JPH10153805A - 共振器、波長変換装置及び光学ピックアップ装置 - Google Patents

共振器、波長変換装置及び光学ピックアップ装置

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JPH10153805A
JPH10153805A JP31236896A JP31236896A JPH10153805A JP H10153805 A JPH10153805 A JP H10153805A JP 31236896 A JP31236896 A JP 31236896A JP 31236896 A JP31236896 A JP 31236896A JP H10153805 A JPH10153805 A JP H10153805A
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JP
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resonator
optical crystal
mirror
nonlinear optical
fundamental wave
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JP31236896A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ogawa
剛 小川
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、かつ、アライメントが容易な共振器を
提供し、この共振器を用いることによって、第2高調波
を高効率に発生でき出力ビームの安定性に優れた波長変
換器を提供する。 【解決手段】 互いに反射面を対向させて配設した一対
のミラー14,15間に非線形光学結晶13を配設し、
この非線形光学結晶13と一方のミラー14との間及び
非線形光学結晶13と他方のミラー15との間のそれぞ
れに対をなす4分の1波長板16,17を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長変換装置(特
に、非線形光学素子を有し、これに対して基本波を入射
して第2高調波、第3高調波、第4高調波等を発生させ
るレーザ光発生装置)、及び、この波長変換装置の構成
に用いられる共振器、並びに、該波長変換装置を用いて
構成される光学ピックアップ装置に関する技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】近年、光記録及び光磁気記録における記
録密度の向上を実現するための短波長光源を得る手段と
して、第2高調波発生(SHG)によるレーザ光の短波
長化が注目されている。この第2高調波発生は、周波数
ωの基本波(光)を周波数2ωの第2高調波に波長変換
することにより、レーザ光の短波長化を行うものであ
る。
【0003】このような波長変換を行う波長変換素子を
有するレーザ光発生装置の一例として、基本波に対し共
振器を構成し、その共振器内の内部パワーを高めて、高
効率に高調波を発生させる共振器構造のバルク型波長変
換装置がある。
【0004】例えば、この波長変換装置は、図6に示す
ように、波長860nmの半導体レーザの出力光を基本
波光源とし、波長変換素子としてニオブ酸カリウム(以
下、KNbO3、KN)の非線形光学結晶を用いて構成
することができる。この波長変換装置においては、上記
基本波は、第1のミラー101の裏面側より入射され、
この第1のミラー101を透過して、上記KNbO3
晶102に入射される。このKNbO3結晶102を透
過した基本波は、第2のミラー103により反射され、
第3のミラー104に至る。この第3のミラー104に
おいて、上記基本波は、反射され、第4のミラー105
に至る。この第4のミラー105において、上記基本波
は、反射され、上記第1のミラー101に戻る。こうし
て上記第1のミラー101に戻った基本波は、この第1
のミラー101により反射されて、再び上記KNbO3
結晶102に入射される。このようにして、上記KNb
3結晶102内には、上記基本波が同一方向に繰り返
し透過するSHGパスが形成される。このSHGパスに
おいては、基本波が共振して該基本波のパワーが高ま
り、波長430nmの第2高調波が発生される。この第
2高調波は、上記第2のミラー103を透過して、外方
側に射出される。
【0005】また、文献(W.J.Kozlovsky et.al,"Gener
ation of 41mW of blue radiationby frequency doubli
ng of a GaAlAs diode laser",Appl.Phys.Lett.,56(2
3),4,pp.2291-2292,1990)には、非線形光学結晶内にお
いてリング型共振器が構成されるようにした波長変換装
置が述べられている。すなわち、この波長変換装置は、
図7に示すように、波長860nmの半導体レーザの出
力光を基本波光源とし、波長変換素子としてKNbO3
結晶(非線形光学結晶)102を用いて構成されてい
る。KNbO3結晶102の入出力両端面102a,1
02bは、球面研磨されている。このKNbO3結晶1
02に基本波が入射されると、このKNbO3結晶10
2内においては、この基本波がKNbO3結晶102内
の3箇所で反射されることにより、リング型共振器が構
成される。そして、いわゆるドレーバーロッキング法
(R.W.P.Drever et.al,"Laser Phase and Frequency St
abilization Using an Optical Resonator",Appl.Phys.
B,31,pp.97-105,1983)によって、基本波を出力する半
導体レーザの注入電流に電気的負帰還をすることによ
り、該半導体レーザの出力基本波波長を共振器の共振波
長に一致させる。すると、共振器内で基本波が共振して
共振器内部の基本波パワーが高まり、高効率(40%程
度の効率)にて、波長430nmの第2高調波が発生さ
れる。
【0006】上述のような非線形光学結晶において波長
変換を行う際には、基本波及び第2高調波の位相整合が
必要である。上記KNbO3結晶の場合、図8に示すよ
うに、基本波を波長860nmとし、第2高調波を波長
430nmとした場合、これら基本波および第2高調波
は、a軸方向に伝搬し、基本波の偏光方向をa軸に直交
するb軸方向とすることにより、波長860nmにおけ
るb軸方向の屈折率nb(λ=860nm)を感じて伝
搬する。また、第2高調波は、偏光方向をa軸及びb軸
に直交するc軸方向とすることにより、波長430nm
におけるc軸方向の屈折率nc(λ=430nm)を感
じて伝搬する。これら基本波及び第2高調波の偏光方向
についての屈折率が、以下の〔表1〕に示すように、室
温(例えば22°C)において、互いに同一となること
により(nb(λ=860nm)=nc(λ=430n
m)=2.277)、これら基本波と第2高調波につい
ての屈折率を一致させる屈折率整合により両者光波の位
相整合をなすタイプの位相整合が行われ、波長変換が行
われる。
【0007】
【表1】
【0008】これに対し、光軸と結晶の電気的主軸とが
適当な角度をなすこととなる方向に基本波を伝搬させて
位相整合をとる角度同調位相整合においては、いわゆる
ウォークオフ効果により、第2高調波のビームが基本波
から次第に離れていき、変換効率が良くない。また、こ
の角度同調位相整合においては、角度ずれに対する許容
範囲が小さい欠点がある。上記屈折率整合の場合には、
ウォークオフ効果を除去できるだけでなく、位相整合か
らのずれの許容範囲が広い利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記文
献に述べられているような、上記図7に示したリング型
共振器構造においては、上記KNbO3結晶102中に
おいてリング型の共振器が構成されるようにするために
は、このKNbO3結晶102の入出力両端面102
a,102bの球面研磨について、角度許容度が狭く、
精度良く作製することが困難であり、個々のばらつきが
問題となる。
【0010】また、このリング型共振器構造において
は、上記KNbO3結晶に入射される基本波のビーム形
状が円形であるとすれば、このKNbO3結晶中を伝搬
する基本波のビーム形状は、入射端の屈折により楕円形
になってしまい、さらに、出射端から出力される第2高
調波は、その端面での屈折により、ビーム形状がさらに
長い楕円形になる。したがって、このリング型共振器構
造を有する波長変換装置においては、ビーム形状が円形
状の第2高調波を得ることは難しい。
【0011】また、上記図6に示したリング型共振器構
造は、文献(T.Senoh et.al,"Direct modulation of bl
ue radiation from frequency-doubled AlGaAs laser d
iodeusing the electro-optic effect in a KNbO3 nonl
inear crystal",Appl.Phys.Lett.,60(10),9,pp.1172-11
74,1992)において述べられているものであるが、この
外部共振器構造では、共振器自体が大きくなってしま
い、小型化が要請されるという観点からは望ましくはな
いものである。また、この外部共振器構造では、各ミラ
ー101,103,104,105の位置調整(アライ
メント)が煩雑、かつ、困難である。
【0012】さらに、図9に示すように、上記KNbO
3結晶102の前後に、一対のミラー101,103を
互いに対向させて配置した共振器構造や、図10に示す
ように、上記KNbO3結晶102の前後面部に反射膜
を被着形成して前後一対のミラー101,103とした
共振器構造が考えられる。これらの共振器構造の場合、
共振器内部において、基本波は、前方より後方、及び、
後方より前方の2方向に伝幡し、それぞれの方向につい
て第2高調波を発生する。そのため、この共振器におい
ては、この共振器に入射される基本波の逆方向の第2高
調波発生により該基本波に損失が生じ、基本波の共振器
内の内部パワーが低減され、第2高調波発生効率が低下
してしまう。
【0013】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであり、小型、かつ、アライメントが容易
な共振器の提供という課題を解決し、また、この共振器
を用いることによって、第2高調波を高効率に発生でき
出力ビームの安定性に優れた波長変換器の提供という課
題を解決しようとするものである。さらに、本発明は、
上記本発明に係る波長変換装置を用いて、光学記録媒体
に対して高密度の情報信号の書き込み及び読み出しが行
える光学ピックアップ装置の提供という課題を解決しよ
うとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る共振器は、互いに反射面を対向させて
配設された一対のミラーと、これらミラーの間に配設さ
れた非線形光学結晶と、この非線形光学結晶と一方のミ
ラーとの間及び該非線形光学結晶と他方のミラーとの間
のそれぞれに配設された対をなす4分の1波長板とを備
えたものである。
【0015】また、本発明に係る波長変換装置は、互い
に反射面を対向させ配設された一対のミラーとこれらミ
ラーの間に配設された非線形光学結晶とこの非線形光学
結晶と一方のミラーとの間及び該非線形光学結晶と他方
のミラーとの間のそれぞれに配設された対をなす4分の
1波長板とからなる共振器と、この共振器の一方のミラ
ーの裏面よりこのミラーを透過させて上記非線形光学結
晶に対して円偏光状態の基本波を入射させる光源手段と
を備え、上記非線形光学結晶より他方のミラーを透過さ
せて上記基本波の整数倍の周波数を有する高調波を出射
させることとしたものである。
【0016】さらに、本発明は、上記波長変換装置にお
いて、上記光源手段は、直線偏光状態の光束を発する光
源と、この光源より発せられた光束が透過されこの光束
を円偏光状態の基本波とする4分の1波長板とから構成
されていることとしたものである。
【0017】また、本発明は、上記波長変換装置におい
て、上記ミラーは、4分の1波長板の外側面上に基本波
に対して高反射である材料が被着形成されたコーティン
グ膜であることとしたものである。
【0018】そして、本発明は、上記波長変換装置にお
いて、上記光源手段を構成する光源とλ/4板との間
に、該光源より発せられた光束が透過される偏光ビーム
スプリッタを配設したものである。
【0019】また本発明は、上記波長変換装置におい
て、上記共振器に入射される基本波の共振器から偏光ビ
ームスプリッタへ戻る戻り光を該偏光ビームスプリッタ
を介して検出する光検出器と、この光検出器よりの出力
信号に応じて上記光源の発する光束の波長を上記共振器
の共振波長に一致させる光源制御手段とを設けたもので
ある。
【0020】そして、本発明は、上記波長変換装置にお
いて、光源手段から発せられる基本波のビーム径を共振
器内において絞る結合レンズを設けるとともに、上記各
ミラーの互いに対向する反射面を球面としたものであ
る。
【0021】また、本発明は、上記波長変換装置におい
て、上記光源は、半導体レーザであることとしたもので
ある。
【0022】また、本発明は、上記波長変換装置におい
て、上記非線形光学結晶は、ニオブ酸カリウム(KNb
3)結晶であることとしたものである。
【0023】そして、本発明に係る光学ピックアップ装
置は、互いに反射面を対向させ配設された一対のミラー
とこれらミラーの間に配設された非線形光学結晶とこの
非線形光学結晶と一方のミラーとの間及び該非線形光学
結晶と他方のミラーとの間のそれぞれに配設された対を
なす4分の1波長板とからなる共振器と、この共振器の
一方のミラーの裏面よりこのミラーを透過させて上記非
線形光学結晶に対して円偏光状態の基本波を入射させる
光源手段と、該非線形光学結晶より他方のミラーを透過
して出射された該基本波の整数倍の周波数を有する高調
波を光学記録媒体の信号記録面上に集光させる対物レン
ズと、この対物レンズにより該信号記録面上に集光され
た該高調波の該信号記録面による反射波を検出する光検
出器とを備えたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0025】本発明に係る共振器は、図1に示すよう
に、非線形光学結晶13と、この非線形光学結晶の前後
に互いに反射面を対向させて配設された一対のミラー1
4,15と、対をなす二つの4分の1波長(λ/4)板
16,17とからなる。一方の4分の1波長板17は、
上記非線形光学結晶13と一方のミラー(前側ミラー)
15との間に配設されている。また、他方の4分の1波
長板16は、上記非線形光学結晶13と他方のミラー
(後側ミラー)14との間に配設されている。
【0026】上記非線形光学結晶13は、高調波発生に
おける位相整合法のタイプの位相整合をなす結晶、例え
ば、ニオブ酸カリウム(KNbO3)結晶とする。二つ
のミラー14,15は、例えば、誘電体多層膜が表面に
施されたミラーであって、基本波に対して高反射率を有
するミラーである。また、前側のミラー15は、高調波
に対しては低反射率を有するミラーである。したがっ
て、上記非線形光学結晶13で発生した高調波は、上記
前側のミラー15をほぼ通過する。さらに、上記各4分
の1波長(λ/4)板16,17は、基本波に対して、
位相差π/2を生じさせる光学素子である。
【0027】そして、この共振器に光源手段が組み合わ
されることにより、本発明に係る波長変換装置が構成さ
れる。上記光源手段は、光源となる半導体レーザ11
と、この半導体レーザ11より発せられる直線偏光状態
の光束を円偏光状態の基本波とする4分の1波長(λ/
4)板18とから構成されている。
【0028】この波長変換装置において、上記半導体レ
ーザ11から出射された直線偏光状態の光束は、上記共
振器内にビームウェストを形成するための結合レンズ1
2を通過し、さらに、上記4分の1波長(λ/4)板1
8を通過し、円偏光状態の基本波に変換される。この基
本波は上記後側ミラー14を透過して共振器内部に入射
し、後側の4分の1波長(λ/4)板16を通過して直
線偏光状態となり、非線形光学結晶13に入射される。
【0029】このとき、上記非線形光学結晶13に入射
された基本波の直線偏光の方向は、上述した図8に示す
ように、高調波(第2高調波)が発生する基本波の偏光
方向、すなわち、b軸方向である。そして、上記非線形
光学結晶13は、基本波の波長に対して、高調波発生効
率のよい位相整合となる温度に、例えば、ペルチェ素子
等により、温度制御していることが望ましい。これによ
り、上記基本波が上記非線形光学結晶13内を通過する
ときに、高調波が発生する。
【0030】さらに、上記非線形光学結晶13から前側
に出射される基本波及び発生した高調波は、前側の4分
の1波長(λ/4)板17を通過することにより、基本
波は円偏光になり、高調波はほぼ直線偏光で出射され
る。そして、上記前側ミラー15により、上記基本波は
ほとんどが反射され、高調波はこの前側ミラー15をほ
ぼ通過して、上記共振器の前側外部へ出力される。
【0031】一方、上記前側ミラー15により反射され
た基本波は、再び上記前側4分の1波長(λ/4)板1
7を通過して直線偏光状態になり、上記非線形光学結晶
13に再び入射される。このとき、基本波の偏光方向
は、上記後側ミラー14側から上記前側ミラー15側へ
向かって(前側に向かって)伝搬する基本波の偏光方向
とは直交する偏光方向である。したがって、この方向
(後側に向かう方向)に伝搬する基本波から高調波は発
生せず、この基本波は、上記非線形光学結晶13からそ
のまま高調波を発生せず通過する。
【0032】さらに、上記非線形光学結晶13から後側
に出力された基本波は、上記後側4分の1波長(λ/
4)板16を通過すると、再び円偏光状態になり、上記
後側ミラー14においてほとんどが反射され、一部はこ
の後側ミラー14を通過して共振器の外部(後方側)へ
出力される。上記後側ミラー14で反射され基本波は、
上述した動作と同様に再び上記共振器内を伝搬する。こ
のようにして、上記基本波は、上記共振器の内部を往復
伝搬し、共振により該共振器内部の基本波パワーを高
め、高効率に高調波を発生する。
【0033】この共振器の構造によれば、上記非線形光
学結晶13内の基本波の伝搬においては、片方向、すな
わち、上記後側ミラー14側から上記前側ミラー15側
への伝搬方向のみにて高調波が発生し、その逆方向への
基本波の伝搬においては高調波は発生されない。ここ
で、もし、このような逆方向の基本波の伝搬においても
高調波が発生したならば、該基本波は高調波発生により
減衰してしまい、これにより、該基本波の共振器内部パ
ワーが低減される。したがって、本発明に係る共振器の
構造により、基本波の共振器内部パワーをさほど低減せ
ずに、片方向のみについて効率よく高調波を出力でき
る。
【0034】ここで、上記各ミラー14,15の誘電体
多層膜の反射率については、基本波の共振器内部パワー
を高める観点から、まず、前側ミラー15においては、
基本波に対してはできる限り100%に近い反射率が望
ましく、また高調波に対しては共振器外部への出力効率
の観点から反射率がほぼ0%に近いことが望ましい。一
方、上記後側ミラー14においては、高調波発生による
基本波の減衰を考慮して、基本波の共振器内部パワーが
最も大きくなる反射率、例えば90%乃至95%程度が
望ましい。また、非線形光学結晶13の入出射両端面は
無反射コーティングされていることが望ましい。
【0035】また、上記非線形光学結晶13内を伝搬す
る基本波ビームの大きさは、高調波発生効率がビームサ
イズが小さいほど大きいことから、小さいことが望まし
い。したがって、上記各ミラー14,15の反射面の形
状は、上記共振器内部の基本波パワーを高めるには往復
伝搬するそれぞれの基本波ビームのマッチングが必要で
あることから、共焦点型共振器を構成する凹面の球面で
あることが望ましい。ただし、上記各ミラー14,15
の反射面は、平面であってもよい。
【0036】また、上記前側及び後側の4分の1波長
(λ/4)板17,16の両面は、反射があることは望
ましくなく、これら両面は、無反射コーティングされて
いることが望ましい。
【0037】このような構成を有する本発明に係る共振
器は、小型で、アライメントが非常に簡単で、また、高
効率に高調波を発生できる。しかも、この共振器を用い
た波長変換装置において出力される高調波は、ビーム形
状が円形で、また、安定に出力されるものとなってい
る。
【0038】そして、本発明に係る共振器及び波長変換
装置は、図2及び図3に示すように、上記各ミラー1
4,15と上記各4分の1波長(λ/4)板16,17
とを一体的に構成してもよい。すなわち、この場合に
は、上記各ミラー14,15は、凸球面状に形成された
上記各4分の1波長(λ/4)板16,17の一主面部
(前方側及び後方側に向かう面)上に高反射率の材料が
被着形成されたコーティング膜として形成されている。
なお、上記各4分の1波長(λ/4)板16,17の上
記非線形光学結晶13に対向する側の主面部は、平面と
なされている。このように平面状となされた上記各4分
の1波長(λ/4)板16,17の上記非線形光学結晶
13に対向する側の主面部は、無反射コーティングがな
されていることが望ましい。
【0039】この場合にも、上記後側ミラー14となる
コーティング膜の反射率は、上述の図1において示した
後側ミラー14の反射率と同等である。また、上記前側
ミラー15となるコーティング膜の反射率は、上述の図
1において示した前側ミラー15の反射率と同等であ
る。
【0040】このように、上記各ミラー14,15をコ
ーティング膜により形成した共振器の構造でも、図1に
より示した共振器と同様の効果が得られ、非常にコンパ
クトな共振器が構成できる。
【0041】次に、本発明に係る波長変換装置の全体構
成の一例を図4に示す。この図4に示す波長変換装置に
おいて、基本波を発生する光源は例えば半導体レーザ1
1で、この半導体レーザ11から発せられる直線偏光の
拡散光束は、コリメートレンズ52によりコリメートさ
れて平行光束となされた後、ビーム整形プリズム19,
20によりビーム整形され、2分の1波長(λ/2)板
21によって偏光方向を調整された後、アイソレータ5
3に入射される。
【0042】上記アイソレータ53は、共振器などから
の戻り光により光源の不安定動作を除去するために配置
する。このアイソレータ53を通過した光束は、結合レ
ンズ12により収束され、2分の1波長(λ/2)板2
2によって偏光方向を調整され、偏光ビームスプリッタ
(PBS)54を通過し、その後、上記4分の1波長
(λ/4)板18を通過して直線偏光から円偏光に偏光
状態を変換される。そして、この光束は、基本波とし
て、上記共振器に入射される。
【0043】上記共振器は、上述したように、この共振
器内部で上記基本波が共振することにより、高調波を出
力する。また、この共振器から逆方向(半導体レーザ1
1側)に戻る基本波の共振光は、上記4分の1波長(λ
/4)板18により、上記半導体レーザ11より発せら
れてこの4分の1波長(λ/4)板18に達する光束の
偏光方向と直交する方向の直線偏光状態に変換されるの
で、上記偏光ビームスプリッタ54の反射面により反射
され、集光レンズ24、2分の1波長(λ/2)板2
5、偏光ビームスプリッタ(PBS)26、及び、4分
の1波長(λ/4)板27を経て、光検出器(PD)2
8により検出される。
【0044】上記光検出器28は、受光した光強度に応
じた電気信号を出力する。この電気信号は、共振器の共
振状態をモニタするために用いられる。例えば、文献
(R.W.P.Drever et.al,"Laser Phase and Frequency St
abilization Using an OpticalResonator",Appl.Phys.
B,31,pp.97-105,1983)に述べられているように、半導
体レーザ11の発光波長を上記共振器の共振周波数に一
致させるように電気的負帰還を行うことにより、上記基
本波の波長を上記共振器の共振ピーク周波数に常時一致
させ、共振の安定化を図ることができる。このような負
帰還は、上記電気信号をRFアンプ29を経てミキサ3
0に送り、また、このミキサ30にRF信号源31より
の信号を供給し、このミキサ30の出力を上記半導体レ
ーザ11に帰還することにより行うことができる。
【0045】このような構成により、基本波から高調波
への波長変換が行われる。そして、この波長変換装置に
おいては、共振器が小型であり、この共振器が直線系で
あるので出力される高調波のビーム形状は良好な円形で
あり、電気的負帰還などにより基本波波長を共振器の共
振周波数に一致させることによって安定で高効率な波長
変換を行うことができる。
【0046】そして、図5に示すように、このような波
長変換装置より出力された高調波を、対物レンズ33に
より、例えば光ディスクの如き光学記録媒体34上に集
光させることにより、この光学記録媒体34に対する高
密度の情報信号の書き込み及び読み出しを行うことがで
きる。
【0047】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る共振器は、
共焦点型の直線系の共振器であるので、小型、かつ、ア
ライメントが非常に簡単で精度良く構成できる。したが
って、この共振器と半導体レーザの如き光源とを組合わ
せ、この共振器内の非線形光学結晶からなる波長変換素
子とにより、第2高調波を発生させる場合には、再現性
よく高効率に第2高調波を発生できる。
【0048】また、上記共振器は、直線系の共振器であ
るために、ビーム形状が円形で非常に安定で優れた第2
高調波を高効率に発生させることができる。
【0049】すなわち、本発明は、小型、かつ、アライ
メントが容易な共振器を提供し、また、この共振器を用
いることによって、第2高調波を高効率に発生でき出力
ビームの安定性に優れた波長変換器を提供することがで
きるものである。
【0050】さらに、本発明は、上記本発明に係る波長
変換装置を用いて、光学記録媒体に対して高密度の情報
信号の書き込み及び読み出しが行える光学ピックアップ
装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共振器を用いた波長変換装置の構
成を示す側面図である。
【図2】本発明に係る共振器を用いた波長変換装置の構
成の他の例を示す側面図である。
【図3】上記共振器の構成を示す側面図である。
【図4】上記波長変換装置の全体の構成を示すブロック
図である。
【図5】本発明に係る光学ピックアップ装置の構成を示
す側面図である。
【図6】従来の波長変換装置を構成する共振器の構成の
第1の例を示す側面図である。
【図7】従来の波長変換装置を構成する共振器の構成の
第2の例を示す側面図である。
【図8】ニオブ酸カリウム結晶における高調波の発生を
説明する斜視図である。
【図9】従来の波長変換装置を構成する共振器の構成の
第3の例を示す側面図である。
【図10】従来の波長変換装置を構成する共振器の構成
の第4の例を示す側面図である。
【符号の説明】
11 半導体レーザ、12 結合レンズ、13 非線形
光学結晶、14,15ミラー、16,17,18 4分
の1波長(λ/4)板、28 光検出器、53 光アイ
ソレータ、54 偏光ビームスプリッタ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに反射面を対向させて配設された一
    対のミラーと、 上記各ミラーの間に配設された非線形光学結晶と、 上記非線形光学結晶と一方のミラーとの間及び該非線形
    光学結晶と他方のミラーとの間のそれぞれに配設された
    対をなす4分の1波長板とを備えた共振器。
  2. 【請求項2】 互いに反射面を対向させ配設された一対
    のミラーと、これらミラーの間に配設された非線形光学
    結晶と、この非線形光学結晶と一方のミラーとの間及び
    該非線形光学結晶と他方のミラーとの間のそれぞれに配
    設された対をなす4分の1波長板とからなる共振器と、 上記共振器の一方のミラーの裏面よりこのミラーを透過
    させて上記非線形光学結晶に対して円偏光状態の基本波
    を入射させる光源手段とを備え、 上記非線形光学結晶より他方のミラーを透過させて上記
    基本波の整数倍の周波数を有する高調波を出射させるこ
    ととした波長変換装置。
  3. 【請求項3】 前記光源手段は、直線偏光状態の光束を
    発する光源と、この光源より発せられた光束が透過され
    この光束を円偏光状態の基本波とする4分の1波長板と
    から構成されていることとなされた請求項2記載の波長
    変換装置。
  4. 【請求項4】 前記ミラーは、4分の1波長板の外側面
    上に基本波に対して高反射である材料が被着形成された
    コーティング膜であることとなされた請求項2記載の波
    長変換装置。
  5. 【請求項5】 前記光源手段を構成する光源とλ/4板
    との間に、該光源より発せられた光束が透過される偏光
    ビームスプリッタが配設されていることとなされた請求
    項3記載の波長変換装置。
  6. 【請求項6】 共振器に入射される基本波の、共振器か
    ら偏光ビームスプリッタへ戻る戻り光を該偏光ビームス
    プリッタを介して検出する光検出器と、 上記光検出器よりの出力信号に応じて、光源の発する光
    束の波長を上記共振器の共振波長に一致させる光源制御
    手段とを備えた請求項5記載の波長変換装置。
  7. 【請求項7】 前記光源手段から発せられる基本波のビ
    ーム径を共振器内において絞る結合レンズを有するとと
    もに、各ミラーの互いに対向する反射面が球面であるこ
    ととなされた請求項2記載の波長変換装置。
  8. 【請求項8】 前記光源は、半導体レーザであることと
    なされた請求項2記載の波長変換装置。
  9. 【請求項9】 前記非線形光学結晶は、ニオブ酸カリウ
    ム結晶であることとなされた請求項2記載の波長変換装
    置。
  10. 【請求項10】 互いに反射面を対向させ配設された一
    対のミラーと、これらミラーの間に配設された非線形光
    学結晶と、この非線形光学結晶と一方のミラーとの間及
    び該非線形光学結晶と他方のミラーとの間のそれぞれに
    配設された対をなす4分の1波長板とからなる共振器
    と、 上記共振器の一方のミラーの裏面よりこのミラーを透過
    させて上記非線形光学結晶に対して円偏光状態の基本波
    を入射させる光源手段と、 上記非線形光学結晶より他方のミラーを透過して出射さ
    れた上記基本波の整数倍の周波数を有する高調波を光学
    記録媒体の信号記録面上に集光させる対物レンズと、 上記対物レンズにより上記信号記録面上に集光された上
    記高調波の該信号記録面による反射波を検出する光検出
    器とを備えた光学ピックアップ装置。
JP31236896A 1996-11-22 1996-11-22 共振器、波長変換装置及び光学ピックアップ装置 Abandoned JPH10153805A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001056491A (ja) * 1999-08-18 2001-02-27 Japan Atom Energy Res Inst レーザー光の波長変換法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001056491A (ja) * 1999-08-18 2001-02-27 Japan Atom Energy Res Inst レーザー光の波長変換法
JP4719918B2 (ja) * 1999-08-18 2011-07-06 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 レーザー光の波長変換法

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