JPH10156171A - 流動層装置 - Google Patents

流動層装置

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JPH10156171A
JPH10156171A JP31724996A JP31724996A JPH10156171A JP H10156171 A JPH10156171 A JP H10156171A JP 31724996 A JP31724996 A JP 31724996A JP 31724996 A JP31724996 A JP 31724996A JP H10156171 A JPH10156171 A JP H10156171A
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JP
Japan
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fluidized bed
opening
lower chamber
temperature
upper chamber
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JP31724996A
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English (en)
Inventor
Yoneichi Ikeda
米一 池田
Toshio Tsutsui
俊雄 筒井
Osamu Kubota
修 久保田
Katsunori Tamura
勝典 田村
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子が相互に移動する上部室と下部室とに分
けられた濃厚流動層を安定して形成できるように改良さ
れた隔板を備えた流動層装置を提供する。 【解決手段】 本装置は、高温の微粒子からなる高温濃
厚流動層を形成する上部室と、高温濃厚流動層の微粒子
と同じであってかつ低温の微粒子からなる低温濃厚流動
層を形成する下部室と、上部室と下部室との間に配置さ
れて両者を仕切り、かつ微粒子の粒径に比べて充分に大
きい開口を有し、開口を介して上部室と下部室との間で
相互に微粒子を移動させる少なくとも1枚の隔板と、及
び下部室に設けられた冷却機構とを備えた流動層装置で
ある。本装置では、上部室と下部室との境界面に沿った
隔板の面積に対する開口84の開口比は、20〜70%
であり、好ましくは30〜60%であって、隔板の各開
口の開口縁から下方に開口径の2〜8倍の長さの短管8
2が垂下している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部の高温濃厚流
動層と下部の低温濃厚流動層とを隔板で仕切った流動層
装置に関し、更に詳細には、上部室の高温濃厚流動層で
発生した熱を下部室の低温濃厚流動層で除去して、高温
濃厚流動層の温度を所定の温度に維持する流動層装置、
特に流動層接触反応装置の発熱反応を伴う触媒再生装置
として好適な流動層装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流動層、特に濃厚流動層は、微粒子と流
体との混合及び接触を均一にすることができ、また域内
温度を均一にすることができることから、炭化水素の接
触分解における触媒再生反応、部分酸化、水素化、塩素
化、熱分解、重合などの各種触媒反応や、流動層を利用
した発熱反応に広く適用されている。ところで、触媒反
応及び触媒再生反応は、殆どが発熱反応であって、常
時、流動層で発生した反応熱を除去して所定の反応温度
に維持する必要がある。そこで、流動層をこれらの触媒
反応に適用した場合、高温流動層内へ冷却管を挿入し、
冷媒として水を冷却管内に流動させることにより、高温
流動層で発生する反応熱を除去する方法が、従来から、
開発されている。別の冷却方法として、高温流動層から
高温微粒子を取出して、別の場所で低温に冷却した後、
高温流動層に戻し、低温の微粒子と高温の微粒子とを混
合して高温流動層で発生する反応熱を除去する方法も提
案されている。
【0003】しかし、高温の流動層に直接冷却管を送入
するやり方では、反応温度が高温の場合、例えば500
℃以上の場合には、水が冷却管内で急激に蒸発して、危
険であると言う問題があった。また、流動層の外で微粒
子を冷却した後、流動層に戻すやり方では、構成が複雑
になり、装置の操作が難しく、また故障し易く、しかも
流動層温度の調節範囲が狭い等の問題点があった。そこ
で、本発明者等は、熱発生源となる流動層の温度が50
0°C 以上の高温の場合でも、安全に冷却でき、かつ構
造が単純であり、操作範囲が広く、操作性の良い除熱機
構を有する流動層装置として、以下に説明するような流
動層装置を既に提案している。
【0004】流動層触媒反応装置の再生塔に適用した例
を挙げ、図2を参照して、提案した流動層装置を説明す
る。再生塔10は、図2に示すように、開口を有する隔
板12により隔てられた上部室14と下部室16とに区
画されている。上部室14は、廃触媒送入管18と、再
生触媒流出管20を介して反応塔(図示せず)に接続し
ている。上部室14の上部空間には、サイクロン捕集器
22が設けてあり、それに接続された再生ガス排出管2
4が上部室14の頂部から塔外に出ており、また下端に
接続されたデップレッグ26が下方に伸び流動層内に入
っている。また、塔頂圧力は、再生塔ガス排出管24に
設けられた圧力調節弁27により調整される。上部室1
4の下部で隔板12の直上には、上部室14に送入され
た触媒を流動化させるために流動化ガスを分散して送入
する上部室ガス分散器28と、それに接続する第1流動
化ガス導入管30とが設けてある。
【0005】廃触媒は、廃触媒送入管18から上部室1
4内に導入され、第1流動化ガス導入管30及び第2流
動化ガス導入管36より導入された再生ガス、例えば空
気により流動化して高温濃厚流動層32を形成しつつ、
触媒上のコークを再生ガスにより燃焼させて、触媒活性
を再生させる。活性が再生した触媒は、再生触媒流出管
20を通って反応塔(図示せず)に戻り、再びに反応に
参加する。一方、上部室14内に流入した再生ガスは、
触媒の流動化と廃触媒の再生反応に寄与した後、サイク
ロン捕集器22に入り、そこで同伴した触媒を捕捉、分
離させた後、再生ガス排出管24により塔外に流出す
る。同伴された触媒は、捕捉された後、デップレッグ2
6を経て流動層に戻る。
【0006】下部室16の下部には、上部室14から落
下した触媒を流動化させるために流動化ガスを分散して
送入する下部室ガス分散器34と、それに接続された第
2流動化ガス導入管36と、ガス分散器34上にほぼ垂
直に配設された複数本の冷却水管からなる冷却器38
と、冷却器38に接続された冷却水供給管40と冷却水
排出管42とを備えている。尚、第1流動化ガス導入管
30及び第2流動化ガス導入管36とは、同じ流動化ガ
ス導入本管44から分岐しており、かつそれぞれには流
量調節弁46、48が設けてある。
【0007】以上の構成により、所定のガス空塔速度と
開口ガス速度とになるような流動化ガスの流入条件で、
第2流動化ガス導入管36及び下部室ガス分散器34を
介して下部室16に流動化ガスを導入すると、下部室1
6には、触媒の低温濃厚流動層54が形成される。更
に、低温濃厚流動層54から、適当量の低温の触媒が、
開口部50を介して高温濃厚流動層32に上昇し、高温
の触媒と混合して冷却する。一方、上昇した低温の触媒
量に見合った量の高温の触媒が、開口部50を介して高
温濃厚流動層32から低温濃厚流動層54に下降し、冷
却器38により除熱される。
【0008】流動層触媒反応装置を運転するには、先
ず、再生塔10の上部室14及び下部室16に所定量の
触媒を充填し、塔頂圧力を設定して所定流量の再生ガス
(例えば、空気)を第1流動化ガス導入管30及び第2
流動化ガス導入管36を介して導入し、各室内に流動層
32、54を形成する。次いで、冷却器38に所定流量
の冷却水を流す。上部室14及び下部室16に導入する
再生ガスの総流量は、触媒の再生に必要なガス流量以上
の流量であって、低温濃厚流動層54が隔板12の開口
部50を介して高温濃厚流動層32と連続相を形成する
ように流量調節弁46、48を調節して再生ガスの総流
量を上部室14と下部室16とに振り分ける。以上の操
作により、再生塔10に導入された廃触媒は、上部室1
4でコークが燃焼して触媒活性が再生され、また反応塔
に戻る。一方、触媒は上部室14と下部室16との間を
安定して流動しつつ冷却器38で十分に冷却されるの
で、反応塔は、重質の原料油を処理している場合でも、
所望の比較的低い温度に保持される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、更に、
上部室と下部室とに安定した流動層を形成すると共に上
部室の流動層を所定の温度に維持するために必要な隔板
の形状と流動化条件との関係について、種々の実験を重
ねて、本発明を完成するに到った。よって、本発明の目
的は、上部室と下部室とに流動層を安定して形成できる
ように改良された隔板を備えた流動層装置を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、図2と同
じ構成の装置を用い、上部室で発熱反応を行う代わり
に、上部室に発熱体を設置し、隔板として、表1に示す
ように、開口径、開口比、短管の有無、短管の長さが相
互に異なる10枚の隔板を作製し、実験例1から10で
使用する隔板とした。また、流動層を形成する粒子に
は、平均径64μm 、嵩密度0.66g/cm3のアルミ
ナ粒子を使用し、流動化ガスとして常温空気を供給し、
3〜100cm/sec の範囲で下部室の空塔速度を変えて
実験例1から10の実験を行い、表1に示すような結果
を得た。表1で流動性が良好とは、上部室の濃厚流動層
における気泡径が5cm以下であり、流動層の断面方向に
粒子が均一に分布しており、かつガスの偏流やチャネリ
ングが発生していない状態を言う。
【表1】
【0011】実験例1〜10の実験中、流動層の内部を
観察したところ、実験例9及び10の短管を有しない隔
板を使った実験では、図3(b)に示すように、粒子が
ある程度の大きさの集団となって挙動することが判っ
た。しかも、流動化によって起こる圧力変動に伴って、
開口部付近でその集団が不均一で不規則な上下移動を行
うことが見られた。この現象が粒子移動に影響し、再現
性のない粒子移動速度を示すものと考えられる。一方、
実験例1から7の短管付きの隔板の場合には、図3
(a)に示すように、粒子の集団が短管内でガスの上昇
流によって崩壊、分散する傾向が見られた。その結果、
各開口がほぼ均一に作用し、再現性のある粒子移動速度
を示すものと考えられる。短管の長さが短く、開口直径
に対して1倍以下であると、粒子の集団の崩壊が不十分
であり、それが10倍以上の長さに延長してもその効果
がなく、装置高さが高くなる不都合がある。また、その
ように短管が長い場合には、ほぼ短管の高さに相当する
希薄層が発生するので、濃厚流動層高さが減少して、冷
却面積が減少し、不都合となる。従って、開口部直径に
対して2〜8倍、好ましくは3〜6倍の長さの短管が有
用である。図3は、2枚の透明な板で幅5cmの長方形の
隔板の両側を挟むようにして構成した実験用の塔を使用
して、下部室のガス空塔速度を20cm/sec に設定して
流動層を形成しつつ、一方の透明板側から光を照射して
撮影した写真(参考写真として提出している)を模写し
た図である。
【0012】以上のように、実験例1から7から、隔板
の面積に対する開口の総開口面積の割合、即ち開口比
は、20〜70%であり、好ましくは30〜60%であ
って、各開口の開口縁から下方に開口径の2〜8倍の長
さの短管が垂下している形状の隔板が好適であることを
見い出した。これに対して、短管を有しない多孔板で
は、粒子やガスが各開口を不均一に通過し、上部室の流
動層がチャネリングを起こしたり、隔板を通過する粒子
流量が時間的に不均一になって不都合であった。
【0013】次に、実験例1〜7で得たデータに基づい
て、発明者等は、隔板の好ましい形状要因及び流動化条
件と、隔板の単位面積当たり単位時間当たり通過する粒
子移動量、即ち粒子移動速度R(kg/m2h) との間に次の
式(2)の関係があることを見い出した。下部室に送入
する流動化ガスの下部室でのガス空塔速度をU(m/h)、
隔板の面積に対する開口の総開口面積の比率(開口比)
をα(−)、開口の開口径をd(m)、及び短管の長さ
をL(m)とするとき、 R=5×103 ・U2/3 ・α・d1/3 ・L1/5 (2)
【0014】一方、上部室の流動層の温度を反応が進行
するのに十分な高温、例えば約500℃とし、下部室の
流動層の温度を管内へ冷却水が導入しやすい温度、例え
ば約400℃に維持して、上部室における発熱を下部室
へ移動して冷却、除去するためには、粒子移動速度が適
切な値であることが必要である。即ち、粒子移動速度が
過大であると、上部室と下部室との温度差が減少して、
下部室の温度が高くなるために不都合であり、一方、粒
子移動速度が過少であると、下部室の温度が低下して冷
却、除熱が困難になるために不都合である。粒子移動速
度は、以上のような上部室と下部室の温度とともに、上
部室の反応による発生熱量にも関係する。例えば、約4
0cm/secのガス空塔速度で空気を流して、触媒に付着し
ている炭素を燃焼、除去する場合には、熱収支から粒子
移動速度Rは約2×104 kg/m2hであることが必要であ
る。同様にして、通常の発熱反応で必要とする粒子移動
速度は、熱収支から R=5×103 〜5×104 kg/m2h (3) の範囲になる。よって、式(2)と式(3)から、1≦
2/3 ・α・d1/3 ・L1/5 ≦10となり、この範囲で
あれば、隔板の形状及び流動化条件と粒子移動速度とが
適切に整合して、冷却効果が高くなる。図4のグラフ
は、実験例1から実験例6の粒子移動速度を式(2)に
より求めた計算値(予測値)R(calc)を横軸に、実験例
1から実験例6の実験の際の熱収支から得た粒子移動速
度R(exp) を縦軸に取ったグラフで、両者が良く一致し
ていることを示している。
【0015】以上の知見に基づき、上記目的を達成する
ために、即ち、R=5×103 〜5×104 kg/m2hの広
い範囲で、上部室及び下部室の濃厚流動層の安定な流動
化と、上部室・下部室間の安定な粒子移動を実現する目
的を達成するために、高温の微粒子からなる高温濃厚流
動層を形成する上部室と、高温濃厚流動層の微粒子と同
じであってかつ低温の微粒子からなる低温濃厚流動層を
形成する下部室と、上部室と下部室との間に配置されて
両者を仕切り、かつ微粒子の粒径に比べて充分に大きい
開口を有し、開口を介して上部室と下部室との間で相互
に微粒子を移動させる少なくとも1枚の隔板と、下部室
に設けられた冷却機構とを備えた流動層装置において、
上部室と下部室との境界面に沿った隔板の面積に対する
開口の総開口面積の百分率、即ち開口比は、20〜70
%であり、好ましくは30〜60%であって、隔板の各
開口の開口縁から下方に開口径の2〜8倍の長さの短管
が垂下していることを特徴としている。
【0016】好適には、開口径が1〜15cm、好ましく
は2〜8cmの範囲、短管の長さが2〜60cm、好ましく
は3〜30cmの範囲にある。。本発明の好適な適用例
は、上部室が接触反応装置の再生部として構成されるこ
とである。本発明で言う濃厚流動層とは、希薄流動層に
対比する概念で、流動層において大部分の流動化ガスが
小気泡の形態で均一に分散した状態にあり、かつ微粒子
が連続相を成していて比較的粒子密度が濃い状態を言
う。一方、希薄流動層とは、連続した気相中に微粒子が
比較的低濃度に分散、輸送された状態である。本発明で
は、基本的には、隔板により、濃厚流動層を高温濃厚流
動層と低温濃厚流動層とに仕切り、低温濃厚流動層を冷
却することにより、間接的に高温濃厚流動層を冷却して
いるので、高温濃厚流動層が500°C 以上の温度であ
っても、安全に発生熱を除熱することができる。
【0017】仕切っている隔板は、微粒子の粒径に比べ
て充分に径の大きい開口を有し、それにより、下部室の
流動化ガスが実質的に自由に上部室に流入し、一方開口
を介して微粒子が上部室と下部室との間を自在に循環す
る。これによって、高温濃厚流動層と低温濃厚流動層と
が、その間の粒子混合を一定限度以下に抑制された連続
相として形成され、高温濃厚流動層の温度が所定の温度
に維持される。また、隔板の開口比を変えることによ
り、更に広い範囲で両流動層間の粒子の循環速度を変化
させることができ、従って更に広い温度範囲で反応温度
を調節することができる。
【0018】好適には、下部室のガス空塔速度Uは、3
〜100cm/sec、好ましくは6〜50cm/secの範囲にあ
って、かつ開口を通過する流動化ガスの速度、即ち開口
ガス速度が5〜150cm/secの範囲にある。それは、以
下の理由による。下部室のガス空塔速度は、流動化と、
冷却性能により規制され、ガス空塔速度が、3cm/sec未
満であると、微粒子と冷却機構との伝熱係数が著しく低
下する。一方、それが、100cm/sec以上になると、濃
厚流動層の密度の低下とともに伝熱係数も低下する。い
ずれの場合も、多大の冷却面積を必要として実際的でな
い。また、上部室のガス空塔速度は、濃厚流動層を形成
するために、20〜150cm/secの範囲、好ましくは3
0〜120cm/secの範囲である。
【0019】隔板の開口比は、下部室の流動層断面積当
たりの開口面積の比率で定義され、開口を通過する流動
化ガスの速度、即ち開口ガス速度が限界ガス速度を越え
ないように、開口比を定めることが必要である。ここ
で、限界ガス速度とは、次のように定義される。即ち、
開口を通過するガス速度が増大して行くにつれ、上部室
からの微粒子の落下が下部室から上部室に向かって開口
を通過するガスの上昇流によって妨害され、上部室と下
部室との粒子混合速度が急激に低下する。その時の開口
ガス速度を限界ガス速度と言う。限界ガス速度は、開口
比、開口の孔径、微粒子の物性などに依存する。開口ガ
ス速度は、限界ガス速度以下に設定すべきであり、しか
も粒子混合速度が下部室のガス空塔速度にほぼ比例する
関係にある範囲のガス空塔速度になるように開口ガス速
度を選ぶ。例えば、25〜250μmの範囲の重量平均
粒径と、0.3〜1.5g/cm3 の嵩密度とを有する
実質的に球状の流動層微粒子の場合、限界ガス速度は、
100〜300cm/sec程度であり、開口ガス速度は、5
〜150cm/sec、好ましくは10〜150cm/secであ
る。
【0020】好適には、開口比は20〜70%であり、
好ましくは30〜60%である。それは、重量平均径が
25μm 程度の微細な粒子の場合、開口比が約20%以
下であると、一般に、開口ガス速度が限界ガス速度以上
になるため、微粒子が落下せず、上部室へ移動してしま
い安定した濃厚流動層の連続相を形成することができな
いからである。逆に、開孔比が約70%以上になると、
実質的に粒子混合の抑制の効果が著しく少なくなり、本
発明の効果が無くなる。開口の形状は、円形、楕円形、
正方形、長方形等任意の形状で良い。開口に取り付ける
短管の断面形状は、開口と同じ形状である。
【0021】上部室のガス流量は下部室と上部室のガス
流量の合計になり、その流量は、反応の種類や反応条件
に加えて、濃厚流動層を形成するガス空塔速度の条件か
ら定められる。下部室のガス流量は、粒子混合、伝熱係
数、限界ガス速度、濃厚流動層の形成などの因子により
定まる。上部室の流動化ガス導入流量に対する下部室の
流動化ガス導入流量の割合は、通常10〜100%であ
る。上部室及び下部室ともに、通常、同一径の円筒体を
隔板で仕切った形で形成するが、下部室の径を上部室の
径より小さくして下部室のガス速度を大きくすることに
より、冷却機構の伝熱係数を大きくするようにすること
もできる。
【0022】本発明装置を流動層触媒反応装置の再生塔
に適用する場合、高温濃厚流動層を発熱反応部、即ち廃
触媒再生部、低温濃厚流動層を冷却部とする。通常、再
生反応に必要な反応ガス(例えば、空気)の全所要量
は、流動化とは別に再生反応条件から定まる。そこで、
隔板の開口比が一定とすると、反応ガスの上部室及び下
部室への振り分けを変えることによって、下部室のガス
空塔速度を調節し、かつ下部室で冷却された微粒子が適
切な量だけ上部室へ送られるように粒子混合速度、即ち
開口ガス速度を定め、これによって反応温度の制御を行
う。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げ、添付図面
を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説
明する。実施例1 本実施例は、本発明に係る流動層装置を前述した再生塔
10に適用した例であって、図1(a)は本実施例の隔
板の開口の配置図、図1(b)は図1(a)の線I−I
での側面断面図である。本実施例では、図2で説明した
再生塔10の隔板12として、図1に示すように、内径
dが2cmの円形の開口84が、開口比30%になるよう
に、ピッチ(p)が約3.5cmの正三角形配列で設けら
れ、開口84の開口縁から長さLが10cmの短管82が
垂下している隔板86が使用されている。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、微粒子の径に比べて遙
に大きい径の開口を有する隔板により仕切られた下部室
と上部室とを備え、更に下部室に冷却機構を設けて、そ
れぞれに低温濃厚流動層と、低温濃厚流動層に連続する
高温濃厚流動層とを形成する流動層装置において、特定
寸法の短管を開口縁から垂下させることにより、上部室
と下部室との相互間で粒子を安定して移動させ、上部室
と下部室とに安定した流動層を形成すると共に上部室の
流動層の冷却効果を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は隔板の開口配置図、図1(b)は
図1(a)に示す隔板の線I−Iでの断面図である。
【図2】流動層触媒反応装置の再生塔に適用した従来の
流動層装置の構成を示す模式図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、それぞれ、流動層の
状態を写した写真を模写したスケッチである。
【図4】粒子移動速度の計算値(予測値)R(calc)と実
験の際の熱収支から得たR(exp ) との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
10 再生塔 12 隔板 14 上部室 16 下部室 18 廃触媒送入管 20 再生触媒流出管 22 サイクロン捕集器 24 再生ガス排出管 26 デップレッグ 27 圧力調節弁 28 上部室ガス分散器 30 第1流動化ガス導入管 32 高温濃厚流動層 34 下部室ガス分散器 36 第2流動化ガス導入管 38 冷却器 40 冷却水供給管 42 冷却水排出管 44 流動化ガス導入本管 46、48 流量調節弁 50 開口部 54 低温濃厚流動層 82 短管 84 開口 86 隔板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 勝典 千葉県袖ヶ浦市北袖1番地 富士石油株式 会社袖ヶ浦製油所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の微粒子からなる高温濃厚流動層を
    形成する上部室と、高温濃厚流動層の微粒子と同じであ
    ってかつ低温の微粒子からなる低温濃厚流動層を形成す
    る下部室と、上部室と下部室との間に配置されて両者を
    仕切り、かつ微粒子の粒径に比べて充分に大きい開口を
    有し、開口を介して上部室と下部室との間で相互に微粒
    子を移動させる少なくとも1枚の隔板と、下部室に設け
    られた冷却機構とを備えた流動層装置において、 上部室と下部室との境界面に沿った隔板の面積に対する
    開口の総開口面積の百分率、即ち開口比は、20〜70
    %であり、好ましくは30〜60%であって、隔板の各
    開口の開口縁から下方に開口径の2〜8倍の長さの短管
    が垂下していることを特徴とする流動層装置。
  2. 【請求項2】 開口径が1〜15cm、好ましくは2〜8
    cmの範囲、短管の長さが2〜60cm、好ましくは3〜3
    0cmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の流
    動層装置。
  3. 【請求項3】 低温濃厚流動層を形成するために下部室
    に送入する流動化ガスの下部室でのガス空塔速度をU
    (m/h)、隔板の面積に対する開口の総開口面積の比率
    (開口比)をα(−)、開口の開口径をd(m)、及び
    短管の長さをL(m)とするとき、U、α、d、及びL
    が、 1≦U2/3 ・α・d1/3 ・L1/5 ≦10 (1) の関係にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    流動層装置。
  4. 【請求項4】 Uが3〜100cm/sec、好ましくは6〜
    50cm/secの範囲にあって、かつ開口を通過する流動化
    ガスの速度、即ち開口ガス速度が5〜150cm/secの範
    囲にあることを特徴とする請求項3に記載の流動層装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014531302A (ja) * 2011-08-31 2014-11-27 トタル ラフィナージュ フランス 触媒分解装置用外部サイクロン付再生塔
JP2019014623A (ja) * 2017-07-06 2019-01-31 東邦チタニウム株式会社 四塩化チタン製造装置及びこれを用いた四塩化チタンの製造方法

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JP2014531302A (ja) * 2011-08-31 2014-11-27 トタル ラフィナージュ フランス 触媒分解装置用外部サイクロン付再生塔
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