JPH10156809A - 割裂材の製造方法および製造装置 - Google Patents

割裂材の製造方法および製造装置

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JPH10156809A
JPH10156809A JP8319391A JP31939196A JPH10156809A JP H10156809 A JPH10156809 A JP H10156809A JP 8319391 A JP8319391 A JP 8319391A JP 31939196 A JP31939196 A JP 31939196A JP H10156809 A JPH10156809 A JP H10156809A
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split
pair
wood
splitting
blades
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JP8319391A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Sasakura
満雄 笹倉
Toshiyuki Suzuki
俊之 鈴木
Kazumasa Ishikura
和正 石倉
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Debarking, Splitting, And Disintegration Of Timber (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 割裂に用いる刃物等の工具の耐久性が良好
で、しかも木繊維を切り残すことなく分離性の良好な割
裂材を安定して高い効率のもとに製造することのできる
方法および装置を提供する。 【解決手段】 相対向する上下一対の回転刃物21,2
1の複数対を互いに平行に所定ピッチで配列した回転刃
物群に被割裂材を通すことにより、被割裂材の表裏両面
に押し切り割れ目を入れ、各回転刃物対間に配置した規
制部材31a,31bにより押し切り割れ目が入れられ
た被割裂材の進行方向を規制して、各押し切り割れ目で
仕切られた各部分が、互いに隣接するものどうし上下に
分かれて進行するように誘導することにより、被割裂材
を多数の割裂材wに分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材をその長手方
向に割裂することによって割裂材を製造する方法と、そ
の方法を利用した割裂材の製造装置に関し、特に木質系
複合材料を製造する際の素材として用いるのに適した割
裂材の製造方法並びに装置に関する。
【0002】
【従来の技術】柱や梁等の木質系構造用材として伝統的
に用いられてきた製材品は、通常、鋸等によって所要の
形状・寸法にカットするために、その製材に際して多く
の鋸屑や背板等が発生して収率が悪く、資源を有効に利
用しているとは言いがたい。また、製材品には節等の欠
陥が存在するため、その強度上の性能のばらつきが大き
いという問題もある。
【0003】このような問題を解決するために、従来、
木材を長手方向、つまり木の繊維方向に沿って割裂し、
その割裂材に未硬化の熱硬化性樹脂を塗布したものを多
数集積して加熱、加圧することによって、比較的大きな
断面積を持つ板状ないしは棒状の木質系複合材料を製造
する方法と、その方法によって得られる木質系複合材料
が提案されている(特開平7−195313号)。
【0004】この提案によれば、原材料となる木材とし
て小径木や製材背板、あるいは枝等を用いることがで
き、しかも鋸屑等を出さないために、製材品に比して収
率を著しく向上させることができるとともに、個々の割
裂材は木の繊維を活かしたもので、かつ、これらが熱硬
化性樹脂によって互いに略平行に接着されているため、
強度も安定して高いものとなる、という利点がある。
【0005】この提案においては、原材料から割裂材を
得るに当たって、まず、原材料を、両刃の回転刃物を相
対向させたものを複数対互いに平行に所定のピッチで配
列した刃物群の間を長手方向に通過させることによって
割裂し、その割裂材を、片刃の回転刃物を相対向させた
ものを複数対互いに平行に、より細かいピッチで配列し
た刃物群の間に長手方向に通過させることにより、更に
細片化する方法が採用されている。
【0006】また、木材をその木目に沿って割裂する他
の方法として、従来、噛み合いながら反対回転する2列
の回転円板群の間に、スラブ状(平板状)の木材を供給
することにより、そのスラブ状の木材を円板列の間に引
き込ませると同時に木目に略沿った多数の長尺木材に分
割する方法が提案されている(特開昭57−84811
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
は、上記した各提案に基づく割裂材の製造方法を詳細に
検討した結果、これらの製造方法には以下に示すような
問題点があることを見いだした。
【0008】すなわち、特開平7−195313号にお
ける割裂材の製造工程においては、相対向する回転刃物
の対を多数対並べているが、個々の回転刃物の加工精度
の微妙な差により、相対向する刃物の先端部を互いに若
干量だけ重ね合わせた場合、刃先間に微小ではあるが空
隙が発生しやすく、特に両刃の回転刃物を用いた場合に
は、その先端形状から繊維の切断性が悪く、そのため割
裂材が分離されずに木繊維によって繋がれたままとなり
やすい。
【0009】また、片刃の回転刃物を用いた場合には、
相対向する刃物の先端部を重ね合わせることにより、鋏
のように剪断による切断作用が加わることから、両刃を
用いる場合に比して切断性は向上するが、その先端形状
ゆえに割裂時の圧力が刃先に対して一方向から作用する
ため、刃先どうしを押しつけ合う状態になり刃先の破損
が生じやすい。特に片刃の刃物では、節等の硬質部分を
割裂した場合、刃先の破損が発生しやすく、刃物の耐久
性は良好であるとは言いがたい。
【0010】一方、特開昭57−84811号の製造方
法では、相対向する回転円板群を相互に噛み合わせて逆
向きに回転させ、その間にスラブ状の木材を引き込むこ
とによって割裂する際、回転円板の噛み合い面における
木材にかかる圧力が強く、その木材は割裂するまでには
到らず、つぶされた状態となることが多いことが確認さ
れた。
【0011】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、割裂に用いる刃物等の工具の耐久性が良好で、
しかも木繊維を切り残すことなく分離性の良好な割裂材
を安定して高いスループットのもとに製造することので
のる方法および装置の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の割裂材の製造方法は、相対向する上下一対
の回転刃物の複数対を互いに平行に所定のピッチで配列
した回転刃物群に被割裂材を通すことにより、被割裂材
の表裏両面に押し切り割れ目を入れるとともに、各回転
刃物対間に配置した規制部材により、押し切り割れ目が
入れられた被割裂材の各部の進行方向を規制して、各押
し切り割れ目で区切られた各部分が、互いに隣接するも
のどうし上下に分かれて進行するように誘導することに
より、被割裂材を分離することによって特徴づけられ
る。
【0013】また、本発明の割裂材の製造装置は、上記
の本発明方法を利用した製造装置であって、上下一対の
回転刃物軸と規制部材支持体を備え、各回転刃物軸に
は、複数の回転刃物を互いに平行に、かつ、上下の回転
刃物どうしが相対向するように所定のピッチで装着す
る。また、規制部材支持台には、互いに所定の空隙を開
けて上下で対向する一対の規制部材の複数対を、それぞ
れの対が各回転刃物対の間に挿入されるように支持す
る。そして、その各上下一対の規制部材の少なくとも一
方の部材の被割裂材の進行方向に対向する面は、被割裂
材を誘導するための斜面により形成するとともに、各上
下一対の規制部材間の空隙を、横方向に隣合うものどう
し上下方向に相違させる、という構成を採用している。
【0014】ここで、本発明の割裂材の製造装置におい
て、横方向に隣あう各上下一対の規制部材の空隙を上下
方向に相違させる具体的な手法は特に限定されず、例え
ば一対おきに上記の空隙を上または下方向にシフトし、
その間の空隙については、回転刃物対を通過した被割裂
材の進行方向をそのまま維持すような高さとするような
手法を採用することができるが、各上下一対の規制部材
間の空隙を、横方向に隣合うものどうし上下等量ずつ逆
向きにシフトすることが望ましい。
【0015】本発明の割裂材の製造方法並びに製造装置
によれば、割裂すべき木材は回転刃物群によって表裏両
面に押し切り割れ目が入れられるとともに、その各回転
刃物対の間に挿入配置された規制部材により、各押し切
り割れ目で区切られた各部分が、互いに隣接するものど
うし上下方向に分かれて進行するように誘導される。つ
まり、被割裂材は各押し切り割れ目を境として互い違い
に上下に異なる方向に強制的に誘導されることにより、
押し切り割れ目の形成位置に剪断力が付与されて、被割
裂材に特に大きな圧力を付与してこれを押しつぶすこと
なく、容易にその割れ目に沿って完全に分離する。
【0016】そして、本発明によれば、節部等の硬質部
分や、交錯木理の材木、例えばユーカリ等についても問
題なく完全分離できることが確認されている。このよう
な製造方法並びに装置において、回転刃物群は、被割裂
材の表裏両面に押し切り割れ目を入れるだけで分離を目
的としたものではないが、上下相対向する刃物の刃先ど
うしを適当量だけ相互に重ね合わせることが好ましく、
同時に、これらの刃先は左右に僅かな隙間を開ける。こ
のように刃先を配置することにより、材料の中心部まで
押し切り割れ目を入れ、被割裂材表面のササクレ、毛羽
立ちを防ぎ、外観の良好な割裂材が得られる。
【0017】一方、相対向する刃物の刃先どうしを相互
に重ね合わせることなく上下方向に僅かに隙間を設けた
状態とした場合でも、材料の中心部近傍にまで表裏両面
に押し切り割れ目を入れることができ、規制部材による
進行方向の規制によってその押し切り割れ目に沿って確
実に分離することが可能である。この場合、両刃の刃物
の耐久性を非常に良好なものとすることができる利点が
ある。
【0018】また、各回転刃物対の間に配置される規制
部材は、被割裂材における各押し切り割れ目で仕切られ
た各部分が交互に上下方向に分かれて進行するように規
制するための部材であり、本発明の装置においては、各
回転刃物対間に挿入される上下一対の規制部材のうちの
一方の部材の被割裂材の進行方向に対向する面を、被割
裂材を下記の空隙に誘導するための斜面とし、かつ、そ
の上下一対の規制部材間の空隙の高さを交互に相違させ
ることで、被割裂材の上記の各部分を所要の方向に徐々
に誘導することを可能としている。
【0019】この上下一対の規制部材間の空隙の高さ
を、横方向に隣接するものどうし等量ずつ上下にシフト
する構成を採用した場合には、押し切り割れ目で仕切ら
れた各部分の進行方向の変更量が統一され、一つおきに
のみ上または下方向にシフトする場合に比して、少ない
進行方向の変更量、ひいては後述する斜面の傾斜角を小
さくしても大きな剪断力を付与できるという利点があ
る。
【0020】そして、この各回転刃物対間に挿入配置さ
れる規制部材は、各回転刃物の間に被割裂材が剥がれて
詰まることを防止するためのスクレーパ、つまり不要木
片除去用の部材としての機能を兼用させることができ
る。このとき、回転刃物間に詰まった木片等を除去する
ための機能を強化するためにに、各規制部材に空圧また
は油圧シリンダを取り付け、必要に応じて規制部材を移
動させるように構成することもできる。
【0021】ここで、割裂材の製造に当たっては、適当
な形状寸法の被割裂材をまず小割りして小割材とした
後、その小割材を被割裂材とて更に細片化して細片化材
とすることがしばしば行われるが、本発明の割裂材の製
造方法および装置は、その小割工程並びに細片化工程の
いずれにも適用することができる。
【0022】本発明において用いられる木材、すなわち
被割裂材の材質は公知の木材であれば任意とすることが
でき、例えば、杉、檜、松、栂、さわら、樅、なら、か
ば、ブナ、オーク、ラワン、ひば、栗、けやき、椎、
柳、ユーカリなどを挙げることができ、更には竹でも使
用することができる。このような木材は、製材したもの
でなくてもよく、製材端材や背板、小径木、小枝等のよ
うな部分や、建築端材、廃木材、間伐材等を使用するこ
とができる。
【0023】なお、本発明により得られた割裂材を木質
系複合材の素材として用いる場合には、割裂材(細片化
材)の断面は縦横0.1〜10mm、長さは20〜10
00mmが好ましく、これ以下に小さくなると厚物とし
て強度がでにくく、また、これ以上大きくなると原料の
入手や割裂材の取扱いが困難になる。
【0024】本発明に用いられる回転刃物としては、両
刃、片刃を問わないが、この刃物による剪断性が問われ
ないことから、両刃のものを使用することがその寿命を
向上させるうえで好ましい。
【0025】そして、その回転刃物としては、以下の仕
様のものを使用することができる。刃物の材質として
は、例えば鋼、ステンレス、モリブデン鋼等の、刃物と
して通常に用いられているものを使用することができ
る。
【0026】刃物の外径は、これらを等間隔に保持する
ためのスペーサーの外径とともに、被割裂材の寸法や割
裂後の寸法等に応じて適宜に決めることができる。刃物
の先端の角度(刃先角)は15〜45°の範囲のものが
使用可能であるが、本発明は回転刃物群により完全分離
する必要はないことから、特にこの刃先角は限定する必
要はなく、耐久性の点からは20〜30°程度とするこ
とが好ましい。刃物の硬度は被割裂材の硬さ等を含む割
裂条件に応じてHRC(ロックウェルCスケール硬度)
20〜55の範囲で適宜に選択されるが、耐久性の点か
らHRC30〜45程度とすることが好ましい。
【0027】一方、本発明で用いられる規制部材として
は、以下の仕様のものが使用可能である。材質として
は、回転刃物と同等のものを使用することができる。
【0028】また、規制部材の被割裂材誘導のための斜
面の傾斜角については、5〜45°の範囲のものが使用
可能であり、好ましくは10〜40°の範囲である。傾
斜角が5°以下であると回転刃物群により形成された押
し切り割れ目に沿って分離するのに有効な剪断力を与え
ることができず、45°を越えると被割裂材に必要以上
の剪断力が付与され、材料が曲がったり、折れたりする
ため、所望の割裂材を得ることができない。なお、規制
部材の全体形状は、板状として該当の辺を傾斜させるも
ののほか、皿バネ状のスプリング形状としてその一面に
よって斜面を形成する等の変形が可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の実質の
形態である割裂材の製造装置の説明図で、図1は回転刃
物軸2a,2bの軸方向適宜箇所において鉛直面に沿っ
て切断した縦断面図で、図2はそのA−A面に沿って切
断した要部拡大断面図である。
【0030】フレーム1には、上下2本の水平の回転刃
物軸2aおよび2bが回動自在に支承されており、これ
らの各回転刃物軸2a,2bは、モータ並びに伝達機構
(いずれも図示せず)によって、それぞれ図1に矢印
a,bで示すように互いに逆向きに、かつ、等速で回転
が与えられる。この各回転刃物軸2a,2bにはそれぞ
れ複数の回転刃物21が装着されている。これらの各回
転刃物21は、それぞれ一定の幅を有するスペーサ22
を横方向に介在させた状態で各軸2a,2bに装着さ
れ、図2のように、それぞれの刃物21が上下で実質的
に相対向し、かつ、その上下の回転刃物対21,21が
一定の間隔pを開けて横方向に並んだ状態となってい
る。
【0031】この回転刃物群21・・21には、図1に矢
印cで示す方向から被割裂材Wが挿入され、これによ
り、その被割裂材Wには、これらの回転刃物群21・・2
1によって矢印cの向きへの推進力が付与されると同時
に、その表裏両面に一定のピッチpで、かつ、互いに平
行な複数の押し切り割れ目が入れられる。
【0032】各回転刃物対21,21の間には、それぞ
れ、高さ方向への寸法並びに形状が互いに異なり、か
つ、上下方向に所定の空隙を開けて対向する一対のスク
レーパ兼進行方向規制部材31a,31b(以下、単に
規制部材31a,31bと称する)が挿入されている。
この各規制部材31a,31bはフレーム1に固定され
た支持台3a,3bにそれぞれ固着されており、これら
の各規制部材31a,31bは、図2に示すように、各
回転刃物対21,21の間に、上下が交互に逆転するよ
うに配置される。従って、上下一対の規制部材31a,
31b間に形成される空隙は、横方向に隣接するものど
うしは、図1に矢印cで示した被割裂材Wの進行方向中
心線に対して、等量ずつ上下逆向きにシフトされた状態
となる。
【0033】また、各上下一対の規制部材31a,31
bは、図1に示すように、被割裂材Wの進行方向に対向
する各面が、その進行方向cに沿って閉じる向きに傾斜
する斜面32a,32bによって形成されている。
【0034】以上の実施の形態によると、回転刃物群2
1・・21によって表裏両面に押し切り割れ目が入れられ
た被割裂材Wは、各回転刃物対21,21間に配置され
た上下一対の規制部材31a,31bのうちの高さの高
い側の規制部材31aの斜面32aに当接してその進行
方向が誘導され、規制部材31a,31b間に形成され
た空隙に導かれる。このとき、各規制部材対31a,3
1b間の空隙の上下方向への位置は、互いに隣合うもの
どうしが上下逆向きにシフトされているため、被割裂材
Wの各押し切り割れ目で仕切られた各部分は、各規制部
材対31a,31bの配設位置において互いに隣合うも
のどうしが上下逆向きに進行するように、換言すれば上
下に引き裂かれるように誘導される。これにより、被割
裂材Wは、各回転刃物対21,21によって入れられた
表裏の各押し切り割れ目に沿って剪断力が付与されて、
その各割れ目に沿って完全に分離された複数の割裂材w
となる。
【0035】また、回転刃物群21・・21により被割裂
材Wに押し切り割れ目を入れる際の圧縮力等によって生
じた不要な木片は、各回転刃物対21,21の間に挿入
された規制部材31a,31bがスクレーパの役割を果
たし、互いに隣接する回転刃物対間から効果的に除去さ
れる。
【0036】ここで、以上の実施の形態において、上下
に相対向する各回転刃物対21,21は、その刃先を若
干量だけ重ね合わせることが望ましく、その場合の重な
り量は1mm以下の範囲とすることが好ましく、また、
これらの刃先の左右方向への隙間は、通常20μm以
下、好ましくは10μmとする。ただし、各回転刃物対
21,21の刃先は互いに重なり合うことなく上下に僅
かに隙間を開けた状態としてもよく、この場合、回転刃
物群21・・21を経た被割裂材Wには、その中央に沿っ
て一様に繋がった部分が僅かな厚さで生じるが、このよ
うな状態でも規制部材31a,31bによる上下交互へ
の誘導により、確実に割裂材wに分離し得ることが確か
められている。
【0037】また、上下一対の規制部材31a,31b
の間に形成される空隙は、上記の実施の形態において横
方向に隣合うものどうし上下逆向きに等量ずつシフトし
たが、1つおきに上または下方にシフトし、その間のも
のについてはシフトせずに被割裂材Wの進行方向cの中
心線に沿ったものとしてもよい。この場合、シフトしな
い規制部材対に対応する部分は被割裂材Wの進行方向c
に沿って進行し、シフトした規制部材対に対応する部分
のみが上または下方に誘導され、これによって上記の実
施の形態と同等の作用効果を奏することができる。ただ
し、この場合、同じ剪断力を付与するためには高さの高
い側の規制部材31aの斜面32aの角度を実質的に2
倍にしてシフト量を2倍にする必要がある。
【0038】
【実施例】次に、以上の本発明の実施の形態を用いて、
実際に割裂材を製造した例について、比較例とともに述
べる。
【0039】<実施例1>回転刃物21として、材質S
US420、刃物厚3mm、刃先角30°、刃物径10
4mmの両刃のものを用い、これを上下各10枚ずつピ
ッチp=10mmにて各回転刃物軸2a,2bに装着
し、これらの刃物軸2a,2bをそれぞれ60rpmで
逆向きに回転させた。
【0040】規制部材31a,31bは、被割裂材Wの
誘導に主として寄与する高さが高い側の31aの斜面3
2aの傾斜角を20°とした。なお、他方の規制部材3
1bの斜面32bについては、被割裂材Wの進行を阻害
しない程度の任意の角度とした。
【0041】以上の設定条件下で、被割裂材Wを杉およ
びアスペンの背板(厚み20mm×幅100mm×長さ
1000mm)として、矢印cに沿って回転刃物群21
・・21に挿入した。これにより、被割裂材Wはその表裏
両面に押し切り割れ目が入れられた後に、その各押し切
り割れ目で仕切られた各部分が各規制部材対31a,3
1bによって上下交互に誘導され、被割裂材Wは各押し
切り割れ目に沿って確実に分離され、複数の割裂材wと
なった。
【0042】上記した寸法の杉およびアスペンの背板を
それぞれ100枚ずつ割裂したが、厚み20mm×幅1
0mmの所望寸法に完全に分離された小割材を、下記の
〔表1〕に示すような高い効率のもとに得ることができ
た。また、被割裂材Wに直径20cm程度の節部があっ
ても、何ら問題なく完全に分離できることが確かめられ
た。
【0043】
【表1】
【0044】<実施例2>以上の実施例1で得た厚み2
0mm×幅10mm×長さ1000mmの杉およびアス
ペンの小割材を被割裂材Wとして、本発明の実施の形態
を下記のように設定して細片化した。
【0045】回転刃物21は、材質SUS420、刃物
厚2mm、刃先角25°、刃物径104mmの両刃のも
のを用い、これを上下各15枚ずつピッチp=4mmに
て各回転刃物軸2a,2bに装着し、その各軸2a,2
bをそれぞれ60rpmで逆向きに回転させた。
【0046】規制部材31aの斜面32aの傾斜角は、
実施例1と同様に20°とした。このような設定のもと
に、上記寸法の小割材を杉およびアスペンについて各1
00本ずつ細片化したところ、厚み10mm×幅4mm
の所望寸法に完全に分離された細片化材を、下記の〔表
2〕に示すような高い効率のもとに得ることができた。
【0047】
【表2】
【0048】<比較例1>図1、図2に示した本発明の
実施の形態から、各規制部材対31a,31bを除去し
た状態で、他の条件は実施例1と全く同じとして、同じ
被割裂材を割裂した。
【0049】その結果、被割裂材Wは回転刃物群21・・
21に押しつけられて割れ目が生じていたが、木繊維に
よって相互に繋がっており、完全には分離しておらず、
後で人手により分離しなければならないものが大半であ
った。
【0050】<比較例2>図1、図2に示した本発明の
実施の形態から、各規制部材対31a,31bを除去す
るとともに、回転刃物群21・・21の後段に、これと同
等の回転刃物群を別途配置し、実施例1と同じ被割裂材
Wを前後2つの回転刃物群を通過させた。
【0051】その結果、1段目の回転刃物群により割れ
目が入れられた被割裂材Wが、2段目の刃物群を通過す
るとき、材料の横方向へのずれによって、新たな割れ目
が先に入れられた割れ目の間に生じ、後で人手により分
離するのも困難な状態となり、良好な割裂材を得ること
ができなかった。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、相対向
する上下一対の回転刃物の複数対からなる回転刃物群に
よって被割裂材の表裏両面に押し切り割れ目を入れると
ともに、その各回転刃物対の間に、被割裂材の各部の進
行方向を規制するための規制部材を挿入配置して、その
規制部材によって、各押し切り割れ目で仕切られた被割
裂材の各部を、互いに隣接するものどうしが上下に分か
れて進行するように誘導して剪断力を付与するから、被
割裂材は回転刃物群によって入れられた押し切り割れ目
に沿って確実に分離される。また、本発明によれば、被
割裂材に節部等の硬質部分があっても、あるいは交錯木
理等の木材についても完全に分離した割裂材が得られる
ことが確認された。
【0053】そして、本発明においては、回転刃物群は
被割裂材に押し切り割れ目を入れるだけで、特に切断性
が要求されないため、両刃の刃物を用い、かつ、相対向
する刃物の刃先どうしを横方向に僅かな隙間を開けて上
下方向には重なりあわせた状態とするか、あるいは刃先
どうしを上下方向に僅かな隙間を開けた状態とする等の
対処が可能となって、その耐久性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成の説明図で、回転刃
物軸2a,2bの適宜箇所において鉛直面に沿って切断
した縦断面図
【図2】図1のA−A面に沿って切断した要部拡大断面
【符号の説明】
1 フレーム 2a,2b 回転刃物軸 21 回転刃物 3a,3b 支持台 31a,31b スクレーパ兼規制部材 32a,32b 斜面 W 被割裂材 w 割裂材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材をその長手方向に沿って割裂・分離
    することにより、その木材を割裂材にする方法であっ
    て、相対向する上下一対の回転刃物の複数対を互いに平
    行に所定のピッチで配列した回転刃物群に被割裂材を通
    すことにより、被割裂材の表裏両面に押し切り割れ目を
    入れるとともに、上記各回転刃物対間に配置した規制部
    材により、押し切り割れ目が入れられた被割裂材の各部
    の進行方向を規制して、各押し切り割れ目で区切られた
    各部分が、互いに隣接するものどうし上下に分かれて進
    行するように誘導することにより、被割裂材を分離する
    ことを特徴とする割裂材の製造方法。
  2. 【請求項2】 木材をその長手方向に沿って割裂・分離
    することにより、その木材を割裂材にする装置であっ
    て、 上下一対の回転刃物軸と規制部材支持台を備え、 各回転刃物軸には、複数の回転刃物が互いに平行に、か
    つ、上下の回転刃物どうしが相対向するように所定のピ
    ッチで装着されるとともに、 規制部材支持台には、互いに所定の空隙を開けて上下で
    対向する一対の規制部材の複数対が、それぞれの対が各
    回転刃物対の間に挿入されるように支持され、 その各上下一対の規制部材の少なくとも一方の部材の被
    割裂材の進行方向に対向する面は、被割裂材を誘導する
    ための斜面によって形成されているとともに、各上下一
    対の規制部材間の空隙は、横方向に隣合うものどうし上
    下方向に相違している、 ことを特徴とする割裂材の製造装置。
  3. 【請求項3】 上記各上下一対の規制部材間の空隙が、
    横方向に隣合うものどうし等量ずつ上下逆向きにシフト
    されていることを特徴とする、請求項2に記載の割裂材
    の製造装置。
JP8319391A 1996-11-29 1996-11-29 割裂材の製造方法および製造装置 Pending JPH10156809A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011224891A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Taihei Mach Works Ltd 木材、単板のチップ化装置
CN105058533A (zh) * 2015-08-11 2015-11-18 湖州南浔双林振森实木加工厂 全自动木纤维加工机械
JP2016112723A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 銘建工業株式会社 廃棄木材の圧裂形成装置とその形成方法

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