JPH10175203A - 割裂材の製造方法および製造装置 - Google Patents

割裂材の製造方法および製造装置

Info

Publication number
JPH10175203A
JPH10175203A JP34132796A JP34132796A JPH10175203A JP H10175203 A JPH10175203 A JP H10175203A JP 34132796 A JP34132796 A JP 34132796A JP 34132796 A JP34132796 A JP 34132796A JP H10175203 A JPH10175203 A JP H10175203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
split
wood
pair
spring
regulating member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34132796A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Suzuki
俊之 鈴木
Yasushi Goto
靖志 五藤
Kazumasa Ishikura
和正 石倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP34132796A priority Critical patent/JPH10175203A/ja
Publication of JPH10175203A publication Critical patent/JPH10175203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Debarking, Splitting, And Disintegration Of Timber (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 割裂用刃物等の工具の耐久性が良好で、木繊
維を切り残すことなく分離性の良好な割裂材を安定して
高い効率のもとに得ることができ、また、被割裂材の厚
みのばらつきにも十分に対処可能な割裂材の製造方法お
よび装置を提供する。 【解決手段】 相対向する上下一枚の回転刃物21,2
1の複数対を互いに平行に所定ピッチで配列した回転刃
物群に被割裂材Wを通すことにより、被割裂材Wの表裏
両面に押し切り割れ目を入れ、各回転刃物対間に配置
し、かつ、スプリングにより付勢された規制部材31を
含む上下一対の規制部材31,32により押し切り割れ
目が入れられた被割裂材の進行方向を規制し、各押し切
り割れ目で区切られた各部分が、互いに隣接するものど
うし上下に分かれて進行するように弾性的に誘導するこ
とにより、被割裂材Wを多数の割裂材wに分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材をその長手方
向に割裂することによって割裂材を製造する方法と、そ
の方法を利用した割裂材の製造装置に関し、特に木質系
複合材料を製造する際の素材として用いるのに適した割
裂材の製造方法並びに装置に関する。
【0002】
【従来の技術】柱や梁等の木質系構造用材として伝統的
に用いられてきた製材品は、通常、鋸等によって所要の
形状・寸法にカットするために、その製材に際して多く
の鋸屑や背板等が発生して収率が悪く、資源を有効に利
用しているとは言いがたい。また、製材品には節等の欠
陥が存在するため、その強度上の性能のばらつきが大き
いという問題もある。
【0003】このような問題を解決するために、従来、
木材を長手方向、つまり木の繊維方向に沿って割裂し、
その割裂材に未硬化の熱硬化性樹脂を塗布したものを多
数集積して加熱、加圧することによって、比較的大きな
断面積を持つ板状ないしは棒状の木質系複合材料を製造
する方法と、その方法によって得られる木質系複合材料
が提案されている(特開平7−195313号)。
【0004】この提案によれば、原材料となる木材とし
て小径木や製材背板、あるいは枝等を用いることがで
き、しかも鋸屑等を出さないために、製材品に比して収
率を著しく向上させることができるとともに、個々の割
裂材は木の繊維を活かしたもので、かつ、これらが熱硬
化性樹脂によって互いに略平行に接着されているため、
強度も安定して高いものとなる、という利点がある。
【0005】この提案においては、原材料から割裂材を
得るに当たって、まず、原材料を、両刃の回転刃物を相
対向させたものを複数対互いに平行に所定のピッチで配
列した刃物群の間を長手方向に通過させることによって
割裂し、その割裂材を、片刃の回転刃物を相対向させた
ものを複数対互いに平行に、より細かいピッチで配列し
た刃物群の間に長手方向に通過させることにより、更に
細片化する方法が採用されている。
【0006】また、木材をその木目に沿って割裂する他
の方法として、従来、噛み合いながら反対回転する2列
の回転円板群の間に、スラブ状(平板状)の木材を供給
することにより、そのスラブ状の木材を円板列の間に引
き込ませると同時に木目に略沿った多数の長尺木材に分
割する方法が提案されている(特開昭57−84811
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
は、上記した各提案に基づく割裂材の製造方法を詳細に
検討した結果、これらの製造方法には以下に示すような
問題点があることを見いだした。
【0008】すなわち、特開平7−195313号にお
ける割裂材の製造工程においては、相対向する回転刃物
の対を多数対並べているが、個々の回転刃物の加工精度
の微妙な差により、相対向する刃物の先端部を互いに若
干量だけ重ね合わせた場合、刃先間に微小ではあるが空
隙が発生しやすく、特に両刃の回転刃物を用いた場合に
は、その先端形状のゆえに繊維の切断性が悪く、そのた
め割裂材が分離されずに木繊維によって繋がれたままと
なりやすい。
【0009】また、片刃の回転刃物を用いた場合には、
相対向する刃物の先端部を重ね合わせることにより、鋏
のように剪断による切断作用が加わることから、両刃を
用いた場合に比して切断性は向上するが、その先端形状
のゆえに割裂時の圧力が刃先に対して一方向から作用す
るため、刃先どうしを押しつけ合う状態になり刃先の破
損が生じやすい。特に片刃の刃物では、節等の硬質部分
を割裂した場合、刃先の破損が生じやすく、刃物の耐久
性は良好であるとは言いがたい。
【0010】一方、特開昭57−84811号の製造方
法では、相対向する回転円板群を相互に噛み合わせて逆
向きに回転させ、その間にスラブ状の木材を引き込むこ
とによって割裂する際、回転円板の噛み合い面における
木材にかかる圧力が強く、その木材は割裂するまでには
到らず、つぶされた状態となることがおおいことが確認
された。
【0011】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、割裂に用いる刃物等の工具の耐久性が良好で、
かつ、木繊維を切り残すことなく分離性の良好な割裂材
を安定して高いスループットのもとに得ることができ、
また、被割裂材の厚みのばらつきにも十分に対処可能
な、割裂材の製造方法および装置の提供を目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の割裂材の製造方法では、相対向する上下一
対の回転刃物の複数対を互いに平行に所定のピッチで配
列した回転刃物群に被割裂材を通すことにより、被割裂
材の表裏両面に押し切り割れ目を入れるとともに、各回
転刃物対間に配置され、かつ、スプリングにより付勢さ
れた一方の規制部材を含む上下一対の規制部材により、
押し切り割れ目が入れられた被割裂材の各部の進行方向
を規制して、各押し切り割れ目で区切られた各部分が、
互いに隣接するものどうし上下に分かれて進行するよう
に弾性的に誘導することにより被割裂材を分離する、と
いう方法を採用している。
【0013】一方、本発明の割裂材の製造装置は、上記
した本発明方法を利用した装置であって、上下一対の回
転刃物軸と規制部材支持台を備え、各回転刃物軸には、
複数の回転刃物が互いに平行に、かつ、上下の回転刃物
どうしが相対向するように所定のピッチで装着する。ま
た、規制部材支持台には、互いに所定の空隙を開けて上
下で対向し、かつ、その一方が他方に対して接近する向
きにスプリングにより付勢された上下一対の規制部材の
複数対を、それぞれの対が各回転刃物対の間に挿入され
るように支持する。そして、その各上下一対の規制部材
のうち、少なくとも上記一方の部材の被割裂材の進行方
向に対向する面を、被割裂材を誘導するための斜面によ
って形成し、更に、各上下一対の規制部材間の空隙を、
横方向に隣合うものどうし上下方向に相違した位置に設
ける、という構成を採用している。
【0014】ここで、本発明方法および装置において
は、各押し切り割れ目で区切られた被割裂材の各部を所
要方向に誘導するための部材として、スプリングとそれ
により付勢された規制部材に代えて、板バネを各回転刃
物対間に配置するとともに、その板バネを、被割裂材の
進行方向に対して傾斜させる、という手法ないしは構成
を採用することができる。
【0015】本発明の割裂材の製造方法並びに製造装置
によれば、割裂すべき木材は回転刃物群によって表裏両
面に押し切り割れ目が入れられるとともに、各回転刃物
対の間に挿入配置された規制部材により、各押し切り割
れ目で区切られた各部分が、互いに隣接するものどうし
上下方向に分かれて進行するように、スプリングで付勢
された規制部材ないしは傾斜した板バネによって弾性的
に誘導される。すなわち、被割裂材は各押し切り割れ目
を境として互いに上下に異なる方向に誘導されることに
より、押し切り割れ目の形成位置に剪断力が付与され
て、被割裂材に特に大きな圧力を付与してこれを押しつ
ぶすことなく、容易にその割れ目に沿って完全に分離さ
れる。そして、各部分の誘導に際して、スプリングない
しは板バネの弾性力を介在させているため、被割裂材の
厚みにばらつきがあったり、厚みが変化しても、スプリ
ングないしは板バネがそれに追随して変形し、被割裂材
の各部分ないしは割裂材に加わる力ないしは進行方向の
変化が緩和され、安定した分離を行うことが可能とな
る。
【0016】そして、本発明によれば、節部等の硬質部
分や、交錯木理の材木、例えばユーカリ等についても問
題なく完全分離できることが確認されている。ここで、
以上のような本発明の製造方法並びに装置において、回
転刃物群は、被割裂材の表裏両面に押し切り割れ目を入
れるだけで分離を目的としたものではないが、上下に相
対向する刃物の刃先どうし適当量だけ相互に重ね合わせ
ることが好ましく、同時に、これらの刃先は左右に僅か
な隙間を開ける。このように刃先を配置することによ
り、被割裂材の中心部まで押し切り割れ目を入れ、被割
裂材表面のササクレ、毛羽立ちを防ぎ、外観の良好な割
裂材が得られる。
【0017】一方、相対向する刃物の刃先どうしを相互
に重ね合わせることなく上下方向に僅かに隙間を設けた
状態とした場合でも、被割裂材の中心部近傍にまで表裏
両面に押し切り割れ目を入れることができ、規制部材に
よる各部分の進行方向の交互の規制によってその押し切
り割れ目に沿って確実に分離することができる。この場
合、両刃の刃物の耐久性を非常に良好なものとすること
ができる利点がある。
【0018】また、本発明方法並びに装置において、各
回転刃物対の間に挿入配置される、スプリングで付勢さ
れた規制部材、もしくは板バネは、各押し切り割れ目で
区切られた被割裂材の各部分を所要の方向に誘導する機
能のほか、各回転刃物の間に被割裂材の一部が剥がれて
詰まることを防止するためのスクレーパ、つまり不要木
片除去用の部材としても機能する。
【0019】また、スプリングで付勢された規制部材も
しくは板バネに対向して更に規制部材を配設しているた
め、被割裂材の一部が回転刃物軸に巻きつくことが効果
的に防止される。
【0020】なお、割裂材の製造に当たっては、適当な
形状寸法の被割裂材をまず小割りして小割材とした後、
その小割材を被割裂材として更に細片化して細片化材と
することがしばしば行われるが、本発明の割裂材の製造
方法および装置は、その小割工程並びに細片化工程のい
ずれにも適用することができる。
【0021】本発明において用いられる木材、すなわち
被割裂材の材質は公知の木材であれば任意とすることが
でき、例えば、杉、檜、松、栂、さわら、樅、なら、か
ば、ブナ、オーク、ラワン、ひば、栗、けやき、椎、
柳、ユーカリなどを挙げることができ、更には竹でも使
用することができる。このような木材は、製材したもの
でなくてもよく、製材端板や背板、小径木、小枝等のよ
うな部分や、建築端材、廃木材、間伐材等を使用するこ
ともできる。
【0022】なお、本発明により得られた割裂材を木質
系複合材の素材として用いる場合には、割裂材(細片化
材)の断面は縦横0.1〜10mm、長さは20〜10
00mmが好ましく、これ以下に小さくなると厚物とし
て強度がでにくく、また、これ以上大きくなると原料の
入手や割裂材の取扱いが困難になる。
【0023】本発明に用いられる回転刃物としては、両
刃、片刃を問わないが、この刃物による剪断性が問われ
ないことから、両刃のものを使用することがその寿命を
向上させるうえで好ましい。
【0024】そして、その回転刃物としては、以下の仕
様のものを使用することができる。刃物の材質として
は、例えば鋼、ステンレス、モリブデン鋼等の、刃物と
して通常に用いられているものを使用することができ
る。
【0025】刃物の外径は、これらを等間隔に保持する
ためのスペーサーの外径とともに、被割裂材の寸法や割
裂後の寸法等に応じて適宜に決めることができる。刃物
の先端の角度(刃先角)は15〜45°の範囲のものが
使用可能であるが、本発明は回転刃物群により完全分離
する必要はないことから、特にこの刃先角は限定する必
要はなく、耐久性の点からは20〜30°程度とするこ
とが好ましい。刃物の硬度は被割裂材の硬さ等を含む割
裂条件に応じてHRC(ロックウェルCスケール硬度)
20〜55の範囲で適宜に選択されるが、耐久性の点か
らHRC30〜45程度とすることが好ましい。
【0026】一方、本発明で用いられる規制部材として
は、以下の仕様のものを使用することができる。材質と
しては、回転刃物と同等のものを使用することができ
る。
【0027】また、被割裂材を弾性的に誘導すべく規制
部材を付勢するためのスプリングの弾性力は被割裂材の
材質により決定するが、被割裂材と規制部材が接触する
位置で押し切り割れ目で区切られた各部分が上下に5m
m以上離れるように設定することが好ましい。ただし、
このような設定で割裂材が折れるようであれば、スプリ
ングの弾性力を弱くし、逆に割裂材の分離が完全でなけ
ればスプリングの弾性力を強くするなど、被割裂材の特
性に応じた対処が必要である。これらの条件を満たす限
り、スプリングの材質は限定されないが、通常のスプリ
ング用鋼材が好適に用いられる。
【0028】スプリングで付勢された規制部材の被割裂
材誘導のための斜面の傾斜角については、5〜45°の
範囲とすることができ、好ましくは10〜40°の範囲
である。傾斜角が5°以下であると回転刃物によって押
し切られた材料を分離するための剪断力を付与すること
ができず、また、45°を越えると被割裂材に必要以上
に剪断力が付与され、材料が曲がったり折れたりするた
め、所望の割裂材を得ることができない。
【0029】また、本発明で用いられる板バネは、その
弾性力については上記のスプリングと同等に、また、そ
の傾斜角については規制部材の斜面の傾斜角と同等にそ
れぞれ設定することが好ましい。板バネの材質も特に限
定されないが、通常のバネ用鋼材が好適に用いられる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の実質の
形態である割裂材の製造装置の説明図で、図1は回転刃
物軸2a,2bの軸方向適宜箇所において鉛直面に沿っ
て切断した縦断面図で、図2はそのA−A面に沿って切
断した要部拡大断面図である。
【0031】フレーム1には、上下2本の水平の回転刃
物軸2aおよび2bが回動自在に支承されており、こら
れの各回転刃物軸2a,2bは、モータ並びに伝達機構
(いずれも図示せず)によって、それぞれ図1に矢印
a,bで示すように互いに逆向きに、かつ、等速で回転
が与えられる。この各回転刃物軸2a,2bにはそれぞ
れ複数の回転刃物21が装着されている。これらの各回
転刃物21は、それぞれ一定の幅を有するスペーサ22
を横方向に介在させた状態で各軸2a,2bに装着さ
れ、図2のように、それぞれの刃物21が上下で実質的
に相対向し、かつ、その上下の回転刃物対21,21が
一定のピッチpのもとに横方向に並んだ状態となってい
る。
【0032】この回転刃物群21・・21には、図1に矢
印cで示す方向から被割裂材Wが挿入され、これによ
り、その被割裂材Wには、表裏両面に一定のピッチpで
互いに平行に伸びる複数の押し切り割れ目が入れられ
る。
【0033】各回転刃物対21,21の間には、それぞ
れ、上下方向に所定の空隙を開けて対向する上下一対の
規制部材31,32(これらはスクレーパの機能をも有
し、スクレーパ兼規制部材と称することもできるが、簡
単のために単に規制部材31,32と称する)が挿入さ
れている。この上下一対の各規制部材31,32は、そ
の一方の規制部材31については、フレーム1に固定さ
れた支持台3aまたは3bに対して揺動自在に支承され
ているとともに、その支持台3aまたは3bとの間に介
挿された圧縮コイルスプリング33によって、他方の規
制部材32側に付勢されている。また、その他方の規制
部材32については、同じく支持台3aまたは3bに固
着されている。そして、この規制部材31,32は、そ
れぞれ、各回転刃物対21,21の間に交互に上下逆転
して配置されている。
【0034】また、規制部材31と32の対の間に形成
される空隙の上下方向への位置は、上下の回転刃物軸2
a,2bの中間ではなく、つまり被割裂材Wの進行方向
cの延長線上にはなく、その延長線に対してそれぞれ他
方の規制部材32側に一定距離だけシフトされている。
従って、上下一対の規制部材31,32間に形成される
空隙は、横方向に隣接するものどうしは、被割裂材Wの
進行方向cの延長線を挟んで等量ずつ上下逆向きにシフ
トされた状態となる。
【0035】また、各上下一対の規制部材31,32
は、図1に示すように、被割裂材Wの進行方向に対向す
る各面が、その進行方向cに沿って閉じる向きに傾斜す
る斜面31a,32aによって形成されている。
【0036】以上の実施の形態によれば、回転刃物群2
1・・21によって表裏両面に押し切り割れ目が入れられ
た被割裂材Wは、各回転刃物対21,21間に配置され
た上下一対の規制部材31,32のうち、圧縮コイルス
プリング33により付勢された側の規制部材31の斜面
31aに当接してその進行方向が誘導され、規制部材3
1,32間の空隙に弾性的に導かれる。このとき、各規
制部材対31,32間の空隙の上下方向への位置は、互
いに隣合うものどうしが上下逆向きにシフトされている
ため、被割裂材Wの各押し切り割れ目で区切られた各部
分は、各規制部材対31,32の配設位置において互い
に隣合うものどうしの進行方向が上下逆向きに誘導され
るように、換言すれば上下に引き裂かれるように誘導さ
れる。これにより、被割裂材Wは、各回転刃物対21,
21によっ入れられた表裏の各押し切り割れ目に沿って
剪断力が付与されて、その各割れ目に沿って完全に分離
された被割裂材wとなる。
【0037】以上の規制部材対31,32による分離動
作において特に注目すべき点は、被割裂材Wの各押し切
り割れ目で区切られた各部分に当接して所要方向に誘導
する側の規制部材31が圧縮コイルスプリング33によ
って対向する規制部材32側に付勢されている点であ
り、これにより、上記の各部分は実質的に弾性的に誘導
されることになり、被割裂材Wの厚みがある程度以上に
ばらついていても、あるいは厚みの異なる被割裂材Wの
割裂に際しても、規制部材31が適宜に他方の規制部材
32に対して後退/前進しつつ各部分を誘導し、各部分
に作用する力は安定して常に略一定となり、分離後の割
裂材wの品質を損なうことがない。
【0038】また、回転刃物群21・・21により被割裂
材Wに押し切り割れ目を入れる際の圧縮力等によって生
じた不要な木片等は、各回転刃物対21,21間に挿入
された規制部材31,32がスクレーパの役割を果た
し、互いに隣接する回転刃物対間から効果的に除去され
る。
【0039】ここで、以上の実施の形態において、上下
に相対向する各回転刃物対21,21は、その刃先を若
干量だけ重ね合わせることが望ましく、その場合の重な
り量は1mm以下の範囲とすることが好ましく、また、
これらの刃先の左右方向への隙間は、通常20μm以
下、好ましくは10μmとする。ただし、各回転刃物対
21,21の刃先は互いに重なり合うことなく上下に僅
かに隙間を開けた状態としてもよく、この場合、回転刃
物群21・・21を経た被割裂材Wには、その中央に沿っ
て一様に繋がった部分が僅かな厚さで生じるが、このよ
うな状態でも規制部材31による上下交互への誘導によ
り、確実に割裂材wに分離し得ることが確かめられてい
る。
【0040】また、上下一対の規制部材31,32の間
に形成される空隙は、上記の実施の形態において横方向
に隣合うものどうし上下逆向きに等量ずつシフトした
が、1つおきに上または下方にシフトし、その間のもの
についてはシフトせずに被割裂材Wの進行方向cの中心
線に沿ったものとしてもよい。この場合、シフトしない
規制部材対に対応する部分は被割裂材Wの進行方向cに
沿って進行し、シフトした規制部材対に対応する部分の
みが上または下方に誘導され、これによって上記の実施
の形態と同等の作用効果を奏することができる。ただ
し、この場合、同じ剪断力を付与するためには、誘導に
実際に寄与する側の一方の規制部材31の斜面31aの
角度を実質的に2倍にしてシフト量を2倍にする必要が
ある。
【0041】また、以上の実施の形態においては、圧縮
コイルスプリング33によって付勢された規制部材31
により、被割裂材Wの各押し切り割れ目で区切られた各
部分を弾性的に誘導したが、図3に例示するように、そ
の誘導を板バネによって行ってもよい。
【0042】図3は本発明の他の実施の形態の説明図
で、図1と同じ位置で切断した要部縦断面図を示してい
る。この図3の例は、図1,図2で示した実施の形態に
おける一方の規制部材31とそれを弾性的に付勢する圧
縮コイルスプリング33に代えて板バネ4を採用した点
においてのみ特徴があり、他の部分は全く同等である。
従ってこの図3の例では、各回転刃物対21,21の間
に、互いに空隙を介して上下に対向する板バネ4と規制
部材32の対が挿入配置されることになる。
【0043】ここで、各板バネ4は、それぞれその根元
部分が支持台3aまたは3bに固定され、その先端は自
由端となっている。また、各板バネ4は先端部の近傍に
おいて屈曲しており、その屈曲部よりも根元側は、先の
例の一方の規制部材31の斜面31aと同じ向きに同等
の傾斜角をもって、被割裂材Wの進行方向cに対して傾
斜している。そして、各板バネ4と規制部材32の対
は、先の例と同様に、交互に上下逆転して配置され、か
つ、これらの間に形成される空隙は、横方向に隣合うも
のどうしが、被割裂材Wの進行方向cの延長線を挟んで
等量ずつ上下逆向きにシフトされている。
【0044】以上のような構成において、回転刃物群2
1・・21により表裏に押し切り割れ目が入れられた被割
裂材Wは、その各押し切り割れ目で区切られた各部分が
板バネ4によって交互に上下に弾性的に誘導され、先の
例と全く同様に、各押し切り割れ目に沿って完全に分離
された割裂材wとなる。また、この板バネ4および規制
部材32は、各回転刃物対21,21間に詰まった木片
等を除去するスクレーパとして機能する点も先の例と全
く同様である。
【0045】
【実施例】次に、図1,図2の実施の形態、および図3
に示した他の実施の形態を用いて、実際に割裂材を製造
した例について、比較例とともに述べる。
【0046】<実施例1>図1,図2に示した実施の形
態を用い、その回転刃物21として、材質SUS42
0、刃物厚3mm、刃先角30°、刃物径104mmの
両刃のものを用い、これを上下各10枚ずつピッチp=
10mmにて各回転刃物軸2a,2bに装着し、これら
の各軸2a,2bをそれぞれ60rpmで逆向きに回転
させた。
【0047】規制部材31,32は、圧縮コイルスプリ
ング33で付勢される側の規制部材31の斜面31aの
傾斜角を20°とし、他方の規制部材32の斜面32a
については、被割裂材Wの進行を阻害しない程度の任意
の角度とした。また、圧縮コイルスプリング33のバネ
定数は100kgf/cmとした。
【0048】以上の設定条件下で、被割裂材Wを杉およ
びアスペンの背板(厚み20〜30mm×幅100mm
×長さ1000mm)として、矢印cに沿って回転刃物
群21・・21に挿入した。これにより、被割裂材Wはそ
の表裏両面に押し切り割れ目が入れられた後に、その各
押し切り割れ目で区切られた各部分が規制部材31の斜
面31aに当接して上下交互に弾性的に誘導され、規制
部材対31,32間の空隙に導かれて、被割裂材Wは各
押し切り割れ目に沿って確実に分離されて複数の割裂材
wとなった。
【0049】上記した寸法の杉およびアスペンの背板を
それぞれ100枚ずつ割裂したが、厚み20〜30mm
×幅10mmの小割材を、下記の〔表1〕に示すような
高い効率のもとに得ることができた。また、被割裂材W
に直径20cm程度の節部等があっても、何ら問題なく
完全に分離できることが確かめられた。
【0050】
【表1】
【0051】<実施例2>以上の実施例1で得た厚み2
0〜30mm×幅10mm×長さ1000mmの杉およ
びアスペンの小割材を被割裂材Wとして、図1,図2に
示した実施の形態を下記のように設定して細片化した。
【0052】回転刃物21は、材質SUS420、刃物
厚2mm、刃先角25°、刃物径104mmの両刃のも
のを用い、これを上下各15枚ずつピッチp=4mmに
て各回転刃物軸2a,2bに装着し、その各軸2a,2
bをそれぞれ60rpmで逆向きに回転させた。
【0053】規制部材31の斜面31aの傾斜角は、実
施例1と同様に20°とするとともに、圧縮コイルスプ
リング33のバネ定数については50kgf/cmと
た。このような設定のもとに、上記寸法の小割材を杉お
よびアスペンについて各100本ずつ細片化したとこ
ろ、厚み10mm×幅4mmの所望寸法に完全に分離さ
れた細片化材を、下記の〔表2〕に示すような高い効率
のもとに得ることができた。
【0054】
【表2】
【0055】<実施例3>図3に示した実施の形態を用
いて、実施例1と全く同じ被割裂材を割裂した。板バネ
4の撓み弾性力は100kgf/cmとし、他は実施例
1と全く同じ設定とした。
【0056】この場合においても、実施例1と同様に被
割裂材Wは押し切り割れ目を境として上下交互に誘導さ
れ、杉およびアスペンそれぞれ100枚ずつ割裂した結
果、下記の〔表3〕に示す通りの高い効率のもとに厚み
20〜30mm×幅10mmの完全分離された小割材を
得ることができた。
【0057】
【表3】
【0058】<比較例1>実施例1の設定において、各
回転刃物対21,21の間に規制部材31を設けなかっ
たことを除いて、他は全く同じとして、実施例1と同じ
被割裂材を割裂した。
【0059】その結果、被割裂材には回転刃物群21・・
21に押しつけられて割れ目がしょうじていてが、木繊
維によって相互に繋がっており、完全には分離しておら
ず、後で人手により分離しなければならないものが大半
であった。
【0060】<比較例2>実施例1の設定における上下
の規制部材31,32を取り除くとともに、回転刃物群
21・・21の後段に、これと同等の回転刃物群を別途配
置し、実施例1と同じ被割裂材を前後2つの回転刃物群
を通過させた。
【0061】その結果、1段目の回転刃物群により割れ
目が入れられた被割裂材が、2段目の回転刃物群を通過
するとき、材料の横方向へのずれによって、新たな割れ
目が先に入れられた割れ目の間に生じ、後で人手により
分離するのも困難な状態となり、良好な割裂材を得るこ
とができなかった。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、相対向
する上下一対の回転刃物の複数対からなる回転刃物群に
よって被割裂材の表裏両面に押し切り割れ目を入れると
ともに、その各回転刃物対の間に、スプリングで付勢さ
れた規制部材、もしくは板バネを挿入配置して、その規
制部材もくしは板バネによって、各押し切り割れ目で区
切られた被割裂材の各部を、互いに隣接するものどうし
が上下に分かれて進行するように弾性的に誘導して剪断
力を付与するので、被割裂材は回転刃物群によって入れ
られた押し切り割れ目に沿って確実に分離される。しか
も、被割裂材の各部分の誘導は弾性的に行われるが故
に、その厚みにばらつき等があっても、被割裂材には無
理な力が加わることなく、分離動作が安定する同時に、
品質のばらつきのない割裂材を得ることができる。
【0063】また、本発明によれば、被割裂材に節等の
硬質部分があっても、あるいは交錯木理の木材について
も、何ら問題なく完全に分離した割裂材を得ることが確
認された。
【0064】そして、本発明においては、回転刃物群は
被割裂材に押し切り割れ目を入れるだけで、特に切断性
が要求されないため、両刃の刃物を用い、かつ、相対向
する刃物の刃先どうしを横方向に僅かな隙間を開けて上
下方向には重なり合わせた状態とするか、あるいは刃先
どうしを上下方向に僅かな隙間を開けた状態とする等の
対処が可能となって、その耐久性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成の説明図で、回転刃
物軸2a,2bの適宜箇所において鉛直面に沿って切断
した縦断面図
【図2】図1のA−A面に沿って切断した要部拡大断面
【図3】本発明の他の実施の形態の要部構成の説明図
で、回転刃物軸2a,2bの適宜箇所において鉛直面に
沿って切断した要部断面図
【符号の説明】
1 フレーム 2a,2b 回転刃物軸 21 回転刃物 3a,3b 支持台 31,32 規制部材 31a,32a 斜面 33 圧縮コイルスプリング 4 板バネ W 被割裂材 w 割裂材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材をその長手方向に沿って割裂・分離
    することにより、その木材を割裂材にする方法であっ
    て、相対向する上下一対の回転刃物の複数対を互いに平
    行に所定のピッチで配列した回転刃物群に被割裂材を通
    すことにより、被割裂材の表裏両面に押し切り割れ目を
    入れるとともに、上記各回転刃物対間に配置され、か
    つ、スプリングにより付勢された一方の規制部材を含む
    上下一対の規制部材により、押し切り割れ目が入れられ
    た被割裂材の各部分の進行方向を規制して、各押し切り
    割れ目で区切られた各部分が、互いに隣接するものどう
    し上下に分かれて進行するように弾性的に誘導すること
    により、被割裂材を分離することを特徴とする割裂材の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスプリングにより付勢
    された規制部材に代えて、板バネを上記各回転刃物対間
    に配置するとともに、その板バネを、被割裂材の進行方
    向に対して傾斜させることにより、上記各押し切り割れ
    目で区切られた各部分を所要方向に弾性的に誘導するこ
    とを特徴とする割裂材の製造方法。
  3. 【請求項3】 木材をその長手方向に沿って割裂・分離
    することにより、その木材を割裂材にする装置であっ
    て、 上下一対の回転刃物軸と規制部材支持台を備え、 各回転刃物軸には、複数の回転刃物が互いに平行に、か
    つ、上下の回転刃物どうしが相対向するように所定のピ
    ッチで装着されるとともに、 規制部材支持台には、互いに所定の空隙を開けて上下で
    対向し、かつ、その一方が他方に対して接近する向きに
    スプリングにより付勢された上下一対の規制部材の複数
    対が、それぞれの対が各回転刃物対の間に挿入されるよ
    うに支持され、 その各上下一対の規制部材の少なくとも上記一方の部材
    の被割裂材の進行方向に対向する面は、被割裂材を誘導
    するための斜面によって形成されているとともに、各上
    下一対の規制部材間の空隙は、横方向に隣合うものどう
    し上下方向に相違した位置に設けられている、 ことを特徴とする割裂材の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の一方の規制部材および
    それを付勢するスプリングに代えて板バネが設けられ、
    その板バネは、被割裂材を誘導するべく傾斜した状態で
    上記規制部材支持台に支持されているとを特徴とする割
    裂材の製造装置。
JP34132796A 1996-12-20 1996-12-20 割裂材の製造方法および製造装置 Pending JPH10175203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34132796A JPH10175203A (ja) 1996-12-20 1996-12-20 割裂材の製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34132796A JPH10175203A (ja) 1996-12-20 1996-12-20 割裂材の製造方法および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10175203A true JPH10175203A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18345205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34132796A Pending JPH10175203A (ja) 1996-12-20 1996-12-20 割裂材の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10175203A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011224891A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Taihei Mach Works Ltd 木材、単板のチップ化装置
JP2016112723A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 銘建工業株式会社 廃棄木材の圧裂形成装置とその形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011224891A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Taihei Mach Works Ltd 木材、単板のチップ化装置
JP2016112723A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 銘建工業株式会社 廃棄木材の圧裂形成装置とその形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5932038A (en) Method of fabricating a straw panel, board, or beam
US2773789A (en) Crosscut fiber and method for its preparation
US7631673B2 (en) Veneer cutter
US5215135A (en) Pellitizer methods and apparatus
EP0196302B1 (en) Manufacture of reconsolidated wood products
US6035910A (en) Process and apparatus for producing narrow veneer strips
AU686093B2 (en) Backsawn timber production from radially sawn wedges
US5409047A (en) Chipper knife
DE10349485A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Langspänen oder Langschnitzeln mit definierten Abmessungen
JPH10175203A (ja) 割裂材の製造方法および製造装置
JPH10156809A (ja) 割裂材の製造方法および製造装置
US6609545B1 (en) Wood cutting head structure
US6026872A (en) System for producing cants and wood chips
DE19829112C1 (de) Hackschnitzel, Verfahren und Vorrichtung zum Erzeugen eines Hackschnitzels sowie zum Profilieren eines Baumstammes und deren Verwendungen
US20070234870A1 (en) Circular Plane Saw
JPH10100111A (ja) 割裂材の製造方法および製造装置
EP0765207B1 (en) Knife assembly and apparatus for slicing woodwool
JPH09174517A (ja) 木質系複合材料の製造方法
EP0914913B1 (de) Vorrichtung zur Herstellung von Kantholz aus Rundhölzern
EP2080815A2 (en) Apparatus for processing sugarcane crop and method of use
US436255A (en) Excelsior-machine
US5904304A (en) Apparatus and method for fiberizing solid wood blocks
EP0232271A1 (en) Method for guiding saw blades
JP2000313002A (ja) 木材の割裂細片の製造装置及び製造方法
CA2475458C (en) Method and apparatus for producing wood shavings