JPH10152809A - 人工芝生およびその製造方法 - Google Patents

人工芝生およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10152809A
JPH10152809A JP27209897A JP27209897A JPH10152809A JP H10152809 A JPH10152809 A JP H10152809A JP 27209897 A JP27209897 A JP 27209897A JP 27209897 A JP27209897 A JP 27209897A JP H10152809 A JPH10152809 A JP H10152809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic layer
sheet
elastic
base cloth
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27209897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3876060B2 (ja
Inventor
Yoshihisa Mizumoto
善久 水本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP27209897A priority Critical patent/JP3876060B2/ja
Publication of JPH10152809A publication Critical patent/JPH10152809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3876060B2 publication Critical patent/JP3876060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な接地感および排水性を長期間維持でき
る人工芝生を提供する。 【解決手段】 この人工芝生10は、弾性層13を設け
た基布12にパイル14をタフト(植設)したものから
なり、弾性層13は厚み方向に透水性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人工芝生およびその
製造方法に係り、さらに詳しく言えば、良好な接地感お
よび排水性を長期間維持できる人工芝生およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばテニスコート,ゲートボー
ルコート,サッカーグラウンドなどを施工するにあたっ
ては、導入コスト,維持コストが安価である人工芝生が
多用されている。ここで、人工芝生とは、面状の基布に
パイル(人工芝葉片)が多数植設されたものを指し、用
途に応じてパイル間にデッキブラシや回転ブラシを用い
て目砂などの粒状充填材が充填される。
【0003】ところで、従来より、天然芝生に近似した
良好な接地感が得られる人工芝生が各種提案されてい
て、例えば繊維基材にシート状弾性材を接合することに
より基布を形成し、この基布におけるシート状弾性材側
にパイルをタフトした人工芝生が提案されている(特開
平8−109610号公報参照:従来例)。この従来例
によれば、シート状弾性材により天然芝生により近似し
た適度な接地感が長期間維持できるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来例にお
いて、シート状弾性材は、圧縮回復性のある緩衝材とし
て作用するために、比較的低密度な多孔質である必要性
が謳われていて、例えばポリプロピレン,ポリエチレ
ン,エチレン,エチレンー酢酸ビニール共重合体,ポリ
スチレン,ポリ塩化ビニールあるいは各種エラストマー
などの合成樹脂発泡体や天然ゴム,スチレンブタジエン
ゴム,クロロプレンゴムなどのゴム質体やゴム発泡体,
低繊維フィラメントからなるウェブをボンディングした
嵩高不織布などが例示されている。
【0005】しかしながら、このようなシート状弾性材
は、独立気泡すなわち内部に多数形成された気泡が個々
に独立しているため透水性に乏しい。このため、前述し
た人工芝生は、良好な排水性が得られず、散水時,降雨
時などに芝面に水溜まりが生じる、いわゆる水はけが悪
いという問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題を解決す
るためになされたもので、その目的は、良好な接地感を
有しながらも排水性を長期間維持できる人工芝生および
その人工芝生の好適な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、弾性層が設けられた基布と、上記基布に
対して上記弾性層側に植設されたパイルとを有する人工
芝生であって、上記弾性層が厚み方向に透水性を有して
いることを特徴としている。
【0008】このように本発明によれば、弾性層が厚み
方向に透水性を有しているため、従来の人工芝生のよう
に、良好な接地感を長期間維持できる代わりに水はけが
悪いという問題を解消できることになり、これにより上
記目的が達成される。
【0009】なお、基布としては、従来の人工芝生に用
いられている基布が採用でき、前述したパイルを固定す
るために裏面にバッキング材として接着剤が塗布されて
いる場合には、そのバッキング材に所定間隔で貫通孔を
形成しておけばよい。
【0010】また、パイル(人工芝葉片)としては、合
成樹脂あるいは天然繊維をストレート形状あるいはカー
ル形状などに形成しておけばよく、モノフィラメントタ
イプおよびマルチフィラメントタイプの選択やスプリッ
ト加工,捲縮加工および着色加工などの有無も任意であ
る。
【0011】さらに、弾性層としては、基布に沿って粒
状の弾性材を敷設したもの、あるいは基布に積層される
シート状の弾性材などが採用可能であるが、いずれにし
てもその厚み方向に水が通過できるものであればよい。
なお、弾性層としてシート状の弾性材を用いる場合に
は、その表裏に透水性が得られるような凹凸,溝等を形
成したり、あるいは別の素材を埋設してもよい。
【0012】そして、弾性材としては、例えばNR(天
然ゴム),SBR(スチレンーブタジエン共重合ゴ
ム),CR(クロロプレンゴム),ウレタンなどの各種
ゴムや、ポリエチレン,ポリ塩化ビニール,ナイロン,
PET(ポリエチレンテレフタレート),PBT(ポリ
ブチレンテレフタレート),ポリプロピレン,ポリエチ
レンの各種合成樹脂などが採用でき、これらを単体ある
いは重合体として発泡させ、その内部に多数形成される
気泡同士を連続的に連通させればよい。
【0013】この連続気泡を有する弾性層によれば、弾
性層の厚み方向に透水性を有するだけではなく、その連
続気泡内に散水や降雨による水が保持(保水)されるた
め、競技関係者などの踏み圧によりその水が芝面に滲み
出すことになり、例えば競技者が芝面をスライディング
しても、競技者の皮膚に合成樹脂製のパイルによる火傷
が生じ難いことになる。
【0014】さらに、上記パイル間の上記弾性層上に粒
状充填材を充填し、いわゆる砂入り人工芝生としてもよ
い。その充填材としては、例えば目砂,ゴムチップ,コ
ルクなどの単体あるいは混合体が採用でき、その形状,
平均粒径,配合比率,充填量などを適宜選択して所望の
充填層を設ければよい。
【0015】これによれば、より一層の良好な接地感が
得られることになる。特に、競技用スパイクによる充填
層の突き固めが弾性層の弾性により抑制され、施工時に
得られた良好な接地感を長期間維持できることになる。
【0016】また、上記弾性層がシート状の弾性材によ
り形成されていることが好ましく、これによれば、この
シート状の弾性材をあらかじめ基布に対して積層してお
き、次いで、パイルを基布に対して弾性材を貫通するよ
うにタフトすることにより、芝面全域にわたって良好、
かつ、均一な接地感が得られることになる。
【0017】本発明において、弾性層は必ずしもそれ自
体が固有的に透水性を有しているものに限られない。す
なわち、弾性層は非透水性のシート状弾性材であっても
よく、この場合には、基布にパイルをタフティングする
前あるいは後に、例えば加熱した金属棒をその非透水性
のシート状弾性材の厚み方向に溶融貫通させて透水孔を
設ければよい。
【0018】このように非透水性のシート状弾性材に人
工的に透水孔を穿設する場合、その透水孔の大きさを面
積で言えば、1個当たり0.15〜150mmの範囲
とされる。好ましくは、直径が0.5〜10mmのほぼ
円形孔であるとよい。直径が0.5mm未満の場合には
排水効果が期待できず、反対に直径が10mmを超える
と弾性材の抜け部分が大きくなり、部分的に接地感が異
なってしまうおそれがあるので好ましくない。
【0019】なお、透水孔のより好ましい大きさは直径
で1〜5mmの範囲であり、これによれば排水性が良好
であるとともに、タフトされたパイルの先端に不揃いな
どが生ぜず、整然とした芝面が得られる。
【0020】また、単位面積当たりで見ると、透水孔の
個数は2〜200個/mで、かつ、透水孔の合計面積
は30〜30000mm/mであることが好まし
く、より最適を望むならば合計面積で100〜5000
mm/mの範囲がよく、これによれば芝面全体とし
て均一な接地感が得られるとともに、パイルの植え付け
具合が安定し、また、排水性も良好である。なお、この
透水孔は基布にまで貫通してもよい。
【0021】この人工芝生を製造するにあたって、本発
明では、基布とシート状弾性材とをそれらの間に接合手
段を介在させることなく単に重ね合わせてタフト部に送
り込み、同タフト部において葉片としてのパイルを上記
基布側から上記シート状弾性材を貫通するようにタフト
して、上記基布とシート状弾性材とを一体化することを
特徴としている。
【0022】この製造方法によれば、パイルのタフト工
程において基布とシート状弾性材とが一体化されるた
め、あらかじめ基布とシート状弾性材とを接着剤などで
接合させる必要がなく、工程の合理化が図れる。
【0023】なお、この製造方法において、シート状弾
性材が非透水性である場合には、パイルのタフト前もし
くはタフト後に、例えば加熱した金属棒にて同シート状
弾性材に透水孔を穿設することになるが、パイルの植設
強度やパイル先端の斉一性の点からすれば、タフト後に
透水孔を穿設することが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の技術的思想をより
よく理解するうえで、図面を参照しながら、その好適な
実施の形態について説明する。
【0025】図1に示すように、本実施例における人工
芝生10は、例えばコンクリート,アスファルト,転圧
砕石などの基礎地面11上に敷設されるもので、合成樹
脂繊維を平織した基布12と、この基布12に沿って設
けられた所定厚みを有する弾性層13と、弾性層13を
貫通して基布12に植設されたパイル14とを含んで構
成されている。
【0026】この場合、弾性層13には、例えばNR
(天然ゴム),SBR(スチレンーブタジエン共重合ゴ
ム),CR(クロロプレンゴム),ウレタンなどの各種
ゴムや、ポリエチレン,ポリ塩化ビニール,ナイロン,
PET(ポリエチレンテレフタレート),PBT(ポリ
ブチレンテレフタレート),ポリプロピレン,ポリエチ
レンなどの各種合成樹脂を単体あるいは重合体として発
泡させることによりシート状に形成された弾性材15が
採用されている。
【0027】図2に示すように、このシート状弾性材1
5には、内部の気泡20同士が連通する連続気泡21が
多数設けられていて、これらの連続気泡21により、こ
のシート状弾性材15はその厚み方向に透水性を有して
いる。
【0028】この実施例において、シート状弾性材15
は、基布12に対して接着剤を用いて固定されている
が、パイル14を基布12にタフティングする際、シー
ト状弾性材15および基布12をパイル14により重ね
縫いするようにして一体的に積層固定することが好まし
く、その製造方法を図3に基づいて説明する。
【0029】すなわち、基材供給部31、タフト部32
および巻き取り部33を備え、基材供給部31におい
て、上下一対の送りローラ311,311により、基布
12とシート状弾性材15とが、それぞれその原反ロー
ル12a,15aから巻き出されてタフト部32に送り
込まれる。この例では、送りローラ311,311間で
基布12がシート状弾性材15の上側となるように両者
が重ね合わされた状態で、タフト部32に送り込まれ
る。
【0030】タフト部32には、パイル14を基布12
側、すなわちこの例では上側からタフトするニードル3
21と、シート状弾性材15の下側に配置され、ニード
ル321と作用してパイル14のループを形成するルー
パー322とが設けられていて、このタフト部32にお
いて、パイル14が基布12側からシート状弾性材15
を貫通してタフトされるとともに、基布12とシート状
弾性材15とがパイル14にて縫い合わせられるように
して一体化される。
【0031】このようにして、弾性層13を有する基布
12と、この基布12に対してその弾性層13側に植設
されたパイル14とを有する人工芝生10が製造され、
その後、この人工芝生10は所定長ごとにカッター32
3にて切断され、巻き取り部33に送られる。
【0032】巻き取り部33において、人工芝生10は
最終的に製品ローラ331に巻き取られるが、タフト部
32からその製品ローラ331に至る搬送経路には、基
材供給部31との間で、人工芝生10の基材に所定の張
力を与えるローラ群が設けられている。
【0033】この実施例において、このローラ群は、所
定の間隔をもって配置された左右一対のガイドローラ3
33,333と、それらの間においてほぼU字状の搬送
経路を形成するように配置されたテンションローラ33
2とからなり、このテンションローラ332により、人
工芝生10の基材に所定の張力がかけられるようになさ
れている。このテンションローラ332はいわゆるダン
サーローラなどであってよい。なお、上記の基材供給部
31、タフト部32および巻き取り部33の構成は一例
を示したもので、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0034】シート状弾性材15が非透水性である場合
には、図示しない例えば加熱した金属棒にてシート状弾
性材15に透水孔が開けられることになる。その孔開け
は原反ロール15aから送りローラ311,311に至
るまでの間、その送りローラ311,311からタフト
部32に至るまでの間、もしくはパイル14をタフトし
た後のいずれかにおいて行なわれることになるが、パイ
ル14の植設強度やパイル先端の斉一性の点からすれ
ば、タフト後に透水孔を穿設することが好ましく、その
場合には、基布12にも透水孔が開けられることにな
る。
【0035】また、パイル14を固定するために基布1
2の裏面(図3においては上面)にバッキング材として
接着剤を塗布する場合には、バッキング材を塗布した
後、そのバッキング材が完全に乾燥する前もしくは完全
に乾燥した後、そのバッキング材をも貫通するように透
水孔を形成すればよい。
【0036】もっとも、この製造方法と異なり、基布1
2とシート状弾性材15とをあらかじめ接着剤などにて
固定したものをタフト部32に送り込んでパイル14を
タフトしてもよいことはもちろんである。また、弾性層
13は、粒状の弾性材を基布12に沿って所定の厚みに
敷設することにより設けてもよい。
【0037】この実施例において、人工芝生10は、基
礎地面11上に敷設された後、パイル14間に目砂など
の粒状充填材16がデッキブラシにより充填され、これ
により充填層17が形成されている。
【0038】なお、この粒状充填材16としては、目砂
以外に例えばプラスチック粒,ゴム粒あるいはコルク粒
を単体あるいは混合して用いてもよい。本発明において
は、これらのような粒状充填材16を用いたいわゆる砂
入り人工芝生を含めて人工芝生と呼ぶ。
【0039】本実施例の人工芝生10によれば、基布1
2に沿って弾性層13が設けられているため、先に例示
した従来の人工芝生と同様に、良好な接地感を長期間維
持できるうえに、弾性層13が厚み方向に透水性を有し
ているため、従来の人工芝生に比較して、散水時あるい
は降雨後に良好な水はけが得られ、水溜まりなどが生じ
ない。
【0040】また、本実施例の人工芝生10によれば、
シート状の弾性材15内に連続気泡21を有しているた
め、散水あるいは降雨による水がその連続気泡21内に
保持される。したがって、図1(B)に示すように、競
技者の踏圧にて弾性層13が部分的に押し潰されること
により、水が連続気泡21内からパイル14間に滲み出
し、これにより競技者がスライディングしたとしても、
パイル14との摩擦による火傷を負うことがない。
【0041】さらに、この人工芝生10は、パイル14
間に粒状充填材16が充填されているため、パイル14
間に粒状充填材16を充填しない場合に比較して、一層
良好な接地感が得られる。
【0042】特に、本実施例における粒状充填材16
は、競技者により踏みつけられても、その下部に存在し
ている弾性層13の弾性により粒状充填材16の硬化が
防げられ、適度なクッション性が保持されるという効果
がある。
【0043】本実施例の人工芝生10は、弾性層13が
シート状の弾性材15により形成されているため、弾性
層13を粒状の弾性材により形成する場合に比較して、
この弾性材15をあらかじめ基布12に対して適宜な手
段により積層した状態で固定しておけば、芝面全域にわ
たって良好、かつ、均一な接地感が得られるとともに、
施工現場における作業を簡略化できる。
【0044】なお、本発明において、パイル14のタフ
ト後に基布12の裏面にバッキング材を塗布するかどう
かは任意の選択事項である。透水性およびコスト面から
すればバッキング材を設けない方が好ましい。しかしな
がら、他方において、パイル14の保持強度などを高め
る必要性からバッキング材を設ける場合には、透水性を
確保するため、バッキング材に透水孔を設ければよい。
【0045】
【実施例】次に、弾性層の材質,基布に対する弾性層の
固定方法および各種充填材の有無を選択して実際に人工
芝生10を施工し、G1−G(経時変化による着地衝撃
感の変化),(K1−K)/K(散水,降雨による接地
感の変化),外観性,排水性,イレギュラ性,スライデ
ィング性および加工性を測定,調査し、これらに基づい
て総合評価したので、表1に基づいて説明する。
【0046】
【表1】
【0047】なお、各実施例および各比較例におけるパ
イル14は、450デニールのナイロン製モノフィラメ
ント糸16本を一束とし、5/16Ge(5/16イン
チ),5.0St(5本/インチ)の条件で基布12に
タフトした。
【0048】また、G1−G(経時変化による着地衝撃
感の変化),(K1−K)/K(散水,降雨による接地
感の変化)は、人工芝生10の施工にあたって、パイル
間に充填材16をブラシにより充填した後に芝面のばね
定数Kと最大衝撃加速度Gとを測定しておき、次に所定
の締め固め機により芝面を10000回圧縮した後に測
定した最大衝撃加速度G1と、6時間雨天にさらした後
に測定したばね定数K1とに基づいて算出し、算出値が
小さいものほど良好であるとした。ここで、最大衝撃加
速度は、JIS−A6519の試験方法に基づいて測定
している。
【0049】外観性は、競技者などの試験者が観察し、
5…天然芝生の外観性に近似していることを基準とする
5段階に評価した。排水性は、芝面を6時間雨天にさら
した後に試験者が観察し、5…極めて良好,1…不良と
する5段階に評価した。イレギュラ性は、ばね定数Kの
測定時にボールを所定高さから芝面に規定回数落下さ
せ、イレギュラーの発生回数に基づいて5…全く発生し
ない,1…頻発するの5段階に評価した。
【0050】スライディング性は、競技者が実際に芝面
をスライディングし、5…良好,1…不良とする5段階
に評価した。そして、加工性の評価は、人工芝生の施工
する複数の作業者が5…良好,1…不良とする5段階に
評価した結果の平均値を示した。
【0051】(実施例1)連続気泡21が形成された発
泡ゴムチップを基布12に接着して弾性層13を設けた
結果、G1−Gが1,(K1−K)/Kが0.1,外観
性・排水性が5,イレギュラ性・スライディング性・加
工性が3であり、総合評価が○評価となった。
【0052】(実施例2)連続気泡21が形成された発
泡塩化ビニールチップを基布12に接着して弾性層13
を設けた結果、G1−Gが1,(K1−K)/Kが0.
1,外観性・排水性が5,イレギュラ性・スライディン
グ性・加工性が3であり、総合評価が○評価となった。
【0053】(実施例3)連続気泡21が形成された発
泡ゴムチップを基布12に接着して弾性層13を設ける
とともに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−
Gが2,(K1−K)/Kが0.2,外観性・排水性・
スライディング性が5,イレギュラ性・加工性が3であ
り、総合評価が◎〜○評価となった。
【0054】(実施例4)連続気泡21が形成された発
泡ゴムシートを基布12に接着して弾性層13を設ける
とともに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−
Gが2,(K1−K)/Kが0.15,外観性・排水性
・スライディング性・イレギュラ性が5,加工性が4で
あり、総合評価が◎評価となった。
【0055】(実施例5)連続気泡21が形成された発
泡ゴムシートを基布12に重ね合わせてパイル14をタ
フトして基布12に弾性層13を固定するとともに、パ
イル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが2,(K
1−K)/Kが0.15,外観性・排水性・スライディ
ング性・イレギュラ性が5,加工性が4.5であり、総
合評価が◎評価となった。
【0056】(実施例6)連続気泡21が形成された発
泡ポリエチレンシートを基布12に重ね合わせてパイル
14をタフトして基布12に弾性層13を固定するとと
もに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが
2,(K1−K)/Kが0.15,外観性・排水性・ス
ライディング性・イレギュラ性が5,加工性が4.5で
あり、総合評価が◎評価となった。
【0057】(実施例7)内部に独立気泡が形成された
吸水率4.5%の発泡ポリエチレンシートを基布12に
重ね合わせてパイル14をタフトして基布12に弾性層
13を固定した人工芝生に、その基布12および弾性層
13を貫通するように加熱棒により、平均直径3.6m
mの透水孔を、1m当たり200個の割合(約200
0mm/m)で形成するとともに、パイル14間に
目砂を充填した結果、G1−Gが2,(K1−K)/K
が0.15,外観性・排水性・スライディング性・イレ
ギュラ性が5,加工性が4.5であり、総合評価が◎評
価となった。
【0058】(比較例1)基布12に植設されたパイル
14間にゴムチップを充填した結果、G1−Gが4,
(K1−K)/Kが0.5,外観性・スライディング性
が1,排水性が3,イレギュラ性が2,加工性が5であ
り、総合評価が△評価となった。
【0059】(比較例2)基布12に植設されたパイル
14間に目砂を充填した結果、G1−Gが10,(K1
−K)/Kが4,外観性・排水性が3,イレギュラ性・
加工性が5,スライディング性が1であり、総合評価が
△評価となった。
【0060】(比較例3)独立気泡が形成された発泡ゴ
ムシートを基布12に接着して弾性層13を設けた結
果、G1−Gが1,(K1−K)/Kが0.1,外観性
・イレギュラ性が5,排水性・スライディング性が1,
加工性が4.5であり、総合評価が△評価となった。
【0061】以上の評価により、実施例1ないし実施例
7は、基布12に沿って弾性層13が設けられているた
め、比較例1および比較例2に比較してG1−Gの値が
格段に向上していることが確認された。
【0062】そして、実施例1ないし実施例6は、弾性
層13が連続気泡21を有する弾性材により構成されて
いるため、比較例3に比較して排水性が向上しており、
また、実施例7によれば、独立気泡のものであっても透
水孔を形成することにより、連続気泡のものと同様の排
水性が得られることが分かった。
【0063】また、実施例3ないし実施例7は、パイル
14間に粒状充填材が充填されているため、芝面の摩擦
が天然芝生に近似するとともに弾性層13との相乗効果
により充填層17の突き固めが抑制され、実施例1およ
び実施例2に比較してG1−G・(K1−K)/Kの値
およびスライディング性の評価が向上することが分かっ
た。
【0064】さらに、実施例4ないし実施例7は、弾性
層13がシート状の弾性材15により設けられているた
め、人工芝生全体にわたって均一な平坦性が得られる。
また、実施例5ないし実施例7は、弾性層13がパイル
14のタフトにより基布12に固定されているため、接
着工程が必要ないなどの理由により加工性が向上し、結
果として優れた総合評価を得られることが分かった。
【0065】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば弾性層,基布,パイル,連続気
泡,粒状充填材,弾性材などの材質,形状,寸法,形
態,数,配置個所などは本発明を達成できるものであれ
ば任意であり、本発明を達成できる範囲での改良,変形
などは本発明に含まれるものである。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
弾性層が設けられた基布にパイルをタフト(植設)して
なる人工芝生において、弾性層が厚み方向に透水性を有
していることにより、良好な接地感および排水性を長期
間維持することができる。
【0067】弾性層として、連続気泡を有するものを用
いることにより、水が連続気泡内に保持されるため、芝
面をスライディングする競技者が火傷を負う可能性が低
いとともに、弾性層に透水用の孔を別途穿設加工を施す
必要がない。
【0068】なお、弾性層は非透水性のシート状弾性材
であってもよく、この場合には、基布にパイルをタフテ
ィングする前あるいは後に、例えば加熱した金属棒をそ
の非透水性のシート状弾性材の厚み方向に溶融貫通させ
て透水孔を設ければよい。
【0069】パイル間の弾性層上に粒状充填材を充填す
ることにより、一層良好な接地感が得られるとともに、
弾性層との相乗効果により充填層の突き固めが抑制さ
れ、施工時に得られた良好な接地感を長期間維持でき
る。
【0070】弾性層にシート状の弾性材を用いることに
より、芝面全域にわたって良好、かつ、均一な接地感が
得られるとともに、施工作業を簡略化できる。
【0071】この人工芝生を製造するにあたって、基布
とシート状弾性材とをそれらの間に接合手段を介在させ
ることなく単に重ね合わせてタフト部に送り込み、同タ
フト部において葉片としてのパイルを基布側からシート
状弾性材を貫通するようにタフトして、基布とシート状
弾性材とを一体化することにより、あらかじめ基布とシ
ート状弾性材とを接着剤などで接合させる必要がなく、
工程の合理化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】連続気泡を示す弾性材の拡大断面図である。
【図3】本発明の人工芝生製造方法を説明するための模
式図である。
【符号の説明】
10 人工芝生 12 基布 13 弾性層 14 パイル 15 弾性材 16 粒状充填材 21 連続気泡 32 タフト部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性層が設けられた基布と、上記基布に
    対して上記弾性層側に植設されたパイルとを有する人工
    芝生であって、上記弾性層が厚み方向に透水性を有して
    いることを特徴とする人工芝生。
  2. 【請求項2】 上記弾性層が連続気泡を有していること
    を特徴とする請求項1に記載した人工芝生。
  3. 【請求項3】 上記パイル間の上記弾性層上に粒状充填
    材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載し
    た人工芝生。
  4. 【請求項4】 上記弾性層がシート状の弾性材により形
    成されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    した人工芝生。
  5. 【請求項5】 上記弾性層が非透水性の弾性シート材か
    らなり、同弾性シート材に透水孔が穿設されていること
    を特徴とする請求項1,3または4に記載した人工芝
    生。
  6. 【請求項6】 基布とシート状弾性材とをそれらの間に
    接合手段を介在させることなく単に重ね合わせてタフト
    部に送り込み、同タフト部において葉片としてのパイル
    を上記基布側から上記シート状弾性材を貫通するように
    タフトして、上記基布とシート状弾性材とを一体化する
    ことを特徴とする人工芝生の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記シート状弾性材が非透水性であり、
    上記パイルのタフト後に、同シート状弾性材に透水孔が
    穿設されることを特徴とする請求項6に記載した人工芝
    生の製造方法。
JP27209897A 1996-09-24 1997-09-18 人工芝生およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3876060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27209897A JP3876060B2 (ja) 1996-09-24 1997-09-18 人工芝生およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-272955 1996-09-24
JP27295596 1996-09-24
JP27209897A JP3876060B2 (ja) 1996-09-24 1997-09-18 人工芝生およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10152809A true JPH10152809A (ja) 1998-06-09
JP3876060B2 JP3876060B2 (ja) 2007-01-31

Family

ID=26550030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27209897A Expired - Fee Related JP3876060B2 (ja) 1996-09-24 1997-09-18 人工芝生およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3876060B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003119713A (ja) * 2001-10-16 2003-04-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd 人工芝構造体および人工芝競技場
JP2007126850A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Nippon Field System Kk 人工芝とそれを用いた人工芝グランドの施工方法
WO2008072073A2 (en) * 2006-12-14 2008-06-19 Italgreen S.P.A. A synthetic turf mat, a synthetic turf structure including the mat, and a manufacturing method of the mat
WO2012165871A2 (ko) * 2011-05-31 2012-12-06 코오롱글로텍주식회사 인조잔디 구조체 및 이의 제조방법 및 제조장치
CN115139364A (zh) * 2022-09-02 2022-10-04 江苏瑞格人造草坪有限公司 一种人造草坪打孔装置
US11624159B1 (en) 2016-01-08 2023-04-11 Sprinturf, LLC Non-perforated artificial turf with porous backing and methods of manufacture thereof

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003119713A (ja) * 2001-10-16 2003-04-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd 人工芝構造体および人工芝競技場
JP2007126850A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Nippon Field System Kk 人工芝とそれを用いた人工芝グランドの施工方法
WO2008072073A2 (en) * 2006-12-14 2008-06-19 Italgreen S.P.A. A synthetic turf mat, a synthetic turf structure including the mat, and a manufacturing method of the mat
WO2008072073A3 (en) * 2006-12-14 2008-08-21 Italgreen S P A A synthetic turf mat, a synthetic turf structure including the mat, and a manufacturing method of the mat
WO2012165871A2 (ko) * 2011-05-31 2012-12-06 코오롱글로텍주식회사 인조잔디 구조체 및 이의 제조방법 및 제조장치
WO2012165871A3 (ko) * 2011-05-31 2013-02-07 코오롱글로텍주식회사 인조잔디 구조체 및 이의 제조방법 및 제조장치
CN103403257A (zh) * 2011-05-31 2013-11-20 可隆科技特(株) 人造草皮结构和装置及其制备方法
CN103403257B (zh) * 2011-05-31 2015-11-25 可隆科技特(株) 人造草皮结构和装置及其制备方法
US11624159B1 (en) 2016-01-08 2023-04-11 Sprinturf, LLC Non-perforated artificial turf with porous backing and methods of manufacture thereof
CN115139364A (zh) * 2022-09-02 2022-10-04 江苏瑞格人造草坪有限公司 一种人造草坪打孔装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3876060B2 (ja) 2007-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2597364C (en) Synthetic grass turf and related manufacturing method
EP2011919B1 (en) Flooring material and methods of manufacture
EP1255894B1 (en) Artificial turf system
JP4903726B2 (ja) 人工芝生システム
US20060093783A1 (en) Synthetic turf
ZA200504959B (en) Artificial turf and method for manufacturing thereof
HU227351B1 (en) Synthetic grass
US20230145157A1 (en) Artificial turf
WO2006075241A1 (en) Mat, in particular for synthetic turf, synthetic turf structure including the mat, and mat manufacturing method and apparatus
JP7006019B2 (ja) 人工芝
JPH10152809A (ja) 人工芝生およびその製造方法
EP1379733A1 (en) Tennis surface
JPH11222804A (ja) 人工芝
KR100495477B1 (ko) 골프그린용 인조잔디 구조체
KR20200090420A (ko) 백코팅층이 부분적으로 형성된 인조잔디 및 그의 제조방법
JP2024021890A (ja) 透水性人工芝及び透水性人工芝の製造方法
JP2000290916A (ja) 人工芝生
JPH02266007A (ja) 人工芝構造体
JPH11280018A (ja) 人工芝生およびその製造方法と人工芝生用基材
JPH02217501A (ja) 芝様部材
JPH0259242B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040518

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060522

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061030

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees