JPH10162336A - 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法

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JPH10162336A
JPH10162336A JP31341796A JP31341796A JPH10162336A JP H10162336 A JPH10162336 A JP H10162336A JP 31341796 A JP31341796 A JP 31341796A JP 31341796 A JP31341796 A JP 31341796A JP H10162336 A JPH10162336 A JP H10162336A
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magnetic recording
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JP31341796A
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English (en)
Inventor
Keiji Moroishi
圭二 諸石
Hiroshi Tomiyasu
弘 冨安
Tsuyoshi Watanabe
強 渡邊
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高保磁力及び低ノイズの両特性を満足できる
ようにする。 【解決手段】 ガラス基板1の上には、Alを主成分と
する第1下地層2aが形成されている。第1下地層2a
の上に形成されているのは、Crからなる第2下地層2
bである。この第2下地層2bのグレインサイズは、5
0〜300Åである。第2下地層2bの上に形成されて
いるのは、Mo、Zr、B、Si、Zn、Ti、W、
V、Ta、Alから選ばれる少なくとも1種と、Crと
からなる第3下地層2cである。下地層2の上に、Co
100-X-Y-Z CrX PtY TaZ (Xは5〜20、Yは3
〜16、Zは1〜7で原子%で表した値とする)からな
る磁性層3が形成されている。磁性層3は、格子定数
が、第3下地層2cの格子定数と近似している。これに
より、グレインサイズを小さくし、且つ下地層2と磁性
層3との格子定数の整合性を取ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気的に情報を記憶
する磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法に関し、
特に非磁性体の基板を用いた磁気記録媒体及びその磁気
記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の高記録密度化が要
求されており、そのための技術として連続薄膜媒体によ
る磁性層が注目されている。このような連続薄膜媒体の
磁性層としては、CoPtCr系、CoCrTa系など
の合金が知られており、これらの合金はスパッタ等の方
法により成膜される。
【0003】そして、高記録密度化のためには、高保磁
力及び低ノイズが要求されているが、それらを両立する
ことは難しかった。即ち、従来のCoPtCr系の3元
系合金は、高保磁力に関しては優れているものの、低ノ
イズの点では不十分であり、CoCrTa系の3元系合
金は、低ノイズに関しては優れているものの、高保磁力
の点では不十分である。
【0004】ところで、磁気記録媒体の高密度化を達成
するための1つのパラメータとして、下地層の組成や膜
厚を調整することによって高保磁力や低ノイズが図れる
ことが知られている。
【0005】そこで、下地層及び磁性層の組成を調整す
ることによる高保磁力を目指した磁気記録媒体として、
CoCrTaPtの4元系合金磁性層の磁気記録媒体が
発明された(特開平1−256017号公報)。この磁
気記録媒体は、非磁性基板上にCr層を形成し、CoC
rTaPtの4元系合金磁性層を形成したものである。
但し、このような磁気記録媒体では、磁性膜の下地層と
の接合面の格子定数が増大し、Crからなる下地層の接
合面の格子定数との差が大きくなってしまう。この格子
定数の違いのために、磁性膜の膜面に対してC軸が傾い
た結晶粒の割合が多くなってしまう(保磁力の向上に
は、結晶粒のC軸が磁性膜に平行であることが望まし
い)。その結果、保持力がせいぜい1700Oe程度と
なり、期待されたほどの保磁力の向上が図れなかった。
【0006】そこで、磁性層とその格子定数を合致させ
て磁気特性及び記録再生特性を向上させた磁気記録媒体
が発明された(特開平5−325163号公報)。この
磁気記録媒体は、Coを主成分とするPt、Pd、Rh
等の貴金属含有合金磁性層の下地層として、Crを主成
分とし、Mo、Wの少なくとも1種の元素を添加したも
のとすることにより、磁性層と下地層との格子定数の関
係をほぼ等しくさせたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Crを主成分
とし、Mo、Wの少なくとも1種の元素を添加したもの
を下地層とした磁気記録媒体は、高保磁力は得られるも
のの、下地層でのグレインサイズがCr下地層に比べ大
きくなってしまうので、十分にノイズを低減することが
できないという問題点があった。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、高保磁力及び低ノイズの両特性を満足する磁
気記録媒体を提供することを目的とする。また、本発明
の他の目的は、高保磁力及び低ノイズの両特性を満足す
る磁気記録媒体の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、ガラス基板の上に形成された下地層と、
前記下地層の上に形成された磁性層と、前記磁性層の上
に形成された保護層と、を有する磁気記録媒体におい
て、前記下地層は、前記ガラス基板に接する側に形成さ
れたAlを主成分とする第1下地層と、前記第1下地層
の上に形成されたCrからなる第2下地層と、前記第2
下地層の上に形成された、Mo、Zr、B、Si、Z
n、Ti、W、V、Ta、Alから選ばれる少なくとも
1種と、Crとからなる第3下地層とからなり、前記磁
性層がCoを主成分とし、Cr、Pt、及びTaとから
なるCo合金であり、前記第2下地層のグレインサイズ
が50〜300Åであり、前記第3下地層と前記磁性層
とは、前記第2下地層のグレインを反映して形成され、
前記第3下地層と前記磁性層とのグレインサイズが50
〜300Åであることを特徴とする磁気記録媒体が提供
される。
【0010】このような磁気記録媒体によれば、Crか
らなるグレインサイズの小さな第2下地層の上にCrM
oからなる第3下地層と磁性層とが形成されているた
め、第3下地層と磁性層とは、第2下地層と同様の小さ
なグレインサイズとなり、ノイズが低減される。さら
に、第3下地層と磁性層との接合面の格子定数が近似し
ていることから、磁性層の結晶粒のc軸が膜面に平行に
なり、高保磁力が得られる。
【0011】また、磁気的に情報を記憶する磁気記録媒
体の製造方法において、ガラス基板上に、不活性ガス圧
力が4〜15mTorr のスパッタリング条件下で、Alを
主成分とする第1下地層を形成し、前記第1下地層上
に、不活性ガス圧力が4〜15mTorr のスパッタリング
条件下で、Crからなる第2下地層を形成し、前記第2
下地層上に、Mo、Zr、B、Si、Zn、Ti、W、
V、Ta、Alから選ばれる少なくとも1種と、Crと
からなる第3下地層を、スパッタリングにより形成し、
前記第3下地層上に、不活性ガス圧力が0.5〜6mTor
r のスパッタリング条件下で、以下の化学式
【0012】
【化3】Co100-X-Y-Z CrX PtY TaZ (式中、Xは5〜20、Yは3〜16、Zは1〜7の原
子%の値を示す)で表される組成の磁性層を形成する、
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法が提供され
る。
【0013】この磁気記録媒体の製造方法によれば、ガ
ラス基板上に、不活性ガス圧力が4〜15mTorr のスパ
ッタリング条件下で、Alを主成分とする第1下地層と
Crからなる第2下地層とを形成することにより、第2
下地層のグレインサイズが50Å〜300Åとなる。そ
して、第2下地層上に、Mo、Zr、B、Si、Zn、
Ti、W、V、Ta、Alから選ばれる少なくとも1種
と、Crとからなる第3下地層をスパッタリングにより
形成することにより、第3下地層のグレインサイズは第
2下地層と同程度になるとともに、第3下地層の結晶の
格子定数は、第2下地層よりも大きくなる。さらに、第
3下地層上に、不活性ガス圧力が0.5〜6mTorr のス
パッタリング条件下で、前記の化学式で表される組成の
磁性層を形成することにより、磁性層の結晶の格子定数
は、第3下地層の格子定数と近似した値となる。これに
より、低ノイズと高保磁力とを両立した磁気記録媒体が
製造できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
に係る磁気記録媒体の模式的断面図である。図に示すよ
うに、まずガラス基板1の上に下地層2が形成されてい
る。この下地層2は、3つの層で構成されている。
【0015】ガラス基板1に接して形成されているの
は、Alを主成分とする第1下地層2aである。第1下
地層2aの上に形成されているのは、Crからなる第2
下地層2bである。この第2下地層2bのグレインサイ
ズは、50〜300Åである。第2下地層2bの上に形
成されているのは、Mo、Zr、B、Si、Zn、T
i、W、V、Ta、Alから選ばれる少なくとも1種
と、Crとからなる第3下地層2cである。
【0016】このような下地層2の上に、磁性層3が形
成されている。磁性層3は、以下の化学式で表される組
成である。
【0017】
【化4】Co100-X-Y-Z CrX PtY TaZ ここで、X、Y、Zは各成分の組成比を原子%で表した
値であり、Xは5〜20、Yは3〜16、Zは1〜7の
値である。
【0018】磁性層3の上には、カーボン膜からなる保
護層4が形成されている。保護層4の上には、潤滑層5
が形成されている。この磁気記録媒体は、基板としてガ
ラス基板1を用いている。本発明で使用する基板は、非
磁性体であることが望まれるが、ガラス基板1は、機械
的、物理的、及び化学的耐久性に優れており、平面精度
の高い表面を得ることが容易である。そのため、ガラス
基板1を用いることにより高記録密度化の実現も容易と
なる。
【0019】ガラス基板としては、化学強化ガラス基
板、あるいは結晶化ガラス基板等が挙げられる。より具
体的には、アルミノシリケート系ガラス、アルミノボロ
シリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラ
ス、ソーダライムガラス、オキシナイトライドガラス等
が挙げられる。また、ガラスと同様の性質を有するもの
としてセラミック基板、ガラスセラミック基板、シリコ
ン基板、カーボン基板、などの非金属基板が挙げられ
る。
【0020】ガラス基板1上のAlからなる第1下地層
2aは、熱処理時にガラスから放出される不純物ガス
(H2 O、O2 、N2 等)が磁性層3中に侵入して磁気
特性が劣化するのを防止する効果があるとともに、熱処
理によって生ずる熱膨張差による膜の内部応力を緩和さ
せる緩衝膜としての役割を果たす。また、この第1下地
層2aの膜厚は、10〜100Å程度とすることが好ま
しい。膜厚が10Å未満の場合、保磁力が低下するとと
もに、ノイズが増大してしまうので好ましくない。ま
た、膜厚が100Åを超えた場合、再生出力が低下する
ので好ましくない。
【0021】第2下地層2bであるCr層は、その上に
形成される第3下地層2c、磁性層3のグレインサイズ
を調整する役割を果たす。このCr層を構成する結晶
は、第3下地層2cの、例えばMoを含有するCr合金
層の結晶よりも微細なため、Crの微細な結晶をそのま
ま反映する形で、第3下地層2c及び磁性層3が形成さ
れる。そのため、第3下地層2c及び磁性層3のグレイ
ンサイズが小さくなり、低ノイズが実現される。
【0022】この第2下地層2bのグレインサイズは、
50〜300Åであることが好ましい。グレインサイズ
が50Å未満の場合は、保磁力及び再生出力が低下して
しまい、好ましくない。一方、グレインサイズが300
Åを超えた場合は、第3下地層2c及び磁性層3のグレ
インサイズが大きくなるので低ノイズ化が実現できな
い。
【0023】第3下地層2cは、その上に形成される磁
性層3との格子定数との整合性をとる。具体的には、第
3下地層2cの結晶(立方晶系)のa軸の格子定数と、
磁性層3の結晶(六方晶系)のc軸の格子定数とを近似
させ、磁性層3のC軸の膜面内への配向を良好ならしめ
る。なお、ここでいう「近似」とは具体的には、磁性層
の結晶格子面間隔と第3下地層の結晶格子面間隔の差が
0.1Å以下、好ましくは0.05Å以下、さらに好ま
しくは0.02Å以下であることを指す。
【0024】上述の2つの格子定数を近似させるために
は、Cr系合金におけるMo等の他の元素の含有量は、
2〜20原子%、好ましくは5〜15原子%程度が適当
である。第3下地層2cに用いるとこのできる組成とし
て、CrMo、CrV、CrZr、CrMoZr、Cr
B、CrW、CrTa、CrTi、CrTiB、CrS
i等が挙げられる。これらの中では、CrMo、Cr
V、CrMoZrが適しており、特に、CrMo合金が
好ましい。
【0025】また、第3下地層2cの膜厚は、第2下地
層2bよりも薄いことが望ましい。それは、第3下地層
2cの膜厚が第2下地層2bの膜厚よりも大きい場合、
Cr下地層のグレインサイズの影響が薄れ、第3下地層
2cのグレインサイズが大きくなってしまうからであ
る。第3下地層2cのグレインサイズが大きくなると、
ノイズの低減効果が下がってしまい好ましくない。な
お、磁性層3と直接接するCrMo等の第3下地層2c
は、磁性層3の結晶成長に影響を与え、磁気特性にも影
響を与える。
【0026】磁性層3は、CoCrTaPtの4元系合
金であり、この合金の格子定数は第3下地層2cの格子
定数と近似している。そのため、磁性層3の結晶粒のc
軸の方向分布が膜面に平行になる。その結果、高保磁力
が得られる。CoCrTaPtの4元系磁性層3の組成
比については、上述の規定の通り、Crが5〜20原子
%、Ptが3〜16原子%、Taが1〜7原子%である
ことが好ましい。Crの量が5原子%未満の場合、磁性
層3のノイズ特性が劣化し、20原子%を超えた場合、
磁性層3中の磁気モーメントが極度に低下し、記録再生
特性、特に再生出力が劣化するので好ましくない。ま
た、Ptの量が3原子%未満の場合、磁性層3の保磁力
が劣化し、16原子%を超えると保磁力は向上するが、
ノイズ特性が劣化するので好ましくない。また、Taの
量が1原子%未満の場合、ノイズを低減することができ
ず、7原子%を超えるとCrを多量に添加した場合と同
様に、磁気モーメントの大幅な低下と共に、保磁力が低
下し、記録再生特性、特に再生出力が劣化するので好ま
しくない。なお、磁性層3の膜厚は、各種磁気特性を考
慮すると150〜600Å程度が適当である。
【0027】磁性層3の上に形成された保護層4は、磁
性層3を磁気ヘッドの接触摺動による破壊から保護す
る。保護層4としては、非晶質カーボン、グラファイト
カーボン、フッ化されたカーボン、水素化されたカーボ
ン、チッ化されたカーボンや、シリカ、クロム、ジルコ
ニア、SiN、SiC、Si−O−N、Si−O−C等
の単層膜、あるいは、これらの同一又は異種の膜からな
る多層構成とすることも可能である。特に、磁性層の組
成がCoCrTaPtの4元素磁性層の場合には、カー
ボン膜が適している。この場合、カーボン保護層の膜厚
は、50〜300Åであることが好ましい。50Å未満
の場合、耐摩擦性及び耐腐食性の効果が乏しくなり、3
00Åを超えた場合、実行フライングハイトの増加によ
り記録密度が低下するので好ましくない。
【0028】保護層4の上に形成された潤滑層5は、磁
気ヘッドと媒体表面との摩擦抵抗を低減する目的で形成
される。潤滑層5は、一般に、液体潤滑剤であるパーフ
ルオロポリエーテルをフレオン系等の溶媒で希釈し、媒
体表面にディップ法等によって塗布し、必要に応じて加
熱処理を行って形成する。
【0029】潤滑層5としては、上記の他に、フロロカ
ーボン系液体潤滑剤や、スルホン酸のアルカリ金属塩か
らなる潤滑剤等の従来より公知のあるいは市販の潤滑剤
を用いることもできる。
【0030】潤滑層5の膜厚は、5〜30Å程度が適当
である。これは、5Å未満の場合、耐摩耗性が不十分で
あるとともに潤滑寿命が短くなり、30Åを超えると耐
摩耗性の向上がみられず、しかも磁気ヘッドの吸着の問
題も生ずるからである。
【0031】なお、この潤滑層5は、磁気記録媒体に必
ず必要というわけではなく、必要に応じて設ければよ
い。以上のように、下地層2を3層構造とし、第2下地
層2bでグレインサイズを小さくし、第3下地層2cで
格子定数を4元系磁性層3に合わせたことにより、高保
磁力と低ノイズとを両立した磁気記録媒体を得ることが
できる。
【0032】次に、上記の磁気記録媒体の製造方法につ
いて説明する。まず、ガラス基板1上に、不活性ガス圧
力が4〜15mTorr のスパッタリング条件下で、少なく
ともAlからなる第1下地層2a、Crからなる第2下
地層2bを順次形成する。次いで、第2下地層2bの上
に、Mo、Zr、B、Si、Zn、Ti、W、V、T
a、Alから選ばれる少なくとも1種と、Crとからな
る第3下地層2cを、スパッタリングにより形成する。
次に、第3下地層2c上に、不活性ガス圧力が0.5〜
6mTorr のスパッタリング条件下で、化学式(1)で表
される磁性層3を形成する。そして、磁性層3の上に、
さらに保護層4をスパッタリングにより形成し、その保
護層4の上に潤滑剤でディップ処理をすることにより、
潤滑層5を形成する。
【0033】このような磁気記録媒体の製造方法による
と、ガラス基板1上にAlからなる第1下地層2aと、
Crからなる第2下地層2bとを、不活性ガス圧力が4
〜15mTorr のスパッタリング条件下で形成するので、
Crのグレインサイズを50〜300Åに制御でき、こ
の第2下地層2bのグレインサイズが反映された状態
で、第3下地層2cと磁性層3とが形成される。従っ
て、第3下地層2cと磁性層3とのグレインサイズも小
さくすることができ、ノイズが低減される。なお、不活
性ガス圧力が4mTorr 未満の場合、Crの第2下地層2
aのグレインサイズが大きくなり、その上に形成される
第3下地層2c及び磁性層3のグレインサイズも大きく
なる。そのため、ノイズが大きくなってしまい、好まし
くない。一方、15mTorr を超えた場合、Crの第2下
地層2aの結晶格子の乱れが生じ、高保磁力が得られな
いとともに、記録再生出力が低下するので好ましくな
い。
【0034】第3下地層2cは、第2下地層2bのグレ
インサイズが反映され、また、その上に形成される磁性
層3との格子定数の整合性をとるように、不活性ガス圧
力等のスパッタリング条件を適宜調整して形成される。
なお、磁性層3を形成する際の基板温度を高くして磁気
特性の向上を図るためには、Crの第2下地層2aを積
層構造にし、この第2下地層の1層目、2層目を形成す
る工程の間に加熱処理の工程を設けることが好ましい
が、この場合には、インライン型スパッタ装置の関係
上、磁性層3を形成する条件と同じ条件で第2下地層を
形成することが望ましい。
【0035】また、磁性層3の成膜の際には、少なくと
も化学式(1)に示した組成比を有するCoCrTaP
tの磁性層であること、及びスパッタリング時の不活性
ガス圧力を0.5〜6mTorr にすることの、二つの条件
が課されている。この二つの条件、即ち、磁性層を特定
の組成とし、特定圧力でスパッタリングしたことの相乗
効果により、磁性層のグレインサイズが大きくなるのが
効果的に防止され、且つ、記録ビットの遷移領域に生じ
るジグザグ磁壁が小さくなり、ノイズが低減する。ま
た、前述の二つの条件の相乗効果により、磁性粒間の磁
気的分離度が促進され、保磁力の向上が図れる。
【0036】なお、上記の第1の実施の形態では、磁性
層3は一つの層で形成されているが、磁性層の間に非磁
性のスペーサ層を設けることで、さらにノイズを低減さ
せることができる。そこで、磁性層の間にスペーサ層を
設けた実施の形態を以下に説明する。
【0037】図2は本発明の第2の実施の形態に係る磁
気記録媒体の模式的断面図である。この磁気記録媒体の
ガラス基板11、下地層12、保護層16、及び潤滑層
17は、図1に示した第1の実施の形態のガラス基板
1、下地層2、保護層6、及び潤滑層7と同じ組成であ
る。なお、下地層12を構成する第1下地層12a、第
2下地層12b、及び第3下地層12cの組成も、図1
の第1下地層2a、第2下地層2b、及び第3下地層2
cと同じである。そして、図1の磁気記録媒体では単一
の層であった磁性層3が、第2の実施の形態では第1磁
性膜13、非磁性スペーサ膜14、及び第2磁性膜15
で形成されている。
【0038】下地層12の直ぐ上に形成されているのが
第1磁性膜13である。この第1磁性膜13は、Coを
主成分とし、Cr、Ta及びPtからなるCo合金磁性
層である。第1磁性膜13の上に、非磁性スペーサ膜1
4が形成され、その上に更に第2磁性膜15が形成され
ている。この第2磁性膜15の組成は、第1磁性膜13
と同様に、Coを主成分とし、Cr、Ta及びPtから
なるCo合金磁性層である。
【0039】このように、磁性層を第1磁性膜13と第
2磁性膜15とに分け、その間に非磁性スペーサ膜14
が挟まれていることにより、さらにノイズが低減する。
非磁性スペーサ膜14としては、CrMo、CrV、C
rMoZr、CrB、CrW、CrTa、CrSi、C
rTi、CrTiB等のCr合金系非磁性層が好まし
い。その中でも特に好ましいのは、CrMoである。C
r系合金におけるMo等の他の元素の含有量は、磁性層
の格子定数との整合性を考慮すると、2〜20原子%程
度が適当である。Cr系合金層の膜厚は、磁気記録媒体
の各種磁気特性を考慮すると、20〜150Å程度が適
当である。
【0040】なお、非磁性スペーサ層で分割される各磁
性層の膜厚は同一としてもよいし、異なっていてもよ
い。
【0041】
【実施例】第1の実施例として、図2に示した第2の実
施の形態を実施した場合の例を、その製造方法とともに
説明する。
【0042】なお、図2に示す磁気記録媒体は、高保磁
力を呈するCoPt系磁性層(第1磁性膜13、第2磁
性膜15)を非磁性スペーサ層14で分割することによ
り、ノイズの低減を図ったものであり、MRヘッド(磁
気抵抗型ヘッド)又はGMRヘッド(巨大磁気抵抗型ヘ
ッド)用磁気記録媒体として好適に使用することができ
る。以下に、第1の実施例の磁気記録媒体の製造方法を
説明する。
【0043】まず、イオン交換によって化学強化したア
ルミノシリケイトガラスからなる2.5インチ径、厚さ
0.9mmのガラス基板の両主表面及び側面を精密研磨に
よって表面粗さ(Ra)が5Å程度の鏡面とする。
【0044】ここで、ガラス基板としては、SiO2
62〜75重量%、Al2 3 :5〜15重量%、Li
2 O:4〜10重量%、Na2 O:4〜12重量%、Z
rO 2 :5.5〜15重量%を主成分として含有すると
ともに、Na2 O/ZrO2の重量比が0.5〜2.
0、Al2 3 /ZrO2 の重量比が0.4〜2.5で
ある化学強化用ガラスをイオン交換によって化学強化し
たもの(特開平5−32431号公報)を使用した。
【0045】このような化学強化ガラス基板は、耐熱性
に優れ、加熱に際しNaの析出がないとともに平坦性を
維持し、ヌープ硬度にも優れる。上記ガラス基板を基板
ホルダ(パレット)に装着し、インライン型DCマグネ
トロンスパッタ装置に導入する。図3は本発明の磁気記
録媒体の製造に用いるインライン型DCマグネトロンス
パッタ装置を示す図である。このスパッタ装置100
は、仕込室110、第1真空チャンバ120、第2真空
チャンバ130、第3真空チャンバ140、及び仕込室
150の五つの部屋で構成されている。これらの各部屋
は仕切板102,105とポート103,104とで仕
切られている。そして、パレット101に搭載されたガ
ラス基板が、図面の左から右に向かって移動するような
機構になっている。以下に、各部屋の構成をパレット1
01の搬送方向に沿って説明する。
【0046】仕込室110は、空気の排気を行い内部の
環境を真空にするための部屋である。次の第1真空チャ
ンバ120、第2真空チャンバ130、及び第3真空チ
ャンバ140は、スパッタリングを行うための部屋であ
る。第1真空チャンバ120には、磁性材料の保磁力を
高めるためのヒータ121a,121b、Alのターゲ
ット122a,122b、及びCrのターゲット123
a,123bが設けられている。第2真空チャンバ13
0には、磁性材料の保磁力を高めるためのランプヒータ
131a,131b、Crのターゲット132a,13
2b、CrMoのターゲット133a,133b、Co
CrTaPtのターゲット134a,134b、CrM
oのターゲット135a,135b、及びCoCrTa
Ptのターゲット136a,136b、が設けられてい
る。第3真空チャンバ140には、C(カーボン)のタ
ーゲット141a,141bが設けられている。最後の
仕込室150は、仕込室110と同様に、空気の排気を
行い内部の環境を真空にするための部屋である。
【0047】以上のようなスパッタ装置100を用い、
まず、ガラス基板が装着されたパレット101を仕込室
110に導入する。そして、仕込室110内を大気状態
からスパッタ室(第1真空チャンバ)120の真空度と
同等になるまで真空排気する。その後、仕切板102を
開放してパレット101を第1真空チャンバ120内に
導入する。
【0048】この第1真空チャンバ120内では、パレ
ット101に装着したガラス基板をランプヒータ121
a,121bによって375℃、2分間の加熱条件で加
熱した後、パレット101を50cm/minの搬送速度で移
動させ、放電状態にあるAlのターゲット122a,1
22bとCrのターゲット123a,123bとの間を
通過させる。すると、配置されたターゲットの順番通り
にガラス基板の両面にAlの第1下地層(膜厚30
Å)、Crの第2下地層(膜厚300Å)の順で積層さ
れる。このとき、第1真空チャンバ120内の到達圧力
は、5×106Torr以下とし、Arガスを導入して4mTo
rr でスパッタを行った。なお、Cr下地層のグレイン
サイズを測定したところ300Åであった。
【0049】次に、パレット101をポート103を介
して第2真空チャンバ130に移動し、第2真空チャン
バ130内に配置されたヒータ131a,131bで基
板を再び加熱する。加熱条件は、350℃、1分間とす
る。
【0050】その後、放電状態にある各ターゲット(C
rターゲット132a,132b、CrMoターゲット
133a,133b、CoCrTaPtターゲット13
4a,134b、CrMoターゲット135a,135
b、CoCrTaPtターゲット136a,136b)
間を、50cm/minの搬送速度でパレット101を通過さ
せる。そして、この配置されたターゲットの順番通りに
Crの第2下地層(膜厚300Å)、CrMoの第3下
地層(膜厚300Å)、CoCrTaPtの第1磁性膜
(膜厚120Å)、CrMoの非磁性スペーサ膜(膜厚
50Å)、CoCrTaPtの第2磁性膜(膜厚120
Å)の順で各膜が両面に積層される。
【0051】なお、CrMoのターゲット133a,1
33b,135a,135bの組成比はCr:94原子
%、Mo:6原子%とした。CoCrTaPtターゲッ
ト134a,134b,136a,136bの組成は何
れもCo:78原子%、Cr:13原子%、Pt:6原
子%、Ta:3原子%とした。更に、真空チャンバ内の
到達圧力は5×10-6Torrとし、Arガスを導入して2
mTorr でスパッタを行った。
【0052】次に、パレット101をポート104を介
して第3真空チャンバ140に移動し、この第3真空チ
ャンバ140内に配置された放電状態にあるCターゲッ
ト141a,141bの間に、パレット18を50cm/m
inの搬送速度で通過させる。そして、CoCrTaPt
第2磁性膜上にカーボン保護層(膜厚150Å)を積層
した。
【0053】なお、このカーボン保護層は第3真空チャ
ンバ140内をArガスとH2 ガス(H2 :5%)でス
パッタを行った。最後に、この保護層上をパーフルオロ
ポリエーテルからなる潤滑剤(モンテジソン社製AM2
001)でディップ処理して厚さ20Åの潤滑層を形成
した。
【0054】このようにして得られた磁気記録媒体の保
磁力(Oe)、ノイズ(μvrms )を表1に示す。な
お、保磁力(Hc)の測定は、製造した磁気記録媒体か
ら8mmφの試料を切り出して、膜面方向に磁場を印可
し、振動試料型磁力計により最大外部印可磁場10kO
cで測定した。
【0055】また、記録再生特性(媒体ノイズ)の測定
は次のようにして行った。即ち、得られた磁気ディスク
を用いて、磁気ヘッド浮上量が0.055μmの薄膜ヘ
ッドを用い、薄膜ヘッドと磁気ディスクの相対速度を
9.6m/sで線記録密度120kfcl(1インチあ
たり120,000ビットの線記録密度)における記録
再生出力を測定した。また、キャリア周波数23MHz
で、測定帯域を26MHzとしてスペクトラムアナライ
ザにより、信号記録再生時のノイズスペクトラムを測定
した。本測定に用いた薄膜ヘッドは、コイルターン数3
0、書き込み/読み取り側にそれぞれトラック幅3.1
/2.4μm、磁気ヘッドギャップ長0.35/0.2
8μmである。
【0056】なお、以後に示す実施例及び比較例におけ
る保磁力(Oe)、ノイズ(μVrms)の測定は、上
述の方法で行った。次に、第1の実施例において、非磁
性スペーサ膜のCrMoターゲット及び、第2磁性膜の
CoCrTaPtターゲットの放電を止め、第1の実施
例の下地層上に単層のCoCrTaPt磁性層を形成さ
せたものを第2の実施例として作成した。なお、このと
きの磁性層の膜厚は、第1実施例の磁性層のトータル膜
厚(240Å)と同じにした。それ以外の条件は第1の
実施例と同じ条件でスパッタを行った。
【0057】また、上記の第1の実施例及び第2の実施
例以外に、3つの比較例を作成した。第1の実施例の下
地層のうち、CrMoターゲットの放電を止め、Al/
Cr下地層のみを形成させたものを第1の比較例とし、
Crターゲットの放電を止め、Al/CrMo下地層の
みを形成させたものを第2の比較例とし、Alターゲッ
トの放電を止め、Cr/CrMo下地層のみを形成させ
たものを第3の比較例とした。それ以外の条件は、第1
の実施例と同じ条件でスパッタを行った。
【0058】
【表1】
【0059】表1からも判るように、CoCrTaPt
磁性層の下地層をAl/Cr/CrMoにすることによ
り、2000(Oe)以上という高保磁力と、10.0
(μVrms)以下という低ノイズとの両特性を満足す
る磁気記録媒体が得られる。
【0060】また、Crの第2下地層のグレインサイズ
は、Al下地層及びCr下地層を形成する際のArガス
圧力に大きく左右される。そこで、Arガス圧力を以下
のように変えて、その特性を測定した。なお、磁性層は
第2の実施例の単層の磁性膜とし、各膜の組成は、第1
の実施の形態と同様である。
【0061】Al下地層及びCr下地層を形成する際の
Arガス圧力を3mTorr (第4の比較例)、5mTorr
(第3の実施例)、8mTorr (第4の実施例)、10mT
orr (第5の実施例)、12mTorr (第6の実施例)、
15mTorr (第7の実施例)、18mTorr (第5の比較
例)に変化させた。そして、第2下地層のCr層のグレ
インサイズと、得られた磁気記録媒体のノイズの変化を
調べた。その結果を表2に示す。
【0062】なお、ノイズの測定は、第1の実施例と同
様の方法で行った。また、第1の実施例〜第7の実施
例、第4の比較例の磁気記録媒体の保磁力は2000O
e以上の高保磁力を有し、第5の比較例の保磁力は18
50Oeであった。
【0063】
【表2】
【0064】表2から判るように、Al下地層及びCr
下地層を形成する際のガス圧力を4〜15mTorr にする
ことによって、Cr下地層のグレインサイズを50〜3
00Åにすることができるので、2000(Oe)以上
という高保磁力と、10(μVrms)以下という低ノ
イズとの両特性を満足する磁気記録媒体が得られる。ガ
ス圧力が4mTorr 未満のとき、グレインサイズが大きく
なり、Cr層上に形成されるCrMo下地層、CoCr
TaPt磁性層のグレインサイズもCrのグレインサイ
ズに反映されて大きくなるので、ノイズが10(μVr
ms)を超えてしまい低ノイズ化が実現できない。ま
た、ガス圧力が15mTorr を越えたとき、グレインサイ
ズはさらに小さくなるが、同時にCrMo下地層のグレ
インサイズもそれに反映されて小さくなりすぎてしま
い、磁性層3の結晶粒のC軸の膜面内配向に乱れが生
じ、保磁力が2000Oeを下回ってしまい高保磁力が
得られなくなる。
【0065】なお、ここでは、具体的な実施例は示さな
いが、磁性層の間に非磁性スペーサ層を設けたものは高
保磁力を維持し、さらにノイズを低減させることがで
き、良好な磁気記録媒体が得られた。
【0066】次に第8〜第13の実施例及び第6〜第1
1の比較例として、第1の実施例において第1の磁性膜
及び第2の磁性膜の組成比を変化させたときの磁気記録
媒体の保磁力(Oe)、ノイズ(μVrms)を表3に
示す。なお、それ以外の条件は、第1の実施例と同じ条
件でスパッタを行った。
【0067】
【表3】
【0068】表3からわかるように、保磁力が2000
(Oe)以上でかつノイズが10(μVrms)以下の
高保磁力で低ノイズの磁気記録媒体を得るためには、A
l/Cr/CrMo下地層の場合、CoCrTaPt磁
性層の好ましい組成範囲は、組成を以下の化学式
【0069】
【化5】Co100-X-Y-Z CrX PtY TaZ で表わしたとき、X=5〜20原子%、Y=3〜16原
子%、Z=1〜7原子%であることがわかる。磁性層の
組成比が上記範囲から外れると高い保磁力が得られなか
ったり、ノイズが大きくなったりして、高保磁力、低ノ
イズの両特性を満足する磁気記録媒体が得られない。
【0070】なお、ここでは具体的な実施例は示さない
が、磁性層が単層の場合においても、好ましい組成範囲
は上記と同様の結果であった。また、上述の実施例で
は、第3下地層、非磁性スペーサ膜としてCrMo合金
を挙げていたが、CrMoの代わりに、CrV、CrT
a、CrMoZr等のCr合金にしても上述と同様の結
果が得られた。
【0071】なお、上記の実施例の他に、磁気記録媒体
と磁気ヘッドとの吸着を防止し、CSS(コンタクト・
スタート・アンド・ストップ)耐久性を向上するため
に、ガラス基板と磁性層との間、又は磁性層上に磁気記
録媒体の表面粗さを調節する凹凸形成層を形成させても
よい。この場合の凹凸形成層の平均表面粗さRaは10
〜50Åであることが好ましく、より好ましくは、10
〜30Åである。Raが10Å未満の場合、磁気記録媒
体表面が平坦に近いため、磁気ヘッドと磁気記録媒体が
吸着し、磁気ヘッドや磁気記録媒体にきずがついてしま
ったり、吸着によるヘッドクラッシュをおこし、致命的
な損傷を受けるので好ましくない。また、Raが50Å
を越える場合、グライドハイトが大きくなり、記録密度
の低下を招くので好ましくない。
【0072】凹凸形成層の形状は、連続したテクスチャ
膜であっても、離散的に分布した島状突起であっても良
い。島状突起の場合、その突起の高さは100〜500
Åであることが好ましい。より好ましくは、100〜3
00Åである。
【0073】凹凸形成層の材質及び形成方法は多種知ら
れており、特に制限されない。凹凸形成層の材質として
は、Al、Ti、Cr、Ag、Nb、Ta、Bi、S
i、Zr、Cu、Ce、Au、Sn、Pd、Sb、G
e、Mg、In、W、Pb等の金属やそれらの合金、又
はそれらの金属や合金の酸化物、窒化物、炭化物を使用
することができる。好ましい材料としては、Al単体や
Al合金、酸化Al、窒化AlといったAlを主成分と
するものである。
【0074】凹凸形成層の表面粗さ及び凹凸(突起)の
高さは、凹凸形成層の材質及びその量、熱処理条件等に
よって制御できる。また、他の凹凸形成層の形成方法と
しては、機械的研磨によるテクスチャ加工、化学エッチ
ングによるテクスチャ加工、エネルギービーム照射によ
るテクスチャ加工などが挙げられ、それらの方法を組み
合わせても良い。凹凸形成層は磁性層の下、又は磁性層
の上どちらでも形成しても良いが、好ましくは高密度記
録達成のためには、磁性層よりも下に形成することが好
ましい。なぜなら、磁性層上に凹凸形成層を設けた場
合、凹凸形成層の膜厚の分、磁気ヘッドとの距離が大き
くなるからである。特に、第2下地層のCr層を2層構
造にし、このCr層の間に設けるのが好ましい。
【0075】また、実施例のカーボン保護層に代えてテ
トラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中
に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、更に焼
成して酸化珪素(SiO2 )膜を形成させても良い。こ
の場合、保護膜と凹凸形成層の両方の機能を果たす。
【0076】また、本発明の第2の実施の形態に係る磁
気記録媒体は、第1磁性膜、非磁性スペーサ膜、第2磁
性膜の2層の磁性膜で構成していたが、これに限らず3
層以上の磁性膜間に非磁性スペーサ膜が形成された構成
であっても良い。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気記録媒
体では、下地層を3層構造とし、第2下地層のグレイン
サイズを小さくしたことにより、第3下地層と磁性層の
グレインサイズも小さくなり、低ノイズ化が実現し、第
3下地層と磁性層との結晶の格子定数を近似させたこと
により、磁性層の結晶の軸の方向が膜面に平行になり、
高保磁力が実現した。従って、低ノイズと高保磁力とを
両立させることが可能となった。
【0078】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
よれば、第1下地層と第2下地層とのスパッタリングの
際の不活性ガス圧力を4〜15mTorr としたため、第2
下地層のグレインサイズを所望の値とすることができ
る。さらに、磁性層のスパッタリングの際には、所定の
組成とし、不活性ガス圧力を0.5〜6mTorr としたこ
とによる相乗効果により、グレインサイズが大きくなる
のを防止できるとともに、磁性粒間の磁気的分離度が促
進されるため、低ノイズと高保磁力の両特性を満足する
磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気記録媒体
の模式的断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る磁気記録媒体
の模式的断面図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の製造に用いるインライ
ン型DCマグネトロンスパッタ装置を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 下地層 2a 第1下地層 2b 第2下地層 2c 第3下地層 3 磁性層 4 保護層 5 潤滑層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の上に形成された下地層と、
    前記下地層の上に形成された磁性層と、前記磁性層の上
    に形成された保護層と、を有する磁気記録媒体におい
    て、 前記下地層は、前記ガラス基板に接する側に形成された
    Alを主成分とする第1下地層と、前記第1下地層の上
    に形成されたCrからなる第2下地層と、前記第2下地
    層の上に形成された、Mo、Zr、B、Si、Zn、T
    i、W、V、Ta、Alから選ばれる少なくとも1種と
    Crとからなる第3下地層とからなり、 前記磁性層がCoを主成分とし、Cr、Pt、及びTa
    とからなるCo合金であり、 前記第2下地層のグレインサイズが50〜300Åであ
    り、前記第3下地層と前記磁性層とは、前記第2下地層
    のグレインを反映して形成され、前記第3下地層と前記
    磁性層とのグレインサイズが50〜300Åであること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁性層は、以下の化学式で表された
    ものであることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。 【化1】Co100-X-Y-Z CrX PtY TaZ (式中、Xは5〜20、Yは3〜16、Zは1〜7で原
    子%の値を示す)
  3. 【請求項3】 前記第3下地層の結晶格子定数と前記磁
    性層の結晶格子定数とが近似していることを特徴とする
    請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記第3下地層は、CrMo、CrV、
    CrTa、あるいはCrMoZrのいずれかからなるC
    r合金であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか
    に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記磁性層は、Coを主成分とし、C
    r、Ta及びPtとからなる複数のCo合金磁性層と、
    前記Co合金磁性層の間に形成された非磁性体スペーサ
    層と、を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれ
    かに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記スペーサ層は、CrMo、CrV、
    あるいはCrMoZrのいずれかからなるCr合金であ
    ることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記保護層は、カーボン膜であることを
    特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 磁気的に情報を記憶する磁気記録媒体の
    製造方法において、 ガラス基板上に、不活性ガス圧力が4〜15mTorr のス
    パッタリング条件下で、Alを主成分とする第1下地層
    を形成し、 前記第1下地層上に、不活性ガス圧力が4〜15mTorr
    のスパッタリング条件下で、Crからなる第2下地層を
    形成し、 前記第2下地層上に、Mo、Zr、B、Si、Zn、T
    i、W、V、Ta、Alから選ばれる少なくとも1種
    と、Crとからなる第3下地層を、スパッタリングによ
    り形成し、 前記第3下地層上に、不活性ガス圧力が0.5〜6mTor
    r のスパッタリング条件下で、以下の化学式 【化2】Co100-X-Y-Z CrX PtY TaZ (式中、Xは5〜20、Yは3〜16、Zは1〜7で原
    子%の値を示す)で表される組成の磁性層を形成する、 ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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