JPH10159545A - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排ガス浄化装置

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JPH10159545A
JPH10159545A JP8334817A JP33481796A JPH10159545A JP H10159545 A JPH10159545 A JP H10159545A JP 8334817 A JP8334817 A JP 8334817A JP 33481796 A JP33481796 A JP 33481796A JP H10159545 A JPH10159545 A JP H10159545A
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JP
Japan
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exhaust gas
engine
catalytic converter
catalyst
catalyst carrier
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JP8334817A
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English (en)
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Senta Toujiyou
千太 東條
Yuji Mori
裕司 森
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動時における触媒コンバータの早
期昇温と高浄化性能とを併有しかつエンジン暖機後の浄
化性能にも優れ構造が簡易な内燃機関の排ガス浄化装置
を提供する。 【解決手段】 排気経路の最上流側に配置された第1触
媒コンバータと,下流側に配置された,第1触媒コンバ
ータ以上の容量を持つ第2触媒コンバータとを有する。
第1触媒コンバータは,エンジン冷間時に第1触媒コン
バータに流入するアイドリング時の排ガス温度が第1触
媒の活性化温度よりも高くなる位置に取り付けられる。
エンジン冷間時の排出ガス流量をQ1,エンジン暖機後
の排出ガス流量をQ2とし,第1触媒コンバータを構成
する第1触媒担体の容量をV1,排気経路に介設された
触媒担体の総容量をVVとしたとき,Q1/V1の値が
Q2/VVの値の4倍以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,自動車等の内燃機関の排ガス浄
化装置に関するものであり,特にエンジン冷間時の触媒
コンバータの早期活性化による排ガス浄化能力の向上に
関する。
【0002】
【従来技術】自動車の排ガス浄化装置として,従来か
ら,白金,ロジウム,パラジウム等の貴金属又はその他
の触媒金属を担持した触媒コンバータが用いられてい
る。この排ガス浄化装置は,HC(炭化水素),CO
(一酸化炭素),NOx(窒素酸化物)等の排ガスの有
害成分を酸化又は還元させることによって排ガスを浄化
する。
【0003】特に,エンジン始動直後では,HC及びC
Oの排出量が多いにもかかわらず,排ガス温度が低く,
触媒金属が活性温度(通常250〜400℃以上)に達
しないため,排ガス浄化装置による有害成分の浄化がほ
とんどされないという問題がある。
【0004】そこで,従来,特開平7−766号公報に
は,排ガス浄化装置を第1の浄化器と第2の浄化器とに
分け,第1の浄化器の熱容量を小さくし,第2の浄化器
の幾何学的表面積を大きくすることにより,高い排ガス
浄化率を保持することが提案されている。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の排
ガス浄化装置においては,単に,第1触媒担体の単位体
積当たりの熱容量を小さくしても,第1触媒担体の総熱
容量が大きい場合に,第1触媒コンバータが昇温するま
で多くの時間を要するおそれがある。逆に,第1触媒担
体の総熱容積が過小の場合には,第1触媒コンバータが
昇温した後であっても,十分な浄化性能を発揮しないお
それがある。更に,第1触媒担体の容積及び総熱容量を
適度に設計したとしても,エンジンから排出される排ガ
ス量との適合がされていないと,十分な浄化性能を発揮
しないおそれがある。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,エン
ジン始動時における触媒コンバータの早期昇温と高浄化
性能とを併有し,かつエンジン暖機後の浄化性能にも優
れた,構造が簡易な,内燃機関の排ガス浄化装置を提供
しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,内燃機関の排気
経路に介設された排ガス浄化装置において,上記排ガス
浄化装置は,上記排気経路の最上流側に配置された第1
触媒コンバータと,上記第1触媒コンバータよりも下流
側の排気経路に配置された,上記第1触媒コンバータ以
上の容量を持つ少なくとも1つの第2触媒コンバータと
を有しており,上記第1,第2触媒コンバータには,排
ガスを浄化するための第1,第2触媒を担持した第1,
第2触媒担体が設けられ,上記第1触媒コンバータは,
エンジン冷間時に上記第1触媒コンバータに流入するア
イドリング時の排ガス温度が,上記第1触媒の活性化温
度よりも高くなる位置に取り付けられ,かつ,上記エン
ジン冷間時における上記排ガス浄化装置へのアイドリン
グ時の排ガス流量をQ1,エンジン暖機後における上記
排ガス浄化装置へのアイドリング時の排ガス流量をQ2
とし,上記第1触媒担体の容量をV1,上記排ガス浄化
装置に設けた全ての触媒担体の総容量をVVとしたと
き,Q1/V1の値がQ2/VVの値の4倍以上である
ことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置である。
【0008】本発明の排ガス浄化装置は,触媒コンバー
タの早期活性を,排ガスが与える熱量とコンバータ容量
との相関(システム)として捉えて,排出エミッション
の量と排ガス浄化能力とのバランスを図っている。
【0009】即ち,上記排ガス浄化装置において,第1
触媒コンバータは,エンジン冷間時に第1触媒コンバー
タに流入するアイドリング時の排ガスの温度が第1触媒
の活性化温度よりも高くなる位置に配置されている。そ
のため,エンジン冷間時においても,確実に第1触媒が
活性化されて,高い浄化性能を発揮することができる。
また,第1触媒が活性化した後には,その反応熱により
後続の第2触媒を連続して即座に昇温活性させる。その
ため,エンジン暖機後には,第1,第2触媒を含む全触
媒により十分な浄化能力を持続することができる。
【0010】上記エンジン冷間時とは,エンジン始動時
からエンジン冷却水がある値Tw(例えば80〜90
℃)に上昇するまでの,アドリング時のエンジン回転数
が高く(例えば800rpm以上)設定された期間をい
う。また,上記エンジン暖機後とは,エンジン冷却水が
ある値Tw(例えば80〜90℃)に達した後の,アド
リング時のエンジン回転数が低く設定された状態(例え
ば800rpm以下)をいう。
【0011】上記第1触媒コンバータは,本排ガス浄化
装置に設けられた全触媒コンバータの中で排気経路の最
上流側に介設されている。排気経路の最上流側とは,排
気経路において内燃機関に最も近い部分をいう。
【0012】一方,上記第2触媒コンバータは,第1触
媒コンバータよりも下流側の排気経路に,1又は2以上
介設されている。この第2触媒コンバータは,それぞれ
第1触媒コンバータ以上の容量(体積)を有している。
そのため,触媒担体の総容量(総体積)VVの低下し過
ぎを抑制することができ,これにより,エンジン暖機後
の浄化能力を高く維持することが出来る。
【0013】また,エンジン冷間時に排ガス浄化装置に
流入する排ガスの流量をQ1,エンジン暖機時に排ガス
浄化装置に流入する排ガスの流量をQ2,第1触媒担体
の容量(体積)をV1,排ガス浄化装置に設けた全触媒
担体の総容量(総体積)をVVとし,これらが上記の関
係にあるよう構成している。ここに,排ガス浄化装置に
設けた全触媒担体の総容量(総体積)とは,第1,第2
触媒担体を含み,他の触媒担体を有する場合には,該他
の触媒担体も併せた容量(体積)をいう。
【0014】ここで,Q1/V1は,エンジン冷間時に
第1触媒担体の単位体積に与える排ガス熱量の指標とな
る。なぜならば,エンジン冷間時には大部分の排ガスの
熱エネルギーが第1触媒担体の昇温に費やされるからで
ある。
【0015】また,Q2/VVは,エンジン暖機後の全
触媒担体の単位体積に与える排ガス熱量の指標となる。
なぜならば,エンジン暖機後には,第1,第2触媒担体
を含む全触媒担体が,第1,第2触媒を含むすべての触
媒の活性化温度以上に暖まっている。そのため,排ガス
の熱エネルギーの大部分は,全触媒担体の活性化温度の
維持に費やされるからである。
【0016】従って,Q2/VVに対するQ1/V1の
比は,エンジン冷間時に第1触媒担体の単位体積に与え
る排ガス熱量が,全触媒の活性化温度の維持に必要な排
ガス熱量の何倍に設定するかを示すことになる。
【0017】そこで,本発明においては,Q2/VVに
対するQ1/V1の比を4倍以上と大きくすることによ
り,エンジン冷間時に,第1触媒担体の単位体積当たり
の排ガスの熱量を,集中的に増加させることができる。
それ故,エンジン冷間時の第1触媒担体の昇温速度を集
中的に早めて,第1触媒担体に担持されている第1触媒
をすばやく昇温活性させることができる。一方,Q1/
V1の値が,Q2/VVの値の4倍未満の場合には,第
1触媒担体に担持されている第1触媒の昇温活性が遅延
し,十分な浄化能力を発揮することが困難となる。
【0018】また,Q2/VVは,エンジン暖機後の全
触媒の浄化能力を表す指標となる。その理由は,Q2/
VVが小さいほど単位流量の排ガスを浄化する触媒担体
の容量が大きくなるからである。従って,エンジン暖機
後の浄化能力を高く維持するためには,単に第1触媒担
体の容量V1を小さくするだけでなく,第2触媒担体の
容量V2を大きくして,触媒担体の総容量VVを過度に
低くさせないことが必要である。従って,Q2/VVの
値を大きくすることにより,エンジン暖機後の全触媒担
体の浄化能力を高めることができる。
【0019】また,請求項2の発明のように,上記排ガ
ス浄化装置に設ける触媒担体は,排ガス通路を構成する
隔壁の厚さが0.13mm以下のセラミック製触媒担体
であることが好ましい。これにより,第1触媒担体の熱
伝導率及び熱容量を低くすることができる。そのため,
第1触媒担体の排気通路上流側を集中的に早期に昇温さ
せて,第1触媒の早期昇温活性化を図ることができる。
【0020】また,請求項3の発明のように,上記第1
触媒は,第1触媒担体における排気経路の上流側に,上
記第1触媒担体における排気経路の下流側よりも高い濃
度で担持されていることが好ましい。これにより,エン
ジン冷間時に最初に昇温する第1触媒担体の排気経路の
上流側端部において,集中的かつ効果的に触媒反応を起
こすことができ,エンジン冷間時における排ガスの浄化
性能を更に高くすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる排ガス浄化装置について,
図1〜図4を用いて説明する。本例は,自動車のエンジ
ンの排気経路に介設された排ガス浄化装置である。排ガ
ス浄化装置1は,図1に示すごとく,エンジン5の排気
経路の最上流側に配置された第1触媒コンバータ10
と,第1触媒コンバータ10よりも下流側の排気経路に
配置された,第1触媒コンバータ以上の容量を持つ第2
触媒コンバータ20とを有している。
【0022】第1触媒コンバータ10には,排ガスを浄
化するための第1触媒を担持した第1触媒担体11が設
けられている。第2触媒コンバータ20には,排ガスを
浄化するための第2触媒を担持した第2触媒担体21が
設けられている。第1触媒コンバータ10は,エンジン
冷間時に第1触媒コンバータに流入するアイドリング時
の排ガス温度が第1触媒の活性化温度(約300℃)よ
りも50℃以上高くなる位置に取り付けられている。
【0023】エンジン冷間時のアイドリング時の排出ガ
ス流量Q1は,約46200リットル/時間である。第
1触媒担体の容量(体積)V1は500cc,第2触媒
担体の容量(体積)V2は1100ccである。これら
の値から,第1,第2触媒担体11,21の総容量(総
体積)VVは1600ccとなる。また,Q1/V1の
値は92400,Q2/VVの値は11625となり,
Q1/V1の値はQ2/VVの値の7.9倍となる。
【0024】また,排ガス浄化装置1は,エンジン5の
運転状態を制御する内燃機関制御手段3を有している。
該内燃機関制御手段3は,エンジン5のアイドリング回
転数,エンジン冷間時における点火時期を制御する。
【0025】次に,上記排ガス浄化装置の詳細について
説明する。図2に示すごとく,第1触媒コンバータ10
は,第1触媒担体11と,第1触媒担体11を収容する
外筒19と,第1触媒担体11と外筒19との間の空隙
に配設された保持材18とよりなる。
【0026】図2に示すごとく,第1触媒担体11は,
低熱膨張係数のコージェライト系セラミック(2MgO
・2Al2 O3・5SiO2 )よりなる薄肉体により構
成されている。第1触媒担体11は,直径76mm,長
さ110mmの円柱形状であり,その内部にはハニカム
状の多数の通気セルが形成されている。また,通気セル
の壁厚は0.08〜0.13mmである。通気セルの壁
面には,排ガス中の有害成分を浄化するための第1触媒
111,112が担持されている。
【0027】第1触媒111は,第1触媒担体11の排
気経路の上流側領域に担持されている。他方の第2触媒
112は,第1触媒担体11の排気経路の下流側領域に
担持されている。上流側領域及び下流側領域の幅A,B
は,25mm,85mmである。第1触媒111,11
2は,いずれも白金(Pt)及びロジウム(Rh)の混
合物である。一方の第1触媒111は,約4.4g/リ
ットルのPtと,約0.88g/リットルのRhとから
なる。他方の第2触媒112は,約1.5g/リットル
のPtと,約0.3g/リットルのRhとからなる。
【0028】第1触媒111,112の担持に当たって
は,まず,第1触媒担体11をγ−Al2 3 を含有し
たスラリー中に浸漬し,焼成する。次いで,Pt,Rh
を所定量溶解した2種類の触媒水溶液中に,第1触媒担
体11における上記上流側領域及び上記下流側領域を別
々に浸漬し,再度焼成する。これにより,第1触媒担体
の上流側領域及び下流側領域に上記の所定量の第1触媒
が担持される。
【0029】外筒19は,フェライト系耐熱ステンレス
鋼(SUS430)よりなり,内径85mm,幅125
mm,板厚1.5mmである。
【0030】保持材18は,加熱膨張物質を含まず,排
気浄化時における第1触媒担体11の外周部110の外
周温度において相変態しない材料である。かかる材料と
しては,72重量%のAl2 3 と,28重量%のSi
2 とからなるアルミナ繊維を用いる。1本のアルミナ
繊維の直径は,2〜4μmである。また,保持材18
は,第1触媒担体に組み付ける前にあっては,厚み15
mm,かさ密度0.08g/cm3 であり,組み付けた
後にあっては,厚み4.5mm,かさ密度0.27g/
cm3 である。
【0031】外筒19には,その上流側及び下流側の端
部に,上流側フランジ195及び下流側フランジ196
を有している。上流側フランジ195,下流側フランジ
196は,フェライト系耐熱ステンレス鋼(SUS43
0)からなり,内径73mm,外径98mm,板厚6m
mである。
【0032】また,第2触媒コンバータ20は,図1に
示すごとく,排気経路における第1触媒コンバータ10
の下流側に配置されている。第2触媒コンバータ20
は,スターキャタリスト用の外筒29内に,ワイヤネッ
ト又はセラミックファイバーマットを介して,第2触媒
担体21を保持固定している。外筒29の下流側フラン
ジ296は,排気管27に設けた取付フランジ271に
対して連結固定されている。
【0033】図1に示すごとく,排ガス浄化装置1は,
エキゾストマニホルド6と,排気管27との間に連結固
定されている。エキゾストマニホルド6の取付フランジ
61と第1触媒コンバータ10の上流側フランジ195
との間,第1触媒コンバータ10の下流側フランジ19
6と第2触媒コンバータ20の上流側フランジ295と
の間,及び第2触媒コンバータ20の下流側フランジ2
96と排出管27の取付フランジ271との間は,図示
されていないガスケットを介してボルトにより連結固定
されている。
【0034】第1触媒コンバータ10は,エンジン冷間
時に第1触媒コンバータに流入するアイドリング時の排
ガス温度が第1触媒111,112の活性化温度よりも
50℃高くなる位置,即ち,エキゾストマニホルド6か
ら略800mm以内の位置に配置されている。
【0035】エンジン5の排気量は2200ccであ
る。エキゾストマニホルド6は,エンジン5より導出さ
れる4本のマニホルド60と連結している。
【0036】次に,本例の作用及び効果について説明す
る。エンジン5を始動させてアイドリング状態とした場
合,エンジン冷間時においては,エンジン5の始動より
約10〜15秒後に,第1触媒コンバータ10は,エン
ジン5より排出される排ガスから熱を受けて,400〜
500℃に急速に昇温される。その理由は,以下のよう
に考えられる。
【0037】まず,従来の排ガス浄化装置に比べて,上
記Q1/V1の値がQ2/VVの値に比べて7.9倍と
大きいこと,換言すれば,エンジン冷間時に,集中的に
単位体積当たりの第1触媒担体11に与える熱量を増大
させているためである。また,第1触媒コンバータ10
は,薄壁のモノリスより構成されているため,比較的熱
容量が小さいためである。
【0038】更に,第1触媒コンバータ10は,エキゾ
ストマニホルド6に隣接する位置に配置されているた
め,特に,従来のようにエキゾストマニホルド6から遠
く離れた車両床下に配置されていた排ガス浄化装置に比
べて,排ガスの持つエネルギーを多く受け取ることがで
きるためである。以上の理由により,エンジン始動より
約10〜15秒後で第1触媒担体11に担持される第1
触媒111,112が活性化され,排ガスの浄化が効率
的に行われると考えられる。
【0039】(実験例)次に,75FTPモード(アメ
リカ連邦テスト法に準拠,0〜60秒)を走行したとき
の,排ガス浄化装置のTHC浄化率及びTHC排出量を
測定した。THC(トータルHC)浄化率は,75FT
Pモードの瞬間にエンジンより排出されたHC量に対す
る,第1及び第2触媒コンバータにより浄化されたHC
の比率である。THC排出量は,排ガス浄化装置から排
出されたHCを0秒から積算した値である。
【0040】測定に際して,表1,表2に示すごとく,
第1触媒担体の容量V1,第1,第2触媒担体の総容量
VV,及び第1,第2触媒の総担持量を変えて,排ガス
浄化装置を製造し,これらを試料1〜6(本発明),試
料C1〜C3(比較例)とした。得られた排ガス浄化装
置をエンジンの排気経路に取り付けた。そして,エンジ
ン冷間時の第2触媒コンバータへの排ガス流量Q1,エ
ンジン暖機時の第1触媒コンバータへの排ガス流量Q
2,エンジン冷間時の点火時期及びエンジン回転数を変
えて,THC浄化率及びTHC排出量を測定した。
【0041】これらの測定結果を,表1,表2,図3,
図4に示した。表1には,試料1〜6,C1〜C3につ
いての,Q1,Q2,V1,VV,Q1/V1,Q2/
VV,(Q1/V1)/(Q2/VV)の値を示した。
表4には,排ガス浄化装置の総Pt担持量,エンジン冷
間時の点火時期及びエンジン回転数,THC浄化率,及
びTHC排出量を示した。図3には,Q2/VVに対す
るQ1/V1の比と,THC浄化率及びTHC排出量と
の関係を示した。図4には,試料3,C3の排ガス浄化
装置についての,エンジン始動開始後60秒までの間の
THC浄化率及びTHC排出量の変化を例示した。
【0042】上記の測定結果より,図3より知られるよ
うに,Q2/VVに対するQ1/V1の比が4.3倍以
上の場合(試料1〜6)には,Q2/VVに対するQ1
/V1の比が3.5倍以下の場合(試料C1〜C3)よ
りも,THC浄化率が15%以上向上し,THC排出量
が20〜30%低減することがわかる。
【0043】また,図4より,エンジン始動後約10〜
15秒経過後に,試料3(本発明)のTHC浄化率が著
しく高くなるが,試料C3(比較例)の場合には殆ど浄
化性能を示さなかった。このことから,第1触媒担体に
担持された第1触媒が,エンジン始動後早期に活性化さ
れ,排ガスの浄化が効率的に行われていることがわか
る。これは,図2,図4に示すごとく,エンジン冷間時
に最初に昇温する第1触媒担体の排気経路の上流側に
は,Pt濃度が高い第1触媒111が担持されているた
め,より集中的にかつ効果的に触媒反応が行われるため
であると考えられる。
【0044】しかも,第1触媒を活性化した後には,そ
の反応熱で後続の第2触媒担体21をも早期に昇温活性
させ,十分な浄化能力を発揮することができる。その理
由は,本例の排ガス浄化装置は,単に第1触媒担体11
の容量V1を小さくしただけではなく,第2触媒担体2
1の容量V2を大きくしている。そのため,触媒担体の
総容量VVの低下し過ぎを回避して,エンジン暖機後の
浄化能力を高く維持することができるからであると考え
られる。以上により,本例の排ガス浄化装置は,エンジ
ン始動直後から高い排ガス浄化性能を発揮することがわ
かる。
【0045】また,図3より知られるように,Q2/V
Vに対するQ1/V1の比が4.3倍以上の場合(試料
1〜6)には,THC浄化率が高く,THC排出量が低
いのは,図4に示すごとく,エンジン冷間時に,集中的
に第1触媒担体の単位体積当たりに与える排ガスの熱量
を増大させることにより,本発明(試料3)の第1触媒
はエンジン始動後約10〜15秒で活性するためである
と考えられる。しかし,比較例(試料C3)の第1触媒
は,エンジン始動後約30秒近くまで活性しない。
【0046】従って,本発明のTHC排出量は,第1触
媒が活性するエンジン始動後約15秒近くまでは従来よ
りも多くなるが,エンジン始動後約15秒以降は大幅に
減少し最終的には20〜30%の低減効果が得られる。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表1,表2及び図3,図4より,第1触媒
担体活性前の不必要なHC及びCOの排出の抑制しつ
つ,第1触媒担体を早期に昇温活性させるには,エンジ
ン冷間時のアイドリング回転数が1200rpm以上1
600rpm以下が好ましいことがわかる。
【0050】更に,エンジン冷間時に早期に昇温し,し
かも触媒が活性化した後に十分な浄化能力を発揮するた
めには,第1触媒担体の容量は100cc以上800c
c以下が好ましいことがわかる。よって,Q2/VVに
対するQ1/V1の比は,4.3以上30.0以下であ
ることが好ましいことが分かる。
【0051】また,エンジン冷間時の点火時期は,AT
DC2°以上ATDC5°以下であることが好ましい。
これにより,第1触媒コンバータに流入する排ガス温度
の上昇とエンジンの安定性との両立を図ることができ
る。また,内燃機関のシステム構成を大幅に変更するこ
となく,容易に第1触媒コンバータに流入する排ガスの
温度を上昇させることができる。以上より,本例の排ガ
ス浄化装置は,エンジン始動時における第1触媒コンバ
ータの早期活性と高浄化性とを併有し,かつエンジン暖
機後の浄化性能も優れ,構造が簡易である。
【0052】なお,本実施形態例においては,排ガス浄
化装置は,第1触媒コンバータと第2触媒コンバータと
の2つとしたが,第2触媒コンバータ20よりも更に下
流側において,他の第2触媒コンバータを設けてもよ
い。また,本実施形態例においては,第1触媒担体に担
持する第1触媒はPtとRhとしたが,第1触媒をPd
等の貴金属を用いてもよい。また,第1触媒担体の排気
経路の上流側に担持されるPdの濃度は6.0g/リッ
トル以上としてもよい。
【0053】また,本実施形態例においては,第1触媒
担体としてセラミックを用いている。そのため,第1触
媒担体の熱伝導率を低くすることができる。その結果,
第1触媒担体の排気経路の上流側を集中的に昇温させる
ことができる。
【0054】セラミック製触媒担体の排ガス通路を構成
する隔壁の厚みは,0.12mm以下であることが好ま
しい。これにより,熱伝導率と熱容量とを低くして,セ
ラミック製触媒担体の排気経路の上流側を,更に集中的
に昇温させることができる。
【0055】第1触媒担体に担持される第1触媒は,白
金,ロジウム,及びパラジウムのグループから選ばれる
1種又は2種以上であることが好ましい。これにより,
第1触媒コンバータの熱劣化を抑制できる。
【0056】第1触媒が白金である場合には,第1触媒
担体における上流側領域に担持される白金の担持濃度は
3g/リットル以上であることが好ましい。また,第1
触媒がパラジウムである場合には,上記上流側領域に担
持されるパラジウムの担持濃度は6g/リットル以上で
あることが好ましい。これにより,エンジン冷間時に最
初に活性化温度に達する上流側領域において,その触媒
反応を触媒反応熱により加速的に拡げ,優れた浄化能力
を発揮させることができる。
【0057】また,本実施例においては,上記排ガス浄
化装置に設ける第1触媒担体はセラミック製触媒担体と
したが,メタル製触媒担体としても良い。これにより第
1触媒担体のメッシュ化又は薄肉化を実現できる。具体
的には,メタル製触媒担体の排ガス通路を構成するメタ
ル管の厚みは,0.07mm以下であることが好まし
い。これにより,第1触媒担体の熱容量を低くすること
ができる。そのため,第1触媒担体の排気経路の上流側
を早期に昇温させて,第1触媒の早期昇温活性化を図る
ことができる。
【0058】実施形態例2 本例においては,図5に示すごとく,第1触媒コンバー
タ100が,3つの第1触媒担体12,13,14から
なるタンデム構造を有している。第1触媒担体12,1
3,14に担持されている第1触媒は,いずれもPtと
Rhとの混合物からなる。その他は,実施形態例1と同
様である。本例においても,実施形態例1と同様に,エ
ンジン始動後早期に高い触媒活性を得ることができた。
【0059】実施形態例3 本例の排ガス浄化装置は,図6に示すごとく,Y字状に
分岐した内燃機関の排気経路に設けられている。即ち,
排ガス浄化装置は,Y字状の排気経路の分岐部に設けた
第1浄化部101と第2浄化部102,及び合流部に第
3浄化部103とからなる。
【0060】エンジン51としては,V8エンジンを用
いる。エンジン51からは,2方向にマニホルド26及
びエキゾストマニホルド261が導出されている。2本
のエキゾストマニホルド261は,それぞれ第1,第2
浄化部101,102を介して,2つに分岐した排気管
270の上流側と連結している。エキゾストマニホルド
261,第1,第2浄化部101,102及び排気管2
70の連結構造は,実施形態例1と同様である。また,
排気管270の下流側は1つの合流して,その合流点2
72の下流側に,第3浄化部103を設けている。
【0061】エンジン冷間時に第1,第2浄化部10
1,102に,それぞれ流入する排ガスの流量Q1a,
Q1bは共に約39600リットル/時間,エンジン暖
機後に第1,第2浄化部101,102に流入する排ガ
スの流量Q2a,Q2bは共に約18600リットル/
時間である。
【0062】また,第1,第2浄化部101,102に
は,それぞれ第1触媒コンバータ10,及び第2触媒コ
ンバータ20が設けられている。第1,第2触媒コンバ
ータ10,20には,第1,第2触媒を担持した第1,
第2触媒担体11,21が設けられている。第1,第2
浄化部101,102の双方に設けた,第1触媒担体1
1の容量V1はいずれも200ccであり,第2触媒担
体21の容量V2はいずれも800ccである。また,
第3浄化部103には,容量V3が1000ccの第2
触媒担体が設けられている。この第3浄化部103は,
第2触媒コンバータ20と同様に第2触媒担体及び第2
触媒を設けている。
【0063】排気経路に介設されたすべての触媒担体,
即ち第1,第2触媒担体の総容量をVVとしたとき,V
V=200×2+800×2+1000=3000cc
となる。また,Q1/V1は第1触媒担体に与える熱量
の指標であるから,Q1=Q1a=Q1b=39600
リットル/時間と定義し,このときQ1/V1=198
000となる。一方,Q2/VVは全触媒担体に与える
熱量の指標であるから,Q2=Q2a+Q2b=372
00リットル/時間と定義し,このときQ2/VV=1
2400となる。従って,Q1/V1の値は,Q2/V
Vの値の16.0倍となる。
【0064】本例の排ガス浄化装置においても,実施形
態例1と同様にエンジン始動時における触媒コンバータ
の早期活性と高浄化性とを併有し,かつエンジン暖機後
の浄化性能も優れ,構造が簡易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,排ガス浄化装置の配置
場所を示す説明図。
【図2】実施形態例1の排ガス浄化装置の断面説明図。
【図3】実験例2における,(Q1/V1)/(Q2/
VV)と,THC浄化率及びTHC排出量との関係を示
す説明図。
【図4】実験例1における,第1触媒コンバータの浄化
性能を示す線図。
【図5】実施形態例2の排ガス浄化装置の断面説明図。
【図6】実施形態例3における,排ガス浄化装置の説明
図。
【符号の説明】
1...排ガス浄化装置, 10...第1触媒コンバータ, 11,12,13,14...第1触媒担体, 18...保持材, 19...外筒, 101...第1浄化部, 102...第2浄化部, 103...第3浄化部, 20...第2触媒コンバータ, 21...第2触媒担体, 26...エキゾストマニホルド, 27,270...排気管, 3...内燃機関制御手段, 5,51...エンジン,

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気経路に介設された排ガス
    浄化装置において,上記排ガス浄化装置は,上記排気経
    路の最上流側に配置された第1触媒コンバータと,上記
    第1触媒コンバータよりも下流側の排気経路に配置され
    た,上記第1触媒コンバータ以上の容量を持つ少なくと
    も1つの第2触媒コンバータとを有しており,上記第
    1,第2触媒コンバータには,排ガスを浄化するための
    第1,第2触媒を担持した第1,第2触媒担体が設けら
    れ,上記第1触媒コンバータは,エンジン冷間時に上記
    第1触媒コンバータに流入するアイドリング時の排ガス
    温度が,上記第1触媒の活性化温度よりも高くなる位置
    に取り付けられ,かつ,上記エンジン冷間時における上
    記排ガス浄化装置へのアイドリング時の排ガス流量をQ
    1,エンジン暖機後における上記排ガス浄化装置へのア
    イドリング時の排ガス流量をQ2とし,上記第1触媒担
    体の容量をV1,上記排ガス浄化装置に設けた全ての触
    媒担体の総容量をVVとしたとき,Q1/V1の値がQ
    2/VVの値の4倍以上であることを特徴とする内燃機
    関の排ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記第1触媒担体
    は,排ガス通路を構成する隔壁の厚さが0.13mm以
    下のセラミック製触媒担体であることを特徴とする内燃
    機関の排ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記第1触媒
    は,第1触媒担体における排気経路の上流側に,上記第
    1触媒担体における排気経路の下流側よりも高い濃度で
    担持されていることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化
    装置。
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