JPH1016224A - インクジェット記録ヘッドおよびこれを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびこれを用いるインクジェット記録装置

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JPH1016224A
JPH1016224A JP17014796A JP17014796A JPH1016224A JP H1016224 A JPH1016224 A JP H1016224A JP 17014796 A JP17014796 A JP 17014796A JP 17014796 A JP17014796 A JP 17014796A JP H1016224 A JPH1016224 A JP H1016224A
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Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Hajime Kaneko
肇 金子
Ryoji Inoue
良二 井上
Hideo Saikawa
英男 才川
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
Takeshi Hosaka
健 保坂
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14056Plural heating elements per ink chamber

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの吐出口に対応して1つのヒータを備え
る構成であり、高画質の画像を高速に記録することがで
きるとともに従来型の記録装置に対しても使用可能なイ
ンクジェット記録ヘッドを実現する。 【解決手段】 インクを吐出するための吐出口を有する
複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐出さ
せるための平行に設けられた2つの電気熱変換素子を有
するインクジェット記録ヘッドにおいて、吐出口側とな
る前方の電気熱変換素子は、前方側の電気熱変換素子単
独によるインク吐出における吐出口側端部から吐出口ま
での距離OHに対する(吐出速度v/吐出量Vd)の値
が前記距離OHの減少に対して増加する第1の領域と、
前記距離OHの増加に対して略一定となる第2の領域と
の区分化において、該第1の領域の距離OHである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1つの流路(ノズ
ル)内に複数の電気熱変換素子を有するインクジェット
記録ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、その大部分
がプリンタ、ファクシミリ、ワードプロセッサ複写機等
におけるプリント装置として用いられており、中でもイ
ンク吐出に利用されるエネルギーとして熱エネルギーを
用い、これによって生じる気泡によってインクを吐出す
る方式のインクジェット記録装置が最近普及しつつあ
る。
【0003】また、この方式のインクジェット記録装置
の他の用途として、布に一定のパターンや絵柄あるいは
合成画像をプリントするインクジェット捺染装置も最近
知られつつある。上述したようなインクジェット記録装
置に用いられるインクジェット記録ヘッドは、熱エネル
ギーを発生するものとして電気熱変換素子(以下、「ヒ
ータ」ともいう)を用いるが、多くの場合、1つの吐出
口に対応して1つのヒータを備える構成を採用してい
る。これに対し、以下に示すような観点から1つの吐出
口に対して複数のヒータを備えるものも従来より知られ
ている。
【0004】すなわち、第1にはインクジェット記録ヘ
ッドの寿命を長くする目的で複数のヒータを交互にもし
くは一方ずつ駆動するものが知られている。第2にはイ
ンク吐出量を変化させる範囲を大きくする目的で複数の
ヒータを用いるものであり、このようなものでは駆動す
るヒータやその数を選択することによって吐出量を変化
させている。
【0005】上述したもののうちの後者のより具体的な
構成としては、インクジェット記録ヘッドの吐出口に連
通するインク流路において、インク吐出方向に複数のヒ
ータを配置し、駆動(発熱)させるヒータまたはそのヒ
ータの数を選択することによって、吐出口と駆動される
ヒータとの距離を異ならせ、これにより吐出量を変化さ
せるものが知られている。
【0006】また、他の構成としては例えば特開昭55
−132259号公報に開示されるもののように、イン
ク流路にそれぞれ表面積が異なる複数のヒータを配置
し、同様に駆動するヒータまたはその数を変更すること
によりインク吐出量を可変とするものが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吐出量
を可変とするインクジェット記録装置を実現するために
はいくつかの課題がある。
【0008】1つの課題は、小さな吐出量のインク滴を
吐出させる場合、吐出パワーの小さな、すなわち、ヒー
タ面積の小さなヒータで発泡させるために吐出量だけで
なく吐出速度も小さくなるという問題点がある。このこ
とは吐出回復処理の一環として行われるいわゆる予備吐
出に関して特に大きな問題点となる。
【0009】予備吐出とは一般に装置が所定の状況にあ
るときに行われるもので、インクジェット記録ヘッドか
ら記録に関与しないインクの吐出を行うものであり、こ
れによりインクジェット記録ヘッド内の増粘インク等が
除去されてインク吐出状態を良好に保つことができる。
このような予備吐出は通常装置の電源をオンした直後や
記録中に一定時間間隔で行われる。
【0010】ところが上述のように複数のヒータによっ
て種々な吐出量でのインクの吐出が可能である場合に
は、小吐出量設定で記録を行う場合予備吐出間隔を短く
する必要がある。すなわち、小吐出インク滴のパワーが
小さなため、吐出口部の水分の蒸発によるインクの増粘
の具合によってはその増粘インクを安定して吐出するこ
とができなくなる虞がある。このため、予備吐出を頻繁
に行う必要が生じ、特に記録中の一定時間間隔で行われ
る予備吐出の間隔を短くしなければならず、記録のスル
ープットが低下するという問題点がある。
【0011】また、インク滴の吐出速度が遅いと、吐出
口からの吐出方向の多少の変化により記録媒体に対する
着弾性度が低下することがあり、画質に悪影響を及ぼす
ことがある。
【0012】さらに、従来、吐出速度はその吐出量とほ
ぼ比例関係にあることが判っており、大吐出量と小吐出
量での吐出速度の差は大きなものとなる。このようなイ
ンクジェット記録ヘッドで画像を形成する場合には大吐
出量および小吐出量の各吐出液滴で形成される大ドット
および小ドットは吐出速度の差から着弾位置がずれるた
め、画像劣化の危険性が増大する。
【0013】従来例には上述した問題点の他にも以下の
ような問題点がある。
【0014】小吐出量での記録を行う場合、解像度が高
くなるために画像データ量が多くなり、記録ドットが増
えるため、記録速度を維持するか、または速くするため
には吐出の繰返し周波数を高くしなければならず、使用
するインクの種類によっては非常に困難であるという問
題点がある。
【0015】また、大吐出量での繰返し周波数が高いこ
とも重要となる。これは、たとえ小吐出量の記録速度が
速くなったとしても従来の吐出量での記録速度が遅くな
るようでは記録装置としてはスペックダウンとなるから
である。
【0016】また、別の観点では、従来型との共通性を
持たせることも重要である。これは、例えばある一定の
吐出量を持ったインクジェット記録ヘッドが交換型とし
て使用されていることによる。記録装置の機能を向上さ
せることを目的とし、大吐出量だけでなく小吐出量のイ
ンク滴も同一のインクジェット記録ヘッドで吐出させる
構成とし、従来型のものと共通性がないものとすると、
従来の記録装置の利用者のために従来型のインクジェッ
ト記録ヘッドと、大吐出量と小吐出量のインク滴を吐出
する新たなインクジェット記録ヘッドを並行して製造し
なければならず、製造ラインが増えてしまい製造コスト
が増加するという問題点がある。
【0017】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、寿命を長くす
ることやインク吐出量を変化させる範囲を大きくするこ
とができる利点を備えた1つの吐出口に対応して1つの
ヒータを備える構成であり、高画質の画像を高速に記録
することができるとともに従来型の記録装置に対しても
使用可能なインクジェット記録ヘッドを実現することを
目的とする。
【0018】本発明の他の目的は実施例の内容から推察
できよう。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは、インクを吐出するための吐出口を有する
複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐出さ
せるための平行に設けられた複数の電気熱変換素子を有
するインクジェット記録ヘッドにおいて、吐出口側とな
る前方の電気熱変換素子は、前方側の電気熱変換素子単
独によるインク吐出における吐出口側端部から吐出口ま
での距離OHに対する(吐出速度v/吐出量Vd)の値
が前記距離OHの減少に対して増加する第1の領域と、
前記距離OHの増加に対して略一定となる第2の領域と
の区分化において、該第1の領域の距離OHであること
を特徴とする。
【0020】この場合、他の少なくとも1つの電気熱変
換素子は上記前方側の電気熱変換素子と略同一の電気熱
変換素子であって、前記少なくとも1つの他の電気熱変
換素子の距離OHは上記第2の領域であるとしてもよ
い。
【0021】また、前記電気熱変換素子は、その吐出口
側端部から吐出口までの距離が他の電気熱変換素子と異
なるように配置されるとともに、前方の電気熱変換素子
のみを用いたときの吐出速度vFおよび吐出量VdF
と、前方の電気熱変換素子と他の電気熱変換素子を用い
たときの吐出速度vF+Bおよび吐出量VdF+Bが、 (vF/VdF)>(vF+B/VdF+B) の関係を満たすように配置されることとしてもよい。
【0022】また、前記他の電気熱変換素子は、他の電
気熱変換素子単独でインク吐出を行った場合の前記距離
OHに対する(吐出速度v/吐出量Vd)の値が前記距
離OHの減少に対して増加する第1の領域と、前記距離
OHの増加に対して略一定となる第2の領域との区分化
において、該第2の領域の距離OHであるとしてもよ
い。
【0023】また、上記電気熱変換素子による気泡形成
は膜沸騰による気泡形成であって、上記素子は80μm
〜140μmの長さで、幅は吐出口直径よりも小であ
り、両電気熱変換素子は並行隣接配置部分を有するもの
であって、上記前方の電気熱変換素子の上記距離OHは
130μm以下であるとしてもよい。
【0024】また、インクを吐出するための吐出口を有
する複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐
出させるための平行に設けられた複数の電気熱変換素子
を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記電気
熱変換素子は、その吐出口側端部から吐出口までの距離
が他の電気熱変換素子と異なるように配置されるととも
に、吐出口側となる前方に位置する電気熱変換素子のみ
を用いたときの吐出速度vFおよび吐出量吐出量VdF
と、両方の電気熱変換素子を用いたときの吐出速度vF
+Bおよび吐出量吐出量VdF+Bが、 (vF/VdF)≧(vF+B/VdF+B)×C (Cはインク特性に比例する定数)の関係を満たすよう
に配置されることとしてもよい。
【0025】この場合、吐出口側となる前方に位置する
電気熱変換素子のみを用いたときの吐出速度vFおよび
吐出量吐出量VdFと、前方の電気熱変換素子と他の電
気熱変換素子を用いたときの吐出速度vF+Bおよび吐
出量吐出量VdF+Bが、 vF≧8(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦25(pl) 35≦VdF+B≦45(pl) の関係を満たすこととしてもよい。
【0026】また、上記インクが、表面張力が約26.
0〜37.0(dyne/cm)であり、粘度が1.8
5〜2.60(cP:センチポワズ)のカラーインクで
あるとしてもよい。
【0027】また、吐出口側となる前方に位置する電気
熱変換素子のみを用いたときのインクの吐出速度vFお
よび吐出量吐出量VdFと、前方の電気熱変換素子と他
の電気熱変換素子を用いたときのインクの吐出速度vF
+Bおよび吐出量吐出量VdF+Bが、 vF≧7.5(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦40(pl) 65≦VdF+B≦80(pl)の関係を満たすことと
してもよい。
【0028】また、上記インクが、表面張力が約40.
5〜46.5(dyne/cm)であり、粘度が1.5
〜2.1(cP)のブラックインクであるとしてもよ
い。
【0029】また、複数のインクについてそれぞれ設け
られた異なる液室を有し、収容するインクの表面張力が
約26.0〜37.0(dyne/cm)であり、粘度
が1.85〜2.60(cP)であって定数C=1.1
5を満足するヘッド部と、収容するインクの表面張力が
約40.5〜46.5(dyne/cm)であり、粘度
が1.5〜2.1(cP)であって定数C=1.0を満
足するヘッド部とを有することとしてもよい。
【0030】また、インクを吐出するための吐出口を有
する複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐
出させるための平行に設けられた複数の電気熱変換素子
を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、吐出口側
となる前方に位置する電気熱変換素子のみを用いたとき
の吐出速度vFおよび吐出量VdFと、両方の電気熱変
換素子を用いたときの吐出速度vF+Bおよび吐出量V
dF+Bが、表面張力が約26.0〜37.0(dyn
e/cm)であり、粘度が1.85〜2.60(cP)
のインクを用いたときには、 vF≧8(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦25(pl) 35≦VdF+B≦45(pl) の関係を満たし、表面張力が約40.5〜46.5(d
yne/cm)であり、粘度が1.5〜2.1(cP)
のインクを用いたときには、 vF≧7.5(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦40(pl) 65≦VdF+B≦80(pl) の関係を満たし、前記電気熱変換素子は、その吐出口側
端部から吐出口までの距離OHが他の電気熱変換素子と
異なるように配置されるとともに、吐出口側となる前方
に位置する電気熱変換素子は前記距離OHが130μm
以下の領域に配置されることとしてもよい。
【0031】また、後方側の電気熱変換素子が前方側の
電気熱変換素子よりも大きいとしてもよい。
【0032】また、インクを吐出するための吐出口を有
する複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐
出させるための電気熱変換素子が複数設けられた第1ヘ
ッドを用いて吐出を行うプリンタに対して前記第1ヘッ
ドと交換して使用され、1つの液流路に対して平行に設
けられた2つの電気熱変換素子を有し、第2ヘッドとし
て用いられるインクジェット記録ヘッドであって、各電
気熱変換素子間の重心から吐出口までの距離OPが前記
第1ヘッドのヒータ重心から第1ヘッドの吐出口までの
距離OCと略同一であるとしてもよい。
【0033】また、1つの液流路に対してインクを吐出
させるための電気熱変換素子が1つ設けられた第1ヘッ
ドを用いて吐出を行うプリンタに対して前記第1ヘッド
と交換して使用され、両電気熱変換素子間の重心から吐
出口までの距離が前記第1ヘッドのヒータ重心から第1
ヘッドの吐出口までの距離と略同一であるとしてもよ
い。また、各電気熱変換素子間の重心から吐出口までの
距離OPが前記第1ヘッドのヒータ重心から第1ヘッド
の吐出口までの距離OCよりも小さいとしてもよい。
【0034】さらに、電気熱変換素子が吐出方向に向け
て細長い矩形形状であることとしてもよい。
【0035】本発明のインクジェットヘッドカートリッ
ジは、上記のように構成されたインクジェット記録ヘッ
ドと、該インクジェット記録ヘッドに供給される液体を
保持する液体容器とを有する。
【0036】本発明のインクジェット記録装置は、上記
のように構成されたインクジェット記録ヘッドと、該イ
ンクジェット記録ヘッドから液体を吐出させるための駆
動信号を供給する駆動信号供給手段と、を有する。
【0037】本発明の他の形態によるインクジェット記
録装置は、上記のように構成されたインクジェット記録
ヘッドと、該インクジェット記録ヘッドから吐出された
液体を受ける被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段
と、を有する。
【0038】「作用」インク滴の吐出量Vdは、電気熱
変換素子の吐出口側端部から吐出口までの距離OHが所
定の距離のときの値を極大値とし、所定の距離OHから
離れるにしたがって減少する特性を備え、吐出速度v
は、距離OHが小さくなるにしたがって大きくなり、リ
フィル周波数frは、吐出速度vとは逆に、距離OHが
小さくなるにしたがって小さくなるという特性を備えて
いる。
【0039】本発明は上記のような特性を踏まえて上述
したように電気熱変換素子を配置することにより、大小
の液滴を吐出する際の、吐出量、吐出速度およびリフィ
ル周波数を要求される特性を満たすものとなっている。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。
【0041】次に、本発明の実施例について説明する。
【0042】<ヘッド構造>図1(a)および図1
(b)のそれぞれは、本発明によるインクジェット記録
ヘッドの一実施例および比較例としての従来品のノズル
部の構成を示す平面図である。
【0043】本実施例は発熱体が形成される面に略垂直
な方向に液体を吐出するエッジシュートタイプの構成を
示すものであり、ノズル101は配列密度が360dp
iとされる。ノズル101内には、ほぼ同じ大きさ、同
じ長さの2つのヒータ102,103が、吐出口104
から各ヒータまでの距離が異なるように横並びに配置さ
れている。また、図1(b)に示す比較例は、ノズル1
05の配列密度は図1(a)に示す実施例と同様である
が、ノズル105内にはヒータ106が1つのみ設けら
れている。
【0044】なお、以下の説明においては、図1(a)
に示す実施例の吐出口104から各ヒータ102,10
3までの距離をOH1,OH2、吐出口104から各ヒ
ータ102,103の重心(中心)までの距離をOP
1,OP2とし、これら2つのヒータ102,103を
1つのヒータとして見たときの重心をOP=(OP1+
OP2)/2とする。また、図1(b)に示す比較例の
吐出口107からヒータ106までの距離をOHとし、
吐出口107からヒータ106の重心までの距離をOC
として説明する。
【0045】詳しくは後述するが、2つのヒータはそれ
ぞれ独立に駆動することが可能に構成されており、その
場合の小液滴の吐出量はそれぞれ約20plに設定され
ている。また、上記の2つのヒータを同時に駆動させる
ことでどちらか一方での吐出量の約2倍となる約40p
lの吐出量の大液滴が吐出される。
【0046】次に、本実施例に関わるインクジェット記
録ヘッドの吐出特性について各特性を示す図2を参照し
て説明する。図2(a)〜(c)のそれぞれは、吐出口
からヒータ先端までの距離OHを変数としたときの液滴
の吐出量Vd、吐出速度v、リフィル周波数frを示す
図であり、これらは以下のような傾向を示す。
【0047】インク滴の吐出量Vdは、図2(a)中の
一点鎖線に示されるある所定の距離OHでの値を極大値
とし、所定の距離OHから離れるにしたがって減少す
る。
【0048】吐出速度vは、図2(b)に示すように距
離OHが小さくなるにしたがって大きくなる。
【0049】リフィル周波数frは、図2(c)に示す
ように吐出速度vとは逆に、距離OHが小さくなるにし
たがって小さくなる。
【0050】図2(b),(c)のいずれにも2つのヒ
ータ面積についての吐出速度vとリフィル周波数frが
示されており、これらのパラメータのいずれも吐出面積
SHの大きさに応じてシフトする。
【0051】図3は、上記の液滴の吐出量Vdと吐出速
度v、および吐出口面積SOと吐出口からヒータ先端ま
での距離OHとの積と距離OHとの関係をともに示す図
であり、図4は吐出速度vを吐出量Vdで除算した結果
と距離OHとの関係を示す図である。図3および図4で
は、上述したような所定の距離OHとは異なる観点から
特異点a,bを規定し、距離OHを、a以上の領域A、
b以下の領域B、およびaとbとの間となる領域Cの3
つの領域に分割している。
【0052】各領域の特有の傾向として、領域Aでは距
離OHの増大に対して吐出速度vと吐出量Vdがほぼ比
例関係にあり、v/Vdがほぼ一定となることが挙げら
れる。また、領域Bでは吐出量Vdが吐出口面積SOと
距離OHの積にほぼ比例し、領域Cでは吐出量Vdがほ
ぼ一定であることが挙げられる。
【0053】また、上記の各領域A〜Cは吐出量Vd、
吐出速度vのそれぞれに着目して考えると以下のように
定義することもできる。
【0054】<吐出量Vdから見た場合> 領域A:吐出量Vdが距離OHの増大に伴って減少する
区間 領域B:吐出量Vdと距離OHにほぼ比例して増加する
区間 領域C:吐出量Vdが距離OHに対してほぼ一定となる
区間 <吐出速度vから見た場合>全ての区間にわたって距離
OHの増加に伴って吐出速度vは低下するが特に領域C
ではその変化量は緩やかなものとなる。
【0055】上記のような吐出量特性やリフィル周波数
特性を踏まえて、図2乃至図4に示したような領域が現
出する機構について、推察を含めて以下に説明する。
【0056】インク滴の速度vおよび吐出量Vdは、ヒ
ータを固定として考えるとノズルのヒータから吐出口側
における(慣性)抵抗とヒータの後方での(慣性)抵抗
に大きく依存するものであり、かつ、吐出量Vdは吐出
口面積SOと吐出口からヒータ先端までの距離OHとの
積を大きく超えないという関係から決定されるものであ
る。
【0057】図3におけるA領域(第2の領域)は、S
O’×OH<Vdとなる関係である(SO’は比例定
数)。つまりヒータの後方(液室側)と前方(吐出口
側)の(慣性)抵抗のバランスなどによって速度vや吐
出量Vdが決定される領域であり、ヒータの前方の慣性
抵抗、後方の慣性抵抗をF、Rとすると、吐出速度vお
よび吐出量VdがR/(F+R)にほぼ比例する領域で
ある。したがって、距離OHを大きくするとヒータ前方
の慣性抵抗が大きくなる。一方、ヒータ後方の慣性抵抗
は小さくなるため、吐出口側への力が弱くなり、インク
の吐出口側へ移動する速度および量が小さくなる。この
ことについてさらに詳細に説明する。
【0058】図5は一般的なインクジェット記録ヘッド
のインク流路の断面構成を示す図である。
【0059】インク路用溝が形成された天板413とヒ
ータボード403とを接合することによってインク路4
01が構成され、インク路401には共通液室407に
連通してインク406が満たされている。ヒータボード
403にはインク吐出のための熱エネルギーを発生する
ヒータ404が形成されており、これによってインク路
401中のインク406を加熱して気化による気泡を生
成する。静置時においては、前記インク406はオリフ
ィス付近ではインクタンク(不図示)内の負圧とインク
路401中の毛細管力(流路抵抗)とが釣り合うことに
より一定の位置にメニスカスを形成している。そして、
ヒータ404に駆動電力が供給されることによって気泡
が形成されると、気泡の体積変化による圧力によりヒー
タ404より前方のインク路401にあるインク406
が液滴となって吐出される。その後、ヒータ404より
前方のインク路401に残っているインク406はヒー
タ部分に戻ろうとしてメニスカスが後退する。
【0060】図5において、ヒータ4の中心よりオリフ
ィス側のインク流抵抗(慣性抵抗)をFとすると、F=
ヒータ中心〜オリフィス距離/インク路断面積と表わす
ことができる。また、ヒータ4の中心より共通液室7側
のインク流抵抗をRとすると、R=ヒータ中心〜液室ま
での距離/インク路断面積と表わすことができる。
【0061】今、ヒータ404によってインク406を
加熱し、図6に示すように気泡408を発生させてオリ
フィス405からインクドロップレット409を吐出す
ることを考える。このとき、インクドロップレット40
9の体積Vdは、気泡408の最大体積をVbとすると
ほぼ以下の(1)式で表わされるものとなる。
【0062】 Vb=(R/(F+R))・Vb・・・・・・(1) ここでVb∝SH(ヒータサイズ) (1)式から以下のことが明らかである。
【0063】Fが大きくなるに従い、すなわちヒータ4
04の前端からオリフィス405までの距離OH(図5
参照)が長くなるに従い、吐出体積Vdは減少する。こ
の関係を図7の曲線aに示す。
【0064】一方、B領域(第1の領域)では、Vd≒
SO’×OHとなる領域である。距離OHが短くなると
ヒータ前方の慣性抵抗が小さくなるために速度vは大き
くなる。しかしながら発泡されたヒータ上の気泡がノズ
ル内の吐出口側へのインクの流れの障害物となって流れ
が断たれ、その結果吐出量Vdが吐出速度vに比例せず
に小さくなるのではないかと推察される。要は、与えら
れたパワーとしてはさらに大きな吐出量Vdとなること
が見込まれるのに、インクが供給されない状態が発生し
ているのではないかと考えられる。すなわち、吐出口面
積SOと吐出口からヒータ端部までの距離OHで形成さ
れる限られた吐出量Vdlimができるのだと考えられ
る。この関係は以下の(2)式で示される。
【0065】Vdlim=SO・OH・・・・・・(2) 上記の(2)式の関係を図7の曲線bに示す。
【0066】図8には吐出量Vdと距離OHのおおよそ
の関係が示されており、ヒータ面積SHを変えたときの
曲線a,b の変化を示す図である。図から明らかなよ
うにヒータ面積SHの大きさに応じて各曲線a,bはシ
フトする。
【0067】ここで、図7に示される2つの曲線a,b
が交わる点の距離をLとし、基本的にはOH=Lを境に
Vd >Vdlimとなる領域をB領域、Vd <Vdlimを満た
す領域をA領域としている。発泡→消泡→メニスカスの
リフィルの過程を、以下図9を参照して説明する。
【0068】時刻t1 でヒータ404による加熱で気泡
408を生じさせると(図9(A))、時刻t2 には図
9(B)に示す状態になる。
【0069】図9(C)に示すように、時刻t3 で気泡
408が消泡する。
【0070】この消泡の際の原理を図9(C)を参照し
て説明する。
【0071】メニスカス411の後退体積(空白となる
体積)VMeは、気泡408の最大体積をVb 、気泡40
8よりオリフィス405側の流体抵抗をF′(図6参
照)、液室側をR′(図6参照)とすると、 VMe=(R'/F'+R')・Vb=(R'/F'+R')・(F+R)/R)・Vd で示される。つまり、消泡する際、この消泡する気泡に
対して、これを埋めようとしてそれぞれオリフィス40
5側と液室407側からインクが移動することを考えた
場合、A領域のように(距離OHが相対的に大きいの
で)F′が大きいと、オリフィス405側の抵抗が大と
なり、相対的に液室407からのインク移動量が大きく
なる。これにより、消泡位置410は後方に移動せず、
従ってメニスカスの後退量(VMe)は小さくなる。これ
は、リフィルに有利なものとなる。
【0072】一方、B領域のように(距離OHが小さい
ので)F′が小さい場合、メニスカス409側からのイ
ンク移動が大きくなり、消泡位置410は後方にずれ、
その結果メニスカス後退量が吐出量に対して大きくな
る。よってリフィル時間が大となる。
【0073】上記のように、A領域では、メニスカス後
退量が小さく、リフィル周波数frが高い。これに対し
てB領域では、メニスカス後退量が大きくリフィル周波
数frは低くなる。
【0074】このように、今まで距離OHを変数とした
場合の吐出量Vdが極大値になる距離OHを基準として
A領域、B領域と区別したが、本実施例のヘッドを用い
て実験した結果、極大値の付近に関してよく観ると、吐
出量Vdは距離OHに対してほぼ一定の非常にゆるやか
なか曲線となってることがわかった。
【0075】これは推定するに、まず1つには、発泡さ
れたヒータ上の気泡がノズル内の吐出口側へのインクの
流れの障害物とは完全にはならないからと考えられる。
【0076】すなわち、ノズル間にヒータがほぼ平行に
並んでいるため、前側のヒータはノズル流路全域をしゃ
断するものとならずインクの流れを完全にはしゃ断しな
いため、前側ヒータの横からインクが供給できるからと
考えられる。
【0077】また、別の観点から推察すると、液滴が完
成するまでに一定の時間がかかるため、吐出初期に吐出
口の先端から、一部のインクが突出すると、ヒータ前側
の慣性抵抗が小さくなるために粘性抵抗が支配的になっ
てノズル内のインクの流れが遅くなっていき、特に、距
離OHを短かくしていった場合には上記効果がなく、吐
出量Vdが、徐々に小さくなっていくのではないかと考
えられる。いずれにしてもこの領域では距離OHの値に
関らず、吐出量Vdは安定しているため、ヘッド製造上
のばらつきに対しても安定しているといえる。また比較
的、距離OHも長いため、リフィル周波数frも比較的
良い値となる。
【0078】従来の1ノズル内に1つの吐出用ヒータが
設けられる吐出量の大きなインクジェット記録ヘッドで
は、図2(a)中の一点鎖線に示されるある所定の距離
OHよりも小さな領域では吐出量Vdは距離OHを変数
とした場合に比例係数SO’がおおよそSOとなる比例関
係にほぼ等しい実験結果となるものであった。
【0079】しかしながら、今回、ヒータ幅が小さくな
るようにヒータ面積を変化させて実験を行ったところ、
比例係数SO’は図10に示すようにヒータ幅の増加に
つれて大きなものとなり、SOに近付いて行く関係であ
ることが判った。
【0080】すなわち、ヒータ幅が狭い場合には比例係
数SO’は吐出口面積SOに比べて小さな値となったので
ある。ここで、この比例係数SO’を有効吐出口面積と
仮定するとヒータ幅が狭くなることで有効吐出口面積が
小さくなると考えることもできる。ここで、図10の縦
軸のSO’を有効吐出口と仮定し、その場合の吐出口径
2(SO’/π)1/2の値を対応させた。
【0081】上述したような知見に基づいて、本実施例
のインクジェット記録ヘッドでは一方のヒータ(前側ヒ
ータ(吐出口側のことを前側とした))のヒータ幅の大
きさを有効吐出口面積がSOに比較して小さく(約半
分)なるように設定し、かつ、ヒータ位置として距離O
HがB領域(あるいはC領域(第2の領域))となるよ
うに設定し、他方のヒータ(後ろ側ヒータ)を前側ヒー
タとほぼ同じ大きさとしてヒータ位置は距離OHがA領
域(あるいはC領域)となるように配置した。
【0082】駆動方法としてはそれぞれのヒータで独立
に駆動した場合の各吐出量がほぼ等しくなり、両方を同
時に駆動した場合には2倍の吐出量となるように設定し
た。このように大小の液滴の吐出量比を2:1に設定す
る場合、各ヒータそれぞれの距離OHは屈曲点となる距
離に対して対称となるように設定することにより駆動方
法が容易となり、このような配置とすることが望まし
い。
【0083】ここで、前側のヒータで小ドットを吐出さ
せ、前後ヒータを同時に駆動することにより大ドットを
吐出させることで小ドットの吐出速度を大きくし、か
つ、大小ドットの吐出速度の差(または比)を小さくす
ることができた。また、前側ヒータの距離OHは、あま
り短すぎると吐出速度vは大きくなるもののリフィル周
波数frが低くなるため、駆動周波数を満たすことので
きる範囲内に設定すればよい。
【0084】次に、大ドットを吐出させるのに好ましい
ヒータの位置について説明する。
【0085】大ドットは前後の2つのヒータを駆動して
吐出させることは前述した通りであるが、2つのヒータ
の重心位置と吐出口間の距離OPを変数とすると、吐出
量Vd、吐出速度Vおよびリフィル周波数fr等の吐出
特性は図11(a)〜(c)に示すものとなる。図11
に示す例では前側ヒータの距離OH1を固定とし、後ろ
側ヒータの距離OH2を変化させて得られた距離OPを
変数としたものである。
【0086】上記の場合の吐出量Vdは前側ヒータと後
ろ側ヒータをそれぞれ単独に駆動させた場合の吐出量の
和にほぼ等しいことが判っており、距離OPが所定の距
離で吐出量Vdは最大となる。本実施例においては、こ
の所定の距離よりも大きな値に距離OPを設定してい
る。
【0087】図11(b),(c)から、距離OPが短
すぎると吐出速度vが速くなりすぎて、大小ドットの速
度差が大きくなり、リフィル周波数が低くなることが判
る。ここで、図1(b)に示すようにノズル内にヒータ
が1つだけ配置されている場合を考える。1つだけ配置
されたヒータのサイズを本実施例の2つのヒータを1つ
にまとめたような形状とし、その重心と吐出口との距離
OCをOC=OPとなるように配置して実験したとこ
ろ、本実施例のものとほぼ同様の吐出量Vd、吐出速度
vおよびリフィル周波数frが得られた。
【0088】上記の実験結果から、従来からのインクジ
ェット記録ヘッドとの共通性を考えると、従来品のOP
とOCをほぼ等しくすることにより、液滴の吐出量V
d、吐出速度v、リフィル周波数frをほぼ等しいもの
とすることができることが判る。なお、吐出速度vを向
上するために前側ヒータの距離OH1を小さくしすぎる
と後ろ側ヒータの距離OH2を長くする必要が生じてく
るが、距離OH2をOC≒OPとするために必要以上に
長くすると発生した気泡がノズルにインクを供給する供
給系が設けられた後方に突き抜ける虞があるため、これ
を防止するためにOP<OCとすることが望ましい。
【0089】また、大ドットの場合に距離OHがB領域
にあると吐出安定性が悪くなるため、従来品との共通性
を前提としない場合であっても、距離OCは距離OHが
A領域となるように設定することが望ましい。
【0090】上記のような設定条件を踏まえてヒータを
配置したインクジェット記録ヘッドを作製し、その特性
を測定した。以下にその結果を示す。
【0091】測定1 図12は測定において使用したノズルおよびヒータの形
状を示す図である。ノズル104は液室51と連通して
おり、ノズル内には毛管力によってオリフィス40付近
にメニスカス52を形成する。ノズル内には少なくとも
2つ以上のヒーターがあるが本図では2つのヒーターの
場合について説明する。ノズルの全長Lは400μmと
した。それぞれのヒーターA、Bにはそれぞれ電極が接
続されており、反対側の端子には共通の電極が接続され
ている。それぞれの電極の先には、スイッチング手段が
接続され、ヒーターA、Bを選択的に駆動し、ノズル内
のインクを吐出することができる。2つのヒーターの構
成はHWA =22μm,HLA =135μm,OHA
100μmとHWB =24μm,HLB =135μm,
OHB =160μmとして小液滴はヒーターAのみ加熱
発泡させて吐出させたものであり、大液滴はヒーター
A、Bを同時に加熱発泡させて吐出させたものとして評
価を行った。使用したインクは表面張力が約40.5〜
46.5(dyne/cm)であり、粘度が1.5〜
2.1(cP)のものを用いた。また、吐出口の開口面
積SOは680μm2とした。
【0092】第1の測定結果を示す第1表は、ヒータの
構成と吐出量、および吐出速度との関係および6.5K
Hzで吐出を行なったときのインクミストの量を示す表
である。表の結果から小液滴、大液滴の吐出速度と、吐
出量は高画質な印字を行うのに充分であり、インクミス
ト発生量も微少であることから、高品位な印字を得るこ
とができることが判る。
【0093】
【表1】 測定2 第2の測定結果を第2表に示す。
【0094】ヒーターの構成は、HWA =21μm,H
A =136μm,OHA =100μmとHWB =19
μm,HLB =137μm,OHB =140μmとし
た。この場合も第1の実施例と同じく高画質な印字を行
うのに充分な結果が得られた。
【0095】つまり、ヒーターの形状や大きさを変化さ
せてもOH距離の差を適当な値にすれば、良好な結果が
得られる。
【0096】
【表2】 測定3 次に、OH距離の差に対する吐出速度とインクミストの
関係を第3表に示す。ヒーターAのOH距離と小液滴の
吐出速度とインクミストの関係を第3表(a)に、2つ
のヒーターのOH距離の差と大液滴の吐出速度ととイン
クミストの関係を第3表(b)に示した。このときのヒ
ーターサイズは実施例1と同じくHWA=22μm,H
A =135μmとHWB =24μm,HLB =135
μmとした。
【0097】第3表(a)において、小液滴の吐出速度
はヒーターAのOH距離が120μmを超えると徐々に
遅くなり、高品位な印字を期待できない。また70μm
以下になるとインクミスト量が増大する。これはリフィ
ル周波数frが悪くなり、吐出状態が不安定となるため
と考えられる。
【0098】第3表(b)については、ヒーターAのO
H距離は100μmとし、ヒーターBのOH距離に対し
て大液滴の吐出速度を示した。OH距離が110μmを
下回ると大液滴吐出時にインクミストが発生し、吐出方
向が曲がり液滴着弾精度が低下する。また、OH距離が
200μm以上では、たまに不吐出が発生した。
【0099】したがって、小液滴の吐出速度を上昇さ
せ、且つ大液滴吐出時のインクミストの発生を抑止し、
安定した吐出を行なわせるには、小液滴を吐出するため
のヒーターのOH距離を80〜130μmとし、2つの
ヒーターのOH距離の差を10〜80μmにすればよ
い。さらに高画質な記録品位を求めるならば、前記OH
距離の差を20〜60μmにすればよい。
【0100】
【表3】 測定4 次に、後ろ側ヒータの距離OHを170μmに固定と
し、前側ヒータの位置を変化させたときの吐出特性を測
定した。測定は、吐出口面積SOや前ヒータおよび後ろ
側ヒータ面積SHが異なるものについて行った。結果を
第4表および第5表に示し、これらをグラフ化したもの
を図13および図14に示す。図13および図14にお
いて、(a)は吐出速度v、(b)は吐出量Vd、
(c)は吐出速度vを吐出量Vdで除いた値であり、こ
れらはともに前側ヒータのみを用いた場合と前側ヒータ
および後ろ側ヒータを同時に用いた場合が示さている。
(d)は各場合の位置ずれ量を示している。
【0101】第4表に測定結果が示される測定では吐出
口面積SOが380μm2、前側ヒータおよび後ろ側ヒー
タのいずれも面積SHが17μm×135μmのものを
用いた。第5表に測定結果が示される測定では、吐出口
面積SOが400μm2、前側ヒータの面積SHが17μ
m×115μm、後ろ側ヒータの面積SHが23μm×
115μmのものを用いた。いずれの測定においても、
測定は使用インクは表面張力約26.0〜37.0(d
yne/cm)であり、粘度が1.85〜2.60(c
P)のものを用い、小ドットおよび大ドット吐出を行っ
た際の吐出速度vFおよびvF+Bと吐出量VdFおよびV
dF+Bについて測定を行い、上記のような構成のインク
ジェット記録ヘッドを走査速度が0.7(m/s)のキ
ャリッジに搭載し、記録媒体までの距離が1mmの記録
装置に搭載したときの記録的の飛翔時間および着弾位置
ずれを求め、さらに、小ドット吐出時の吐出速度を吐出
量で除した第1の値と、大ドット吐出時の吐出速度を吐
出量で除した第2の値とを求め、さらに第1の値を第2
の値で除した値を求めている。
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】 上記の測定結果から、第1の値が第2の値に比例係数
1.15を乗じた値よりも大きなとき、すなわち、吐出
速度vF,vF+Bおよび吐出量吐出量VdF,VdF+Bが、 (vF/VdF)≧(vF+B/VdF+B)×C (Cは定数)の関係を満たすように配置することによ
り、好ましい吐出速度、吐出量比、着弾位置ずれ量およ
びリフィル周波数が得られることが判った。定数Cはイ
ンク物性等によって変わるもので、本発明者の実験によ
れば表面張力が約26.0〜37.0(dyne/c
m)であり、粘度が1.85〜2.60(cP)のイン
クを用いたときには、C=1.15となり、表面張力が
約40.5〜46.5(dyne/cm)であり、粘度
が1.5〜2.1(cP)のインクを用いたときには、
C=1.0となることが判った。
【0104】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。本実施例はヒータの形状および重心位置に関する
ものである。
【0105】ヒータを加熱させてその上のインクを発泡
させてインク滴を吐出させるインクジェット記録装置に
おいて所定のインク滴体積を得るためには、所定の面積
のヒータが必要となる。
【0106】ノズルを高密度化していくためにはヒータ
幅を狭くする必要があるが、このとき、幅の大きなヒー
タと同じインク滴体積とするためにはヒータ面積を等し
くする必要があり、必然的にヒータ長さを大きくするこ
ととなる。1ノズル内に複数のヒータをノズル列方向に
並設する場合には幅はさらに狭くなり、ヒータ長さもよ
り大きなものとなる。
【0107】図15(a),(b)のそれぞれは、上記
の特性を考慮した第2の実施例を説明するための図で、
ほぼ同じインク滴を吐出するノズル1001,1005
の構成を示す平面図であり、ヒータ形状により特性が異
なるものとなることを説明するための図である。
【0108】ノズル1001内には2つのヒータ100
2と1003が配設され、ノズル1001と同形状のノ
ズル1005内にはヒータ1006と1008が配設さ
れている。ヒータ1002(1003)はヒータ100
6(1008)と幅が小さく、長さが大きいが、面積は
ほぼ等しいものとされ、また、各ヒータのノズル100
1および1005に対する重心の位置は等しくなるよう
に配設されている。このような条件で配設されることに
より、図15(a)に示すノズル1001における吐出
口1004から前側ヒータ1002までの距離OC1は
図15(b)に示すノズル1005における吐出口10
07から前側ヒータ1006までの距離OC2よりも短
いものとなる。この結果、ヒータ1002の端部はB領
域に配置され、吐出量Vdが小さくなる。また、発泡中
心となる吐出口1004から重心までの距離は、幅の広
い、図15(b)に示したものと同じであり、各ヒータ
の重心はA領域となるため、リフィル周波数frに関し
てはこれらはいずれもほぼ等しいものとなり、小液滴の
形成と効率良くリフィルを行うことが両立できるものと
なっている。
【0109】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。
【0110】本実施例は、上記のA領域とA領域以外の
B領域およびC領域の分岐点を図4に示した内容から1
30μmと規定し、さらに、各測定結果からインクの種
類に応じて吐出速度vF,vF+Bおよび吐出量吐出量Vd
F,VdF+Bを規定するものである。
【0111】これらの各パラメータは以下により説明さ
れ、規定することができる。
【0112】表面張力が約26.0〜37.0(dyn
e/cm)であり、粘度が1.85〜2.60(cP)
のインクを用いたときには、 vF≧8(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦25(pl) 35≦VdF+B≦45(pl) の関係を満たすこととする。
【0113】また、表面張力が約40.5〜46.5
(dyne/cm)であり、粘度が1.5〜2.1(c
P)のインクを用いたときには、 vF≧7.5(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦40(pl) 65≦VdF+B≦80(pl) の関係を満たすこととする。上記のような条件のときに
大小吐出を良好に行うことができる。
【0114】図16は、上記のような各特性を備えたイ
ンクジェット記録ヘッドを用いたインクジェトヘッドカ
ートリッジA〜Dを組み合せたものである。インクジェ
トヘッドカートリッジA〜Dにはカラー記録を行うため
にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B
k(ブラック)がそれぞれ供給される。ここで、インク
ジェトヘッドカートリッジA〜Cを構成するインクジェ
ット記録ヘッドは、上記の定数Cが1.15となるもの
が使用され、インクジェトヘッドカートリッジDには上
記の定数Cが1.00となるものが使用されている。
【0115】上述した各実施例の実施形態としては、図
17(a)に示す例では同形状の両ヒータの一部が隣接
するように配置されたもの、図17(b)に示すように
同形状の両ヒータが隣接しないように配置されたもの、
図17(c)に示すように異なる形状のヒータの一部が
隣接するように配置されたもの、図17(d)に示すよ
うに異なる形状の両ヒータが隣接しないように配置され
たものの全てが含まれる。
【0116】なお、上述した各実施例においては、ヒー
タが2つ設けられたものを例として説明したが、さらに
多くのヒータを配置する場合であっても本発明の考え方
を適用することができる。例えば、1箇所に複数のヒー
タが並設される場合にはこれらを1つのヒータと見なし
てその重心に本発明を適用すればよい。また、距離OH
が異なるように設けられた場合には、前後関係を持つヒ
ータを1つのヒータと見なしてその重心に本発明を適用
すればよい。また、上述した各実施例を組み合せること
により、各実施例における効果が相乗したものとなり、
このように構成してもよい。
【0117】図18は上記のように構成されるインクジ
ェット記録ヘッドを用いたインクジェットヘッドカート
リッジの一例を示す分解斜視図である。
【0118】図18において記録ヘッドユニットIJU
は、電気信号に応じて熱エネルギーを生成しインクに膜
沸騰を生じさせることによりインク吐出を行う方式のユ
ニットである。ヒータボード100は、Si基板上に、
複数の列状に配された上記熱エネルギーを生成するため
の電気熱変換素子(吐出ヒータ)と、これに電力を供給
するAl等の電気配線とが成膜技術により形成されて成
る、配線基板200は、ヒータボード100の配線に対
応する配線(例えばワイヤボンディングにより接続され
る)と、この配線の端部に位置し本体装置からの電気信
号を受けるパッド201とを有している。天板1300
は、複数のインク吐出口のそれぞれに対応したインク路
や共通液室等を構成するための隔壁を具え、また、イン
クタンクから供給されるインクを受けて共通液室へ導入
するためのインク受け口1500と、吐出口を複数有す
るオリフィスプレート400を一体に具える。天板13
00が具える隔壁等は天板1300と一体成型されるも
のであり、これらの一体成型材料としてはポリサルフォ
ンが好ましいが、他の成型用樹脂材料でも良い。
【0119】支持体300は配線基板200の裏面を平
面で支持し、例えば金属によって形成され、記録ヘッド
ユニットの構造部材をなす。押えばね500はM字形状
をなし、そのM字の中央で天板1300の共通液室に対
応する部分を押圧すると共に前だれ部501で同様に天
板1300のインク路に対応する部分を線接触で押圧す
る。押えばね500の足部が支持体300の穴3121
を通って支持体300の裏面側に係合することにより、
ヒータボード100および天板1300を支持体300
との間に挟み込んだ状態とし、これにより、押えばね5
00とその前だれ部501の付勢力によってヒータボ−
ド100と天板1300とを支持体300に圧着固定す
ることができる。支持体300は、インクタンクに設け
られた2つの位置決め凸起1012および2つの位置決
め且つ熱融着保持用凸起1800のそれぞれに係合する
それぞれ2つの位置決め用穴312,1900を有する
他、ヘッドカートリッジの装置本体側キャリッジに対す
る位置決め用の突起2500,2600を裏面側に有し
ている。加えて支持体300はインクタンクからのイン
ク供給を可能とするインク供給管2200(後述)を貫
通可能にする穴320をも有している。支持体300に
対する配線基板200の取付は、接着剤等で貼着して行
われる。
【0120】なお、支持体300の凹部2400,24
00は、それぞれ位置決め用突起2500,2600の
近傍に設けられており、これら凹部は、組立てられたヘ
ッドカートリッジ(図19に示される)において、ヘッ
ドカートリッジにおける記録ヘッドユニットIJUの周
囲の3辺に形成されたそれぞれ複数の平行溝3000,
3001延長点にあって、ゴミやインク等の不要物が突
起2500,2600に至ることがないように設けられ
ている。平行溝3000が形成される蓋部材800は、
ヘッドカートリッジの外壁を形成すると共に、記録ヘッ
ドユニットIJUを収納する部分を形成している。ま
た、平行溝3001が形成されるインク供給路部材60
0は、前述したインク供給管2200と接続することに
よりこれにインク連通するインク導管1600を、供給
管2200との接続側が固定の片持ちばり形態で具え、
また、インク導管1600の固定部においてインク供給
管2200との毛管現象を確保するための封止ピン60
2を具える。尚、601はインクタンクと供給管220
0との結合シールを行うパッキン、700は供給管22
00のタンク側端部に設けられたフィルターである。イ
ンク供給路部材600は、モールド成型されているた
め、廉価で位置精度が高く形成されるばかりでなく、片
持ちばり形態の導管1600によって大量生産時におい
ても導管1600の、天板1300のインク受け口15
00に対する圧接状態を安定化できる。本例では、この
圧接状態下で封止用接着剤をインク供給路部材側から流
し込む。
【0121】なお、インク供給路部材600の支持体3
00に対する固定は、支持体300の穴1901,19
02に対するインク供給路部材600の裏面側ピン(不
図示)を支持体300の穴1901,1902を介して
貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に突出した部分
を熱融着することで簡単に行われる。尚、この熱融着さ
れた裏面部のわずかな突出領域は、インクタンクの記録
ヘッドユニットIJU取付面側壁面のくぼみ(不図示)
内に収められるのでユニットIJUの位置決め面は正確
に得られる。
【0122】インクタンクは、カートリッジ本体100
0と、インク吸収体900と、インク吸収体900をカ
ートリッジ本体1000の上記ユニットIJU取付面と
は反対側の側面から挿入した後、これを封止するための
蓋1100と、で構成されている。吸収体900は、カ
ートリッジ本体1000内に配置される。供給口120
0は上記各部100〜600からなるユニットIJUに
対してインクを供給するための供給口であり、当該ユニ
ットをカートリッジ本体1000の部分1010に配置
する前の工程で供給口1200よりインクを注入するこ
とにより吸収体900のインク含浸を行うための注入口
でもある。本例のヘッドカートリッジでは、インクをイ
ンクタンク内に注入できる部分は、大気連通口1401
と供給口1200である。しかしながら、本体1000
内側面に設けられたリブ2300および蓋1100の内
側面に設けられたリブ2500,2501とによってそ
れぞれ形成されるタンク内空気存在領域を、大気連通口
1401側から連続した部分に設け、かつインク供給口
1200から最も遠い角部域にわたって設けた構成をと
ることにより、インク吸収体からのインク供給性を良好
に保っている。このため、相対的に良好かつ均一な吸収
体へのインク注入は、供給口1200を介して行われる
ことが重要である。この方法は実用上極めて有効であ
る。リブ2300は、カートリッジ本体1000の後方
において、キャリッジ移動方向に平行なリブを4本(図
18には上面の2本のみ示される)有し、吸収体が本体
1000の面に密着することを防止している。また、部
分リブ2501,2500は、リブ2300の延在する
方向の延長上にあって蓋1100の内側面に設けられて
いるが、リブ2300とは異なり分割された状態となっ
ている。これにより、空気の存在空間を前者より増加さ
せている。なお、リブ2500,2501は蓋1100
の全面積の半分以下の面に分散された形となっている。
これらのリブによってインク吸収体900のタンク供給
口1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定
させつつも確実に供給口1200側へ毛管力で導くこと
ができる。1401はインクタンク内部を大気に連通す
るために蓋部材に設けられた大気連通口である。140
0は大気連通口1401の内方に配置される揆液材であ
り、これにより大気連通口1400からのインク漏洩が
防止される。
【0123】インクタンクのインク収容空間は長方形形
状であり、その長辺を側面に持つ場合であるので上述し
たリブの配置構成は特に有効であるが、キャリッジの移
動方向に長辺を持つ場合又は立方体の場合は、蓋110
0の全体にリブを設けるようにすることでインク吸収体
900からのインク供給を安定化できる。
【0124】インクタンクおよび、これにユニットIJ
Uが装着された後にユニットIJUを覆う蓋800によ
って、ユニットIJUは下方開口を除いて包囲されるこ
とになるが、ヘッドカートリッジは、装置本体側のキャ
リッジに装着され、この際、上記下方開口はキャリッジ
と近接するため、実質的な4方包囲空間が形成される。
従って、この包囲空間内にある記録ヘッドIJHからの
発熱は、この空間内に均一に分散してこの空間を均一な
温度に保つものとして有効となる。しかしながら、ヘッ
ドIJHが長期連続して駆動された場合など、わずかな
昇温を生じることがある。このため、本例では、支持体
300からの自然放熱を助けるためにカートリッジの上
方面に、この空間よりは小さい幅のスリット1700を
設けて、昇温を防止しつつもユニットIJU全体の温度
分布の均一化を環境に左右されないようにする。
【0125】図19に示されるようにヘッドカートリッ
ジIJCとして組立てられると、インクはインクタンク
の供給口1200から支持体300に設けた穴320お
よび供給タンク600の中裏面側に設けた導入口を貫ぬ
いて配される供給管2200を介してインク供給路部材
600内の導管1600に導かれ、その内部を通った
後、天板1300のインク導入口1500を介して共通
液室内へと流入される。以上における供給管および導管
の接続部には、例えばシリコンゴムやブルチゴム等のパ
ッキンが配設され、これによって封止が行われてインク
供給路が確保される。
【0126】なお、本実施例においては、天板1300
は耐インク性に優れたポリサルフォン,ポリエーテルサ
ルフォン,ポリフェニレンオキサイド,ポリプロピレン
などの樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に
金型により一体に同時成型してある。
【0127】図20は本発明のインクジェット記録ヘッ
ドカートリッジを用いたインクジェット記録装置IJR
Aの概観図である。記録ヘッドとインクタンクとが一体
となったインクジェットカートリッジIJCは、キャリ
ッジHCに搭載される。キャリッジHCは駆動モータ5
013の正転逆転に連動して駆動力伝達ギア5011,
50009を介して回転するリードスクリュー5004
の螺旋溝5005に対して係合するキャリッジHCはピ
ン(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動され
る。キャリッジHCには記録ヘッド部5025,インク
タンク部5026が装着される。5002は紙押え板で
あり、キャリッジの移動方向にわたって紙をプラテン5
000に対して押圧する。5007,5008はフォト
カプラであり、キャリッジのレバー5006のこの域で
の存在を確認してモータ5013の回転方向切り替え等
を行うためのホームポジション検知手段である。501
6は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材50
22を支持する部材、5015はこのキャップ内を吸引
する吸引手段であり、キャップ内開口5023を介して
記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニング
ブレード、5019はこのブレードを前後方向に移動可
能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支
持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリ
ーニングブレードが本例に適用できることはいうまでも
ない。また、5012は、吸引回復の吸引を開始するた
めのレバーであり、キャリッジと係合するカム5020
の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラ
ッチ切り替え等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0128】これらのキャッピング,クリーニング,吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジション側領域に
位置づけられたときにリードスクリュー5005の作用
によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように
構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行
うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0129】また、カートリッジタイプの記録ヘッド,
インクタンク一体型のものを用いたインクジェット記録
装置を説明してきたが、インクンタクから記録ヘッドま
で非常に細い管でインクが供給されるタイプのインクジ
ェット記録装置も本発明に包含されるものである。
【0130】図21は、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドを適用したインク吐出記録を動作させるための装置
全体のブロック図である。
【0131】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インタフェイス301に一時保存されると
同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘ
ッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力され
る。CPU302はROM303に保存されている制御
プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデ
ータをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理し、
印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0132】またCPU302は前記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙および記録ヘッドを移動する駆動用モー
タを駆動するための駆動データを作る。画像データおよ
びモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、
モータドライバ305を介し、ヘッド200および駆動
モータ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミン
グで駆動され画像を形成する。
【0133】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0134】また上述の記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
【0135】またこれらの液体吐出装置に用いる吐出液
としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体
を用いればよい。
【0136】<記録システム>次に、本発明のインクジ
ェット記録ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に
対して記録を行う、インクジェット記録システムの一例
を説明する。
【0137】図22は、前述した本発明のインクジェッ
ト記録ヘッド201を用いたインクジェット記録システ
ムの構成を説明するための模式図である。本実施例にお
けるインクジェット記録ヘッドは、被記録媒体150の
記録可能幅に対応した長さに360dpiの間隔で吐出
口を複数配したフルライン型のヘッドであり、イエロー
(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(B
k)の4色に対応した4つのヘッドをホルダ202によ
りX方向に所定の間隔を持って互いに平行に固定支持さ
れている。
【0138】これらのヘッドに対してそれぞれ駆動信号
供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が供
給され、この信号に基づいて各ヘッドの駆動が成され
る。
【0139】各ヘッドには、吐出液としてY,M,C,
Bkの4色のインクがそれぞれ204a〜204dのイ
ンク容器から供給されている。なお、符号204eは発
泡液が蓄えられた発泡液容器であり、この容器から各ヘ
ッドに発泡液が供給される構成になっている。
【0140】また、各ヘッドの下方には、内部にスポン
ジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203
a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッドの
吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0141】符号206は、先の各実施例で説明したよ
うな各種、非記録媒体を搬送するための搬送手段を構成
する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ロー
ラにより所定の経路に引き回されており、モータドライ
バ305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0142】本実施例のインクジェット記録システムに
おいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の
処理を行う前処理装置251および後処理装置252を
それぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けてい
る。
【0143】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、先着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記
録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であって
もよい。
【0144】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0145】なお、本実施例では、ヘッドとしてフルラ
インヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前述し
たような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送して
記録を行う形態のものであってもよい。
【0146】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)のそれぞれは、本発明によ
るインクジェット記録ヘッドの一実施例および比較例と
しての従来品のノズル部の構成を示す平面図である。
【図2】(a)〜(c)のそれぞれは、吐出口からヒー
タ先端までの距離OHを変数としたときの液滴の吐出量
Vd、吐出速度v、リフィル周波数frを示す図であ
る。
【図3】液滴の吐出量Vdと吐出速度v、および吐出口
面積SOと吐出口からヒータ先端までの距離OHとの積
と距離OHとの関係をともに示す図である。
【図4】吐出速度vを吐出量Vdで除算した結果と距離
OHとの関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる記録ヘッドの主にイ
ンク路の縦断面を示す図である。
【図6】本発明の実施例を説明するための図1と同様の
図である。
【図7】上記実施例を説明するための吐出ヒータ距離と
吐出インク滴体積との関係を示す線図である。
【図8】ヒータ面積SHを大きくしていったときの曲線
曲線曲線a,b の変化を示す図である。
【図9】(A)〜(D)は、上記実施例と従来例とを比
較しながら吐出時のリフィルの挙動を説明するためのイ
ンク路の断面図である。
【図10】比例係数SO’の変化を示す図である。
【図11】(a)〜(c)のそれぞれは、2つのヒータ
の重心位置と吐出口間の距離OPを変数とすると、吐出
量Vd、吐出速度Vおよびリフィル周波数fr等の吐出
特性を示す図である。
【図12】本発明によるインクジェット記録ヘッドの特
性測定において使用したノズルおよびヒータの形状を示
す図である。
【図13】後ろ側ヒータの距離OHを固定とし、前側ヒ
ータの位置を変化させたときの吐出特性示す図であり、
(a)は吐出速度v、(b)は吐出量Vd、(c)は吐
出速度vを吐出量Vdで除いた値であり、これらはとも
に前側ヒータのみを用いた場合と前側ヒータおよび後ろ
側ヒータを同時に用いた場合が示さている。(d)は各
場合の位置ずれ量を示している。
【図14】後ろ側ヒータの距離OHを固定とし、前側ヒ
ータの位置を変化させたときの吐出特性示す図であり、
(a)は吐出速度v、(b)は吐出量Vd、(c)は吐
出速度vを吐出量Vdで除いた値であり、これらはとも
に前側ヒータのみを用いた場合と前側ヒータおよび後ろ
側ヒータを同時に用いた場合が示さている。(d)は各
場合の位置ずれ量を示している。
【図15】(a),(b)のそれぞれは、本発明の第2
の実施例を説明するための図で、ほぼ同じインク滴を吐
出するノズル1001,1005の構成を示す平面図で
ある。
【図16】本発明によるインクジェット記録カートリッ
ジの一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態を説明するための図であ
る。
【図18】インクジェット記録ヘッドを用いたインクジ
ェットヘッドカートリッジの一例を示す分解斜視図であ
る。
【図19】インクジェットヘッドカートリッジの模式的
斜視図である。
【図20】インクジェット記録装置IJRAの概観図で
ある。
【図21】装置全体のブロック図である。
【図22】インクジェット記録システムの構成を説明す
るための模式図である。
【符号の説明】
101,105 ノズル 102,103,106 ヒータ 104,107 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上 良二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 才川 英男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮川 昌士 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 保坂 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口を有する
    複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐出さ
    せるための平行に設けられた複数の電気熱変換素子を有
    するインクジェット記録ヘッドにおいて、 吐出口側となる前方の電気熱変換素子は、前方側の電気
    熱変換素子単独によるインク吐出における吐出口側端部
    から吐出口までの距離OHに対する(吐出速度v/吐出
    量Vd)の値が前記距離OHの減少に対して増加する第
    1の領域と、前記距離OHの増加に対して略一定となる
    第2の領域との区分化において、該第1の領域の距離O
    Hであることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドにおいて、 他の少なくとも1つの電気熱変換素子は上記前方側の電
    気熱変換素子と略同一の電気熱変換素子であって、前記
    少なくとも1つの他の電気熱変換素子の距離OHは上記
    第2の領域であることを特徴とするインクジェット記録
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のインク
    ジェット記録ヘッドにおいて、 前記電気熱変換素子は、その吐出口側端部から吐出口ま
    での距離が他の電気熱変換素子と異なるように配置され
    るとともに、 前方の電気熱変換素子のみを用いたときの吐出速度vF
    および吐出量VdFと、前方の電気熱変換素子と他の電
    気熱変換素子を用いたときの吐出速度vF+Bおよび吐出
    量VdF+Bが、 (vF/VdF)>(vF+B/VdF+B) の関係を満たすように配置されることを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドにおいて、 前記他の電気熱変換素子は、他の電気熱変換素子単独で
    インク吐出を行った場合の前記距離OHに対する(吐出
    速度v/吐出量Vd)の値が前記距離OHの減少に対し
    て増加する第1の領域と、前記距離OHの増加に対して
    略一定となる第2の領域との区分化において、該第2の
    領域の距離OHであることを特徴とするインクジェット
    記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    のインクジェット記録ヘッドにおいて、 上記電気熱変換素子による気泡形成は膜沸騰による気泡
    形成であって、上記素子は80μm〜140μmの長さ
    で、幅は吐出口直径よりも小であり、両電気熱変換素子
    は並行隣接配置部分を有するものであって、上記前方の
    電気熱変換素子の上記距離OHは130μm以下である
    ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 インクを吐出するための吐出口を有する
    複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐出さ
    せるための平行に設けられた複数の電気熱変換素子を有
    するインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記電気熱変換素子は、その吐出口側端部から吐出口ま
    での距離が他の電気熱変換素子と異なるように配置され
    るとともに、吐出口側となる前方に位置する電気熱変換
    素子のみを用いたときの吐出速度vFおよび吐出量吐出
    量VdFと、両方の電気熱変換素子を用いたときの吐出
    速度vF+Bおよび吐出量吐出量VdF+Bが、 (vF/VdF)≧(vF+B/VdF+B)×C (Cはインク特性に比例する定数)の関係を満たすよう
    に配置されることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のインクジェット記録ヘッ
    ドにおいて、 吐出口側となる前方に位置する電気熱変換素子のみを用
    いたときの吐出速度vFおよび吐出量吐出量VdFと、前
    方の電気熱変換素子と他の電気熱変換素子を用いたとき
    の吐出速度vF+Bおよび吐出量吐出量VdF+Bが、 vF≧8(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦25(pl) 35≦VdF+B≦45(pl) の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッド。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のインクジェット記録ヘッ
    ドにおいて、 上記インクが、表面張力が約26.0〜37.0(dy
    ne/cm)であり、粘度が1.85〜2.60(c
    P)のインクであることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のインクジェット記録ヘッ
    ドにおいて、 吐出口側となる前方に位置する電気熱変換素子のみを用
    いたときのインクの吐出速度vFおよび吐出量吐出量V
    dFと、前方の電気熱変換素子と他の電気熱変換素子を
    用いたときのインクの吐出速度vF+Bおよび吐出量吐出
    量VdF+Bが、 vF≧7.5(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦40(pl) 65≦VdF+B≦80(pl) の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッド。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のインクジェット記録ヘ
    ッドにおいて、 上記インクが、表面張力が約40.5〜46.5(dy
    ne/cm)であり、粘度が1.5〜2.1(cP)の
    インクであることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  11. 【請求項11】 請求項6乃至請求項11のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、 複数のインクについてそれぞれ設けられた異なる液室を
    有し、収容するインクの表面張力が約26.0〜37.
    0(dyne/cm)であり、粘度が1.85〜2.6
    0(cP)であって定数C=1.15を満足するヘッド
    部と、収容するインクの表面張力が約40.5〜46.
    5(dyne/cm)であり、粘度が1.5〜2.1
    (cP)であって定数C=1.0を満足するヘッド部と
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 インクを吐出するための吐出口を有す
    る複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐出
    させるための平行に設けられた複数の電気熱変換素子を
    有するインクジェット記録ヘッドにおいて、 吐出口側となる前方に位置する電気熱変換素子のみを用
    いたときの吐出速度vFおよび吐出量VdFと、両方の電
    気熱変換素子を用いたときの吐出速度vF+Bおよび吐出
    量VdF+Bが、表面張力が約26.0〜37.0(dy
    ne/cm)であり、粘度が1.85〜2.60(c
    P)のインクを用いたときには、 vF≧8(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦25(pl) 35≦VdF+B≦45(pl) の関係を満たし、表面張力が約40.5〜46.5(d
    yne/cm)であり、粘度が1.5〜2.1(cP)
    のインクを用いたときには、 vF≧7.5(m/S) vF+B≦16(m/S) VdF≦40(pl) 65≦VdF+B≦80(pl) の関係を満たし、 前記電気熱変換素子は、その吐出口側端部から吐出口ま
    での距離OHが他の電気熱変換素子と異なるように配置
    されるとともに、吐出口側となる前方に位置する電気熱
    変換素子は前記距離OHが130μm以下の領域に配置
    されることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のインクジェット記録ヘ
    ッドにおいて、 後方側の電気熱変換素子が前方側の電気熱変換素子より
    も大きなことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 請求項6記載のインクジェット記録ヘ
    ッドにおいて、 後方側の電気熱変換素子が前方側の電気熱変換素子より
    も大きなことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 インクを吐出するための吐出口を有す
    る複数の液流路と、1つの液流路に対してインクを吐出
    させるための電気熱変換素子が複数設けられた第1ヘッ
    ドを用いて吐出を行うプリンタに対して前記第1ヘッド
    と交換して使用され、1つの液流路に対して平行に設け
    られた2つの電気熱変換素子を有し、第2ヘッドとして
    用いられるインクジェット記録ヘッドであって、 各電気熱変換素子間の重心から吐出口までの距離OPが
    前記第1ヘッドのヒータ重心から第1ヘッドの吐出口ま
    での距離OCと略同一であることを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至請求項14のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、 1つの液流路に対してインクを吐出させるための電気熱
    変換素子が1つ設けられた第1ヘッドを用いて吐出を行
    うプリンタに対して前記第1ヘッドと交換して使用さ
    れ、両電気熱変換素子間の重心から吐出口までの距離が
    前記第1ヘッドのヒータ重心から第1ヘッドの吐出口ま
    での距離と略同一であることを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項15または請求項16記載のイ
    ンクジェット記録ヘッドにおいて、 各電気熱変換素子間の重心から吐出口までの距離OPが
    前記第1ヘッドのヒータ重心から第1ヘッドの吐出口ま
    での距離OCよりも小さなことを特徴とするインクジェ
    ット記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至請求項17のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、 電気熱変換素子が吐出方向に向けて細長い矩形形状であ
    ることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至請求項18のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット
    記録ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを有
    するインクジェットヘッドカートリッジ。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至請求項19のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット
    記録ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を供給
    する駆動信号供給手段と、を有するインクジェット記録
    装置。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至請求項18のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット
    記録ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒体を搬
    送する被記録媒体搬送手段と、を有するインクジェット
    記録装置。
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