JPH10162789A

JPH10162789A - ショートアークメタルハライドランプ装置

Info

Publication number: JPH10162789A
Application number: JP8330352A
Authority: JP
Inventors: Tsugi Urushibara; 嗣漆原; Kazuyuki Tominaga; 和志冨永
Original assignee: Iwasaki Denki KK
Current assignee: Iwasaki Denki KK
Priority date: 1996-11-26
Filing date: 1996-11-26
Publication date: 1998-06-19

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、発光効率、演色性等のランプの特
性を損なうことなく、よりランプの短アーク化が可能と
なり、光学機器用光源として優れたランプ特性を有する
ショートアークメタルハライドランプ装置を提供するこ
とを目的とする。【構成】本発明は、外管を設けずに発光管のみで構成
し両端に電極を有し該電極は圧潰封着により埋設されて
なり、該発光管の壁面負荷が８０Ｗ／ｃｍ²以上であ
り、両電極間のアーク長が１．８ｍｍ以下で、発光管の
中央発光部の内容積が０．２ｍｌ以下として構成し、球
面、回転楕円面、回転放物面、その他の形状を有する反
射鏡と組み合わせ、該反射鏡の底部に発光管の一方の端
部が位置し、開口部側に他方の端部が位置するように配
置し、ほぼ水平方向に直流点灯して使用されることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、外管を設けずに
反射鏡と組み合わせて用いられる光学的に効率が良く、
主に映像用機器、あるいは光学用機器の光源であるメタ
ルハライドランプ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、外管を用いずに発光管のみで使用
されるショートアークメタルハライドランプは、主にプ
ロジェクタや映写機などに使用されている。このショー
トアークメタルハライドランプを使用したプロジェクタ
は、用途としてテレビ（ＣＲＴ）の代わりとして普及し
つつある。プロジェクタの特徴の一つとしてテレビ（Ｃ
ＲＴ）に比べ装置が小さいことが上げられる。この特徴
をより生かすためにプロジェクタ内に組み込まれるショ
ートアークメタルハライドランプも、より小型化を要求
されることになる。

【０００３】また、このショートアークメタルハライド
ランプは反射鏡と組み合わせてその反射光を利用するこ
とが多い。特に、液晶パネルを使用した液晶プロジェク
タの場合には液晶パネルの光透過角度にある程度の制限
があるため、反射鏡による光の角度の制御が光の有効利
用の点から重要である。この光の有効利用の点では、反
射鏡の焦点に集まる光の量によっても有効利用率が変わ
るため、ランプはより点光源に近いアーク長の短いもの
が要求されることになる。

【０００４】

【発明が解決しょうとする課題】従来のランプよりも、
より点光源に近いアーク長の短いランプは光の利用率、
小型化といった点で有効であるが、一方では、短アーク
化による発光管内温度のばらつきの増大による最冷部の
拡大により、封入金属の発光の偏りが生じ、元来メタル
ハライドランプの特徴である波長に対するバランスの良
い発光（演色性）を損なうという不具合を生じる。

【０００５】本発明は、前記に鑑みなされたもので、発
光効率、演色性等のランプの特性を損なうことなく、よ
りランプの短アーク化が可能となり、光学機器用光源と
して優れたランプ特性を有するショートアークメタルハ
ライドランプ装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は外管を設けずに発光管のみで構成し、両端
に電極を有し該電極は圧潰封着により埋設されてなり、
該発光管の壁面負荷が８０Ｗ／ｃｍ²以上であり、両電
極間のアーク長が１．８ｍｍ以下で、発光管の中央発光
部の内容積が０．２ｍｌ以下として構成し、球面、回転
楕円面、回転放物面、その他の形状を有する反射鏡と組
み合わせ、該反射鏡の底部に発光管の一方の端部が位置
し、開口部側に他方の端部が位置するように配置し、ほ
ぼ水平方向に直流点灯して使用されることを特徴とす
る。

【０００７】前記構成により、光の利用率が高く、色特
性が良好な光学機器用光源として、最適なショートアー
クメタルハライドランプ装置が得られる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図１は、本発明に係わるショートアークメ
タルハライドランプ装置の一実施例を一部省略して示す
断面図である。図中１は石英ガラス製の発光管風袋で、
該発光管１の両端には電極２ａ（陽極），２ｂ（陰極）
が封止部に埋め込み固定されている。電極２ａ，２ｂ間
の距離すなわちアーク長は１．５ｍｍである。

【０００９】このようにして形成された発光管１の最大
外径はＤ＝１０．０ｍｍで内部には、封入添加物とし
て、ＤｙＩ₃−ＮｄＩ₃−ＣｓＩをそれぞれ重量比で８：
２：５としたものを０．６ｍｇと、始動用アルゴンを３
３３ｈＰａと、バッファガスとしての水銀を封入してい
る。なお、３ａ，３ｂは電極２ａ、２ｂに接続されたモ
リブデン箔で、外部リード線に接続されるようになって
いる。また、電極２ｂの埋設部付近の発光管封着部の外
周には白色のアルミナシリカからなる耐熱保温兼反射膜
４が塗布されている。なお、保温膜４は反射鏡の開口部
側の発光管外周のみに塗布され、前記発光管中央の発光
部には塗布されない。

【００１０】そして、発光管１は、コールドミラー付反
射鏡５の底部にセメントで口金６を介して固定し、ショ
ートアークメタルハライドランプ装置を構成している。
なお、前記発光管１と組み合わされる反射鏡５には発光
管が埋設される底部側の穴以外には、リード線挿通穴な
どを含めて穴等を形成していない。また、前記発光管の
発光部中央に形成される管内を排気し封入物を添加する
排気管の製造後の封止部は、ランプ水平点灯時に該封止
部が上となるように、反射鏡に配置し、固定される。さ
らに、前記発光管の圧潰封着部の断面形状は長方形に形
成しており、該封着部の長手方向はランプ点灯姿勢の上
下方向になるように配置して固定される。以上のような
メタルハライドランプ装置は専用電子安定器を用いて電
力１５０Ｗ、直流で管軸が水平になるように水平点灯さ
れる。

【００１１】次に、実験例について説明する。二種類の
ランプの発光管アーク長を一定とし、発光管中央の発光
部の肉厚を変えることにより、発光管の壁面負荷および
内容積を変えたランプを作成し、その色特性を測定し
た。その結果を表１に示す。なお、点灯条件は１５０
Ｗ、直流点灯、アーク長１．５ｍｍ、封入金属の種類及
び量は一定で、発光管の最大径は同一、その他製造方法
は同一条件である。また、表１中「Ｄｕｖ」とは、黒体
軌跡からの離間距離をいう。

【００１２】

【表１】

【００１３】通常、プロジェクタ用ランプは色温度が高
いことやＤｕｖが低いことが望ましく、上記ランプでは
色温度に大差はないが、ＤｕｖがＮｏ．２ランプの方が
低く理想的なランプといえる。また、上記Ｎｏ．１ラン
プの封入金属を増やす等により、発光効率を上げたＤｕ
ｖの低いランプを作成することは可能であるが、寿命特
性は図２のように悪くなることが確認されている。図２
中、ａは本発明に係わるＮｏ．２のランプで、ｂは比較
例であるＮｏ．１のランプである。

【００１４】更に、Ｎｏ．１のランプを、例えば請求範
囲に記載の壁面負荷８０ｗ／ｃｍ²以上、内容積０．２
ｍｌ以下のいずれかの範囲を満足するように、壁面負荷
を上げずに内容積を小さくしたり、あるいは内容積を変
えずに壁面負荷を上げることは、理論的にもまた発光管
内に電極等が埋設されているので物理的にも難しい。

【００１５】また、本発明は、圧潰封着することにより
電極を埋設するように規定するものであるが、この理由
は以下のようである。ランプは電極埋設部のガラス断面
積により、特性が大きく左右されるため、圧潰封着でな
く、例えば溶封等による手段で電極を埋設する場合に
は、圧潰封着より溶封の方がこの断面積のばらつきが大
きく、特性が左右されやすい。また、溶封は製造面から
作業性が悪く商業ベースに乗りにくいこともある。更
に、請求項５のような封着部の断面形状が長方形などの
場合、溶封では加工しにくいし、仮に、同様の効果が期
待される楕円形等の形状にしても、その形の制御は難し
い。

【００１６】請求項２における保温膜の塗布量の規定は
請求項１の範囲における該ランプはサイズも非常に小さ
く、保温膜の発光部への塗布は、発光部から出射される
光の陰になる可能性が非常に高い。また、請求項３にお
けるリフレクターの穴規制は光の有効利用の点からであ
る。さらに、請求項４における排気管封止部を上に規定
するのは、請求項１の範囲のような高壁面負荷なランプ
においても、この排気管封止部のようにガラスの溜まる
場所は最冷部になりやすく特性の悪化を招くからであ
る。

【００１７】請求項５に規定する圧潰封着部形状につい
て、該ランプは直流点灯のため陽極がかなり高温にな
る。従って、陽極の埋設される圧潰封着部はランプ点灯
時に、かなりの高温になるうえ、点滅によるヒートショ
ックも激しい。また、該ランプは水平点灯されるため特
に陽極の埋設される圧潰封着部の上部が最も高温にな
る。この高温状態での長時間点灯は、この陽極の埋設さ
れた圧潰封着部に歪や亀裂を生じ、破裂等の危険を生じ
問題である。この問題を解決するため圧潰封着部断面形
状を長方形とし、温度の低下を図るものである。

【００１８】

【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明によれば、外管を設けずに電極は圧潰封着により
埋設され、発光管壁面負荷が８０Ｗ／ｃｍ²以上であ
り、アーク長が１．８ｍｍ以下、発光部内容積が０．２
ｍｌ以下のランプと、反射鏡とを組み合わせ、ほぼ水平
方向に直流点灯して使用されるので、ランプの光の利用
率が高く、かつ発光特性が優れた光学機器用光源として
最適なショートアークメタルハライドランプ装置を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るショートアークメタルハライドラ
ンプ装置の一実施例を示す断面図である。

【図２】本発明の実験例における、ランプの寿命特性を
比較して示す特性図である。

【符号の説明】

１発光管２ａ，２ｂ電極３モリブデン箔４保温兼反射膜５反射鏡６口金

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【手続補正書】

【提出日】平成８年１１月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】極は圧潰封着により埋設されてなり、該発
光管の壁面負荷が８０Ｗ／ｃｍ²以上であり、両電極間
のアーク長が１．８ｍｍ以下で、発光管の中央発光部の
内容積が０．２ｍｌ以下として構成し、球面、回転楕円
面、回転放物面、その他の形状を有する反射鏡と組み合
わせ、該反射鏡の底部に発光管の一方の端部が位置し、
開口部側に他方の端部が位置するように配置し、ほぼ水
平方向に直流点灯して使用されるショートアークメタル
ハライドランプ装置。
【請求項２】着部だけに塗布され、前記発光部には塗布
しないことを特徴とする請求項１記載のショートアーク
メタルハタイドランプ装置。
【請求項３】は、穴などがないことを特徴とするは請求
項１又は２記載のショートアークメタルハタイドランプ
装置。
【請求項４】、配置された請求項１乃至３記載のショー
トアークメタルハタイドランプ装置。
【請求項５】、該封着部の長手方向がランプ点灯姿勢の
上下方向になることを特徴とする請求項１乃至４記載の
ショートアークメタルハタイドランプ装置。