JPH10160008A - 小流量排気弁付開閉弁 - Google Patents

小流量排気弁付開閉弁

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JPH10160008A
JPH10160008A JP32125596A JP32125596A JPH10160008A JP H10160008 A JPH10160008 A JP H10160008A JP 32125596 A JP32125596 A JP 32125596A JP 32125596 A JP32125596 A JP 32125596A JP H10160008 A JPH10160008 A JP H10160008A
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洋司 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンを1個にして全高を低くし、また構
造を単純化したコストの低い小流量排気弁付開閉弁を提
供すること。 【解決手段】本発明の小流量排気弁付開閉弁1は、大オ
リフィス23と小オリフィス24とによる2段階の排気
を行う開閉弁であって、シリンダ11内を摺動するピス
トン12によって区切られた第1室及13び第2室14
と、第1室13及び第2室14にそれぞれ開設された第
1ポート15及び第2ポート16と、一端がピストン1
2に他端が第2の弁の第2弁体34に結合されたピスト
ンロッド17とを備えたピストンシリンダ2が弁本体2
1に一体に係設され、ピストン12、第1弁体27、大
オリフィス25、及び第2弁体34が同軸上に配設さ
れ、第1弁体27がピストン12から離れる方向へ付勢
され、第2弁体34が第1弁体27を貫通したピストン
ロッ17ドを介してピストン12側へ付勢されたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空処理装置の排気
系における排気ポンプと真空処理槽との間に配置する開
閉弁に関し、さらに詳細には弁体に小流量用のオリフィ
スを設けた小流量排気弁付開閉弁に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程においては、酸化・拡散
装置、気相成膜装置のように、処理槽の真空排気を要す
る装置がある。かかる真空使用装置においては、真空排
気に要する時間が一回の処理に要する時間を大きく左右
し全体の生産性にも影響する。従って、これら真空使用
装置においては、真空排気時間の短縮のために処理槽の
容積を可能な限り小さくしたり、排気速度の大きな排気
ポンプを採用する等の工夫がなされている。
【0003】しかし、ここで排気ポンプの排気速度を大
きくすることを選択した場合、真空排気時間の短縮化の
面では有効であるものの、パーティクルの巻き上げを引
き起こすといった問題もあった。すなわち、このパーテ
ィクルは、クリーンルームの環境下においてもなお発生
し、真空処理槽やその配管内のように清掃しにくい部位
の底部などに堆積する。そこで、排気ポンプによって大
気圧状態から速い排気速度で急激に排気が開始される
と、排気に伴う風圧により堆積していたパーティクルが
巻き上げられ、それがウェハに付着することがある。特
に、半導体製造工程中には微細回路加工工程があるた
め、このようなウェハ上へのパーティクルの付着は全工
程を通じて防ぐ必要がある。
【0004】そのため、処理槽を大気圧から真空排気す
る際、排気開始後しばらくの間は、速い速度での排気を
避ける必要がある。そして、処理槽の圧力がある程度低
下するとパーティクルの巻き上げ等の不都合が起こらな
くなるので、その後は、排気速度を制限する理由はなく
なり、前述した排気時間短縮の観点からなるべく速い排
気速度での排気が望まれる。すなわち、各真空使用装置
は2種類の排気速度が必要とされるのである。ところ
が、通常使用されるロータリーポンプ等の真空ポンプ
は、それ自身では排気速度を加減することができない。
そのため、2種類の排気速度を実現するために大小2種
類のポンプユニットを使い分けることも考えられるが、
ロータリーポンプ等の振動・騒音、メンテナンス、占有
スペース等の観点から当然好ましくない。そこで、この
ような課題を解決するものとして、従来から小流量用の
オリフィスを備えた小流量排気弁付開閉弁が採用されて
いる。ここで、図5は、従来の小流量排気弁付開閉弁を
示した断面図である。
【0005】本従来例の小流量排気弁付開閉弁(以下、
単に「開閉弁」と記す)100は、駆動手段としてのシ
リンダ部51と流量制御を行う弁部71とがボディ52
に一体に形成されている。そのシリンダ部51は、駆動
方向に連設された2個のピストンシリンダから構成さ
れ、ボディ52上部に形成されたシリンダ室53に第1
ピストン54、第2ピストン55が同軸上に嵌挿されて
いる。このシリンダ室53は、内壁に摺接して嵌挿され
た第1ピストン54及び第2ピストン55によって分割
されている。具体的には、第1ピストン54によって下
方の圧力室56と上方の呼吸室57とに分割され、その
圧力室56には、操作流体であるエアを供給するための
エアポート58が穿設され、呼吸室57には、不図示の
呼吸孔が穿設されている。また、第2ピストン55によ
っては3室に分割され、その一室は先の呼吸室57に連
続し、他は第2ピストン55上方の呼吸室59と第2ピ
ストン55上部のフランジ部で画設された円周状の圧力
室60に分割されている。そして、圧力室60には、操
作流体であるエアを供給するためのエアポート61が穿
設され、呼吸室59には、不図示の呼吸孔が穿設されて
いる。
【0006】一方、ボディ52下方に形成された弁室7
2には、入力ポート73及び出力ポート74が開設さ
れ、その入力ポート73には弁室72に開孔した大オリ
フィス75が構成されている。そして、弁室72内には
大オリフィス75の開閉を行うべく円盤形状の第1弁体
76が、弁室72底面との当接部にリングパッキン77
を装填して配設されている。この第1弁体76は、中空
円筒の連結管78によってシリンダ部51の第1ピスト
ン54と一体に構成され、大オリフィス75、弁体7
6、連結管78及び第1、第2ピストン54,55が同
軸上に配設されている。そして、その第1弁体76の中
心には連結管78内に連通した中オリフィス79が穿設
され、その中オリフィス79の開閉を行うべく連結管7
8内に第2弁体80が摺動可能に嵌挿されている。この
第2弁体80下端にも第1弁体76との当接部にリング
パッキン81が装填されている。更に、第1弁体76に
は、リングパッキン81外周部に開孔した小オリフィス
82が円周部にかけて穿設されている。
【0007】このような第1弁体76は、シリンダ室5
9との仕切壁52aとの間に縮設されたスプリング83
によって大オリフィス75側へ付勢されている。そし
て、そのスプリング83の周りには、弁室72内に流入
した空気がシリンダ室53へ漏れるのを防止すべく、第
1弁体76から仕切壁52aにかけてベローズ84が設
けられている。また、連結管78内では、第2弁体80
がスプリング85によって中オリフィス79側へ付勢さ
れ、そして、その第2弁体80の周りには、連結管78
内に流入した空気がシリンダ室53へ漏れるのを防止す
べく、第2弁体上部のフランジ部から第1弁体76にか
けてベローズ86が設けられている。また、連結管78
内に嵌挿された第2弁体80には、その軸心部に上方か
らロッド62が螺合されている。そのロッド62は上方
に延設され、第1ピストン54及び第2ピストン55、
更にボディ52が貫かれている。
【0008】そこで、このような構成をなす従来の開閉
弁100では、シリンダ室53へのエア供給が行われな
い状態では、スプリング83に付勢された第1弁体76
によって大オリフィス75が遮断され、スプリング85
に付勢された第2弁体80によって中オリフィス82が
遮断される。処理槽を大気圧から真空排気する際には、
先ずエアポート61から圧力室60内への圧力負荷によ
って、第2ピストン55のみへの加圧が行われる。その
ため、上昇する第2ピストン55がロッド62のフラン
ジ62aに当たってロッド62が持ち上げられることと
なる。そして、このロッド62が持ち上げられると、第
2弁体81がスプリング85の付勢力に抗して第1弁体
76から離間される。そのため、中オリフィス79が開
孔することで、入力ポート73から流入した空気が小オ
リフィス82を介して出力ポート74側へ流れる小流量
の排気が行われる。
【0009】一方、第1弁体76はスプリング83によ
って付勢されているため、大オリフィス75は遮断され
たままである。そして、処理槽の圧力がある程度低下し
た所定時間の後にエアポート58から圧力室56内への
圧力負荷が行われる。そのため、加圧された第1ピスト
ン54が上昇することにより、連結管78を介して一体
の第1弁体76も上昇することとなる。従って、大オリ
フィス75が開孔することで、流路面積が拡大し排気速
度の大きい大流量の排気が行われることとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来例
の開閉弁100は、パーティクルの巻き上げを伴うこと
なく、かつ、迅速に真空排気を行うことをねらった開閉
弁であり、その構成として大小のオリフィスの開閉を行
うための2個の弁をもつものである。しかしながら、本
従来例の開閉弁100では、2個の弁を操作するために
それぞれのピストンを備えるものであって、シリンダ部
51全体の容積を多く必要とするものであった。即ち、
図示したように第1ピストン54及び第2ピストン55
が上下2段に連設されたものであるため駆動方向の寸法
(全高)が長くなり、開閉弁100自体が大型化するも
のであった。また、2個のピストン54,55を用いる
ため分部品点数が多くなるとともに、その分シリンダ部
51の構造が複雑なものであった。一方、2個のピスト
ン54,55を駆動源として同軸上に配設された第1弁
体76及び第2弁体80を操作するため、シリンダ部5
1のみならず弁部71の構造も複雑なものであった。従
って、従来の開閉弁100は、全体として部品点数が多
くその構造が複雑で、コストの高いものであった。
【0011】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、ピストンを1個にして全
高を低くし、また構造を単純化したコストの低い小流量
排気弁付開閉弁を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の小流量排気弁付
開閉弁は、入力ポートと出力ポートとの間を連通する弁
本体に形成された大オリフィスと、前記大オリフィスを
開閉する第1の弁と、前記大オリフィス遮断時に前記入
力ポートと前記出力ポート間を連通する前記第1の弁の
第1弁体に形成された小オリフィスと、前記小オリフィ
スを開閉する第2の弁とを有するものであって、シリン
ダ内を摺動するピストンによって区切られた第1室及び
第2室と、前記第1室及び第2室にそれぞれ開設された
第1ポート及び第2ポートと、一端が前記ピストンに他
端が前記第2の弁の第2弁体に結合されたピストンロッ
ドとを備えたピストンシリンダが前記弁本体に一体に係
設され、前記ピストン、第1弁体、大オリフィス、及び
第2弁体が同軸上に配設され、前記第1弁体が前記ピス
トンから離れる方向へ付勢され、前記第2弁体が前記第
1弁体を貫通した前記ピストンロッドを介して前記ピス
トン側へ付勢されたものであることを特徴とする。
【0013】また、本発明の小流量排気弁付開閉弁は、
前記第2弁体が、有底円筒形状の開口端部円周上に弁ゴ
ムが貼設されたものであって、底部から前記第1弁体に
かけてはベローズが設けられ、前記小オリフィスの開口
部が前記ベローズと前記弁ゴムとの間に位置するもので
あることが好ましい。
【0014】このような構成からなる本発明では、シリ
ンダの第1及び第2ポートへの圧力負荷がない状態で
は、第1弁体及び第2弁体は閉弁方向に付勢されていて
大オリフィス及び前記小オリフィスが遮断されている。
そこで、第1ポートへの圧力負荷により第1室内が加圧
され、第2弁体が第1弁体から離間する方向へピストン
が付勢され、小オリフィスが連通されて小流量排気が行
われる。次いで、第1ポートへの圧力を無負荷とする一
方、第2ポートへの圧力負荷により第2室内が加圧さ
れ、第2弁体が第1弁体側へ当接する方向へピストンが
付勢され、第1弁体が第2弁体を介して一体に持ち上げ
られ、大オリフィスが連通されて大流量排気が行われ
る。従って、1個のピストンによって前記第1及び第2
弁体の駆動を操作することができるようなったことで、
ピストンを1個にして全高を低くし、また構造も単純化
されコストの低いものとすることが可能となった。
【0015】また、有底円筒形状をなす第2弁体の開口
端部円周上の弁ゴムが、その円周内にある小オリフィス
開口部を包むように当接することでその小オリフィスの
連通を遮断するようにし、また、その第2弁体の円筒内
のベローズにより空気の漏れを防止するようにしたの
で、ベローズを簡易に取り付けることができ、その点で
構造を単純化することができた。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる小流量排気
弁付開閉弁の一実施の形態について図面を参照して説明
する。図1は、本実施の形態の小流量排気弁付開閉弁を
示した断面図であり、図2乃至図4は、本実施の形態の
小流量排気弁付開閉弁を示した模式図である。本実施の
形態の小流量排気弁付開閉弁(以下、単に「開閉弁」と
記す)1は、前記従来例のものと同様にシリンダ部2と
弁部3とから構成されている。このシリンダ部2は、一
般的なピストンシリンダであり、その構造は単純で、図
2に示すようシリンダ11内を一つのピストン12が摺
動可能に嵌装され、そのピストン12によって分割され
た第1圧力室13と第2圧力室14には、操作流体であ
るエアを給排気するための第1ポート15、第2ポート
16が開設されている。
【0017】次に、弁部3の構造について図1に基づい
て詳細に説明する。弁部3は、弁本体21が接続部22
を介してシリンダ11に一体に固設され、その弁本体2
1には、入力ポート23、出力ポート24が形成されて
いる。その入力ポート23と出力ポート24との間に
は、入力ポート23の延長上に大オリフィス25が設け
られ、その大オリフィス25を流れる空気の流量調節を
行うべく二次圧側開口部に第1弁座26が形成されてい
る。そして、弁本体21内には、第1弁座26に対して
当接・離間する第1弁体27が配設され、その当接面に
は弁ゴム27aが円周状に嵌合されている。
【0018】一方、前記ピストン12の中心にはピスト
ンロッド17が固定され、弁本体21内に延設されてい
る。そして、そのピストンロッド17下端部が第1弁体
27の中心を貫通しているが、第1弁体27は、そのピ
ストンロッド17とのわずかかな接触部を設けることで
位置決めされている。この第1弁体27は、ピストンロ
ッド17から独立して動作するよう構成されている。そ
して、第1弁体27は2本のスプリング28,29によ
って常に第1弁座26へ付勢されている。即ち、第1弁
体27上面には段差の設けられた環状の下バネ受30が
当接し、外側のバネ力の大きいスプリング28は、シリ
ンダ11に当接した上バネ受31と下バネ受30との間
に縮設され、内側のバネ力の小さいスプリング29は、
ピストンロッド17に形成された段部と下バネ受30と
の間に縮設されている。また、第1弁体27には、シリ
ンダ部2側への空気の漏れを防止すべく接続部22との
間にベローズ32が掛け渡されている。
【0019】そして、第1弁体27を貫通したピストン
ロッド17の下端部には弁棒33が連結され、第1弁体
27の下方で第2弁体34が固定されている。この第2
弁体34は、有底円筒形状をなしたものであり、弁棒3
3は底部を貫通して固定され、第1弁体27に当接する
開口端部の円周上に弁ゴム34aが貼設されている。そ
の第2弁体34内には、底部から第1弁体27にかけて
は弁棒33が貫通する円筒形状の支持部材35aに固定
されたベローズ35が装填され、先に示したベローズ3
2内に空気が漏れないように構成されている。また、第
1弁体27には、第2弁体34の弁ゴム34a内周に位
置する開口部を有する小オリフィス36が、出力ポート
24側の他方の開口部にかけて穿設されている。従っ
て、第1弁体27の小オリフィス36外側には、第2弁
体34の弁ゴム34aが当接する第2弁座37が円周状
に設けられている。
【0020】このような構成からなる本実施の形態の開
閉弁1は、次に示すようにして開閉動作が行われるが、
開閉動作を真空排気に従って説明する。その動作順序
は、図2乃至図4に示した模式図の順で、図2は弁閉状
態を示し、図3は小流量の弁開状態を示し、そして図4
は大流量の弁開状態を示した図である。先ず、図2で示
した弁閉状態の場合、シリンダ部2では、シリンダ11
の第1圧力室13及び第2圧力室14へはエアによる圧
力負荷がかけられていないため、ピストン12はいずれ
の方向にも圧力を受けずにフリーな状態である。一方、
弁部3では、第1弁体27がスプリング28,29によ
って図面下方に付勢されて第1弁座26へ当接されてい
る。そのため、大オリフィス25は遮断された状態にあ
る。また、スプリング29によってピストンロッド17
が上方へ付勢されているため、第2弁体34も同様に上
方へ付勢されて第1弁体27に形成された第2弁座へ当
接されている。そのため、小オリフィス36も遮断され
た状態にある。従って、このときまだ処理槽内は大気圧
の状態である。
【0021】そこで、処理槽が大気圧である状態から真
空排気を開始する際には、図3に示すようシリンダ部2
において第1ポート15へ圧力負荷が行われ、第1圧力
室13内が加圧される。すると、第2圧力室14よりも
第1圧力室13内の圧力が上昇し、これによりピストン
12が下方へ付勢される。そのため、ピストンロッド1
7を介して上方へ加わっているスプリング29の付勢力
に抗して、そのピストンロッド17及びそのピストンロ
ッド17に連結された第2弁体34が下方へ移動するこ
ととなる。従って、第2弁体34が第2弁座37から離
間することで小オリフィス36が連通し、一方、第1弁
体27は依然としてスプリング28,29のみの付勢力
を受けて第1弁座26へ当接されているため、大オリフ
ィス25は遮断した状態にある。よって、処理槽から弁
本体21内へ流入した排出空気は小オリフィス36を通
って小流量づつ排気されることとなる。
【0022】ここで、処理槽が大気圧である状態から真
空排気開始する場合を考えてみる。大気圧のように気体
の圧力が高いときは、気体分子の運動は容器壁と分子と
の衝突よりも分子同士の衝突によって支配されている。
このような状況(気体の粘性流状態という)下で排気を
行うと、排気に伴う圧力変化が気体分子同士の衝突によ
って容器内に伝播し、容器壁等に力を加えることとな
る。 この力は日常我々が感じる「風」に近いもので、
排気速度が速いと圧力変化が激しいのでこの力も強く、
処理槽および配管の底部に堆積しているパーティクルが
巻き上げられたり、処理槽内でウェハの位置ずれおよび
破損が起こったりする。通常、10-2Torr 前後以上の
圧力が粘性流状態であると考えられる。
【0023】従って、この弊害を避けるため、遅い排気
速度にて排気開始しなければならない。このため排気開
始時は、流量容量の大きい大オリフィス25を開とせ
ず、流量容量の小さい小オリフィス36のみを開とし、
即ち、図3に示す状態にして排気する。これにより、パ
ーティクルの巻き上げ等の不都合を伴わない、遅い排気
速度にて排気開始することができる。そして、排気する
ことにより処理槽の圧力がある程度低下すると体積当り
の気体分子の個数が減るので、気体分子の運動が、分子
同士の衝突よりも容器壁と分子との衝突により支配され
るようになる。この状況(気体の分子流状態という)下
では、圧力変化は分子同士の衝突によっては伝播でき
ず、熱運動による確率論的な伝播しかできない。したが
ってもはや「風」あるいは「粘性」という概念が存在し
ないので、排気に伴う圧力変化が力として容器壁等に伝
わることはなく、パーティクルの巻き上げ等の現象は起
こり得ない。
【0024】気体分子運動の平均自由工程が容器サイズ
を大幅に上回るような状況がこの分子流状態であり、通
常10-5Torr 前後以下の圧力が分子流状態と考えられ
る(10-2Torr 前後〜10-5Torr 前後の間の圧力で
は、気体は粘性流と分子流との中間的な性質を示し、中
間流状態と呼ばれる)が、パーティクル巻き上げ現象等
については、これが起こるためには前述の力として有限
の値が必要なので、完全な分子流状態になるまで圧力が
低下するより若干早く、実際には起こらなくなると考え
られる。このように、パーティクルの巻き上げ等の不都
合が起こらない圧力まで処理槽の圧力が低下したら、排
気速度を制限する必要はもはないので、開閉弁1の流量
容量の大きい大オリフィス25を開口させて連通する。
【0025】そのため、シリンダ部2において、第1圧
力室13内へのエアの供給を止めて圧力負荷を停止す
る。すると、第1圧力室13内のエアが排気されるとと
もにスプリング29の弾拡力によりピストン12が上昇
して図1の状態へ戻る。また、それと同時に、第2ポー
ト16への圧力負荷により第2圧力室14内を加圧す
る。従って、第2圧力室14内の圧力が上昇することに
よりピストン12が上方へ付勢される。ピストン12が
上昇することにより、ピストンロッド17を介して一体
となった第2弁体34も上昇し、第2弁体34は下方か
ら第1弁体27へ当接する。そして、ピストン12の上
昇によって、第2弁体34が第1弁体27をそのまま持
ち上げて第1弁座26から離間させる。従って、大オリ
フィス25が連通し、大流量の排気によって迅速に処理
槽を目標真空度まで排気が行われる。
【0026】よって、本実施の形態の開閉弁1によれ
ば、第2弁体34を第1弁体27の下方へ配設し、小オ
リフィス36を連通させる第2弁体34の移動方向と大
オリフィス25を連通させる第1弁体27の移動方向を
逆にしたことにより、一つのピストン12のみによって
2個の弁体27,34を動作させることが可能となっ
た。即ち、シリンダ11内の上下の圧力室13,14へ
のそれぞれの加圧によって大小2つのオリフィス25,
36の開口動作が可能となった。従って、第1弁体27
及び第2弁体34の開閉動作を一つのピストン12によ
って操作するよう構成したので、シリンダ部2の全高の
寸法を抑えることができ、開閉弁1自体の小型化を図る
ことができた。
【0027】あわせて、一つのピストン12によって構
成したことによってシリンダ部2及び弁部3の部品点数
を減少させることができ、この点で構造を単純化するこ
とができ、コストの低下を図ることが可能となった。ま
た、有底円筒形状をした第2弁体34の開口端部に貼設
された弁ゴム34aによって小オリフィス36を遮断す
るように、その円周内にベローズ35を装填する構成と
したので、ベローズを簡易に取り付けることができ、そ
の点で構造を単純化することができた。
【0028】なお、本発明は、前記実施の形態のものに
限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で
様々な変更が可能である。例えば、前記実施の形態では
シリンダ部2の操作流体としてエア圧を利用したが、油
圧であってもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明は、シリンダ内を摺動するピスト
ンによって区切られた第1室及び第2室と、その第1室
及び第2室にそれぞれ開設された第1ポート及び第2ポ
ートと、一端が前記ピストンに他端が第2の弁の第2弁
体に結合されたピストンロッドとを備えたピストンシリ
ンダが弁本体に一体に係設されたものであり、ピスト
ン、第1弁体、大オリフィス、及び第2弁体が同軸上に
配設され、その第1弁体が、ピストンから離れる方向へ
付勢される一方、第2弁体が、第1弁体を貫通したピス
トンロッドを介してピストン側へ付勢されたものとした
ことにより、ピストンを1個にして全高を低くし、また
構造を単純化したコストの低い小流量排気弁付開閉弁を
提供することが可能となった。
【0030】また、本発明は、第2弁体が、有底円筒形
状の開口端部円周上に弁ゴムが貼設されたものであっ
て、底部から第1弁体にかけてはベローズが設けられ、
小オリフィスの開口部が前記ベローズと前記弁ゴムとの
間に位置するものとしたことにより、ベローズを簡易に
取り付けることができ、その点で構造を単純化したコス
トの低い小流量排気弁付開閉弁を提供することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる小流量排気弁付開閉弁の一実施
の形態を示した断面図である。
【図2】小流量排気弁付開閉弁の弁閉状態を示した模式
図である。
【図3】小流量排気弁付開閉弁の小流量の弁開状態を示
した模式図である。
【図4】小流量排気弁付開閉弁の大流量の弁開状態を示
した模式図である。
【図5】従来の小流量排気弁付開閉弁を示した断面図で
ある。
【符号の説明】
1 開閉弁 2 シリンダ部 3 弁部 11 シリンダ 12 ピストン 21 弁本体 25 大オリフィス 27 第1弁体 28,29 スプリング 34 第2弁体 36 小オリフィス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ポートと出力ポートとの間を連通す
    る弁本体に形成された大オリフィスと、前記大オリフィ
    スを開閉する第1の弁と、前記大オリフィス遮断時に前
    記入力ポートと前記出力ポート間を連通する前記第1の
    弁の第1弁体に形成された小オリフィスと、前記小オリ
    フィスを開閉する第2の弁とを有する小流量排気弁付開
    閉弁において、 シリンダ内を摺動するピストンによって区切られた第1
    室及び第2室と、前記第1室及び第2室にそれぞれ開設
    された第1ポート及び第2ポートと、一端が前記ピスト
    ンに他端が前記第2の弁の第2弁体に結合されたピスト
    ンロッドとを備えたピストンシリンダが前記弁本体に一
    体に係設され、 前記ピストン、第1弁体、大オリフィス、及び第2弁体
    が同軸上に配設され、前記第1弁体が前記ピストンから
    離れる方向へ付勢され、前記第2弁体が前記第1弁体を
    貫通した前記ピストンロッドを介して前記ピストン側へ
    付勢されたものであることを特徴とする小流量排気弁付
    開閉弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の小流量排気弁付開閉弁
    において、 前記第2弁体が、有底円筒形状の開口端部円周上に弁ゴ
    ムが貼設されたものであって、 底部から前記第1弁体にかけてはベローズが設けられ、
    前記小オリフィスの開口部が前記ベローズと前記弁ゴム
    との間に位置することを特徴とする小流量排気弁付開閉
    弁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100448701B1 (ko) * 2001-04-12 2004-09-16 삼성전자주식회사 에어밸브
JP2007146923A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Ckd Corp 弁の流路構造

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