JPH10156869A - 繊維強化樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂複合体の製造方法

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JPH10156869A
JPH10156869A JP31938496A JP31938496A JPH10156869A JP H10156869 A JPH10156869 A JP H10156869A JP 31938496 A JP31938496 A JP 31938496A JP 31938496 A JP31938496 A JP 31938496A JP H10156869 A JPH10156869 A JP H10156869A
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JP
Japan
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mat
mold
fiber
resin
reinforcing fiber
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Pending
Application number
JP31938496A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Hirata
昌徳 平田
Yoshitaka Nakatani
好孝 中谷
Hajime Naito
一 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時にマット状強化繊維のズレが生じるこ
となく、全体的に均一な繊維強化樹脂複合体の得られる
製造方法を提供する。 【解決手段】 成形用金型内に、1または複数のマット
状強化繊維を配し、該金型を完全にまたは部分的に閉じ
て原料樹脂を金型内に注入しマット状強化繊維に含浸
し、硬化させる繊維強化樹脂複合体の製造方法であっ
て、製品の周縁部を形成せしめる、成形用金型20の雌
型22の部位25に型締め方向に移動可能な突き出しピ
ン23を設け、該突き出しピン23を上記マット状強化
繊維10に貫通させて該マット状強化繊維10を所定位
置に固定した状態で上記金型20を完全にまたは部分的
に閉じ、該金型に原料樹脂を注入後、該突き出しピン2
3を雌型22に収納することを特徴とする繊維強化樹脂
複合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂複合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量、高剛性、高強度の性能が要求され
る部材として、近時、繊維強化樹脂成形体が注目されて
いる。繊維強化樹脂成形体は種々の成形方法により得る
ことができるが、その方法としてS−RIM(Structur
al Reaction Injection Molding )及びRI(Resin In
jection method) がある。S−RIMとは、マット状強
化繊維を金型内に収めた状態で2種類以上の低分子かつ
低粘度の反応性原料樹脂を圧力下にミキシングヘッド中
で混合すると同時に密閉された金型内に注入し、金型内
で重合反応を完結させて繊維強化樹脂複合体を得る製造
方法である。RIとは、マット状強化繊維を金型内に収
めた状態で、注入機によって密閉された金型の注入口よ
り硬化剤を含んだ熱硬化性樹脂組成物を注入し、マット
状強化繊維に含浸し、硬化させる繊維強化樹脂複合体の
製造方法である。
【0003】しかし、上記従来の製造方法では、金型の
キャビテイー内に配したマット状強化繊維が、金型の動
きにより、または原料樹脂を注入する際の樹脂の流入力
により、所定の位置からズレが生じるという問題があっ
た。強化繊維の位置ズレが生じると、得られた繊維強化
樹脂複合体の一部に樹脂未含浸部や樹脂単独部が生じた
り、複合体からはみ出したバリを生じ後加工での除去作
業が必要になる等の問題があった。
【0004】そこで、特開平4−265712号公報で
は、金型のキャビテイー内に収めた繊維強化材の外周縁
の一部に位置決め用の張り出し部を設けて、その張り出
し部をキャビテイー内壁部に圧接させる方法が提案され
ている。しかし、上記方法では、張り出し部を設けるた
めの繊維強化材の切断が必要で、繊維強化材の切断作業
工数を要し、しかも繊維強化材の原料効率が悪くなる。
また張り出し部がキャビテイー内壁部に圧接されるた
め、その部分が圧縮されがちとなり、樹脂の含浸が不良
になったり、変形しやすくなるという問題がある。ま
た、この方法では、平板のような平面体にはいくらかズ
レ防止の効果があるが、箱型体のような側面部を有する
形状ではズレ防止の効果は発現しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みてなされたものであり、その目的は、成形時にマッ
ト状強化繊維のズレが生じることなく、全体的に均一な
繊維強化樹脂複合体が得られる製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による繊維強化樹
脂複合体の製造方法は、成形用金型内に、1または複数
のマット状強化繊維を配し、該金型を完全にまたは部分
的に閉じて原料樹脂を該金型内に注入しマット状強化繊
維に含浸し、硬化させる繊維強化樹脂複合体の製造方法
であって、製品の周縁部を形成せしめる、成形用金型の
雌型の部位に型締め方向に移動可能な突き出しピンを設
け、該突き出しピンを上記マット状強化繊維に貫通させ
て該マット状強化繊維を所定位置に固定した状態で上記
金型を完全にまたは部分的に閉じ、該金型に原料樹脂を
注入後、該突き出しピンを雌型に収納することを特徴と
する。
【0007】なお、上記金型閉合と突き出しピンの収納
の関係については、最初に金型を部分的に閉じた状態で
原料樹脂を注入した場合は、その後完全に金型を閉じて
から突き出しピンを雌型に収納する。
【0008】本発明で用いられるマット状強化繊維とし
ては、例えば、チョップドストランドマット、コンティ
ニアスマット等、マット状体にされたガラス繊維、炭素
繊維、アラミド繊維等が挙げられ、さらに、これらの繊
維材からなるクロスも包含される。
【0009】上記マット状強化繊維は、単独で用いても
よいし、マット状体又は網状体を積層して用いることも
できる。マット状体および網状体としては、マット状強
化繊維よりも樹脂流通性の高いものが用いられる。通
常、マット状体は、それ自体が樹脂流通空間を有し、網
状体では、網状体とマット状強化繊維とにより樹脂流通
空間が形成される。この樹脂流通空間はマット状強化繊
維に比べて流動抵抗が少ない状態で注入された樹脂が通
過しうる。
【0010】マット状体としては、例えば、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ナイロン等の合成繊維がランダム
または規則的に絡み合った比較的目の粗いものが挙げら
れる。網状体としては、例えば、金網があげられる。
【0011】本発明で用いられるマット状強化繊維にマ
ット状体を積層したマット状強化繊維積層物の一例とし
ては、図1に示すような積層物10が挙げられる。積層
物10は、例えば、ポリプロピレン製のマット状体11
を2枚のガラスマット12でサンドイッチ状に積層して
なる積層物である。
【0012】本発明で用いられる原料樹脂としては、通
常のS−RIM及びRIに用いられる反応性原料樹脂ま
たは熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。反応性原料樹脂
としては、例えば、イソシアネートとポリオールを混合
するウレタン樹脂、ビスフェノールA型樹脂と酸無水物
系硬化剤を混合するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン樹脂等が挙げられる。このうちでも、ウレタン樹脂お
よびジシクロペンタジエン樹脂が好適に用いられる。ま
た、熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、硬化剤を含
む不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0013】本発明で用いられる突き出しピンにつき、
図2〜図4にて説明する。図3、4は図2の丸で囲んだ
箇所の突き出しピンの動作を示す説明図である。成形用
金型20は本発明で用いられる金型の一例であり、箱型
の繊維強化樹脂複合体を得るためのものである。該金型
20は雄型21と雌型22とからなり、雄型21は上下
動する可動型であり、雌型22は固定型である。周縁部
位25は箱の周縁部(ツバ部)を成形するための雌型の
部位である。この部位25には複数の突き出しピン23
が設けられている。突き出しピン23はエアー配管24
に接続されており、エアーの力でピンが上下するように
なっている。
【0014】成形前に、雌型22の内側に沿ってマット
状強化繊維積層物10を配し、図2のように雌型22の
周縁部位25において、該積層物10に突き出しピン2
3を貫通させる。次いで雄型21を下降させて雌型22
に近づけ雄型21と雌型22とを部分的に閉じるか、ま
たは雄型21と雌型22を合わせて完全に閉じる。
【0015】上記、部分的に閉じる、とは、雄型21と
雌型22によってマット状強化繊維積層物10が圧接さ
れた状態をいう。そして、部分的または完全に閉じた成
形金型内に原料樹脂を注入する。突き出しピン23の先
端を、原料樹脂の注入後に図3のように雄型21の下面
に接するよう下げ、次いで突き出しピン23を該積層物
10から抜いて、図4のように雌型22の中に収納す
る。
【0016】製造する成形体の形状、用いるマット状強
化繊維の種類、用いる原料樹脂の種類、成形金型の閉じ
方等によって、突き出しピン23は図3の位置に止める
ことなく図4のように雌型22の中に収納することもで
きる。
【0017】(作用)上述の通り、型締め時には、マッ
ト状強化繊維は突き出しピン23により固定されてお
り、雄型の下降の動きによるマット状強化繊維のズレは
生じない。また、樹脂注入時には、突き出しピン23に
より固定されているか、または、雄型と雌型に圧接され
ており、樹脂の流入力でのズレも生じない。従って、本
発明の製造方法で得た繊維強化複合体は全体に平均的に
強化繊維が存在したものとなり、樹脂単独部分を生じな
い。また、複合体からはみ出したバリを生じることがな
く、後加工でのバリ除去作業の必要がない。
【0018】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下本発明の実施例を比較例とともに示す。 実施例1 図5に本実施例で得た箱型の繊維強化樹脂複合体30を
示す。寸法は、縦100cm、横200cm、深さ75
cm、箱上面の周縁部(ツバ)の幅5cmであり、厚さ
は底部、側面部、周縁部いずれも6mmである。マット
状強化繊維としてはガラスマットを用い、これにポリプ
ロピレン製マットを積層して積層物10(図1参照)と
し、これに樹脂を含浸させた。すなわち、ポリプロピレ
ン製マット状体11としてはポリプロピレン製コンティ
ニアスマット(繊径0.6mm、250g/m2 、厚さ
10mm、ただし厚み方向に圧縮可能)を用い、2枚の
ガラスコンティニアスマット(旭ファーバーグラス社製
M8609、600g/m2 )12でサンドイッチ状に
積層してなる積層物10である。
【0019】図2に示すように、用いた金型20は雄型
21と雌型22とからなり、図示してない成形用プレス
機にとりつけ、雄型21は上下動する可動型とし、雌型
22は固定型とした。雄型21と雌型22ともに温水に
て70℃に加熱して用いた。
【0020】上記積層物10を雌型22の内側に沿って
配し、箱の周縁部(ツバ部)を成形するための雌型の周
縁部位25にて突き出しピン23を積層物10に貫通さ
せて固定した。次に雄型21を雌型22との合わせ面よ
り10cmのところまで下降させ、ゲート26から樹脂
を注入した。
【0021】用いた樹脂は、ポリオール(住友バイエル
ウレタン社製 SBUポリオールH623)100重量
部及びイソシアネート(住友バイエルウレタン社製 S
BUイソシアネート0389)186重量部であり、ポ
リオールは第1スプルー27から、イソシアネートは第
2スプルー28から共にミキシングヘッド29に導入
し、ここで混合した。
【0022】樹脂の注入完了後、雄型21をさらに雌型
22との合わせ面まで下降させた。このとき、突き出し
ピン23も図3に示す位置に下降した。型締め終了後、
突き出しピン23を図4に示すように雌型22の内部に
収納させた。
【0023】かくして得られた箱型の繊維強化樹脂複合
体は、隅々まで均一に強化繊維が存在しており、またバ
リは全く発生しなかった。
【0024】比較例1 突き出しピンを有しない雌型22を用いた以外は実施例
1と同様にして、実施例1と同一形状、寸法の箱型の繊
維強化樹脂複合体を製造した。得られた複合体は、その
端部の一部(特に、周縁部)に強化繊維が含まれていな
い箇所が存在する不良品であった。
【0025】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂複合体の製造方法
によれば、金型の動く力や原料樹脂注入時の樹脂流入力
が加わっても、マット状強化繊維の位置ズレが生じない
ので、原料樹脂未含浸部や樹脂単独部が生ずることがな
く、均一な繊維強化樹脂複合体を得ることができ、特
に、深い側面部を有する箱型の繊維強化樹脂複合体の製
造方法として実用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】マット状強化繊維積層物の一例を示す模式的斜
視図である。
【図2】本発明の実施に用いられる製造装置の模式的断
面図である。
【図3】図2に示した突き出しピンの動作を示す説明図
である。
【図4】図2に示した突き出しピンの動作を示す説明図
である。
【図5】本発明で得られる繊維強化樹脂複合体の1実施
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 マット状強化繊維積層物 11 マット状体 12 マット状強化繊維(ガラスマット) 20 成形用金型 21 雄型 22 雌型 23 突き出しピン 24 エアー配管 25 周縁部位 26 ゲート 27 第1スプルー 28 第2スプルー 29 ミキシングヘッド 30 繊維強化樹脂複合体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形用金型内に、1または複数のマット
    状強化繊維を配し、該金型を完全にまたは部分的に閉じ
    て原料樹脂を該金型内に注入しマット状強化繊維に含浸
    し、硬化させる繊維強化樹脂複合体の製造方法であっ
    て、製品の周縁部を形成せしめる、成形用金型の雌型の
    部位に型締め方向に移動可能な突き出しピンを設け、該
    突き出しピンを上記マット状強化繊維に貫通させて該マ
    ット状強化繊維を所定位置に固定した状態で上記金型を
    完全にまたは部分的に閉じ、該金型に原料樹脂を注入
    後、該突き出しピンを雌型に収納することを特徴とする
    繊維強化樹脂複合体の製造方法。
JP31938496A 1996-11-29 1996-11-29 繊維強化樹脂複合体の製造方法 Pending JPH10156869A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018199254A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 日産自動車株式会社 複合材料の成形方法および成形装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018199254A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 日産自動車株式会社 複合材料の成形方法および成形装置

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