いて製造
された半導体基板の評価方法に関し、より詳細には欠陥
の少ない、高品質の半導体基板を製造するために有用な
半導体基板の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板は、主としてチョクラルスキ
ー法で引き上げられた単結晶シリコンインゴットを、円
形薄板状に切断した後、ラッピング、エッチング、ポリ
ッシング処理を施こし、最終的に洗浄して製造される。
この半導体基板にはボイド欠陥が存在し、酸化膜耐圧良
品率に影響を与えることが知られている。このためボイ
ド欠陥を減少させる必要があり、そのためにはボイド欠
陥の形状を観察し、その実体を解明することが重要とな
る。従来ボイド欠陥は、シリコン基板表面においてはS
C−1洗浄後にSEM(Scanning Electron Microscop
y)、AFM(AtomicForce Microscopy) 等を用いて観察
され、その密度は主としてレーザー異物位置検査装置に
より測定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
方法で観察される欠陥の形状は、SC−1洗浄によりボ
イド欠陥がエッチングされた後の痕跡の形状であり、ボ
イド欠陥の真の形状は観察されていなかった。また半導
体基板のバルク中のボイド欠陥は、その密度及びそのお
およその大きさはIR−トモグラフィ法あるいはOPP
(Optical Precipitate Profiler)法により計測されてい
たが、これらの方法では形状までは観察することができ
なかった。
【0004】そこでバルク中に存在するボイド欠陥の形
状観察にはTEM(Transmission Electron Microscop
y) が用いられている。TEMによる形状観察のために
はボイド欠陥が108 〜109 個/cm3 程度の密度で存
在することが望ましいが、前記ボイド欠陥の密度は通常
105 〜106 個/cm3 程度であり、3桁程度密度が低
すぎるため、TEM観察可能な視野の中に目的とするボ
イド欠陥が含まれる可能性は極めて低く、TEM観察に
よる直接的な形状観察は困難を極めていた。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あって、半導体基板バルク中に存在するボイド欠陥およ
び酸素が析出した酸素析出欠陥の外形状及び断面形状
を、その形状変化を最小限に抑制しつつ、かつ容易に観
察することのできる半導体基板の評価方法を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係る半導体基板の評価方法
(1)は、半導体基板に熱処理を施すことにより、半導
体基板バルク中に存在するボイド欠陥の壁面に酸化膜を
形成し、その後ボイド欠陥の存在する内部まで半導体基
板の表層を除去して前記ボイド欠陥の形状を観察するこ
とを特徴としている。
【0007】上記半導体基板の評価方法(1)によれ
ば、前記熱処理により、前記半導体基板バルク中に存在
するボイド欠陥の壁面に酸化膜が形成され、前記ボイド
欠陥の形状が前記酸化膜に転写され、顕在化される。そ
の後前記ボイド欠陥の存在する内部まで前記半導体基板
の表層を除去することにより、前記ボイド欠陥の正確な
断面形状をAFM、あるいはSEM等により観察するこ
とができる。従ってボイド欠陥形成のメカニズムの解明
及びその低減に利用することができ、高品質半導体基板
開発のための有効な評価手段となり得る。
【0008】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(2)は、上記半導体基板の評価方法(1)において、
熱処理によりバルク内のボイド欠陥の壁面に形成する酸
化膜の膜厚を、半導体基板面に存在する自然酸化膜の膜
厚よりも厚くしておくことを特徴としている。
【0009】上記半導体基板の評価方法(2)によれ
ば、熱処理によりバルク中の前記ボイド欠陥の壁面に形
成する酸化膜の膜厚を、半導体基板面に存在する自然酸
化膜の膜厚よりも厚くしておくので、前記ボイド欠陥の
形状が明瞭となり、鏡面研磨やエッチングを施こして
も、その形状変化を最小限に抑えることができる。
【0010】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(3)は、上記半導体基板の評価方法(1)または
(2)において、前記熱処理を温度800℃〜1250
℃、時間10分〜4時間の条件下で行うことを特徴とし
ている。
【0011】上記熱処理を施すことにより、CZ法等に
より引き上げられた単結晶を用いて製造された半導体基
板中に、確実に酸化物を析出させることができ、ボイド
欠陥の壁面にも酸化膜を確実に形成することができる。
【0012】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(4)は、上記半導体基板の評価方法(1)または
(2)において、熱処理によりバルク中のボイド欠陥の
壁面に形成する酸化膜の膜厚を2〜50nmに制御する
ことを特徴としている。
【0013】熱処理条件を制御することにより、前記ボ
イド欠陥の壁面に形成する酸化膜の膜厚を2〜50nm
に制御することが可能であり、このように前記酸化膜の
膜厚を2〜50nmにすることにより、前記ボイド欠陥
の形状の明確化を図ることができ、鏡面研磨やエッチン
グを施こしても、その形状を確実に維持させることがで
きる。
【0014】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(5)は、上記半導体基板の評価(1)〜(4)のいず
れかにおいて、半導体基板材料に対するエッチングレー
トが、半導体基板材料の酸化物に対するエッチングレー
ドと比較して一桁以上大きなエッチング液を用いてエッ
チングを行うことにより、酸化膜で壁面が覆われたボイ
ド欠陥を半導体基板面から露出させて前記ボイド欠陥の
外形状を観察することを特徴としている。
【0015】上記半導体基板の評価方法(5)によれ
ば、前記酸化膜はほとんどエッチングされず、前記半導
体基板の表層のみが選択的にエッチングされることにな
る。従って、半導体基板面から露出し、前記ボイド欠陥
の形状が正確に転写された前記酸化膜の外形を正確に観
察することができる。
【0016】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(6)は、半導体基板の評価方法(1)記載の表層除去
の後、あるいは半導体基板の評価方法(5)記載のエッ
チングを行った後、半導体基板材料に対するエッチング
レートが、半導体基板材料の酸化物に対するエッチング
レ−トと比較して一桁以上小さなエッチング液を用いて
エッチングを行うことにより、ボイド欠陥の壁面に形成
された酸化膜を除去して半導体基板面に残存する前記ボ
イド欠陥底部跡の形状を観察することを特徴としてい
る。
【0017】上記半導体基板の評価方法(6)によれ
ば、前記半導体基板はほとんどエッチングされず、前記
ボイド欠陥の壁面に形成されていた酸化膜のみが選択的
にエッチングされる。従って、前記酸化膜により保護さ
れていた前記ボイド欠陥の壁面が再現性良く露出するこ
ととなり、前記ボイド欠陥の形状を正確に観察すること
ができることとなる。
【0018】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(7)は、半導体基板材料に対するエッチングレート
が、半導体基板材料の酸化物に対するエッチングレート
と比較して一桁以上大きなエッチング液を用いてエッチ
ングを行うことにより、半導体基板バルク中に存在する
酸素析出欠陥及び/又はボイド欠陥の壁面に形成された
酸化膜体を半導体基板面から露出させて前記酸素析出欠
陥及び/又は前記酸化膜体の外形状を観察することを特
徴としている。
【0019】上記半導体基板の評価方法(7)によれ
ば、前記酸素析出欠陥及び/又は酸化膜体をほとんどエ
ッチングすることなく、前記半導体基板の表層のみを選
択的にエッチングして、前記酸素析出欠陥及び/又は酸
化膜体の形状を正確に維持させた状態で前記半導体基板
面から露出させることができる。従って、前記酸素析出
欠陥及び/又は酸化膜体の外形を正確に観察することが
できる。
【0020】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(8)は、酸素析出欠陥及び/又はボイド欠陥の存在す
る内部まで半導体基板の表面層を除去した後、あるいは
半導体基板の評価方法(7)記載のエッチングを行った
後、半導体基板材料に対するエッチングレートが、半導
体基板材料の酸化物に対するエッチングレートと比較し
て一桁以上小さなエッチング液を用いてエッチングを行
うことにより、前記酸素析出欠陥及び/又は前記ボイド
欠陥の壁面に形成された酸化膜を除去して前記半導体基
板面に残存する前記酸素析出欠陥跡及び/又は前記ボイ
ド欠陥跡の形状を観察することを特徴としている。
【0021】上記半導体基板の評価方法(8)によれ
ば、前記半導体基板をほとんどエッチングすることな
く、前記酸素析出欠陥及び/又は酸化膜を前記半導体基
板の表部から除去し、前記酸素析出欠陥及び/又は酸化
膜の外形が転写された酸素析出欠陥跡及び/又はボイド
欠陥跡を形成することができる。従って、前記酸素析出
欠陥及び/又はボイド欠陥の主に底部外形を正確に観察
することができる。
【0022】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(9)は、上記半導体基板の評価方法(1)〜(8)の
いずれかにおいて、前記観察にAFMあるいはSEMを
用いることを特徴としている。
【0023】AFMあるいはSEMを用いた観察を行う
ことにより、半導体基板面に存在する前記ボイド欠陥の
壁面に形成された酸化膜体、酸素析出欠陥、ボイド欠陥
跡及び酸素析出欠陥跡を容易に正確に観察することがで
き、TEMを用いた観察の困難性を排除することができ
る。
【0024】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(10)は、半導体基板材料に対するエッチングレ−ト
が、半導体基板材料の酸化物に対するエッチングレート
と比較して一桁以上大きなエッチング液を用いてエッチ
ングを行い、半導体の評価方法(1)記載の熱処理によ
りボイド欠陥の壁面に形成された酸化膜体及び/又は酸
素析出欠陥を半導体基板から遊離させて回収し、前記ボ
イド欠陥及び/又は酸素析出欠陥の外形を観察すること
を特徴としている。
【0025】上記半導体基板の評価方法(10)によれ
ば、前記ボイド欠陥の外形が正確に転写された前記酸化
膜体及び/又は酸素析出欠陥そのものを回収し、その外
形全体を正確に観察することができる。
【0026】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(11)は、上記半導体基板の評価方法(10)におい
て、前記観察にAFM、SEMあるいはTEMを用いる
ことを特徴としている。
【0027】前記半導体基板から遊離させて回収した前
記酸化膜体及び/又は酸素析出欠陥を観察する場合に
は、TEM観察における観察可能な視野の範囲の問題を
排除することができ、TEMを用いて正確に前記酸化膜
体及び/又は酸素析出欠陥の形状を観察することができ
る。
【0028】また、本発明に係る半導体基板の評価方法
(12)は、上記半導体基板の評価方法(1)〜(1
1)のいずれかにおいて、初期酸素濃度[Oi]が10
×1017atoms/cm3 以上である半導体基板を試料基板と
することを特徴としている。
【0029】1250℃における半導体基板中の酸素の
固溶度は10×1017atoms/cm3 程度であり(Applied
Physics Letters,30〔1 〕(1977-1-1)P.E.Freeland et
c.)、初期酸素濃度[Oi]が10×1017atoms/cm3
以上である半導体基板を試料基板とすることにより、前
記ボイド欠陥の壁面に確実に酸化膜を形成することがで
きる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体基板の
評価方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】本発明に係る評価方法に適した半導体基板
は、主にCZ法により引き上げられた単結晶を用いて製
造された半導体基板であるが、酸素濃度[Oi]が10
×1017atoms/cm3 (換算計数4.81×10
17atoms/cm3 、以下すべて同様の換算計数を使
用)以上であれば、他の方法を用いて製造された半導体
基板であっても差し支えない。
【0032】まず、半導体基板バルク中に存在する空孔
タイプの欠陥(ボイド欠陥)の形状を評価するための手
法として、図1に示した第1工程のごとく、前記半導体
基板に800℃〜1250℃の温度範囲における熱処理
を施す。この熱処理におけるガス雰囲気は、酸化性、非
酸化性を問わずどのような雰囲気であってもよい。図2
に示すごとく、この熱処理により、単結晶育成時に取り
込まれた過飽和な酸素が、空孔タイプの欠陥の内壁にそ
って析出し、酸化膜10が形成される。あるいは単結晶
の引き上げ時に形成されていた酸化膜の厚膜化が図られ
る。少なくとも半導体基板表面に形成されている自然酸
化膜よりは厚い酸化膜を形成することにより、ボイド欠
陥の外形が明瞭となり、後工程での鏡面研磨あるいはエ
ッチングによる形状変化を低減することができる。この
酸化膜の膜厚は熱処理時間、熱処理温度、半導体基板に
含まれる初期酸素濃度および基板表面からの深さとの組
み合わせによりコントロールが可能である。図3に熱処
理条件とボイド欠陥の壁面に形成された酸化膜の膜厚と
の関係を示す。
【0033】酸素析出核の形成は800℃以上の熱処理
により行うことができる。また、1250℃を越える熱
処理はエネルギーロスも大きくなり、望ましくない。8
00℃〜1250℃の温度範囲の熱処理により、2〜5
0nmの厚さの酸化膜が得られている。半導体基板中に
存在する酸化膜の膜厚は通常1〜2nm程度であり、熱
処理により2〜50nmの厚さの酸化膜が形成されれば
ボイド欠陥の形状の確認には十分であり、その後のエッ
チング処理にも十分耐えられる厚さである。
【0034】また単結晶引き上げ時からボイド欠陥の壁
面に酸化膜が形成されていることもあることが最近わか
ってきており、かかる場合、あるいは酸素析出欠陥のみ
を観察の対象とする場合は、特に熱処理を行わなくとも
良い。次に熱処理工程後に評価を行うべき目的の深さま
で研磨、エッチング、劈開あるいは洗浄により、観察試
料表面を除去する(図1の第2工程)。この処理によ
り、評価を行うべき目的の深さに存在するボイド欠陥及
び酸素析出欠陥を出現させ、評価観察を行う。この際、
鏡面研磨を行えば、目的深さに存在する欠陥について
は、欠陥断面形状の評価が可能となる。必要に応じてレ
ーザー異物位置検査装置による測定(図1の第4工程)
を行った後、AFM、あるいはSEMにより形状を観察
する(図1の第5工程)。
【0035】熱処理した半導体基板あるいは熱処理後表
面層を除去した半導体基板、さらに単結晶引き上げ時か
らボイド欠陥の壁面に酸化膜が形成されている半導体基
板の場合、評価基板材料に対するエッチングレートが評
価基板材料の酸化物に対するエッチングレートより大き
なエッチング液(例えばNH4 OH/H22 /H2
洗浄液やKOH、NaOH、N24 等のアルカリ性溶
液)を用いてエッチングすることにより(図1の第3工
程、図4の(b)、(c))、半導体基板の表面層のみ
をエッチングし、基板材料の酸化膜で形成されたボイド
欠陥の形状を、特に通常のエッチング方法では観察する
ことのできないボイド欠陥上部の構造として観察するこ
とができる。ボイド欠陥の壁面が基板材料の酸化物によ
って覆われているために前記エッチングによる形状変化
が少なく(例えばNH4 OHの場合、Siに対するエッ
チングレート;4.0×100 nm/minはSiO2
に対するエッチングレート;2.7×10-3nm/mi
nと比べてはるかに大きく、酸化物のエッチングは無視
できる)、図4(c)に示したごとくボイド欠陥及び酸
素析出欠陥の外形状は維持されたまま半導体基板表面に
露呈する。あるいはエッチングの度合いによってはボイ
ド欠陥の壁面に形成された酸化膜体及び酸素析出欠陥は
エッチング液中に遊離する。エッチング液中に遊離した
前記酸化膜体及び酸素析出欠陥は濾過などの方法により
回収する。前記半導体基板表面に露呈した前記酸化膜体
及び酸素析出欠陥、あるいは濾過回収された前記酸化膜
体及び酸素析出欠陥をAFM、SEM、TEM等の顕微
鏡を用いて評価観察する(図1の第5工程)。
【0036】前記濾過回収された酸化膜体及び/又は酸
素析出欠陥を観察する場合には、TEM観察における視
野範囲の問題を排除することができ、TEMを用いた正
確な欠陥全体の形状観察が可能となる。
【0037】また、前記熱処理を施こした半導体基板、
あるいは前記熱処理後前記方法を用いて表面層を除去し
た半導体基板、あるいは単結晶引き上げ時からボイド欠
陥の壁面に酸化膜が形成されている半導体基板、あるい
は前記エッチングを行った後の半導体基板において、評
価基板材料のエッチングレートが評価基板材料の酸化物
のエッチングレートより一桁以上小さなエッチング液
(例えばHF水溶液、HF/NH4 Fの混合溶液等)を
用いてエッチングを行う(図1の第3工程(図4
(d))ことにより、半導体基板材料の酸化物で形成さ
れた前記酸化膜体及び酸素析出欠陥を前記半導体基板表
面部から除去し、ボイド欠陥及び酸素析出欠陥の底部の
外形状をピット形状として観察する(図1の第5工
程)。特に前記半導体基板のみのエッチングを行って観
察した後にかかる観察を行うことにより、ボイド欠陥及
び酸素析出欠陥の全体の外形形状を観察することができ
る。
【0038】尚、上記説明では半導体基板の表面側を評
価する場合について記載したが、もちろん半導体基板の
裏面側も表面側と同じ面状態であれば同様に評価するこ
とが可能である。
【0039】
【実施例】以下、本発明に係る半導体基板の評価方法の
実施例を説明する。
【0040】実施例1 初期酸素濃度[Oi]=14×1017atoms/cm
3 、比抵抗ρ=10Ω・cmのCZ法により引き上げら
れた単結晶を用いて製造されたシリコン(100)基板
を試料基板とした。表面から18μmの深さまで鏡面研
磨を行った。その後シリコン酸化物に対するエッチング
レートが小さいNH4 OH/H22 /H2 Oを用いて
洗浄を行い、半導体基板表面及び付着パーティクルを除
去し、さらにレーザー異物位置検査装置を用いて検出さ
れた異物位置を、AFMを用いて観察した。ボイド欠陥
はピットとして、酸素析出欠陥は凸形状として観察され
た。観察された酸素析出欠陥を図5に示す。次に酸化物
に対するエッチングレートが大きい0.5%HF水溶液
を用いて酸化物をエッチングしたところ、ボイド欠陥の
ピット形状は大きく変化しないのに対して酸素析出欠陥
はエッチングされ、四角錐形状のピットとして観察され
た(図6)。
【0041】実施例2 初期酸素濃度[Oi]=14×1017atoms/cm
3 、比抵抗ρ=10Ω・cmのCZ法により引き上げら
れた単結晶を用いて製造されたシリコン(100)基板
を試料基板とした。横型チューブ炉を使用し、1100
℃×3.5時間、酸化性雰囲気における熱処理を施こし
た。次に表面から18μmの深さまで鏡面研磨を行った
後、AFMによる観察を行った。図7に示すごとくボイ
ド欠陥は、ピットとして観察されたが、その壁面には酸
化膜が形成されていた。この酸化膜の形成により、ボイ
ド欠陥のエッジの形状が明瞭になった。さらに0.5%
HFを用いて酸化物に対するエッチングを行ったとこ
ろ、前記酸化膜が除去され、ボイド欠陥の底面形状を明
確に観察することができた。AFMによる写真を図8
に、SEMによる写真を図9に示す。
【0042】実施例3 初期酸素濃度[Oi]=14×1017atoms/cm
3 、比抵抗ρ=10Ω・cmのCZ法により引き上げら
れた単結晶を用いて製造されたシリコン(111)基板
を試料基板とした。横型チューブ炉を使用し、1100
℃×6時間、酸化性雰囲気における熱処理を施こした。
次に表面から18μmの深さまで鏡面研磨を行った後、
3%NH4 OH水溶液を用いて30分、主に半導体基板
のエッチング(約60nm)を行い、AFM観察を行っ
た。図10に示すごとくボイド欠陥の壁面に形成された
酸化膜は、上面が平坦な凸形状として(図10
(a))、あるいは穴のあいた凸形状として(図10
(b))として観察された。このことから、ボイド欠陥
が(111)平坦面で囲まれたものであり、その内部が
空洞であることが明確となった。
【0043】実施例4 初期酸素濃度[Oi]=14×1017atoms/cm
3 、比抵抗ρ=10Ω・cmのCZ法により引き上げら
れた単結晶を用いて製造されたシリコン(100)基板
を試料基板とした。このシリコン基板には、単結晶引き
上げ時にボイド欠陥の壁面に既に酸化膜が形成されてい
ることが確認されたので、新たに熱処理は行わなかっ
た。表面から5μmの深さまで鏡面研磨を行った後、N
4 OH/H22 /H2 O洗浄により、主に半導体基
板を約100nmエッチングし、AFMにより観察を行
った。図11(a)に示すごとくボイド欠陥の壁面に形
成された酸化膜はピラミッド状の凸形状であった。次に
0.5%HF溶液を用いて主に酸化物のエッチング・洗
浄を行ったところ、逆ピラミッド状のピットとしてボイ
ド欠陥が観察された(図11(b))。このことより、
ボイド欠陥の基本構造が正八面体構造であることを発見
した。
【0044】実施例5 初期酸素濃度[Oi]=14×1017atoms/cm
3 、比抵抗ρ=10Ω・cmのCZ法により引き上げら
れた単結晶を用いて製造されたシリコン(100)基板
を試料基板とした。横型チューブ炉を使用し、800℃
×16時間+1150℃×8時間、窒素雰囲気における
熱処理を施こし、半導体基板内部に酸素析出物を形成し
た。次に基板表面から30μmの深さまで鏡面研磨を行
った後、AFMによる観察を行った。酸素析出物の断面
形状は、四角形であった。さらにKOHアルカリ溶液に
より半導体基板のエッチングを行ったところ、図11
(a)と同様のピラミッド形状の酸素析出物が観察され
た。その後0.5%HF水溶液によって酸素析出物をエ
ッチングしたところ、図11(b)と同様の四角錐ピッ
トが観察された。
【0045】以上詳述したように実施例に係る半導体基
板の評価方法によれば、CZ半導体基板内部に存在して
いる空孔タイプのボイド欠陥および酸素析出欠陥の形状
を高精度に観察可能であり、しかも既存の装置を用いる
ことが可能であるため、容易にしかも低コストで実施す
ることができる。この結果、ボイド欠陥及び酸素析出欠
陥の形成メカニズムの解明とその低減に寄与する効果は
大きく、高品質半導体基板開発のための有効な評価手段
となり得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体基板の評価方法の実施の形
態における基本となる欠陥評価工程を示すフローチャー
トである。
【図2】本発明の実施の形態に係る評価方法の第1工程
における熱処理により、ボイド欠陥の壁面に酸化膜が形
成される状態を示した断面図である。
【図3】熱処理条件とボイド欠陥壁面に形成される酸化
膜の膜厚との関係を示すグラフである。
【図4】(a)〜(d)は実施の形態における第3工程
のエッチングにより観察されるボイド欠陥及び酸素析出
欠陥の形態を示した断面図である。
【図5】半導体基板表面に存在する酸素析出欠陥を示す
顕微鏡写真である。
【図6】酸素析出欠陥をエッチングした後の半導体基板
表面を示す顕微鏡写真である。
【図7】熱処理により壁面が酸化膜により覆われたボイ
ド欠陥を示す半導体基板表面の顕微鏡写真である。
【図8】酸化膜を除去した状態のボイド欠陥を示す半導
体基板表面の顕微鏡写真である。
【図9】酸化膜を除去した状態のボイド欠陥を示す半導
体基板表面の顕微鏡写真である。
【図10】(a)(b)は熱処理した後アルカリエッチ
ングしたシリコン(111)基板表面に観察されるボイ
ド欠陥を示す顕微鏡写真である。
【図11】(a)はシリコン(100)基板にNH4
H/H22 /H2 O洗浄を行い約100nmエッチン
グした後に観察されたボイド欠陥の壁面に形成された酸
化膜体、(b)はさらに酸化物のエッチングを行った後
のボイド欠陥を示した顕微鏡写真である。
【符号の説明】
10 酸化膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に熱処理を施し、半導体基板
    バルク中に存在するボイド欠陥の壁面に酸化膜を形成
    し、その後ボイド欠陥の存在する内部まで半導体基板の
    表層を除去して前記ボイド欠陥の形状を観察することを
    特徴とする半導体基板の評価方法。
  2. 【請求項2】 熱処理によりバルク中のボイド欠陥の壁
    面に形成する酸化膜の膜厚を、半導体基板面に存在する
    自然酸化膜の膜厚よりも厚くしておくことを特徴とする
    請求項1記載の半導体基板の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理を温度800℃〜1250
    ℃、時間10分〜4時間の条件下で行うことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の半導体基板の評価方法。
  4. 【請求項4】 熱処理によりバルク中のボイド欠陥の壁
    面に形成する酸化膜の膜厚を2〜50nmに制御するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体基板
    の評価方法。
  5. 【請求項5】半導体基板材料に対するエッチングレート
    が、半導体基板材料の酸化物に対するエッチングレート
    と比較して一桁以上大きなエッチング液を用いてエッチ
    ングを行うことにより、酸化膜で壁面が覆われたボイド
    欠陥を半導体基板面から露出させて前記ボイド欠陥の外
    形状を観察することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かの項に記載の半導体基板の評価方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の表層除去の後、あるいは
    請求項5記載のエッチングを行った後、半導体基板材料
    に対するエッチングレートが、半導体基板材料の酸化物
    に対するエッチングレートと比較して一桁以上小さなエ
    ッチング液を用いてエッチングを行うことにより、ボイ
    ド欠陥の壁面に形成された酸化膜を除去して半導体基板
    面に残存する前記ボイド欠陥底部跡の形状を観察するこ
    とを特徴とする半導体基板の評価方法。
  7. 【請求項7】 半導体基板材料に対するエッチングレー
    トが、半導体基板材料の酸化物に対するエッチングレー
    トと比較して一桁以上大きなエッチング液を用いてエッ
    チングを行うことにより、半導体基板バルク中に存在す
    る酸素析出欠陥及び/又はボイド欠陥の壁面に形成され
    た酸化膜体を半導体基板面から露出させて前記酸素析出
    欠陥及び/又は前記酸化膜体の外形状を観察することを
    特徴とする半導体基板の評価方法。
  8. 【請求項8】 酸素析出欠陥及び/又はボイド欠陥の存
    在する内部まで半導体基板の表層を除去した後、あるい
    は請求項7記載のエッチングを行った後、半導体基板材
    料に対するエッチングレートが、半導体基板材料の酸化
    物に対するエッチングレートと比較して一桁以上小さな
    エッチング液を用いてエッチングを行うことにより、前
    記酸素析出欠陥及び/又は前記ボイド欠陥の壁面に形成
    された酸化膜を除去して前記半導体基板面に残存する前
    記酸素析出欠陥跡及び/又は前記ボイド欠陥跡の形状を
    観察することを特徴とする半導体基板の評価方法。
  9. 【請求項9】 前記観察にAFMあるいはSEMを用い
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載
    の半導体基板の評価方法。
  10. 【請求項10】 半導体基板材料に対するエッチングレ
    ートが、半導体基板材料の酸化物に対するエッチングレ
    ートと比較して、一桁以上大きなエッチング液を用いて
    エッチングを行い、請求項1記載の熱処理によりボイド
    欠陥の壁面に形成された酸化膜体及び/又は酸素析出欠
    陥を半導体基板から遊離させて回収し、前記ボイド欠陥
    及び/又は酸素析出欠陥の外形を観察することを特徴と
    する半導体基板の評価方法。
  11. 【請求項11】 前記観察にAFM、SEMあるいはT
    EMを用いることを特徴とする請求項10記載の半導体
    基板の評価方法。
  12. 【請求項12】 初期酸素濃度[Oi]が10×1017
    atoms/cm3以上である半導体基板を試料基板とすること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の半
    導体基板の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013118242A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Mitsubishi Electric Corp 結晶欠陥検出方法、炭化珪素半導体装置の製造方法

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