JPH10162413A - 光ヘッド装置 - Google Patents

光ヘッド装置

Info

Publication number
JPH10162413A
JPH10162413A JP8315946A JP31594696A JPH10162413A JP H10162413 A JPH10162413 A JP H10162413A JP 8315946 A JP8315946 A JP 8315946A JP 31594696 A JP31594696 A JP 31594696A JP H10162413 A JPH10162413 A JP H10162413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
recording
dielectric member
head device
reflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8315946A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kiyomatsu
智 清松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP8315946A priority Critical patent/JPH10162413A/ja
Publication of JPH10162413A publication Critical patent/JPH10162413A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザ、光検出器、光学機能部等の形
状や配置に工夫を加え、より小型かつ軽量で調整工数の
少ない光ヘッド装置を提供する。 【解決手段】 光により情報の記録または再生を行う光
ヘッド装置を、誘電体部材28Aの面の内面や部材内部
に第1の反射面22Aと、凹曲面形状に形成され対物レ
ンズの機能を果たす第2の反射面23Aにより構成した
折り曲げ光学系と、誘電体部材28Aの外側部に配置さ
れ半導体レーザ21Aと光検出器27Aを内蔵する光学
モジュール30Aと、第1の反射面22A上に設置され
記録面26からの戻り光を光検出器27Aへ分離する戻
り光分離素子33Aを備えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の光
記録媒体に、光によって情報を記録又は再生する光ヘッ
ド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光を利用して情報の記録や再生を行う技
術は近年めざましい進歩を遂げている。コンパクトディ
スク(CD)と呼ばれる円盤状のディスクに光を用いて
あらかじめ記録された音声や文字、画像データを読み出
す再生専用のCD再生装置は、その技術、市場とも現在
大きく発展してきている。また、画像データや多量の文
字データ等のコンピュータデータを記録するための装置
として、ディスクに対し書き込みが1回可能で、その後
何度でも読み出しが可能な追記型ファイリング装置や、
何度でも記録、消去、再生が可能なリライタブルファイ
リング装置などの光ディスク装置が近年ますますその利
用範囲を広げてきている。またリライタブルファイリン
グ装置として、光と磁気を利用する光磁気ディスク装置
や、光によりディスク記録層の相変化を起こさせて記録
を行う相変化型ディスク装置などが現在、市場及び技術
的な面で本格的な立ち上がり時期を向かえている。これ
らの光ディスク装置の発展を支えているのは、市場のニ
ーズもあるが、半導体レーザ技術、光学技術、媒体技
術、精密機械技術、信号処理技術などの多くの周辺技術
の寄与するところが大きい。今後、これらの技術の発
展、市場規模の拡大にともなって、光ディスク装置はデ
ータ記憶装置としての重要性をますます高めて行くもの
と考えられる。
【0003】これらの光ディスク装置に関する最近の光
学系要素技術の一つとして、光を用いてディスクに情報
を書き込み、あるいはディスクから情報を読み取る光ヘ
ッド装置を、「ホログラム素子」をもちいて小型・軽量
化しようとする試みが挙げられる。光ヘッド装置が小型
で軽量になれば、光ディスク装置全体が小型化されるこ
とはもとより、ディスク上の情報位置への光ヘッド装置
のアクセススピードの向上、装置全体の消費電力の低
減、装置の製造コストの削減、光ヘッド装置の機器組み
込み性の向上などの点で有利となる。
【0004】上記のホログラム素子とは、光の干渉、回
折現象を利用して像の記録、再生を行う回折格子であ
る。このホログラム素子は、従来の光学プリズムなどに
比べて非常に小型かつ軽量であり、多くの光学的機能を
1個の素子によって実現できる複合光学機能を有する光
学部品として用いることが期待され、3次元画像の記録
再生などに利用すべく研究がなされており、一部の製品
ではすでに実用化が始まっている。
【0005】次に、図8及び図9を参照しつつ、ホログ
ラム素子を用いた従来の光ディスク装置における光ヘッ
ド装置の構成と作用について説明する。図8は従来の光
ヘッド装置の構成図である。図8において、半導体レー
ザ1と、グレーティング2と、反射型ホログラム3と、
対物レンズ4と、アクチュエータ10と、光検出部7を
備えて構成されている。また、光検出部7は、光検出器
8と、光検出器9a及び9bを有している。
【0006】光源である半導体レーザ1から射出された
光束は、グレーティング2を透過し、反射型ホログラム
3で反射し図の上方へはね上げられた後、対物レンズ4
に入射し、対物レンズ4の集光作用によって光ディスク
の記録面5に微小な光スポットとして結像する。結像さ
れた光スポット6が記録面5によって反射する際に、記
録面5にあらかじめピット(図示せず)の形状、数、配
置等の形態で記録されていた記録情報と、サーボ制御用
の情報とが反射戻り光の中に含まれる。これにより記録
情報とサーボ用情報の読み出しが行われる。
【0007】これらの情報を含んだ反射戻り光は、入射
時の光路を逆に戻り、記録面5から対物レンズ4を通り
反射型ホログラム3に戻る。反射型ホログラム3では、
回折作用により、反射戻り光の一部を光検出部7側へ導
く。
【0008】光検出部7では、反射戻り光から情報信号
を再生するほか、記録面5上に円周状又は螺旋状に並べ
られたピットの列から光スポット6が外れないように制
御するためのトラッキングサーボ用の信号(以下、「ト
ラッキングエラー信号」という。)や、記録面5上につ
ねに光スポット6の焦点を結ばせるように制御するため
のフォーカスサーボ用の信号(以下、「フォーカスエラ
ー信号」という。)を検出する。
【0009】上記した情報信号の再生は、4分割され4
つのセンサ面を有する光検出器8への反射戻り光のう
ち、4つのセンサ面への光量の総和の光強度変化を電気
信号に変換し、ある閾値で1及び0に2値化することに
よりこれを行う。トラッキングエラー信号の検出は、グ
レーティング2で発生させた±1次回折光の2つの光ビ
ームをピットに照射させ、2つの光ビームのピットに対
するバランスを2つの光検出器9a,9bで検出する
「3ビーム法」と呼ばれる方法により行う。また、フォ
ーカスエラー信号の検出は、ホログラム3の面を2分割
しておき、回折光を2つの半月状に分け、焦点位置での
デフォーカスに伴う結像パターンの変化を4分割センサ
面を有する光検出器8で検出する「フーコー法」と呼ば
れる方法によって行う。
【0010】これらのトラッキングエラー信号やフォー
カスエラー信号は、アクチュエータ10に出力される。
アクチュエータ10は、永久磁石と電磁コイル等により
構成され、対物レンズ4に取り付けられており、トラッ
キングエラー信号やフォーカスエラー信号が入力される
と、アクチュエータ10は図の上下方向又は左右方向に
駆動され、この動きに伴い、対物レンズ4が同方向に駆
動される。これにより、光スポット6は、記録面5の所
定のピット列に追従し、かつ記録面5上に焦点を結ぶよ
うに制御される。
【0011】次に、図9を参照しつつ、従来の他の光デ
ィスク装置における光ヘッド装置について説明する。図
9は、特開平6−290477号公報に開示されている
従来の他の光ヘッド装置の構成図であり、対物レンズの
光軸上に折り曲げられた光学系を有するコンパクトな光
ヘッド装置である。
【0012】この光ヘッド装置は、半導体レーザ11
と、第1の反射面12と、第2の反射面13と、対物レ
ンズ14と、光検出部17を備えて構成されている。
【0013】光源である半導体レーザ11から射出され
た光束は、広がりながら第1の反射面12に照射され、
第1の反射面12によって反射された後、第2の反射面
13に照射される。第2の反射面13は、全反射平面と
なっており、光束は第2の反射面13で反射され、対物
レンズ14に達する。対物レンズ14は、略平面上に形
成されたマイクロフレネルレンズにより形成されてお
り、光束はこの対物レンズ14を透過した後、その収斂
作用を受けて光ディスク15の記録面16に微小な光ス
ポットとして集光される。結像された光スポットが記録
面16によって反射する際に、記録面16にあらかじめ
ピット(図示せず)の形状、数、配置等の形態で記録さ
れていた記録情報と、サーボ制御用の情報とが反射戻り
光の中に含まれる。これにより記録情報とサーボ用情報
の読み出しが行われる。
【0014】これらの情報を含んだ反射戻り光は、入射
時の光路を逆に戻り、記録面16から対物レンズ14を
通り、第2の反射面13で反射した後、第1の反射面1
2に戻る。第1の反射面12には、反射戻り光束の光路
を分離する作用を有する位相型又は振幅型のホログラム
素子が形成されている。このため、反射戻り光の一部
は、第2の反射面13と同一面に設置されている光検出
部17側へと分離される。
【0015】光検出部17上のセンサ配置等は、上述し
た図8の場合と同様の構成であり、この光検出部17へ
入射する反射戻り光を、上述した図8の場合と同様に光
電的に処理することにより、記録情報の再生、フォーカ
シングサーボ用信号、及びトラッキングサーボ用信号を
検出することができる。
【0016】また、図8に示す光ヘッド装置は、半導体
レーザ11と、対物レンズ14と、各反射面12,13
の光学的機能部と、光検出部17とが1つの誘電体部材
に一体形成され、この誘電体部材の周囲にフォーカシン
グ用及びトラッキング用の各アクチュエータ(図示せ
ず)が配置されており、全体として小型かつ軽量な光ヘ
ッド装置を実現している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の光ヘッド装置においては、図8に示す前者の従
来例では、光ヘッド装置を構成する半導体レーザや対物
レンズなどの光学要素が個々に独立して配置されている
ため、さらに小型化することは困難である、という問題
があった。
【0018】また、図9に示す後者の従来例の場合は、
光路を光軸方向に折り曲げても、所定の倍率(例えば5
倍以上の倍率)の光学系を実現しようとすると、現実的
には通常の光ヘッド装置以上の厚みとなり、誘電体下部
に配置される半導体レーザや光検出器の厚みも考慮する
と、光ヘッド装置の厚みがさらに大きくなってしまう、
という問題があった。
【0019】また両者の従来例とも、半導体レーザと光
検出器とがそれぞれ独立に組み付けられているため、調
整工数も多く、作業時間、製造コストなどの面で不利で
ある、という問題もあった。
【0020】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、
半導体レーザ、光検出器、光学機能部等の形状や配置に
工夫を加え、より小型かつ軽量で調整工数の少ない光ヘ
ッド装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の光ヘッド装置は、光記録媒体の記録面に情報
を記録し又は記録情報を再生するための誘電体部材と、
前記光記録媒体に対する前記誘電体部材の光軸と略直角
方向となる前記誘電体部材の外側部に設置された半導体
レーザと、入射光束に対し凸形状となる軸外の楕円面状
に形成され、前記誘電体部材内部の前記光軸上に略45
度の角度で設置され、入射光束を略直角方向に全反射す
る第1の反射面と、入射光束に対し凹形状となる軸上の
楕円面状又は放物面状に形成され、前記記録面に対し前
記誘電体部材の後面となる面の内面の前記光軸上に設置
され、入射光束を略逆方向に反射する機能を有し、前記
半導体レーザからの光束を前記誘電体部材の前面から射
出させ前記記録面上に収斂させるとともに、前記記録面
からの戻り光束を前記第1の反射面に導く第2の反射面
と、前記光軸と略直角方向となる前記誘電体部材の側面
のうち前記半導体レーザが配置されている外側部とは同
一の側の外側部に設置され、前記記録面からの戻り光束
により光電検出を行う光検出器と、前記記録面からの戻
り光束を前記光検出器に導く戻り光分離手段を備え、か
つ、前記半導体レーザと前記光検出器は、1つのパッケ
ージに内蔵され光学モジュールを構成することを特徴と
する光ヘッド装置としたものである。本発明によれば、
光学機能部材の形状や配置に工夫をこらすことにより光
ヘッド装置をより小型軽量化することが可能で、特に光
軸方向の厚みが非常に薄い光ヘッド装置が得られる。ま
た、半導体レーザと光検出器をモジュール化することに
より、光学的位置関係等の調整を容易かつ少なくし、か
つ光学性能の信頼性の高い光ヘッド装置とすることがで
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、光記録媒体の記録面に情報を記録し又は記録情報を
再生するための誘電体部材と、前記光記録媒体に対する
前記誘電体部材の光軸と略直角方向となる前記誘電体部
材の外側部に設置された半導体レーザと、入射光束に対
し凸形状となる軸外の楕円面状に形成され、前記誘電体
部材内部の前記光軸上に略45度の角度で設置され、入
射光束を略直角方向に全反射する第1の反射面と、入射
光束に対し凹形状となる軸上の楕円面状又は放物面状に
形成され、前記記録面に対し前記誘電体部材の後面とな
る面の内面の前記光軸上に設置され、入射光束を略逆方
向に反射する機能を有し、前記半導体レーザからの光束
を前記誘電体部材の前面から射出させ前記記録面上に収
斂させるとともに、前記記録面からの戻り光束を前記第
1の反射面に導く第2の反射面と、前記光軸と略直角方
向となる前記誘電体部材の側面のうち前記半導体レーザ
が配置されている外側部とは同一の側の外側部に設置さ
れ、前記記録面からの戻り光束により光電検出を行う光
検出器と、前記記録面からの戻り光束を前記光検出器に
導く戻り光分離手段を備え、かつ、前記半導体レーザと
前記光検出器は、1つのパッケージに内蔵され光学モジ
ュールを構成することを特徴とする光ヘッド装置とした
ものであり、光学機能部材の形状や配置に工夫をこらす
ことにより光ヘッド装置をより小型軽量化することが可
能で、特に光軸方向の厚みが非常に薄い光ヘッド装置が
得られ、半導体レーザと光検出器をモジュール化するこ
とにより、光学的位置関係等の調整を容易かつ少なく
し、かつ光学性能の信頼性の高い光ヘッド装置とするこ
とができる。
【0023】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1記載の光ヘッド装置において、前記戻り光分離
手段は、前記第1の反射面に設置され、反射型グレーテ
ィング、又は反射型ホログラムによって構成される光ヘ
ッド装置としたものであり、戻り光分離手段を第1の反
射面と一体にできるため、構成の簡素な光ヘッド装置と
することができるものである。
【0024】また、本発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1記載の光ヘッド装置において、前記戻り光分離
手段は、前記第1の反射面に設置され、反射型グレーテ
ィング、又は反射型ホログラムによって構成される光ヘ
ッド装置としたものであり、戻り光分離手段を構成する
部分を誘電体部材内に新たに設定する必要がないため、
構成の簡素な光ヘッド装置とすることができるものであ
る。
【0025】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1である
光ヘッド装置の光学系の要部断面図である。図1に示す
ように、この光ヘッド装置は、光学モジュール30A
と、誘電体部材28Aと、アクチュエータ35Aを備え
て構成されている。また、光学モジュール30Aは、半
導体レーザ21Aと光検出器27Aを有している。ま
た、誘電体部材28Aは、レーザ光に対して透明な誘電
体からなり、第1の反射面22Aと、第2の反射面23
Aと、射出面24Aを有している。また、第1の反射面
22A上には戻り光分離素子33Aが設けられている。
【0026】光学モジュール30Aは、光ディスク25
に対する誘電体部材28Aの光軸と略直角方向となる誘
電体部材28Aの側面に設置されている。また、光検出
器27Aは、誘電体部材28Aの光軸に対し直角となる
ように、光学モジュール30A内に配置されている。ま
た、フォーカシング用及びトラッキング用のアクチュエ
ータ35Aは、第2の反射面23Aの光軸に対して略9
0度の位置となる誘電体部材28Aの側面位置に配置さ
れている。
【0027】半導体レーザ21Aは光源であり、この半
導体レーザ21Aから射出された光束31Aは、第1の
反射面22Aに到達する。
【0028】第1の反射面22Aは、入射光束に対して
凸形状となる軸外の楕円面状に形成され、光ディスク2
5に対する誘電体部材28Aのほぼ光軸上に配置され、
かつ面の展開方向が半導体レーザ21Aの射出光束の光
軸に対して略45度の角度で傾斜するような状態で配置
されている。また、第1の反射面22A上には、戻り光
分離素子33Aが設けられている。この戻り光分離素子
33Aは、反射型のグレーティング又は反射型のホログ
ラム等により構成されている。このため半導体レーザ2
1Aからの射出光束31Aは、第1の反射面22Aへの
入射時には、光ディスク25の方向に向けて略直角に折
曲げられるように全反射され、第2の反射面23Aに到
達する。
【0029】第2の反射面23Aは、光ディスク25の
記録面26に対し誘電体部材28Aの後面となる面の内
面において、誘電体部材28Aの光軸上に配置され、入
射光束に対して凹形状となる入射光束軸上の全反射非球
面、例えば楕円面、放物面等となっている。このため、
入射光束を略逆方向、すなわち光ディスク25側に反射
させ、かつ記録面26上に集光させる作用を有し、対物
レンズの機能を果たす。
【0030】したがって、第2の反射面23Aで反射さ
れた光束は、誘電体部材28Aの上部に設けられた略平
面状の射出面24Aを透過して射出され、光ディスク2
5内の記録面26に微小な光スポットとして集光され
る。結像された光スポットが記録面26によって反射す
る際に、記録面26にあらかじめピット(図示せず)の
形状、数、配置等の形態で記録されていた記録情報と、
サーボ制御用の情報とが反射戻り光の中に含まれる。こ
れにより記録情報とサーボ用情報の読み出しが行われ
る。
【0031】記録面26で反射された戻り光束は、再び
射出面24Aを透過し、再び第2の反射面23Aで反射
された後、第1の反射面22Aに戻る。この第1の反射
面22A上には戻り光分離素子33Aが設けられてお
り、戻り光束の一部を光検出器27A側へと分離する機
能を有している。このため、第1の反射面22Aへの戻
り光束のうちの一部41Aは、光検出器27Aに導かれ
る。
【0032】光検出器27Aにおいては、後述する方法
で入射する戻り光束41Aが光電的に処理され、記録情
報の再生、フォーカシングサーボ用信号、及びトラッキ
ングサーボ用信号の検出が行われる。また、同様にして
光ディスク25の記録面26への情報の記録も可能であ
る。
【0033】次に、上記した誘電体部材28Aの製造方
法について説明する。まず、BK7などのガラス材料、
又はPC(ポリカーボネート)樹脂などの合成樹脂材料
を含む透明性を有し加工性の良好な誘電体材料を金型に
入れてプレス加工することにより、射出面24Aと、第
2の反射面23Aと、第1の反射面22Aを含む部分を
成形する。この場合、第1の反射面22Aと第2の反射
面23Aとの中間の部分は空隙としておく。
【0034】次に、第1の反射面22Aと第2の反射面
23Aの中間の部分に誘電体材料を充填し、再度プレス
加工を施すことにより、戻り光分離素子33Aと第2の
反射面23Aを形成する。その後、第2の反射面23A
の外表面に金属蒸着膜等の反射膜をコーティングし、全
反射面とする。これにより、内部に光学機能部を有する
誘電体部材28Aを形成することができる。
【0035】上記したように、図1に示す光ヘッド装置
においては、第1の反射面22Aと第2の反射面23A
とが1つの誘電体部材28A内に一体形成されている。
また、半導体レーザ21Aと、光検出器27Aを内蔵す
る光学モジュール30Aが、第2の反射面23A及び第
3の反射面23Aの光軸に対して略90度の位置となる
誘電体部材28Aの側面位置に配置されている。
【0036】このような構成により、第2の反射面23
Aの光軸方向への誘電体部材28Aの高さ(厚さ)を薄
くすることができる。これに伴い光ヘッド装置全体が軽
量となるため、各サーボの追従性能及びアクセススピー
ドが向上する。また、第2の反射面23Aは、前述した
ように単純な凹球面ではなく凹状非球面に形成されてい
るので、光ディスク25の基板によって生じる球面収差
を補正することができ、結像スポットを回折限界まで絞
り込むことができる、という利点を有している。
【0037】次に、上記した光学モジュール30Aの構
造及び作用について、その詳細を図2を参照しつつ説明
する。図2は図1の光モジュールの詳細断面図である。
図2に示すように、光学モジュール30Aは、一面が開
放された函体状のパッケージ29Aと、内部に設置され
る半導体レーザ21A及び光検出器27Aと、これらを
パッケージ29A内に装着するためのマウント部34A
と、光学モジュール30Aからの光を誘電体部材28A
に射出させかつ誘電体部材28Aからの光を入射させる
接合板32Aを有している。接合板32Aは、平板状の
誘電体からなり、入射する光束をそのまま出射させる。
【0038】半導体レーザ21Aの光軸は、上記したよ
うに、光ディスク25に対する誘電体部材28Aの光軸
と略直角方向となるように配置される必要があり、か
つ、光検出器27の光軸も、光ディスク25に対する誘
電体部材28Aの光軸と略直角方向となるように配置さ
れる必要があるため、光学モジュール30A内でのそれ
ぞれの位置関係は、光学アライメントによって厳密に位
置決めされる必要がある。本実施形態の光学モジュール
30Aにおいては、この光学アライメントを、光学モジ
ュール30Aの製造時に予め済ませることによって、誘
電体部材28Aへの光学モジュール30Aの取り付け工
程を簡素化させる。
【0039】上記の事前アライメントについて、その概
略を以下に説明する。まず、誘電体部材28A部分に相
当する等価光学系を組んでおく。次に、接合板32Aの
外面が位置すべき点(基準位置)を上記の等価光学系の
中に位置決めする。その後、上記の基準位置(図示せ
ず)に基づき、パッケージ29A部分のみを治具(図示
せず)等によって設置する。次に、半導体レーザ21A
を取り付けるべき位置(ターゲット位置)を仮の像から
アライメントにより位置決めし、半導体レーザ21Aが
上記のターゲット位置(図示せず)となるようにマウン
ト部34A上に取り付ける。その後、取り付けられた半
導体レーザ21Aを発光させ、光ディスクに相当する部
分をも含む等価光学系で光束を透し、光検出器27Aを
所定の信号出力となる位置へ移動させ、その位置でマウ
ント部34A上に固定する。
【0040】このように予め光学モジュール30Aのア
ライメントを済ませておくことにより、誘電体部材28
Aに光学モジュール30Aを取り付ける工程では、定め
られた誘電体部材28Aの側面位置に接合板32Aの外
面を合致させて装着するだけでよい。これに伴い、誘電
体部材28Aに光学モジュール30Aを装着した後の光
学アライメントは不要となり、光ヘッド装置の製造工程
が大幅に簡素化される。
【0041】次に、光検出器27Aの構造とその作用に
ついて説明を行う。図3は、図1に示す光ヘッド装置に
おける光検出器27Aと、この光検出器27Aに関連す
る演算回路の構成図である。図3に示すように、光検出
器27Aは、4つに分割されたPINフォトダイオード
などの光電変換素子S1,S3,S3,S4からなる。
これら光電変換素子S1〜S4からの電気出力は、図示
の演算器C1〜C6に送られ、以下に説明するような演
算を行うことにより、記録情報やサーボ用情報を得るこ
とができる。
【0042】上記した各光電変換素子S1,S2,S
3,S4からの出力信号をそれぞれP1,P2,P3,
P4とすると、実施の形態1の光ヘッド装置において
は、フォーカスエラー信号の検出には「スポットサイズ
法」と呼ばれる方法を、トラッキングエラー信号の検出
には「プッシュプル法」と呼ばれる方法を採用してい
る。これらの方法について、以下に説明を行う。
【0043】まず、フォーカスエラー信号検出のための
スポットサイズ法について説明する。図3において、外
側に位置する光電変換素子S1及びS4からの出力は、
加算器C1に送られ、和信号(P1+P4)が生成され
る。一方、内側に位置する光電変換素子S2及びS3か
らの出力は、加算器C2に送られ、和信号(P2+P
3)が生成される。これらの2つの和信号は、減算器C
3に送られ、これらの差信号FE={(P1+P4)−
(P2+P3)}が演算される。この差信号FEがフォ
ーカスエラー信号であり、これにより、記録面26にお
ける光スポットの光軸方向の前後へのずれの量、すなわ
ち光スポットのデフォーカス(焦点ずれ)量とデフォー
カスの方向を検出することができる。
【0044】その原理について、以下に説明する。記録
面26において光スポットがデフォーカス状態となる
と、光電変換素子S1〜S4上での戻り光スポットの大
きさが変化する。これは、光軸方向において合焦時の記
録面と光学的共役位置となる位置以外の場所に光電変換
素子を設けておくことにより実現できる。また、上記に
おいて、光電変換素子上での戻り光スポットの大きさの
変化の度合いにより、デフォーカスの方向も検知するこ
とができる。
【0045】図3に示す構成においては、光電変換素子
S1とS4に入射している光の強度の和と、光電変換素
子S2とS3に入射している光の強度の和は、合焦時に
は一致するように調整されている。したがって、上記し
た差信号であるフォーカスエラー信号FE={(P1+
P4)−(P2+P3)}を演算すると、その値は合焦
時には零となるように調節されている。
【0046】しかし、対物レンズ面である第2の反射面
23Aと光ディスクの記録面26が合焦時より遠ざかる
方向にデフォーカスした場合には、この光検出器27A
の設置位置が前述した光学的共役位置よりも第2の反射
面23Aに近づき、光電変換素子上での光スポットの大
きさは合焦時よりも小さくなる。このため、外側の光電
変換素子S1,S4での光強度に対し、内側の光電変換
素子S2,S3での光強度の方が相対的に大きくなる。
したがって、光電出力においては、(P1+P4)<
(P2+P3)となるから、フォーカスエラー信号FE
の値は負の値となる。
【0047】逆に、対物レンズ面である第2の反射面2
3Aと光ディスクの記録面26が合焦時より近づく方向
にデフォーカスした場合には、この光検出器27Aの設
置位置が前述した光学的共役位置よりも第2の反射面2
3Aから遠くなり、光電変換素子上での光スポットの大
きさは合焦時よりも大きくなる。このため、外側の光電
変換素子S1,S4での光強度に対し、内側の光電変換
素子S2,S3での光強度の方が相対的に小さくなる。
したがって、光電出力においては、(P1+P4)>
(P2+P3)となるから、フォーカスエラー信号FE
の値は正の値となる。
【0048】図4は、焦点ずれ(デフォーカス量)とフ
ォーカスエラー信号との関係を示した特性曲線図であ
る。図4において、横軸の原点は合焦時を示し、原点の
左側の横軸部分は第2の反射面23Aと光ディスクの記
録面26が合焦時より遠ざかる方向にデフォーカスした
場合を、原点の右側の横軸部分は第2の反射面23Aと
光ディスクの記録面26が合焦時より近づく方向にデフ
ォーカスした場合を、それぞれ示している。
【0049】この図4に示すように、第2の反射面23
Aと光ディスクの記録面26が合焦時より遠いデフォー
カスの場合にはフォーカスエラー信号FEは負の値であ
り、合焦時(原点)においてフォーカスエラー信号FE
は零となり、第2の反射面23Aと光ディスクの記録面
26が合焦時より近いデフォーカスの場合にはフォーカ
スエラー信号FEは正の値に転じる。
【0050】また、図4によれば、フォーカスエラー信
号FEの正負の極性符号とその値がわかれば、デフォー
カスの方向と量を知ることができる。そして、対物レン
ズ面である第2の反射面23Aの光ディスク25に対す
る位置を、デフォーカスの方向とは逆方向にデフォーカ
ス量だけ戻せば、再び合焦状態とすることができる。こ
れが「フォーカスサーボ制御」である。このため、減算
器C3の出力FEを反転させ、アクチュエータ35Aに
出力する。アクチュエータ35Aは、永久磁石と電磁コ
イル等により構成されており、入力された制御信号によ
り誘電体部材28Aを光ディスクへ近づけ、又は遠ざけ
るように駆動する。これにより、第2の反射面23Aと
光ディスクの記録面26の距離が合焦時の値に戻され、
光ヘッド装置は合焦状態となる。
【0051】次に、トラッキングエラー信号検出のため
のプッシュプル法について説明する。図3において、中
央からいずれかの片側に位置する光電変換素子S1及び
S2からの出力は、加算器C5に送られ、和信号(P1
+P2)が生成される。一方、中央から他の片側に位置
する光電変換素子S3及びS4からの出力は、加算器C
4に送られ、和信号(P3+P4)が生成される。これ
らの2つの和信号は、減算器C6に送られ、これらの差
信号TE={(P3+P4)−(P1+P2)}が演算
される。この差信号TEがトラッキングエラー信号であ
り、これにより、記録面26における光スポットの記録
ピット(図示せず)又はトラッキングトラック(図示せ
ず)の進行方向に対し直角方向の両わきへのずれの量、
すなわち光スポットのトラッキングずれ量とその方向を
検出することができる。
【0052】その原理について、以下に説明する。光デ
ィスクの記録面26に形成された記録ピット又はトラッ
キングトラックへ入射した光スポットは、上記の記録ピ
ットやトラッキングトラックでの反射により、±1次回
折光と、正反射光である0次回折光とがその一部分が重
なり合った状態となって光電変換素子S1〜S4上に投
影される(図3における点線部分を参照)。これらの重
複部分は互いに干渉する。この干渉部分のそれぞれの強
度バランスをとると、トラッキングエラー信号を得るこ
とができる。
【0053】すなわち、光電変換素子S1〜S4上での
光スポットの投影状態は図3に示すようになり、光電変
換素子の中央に0次回折光が投影され、その両わきに±
1次回折光が投影されてその一部が重なり合いそれぞれ
か干渉を起こすことにより、重複部分では光強度が低下
する。この光強度の減少の割合は、回折光の投影強度に
比例している。また、記録面26上の光スポットが、目
標とする記録ピット列又はトラッキングトラックの方向
に対し直角方向の偏位(トラッキングずれ)を生じる
と、±1次回折光それぞれの光電変換素子への投影強度
が変わる。投影強度が変化すると、干渉部分の強度バラ
ンスが変わるため、この干渉部分の強度バランスをモニ
ターすれば、トラッキングずれの量、及び偏位の方向を
検知することができる。
【0054】図3に示す構成においては、トラッキング
ずれのない場合(以下、「オントラック状態」とい
う。)には、光電変換素子S1とS2に入射している光
の強度の和(P1+P2)と、光電変換素子S3とS4
に入射している光の強度の和(P3+P4)が一致する
ように調整されている。したがって、上記した差信号で
あるトラッキングエラー信号TE={(P3+P4)−
(P1+P2)}を演算すると、その値はオントラック
状態の場合には零となるように調節されている。
【0055】しかし、光ディスクの記録面26上の光ス
ポットが記録ピット列又はトラッキングトラックの進行
方向に対し直角方向の左側に偏位した場合には、片側の
光電変換素子S1,S2での光強度に対し、他の片側の
光電変換素子S3,S4での光強度の方が相対的に大き
くなる。したがって、光電出力においては、(P3+P
4)>(P1+P2)となるから、トラッキングエラー
信号TEの値は正の値となる。
【0056】逆に、光ディスクの記録面26上の光スポ
ットが記録ピット列又はトラッキングトラックの進行方
向に対し直角方向の右側に偏位した場合には、片側の光
電変換素子S1,S2での光強度に対し、他の片側の光
電変換素子S3,S4での光強度の方が相対的に小さく
なる。したがって、光電出力においては、(P3+P
4)<(P1+P2)となるから、トラッキングエラー
信号TEの値は負の値となる。
【0057】図5は、トラッキングずれ量とトラッキン
グエラー信号の関係を示した特性曲線図である。図5に
おいて、横軸の原点はオントラック状態時を示し、原点
の左側の横軸部分は光ディスクの記録面26上の光スポ
ットが記録ピット列又はトラッキングトラックの進行方
向に対し直角方向の左側に偏位した場合を、原点の右側
の横軸部分は光ディスクの記録面26上の光スポットが
記録ピット列又はトラッキングトラックの進行方向に対
し直角方向の右側に偏位した場合を、それぞれ示してい
る。
【0058】この図5に示すように、光ディスクの記録
面26上の光スポットが記録ピット列又はトラッキング
トラックの進行方向に対し直角方向の左側に偏位した場
合にはトラッキングエラー信号TEは正の値であり、オ
ントラック時(原点)においてトラッキングエラー信号
TEは零となり、光ディスクの記録面26上の光スポッ
トが記録ピット列又はトラッキングトラックの進行方向
に対し直角方向の右側に偏位した場合にはトラッキング
エラー信号TEは負の値に転じる。
【0059】また、図5によれば、トラッキングエラー
信号TEの正負の極性符号とその値がわかれば、トラッ
キングずれの方向と量を知ることができる。そして、対
物レンズ面である第2の反射面23Aの光軸の位置を、
トラッキングずれの方向とは逆方向にトラッキングずれ
量だけ戻せば、再びオントラック状態とすることができ
る。これが「トラッキングサーボ制御」である。このた
め、減算器C6の出力TEを反転させ、アクチュエータ
35Aに出力する。アクチュエータ35Aは、永久磁石
と電磁コイル等により構成されており、入力された制御
信号により誘電体部材28Aを光ディスクに対し平行の
方向のいずれか、例えば図1における左右方向に駆動す
る。これにより、第2の反射面23Aの光軸位置がオン
トラック時の位置に戻され、光ヘッド装置はオントラッ
ク状態となる。
【0060】さらに、記録ピット(図示せず)の凹凸、
又は濃淡等で記録面26に記録されている記録信号は、
光電変換素子S1〜S4の総和出力(P1+P2+P3
+P4)を演算することによって得ることができる。こ
れは、図3において、加算器C5の和信号と加算器C4
の和信号とを図示しない他の加算器に出力して加算する
ことにより生成することができる。
【0061】上記のような構成により、実施の形態1の
光ヘッド装置は、対物レンズ面である第2の反射面23
A等の光学機能部が1つの誘電体部材28Aに一体形成
され、半導体レーザ21Aと光検出器27Aを内蔵する
光学モジュール30Aと、フォーカシング用及びトラッ
キング用のアクチュエータ35Aは、誘電体部材28A
の光軸に対して略90度の位置となる周囲位置に配置さ
れている。このため、光ヘッド装置全体を非常に小型軽
量なものとすることができ、特に光軸方向の厚みを非常
に薄くすることが可能となる。また、光ヘッド装置が軽
量となるため、トラッキングサーボ及びフォーカスサー
ボの追従性能が向上し、光ヘッド装置の移動時のアクセ
ススピードも向上する。以下、この作用・効果を「小型
軽量化効果」という。
【0062】さらに、実施の形態1の光ヘッド装置にお
いては、第2の反射面23Aで半導体レーザ21Aから
の光束を収斂光束に変換させた後、光ディスク基板25
の記録面26に入射させるため、光学系の倍率、すなわ
ち第2の反射面23Aの主平面を境として検出系側の光
学的な共役位置までの距離と、像側のそれとの比で決ま
る物体側の距離を実際より小さくできるテレタイプと呼
ばれる光学系をなしており、折り曲げ光学系と組み合わ
せることによって極薄型の物体側光学系を実現できる。
この作用・効果も「小型軽量化効果」を構成する。
【0063】しかも、実施の形態1の光ヘッド装置にお
いては、第1の反射面22Aが入射光束に対して凸形状
となる軸外の全反射楕円面となっており、第1の反射面
を平面により構成した場合に比べて反射面の面積を小さ
く構成することができる。このため、記録面26の結像
に寄与する光強度を大きくとることができ、利用効率を
高めることができるとともに、反射型対物レンズの開口
が輪帯状をしているために生じてしまう結像スポットの
サイドローブ、すなわち中心光の周りに広がる不要光を
より小さくすることができる。以下、この作用・効果を
「光学性能向上効果」という。
【0064】そしてさらに、実施の形態1の光ヘッド装
置においては、光学モジュール30A内の半導体レーザ
21A及び光検出器27Aの光学アライメントを、光学
モジュール30Aの製造時に予め済ませてしまうので光
学機能の信頼性が高い。以下、この作用・効果を「信頼
性向上効果」という。また、誘電体部材28Aへの光学
モジュール30Aの取り付け工程においては、定められ
た誘電体部材28Aの側面位置に接合板32Aの外面を
合致させて装着するだけでよく、その後は光学アライメ
ントは不要となり、光ヘッド装置の製造工程が大幅に簡
素化される。以下、この作用・効果を「製造工程簡素化
効果」という。
【0065】(実施の形態2)次に、図6を用いて、本
発明の実施の形態2の構造と作用について説明する。図
6は、本発明の実施の形態2である光ヘッド装置の光学
系の要部断面図、および図7は図6の光モジュールの詳
細断面図である。図6に示すように、この光ヘッド装置
は、光学モジュール30Bと、誘電体部材28Bと、ア
クチュエータ35Bを備えて構成されている。また、光
学モジュール30Bは、図7に示すように、パッケージ
29Bと、内部に設置される半導体レーザ21B及び光
検出器27Bと、マウント部34Bと、接合板32Bを
有している。接合板32Bの表面には、戻り光分離素子
33Bが設けられている。また、誘電体部材28Bは、
レーザ光に対して透明な誘電体からなり、第1の反射面
22Bと、第2の反射面23Bと、射出面24Bを有し
ている。
【0066】これらの構成要素のうち、光学モジュール
30Bにおいては、半導体レーザ21Bと、光検出器2
7Bと、マウント部34Bの構成とその作用について
は、それぞれ実施の形態1における半導体レーザ21
A,光検出器27A,マウント部34Aと同様であり、
誘電体部材28Bにおいては、第2の反射面23Bと、
射出面24Bの構成とその作用については、それぞれ実
施の形態1における第2の反射面23A,射出面24A
と同様であり、かつアクチュエータ35Bの構成とその
作用については実施の形態1におけるアクチュエータ3
5Aと同様であるので、その説明は省略する。
【0067】実施の形態2の光ヘッド装置が実施の形態
1の光ヘッド装置と異なる点は、実施の形態1の光ヘッ
ド装置の場合とは異なる構成及び作用を有する第1の反
射面23Bと接合板32Bを備えた点にある。
【0068】実施の形態1の光ヘッド装置においては、
第1の反射面22Aは、入射光束に対し凸形状となる軸
外の楕円面状に形成され、かつその表面に戻り光分離素
子33Aが設けられており、光学モジュール30Aの接
合板32Aは光束をそのまま通過させる単純な誘電体平
板であった。これに対し、実施の形態2では、第2の反
射面23Bの形状を単純な軸外の楕円全反射面とし、そ
の表面に戻り光分離素子は設けていない。そのかわり、
光学モジュール30Bの接合板32Bの表面に、透過型
グレーティング、又は透過型ホログラム等の戻り光分離
素子33Bが設けられている。
【0069】このような構成により、実施の形態2の場
合には、半導体レーザ21ABからの射出光束31B
は、第1の反射面22Bへの入射時には、第1の反射面
22Bによって全反射され、光ディスク25の方向に向
けて光路を略直角に折曲げられ、第2の反射面23Bに
よって光ディスク25側へ向けられ射出面24Bから射
出されるとともに光ディスク25の記録面26に集光さ
れる。この光は、記録面26で反射されて戻り光束とな
り、再び射出面24Bを透過し、第2の反射面23Bで
反射された後、第1の反射面22Bに戻り、同じ光路を
逆行して光学モジュール30Bの接合板32Bに到達す
る。この接合板32B上には戻り光分離素子33Bが設
けられており、戻り光束の一部を光検出器27B側へと
分離する機能を有している。このため、接合板32Bへ
の戻り光束のうちの一部41Bは、光検出器27Bに導
かれる。
【0070】したがって、実施の形態1の場合と同様
に、この戻り光束41Bから記録情報信号、フォーカシ
ングエラー信号、及びトラッキングエラー信号を確実に
得ることができる。また、実施の形態1と同様な小型軽
量化効果と光学性能向上効果を有する。
【0071】また、実施の形態2の場合には、光学モジ
ュール30Bの接合板32Bの表面に、透過型のホログ
ラム等の戻り光分離素子33Bが形成されているので、
光学モジュール30Bの製作時に、半導体レーザ21B
と光検出器27Bと戻り光分離素子33Bとの間の相対
的位置関係をアライメントして固定することができる。
したがって、実施の形態1に比べ、光学モジュール30
Bの信頼性がさらに増し、信頼性向上効果はさらに高ま
ることに加え、光学モジュール30Bの誘電体部材28
Bへの取付作業がさらに容易となり、製造工程簡素化効
果もさらに大きくなる。
【0072】また、実施の形態2の光ヘッド装置は、実
施の形態1の光ヘッド装置と同様に、光ディスク25の
記録面26への情報の記録も可能である。
【0073】また、実施の形態2の誘電体部材30Bの
製造方法は、上記した実施の形態1の場合と同様であ
る。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘電体部
材の面の内面や部材内部に、複数の反射面と、凹曲面形
状に形成され対物レンズの機能を果たす反射面を有する
折り曲げ光学系と、誘電体部材の外側部に配置されモジ
ュール化された半導体レーザや光検出器を備え、記録面
からの戻り光を光検出器へ分離する戻り光分離手段を備
えた光ヘッド装置とすることによって、光ヘッド装置の
小型軽量化を図ることができ、特に光軸方向の厚みを非
常に薄くすることができるため、機器組み込み性に優れ
た光ヘッド装置を供給することができ、さらにアクセス
スピードの向上、低消費電力化、コストダウン等に貢献
することができる。さらに、モジュール化と簡易な接合
によって光学調整が行えるために、調整工数の少ない、
性能の安定した光ヘッド装置を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である光ヘッド装置の光
学系の要部断面図
【図2】図1の光モジュールの詳細断面図
【図3】図1の光検出器と演算回路の構成図
【図4】焦点ずれ(デフォーカス量)とフォーカスエラ
ー信号との関係を示した特性曲線図
【図5】トラッキングずれ量とトラッキングエラー信号
の関係を示した特性曲線図
【図6】本発明の実施の形態2である光ヘッド装置の光
学系の要部断面図
【図7】図6の光モジュールの詳細断面図
【図8】従来の光ヘッド装置の構成図
【図9】従来の他の光ヘッド装置の構成図
【符号の説明】
21A,21B 半導体レーザ 22A,22B 第1の反射面 23A,23B 第2の反射面 24A,24B 射出面 25 光ディスク 26 記録面 27A,27B 光検出器 28A,28B 誘電体部材 29A,29B パッケージ 30A,30B 光学モジュール 31A,31B 射出光束 32A,32B 接合板 33A,33B 戻り光分離素子 34A,34B マウント部 35A,35B アクチュエータ 41A,41B 戻り光束 C1,C2,C4,C5 加算器 C3,C6 減算器 S1〜S4 光電変換素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光記録媒体の記録面に情報を記録し又は記
    録情報を再生するための誘電体部材と、前記光記録媒体
    に対する前記誘電体部材の光軸と略直角方向となる前記
    誘電体部材の外側部に設置された半導体レーザと、入射
    光束に対し凸形状となる軸外の楕円面状に形成され、前
    記誘電体部材内部の前記光軸上に略45度の角度で設置
    され、入射光束を略直角方向に全反射する第1の反射面
    と、 入射光束に対し凹形状となる軸上の楕円面状又は放物面
    状に形成され、前記記録面に対し前記誘電体部材の後面
    となる面の内面の前記光軸上に設置され、入射光束を略
    逆方向に反射する機能を有し、前記半導体レーザからの
    光束を前記誘電体部材の前面から射出させ前記記録面上
    に収斂させるとともに、前記記録面からの戻り光束を前
    記第1の反射面に導く第2の反射面と、前記光軸と略直
    角方向となる前記誘電体部材の側面のうち前記半導体レ
    ーザが配置されている外側部とは同一の側の外側部に設
    置され、前記記録面からの戻り光束により光電検出を行
    う光検出器と、前記記録面からの戻り光束を前記光検出
    器に導く戻り光分離手段を備え、かつ、前記半導体レー
    ザと前記光検出器は、1つのパッケージに内蔵され光学
    モジュールを構成することを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 【請求項2】前記戻り光分離手段は、前記第1の反射面
    に設置され、反射型グレーティング、又は反射型ホログ
    ラムによって構成されることを特徴とする請求項1記載
    の光ヘッド装置。
  3. 【請求項3】前記戻り光分離手段は、前記光学モジュー
    ルと前記誘電体部材との接合位置に設置され、透過型グ
    レーティング、又はホログラムによって構成されること
    を特徴とする請求項第1記載の光ヘッド装置。
JP8315946A 1996-11-27 1996-11-27 光ヘッド装置 Pending JPH10162413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8315946A JPH10162413A (ja) 1996-11-27 1996-11-27 光ヘッド装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8315946A JPH10162413A (ja) 1996-11-27 1996-11-27 光ヘッド装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10162413A true JPH10162413A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18071510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8315946A Pending JPH10162413A (ja) 1996-11-27 1996-11-27 光ヘッド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10162413A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001176118A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Minolta Co Ltd 光ヘッド、記録再生装置、および固浸レンズ
US7489617B2 (en) 1998-11-27 2009-02-10 Minolta Co., Ltd. Optical head and optical head device
JP2009217914A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Sanyo Electric Co Ltd 光ピックアップ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7489617B2 (en) 1998-11-27 2009-02-10 Minolta Co., Ltd. Optical head and optical head device
JP2001176118A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Minolta Co Ltd 光ヘッド、記録再生装置、および固浸レンズ
JP2009217914A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Sanyo Electric Co Ltd 光ピックアップ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100613737B1 (ko) 집적 광학 소자 및 광학 픽업 및 광 디스크 장치
KR100691661B1 (ko) 광 헤드, 수발광 소자 및 광 기록 매체 기록 재생 장치
US5777971A (en) Optical head with a micro fresnel lens integrated on a beam splitter
JPH0460933A (ja) 光ピックアップヘッド装置
JP3438482B2 (ja) 受発光素子とこれを用いた光学ピックアップ
JPH10162413A (ja) 光ヘッド装置
WO2007094288A1 (ja) 光学ヘッド、光学ヘッドの制御方法及び光情報処理装置
JPH09185843A (ja) デュアルフォーカシング用光ピックアップ装置
JPH06267105A (ja) 光ヘッド
JPH10105994A (ja) 光ヘッド装置
JPH06223400A (ja) 光ピックアップ装置
KR100750073B1 (ko) 집적 광학 유닛, 광학 헤드 및 광 기록 및/또는 재생 장치
KR20020081437A (ko) 광 픽업 장치 및 광 디스크 장치
JP3988464B2 (ja) 光学装置、複合光学素子、光ピックアップ装置及び光学ディスク装置
JPH08212584A (ja) 光ヘッド
JPH09161309A (ja) 光ヘッド
JPH10241187A (ja) 光ピックアップ装置およびそれを用いた光学記録媒体駆動装置
JP3810055B2 (ja) 光ディスク装置
JP3354360B2 (ja) 光ピックアップ
JP2001110082A (ja) 光学ピックアップ及び光ディスク装置
JP3526556B2 (ja) 光学素子支持装置
JPH0237533A (ja) 光ピックアップ装置
JPH0917009A (ja) 光ヘッド装置
JPS63136334A (ja) 光ヘツド装置
JPH08203116A (ja) 光ピックアップヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040921

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050208