JPH0781081A - インクジェット記録装置および該装置を備えた情報処理システム - Google Patents

インクジェット記録装置および該装置を備えた情報処理システム

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JPH0781081A
JPH0781081A JP23358793A JP23358793A JPH0781081A JP H0781081 A JPH0781081 A JP H0781081A JP 23358793 A JP23358793 A JP 23358793A JP 23358793 A JP23358793 A JP 23358793A JP H0781081 A JPH0781081 A JP H0781081A
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recording
ink
ejection
recording apparatus
kogation
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JP23358793A
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English (en)
Inventor
Osamu Iwasaki
督 岩崎
Naoji Otsuka
尚次 大塚
Atsushi Arai
篤 新井
Kentaro Yano
健太郎 矢野
Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
Daigoro Kanematsu
大五郎 兼松
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の記録素子間のコゲ堆積量を均一化させ
ることによって、高密度、高速度および高品位の画像形
成を実施することを可能とするインクジェット記録装置
と、該記録装置を文字、画像等の入力情報を被記録媒体
上に出力するための手段として用いる情報処理システム
とを提供することを目的とする。 【構成】 本発明のインクジェット記録装置の制御機構
は、記録素子において生ずるコゲの堆積量を個別に計算
する手段と、記録素子間のコゲ堆積量の差を参照して予
備吐に用いられる駆動パルスを決定する手段と、駆動パ
ルスの決定にもとづいて駆動手段に対して所定のパルス
幅からなる駆動パルスを送ることによって予備吐を実行
させる手段と、記録素子間におけるコゲの堆積量の差が
ゼロもしくは所定の値になった時点で予備吐を中断させ
る手段とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度、高速度および
高品位の画像形成を実施することを可能とするインクジ
ェット記録装置と、該記録装置を文字、画像等の入力情
報を被記録媒体上に出力するための手段として用いる情
報処理システム、例えば、複写機、ファクシミリ、プリ
ンタ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等と
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HPシート等の被記録媒体に対して入力画像情報の記録
を行う記録装置は、種々の記録方式による記録手段(以
下、記録ヘッドという)を搭載した形態で提案されてお
り、このような記録ヘッドには、ワイヤドット方式、感
熱式、熱転写方式、インクジェット方式によるものなど
が知られている。これらの記録ヘッドのなかで、インク
ジェット記録方式は低騒音のノンインパクト方式の記録
方式であり、被記録媒体上へインクを直接付着(ドット
形成)させることによって、文字、画像等の入力情報を
記録する。このインクジェット方式には、被記録媒体上
へ吐出されるインク滴の形成方法および噴射エネルギー
の発生方法により、後述するいくつかのタイプに分類さ
れる。このようなインクジェット方式の記録ヘッド(イ
ンクジェット記録ヘッド)を持つ記録装置は、高速記
録、高解像度、高画像品質、低騒音等の要求に応える記
録装置として注目され、複写機、ファクシミリ、プリン
タ、ワードップロセッサ、ワークステーション等の出力
末端としてのプリンタ、あるいはパーソナルコンピュー
タ、ホストコンピュータ、光デイスク装置、ビデオ装置
等に具備されるハンデイまたはポータブルプリンタとし
てこれらの情報処理システムに利用されている。
【0003】ここで、従来のインクジェット記録装置に
よる画像形成(画像記録)について簡単に説明する。
【0004】インクジェット記録装置に用いられる記録
手段の一方式としてシリアル型の記録装置が採用されて
いる。この記録方式は、被記録媒体の搬送方向(副走査
方向)と直交する方向(主走査方向)へ記録手段を動か
して記録を行う記録方式である。すなわち、この方式は
被記録媒体を所定の記録位置にセットした後、主走査方
向へ移動するキャリッジに搭載された記録手段(インク
ジェット記録ヘッド)によって画像を記録(主走査)
し、一行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(副走
査)を行い、その後に次の行の画像記録(主走査)を行
うという動作を繰り返すことにより、被記録媒体全域の
画像記録を実施する。
【0005】このような画像記録に使用されるインクジ
ェット記録ヘッドは、インク吐出に利用される熱エネル
ギーを発生する複数の電気熱変換素子およびこれを駆動
するための駆動回路が形成された基板と、この基板上に
上記複数の電気熱変換素子の各々に対応した吐出口(ノ
ズル)および液路、各液路に連通する共通液室を形成す
るための天板とが積層されることによってなり、さらに
は上記駆動回路に記録装置本体部からの信号を与えるた
めの電気的接点が設けられている。そして、このように
構成された記録ヘッドのノズルを配列したノズル面が被
記録媒体に対向するように記録装置本体部のキャリッジ
上に搭載される。
【0006】上記熱エネルギーを発生するエネルギー発
生手段としては、ピエゾ素子などのような機械的変形に
よる作用で液滴を吐出させるもの、レーザなどの電磁波
を照射して発熱させて、この発熱による作用で液滴を吐
出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換
素子によって液体を加熱するものなどがある。
【0007】その中でも、熱エネルギーを利用して液体
吐出させる方式の記録ヘッドは、上記液体を吐出するた
めのノズルを高密度に配列することができるために、高
解像度の記録が可能である。このような記録ヘッドの中
でも、電気熱変換素子(発熱抵抗素子)をエネルギー発
生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易
であい、かつ最近の半導体分野における技術の進歩と信
頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を
十二分に活用することができ、高密度実装化が容易で、
製造コストも安価なことから有利である。
【0008】図9および図10を用いて従来のインクジ
ェット記録装置の概略的構成を説明する。
【0009】図9において、IJHは熱エネルギーによ
り発生するバブルを使用してインクを記録紙に吐出方式
のインクジェットヘッド(記録ヘッド)、IJC(2
1)はインクジェットヘッドIJH(20)と一体でこ
れへインクを供給するタンクIT(10)を備えた装着
自由なインクジェットカートリッジ、およびIJRAは
インクジェット記録装置本体である。
【0010】本例でのインクジェットカートリッジIJ
Cは、図9の斜視図でわかるように、インクタンクIT
の前方面よりもわずかにインクジェットヘッドIJHの
先端部が吐出した形状である。このインクジェットヘッ
ドカートリッジIJCは、後述するインクジェット記録
装置本体IJRAに載置されているキャリッジHCに固
定支持されると共に、このキャリッジHCに対して着脱
可能なディスポーザブルタイプのものである。
【0011】インクジェットヘッドIJHに供給される
インクを貯留したインクタンクIT(10)は、インク
吸収体と、このインク吸収体を挿入するための容器と、
これを封止する蓋部材(いずれも不図示)とで構成され
ている。このインクタンクIT(10)内には、インク
が充填されており、インクの吐出に応じて順次インクジ
ェットヘッド側にインクを供給している。
【0012】以上のように構成されたインクジェットカ
ートリッジIJCは、以下説明するインクジェット記録
装置IJRAのキャリッジHCに所定の方法で着脱自在
に搭載されて、所定の記録信号の入力によって、キャリ
ッジHCと被記録媒体との相対的な移動を制御して所望
の記録画像が形成される。
【0013】図10は上記処理のための機構を具えたイ
ンクジェット記録装置IJRAの一例を示す外観斜視図
である。
【0014】本図において、20はプラテン24上に送
紙されてきた被記録媒体(記録紙)の記録面に対向して
インク吐出を行うノズル群を具えたインクジェットヘッ
ドカートリッジIJCのインクジェットヘッド(記録ヘ
ッド)である。16は記録ヘッド20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、記録ヘッド20の記録紙の全幅にわた
る往復移動が可能となる。この往復移動中に記録ヘッド
20は受信データに応じた画像を記録紙上に記録する。
この1主走査終了毎に記録紙は所定量搬送され副走査が
行われる。
【0015】参照符号26はヘッド回復装置であり、記
録ヘッド20の移動経路の一端、例えばホームポジショ
ンと対向する位置に配設される。伝動機構23を介した
モータ22の駆動力によって、ヘッド回復装置26を動
作せしめ、記録ヘッド20のキャッピングを行う。この
ヘッド回復装置26のキャップ部26Aによる記録ヘッ
ド20へのキャッピング部に関連させて、ヘッド回復装
置26内に設けた適宜の吸引手段(例えば、吸引ポン
プ)によるインク吸収(吸引回復)を行い、これにより
インクを吐出口から強制的に排出させることにより吐出
口内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を行う。
また、記録終了時等にキャッピングを施すことにより記
録ヘッドが保護される。このような吐出回復処理は電源
投入時、記録ヘッド交換時、一定時間以上記録動作が行
われない時等に行われるものである。
【0016】参照符号31はヘッド回復装置26の側面
に配設され、シリコンゴムで形成されるワイピング部材
としてのブレードである。ブレード31はブレード保持
部材31Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復
装置26と同様、モータ22および伝動機構23によっ
て動作し、記録ヘッド20の吐出面との係合が可能とな
る。これにより、記録ヘッド20の記録動作における適
切なタイミングで、あるいはヘッド回復装置26を用い
た吐出回復処理後に、ブレード31を記録ヘッド20の
移動経路中に突出させ、ヘッド20の移動動作に伴って
ヘッド20の吐出面における結露,濡れあるいは塵埃等
を拭き取る。
【0017】図11を参照して、上記した従来のインク
ジェット記録装置による画像の形成について説明する。
【0018】図11では、上記した構成からなる記録ヘ
ッドIJHおよびそのインク吐出口が模式的に示されて
いる。また、この図には各インク吐出口A,B,C,
D,H,E,F,GおよびHから吐出されるインクによ
って被記録媒体RDMに形成されるドットのパターンが
描かれている。この図のに示された数字1〜5は主走査
方向(図中、矢印MSD)に移動する記録ヘッドIJH
が所定のパルス幅でインクを吐出した際に順番に形成さ
れるドットの主走査方向の位置を示しており、一方小文
字のアルファベットa〜hは各ノズルから所定のパルス
幅でもって吐出されるインクによって形成されるドット
の副走査方向の位置を示している。したがって、例えば
ノズルAは、記録ヘッドIJHが主走査方向MSDに沿
って移動しながら、最初に[1,a]の位置にドットを
形成し、続いて順に、[2, a]、[3, a]、[4,
a]および[5, a]の位置にドットを形成していく。
また、ノズルHの場合は、最初に[1,h]の位置にド
ットを形成し、続いて順に、[2, h]、[3, h]、
[4, h]および[5, h]の位置にドットを形成して
いく。どうようにして他のノズルB〜Hもドットを形成
する。
【0019】しかしながら、上述した従来の記録装置で
は複数の記録素子を用いるために、素子によるドット面
積のばらつきおよびドット形成位置のばらつき等が生じ
る。これにより一様なドット配置を強いられる画像情報
を記録した際に、筋状のムラが発生することになる。こ
の現象を図12および図13を用いて説明する。図12
は50%のハーフトーンの基本的な画像情報が均一な面
積で、かつ正確な位置に吐出されるインクによって形成
されるドットによる記録画像である。図13は記録素子
Cによって記録されるドットcの面積が基準よりも大き
く、また記録素子Fによって記録されるドットfの面積
が基準よりも小さい場合の50%のハーフトーンの記録
画像である。このようなドットにより構成された画像
は、ドットc付近では黒がちに、ドットf付近で白がち
になり、この現象が連続して起きるために筋状のムラが
発生する。これは記録素子の僅かな構造のばらつきによ
り生じてしまい製造上のムラが発生する。これは記録素
子の僅かな構造のばらつきにより生じてしまい製造上の
改善ではほとんど困難である。そのためにノズルごとに
駆動条件を変えて、形成されるドットの性質を一様にす
る手法(以下、全bit補正とする)が考案されてい
る。これは記録素子の製造上のばらつきによって発生す
るインク吐出量の違いの情報を記録ヘッドに持たせ、そ
れに応じて記録装置本体で個々の記録素子の駆動条件を
変えて吐出量変換させて、各記録素子間の吐出量を一定
することでドット面積一様にして、上記のムラを改善す
る手法である。
【0020】上述した従来の記録ヘッドにおける製造状
のばらつきについて以下説明する。ヒータボードにおい
て抵抗値、表面状態等にばらつきが生じる。抵抗値がば
らつくとヒータの発熱温度に差が生じることになり、個
々の記録素子でインクの発泡の仕方が異なってくるた
め、インク吐出量および吐出速度等のばらつきが生じて
しまう。それによって形成されるドット面積および形状
がばらつくことになる。またヒータの表面状態に微細な
凹凸のでき方により、インクの発泡開始段階での多数の
微小発泡の位置および微小発泡の位置における発泡開始
時間のばらつきが生じる。その結果、最終的にドット形
状等に差が生じてしまう。また、吐出口において形状,
口径等にばらつきが生じることになる。さらに上記形状
が異なると吐出方向にばらつきが生じるためムラが生じ
る。一方、上記口径が異なると、吐出量および吐出速度
等にばらつきが生じる。さらにヒータボードと天板の関
係において、ヒータ位置とノズル位置のばらつきによる
吐出方向のばらつき、密着状態のばらつきによって発泡
時のノズル内の高圧状態に伴うノズル間相互干渉に差異
が生じることで、吐出に伴う様々な条件がばらつくこと
になる。
【0021】次に、上記吐出量変調方法について説明す
る。
【0022】ドット面積は吐出されるインク量によって
決まる。さらに吐出量はインクの発泡体積により変化さ
せることができ、発泡体積はヒートにより相転移を起こ
すインク分子数が多い程大きくなる。この分子数を効率
よく増やす駆動として、吐出ヒータに発泡を起こさない
限界のエネルギーをヒータ表面のインクに与え(プレパ
ルス)その熱が他のインクに拡散する時間(オフタイ
ム)をおくことにより相転移を起こしやすいインク分子
数を増やす、そして次に吐出させるためのエネルギーを
インクに与える(メインパルス)ことで相転移を起こす
インク分子数を増やす方法がとられる。この方法のいて
オフタイムを変えることで相転移を起こしやすいインク
分子を増減させることで、インク吐出量を変化させるこ
とができる。
【0023】図14にオフタイムと吐出量との相関を示
す、この図に示すように、オフタイムを長くすると吐出
量は増加することになる。この手法により吐出量の可変
が可能である。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記吐出量は
記録素子の使用頻度に伴って経時的に変化してしまう。
これはインクを発泡させる吐出ヒータ上にコゲと呼ばれ
る沈着する異物があり、インクへの熱伝導効率が変化す
るためである。コゲはインク中の有機・無機不純物や染
料の溶解度の低下等で発生する。さらにコゲの堆積の仕
方が駆動条件により異なるので全bit補正を行うと経
時的に記録素子間のムラがひどくなる。
【0025】したがって、本発明は上記問題点を解決し
て、記録素子間のコゲの堆積状態を均一にすることが可
能で、さらに高密度、高速度および高品位の画像形成を
実施することが可能なインクジェット記録装置と、該記
録装置を文字、画像等の入力情報を被記録媒体上に出力
するための手段として用いる情報処理システム、例え
ば、複写機、ファクシミリ、プリンタ、ワードプロセッ
サ、パーソナルコンピュータ等とを提供することを目的
とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にもとづくインクジェット記録装置は、吐出
口からインクを吐出することにより入力画像情報を被記
録媒体上に記録するためのインク吐出と吐出口からイン
クを吐出するが被記録媒体上には吐出しない予備吐とを
行うための複数の記録素子を有する記録手段が搭載さ
れ、かつ記録素子を駆動させるための駆動パルスを送る
駆動手段と該駆動手段を制御する制御機構とが設けられ
たインクジェット記録装置において、該装置の制御機構
は、記録素子において生ずるコゲの堆積量を個別に計算
する手段と、記録素子間のコゲ堆積量の差を参照して予
備吐に用いられる駆動パルスを決定する手段と、駆動パ
ルスの決定にもとづいて駆動手段に対して所定のパルス
幅からなる駆動パルスを送ることによって予備吐を実行
させる手段と、記録素子間におけるコゲの堆積量の差が
ゼロもしくは所定の値になった時点で予備吐を中断させ
る手段とからなることを特徴とする。
【0027】また上記制御機構は、好ましくは記録素子
の使用回数を個別に計算する手段が設けられているの
で、上記装置が予備吐を実行する際に使用回数を参照す
る。さらに、上記記録素子はインクを吐出するためのエ
ネルギーを発生する手段として、熱エネルギーによりイ
ンクに生じる膜沸騰を利用して吐出口からインク滴を吐
出させる電気熱変換体であることが好ましい。
【0028】つぎに、本発明にもとづく情報処理システ
ムは、上記構成からなる新規なインクジェット記録装置
を出力手段として設けたことを特徴とする。
【0029】
【作用】記録素子において生ずるコゲの堆積量が各記録
素子ごとに、好ましくは記録素子の使用回数を参照して
個別に計算された後、該記録素子間のコゲ堆積量の差に
もとづいて予備吐に用いられる駆動パルスが決定され、
この駆動パルスの決定にもとづいて駆動手段に対して所
定のパルス幅からなる駆動パルスが送ることによって予
備吐が実行させる。そして記録素子間におけるコゲの堆
積量の差がゼロもしくは所定の値になった時点で予備吐
が中断される。その結果、各記録素子間のコゲの堆積量
は等しいかあるいは所定の量となる。
【0030】
【実施例】本実施例のインクジェット記録装置は、図9
および図10に示した従来のインクジェット記録装置と
概略同一の構成をとるもので、例えば吐出口からインク
を吐出することにより入力画像情報を被記録媒体上に記
録するためのインク吐出と吐出口からインクを吐出する
が被記録媒体上には吐出しない予備吐とを行うための複
数の記録素子を有する記録ヘッドがキャリッジ上に着脱
自在にして搭載され、また記録素子を駆動させるための
駆動パルスを送る駆動手段と該駆動手段を制御する制御
機構とが設けられた点では同一である。しかし、図1に
示すように、本実施例のインクジェット記録装置の制御
機構1は、記録素子2において生ずるコゲの堆積量を個
別に計算する手段4と、記録素子間のコゲ堆積量の差を
参照して予備吐に用いられる駆動パルスを決定する手段
5と、駆動パルスの決定にもとづいて駆動手段3に対し
て所定のパルス幅からなる駆動パルスを送ることによっ
て予備吐を実行させる手段6と、記録素子間におけるコ
ゲの堆積量の差がゼロもしくは所定の値になった時点で
予備吐を中断させる手段7とを有する。
【0031】また上記制御機構は、記録素子の使用回数
を個別に計算する手段8も具備することが可能である。
【0032】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0033】先ず、インクジェット記録ヘッドの全体構
成について、図1を参照して説明する。
【0034】図2は本発明のインクジェット記録ヘッド
の概略構成を示す斜視図である。このインクジェット記
録ヘッドIJHは、電気信号に応じて膜沸騰をインクに
対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気
熱変換体を用いて記録を行う方式の記録ヘッドである。
この図において、参照符号100はSi基板上に複数の
列状に配された電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これを
駆動させるための駆動パルスを供給するAl等の電気配
線(駆動手段)とが成膜技術により形成されてなるヒー
タボードである。参照符号200はヒータボード100
に対する配線基板であり、ヒータボード100の配線に
対応する配線(例えばワイヤボンディングにより接続さ
れる)と、この配線の端部に位置し本体装置に設けられ
た制御部(図示せず)からの電気信号を受けるパッド2
01とを有している。
【0035】参照符号1300は複数のインク流路をそ
れぞれ区分するための隔壁や共通液室等を設けた溝付天
板で、インクタンクから供給されるインクを受けて共通
液室へ導入するインク受け口1500と、吐出口を複数
有するオリフィスプレート400を一体成型したもので
ある。これらの一体成型材料としてはポリサルフォンが
好ましいが、他の成型用樹脂材料でも良い。
【0036】参照符号300は配線基板200の裏面を
平面で支持する例えば金属製の支持体で、インクジェッ
トユニットの底板となる。参照符号500は押えばねで
あり、M字形状でそのM字の中央で共通液室を押圧する
と共に前だれ部501で液路の一部を線圧で押圧する。
ヒータボード100および天板1300を押えばね足部
が支持体300の穴3121を通って支持体300の裏
面側に係合することで、これらを挟み込んだ状態で両者
を係合させることにより、押えばね500とその前だれ
部501の付勢力によってヒータボード100と天板1
300とを圧着固定する。支持体300はインク供給を
可能とするインク供給管2200を貫通可能にする穴3
20をも有している。支持体300に対する配線基板2
00の取付は、接着剤等で貼着して行われる。また、こ
の平行溝3001が形成されているインク供給部材60
0は、前述したインク供給管2200に連続するインク
導管1600を供給管2200側が固定の片持ちばりと
して形成し、インク導管の固定側とインク供給管220
0との毛管現象を確保するための封止ピン602が挿入
されている。このインク供給部材600は、モールド成
型されているので、安価で位置精度が高く形成構造上の
精度低下を無くしているだけでなく、片持ちばりの導管
1600によって大量生産時においても導管1600の
上述インク受け口1500に対する圧接状態が安定化で
きる。本例では、この圧接状態下で封止用接着剤をイン
ク供給部材側から流し込むだけで、完全な連通状態を確
実に得ることができている。なお、インク供給部材60
0の支持体300に対する固定は、支持体300の穴1
901,1902に対するインク供給部材600の裏面
側ピン(不図示)を支持体300の穴1901,190
2を介して貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に突
出した部分を熱融着することで簡単に行われる。
【0037】このような構成からなる記録ヘッドをキャ
リッジに搭載したインクジェット記録装置では、記録ヘ
ッドからインクを吐出させて記録を行うため、インク吐
出の安定化、インク吐出量の安定化が要求される。その
ため、図10に示したようなヘッド回復装置およびワイ
ピング装置によってインク吐出安定化を図っている、。
【0038】次に、コゲの沈着と予備吐出について説明
する。
【0039】上記インクの吐出回数に伴ってコゲの沈着
量の増えていくが、ある程度堆積した時点でコゲは消泡
時のキャビテーションにより剥げ落ちてしまい、またそ
の時点から沈着が開始される。そのために、各記録素子
の吐出ヒータのコゲの状態を同レベルにするには適当な
タイミングで頻繁にコゲの堆積量を合わせるシーケンス
を必要とする。そこで、所定のタイミングで被記録媒体
外の所定位置でインクを吐出させる予備吐出を本実施例
では使用している。
【0040】予備吐出は主に上記ワイピングと対で行わ
れる動作である。通常、記録ヘッド内においては吐出の
際にドットを形成するためのインク滴の他に霧状のイン
クが発生する。これが記録ヘッドフェイス面に付着し吐
出を行う度に付着量が増えてくる。付着量が一定量を越
えるとインク滴がフェイス面に形成される。このような
インク滴がインク吐出口付近に形成されると吐出される
インクに接触してしまう。そのために、吐出したインク
は被記録媒体にドットを形成せずに記録フェイス面に付
着してしまう。そこで記録ヘッドで吐出した回数をカウ
ントしてある一定値を越えた場合に、上記したように、
記録ヘッドフェイス面をブレードで拭くことにより付着
したインクを取り除く動作であるワイピングが行われ
る。しかし、この動作を行った際に異物が吐出口に入
り、記録の際に吐出不良を起こす可能性がある。そこ
で、この可能性を取り除くために印字を行う前にインク
を吐出させて吐出口に入った異物を取り除く予備吐出を
行う。
【0041】上述したように一定の吐出回数の度に印字
以外の吐出を行うので、1ノズル当たりの吐出ヒータの
コゲの堆積量はある程度予測でき、予備吐出時の駆動パ
ルスにより各吐出ヒータのコゲ量をコントロールするこ
とができる。
【0042】本例に使用する記録ヘッドの場合、予備吐
出は1ノズル当たり約1万発の吐出の度に1ノズル当た
り50発程度の吐出となる。図3はダブルパルスの1万
発当たりのコゲ量とダブルパルスのオフタイムとの関係
を表したグラフである。このようにノズル毎に駆動パル
スを変えた場合、そのコゲの堆積量が変わりノズル間で
の吐出量に差が生じてしまう。ここでノズル間のコゲ量
を同じにするために予備吐出の50発を使用するが印字
時と同じダブルパルスでは不可能である。そこでコゲを
起こしやすい駆動パルスとしてシングルパルスが挙げら
れる。図4はシングルパルス50発とコゲ量との関係を
示すものであるが、吐出に際して必要以上に長い駆動パ
ルス幅をヒータに駆けるとコゲが沈着しやすくなる。
【0043】<実施例1>記録ヘッドにおけるダブルパ
ルスのオフタイムが各記録素子によって最小がPaであ
ったとするとオフタイムがPaの記録素子が最も1万発
によるコゲ量が多いことになる。そこでダブルパルスの
オフタイムがPbの記録素子の場合は、オフタイムPa
の記録素子と比べコゲ量にKa−Kbだけの差が生じる
(図5参照)。この差を図5に示すように、シングルパ
ルス50発によるコゲ量の差がKa−Kbとなるように
して、シングルパルスSaおよびSbを駆ける。この場
合Saによる50発のコゲ量はほとんど無視できる程度
に設定する。すなわち、ダブルパルス1万発のパルス幅
とコゲ量の関係を示すテーブル1とシングルパルス50
発によるコゲ量とパルス幅の関係を示すテーブル2とを
用意して、通常の印字の場合の駆動パルスよりコゲの堆
積量をテーブル1で各記録素子毎に求める。そして、最
もコゲの堆積量が大きい記録素子と各記録素子とのコゲ
の堆積量の差を求めてテーブル2より予備吐出のシング
ルパルスのパルス幅を使用する。
【0044】上述したルーチンをフローチャート(図
6)を用いて説明する。まず記録素子の駆動パルスを参
照して(S1002)、この素子の前回の予備吐出から
のコゲの堆積量を求める(S1003)。この計算を全
記録素子について行い各ノズル毎に前記堆積量を記憶し
ておく(S1004)。次に最もコゲが堆積した記録素
子を選出して(S1005)、各記録素子とのコゲの堆
積量の差を求めて(S1006)、このコゲ量の差を参
照して予備吐出に使用する駆動パルスを決定する(S1
007)。
【0045】これらで決定した駆動パルスで予備吐出を
行うことにより、記録素子間でのコゲの状態が同等にな
ることで吐出特性が同じになり、画像のムラが経時的に
発生することを防止することが可能となる。
【0046】<実施例2>前述した実施例では各記録素
子が1万発の吐出を行ったこととして考えたが、本実施
例では各記録素子の使用発数をモニタしておき正確にコ
ゲ量を求めた上で、コゲ量を全記録素子で一様にする。
すなわち、各記録素子に駆ける駆動パルスと使用発数よ
りコゲの堆積量を求めるテーブルを使用することで前記
の目的が可能となる。その後での予備吐出時の駆動パル
ス決定方法は前実施例と同様なため省略する。
【0047】図7のフローチャートは本実施例2の手法
を示したものである。まず記録素子の駆動パルス(S2
002)と使用発数(S2003)を参照して、この素
子の前回の予備吐出からのコゲの堆積量を求める(S2
004)。この計算を全記録素子について行い各ノズル
毎の前記堆積量を記憶しておく(S2005)。次に最
もコゲが堆積した記録素子を選出して(S2006)、
各記録素子とのコゲの堆積量の差を求めて(S200
7)、このコゲ量の差を参照して予備吐出に使用する駆
動パルスを決定する(S2008)。
【0048】これらで決定した駆動パルスで予備吐出を
行うことにより、頻繁に使用する記録素子とそれ以外の
記録素子との間でのコゲの状態が同等になることで吐出
特性が同じになり、画像のムラが経時的に発生すること
を防止することが可能となる。
【0049】<実施例3>本実施例では予備吐出時に前
述した記録素子毎に駆動パルス波形を変えてコゲの堆積
を制御した変わりに、駆動パルスは一定にしてヒート発
数を変えることでコゲの堆積量を制御する。ヒート発数
によるコゲの堆積量の差は図8のようになる。予備吐出
として各記録素子毎に最低50発は必要とされるため、
印字によるコゲの堆積量が最小になる記録素子を最低の
50発の予備吐出として、他の記録素子は印字によるコ
ゲの堆積量の差を予備吐出50発によるコゲの堆積量と
の差で埋め合わせるように予備吐出のヒート発を決定す
れば良い。本実施例では予備吐出時の駆動パルスが同一
になることで、駆動の簡易化を実現した。その他のシー
ケンスおよび効果は上記実施例と同様なため省略する。
【0050】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0051】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0052】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0053】さらに、記録装置が記録できる被記録媒体
の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記
録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよ
うな記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによ
ってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個
の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0054】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0055】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0056】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0057】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0058】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。さらに、
本発明を布や糸等へ記録(プリントを含む)を行う捺染
装置として、また布への前処理,後処理を行う装置と組
み合わせた捺染システムとして用いることも望ましい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にもとづく
インクジェット記録装置は、吐出口からインクを吐出す
ることにより入力画像情報を被記録媒体上に記録するた
めのインク吐出と吐出口からインクを吐出するが被記録
媒体上には吐出しない予備吐とを行うための複数の記録
素子を有する記録手段が搭載され、かつ記録素子を駆動
させるための駆動パルスを送る駆動手段と該駆動手段を
制御する制御機構とが設けられたインンクジェット記録
装置において、上記制御機構は、記録素子において生ず
るコゲの堆積量を個別に計算する手段と、記録素子間の
コゲ堆積量の差を参照して予備吐に用いられる駆動パル
スを決定する手段と、駆動パルスの決定にもとづいて駆
動手段に対して所定のパルス幅からなる駆動パルスを送
ることによって予備吐を実行させる手段と、記録素子間
におけるコゲの堆積量の差がゼロもしくは所定の値にな
った時点で予備吐を中断させる手段とからなることを特
徴とするものなので、記録素子において生ずるコゲの堆
積量が各記録素子ごとに個別に計算された後、該記録素
子間のコゲ堆積量の差にもとづいて予備吐に用いられる
駆動パルスが決定され、この駆動パルスの決定にもとづ
いて駆動手段に対して所定のパルス幅からなる駆動パル
スが送ることによって予備吐が実行され、そして記録素
子間におけるコゲの堆積量の差がゼロもしくは所定の値
になった時点で予備吐が中断される結果、各記録素子間
のコゲの堆積量は等しいかあるいは所定の量となるもの
なので、高密度、高速度および高品位の画像形成を実施
することを可能とするインクジェット記録装置と、該記
録装置を文字、画像等の入力情報を被記録媒体上に出力
するための手段として用いる情報処理システム、例え
ば、複写機、ファクシミリ、プリンタ、ワードプロセッ
サ、パーソナルコンピュータ等とを提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづくインクジェット記録装置に設
けられた制御機構の概略的構成を説明するためのブロッ
ク図である。
【図2】本発明にもとづくインクジェット記録装置に搭
載されるインクジェット方式の記録ヘッドの概略的構成
を説明するための斜視図である。
【図3】本発明にもとづくインクジェット記録装置にお
けるダブルパルス1万発でのコゲ量とオフタイムとの関
係を示す図である。
【図4】本発明にもとづくインクジェット記録装置にお
けるシングルパルス1万発でのコゲ量とパルス幅との関
係を示す図である。
【図5】本発明にもとづくインクジェット記録装置にお
けるコゲ量と駆動条件との関係を示す図である。
【図6】本発明のもとづくインクジェット記録装置にお
ける予備吐パルス決定方法の一例に関するフローチャー
トである。
【図7】本発明のもとづくインクジェット記録装置にお
ける予備吐パルス決定方法の他の例に関するフローチャ
ートである。
【図8】本発明にもとづくインクジェット記録装置にお
けるコゲ量とヒート数との関係を示す図である。
【図9】 従来のインクジェット記録装置に搭載される
記録ヘッドの概略的構成を説明するための図である。
【図10】 従来のインクジェット記録装置の概略的構
成を説明するための斜視図である。
【図11】従来の記録装置に搭載された記録ヘッドの複
数の吐出口から吐出されたドットによって被記録媒体上
に形成されるドットパターンを説明するための図であ
る。
【図12】従来の記録装置に搭載された記録ヘッドの複
数の吐出口から吐出されたドットによって被記録媒体上
に形成されるドットパターンを説明するための図であ
る。
【図13】従来の記録装置に搭載された記録ヘッドの複
数の吐出口から吐出されたドットによって被記録媒体上
に形成されるドットパターンを説明するための図であ
る。
【図14】従来の記録装置を用いた際のダブルパルスに
おける吐出増加量とオフタイムとの関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 制御機構 2 電気熱変換体(記録素子) 3 駆動手段 4 コゲ堆積量計算手段 5 駆動パルス決定手段 6 予備吐出実行手段 7 予備吐出中断手段 8 使用回数計算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 健太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 兼松 大五郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口からインクを吐出することにより
    入力画像情報を被記録媒体上に記録するためのインク吐
    出と前記吐出口から前記インクを吐出するが前記被記録
    媒体上には吐出しない予備吐とを行うための複数の記録
    素子を有する記録手段が搭載され、かつ前記記録素子を
    駆動させるための駆動パルスを送る駆動手段と該駆動手
    段を制御する制御機構とが設けられたインクジェット記
    録装置において、 前記制御機構は、 前記記録素子において生ずるコゲの堆積量を個別に計算
    する手段と、 前記記録素子間の前記コゲ堆積量の差を参照して前記予
    備吐に用いられる前記駆動パルスを決定する手段と、 前記駆動パルスの決定にもとづいて前記駆動手段に対し
    て所定のパルス幅からなる前記駆動パルスを送ることに
    よって前記予備吐を実行させる手段と、 前記記録素子間における前記コゲの堆積量の差がゼロも
    しくは所定の値になった時点で前記予備吐を中断させる
    手段とからなることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録装置において、 前記制御機構は、さらに前記記録素子の使用回数を個別
    に計算する手段が設けられており、前記予備吐を実行す
    る際に前記使用回数を参照することを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のいずれか一項記
    載の記録装置において、前記記録素子は前記インクを吐
    出するためのエネルギーを発生する手段として、熱エネ
    ルギーにより前記インクに生じる膜沸騰を利用して前記
    吐出口からインク滴を吐出させる電気熱変換体であるこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項記載の
    インクジェット記録装置を出力手段として設けたことを
    特徴とする情報処理システム。
JP23358793A 1993-09-20 1993-09-20 インクジェット記録装置および該装置を備えた情報処理システム Pending JPH0781081A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016016537A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドのクリーニング方法
JP2016215476A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびプログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016016537A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドのクリーニング方法
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