JPH10162856A - ニッケル水素角形電池 - Google Patents

ニッケル水素角形電池

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JPH10162856A
JPH10162856A JP8342962A JP34296296A JPH10162856A JP H10162856 A JPH10162856 A JP H10162856A JP 8342962 A JP8342962 A JP 8342962A JP 34296296 A JP34296296 A JP 34296296A JP H10162856 A JPH10162856 A JP H10162856A
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electrode plate
thickness
negative electrode
lead portion
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JP8342962A
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English (en)
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Yasushi Kawase
裕史 川瀬
Hiroshi Fukasaku
博史 深作
Tomo Morimoto
友 森本
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Central R&D Labs Inc
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リード形状特にその横リード部の形状を工夫す
ることにより他の電池特性に支障を生じることなく電極
の電気抵抗低減の低減を実現したニッケル水素角形電池
の製造方法を提供する。 【解決手段】ニッケル水素電池における横リード部30
の横方向の長さをL、厚さをt、高さ方向の幅をDとす
る場合に、横リード部30の形状係数α=L/(D・
t)を25〜100、更に好ましくは40〜80とする
ことにより、電極抵抗Rtを低減できることを見出し
た。また、負極板及び正極板の集電体の活物質が被着さ
れない上端部の厚さをそれぞれton、top、この上
端部に溶接される正極板側の横リード部の厚さをtp、
この上端部に溶接される負極板側の横リード部の厚さを
tn、電槽に収容する前の活物質部分における一対の正
極板及び負極板の厚さの和をToとする場合、正、負一
対の横リード部の厚さの和tp+tnを、(To−to
n−top)倍以下とすれば、容量向上を実現すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル水素角形
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭61ー259454号は、金属多
孔体の上端部を加圧して薄い被溶接部とし、この被溶接
部の全部にわたって良導体からなるリードを溶接し、そ
の後、この金属多孔体に活物質を充填して所定厚さの電
極板とする円筒電池を提案している。リードは、上記被
溶接部の全部にわたって溶接される横リード部と、この
横リード部の所定部位から上方へ伸びる縦リード部とか
らなり、活物質は金属多孔体(集電体)、横リード部、
縦リード部を順次経由して電槽上部の電極端子(ターミ
ナル)に接続されている。
【0003】特開平6ー176757号は、金属多孔体
の一辺の集電領域から金属多孔体の各部へ放射方向に多
数条の集電路を形成することを提案している。なお、こ
れら集電路は、金属多孔体の該当領域を活物質の充填な
しに加圧することによりなされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】水素吸蔵合金電極を負
極板とし、水酸化ニッケル電極を正極とするニッケル水
素電池では、特に電気自動車用電池として用いる場合、
発進時などの大電流放電時や急速充電時などにおいて電
池内部の損失が大きくなるので、必要な大電流を発生で
きなかったり、充放電電流が電極板ごとにばらついて局
所的な過充電、過放電が生じ易いという不具合を生じ
た。
【0005】上記各公報によれば、放射状集電路や金属
多孔体の上端部に沿って延設された横リード部により活
物質各部と電極端子との間の電気抵抗が低減され、それ
らの間のばらつきが低減される。しかし、上記放射状の
集電路は金属多孔体を圧縮して形成されるので、集電路
の電流経路断面積自体はほぼ活物質充填部分の金属多孔
体のそれと等しく、大きな電気抵抗損失の低減は望めな
い上、各集電路に活物質を充填しない分だけ容量低下が
生じるという問題があった。
【0006】また、上記金属多孔体の上端部に沿って低
抵抗の横リード部を延設することは金属多孔体(集電
体)中の電流を上下方向に整列させているので、活物質
各部から横リード部までの金属多孔体中の電流経路が短
くなり、かつ各電流経路長のばらつきが減少し、その結
果として上述した不具合を改善することができる。した
がって、電槽に収容可能な範囲で、すなわち、電槽に電
解液及びセパレータとともに収容された一対の正極板及
び負極板の厚さの和をT、正極、負極に対し活物質を含
まず圧潰、溶接された金属多孔体の厚さをそれぞれto
p、ton、正極板用の横リード部の厚さをtp、負極
板用の横リード部の厚さをtnとする場合、 tp+tn<T−top−ton を満足する範囲で横リード部の厚さをできるだけ増大す
ることにより横リード部の抵抗の極小化を図れる筈であ
る。なお、横リード部の高さの増加は、その分だけ、電
槽の高さの増大又は活物質収容量の減少を招くため、電
槽及び電極形状により一定の制限が存在する。
【0007】しかしながら、このような常識的思考の下
に作製した電池では実際にはかえって大幅な容量減少を
招くケースが続出した。本発明は上記問題に鑑みなされ
たものであり、リード形状特にその横リード部の形状を
工夫することにより他の電池特性に支障を生じることな
く電極の電気抵抗低減の低減を実現したニッケル水素角
形電池を提供することを、その解決すべき課題としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1記載の手段について以下に説明する。本発明
者らは上記したニッケル水素電池における上記横リード
部設置による容量低下の原因を調べたところ、たとえ、
横リード部の厚さの和tp+tnが上記範囲内であって
も、横リード部に隣接するセパレータが破損して正極側
の横リード部と負極側の横リード部とがショートまたは
レアショートし、これにより容量減少が生じていること
を見出した。
【0009】このセパレータの破損の原因を考えると、
厚さ方向に加圧(圧潰)した金属多孔体(いわゆる発泡
ニッケル)又はパンチングメタルなどの集電体は、その
表面にばりや微小凹凸や角部を有し、これが隣接する薄
いセパレータに微小な傷や応力集中点を与える。この一
因として、横リード部から上方へ伸びる縦リード部は電
極端子との接続のために曲げられるので、その応力が横
リード部を通じてセパレータに掛かることや、活物質の
表面と横リード部の表面とが電池積層方向に段差をもつ
ことが挙げられる。
【0010】一方、充放電により活物質の膨張、収縮が
生じると、負極板及び正極板の活物質の厚さが変動す
る。更に、これら活物質の厚さ変動は一律ではなく空間
的にばらつきをもつ。たとえば、放電時には正極板は厚
く、負極板は薄くなり、充電時には正極板は薄く、負極
板は厚くなる。一方、正極板側の横リード部と負極板側
の横リード部の厚さは常に一定であり、このため、活物
質の上記膨張、収縮により一対の横リード部の間のセパ
レータに応力が生じ、この応力が上記微小な傷な傷や横
リード部の角部に接するセパレータの部分に集中的に作
用して上記ショートまたはレアショートが生じるものと
推定される。
【0011】そこで、本発明者らは、充放電を繰り返し
てもこのようなショートまたはレアショートに起因する
と思われる容量低下が生じない横リード部の厚さについ
て調べた。その結果、負極板及び正極板の集電体の活物
質が被着されない上端部の厚さをそれぞれton、to
p、この上端部に溶接される正極板側の横リード部の厚
さをtp、この上端部に溶接される負極板側の横リード
部の厚さをtn、電槽に収容する前(電解液注入前)の
活物質部分における一対の正極板及び負極板の厚さの和
をToとする場合、正、負一対の横リード部の厚さの和
tp+tnを(To−top−ton)倍以下とすれ
ば、上記ショートまたはレアショートを良好に抑止して
それによる容量低下を抑止することができることを見出
した。なお、これら横リード部の厚さtp、tnは薄い
ほど上記した理由による電極抵抗の増大を招くので、厚
さの和tp+tnは少なくとも上記厚さの差(To−2
・top−ton)の0.2倍以上とすることが好まし
い。
【0012】更に説明すると、本構成では、正、負一対
の横リード部の厚さの和(tp+tn)と正、負一対の
集電体の上端部の厚さの和(top+ton)との合計
が電槽収容前の電極積層状態における正極板及び負極板
の活物質部分の厚さの和Toに等しい場合を考える。こ
の場合、電槽に収容されるまではセパレータは活物質表
面及び横リード部に均等に接触しており、横リード部の
部分に応力が集中することはない。電槽収容後、電解液
を注入すると、正極板及び負極板の両活物質はそれぞれ
膨潤し、これによりセパレータとそれに隣接する横リー
ド部との間にはかなりの隙間が生じる。この状態は放電
状態にあたり、次に充電を行うと、水素吸蔵合金電極の
活物質はその厚さ方向に膨張し、水酸化ニッケル正極の
活物質はその厚さ方向に収縮し、両活物質に挟まれるセ
パレータは水酸化ニッケル正極側へ変位する。一方、放
電を行うと、水素吸蔵合金電極の活物質はその厚さ方向
に収縮し、水酸化ニッケル正極の活物質はその厚さ方向
に膨張し、両活物質に挟まれるセパレータは水素吸蔵合
金電極側へ変位する。
【0013】けれども、上記説明したように横リード部
とセパレータとの間には両電極が電解液により膨潤した
分だけ元々隙間が生じているので、このようなセパレー
タの厚さ方向の変位があっても、それにより横リード部
とセパレータとの間において応力が集中することが抑止
され、セパレータの破損が抑止されるものと推測され
る。
【0014】本構成では更に、横リード部の厚さを、電
極板を電槽に収容する前における集電体の上端部におけ
る隙間の半分以上に設定しているので、横リード部を許
容可能な範囲で厚くすることができ、電極抵抗を低減し
て特に大電流放電時や急速充電時における電力損失や発
熱の低減、更に、急速充電時の過充電(特にガス発生)
の低減を実現できるという優れた効果を奏することがで
きる。
【0015】請求項2記載の構成によれば、横リード部
のセパレータ側の下端角部にR加工を行うので、セパレ
ータの損傷を一層抑止することができ、電極間のショー
トやレアショートの一層の防止を実現できる。上記課題
を解決するための請求項3又は4記載の手段について以
下に説明する。本発明者らは、更に、ニッケル水素電池
における上記横リード部の最適形状について実験を行っ
た。その結果、横リード部には電極の電気抵抗(以下、
電極抵抗Rtともいう)を最小とする形状範囲が存在す
ることを見出した。すなわち、横リード部の横方向の長
さをL、厚さをt、高さ方向の幅をDとする場合に、横
リード部の形状係数α=L/(D・t)を25〜10
0、更に好ましくは40〜80とすることにより、電極
抵抗Rtを低減できることを見出した。
【0016】詳しく説明すると、電極抵抗Rtは、活物
質表面から電極端子(ターミナル)まで電気抵抗である
ので、活物質の所定部分の抵抗r1と、活物質から横リ
ード部までの集電体の抵抗r2と、横リード部の抵抗r
3と、縦リード部の抵抗r4との直列抵抗Riを電極板
の幅方向に積分(加算)したものと考えられ、活物質の
等価抵抗をr1e、活物質から横リード部までの集電体
の等価抵抗をr2e、横リード部の等価抵抗をr3e、
縦リード部の等価抵抗をr4eとすれば、Rt=r1e
+r2e+r3e+r4eとなる。
【0017】なお、ここでは説明簡略化のために、電極
抵抗Rtは電池反応抵抗を含まないものと仮定する。等
価抵抗r1e、r2e、r4eは一定である。縦リード
部の等価抵抗は、横リード部の長さLに相当する縦リー
ド部の横方向の幅を増大したり、その高さ方向の長さを
短縮すれば低減可能なように考えられるが、電極端子の
横方向の幅が決まっており、反対極性の縦リード部との
接触を回避する必要があり、しかも縦リード部は電槽の
端部から電極端子まで積層方向へ曲げられるので、一定
の長さが必要であるために、縦リード部の形状及び縦リ
ード部を収容する電槽の上部空間を縮小することは困難
であり、そのため、縦リード部の等価抵抗r4eは一定
とみなせる。
【0018】一方、横リード部の等価抵抗r3eは、そ
の長さLがその断面積D・tに対して例えば80倍又は
100倍と大きい場合には、電極抵抗Rtはすぐに理解
されるように形状係数α=L/(D・t)の低減ととも
に減少する。しかし、20倍又は40倍と小さい場合に
は、形状係数α=L/(D・t)の低減とともに電極抵
抗IRは逆に増大することがわかった。以下、この形状
係数α=L/(D・t)の低減とともに電極抵抗Rtが
増大する理由について更に説明する。
【0019】この横リード部は電流をその長さ方向へ流
すとともに、その高さ方向へも流すわけであり、横リー
ド部の抵抗r3eは横方向の等価抵抗rrと高さ方向の
等価抵抗rhとの直列抵抗とみなせる。横リード部の形
状係数α=L/(D・t)を減少させる場合、L、tに
は実際上、限界があるので、高さ方向の幅Dを増大する
ことになる。しかるに、横リード部の高さ方向の幅Dの
増大は、上述したように、横リード部の横方向の等価抵
抗rrの減少と、高さ方向の等価抵抗rhの増加とを招
く。ここで、Dを増大していくと(αを減少していく
と)、等価抵抗rrは小さくなるので、Dの増大に応じ
たその減少率が小さくなり、一方、等価抵抗rhは大き
くなるので、Dの増大に応じたその増大率が大きくな
り、結局、横リード部の抵抗r3eは、形状係数α=L
/(D・t)が20〜50の範囲では横リード部の高さ
方向の幅Dの増大とともに増大することがわかった。
【0020】したがって、本構成のように横リード部の
形状係数α=L/(D・t)を20〜100、好ましく
は40〜80とすることにより、電極抵抗Rtを低減す
ることができる。更に、電槽容積一定の条件で横リード
部の高さ方向の幅Dを増大することは、電極板の活物質
領域の高さを減少することに相当する。ここで、活物質
の気孔率を最適値とした場合、電極板の活物質領域の高
さの減少は実際容量の低減を招く。また、活物質量を一
定としてその理論容量を不変とする場合には活物質の気
孔率が減少するので、電極の抵抗増大特にその大電流特
性の劣化を招く。
【0021】請求項5記載の構成によれば、請求孔1及
び3の構成を同時に採用するので、より効果を向上する
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】集電体としては、発泡ニッケルな
どを素材とする金属多孔体やパンチングメタル、エキス
パンドメタルなどを採用することが好ましい。パンチン
グメタルには穴を設けてもよいことはもちろんである。
水酸化ニッケル粉末や水素吸蔵合金粉末を含むペースト
は、金属多孔体に充填した後、規定の厚さまで圧縮され
る。金属多孔体の上端部にはぺーストを充填せずに圧縮
するものとする。金属多孔体の上端部の圧縮は、ペース
ト充填の前後どちらで行ってもよい。
【0023】パンチングメタルやエキスパンドメタルに
は、その両面にぺーストを塗着すればよい。例えば、ペ
ースト槽から上方へパンチングメタルを引き上げつつド
クターブレード法によりぺースト厚さを調節し、それを
乾燥させて活物質層とし、次に、このペースト被着シー
トをロールプレス法により加圧して水素吸蔵合金電極と
すればよい。
【0024】水素吸蔵合金粉末としては、ミッシュメタ
ル系材料が好適であるが、それ以外の材料例えばZr系
やTi−Mn系材料を用いることができる。水素吸蔵合
金粉末の平均粒径は10〜150μmとすることが好ま
しい。結着材としては、PTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)やSBR(スチレンブタジェンラバー)やそ
れらの混合物を採用することができる。PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)は繊維化して水素吸蔵合金電
極中の水素吸蔵合金粉末と絡み合い、水素の吸収、放出
により微粉化した水素吸蔵合金粉末の電極からの脱落を
抑止する。SBRは大きな弾性変形をもつので、水素吸
蔵合金粉末が変形してもそれに追従して変形することが
でき、水素吸蔵合金粉末が集電体から剥離することを抑
止する。結着材としては、その他、フッ素系樹脂微粉末
としてFEP、PCTFEなどを採用することができ、
合成ゴム系としてシリコンゴム、アクリルゴム、ブタジ
エンゴムなどを採用することができる。 結着材の添加
量は、水素吸蔵合金粉末に対して0.1〜4%、更に好
ましくは0.2〜2%とすることが好ましい。
【0025】増粘材としては、MC(メチルセルロー
ス)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA
(ポリビニルアルコール)の水溶液を用いることが好ま
しい。これらの添加によりペースト粘度を強化すること
ができ、集電体へのぺーストの付着性を向上させること
ができる。増粘材の固形分の添加量は、水素吸蔵合金粉
末に対して0.05〜1wt%とすることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の水素吸蔵合金電極の製造方法
の各実施例を説明する。 (実施例1)図1に水素吸蔵合金電極からなる負極板の
正面図を示し、図2にその積層状態における側面図を示
す。
【0027】1は活物質、2は水素吸蔵合金負極の集電
体であるパンチングメタル、2’は水酸化ニッケル正極
の集電体である発泡ニッケル、20はパンチングメタル
の上端部、20’は発泡ニッケルの上端部20’、3は
リード、30はパンチングメタル2の上端部20と発泡
ニッケルの上端部20’に溶接されたリード3の横リー
ド部、31はリード3の縦リード部、4は電槽、5は電
槽の天板部に配設された電極端子(負極ターミナル)、
6は水酸化ニッケル正極、7は水素吸蔵合金負極、8は
セパレータである。なお、図2に示す活物質1を構成す
る粉末は、水酸化ニッケル正極6では水酸化ニッケル粉
末であり、水素吸蔵合金負極7では水素吸蔵合金粉末で
ある。
【0028】パンチングメタル2及びリード3はニッケ
ル平板からなり、リード3の横リード部30はパンチン
グメタル2へのペースト塗着前にパンチングメタル2の
上端部20に溶接されている。組成がMmNi3.6 Co
0.75Al0.3 Mn0.35(La/Mm=0.6)である水
素吸蔵合金を機械粉砕して200メッシュ以下とした水
素吸蔵合金粉末に、増粘材として重合度が約5万のメチ
ルセルロース(MC)の2wt%水溶液を合金重量の約
25wt%、導電助剤としてのニッケルパウダーを合金
重量の5wt%、結着材としてのPTFEを合金重量の
1wt%、結着材としてのSBRを合金重量の1wt
%、それぞれ加えて攪拌してペーストを形成した。この
ペーストを厚さ0.07mmのパンチングメタル2の両
面に塗着し、乾燥してからロールプレスし、その後、切
断して水素吸蔵合金電極とした。この水素吸蔵合金電極
の活物質1を被着した部分は、長さLeが139mm、
厚さteが0.6mm、高さ方向の幅Deが100mm
とされている。
【0029】集電体であるパンチングメタル2は上記活
物質被着部分から上方へ露出する上端部20をもち、こ
の上端部20の片面にはその全面にわたってリード3の
横リード部30が溶接されている。横リード部30の高
さ方向の幅Dは4mmとした。一方、水酸化ニッケル正
極6は、水酸化ニッケル粉末とCMC水溶液とを混合し
たペーストを発泡ニッケル集電体に充填し、乾燥後、ロ
ールプレスして電極厚さを、0.9mmとした以外は、
上記水素吸蔵合金負極7と同一形状に作製した。この
時、圧潰された発泡ニッケル上端部の厚さは、0.06
mmであった。
【0030】この水酸化ニッケル正極6及び水素吸蔵合
金負極7を厚さ200μmのポリプロピレンフィルムか
らなるセパレータ8を挟んで積層し、電槽4に収容し、
6.8NのKOH水溶液を注入して電池を作製した。水
酸化ニッケル正極6の発泡ニッケル2’の上端部20’
及び水素吸蔵合金負極7のパンチングメタル2の上端部
20には同じ高さになるように(できるだけ活物質1に
接近して)、横リード部30が溶接される。
【0031】電槽4への収容前の横リード部30の厚さ
tを種々変更し、電池を十分に活性化した後、高率の充
放電サイクル寿命評価を行なった結果を図3に示す。評
価条件は、雰囲気温度摂氏20度において、充電0.2
Cで5時間、放電0.5Cで終止電圧0.8Vで行な
い、放電容量がサイクル開始時の放電容量の80%にな
るまで評価した。なお、ここで、活動物質1を含む一対
の正極6及び負極7の厚さの和はTo、すべての横リー
ド部30の厚さはt、圧潰された発泡ニッケルの上端部
の厚さをtop、パンチングメタルの厚さをtonとす
る。
【0032】図3から、2tが(To−topーto
n)の0.8〜1.0倍を超えると、サイクル寿命が低
下することがわかる。一方、2tが(To−top−t
on)の0.3〜0.5倍未満でもサイクル寿命が低下
することがわかる。すなわち、横リード部30の厚さを
上記範囲内とすれば、セパレータ8の損傷に起因する突
発的なサイクル寿命低下(容量低下)を防止できる。ま
た、横リード部30の厚さ増加により、電極毎の電流分
布の均一化が図れ、局所的な過充電、過放電を防止し、
サイクル寿命の向上を実現できた。
【0033】なお、図2及び上記説明から、この横リー
ド部30のセパレータ8側の下端部33は、できるだけ
ゆるやかな面取りを行うことがセパレータ8の損傷防止
に有効であることがわかる。すなわち、正極板6の活物
質や負極板7の活物質が膨張、収縮してもセパレータ8
が変位してもセパレータ8に傷が着きにくいことがわか
る。 (実施例2)次に、実施例1の水素吸蔵合金負極7にお
けるリード3の厚さt及び高さ方向の幅Dをt=0.1
5〜0.4mm、D=2〜14mmの範囲で種々変更
し、電極抵抗Rtを調べた。この電極抵抗Rtは、水素
吸蔵合金負極7を電池に組んで充分活性化した後、Hg
/HgO参照極により水素吸蔵合金負極7を放電させて
その電流Iと10秒目の電圧Vとの関係を調べ、それか
ら求めた。なお、この水素吸蔵合金負極7の理論容量は
約10Ahである。
【0034】その結果を図4に示す。図4において、L
をリード3の横リード部30の長さ(すなわち水素吸蔵
合金負極7の幅)とすれば、横リード部30の形状係数
α=L/(D・t)を25〜100、更に好ましくは4
0〜80とすることにより、電極抵抗Rtを低減できる
ことがわかる。 (実施例3)次に、実施例2の水素吸蔵合金負極7にお
いてリード3の厚さtを0.3mmとし、かつ横リード
部30の上端から水素吸蔵合金負極7の下端までの高さ
Hを一定とし、かつ、水素吸蔵合金負極7の一枚当たり
の水素吸蔵合金粉末量を一定とし、横リード部30の高
さ方向の幅Dを種々変更して横リード部30の形状係数
α=L/(D・t)を変更することにより、実施例2と
同じ測定方法で水素吸蔵合金負極7の電極抵抗Rtを求
めた。その結果を図5に示す。ただし、形状係数α=8
3.3において水素吸蔵合金負極7の活物質1中の水素
吸蔵合金粉末の充填密度は4.37g/ccであった。
【0035】その結果を図5に示す。図5において、形
状係数αの減少とともに、電極抵抗Rtは次第に増加
し、30以下で急激に増加していることがわかる。これ
は、水素吸蔵合金粉末の充填密度を増加していくと、電
解液保持空間が減少して電池反応が円滑に進行しにくく
なるためであると推定される。活物質1を塗布した面積
が減少することにより、反応抵抗が増加するためである
と考えられる。
【0036】なお、実施例1における好適な一態様にお
いて、一対の横リード部の合計厚は、電解液の注入以前
の上端部以外の部位における一対の負極板及び正極板の
合計厚から一対の集電体の上端部の合計厚を差し引いた
厚さの0.3〜0.8倍に設定され、更に好適には、
0.4〜0.7倍に設定される。このようにすれば、セ
パレータの破損の更なる抑止と電極抵抗の更なる低減と
を実現することができた。
【0037】また、実施例1における好適な他態様にお
いて、正極版の横リード部の厚さは電解液の注入以前に
おいて、負極板の横リード部の厚さの0.3〜0.8倍
に設定され、更に好適には、0.4〜0.7倍に設定さ
れる。詳しく説明すると、水素吸蔵合金粉末を主成分と
する負極板側の活物質の電気抵抗率及び電池反応抵抗は
水酸化ニッケルを主成分とする正極板側の活物質のそれ
らより大きいので、負極板側の活物質各部の電位のばら
つきは正極板側の活物質各部の電位のばらつきより大き
くなり、高率放電時や急速充電時の電力損失、発熱、局
部的な過充電の発生が生じ易い。本構成によれば、負極
板側の横リード部の抵抗率を正極板側のそれよりも小さ
く設定しているので、負極板におけるこれらの問題を抑
止することができる。なお、本構成では正極板側の横リ
ード部の抵抗率が増大するが、正極板の活物質の抵抗率
は負極板のそれより相対的に小さく、その結果、正極板
の活物質各部の電位ばらつきも負極板のそれより相対的
に小さいので、負極板側の横リード部の抵抗率の低減を
重視することにより、全体としての活物質各部の電位ば
らつきを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に用いた水素吸蔵合金負極の正面図で
ある。
【図2】図1の水素吸蔵合金負極の積層状態を示す拡大
側面図である。
【図3】実施例1の電池において、リードの横リード部
の厚さを変更した場合の容量変化を示す特性図である。
【図4】実施例2の電池において、リードの横リード部
の形状係数α=L/D・tを変更した場合の電極抵抗R
tの変化を示す特性図である。
【図5】実施例3の電池において、電槽高さを一定と
し、水素吸蔵合金粉末充填量を一定とし、横リード部の
高さを変更することにより横リード部の形状係数α=L
/D・tを変更した場合の電極抵抗Rtの変化を示す特
性図である。
【符号の説明】
1は活物質、2はパンチングメタル(集電体)、2’は
発泡ニッケル(正極集電体)、20はパンチングメタル
の上端部、20’は発泡ニッケルの上端部、3はリー
ド、30はリード3の横リード部、31はリード3の縦
リード部、4は電槽、5は電極端子(ターミナル)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深作 博史 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 森本 友 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素吸蔵合金粉末を含む活物質が方形集電
    体の上端部以外の部分に被着されてなる負極板と、水酸
    化ニッケル粉末を含む活物質が方形集電体の上端部以外
    の部分に被着されてなる正極板と、活物質が被着されな
    い前記集電体の上端部と電極端子とを接続するリード
    と、セパレータを挟んで横方向に積層された前記両極板
    を収容する角型の電槽と、前記電槽に注入された電解液
    とを備え、前記リードは、前記両極板部の上端部のほぼ
    全長にわたって個別に溶接される横リード部と、前記横
    リード部の所定領域と電極端子とを個別に接続する縦リ
    ード部とを備えるニッケル水素角形電池の製造方法にお
    いて、 積層方向に互いに重なる位置にて各前記横リード部を前
    記正極板及び負極板の各集電体の上端部に溶接し、 一対の前記負極板及び正極板の集電体に溶接する一対の
    前記横リード部の合計厚を、前記電解液未注入状態の前
    記上端部以外の部位における一対の前記負極板及び正極
    板の合計厚から前記一対の集電体の上端部の合計厚を差
    し引いた厚さの0.2〜1.0倍に設定したことを特徴
    とするニッケル水素角形電池。
  2. 【請求項2】前記横リード部のセパレータ側の下端角部
    にR加工を行うことを特徴とする請求項1乃至3記載の
    ニッケル水素角形電池。
  3. 【請求項3】水素吸蔵合金粉末を含む活物質が方形集電
    体の上端部以外の部分に被着されてなる負極板と、水酸
    化ニッケル粉末を含む活物質が方形集電体の上端部以外
    の部分に被着されてなる正極板と、活物質が充填されな
    い前記集電体の上端部と電極端子とを接続するリード
    と、セパレータを挟んで横方向に積層された前記両極板
    を収容する角型の電槽と、前記電槽に注入された電解液
    とを備え、前記リードは、前記両極板部の上端部のほぼ
    全長にわたって個別に溶接される横リード部と、前記横
    リード部の所定領域と電極端子とを個別に接続する縦リ
    ード部とを備えるニッケル水素角形電池において、 前記負極板側の横リード部の横方向の長さをL、厚さを
    t、高さ方向の幅をDとする場合に、前記横リード部の
    形状係数α=L/(D・t)を25〜100としたこと
    を特徴とするニッケル水素角形電池。
  4. 【請求項4】前記横リード部の形状係数α=L/(D・
    t)を40〜80としたことを特徴とする請求項5記載
    のニッケル水素角形電池。
  5. 【請求項5】各前記横リード部は、積層方向に互いに重
    なる位置にて前記正極板及び負極板の各集電体の上端部
    に溶接され、 一対の前記負極板及び正極板の集電体に溶接する一対の
    前記横リード部の合計厚は、前記電解液の注入以前の前
    記上端部以外の部位における一対の前記負極板及び正極
    板の合計厚から前記一対の集電体の上端部の合計厚を差
    し引いた厚さの0.6〜0.9倍に設定され、 前記負極板側の横リード部の横方向の長さをL、厚さを
    t、高さ方向の幅をDとする場合に、前記横リード部の
    形状係数α=L/(D・t)を40〜80としたことを
    特徴とする請求項1及び5記載のニッケル水素角形電
    池。
JP8342962A 1996-10-03 1996-12-24 ニッケル水素角形電池 Pending JPH10162856A (ja)

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JP8-263116 1996-10-03
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009188115A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Nissan Diesel Motor Co Ltd 電気二重層キャパシタ

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JP2009188115A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Nissan Diesel Motor Co Ltd 電気二重層キャパシタ

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