JPH10156814A - アパタイトを用いた分離分析シ−ト - Google Patents

アパタイトを用いた分離分析シ−ト

Info

Publication number
JPH10156814A
JPH10156814A JP33453996A JP33453996A JPH10156814A JP H10156814 A JPH10156814 A JP H10156814A JP 33453996 A JP33453996 A JP 33453996A JP 33453996 A JP33453996 A JP 33453996A JP H10156814 A JPH10156814 A JP H10156814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
apatite
analysis
separation
adenosine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33453996A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironobu Kawakatsu
博伸 川勝
Seiji Ide
誠二 井手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUKUOKA PREF GOV
Fukuoka Prefecture
Original Assignee
FUKUOKA PREF GOV
Fukuoka Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FUKUOKA PREF GOV, Fukuoka Prefecture filed Critical FUKUOKA PREF GOV
Priority to JP33453996A priority Critical patent/JPH10156814A/ja
Publication of JPH10156814A publication Critical patent/JPH10156814A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アパタイト繊維を製造することが困難で、シ
ート化するには十分な強度を発揮しないアパタイトをシ
ート化し易くする。 【解決手段】 パルプの上でアパタイトを合成し、パル
プの表面をアパタイトで被覆したアパタイト−パルプ複
合体を製造し、それを原料としてアパタイトシートを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体成分あるいは
生体有用物資の分離分析に関し、特に、核酸などの成分
の分離分析を精度良く行うことができる分離分析シート
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バイオ技術が急速に発展してきた背景の
ひとつに、生体成分の分離分析技術の進歩があることは
見逃せない。生体成分の分離分析技術は高速液体クロマ
トグラフィ、電気泳動法など多種類あるが、低分子の成
分を簡易に早く分析する手段としてのペーパークロマト
グラフ(PPC)、薄層クロマトグラフ(TLC)は今
だに重要な方法となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アパタイトを
これらPPCなどの素材として使うことは行われてこな
かった。アパタイトが生体成分を分離することは、クロ
マトグラフの充填材として詳細に研究されることにより
明らかにされてきた。そして、アパタイトが他の充填材
と異なり、試料の生理活性を損なうことなく分離する特
性をもっているため、充填材としてよく利用されてい
る。あるいは、1本鎖と2本鎖のDNAを分離するた
め、遺伝子のハイブリダイゼーションの際の分離カラム
の充填材としても使われている。しかし乍ら、このよう
なアパタイトの性能をPPCのろ紙のようにシート状物
として利用することは行われなかった。
【0004】その理由は、アパタイト繊維を製造するこ
とが困難で、行えたとしてもコストがかかりすぎること
と、また製造された繊維がセラミック繊維であるため脆
く、シート化するには十分な強度を発揮しないなどの問
題があるためである。
【0005】本発明は、上記欠点を解消し、シート状に
なり易いアパタイトシートを提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、パルプの上でアパタイトを合成し、パ
ルプの表面をアパタイトで被覆したアパタイト−パルプ
複合体を製造し、それを原料繊維としてアパタイトシー
トを作るものである。アパタイトシートに関しては、シ
ート及びその製造方法を特許出願中(特開平7−888
19)である。
【0007】具体的にその方法を記述すると次のように
なる。アパタイトシートを一定の大きさ、例えば12×
12cm2 あるいは12×6cm2 に切断し、分析用シート
とする。シートは分析に供する前に、洗浄のため蒸留水
で空展開を行っておく。洗浄したシートの下辺から2cm
程度のところに生体成分を必要量スポットする。スポッ
ト量は試料の濃度により異なるため、スポットする量を
決定するために予備試験を行ったほうがよい。また、ス
ポットするときは、試料が広がりすぎないように注意す
る。例えば、核酸であれば、5〜10nmolをスポッ
トしたほうがよい。スポットした試料は風乾し、展開溶
媒のはいった展開槽に入れ、槽内の雰囲気に十分なじん
だ後に、展開溶媒に浸ける。展開溶媒は、リン酸緩衝液
(pH6.8)、リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.
8)などを用い、緩衝液の濃度によって試料の分離が違
ってくるので必要な濃度を決定しておく必要がある。一
定時間展開した後、展開槽から取り出し、風乾する。風
乾したシートは、紫外線ランプを照射したり、発色試薬
を使って試料を発色させた後、デンシトメーターなどを
使ってその移動度、量を測定する。
【0008】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
づき説明する。 実施例1:核酸(アデノシン類)の分離分析 核酸(アデノシン、アデノシン1リン酸、サイクリック
アデノシン1リン酸、アデノシン2リン酸、3’・5’
アデノシン2リン酸、アデノシン3リン酸、アデノシン
4リン酸)を分離分析シートで分析した。シートは作成
条件の異なる2種類のシート(種類:N30−8−4、
L30−8−4)を用いた。それぞれの核酸試料の20
mMの溶液を作成し、約10nmolスポットし、展開
溶媒は1/15M及び2.5/15Mリン酸緩衝液(p
H6.8)で展開した。風乾後、紫外線ランプを照射し
スポットを写真に撮影し、それぞれの移動度を求めてR
f値を計算し、その結果を表1に示した。
【0009】
【表1】
【0010】表1に於いて、分析に使用した核酸は、ア
デノシン類(アデノシン(A)、アデノシン1リン酸
(pA)、サイクリックアデノシン1リン酸(pO
A)、3’・5’アデノシン2リン酸(pAp)、アデ
ノシン2リン酸(ppA)、アデノシン3リン酸(pp
pA)、アデノシン4リン酸(ppppA)を使った。
【0011】上記表1から、核酸分子内のリン酸イオン
の数に相関して、移動度が異なり分離できていることが
分かる。つまり、リン酸イオンの数が多い核酸ほどシー
トによく吸着され、移動しにくくなっている。アデノシ
ン2リン酸、3’・5’アデノシン2リン酸を比較して
みるとリン酸イオンの数は同じであるが、その移動度は
アデノシン2リン酸が小さく移動しにくいことが分か
る。これは、シートの分離特性がリン酸イオンの数だけ
でなく、その配列にも関連していることを示している。
【0012】実施例2:NAD群の分離分析 核酸関連の補酵素であるCoA(コエンザイムA)、N
AD、NADPを分析した。実施例1と同様の条件で行
い、そのRf値計算の結果を表2に示した。
【0013】
【表2】
【0014】表2では、比較のためにアデノシン1リン
酸、アデノシン2リン酸のRf値も示している。これら
3種類の補酵素はアデノシン2リン酸と比べてRf値が
大きく、アデノシン1リン酸と同等程度に移動しやすく
なっている。これらの補酵素は分子内に2個のリン酸イ
オンがあるにもかかわらず、シートに吸着されにくくな
っている。このことは、これらの分子は分子内に2個の
リン酸イオンが存在しているが、それらはむき出しの状
態ではなく、分子内に隠れた状態になっていることが原
因となっていると推察される。このことからも、このシ
ートの核酸の分離特性がその分子内でのリン酸イオンの
存在様式に大きく依存していることが分かる。
【0015】実施例3:核酸(アデノシン類)の分離分
析の定量的取り扱い 分離分析シートが定量分析に使用できるかを把握するた
めに、アデノシン、アデノシン2リン酸を試料として分
離分析した結果の定量性を検討した。各核酸を分析シー
ト(L30−8−4)に0.125〜20nmolスポ
ットし、展開溶媒1/15Mリン酸緩衝液(pH6.
8)で展開する。展開終了後、風乾し、各スポットの吸
光度をデンシトメーターで測定する。スポット量と吸光
度の比をグラフ化した結果を図1及び図2に示す。
【0016】即ち、図1で示した実験の分析に使用した
核酸は、アデノシン(A)、を使い、分離分析シートの
種類はL30−8−4である。アデノシンを所定の量ス
ポットし、展開溶媒として、1/15Mリン酸緩衝液
(pH6.8)を使って展開した。終了後、デシントメ
ーターで吸光度を測定し、5nmolスポットの吸光度
を1として、各スポット量の吸光度の比を求め、スポッ
ト量と吸光度の比の相関関係をグラフ化したものであ
る。
【0017】また、図2では、分析に使用した核酸は、
アデノシン2リン酸(ppA)を使い、分離分析シート
の種類はL30−8−4である。アデノシン2リン酸を
所定の量スポットし、展開溶媒として、1/15Mリン
酸緩衝液(pH6.8)を使って展開した。終了後、デ
ンシトメーターで吸光度を測定し、5nmolスポット
の吸光度を1として各スポット量の吸光度の比を求め、
スポット量と吸光度の比の相関関係をグラフ化したもの
である。
【0018】アデノシン、アデノシン2リン酸ともスポ
ット量と吸光度の比は、このmol範囲では極めて良い
直線性を示している。それぞれの相関関係を調べたとこ
ろ、重相関係数Rは、0.995、0.996量分析に
も十分使用できることが明らかとなった。
【0019】実施例4:オリゴヌクレオチドの分離分析 オリゴヌクレオチド(d(pA)2 、d(pA)4 、d
(pA)5 、d(pA)6 、d(pA)7 、d(pA)
9 )を分離分析シートで分析した。シートは、L30−
8−4を用いた。それぞれの核酸試料の20mMの溶液
を作成し、約10nmolスポットした。展開溶媒は1
/45M、1/30M、1/15M、2.5/15Mの
濃度の異なる4種類のリン酸緩衝液(pH6.8)を用
いた。風乾後、紫外線ランプを照射しスポットを写真に
撮影し、それぞれの移動度を求めてRf値を計算し、そ
の結果を表3に示した。
【0020】
【表3】
【0021】表3から、リン酸緩衝液の濃度が1/45
Mと低いときはd(pA)2 、d(pA)4 の分子の分
離が可能であり、PB濃度が1/15Mのときはd(p
A)5 〜d(pA)9 の分子の分離が可能であることが
分かる。さらに、PB濃度が2.5/15Mになると移
動度に差が無くなり分離ができなくなる。このように、
この分離分析シートはリン酸緩衝液の濃度を調節すれ
ば、d(pA)2 〜d(pA)9 のオリゴヌクレオチド
の分離にも使用できることが判明した。オリゴヌクレオ
チドの場合、その移動度の違いはリン酸イオンの数より
は、分子量の大きさに依存していると思われる。
【0022】
【発明の効果】以上述べて来た如く、本発明のシート
は、アパタイトが表面にあるため、その生体成分吸着特
性をシートの形で発揮することが可能である。そのた
め、今まで、クロマトグラフ用の充填材として利用され
ていたアパタイトを、分離分析シートとして初めて利用
可能にした。シートは生体成分である核酸(ヌクレオシ
ド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド)を精度良く分
離する。
【0023】また、本発明のアパタイトシートによる分
離分析は、PPCと同じように、簡便に行うことができ
るのが特長である。同一シートに複数のスポットをする
ことが可能であるため、一度に多くの種類の成分の分析
ができる。このことは、高速液体クロマトグラフィなど
と比較しても有利な点である。使用される展開溶媒は、
リン酸緩衝液のように比較的安全な水系の溶媒であり、
そのことは取り扱いに注意を要する有機溶媒系の溶媒を
用いるPPC、TLCと異なっている点である。
【0024】この様に、本発明による分離分析シートを
用いれば、生体成分の分離分析が容易に行うことができ
る。今後バイオ技術はさらに進展することは間違いな
く、そのなかで未知なる成分を分離分析する必要性は増
してくる。例えば、それは生化学、農学、医学の研究分
野であったり、バイオ関連企業における生理活性成分の
生産現場であると予想される。その時、この分離分析ア
パタイトシートは、その取り扱いの簡便さ、分離特性の
ユニークさで今までの分離素材にない性能を発揮するも
のと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本分離分析シートで分析したアデノシンのスポ
ット量と吸光度の比の相関関係を示すグラフである。
【図2】本分離分析シートで分析したアデノシン2リン
酸のスポット量と吸光度の比の相関関係を示すグラフで
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体成分の分離分析を行う際に、アパタ
    イト−パルプ複合体を原料パルプとして製造したアパタ
    イトシートを利用することを特徴とするアパタイトを用
    いた分離分析シート。
JP33453996A 1996-11-29 1996-11-29 アパタイトを用いた分離分析シ−ト Pending JPH10156814A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33453996A JPH10156814A (ja) 1996-11-29 1996-11-29 アパタイトを用いた分離分析シ−ト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33453996A JPH10156814A (ja) 1996-11-29 1996-11-29 アパタイトを用いた分離分析シ−ト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10156814A true JPH10156814A (ja) 1998-06-16

Family

ID=18278549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33453996A Pending JPH10156814A (ja) 1996-11-29 1996-11-29 アパタイトを用いた分離分析シ−ト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10156814A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8454987B2 (en) 2006-03-17 2013-06-04 Kinki University Biocompatible transparent sheet, method for producing the same, and cultured cell sheet used the same sheet
US10040229B2 (en) 2012-10-06 2018-08-07 Wabco Gmbh Method for producing a piston

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8454987B2 (en) 2006-03-17 2013-06-04 Kinki University Biocompatible transparent sheet, method for producing the same, and cultured cell sheet used the same sheet
US10040229B2 (en) 2012-10-06 2018-08-07 Wabco Gmbh Method for producing a piston

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2797680A1 (en) Porous membranes having a polymeric coating and methods for their preparation and use
JP2000502443A (ja) 毛管電気泳動を使用して新規の治療コンパウンド類のための天然物サンプルのスクリーニング
US20130171026A1 (en) Porous membranes having a polymeric coating and methods for their preparation and use
Wungu Preliminary study of molecularly imprinted polymer-based potentiometric sensor for glucose
WO2012113907A2 (en) Paper support and method of recovering biological material therefrom
Qiu et al. Preparation of a molecularly imprinted sensor based on quartz crystal microbalance for specific recognition of sialic acid in human urine
US11142788B2 (en) Isolation of target nucleic acids
Sergeyeva et al. Rationally designed molecularly imprinted polymer membranes as antibody and enzyme mimics in analytical biotechnology
JPH10156814A (ja) アパタイトを用いた分離分析シ−ト
CN105944692B (zh) 一种可识别adp-核糖基化蛋白的分子印迹聚合物微球的制备方法
KR101319104B1 (ko) 수퍼코일드 dna를 고정하기 위한 방법 및 dna 수선을분석하기 위한 이의 용도
EP3449013B1 (en) Testing device and method for producing same, testing method, and testing kit and transfer medium for producing testing device
CN101241124A (zh) 一种生物芯片基片及其制备方法
CN114354909A (zh) 一种dna折纸-适配体纳米阵列传感器及其制备方法和应用
US20130171368A1 (en) Porous membranes having a polymeric coating and methods for their preparation and use
Nandeshwar et al. Low-cost colorimetric alternative of qPCR for DNA sensing based on intercalation with methylene blue
JPS61219400A (ja) 核酸の測定方法
Kong et al. Sensitive fluorescence detection based on dimeric G-quadruplex combined with enzyme-assisted solid-phase microextraction of streptomycin in honey
US20220081538A1 (en) Tailored layers of cellulose dispersions for detecting analytes
WO2012020402A2 (en) Sensor for detection and identification of analytes and a method thereof
Favetta et al. Molecularly imprinted polymers-based separation and sensing of nucleobases, nucleosides, nucleotides and oligonucleotides
DE60209273T2 (de) Chip aus biologischen Materialien
JPH02215399A (ja) 核酸の検出法
Aviñó Andrés et al. Detection of SARS-CoV-2 Virus by Triplex Enhanced Nucleic Acid Detection Assay (TENADA)
Kumpf et al. Biomolecular interaction analysis under electrophoretic flow conditions