JPH10163090A - 回転制御方法及び該方法を使用するステージ装置 - Google Patents

回転制御方法及び該方法を使用するステージ装置

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JPH10163090A
JPH10163090A JP31947996A JP31947996A JPH10163090A JP H10163090 A JPH10163090 A JP H10163090A JP 31947996 A JP31947996 A JP 31947996A JP 31947996 A JP31947996 A JP 31947996A JP H10163090 A JPH10163090 A JP H10163090A
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rotation angle
wafer
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Takashi Masuyuki
崇 舛行
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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    • GPHYSICS
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハの回転角を短時間に目標とする範囲内
に設定する。 【解決手段】 初期調整時において、回転ステージの回
転駆動量(エンコーダの計測値で表される)とウエハの
実際の回転角との関係を非線形な回転レートとして求め
る(ステップ151,152)。露光に際し、ロードさ
れたウエハの回転角を計測し(ステップ102)、この
回転角及び回転レートを用いて回転ステージを駆動した
後(ステップ103)、ウエハの残留回転角Δθを確認
し(ステップ104,105)、残留回転角Δθが許容
値θTHを超えた場合は、追加された計測データを考慮し
て回転レートを再計算し(ステップ107)、それ以後
は再計算された回転レートを用いて回転ステージの回転
駆動量を設定し(ステップ103)、残留回転角Δθが
許容値θTH以内になるまでその動作を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工対象物等の回
転角を制御するための回転制御方法、及びこの方法を使
用するステージ装置に関し、例えば半導体素子、撮像素
子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等
を製造するためのリソグラフィ工程で、マスクパターン
を感光基板上に転写するために使用される露光装置でそ
のマスクや感光基板の回転角を制御する場合に使用して
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より半導体素子等を製造する際に、
マスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介し
て感光基板としてのウエハ(又はガラスプレート等)上
に転写するステッパー等の投影露光装置、又はレチクル
のパターンを直接ウエハ上に転写するプロキシミティ方
式の露光装置等の露光装置が使用されている。このよう
な露光装置では、ウエハを位置決めするためのウエハス
テージ内に、そのウエハの回転角を制御するための回転
ステージが組み込まれ、この回転ステージを介してウエ
ハの回転角を調整した後に露光が行われる。
【0003】従来の露光装置の回転ステージには、ウエ
ハが載置されたウエハホルダを回転する回転駆動部と、
この回転駆動部による回転駆動量を計測するためのエン
コーダとが備えられ、その回転駆動部に対してはそのエ
ンコーダで検出される回転駆動量に対応した駆動信号が
供給される。例えば回転駆動部がロータリモータによっ
てスピンドルを正逆方向に回転させて、そのウエハホル
ダのアームを押し引きすることによって、そのウエハホ
ルダを回転する方式である場合、そのエンコーダとして
はそのスピンドルの回転角を検出するロータリエンコー
ダ、又はそのスピンドルの移動量を検出するリニアエン
コーダ等が使用される。従って、そのエンコーダで検出
される回転角や移動量等がその回転駆動量となり、その
エンコーダで検出される回転駆動量が目標値に達するま
でそのスピンドルが駆動される。通常その回転駆動量
は、そのエンコーダでのデジタルのカウント数Nで表さ
れる。
【0004】また、一般にウエハ上には2次元的な位
置、及び回転角を検出するためのサーチアライメントマ
ークが形成されており、このサーチアライメントマーク
の位置を露光装置に備えられているアライメントセンサ
で検出することによって、そのウエハの回転角のずれ、
即ち実際の回転角θが計測できるようになっている。し
かしながら、このようにサーチアライメントマークによ
って検出されるウエハの実際の回転角は、そのエンコー
ダで検出される回転駆動量とは異なっているため、予め
そのウエハの実際の回転角θに対するそのエンコーダで
検出される回転駆動量Nの比の値である回転レートR
(=θ/N)を求めておく必要がある。
【0005】図7は、従来の露光装置の初期調整時及び
露光時の動作を示し、先ず図7(a)の初期調整時のス
テップ301において、回転レートRを決定するため
に、その回転ステージの回転駆動部を複数の回転駆動量
1,N2,…で駆動して、それぞれ評価用のウエハの実際
の回転角θ12,…が計測される。図8の一連の黒丸は
この場合の計測データの一例を示し、この図8の横軸は
エンコーダで計測される回転駆動量N(カウント数)で
あり、縦軸はウエハの実際の回転角θの計測値(μra
d)である。そして、図7のステップ302では、例え
ば最小自乗法によって、図8の一連の計測データを近似
する直線51が決定され、この直線51の傾きが実際の
回転角θに対する回転駆動量Nの比の値(回転レート
R)とされていた。言い換えると、従来は計測データを
線形近似して回転レートRを決定していたため、従来の
回転レートRは線形レートと言うことができる。
【0006】その後、例えば1ロットのウエハに対して
露光を行う場合には、図7(b)のステップ201でウ
エハの交換が行われ、次のステップ202のサーチアラ
イメント工程において、アライメントセンサで当該ウエ
ハ上のサーチアライメントマークの位置を検出すること
によって、ウエハステージに対するウエハの実際の回転
角θAが計測される。それに続くステップ203におい
て、その計測された回転角θAを所定の目標値(ここで
は0とする)にするように上記の回転駆動部を介してウ
エハの載置されたウエハホルダが回転される。ステップ
302で計算された回転レートRを用いると、この場合
の回転駆動量は、−θA/Rで決定される。
【0007】その後ステップ204で、ウエハの回転角
が目標値に対して許容範囲内に収まったかどうかを確認
するため、再びサーチアライメントによってウエハに残
存している回転角である残留回転角θBが計測される。
そして、ステップ205において、その残留回転角θB
が目標値である0に対して所定の許容範囲内にあるかど
うかが判定される。残留回転角θBが許容範囲内になけ
れば、再びステップ203に戻ってウエハの回転が行わ
れ、残留回転角θBがその許容範囲内になるまで、ステ
ップ203〜205が繰り返される。また、ステップ2
05において、残留回転角θBが許容範囲内にあること
が確認された場合はステップ206に進み、ファインア
ライメントが実行される。
【0008】一般に、ウエハ上の各ショット領域にはフ
ァインアライメントマーク(ウエハマーク)が付設さ
れ、これらのウエハマークの座標をアライメントセンサ
を介して計測することによって各ショット領域の配列座
標が算出される。その後、ステップ207において、そ
のように求められた配列座標に基づいて各ショット領域
を露光位置に位置決めして、順次露光が行われる。そし
て、1ロットの残りのウエハに対しても順次ステップ2
01〜207の露光が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
によれば、回転レートRとしては、例えば露光装置の初
期調整時に図7のステップ301,302によって決定
された値を常時使用していたが、経時変化等による回転
駆動部の変形等により、回転駆動部における回転駆動量
と、実際のウエハの回転角との関係(回転レートR)が
初期の状態から変化する場合がある。このように回転レ
ートRが変化すると、回転ステージの再調整を行わない
限り、設定された許容範囲内にウエハの残留回転角が追
い込まれるまで、図7のステップ203〜205に示す
回転角の追い込み動作と残留回転角の計測動作とが繰り
返されることになる。そのため、ウエハの回転角を補正
する時間が増加し、露光工程のスループット(生産性)
が低下するという不都合があった。
【0010】また、回転ステージの機構によっては、回
転駆動部の回転駆動量の大小によって回転レートRの値
が大きく異なる場合もあった。このように回転駆動量に
よって回転レートTが異なると、最初にサーチアライメ
ントによって検出されるウエハの回転角の大小によっ
て、残留回転角が大きくなる場合が生じて、更に露光工
程のスループットが悪化するという不都合も生じてい
た。
【0011】また、露光装置のレチクルステージにはレ
チクルの回転角を補正する機構が組み込まれており、例
えば工作機械にも被加工物を回転させるための回転ステ
ージが備えられている場合もある。このようなレチクル
ステージや工作機械等においても、レチクルや被加工物
等をできるだけ短時間に目標とする回転角に設定できる
回転ステージが望まれている。
【0012】本発明は斯かる点に鑑み、ウエハ等の基板
の回転を行うための機構部の変形等が生じても、その基
板の回転角を短時間に目標とする範囲内に設定できる回
転制御方法を提供することを第1の目的とする。本発明
は更に、その基板の回転角が大きい場合でも、その基板
の回転角を短時間に目標とする範囲内に設定できる回転
制御方法を提供することを第2の目的とする。更に、本
発明はそのような回転制御方法が実施できるステージ装
置を提供することをも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による回転制御方
法は、位置合わせ用マーク(17Y,17θ)が形成さ
れた基板(W)を保持する基板保持部(4,5)と基板
(W)又は基板保持部(4,5)よりなる回転対象物を
回転(正逆何れの方向への回転を含む)する回転手段
(13〜15)とを用いて、基板(W)の回転角を制御
する回転制御方法において、回転手段(13〜15)に
おける回転駆動量と基板(W)の回転角との関係を回転
制御関係(回転レート等)として予め決定しておき(ス
テップ151,152)、その後回転手段(13〜1
5)を介してその回転対象物を回転したときのこの回転
手段における回転駆動量と基板(W)の位置合わせ用マ
ーク(17Y,17θ)に基づいて計測される実際の回
転角とに基づいてその回転制御関係を補正し(ステップ
104〜107)、次に、その回転手段を介してその回
転対象物を回転する際に、その補正された回転制御関係
に基づいて回転駆動量を設定する(ステップ103)も
のである。
【0014】斯かる本発明によれば、予め決定されてい
る回転制御関係に基づいて回転手段(13〜15)を介
してその回転対象物を回転したときに、その基板の実際
の回転角が計測され、この計測結果に基づいてその回転
制御関係が補正される。即ち、その回転対象物を回転す
る毎に学習機能によってその回転制御関係が次第に補正
される。従って、経時変化等によって回転手段(13,
14,15)等の機構部の変形等が生じても、その回転
制御関係は補正されるため、その基板の回転角は短時間
に目標とする範囲内に設定される。
【0015】この場合、その補正された回転制御関係と
して、回転手段(13〜15)における回転駆動量と基
板(W)の実際の回転角との間の非線形な係数を使用す
ることが望ましい。即ち、その回転手段における回転駆
動量の大小によって、基板(W)の実際の回転角θに対
するその回転駆動量Nの比の値である回転レートR(=
θ/N)が変化するような場合には、実際にその回転対
象物を回転したときの回転駆動量Nを対応する実際の回
転角θの2次以上の関数、又はスプライン関数等で近似
すればよい。例えば回転駆動量Nを次のように回転角θ
の2次関数f2(θ)で近似したときには、最小自乗法
等によって係数a,b,cの値が決定され、これらの係
数a,b,cがその非線形な係数となる。
【0016】 N=f2(θ)=cθ2 +bθ+a (1) この場合、目標とする回転角がθ’であるときには、そ
の回転手段における回転駆動量Nは、(1)式よりf2
(θ’)となる。これによって残留回転誤差が減少する
ため、その基板の回転角が大きい場合でも、その基板の
回転角を短時間に目標とする範囲内に設定できる。
【0017】また、回転手段(13〜15)を介して複
数回その回転対象物を回転したときのその回転手段にお
ける回転駆動量と、それぞれ対応して基板(W)の位置
合わせ用マーク(17Y,17θ)に基づいて計測され
る実際の回転角とに基づいてその回転制御関係を補正す
ることが望ましい。これは、それまでの複数回の実測デ
ータを使用し、且つそれら複数回の実測データの以前の
実測データや初期調整時の実測データを無視してその回
転制御関係を求めることを意味する。これによって、過
去の実測データが次第に使用されなくなるため、最新の
実測データに基づいてその回転制御関係を正確に求める
ことができ、回転に要する時間が短縮される。
【0018】また、その回転制御関係の補正は、回転手
段(13〜15)における回転駆動量の予め定められた
範囲内で行われることが望ましい。特に上述のように過
去の複数回の実測データのみを用いてその回転制御関係
を補正する場合、あまり使用しない回転駆動量の範囲で
の実測データは少ないため、あまり使用しない回転駆動
量の範囲では却ってその回転制御関係の精度が低下する
恐れがある。そこで、通常あまり使用しないような範
囲、即ちその回転駆動量の予め定められた範囲の外では
学習機能を制限することによって、その回転制御関係の
精度低下が防止できる場合がある。
【0019】次に、本発明によるステージ装置は、位置
合わせ用マーク(17Y,17θ)が形成された基板
(W)を保持する基板保持部(4,5)と、位置合わせ
用マーク(17Y,17θ)に基づいて基板(W)の実
際の回転角を計測する回転角計測手段(12)と、基板
(W)又は基板保持部(4,5)よりなる回転対象物を
回転する回転手段(13〜15)と、この回転手段にお
ける回転駆動量と基板(W)の回転角との関係を回転制
御関係として記憶する記憶手段(10a)と、回転手段
の制御手段(10)と、を備え、この制御手段は、記憶
手段(10a)に記憶された回転制御関係に基づいて回
転手段(13〜15)を介してその回転対象物を回転す
ると共に、その回転対象物を回転したときの回転手段
(13〜15)における回転駆動量と、回転角計測手段
(16)によって計測される基板(W)の実際の回転角
とに基づいてその回転制御関係を補正するものである。
【0020】斯かる本発明のステージ装置によれば、基
板(W)の実際の回転角に基づいてその記憶手段(10
a)に記憶された回転制御関係を補正できるため、上述
の本発明の回転制御方法が実施できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図1〜図6を参照して説明する。本例は、ステッ
パー型の投影露光装置でウエハステージに載置されたウ
エハの回転角を補正する場合に本発明を適用したもので
ある。図2は、本例の投影露光装置の概略構成を示し、
この図2において、露光時には照明光学系1からの露光
光ILによってレチクルRが照明され、その露光光IL
のもとでレチクルRのパターンの像が投影光学系3を介
して、フォトレジストが塗布されたウエハWの各ショッ
ト領域に投影される。以下、投影光学系3の光軸AXに
平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図2の紙面に
平行にX軸を、図2の紙面に垂直にY軸を取って説明す
る。
【0022】レチクルRは、このレチクルRをX方向、
Y方向、回転方向(θ方向)に位置決めするレチクルス
テージ2上に真空吸着によって保持されている。一方、
ウエハWはウエハホルダ4上に真空吸着によって保持さ
れ、ウエハホルダ4は回転板5上に固定され、回転板5
はZチルトステージ6上に回転自在に載置され、Zチル
トステージ6はXYステージ7上に載置されている。Z
チルトステージ6は、ウエハWのZ方向の位置(フォー
カス位置)、及び傾斜角を補正し、XYステージ7は不
図示の定盤上でX方向、Y方向にウエハWの位置決めを
行う。これらのウエハホルダ4、回転板5、Zチルトス
テージ6、及びXYステージ7等からウエハステージが
構成されている。また、回転板5には回転アーム13が
取り付けられ、この回転アーム13を動かすための駆動
モータ14がZチルトステージ6上に固定されている。
【0023】図3は、図2のウエハステージの平面図で
あり、この図3において、ウエハホルダ4の底部の回転
板5に突設された回転アーム13は、ほぼX軸に平行に
伸びており、駆動モータ14に対してY軸に平行に連結
されたスピンドル14aの先端が回転アーム13の先端
部側面に突き当てられている。スピンドル14aは、駆
動モータ14によってY方向に進退自在に駆動され、不
図示のばね機構によって回転アーム13はスピンドル1
4a側に付勢されている。スピンドル14aによって回
転アーム13の先端部のY方向への変位量を制御するこ
とによって、回転板5(ウエハW)は回転軸Pを中心と
して時計方向、又は反時計方向に回転される。
【0024】そして、Zチルトステージ6上で回転アー
ム13に関して駆動モータ14とほぼ対称な位置にリニ
アエンコーダ15が固定され、スピンドル14aと対向
するようにリニアエンコーダ15のY軸に平行な可動子
15aが回転アーム13の先端部側面に押し付けられ、
リニアエンコーダ15は可動子15aの変位を例えば1
0nm程度の分解能で検出し、検出した変位をデジタル
の計数値Cとして主制御装置10に供給する。その計数
値Cに分解能を乗じて得られる量が回転アーム13の先
端部のY方向への変位である。本例の回転板5は、回転
軸Pを中心として例えば±数100μrad程度の範囲
内で回転するものであるため、回転アーム13の先端部
がスピンドル14aや可動子15aから外れることはな
い。回転アーム13、駆動モータ14、及びリニアエン
コーダ15より本例の回転ステージ(θステージ)が構
成されている。
【0025】本例の回転ステージの動作は、装置全体の
動作を統轄制御するコンピュータよりなる主制御装置1
0によって制御されている。即ち、主制御装置10に接
続されたメモリ10aには、回転板5(ウエハW)の回
転角の目標値を、リニアエンコーダ15で検出される計
数値Cの目標値に換算するための回転レートの情報が回
転制御関係として格納されている。そして、主制御装置
10はそのメモリ10aから読み出した回転レートの情
報を用いてリニアエンコーダ15での計数値Cの目標値
ALを求め、この目標値CALに対応する駆動データを回
転駆動系16に供給し、回転駆動系16はこの駆動デー
タに対応する駆動信号を駆動モータ14に供給する。主
制御装置10は、リニアエンコーダ15から供給される
計数値Cがその目標値CALに達するまで、閉ループ方式
で回転駆動系16を介して駆動モータ14を駆動する。
そこで、以下ではそのリニアエンコーダ15で検出され
る計数値C(カウント数)を、駆動モータ14の回転駆
動量Nとみなす。
【0026】図2に戻り、Zチルトステージ6の上端に
は移動鏡8が固定され、この移動鏡8及び外部のレーザ
干渉計9によって計測されるZチルトステージ6(ウエ
ハW)のX座標、及びY座標が主制御装置10に供給さ
れ、主制御装置10は供給された座標に基づいてウエハ
ステージ駆動系11を介してXYステージ7の位置決め
動作を制御する。このようにレーザ干渉計9で計測され
るX座標及びY座標よりなる座標系を、ウエハステージ
の座標系(X,Y)と呼ぶ。また、ウエハWの表面のフ
ォーカス位置、及び傾斜角を検出するフォーカス位置検
出系(不図示)が備えられ、露光時にこのフォーカス位
置検出系の検出結果に基づいてサーボ方式でZチルトス
テージ6を駆動することによって、ウエハWの表面が常
に投影光学系8の像面に合わせ込まれた状態で、ウエハ
Wの各ショット領域にレチクルRのパターン像が転写さ
れる。
【0027】また、本例の投影露光装置の投影光学系3
の側面にはオフ・アクシス方式で、且つ画像処理方式
(以下、「FIA(Field Image Alignment)方式」と呼
ぶ)のアライメントセンサ12が設置されている。即
ち、アライメントセンサ12は、例えばハロゲンランプ
等の光源からの照明光LAでウエハW上のアライメント
マークを照明して、そのアライメントマークの像を撮像
し、この撮像信号を主制御装置10に供給する。主制御
装置10では、その撮像信号を処理してアライメントセ
ンサ12内の基準点に対するそのアライメントマークの
位置ずれ量を求め、この位置ずれ量とレーザ干渉計9で
計測される座標とを用いてそのアライメントマークのX
座標、及びY座標を求める。ウエハW上には、大まかな
アライメント(サーチアライメント)を行うためのマー
クが形成され、これらの内の所定のマークの位置をアラ
イメントセンサ12を介して検出することによって、ウ
エハWの実際の回転角がモニタできる。
【0028】即ち、図3のウエハホルダ4上に保持され
たウエハWの表面には、ほぼY方向に所定ピッチで配列
されたライン・アンド・スペースパターンからなる2つ
のサーチアライメントマーク17Y及び17θ(図3で
は1本の線状パターンで表されている)と、サーチアラ
イメントマーク17Yを90°回転した形状のX軸のサ
ーチアライメントマーク17Xとが形成され、サーチア
ライメントマーク17Y及び17θはY方向の位置がほ
ぼ同じでX方向の間隔が大きくなるように配置されてい
る。この場合、ウエハWの外周にはノッチNPが形成さ
れ、ウエハWをウエハホルダ4上に載置する際のプリア
ライメントによって、そのノッチNPがほぼ−Y方向を
向くように、且つウエハWの中心がウエハホルダ4の中
心、即ち回転板5の回転軸Pにほぼ合致するように、ウ
エハWの位置及び回転角が設定されている。これによっ
て、ウエハWをウエハホルダ4上に載置した段階で、サ
ーチアライメントマーク17Y及び17θはそれぞれ計
測方向(ピッチ方向)がほぼY方向に設定される。
【0029】そして、サーチアライメント時に、XYス
テージ7を駆動して順次アライメントセンサ12の観察
視野内にサーチアライメントマーク17Y及び17θが
移動されて、それぞれサーチアライメントマーク17Y
及び17θのY座標Y1及びY2が計測される。これら
2つのマークのX方向の間隔をLXとすると、ウエハス
テージの座標系(X,Y)のX軸に対するウエハWの実
際の回転角θは、ほぼ次のように計算できる。
【0030】θ≒(Y1−Y2)/LY (2) また、その2つのY座標Y1,Y2の平均値よりウエハ
Wの中心のY座標が算出される。更に、アライメントセ
ンサ12によってX軸のサーチアライメントマーク17
XのX座標を検出することによって、ウエハWの中心の
X座標が検出される。また、ウエハW上にはほぼX方
向、Y方向に所定ピッチで多数のショット領域SAが形
成され、これらのショット領域SAにそれぞれ最終的な
アライメント(ファインアライメント)用のウエハマー
クが付設されている。これらのウエハマークの位置も例
えばアライメントセンサ12を介して検出される。
【0031】さて、ウエハW上の各ショット領域に対し
て図2のレチクルRのパターンを重ね合わせ露光する際
には、各ショット領域の回転角、即ちウエハWの回転角
をレチクルRの回転角に正確に合わせておく必要があ
る。また、通常レチクルの交換時にはレチクルアライメ
ント工程によって、図2において、例えばZチルトステ
ージ6上に固定された基準マーク板(不図示)、即ちウ
エハステージの座標系(X,Y)に対してレチクルRの
位置及び回転角が合わせ込まれる。そこで、重ね合わせ
精度を高めるために、ウエハWの回転角もウエハステー
ジの座標系(X,Y)において、目標値に対して許容範
囲内に収める必要がある。
【0032】以下では、ウエハの回転角を補正して露光
を行う際の動作の一例につき図1のフローチャートを参
照して説明する。この場合、予め投影露光装置の初期調
整時に図3の回転ステージにおける回転レートが求めら
れる。即ち、図1(a)は、初期調整時における回転レ
ートの決定方法を示し、この図1(a)のステップ15
1において、回転レート算出のための計測を行う。具体
的に、図3のウエハホルダ4上にサーチアライメントマ
ーク17Y,17θが形成された評価用のウエハを載置
して、図2(a)の回転モータ14による回転ステージ
の回転駆動量N、即ちリニアエンコーダ15で検出され
る計数値を段階的に変化させ、それぞれの回転駆動量N
において、アライメントセンサ12を介してサーチアラ
イメントマーク17Y,17θのY座標を検出すること
によって、その評価用のウエハの回転角θを計測する。
それに続くステップ152において、主制御装置10で
回転レートを計算し、計算された回転レートの情報をメ
モリ10aに格納する。
【0033】図4は、初期調整時における回転ステージ
の回転駆動量Nに対するウエハの実際の回転角θの一連
の計測データ31を示し、図4の横軸はリニアエンコー
ダ15の計数値で表される回転駆動量N(カウント
数)、縦軸はアライメントセンサ12を介して検出され
るウエハの回転角θ(μrad)を表す。この回転角θ
は、例えば反時計周りの方向を正の符号とし、図3の回
転アーム13がX軸に平行な状態での回転駆動量Nを0
として、この状態でのウエハの回転角θを0としてい
る。この図4の結果は従来例の図8に示す計測データと
同じものであるが、本例においては、各計測データを線
形近似せず、曲線近似してその関数を求める。その関数
としては2次以上の高次関数、又はスプライン関数等を
用いることができる。一例として、図4の一連の計測デ
ータ31を3次関数(N=f(θ))で近似するものと
する。関数f(θ)の各次数の係数をa〜dとすると、
次のようになる。
【0034】 N=f(θ)=dθ3 +cθ2 +bθ+a (3) なお、それらの計測データを回転駆動量Nの関数(θ=
g(N))で近似してもよいが、ここでは後処理の容易
さを考慮して(N=f(θ))の形式を使用している。
(3)式の未知の係数a〜dは4個であるため、計測デ
ータが4個あればそれらの係数の値は決定できる。実際
には計測データは図4の例では13個あるため、最小自
乗法によってそれらの計測データに対する誤差が全体と
して最も小さくなるように係数a〜dの値を決定する。
このように決定された関数(N=f(θ))に対応する
曲線20が図4に示されている。この結果、ウエハの回
転角θに対するその回転ステージの回転駆動量Nの比の
値である回転レートR(θ)(=θ/N)は、非線形な
関数θ/f(θ)となる。このように非線形な関数で表
される回転レートを「非線形レート」と呼ぶ。そこで、
図3のメモリ10aには、回転レートR(θ)の情報と
して、関数θ/f(θ)と係数a〜dの値とが記憶され
る。更に、メモリ10aには、図4の一連の計測データ
31の回転駆動量N、及び回転角θも格納される。主制
御装置10では、その非線形レートの情報に基づいて実
際の露光時におけるウエハの回転角を制御する。
【0035】図1(b)は、1ロットのウエハに対して
順次回転補正を行って露光を行う場合のフローチャート
を示し、この図1(b)のステップ101において、ウ
エハの交換が行われ、図2のウエハホルダ4上に次に露
光されるウエハWがロードされる。なお、一例としてウ
エハWが載置される前に、図3の回転ステージの回転ア
ーム13をX軸に平行にしておく、即ち、リニアエンコ
ーダ15での計数値(回転駆動量)を0にしておく。次
に、ステップ102において、ウエハWのサーチアライ
メント、即ちウエハWの中心のX座標、Y座標、及びウ
エハWの回転角の計測が行われる。具体的に、図3のウ
エハW上のサーチアライメントマーク17Y,17θの
Y座標、及びサーチアライメントマーク17XのX座標
が順次アライメントセンサ12を介して計測され、主制
御装置10ではサーチアライメントマーク17Y,17
θのY座標のずれ量よりウエハWのX軸に対する回転角
(θW1とする)を算出する。ここではウエハWのX軸に
対する回転角の追い込み目標値は0であるとする。これ
と共に、ウエハWの中心のX座標、Y座標も検出され
る。
【0036】次のステップ103において主制御装置1
0は、初期調整時に求めてメモリ10aに記憶されてい
る回転レートR(θ)の情報に基づいて、ウエハWの回
転角を目標値(=0)に追い込むために、回転ステージ
の駆動モータ14にどの位いの回転駆動量を与えればよ
いかを決定する。具体的に、その回転レートR(θ)
は、(3)式の関数f(θ)を用いてθ/f(θ)であ
り、ウエハWの回転角を0にするには、ウエハWを−θ
W1だけ回転すればよいため、駆動モータ14の回転駆動
量N1は次のようになる。
【0037】 N1=−θW1/R(−θW1)=f(−θW1) (4) この式は(3)式のθに−θW1を代入したものであり、
係数a〜dを用いて容易に計算できる。主制御装置10
では、(4)式の回転駆動量N1を図3の駆動モータ1
4の回転駆動量として設定する。そして、主制御装置1
0は、リニアエンコーダ15での計測値がほぼその回転
駆動量N1になるまで、駆動モータ14を介してウエハ
Wを回転する。即ち、リニアエンコーダ15での計測値
がその回転駆動量N1に対して所定の許容範囲内に入っ
たときに駆動モータ14が停止して、そのときのリニア
エンコーダ15での計数値(これも回転駆動量N1とす
る)が記憶される。
【0038】次に、ステップ104において、先のステ
ップ102と同様にアライメントセンサ12を用いてウ
エハWの回転角を確認する。即ち、アライメントセンサ
12でウエハW上の2つのサーチアライメントマーク1
7Y,17θのY座標を検出して、ウエハWの回転角
(θW2とする)を検出する。このときのウエハWの回転
角の差分(θW2−θW1)が、駆動モータ14での回転駆
動量N1に対応する実際の回転角θ1となり、この実際
の回転角θ1が回転駆動量N1に対応してメモリ10a
に記憶される。そして、ステップ105において、主制
御装置10はウエハWの残留回転角Δθを算出する。本
例では、ウエハWの回転角の目標値は0であり、ステッ
プ104で検出されるウエハWの回転角はθW2であるた
め、残留回転角ΔθはθW2そのものとなる。
【0039】次のステップ106において、残留回転角
Δθが予め定められた許容値θTHの範囲内にあるかどう
かの判定が行われる。残留回転角Δθが許容値θTHを超
えている場合は、ステップ107に進んで回転レートの
再計算が行われ、ステップ106で残留回転角Δθが許
容値θTH以下である場合は、ステップ108に進んでフ
ァインアライメントが行われる。
【0040】即ち、ステップ107で主制御装置10
は、初期調整時の計測データにステップ104で記憶さ
れた計測データを組み入れて、回転レートを再計算す
る。図5は、図4の初期調整時の計測データ31の一部
の計測データ32A〜32D、及びステップ104で記
憶された計測データ22を示し、この図5において、計
測データ22での回転ステージの回転駆動量NはN1、
ウエハの回転角θはθ1である。この例では、計測デー
タ22は元の計測データ32A〜32Dから求められる
曲線20に対してかなり上方向にずれている。そこで、
主制御装置10は、図4の13個の計測データに図5の
1個の計測データ22を加えた14個の計測データよ
り、最小自乗法で(3)式の関数f(θ)の係数a〜d
の値を決定する。このように新たに決定された係数を有
する関数f(θ)をf’(θ)とする。図5には、関数
(N=f’(θ))に対応する曲線21が示されている
が、この曲線21は元の関数(N=f(θ))に対応す
る曲線20に比べて、計測データ22側にずれている。
この結果、再計算後の回転レートR(θ)は、非線形な
関数θ/f’(θ)となり、図3のメモリ10aには、
再計算後の回転レートR(θ)の情報として、関数θ/
f’(θ)と係数a〜dの再計算後の値とが記憶され
る。この再計算後の回転レートR(θ)がこれ以後にウ
エハを回転する場合に使用される。
【0041】そして、動作はステップ107からステッ
プ103に戻り、残留回転角Δθを目標値(=0)にす
るように図3の回転ステージでの回転駆動量が設定され
る。一例として、図5の曲線21の回転駆動量N1での
回転角θをθ1’とすると、この回転角θ1’から残留
回転誤差Δθを差し引いた値(θ1’−Δθ)が目標と
する回転角となる。この場合、回転レートR(θ)は、
θ/f’(θ)であるため、ウエハWの残留回転角を0
にするための駆動モータ14の回転駆動量N2は次のよ
うになる。
【0042】N2=f’(θ1’−Δθ) (5) なお、近似的にはステップ103で回転駆動量を設定す
る段階で図5において回転駆動量Nが0であるとみなし
て、(5)式の代わりにf’(−Δθ)を新たな回転駆
動量N2としてもよい。これでも、残留回転誤差は確実
に小さくなるからである。そして、主制御装置10は、
リニアエンコーダ15での計測値がほぼその回転駆動量
N2になるまで、駆動モータ14を介してウエハWを回
転する。その後、ステップ104〜106が繰り返され
て残留回転誤差Δθが許容値θTHと比較され、残留回転
角Δθが許容値θTHの範囲内に収まるまでステップ10
7,103〜106が繰り返される。残留回転角Δθが
許容値θTH内に収まったときに動作はステップ108に
進む。
【0043】ステップ108はファインアライメント工
程であり、ウエハW上の各ショット領域の配列座標が求
められる。本例では、ウエハW上から選択された所定個
数のショット領域(サンプルショット)に付設されたウ
エハマークの座標位置をFIA方式のアライメントセン
サ12により計測し、この計測結果を統計処理してウエ
ハ上の各ショット領域の配列座標を算出するエンハンス
ト・グローバル・アライメント(EGA)方式で、各シ
ョット領域の配列座標を求める。そして、ステップ10
9において、ウエハW上の各ショット領域をその配列座
標に基づいて露光位置に位置決めしながら露光を行い、
すべてのショット領域の露光が終了後、ステップ110
で1ロットの全てのウエハの露光が終了したかどうかが
判定され、残りのウエハがある場合は再びステップ10
1に戻り、全てのウエハの露光が終了するまでステップ
101〜110が繰り返される。
【0044】この際に本例では各ウエハについて、ステ
ップ106で残留回転角Δθが許容値θTHを超える毎に
新たな計測データが追加され、追加された計測データを
含めてステップ107で回転レートの再計算が行われ、
それ以降に回転ステージの回転駆動量を設定する際に
は、最新の回転レートが使用される。言い換えると、回
転ステージの経時変化による変形等によって初期の回転
レートが変化していても、学習機能によって逐次更新さ
れる回転レートが使用されるために各ウエハで残留回転
誤差が減少し、図1におけるステップ103〜107の
繰り返し数が少なくなり、ウエハの回転角の補正を短時
間に行うことができる。従って、露光工程のスループッ
トが向上する。
【0045】また、本例によれば露光するウエハの枚数
が増えるに従って加速度的に回転レートの精度が向上す
る。図6は、多数のウエハについて露光を行った後に得
られる回転ステージの回転駆動量Nと対応するウエハの
回転角θの計測データの他の例を示し、この図6の横軸
はリニアエンコーダ15で検出される回転駆動量N(カ
ウント数)、縦軸はウエハの回転角θ(μrad)であ
る。また、計測データ32A〜32Dは初期調整時の計
測データであり、実線の曲線20はこれらの計測データ
32A〜32Dを近似する関数(N=f(θ))に対応
している。更に、計測データ33A〜33Fは、実際の
露光の際に集積された計測データであり、最終的に計測
データ32A〜32D、及び計測データ33A〜33F
を近似する関数に対応する曲線は点線の曲線24となっ
ており、回転レートの精度は急速に向上している。
【0046】なお、例えば図4において、計測データは
曲線20で近似されているが、各計測データ(回転駆動
量N,回転角θ)をテーブルとして記憶し、これらの計
測データの間については両端の計測データを直線で補間
するようにしてもよい。これは計測データを折れ線で結
ぶことを意味している。また、上述の実施の形態では初
期調整時から最新の計測データまでの全データを用いて
回転レートを再計算しているが、初期調整時から新たに
追加された計測データが所定の個数m(mは例えば4以
上の整数)以上となっている場合に、それまでのm個の
最新の計測データのみに基づいて回転レートを再計算す
るようにしてもよい。これにより、初期調整時等の古い
計測データの回転レートに対する影響が低下し、回転レ
ートが実際の特性により近くなる。
【0047】また、上述の実施の形態では例えば図4の
回転駆動量Nの機構的な上限及び下限の間の全範囲(有
効ストローク内)で回転レートの学習機能を有効にして
いる。しかしながら、実際には、図4において回転駆動
量Nが−NA〜NAの範囲外となる領域では、露光中に
新たな計測データは殆ど蓄積されない。そこで、回転レ
ートの学習機能を持たせるのは、回転駆動量Nが−NA
≦N≦NA となる範囲内のみに限定してもよい。これ
は、新たに得られる計測データの内で回転駆動量Nが−
NA≦N≦NA となるものは有効として、回転駆動量
Nが−NA〜NAの範囲外となるものは無視することを
意味する。
【0048】特に上述の変形例のように最新のm個の計
測データのみから回転レートの再計算を行う場合には、
回転駆動量Nが−NA〜NAの範囲外となるデータは無
くなる恐れがある。そこで、このように最新のm個の計
測データのみから回転レートの再計算を行う場合には、
回転駆動量Nが−NA〜NAの範囲外となる領域では初
期調整時の計測データを使用することによって、回転駆
動量Nが大きい範囲での回転レートの精度低下が防止で
きる。
【0049】また、上述の実施の形態では回転レートと
して非線形レートを用いる方法と、学習機能によって回
転レートを再計算する方法とを併用しているが、回転レ
ートとして非線形レートを用いるだけでもよい。これに
よって、1回目の残留回転角が減少してウエハの回転角
の補正に要する時間が短縮される。同様に、回転レート
を線形として、学習機能によってその線形な回転レート
の値を次第に補正するだけとしてもよく、これによって
ウエハの回転角の補正に要する時間が短縮される。
【0050】また、上述の実施の形態ではアライメント
センサ12として、FIA方式のアライメントセンサを
使用したが、レーザ光をウエハ上のドット列状のアライ
メントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱
された光を用いてそのマークの位置を検出するLSA
(Laser Step Alignment)方式等のアライメントセンサ
を使用してもよい。
【0051】更に、図3では駆動モータ14は閉ループ
制御で駆動されているが、例えば駆動モータ14として
パルスモータを使用し、このパルスモータを開ループ制
御で駆動してもよい。この際には、リニアエンコーダ1
5を省いて、回転板5(ウエハW)の回転角に対するパ
ルスモータの駆動パルス数(回転駆動量)の関係を回転
制御関係として求め、この回転制御関係に基づいてその
パルスモータの駆動パルス数を設定すればよい。
【0052】また、本発明は投影露光装置のレチクルス
テージにも適用でき、更にステップ・アンド・スキャン
方式の投影露光装置や、プロキシミティ方式の露光装置
等でウエハやレチクルの回転角を補正する場合にも適用
できる。また、露光装置に限らず、工作機械の回転テー
ブル等にも同様に適用できる。このように、本発明は上
述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々の構成を取り得る。
【0053】
【発明の効果】本発明の回転制御方法によれば、予め決
定されている回転制御関係をその後に学習される回転手
段の回転駆動量と、基板の実際の回転角との関係に基づ
いて補正しているので、経時変化等によってその回転手
段等の機構部に変形等が生じてその回転制御関係が変化
しても、その基板の回転角を短時間に目標とする範囲内
に設定できる利点がある。従って、本発明を露光装置の
ウエハステージに適用すると、ウエハの回転補正に要す
る時間が短縮され、露光工程のスループットが向上す
る。また、回転制御関係の精度が向上するため、例えば
残留回転角の許容値を小さく設定できるため、その基板
の回転角の制御精度も向上する。
【0054】また、補正後のその回転制御関係として、
その回転手段における回転駆動量とその基板の実際の回
転角との間の非線形な係数を使用する場合には、その基
板の回転角が大きい場合であっても、その基板の回転角
を短時間に目標とする範囲内に設定できる利点がある。
また、その回転手段を介して複数回その回転対象物を回
転したときのその回転手段における回転駆動量と、それ
ぞれ対応してその基板の位置合わせ用マークに基づいて
計測される実際の回転角とに基づいて回転制御関係を補
正する場合には、予め決定されている回転制御関係の影
響が低下し、最新の回転制御関係に基づいて回転制御が
行われるため、より短時間にその基板の回転角を目標と
する範囲内に設定できる利点がある。
【0055】また、その回転制御関係の補正が、その回
転手段における回転駆動量の予め定められた範囲内で行
われる場合には、その回転手段の回転駆動量があまり使
用されない範囲では学習機能が働かないため、その回転
手段の回転駆動量があまり使用されない範囲でのその回
転制御関係の精度低下が防止される。また、本発明によ
るステージ装置によれば、本発明の回転制御方法を実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例における初期調整
時、及び露光時の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態の一例で使用される投影露
光装置を示す概略構成図である。
【図3】図2の投影露光装置のウエハステージを示す平
面図である。
【図4】本発明の実施の形態において、初期調整時にお
ける回転ステージの回転駆動量Nとウエハの実際の回転
角θとの関係を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態において、1つの計測デー
タが追加された場合の回転駆動量Nとウエハの実際の回
転角θとの関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態において、複数の計測デー
タが追加された場合の回転駆動量Nとウエハの実際の回
転角θとの関係を示す図である。
【図7】従来の露光装置における初期調整時、及び露光
時の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7の初期調整時における回転ステージの回転
駆動量とウエハの実際の回転角との計測データを示す図
である。
【符号の説明】
R レチクル W ウエハ 4 ウエハホルダ 5 回転板 6 Zチルトステージ 7 XYステージ 10 主制御装置 12 アライメントセンサ 13 回転アーム 14 駆動モータ 14a スピンドル 15 リニアエンコーダ 15a 可動子 16 回転駆動系 17Y,17θ,17X サーチアライメントマーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置合わせ用マークが形成された基板を
    保持する基板保持部と前記基板又は前記基板保持部より
    なる回転対象物を回転する回転手段とを用いて、前記基
    板の回転角を制御する回転制御方法において、 前記回転手段における回転駆動量と前記基板の回転角と
    の関係を回転制御関係として予め決定しておき、 その後前記回転手段を介して前記回転対象物を回転した
    ときの前記回転手段における回転駆動量と前記基板の前
    記位置合わせ用マークに基づいて計測される実際の回転
    角とに基づいて前記回転制御関係を補正し、 次に、前記回転手段を介して前記回転対象物を回転する
    際に、前記補正された回転制御関係に基づいて回転駆動
    量を設定することを特徴とする回転制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回転制御方法であって、 前記補正された回転制御関係として、前記回転手段にお
    ける回転駆動量と前記基板の実際の回転角との間の非線
    形な係数を使用することを特徴とする回転制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の回転制御方法であ
    って、 前記回転手段を介して複数回前記回転対象物を回転した
    ときの前記回転手段における回転駆動量と、それぞれ対
    応して前記基板の前記位置合わせ用マークに基づいて計
    測される実際の回転角とに基づいて前記回転制御関係を
    補正することを特徴とする回転制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載の回転制御方
    法であって、 前記回転制御関係の補正は、前記回転手段における回転
    駆動量の予め定められた範囲内で行われることを特徴と
    する回転制御方法。
  5. 【請求項5】 位置合わせ用マークが形成された基板を
    保持する基板保持部と、 前記位置合わせ用マークに基づいて前記基板の実際の回
    転角を計測する回転角計測手段と、 前記基板又は前記基板保持部よりなる回転対象物を回転
    する回転手段と、 該回転手段における回転駆動量と前記基板の回転角との
    関係を回転制御関係として記憶する記憶手段と、 前記回転手段の制御手段と、を備え、 該制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記回転制御
    関係に基づいて前記回転手段を介して前記回転対象物を
    回転すると共に、前記回転対象物を回転したときの前記
    回転手段における回転駆動量と、前記回転角計測手段に
    よって計測される前記基板の実際の回転角とに基づいて
    前記回転制御関係を補正することを特徴とするステージ
    装置。
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