JP3876060B2 - 人工芝生およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工芝生およびその製造方法に係り、さらに詳しく言えば、良好な接地感および排水性を長期間維持できる人工芝生およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばテニスコート,ゲートボールコート,サッカーグラウンドなどを施工するにあたっては、導入コスト,維持コストが安価である人工芝生が多用されている。ここで、人工芝生とは、面状の基布にパイル(人工芝葉片)が多数植設されたものを指し、用途に応じてパイル間にデッキブラシや回転ブラシを用いて目砂などの粒状充填材が充填される。
【0003】
ところで、従来より、天然芝生に近似した良好な接地感が得られる人工芝生が各種提案されていて、例えば繊維基材にシート状弾性材を接合することにより基布を形成し、この基布におけるシート状弾性材側にパイルをタフトした人工芝生が提案されている(特開平8−109610号公報参照:従来例)。この従来例によれば、シート状弾性材により天然芝生により近似した適度な接地感が長期間維持できるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来例において、シート状弾性材は、圧縮回復性のある緩衝材として作用するために、比較的低密度な多孔質である必要性が謳われていて、例えばポリプロピレン,ポリエチレン,エチレン,エチレンー酢酸ビニール共重合体,ポリスチレン,ポリ塩化ビニールあるいは各種エラストマーなどの合成樹脂発泡体や天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴムなどのゴム質体やゴム発泡体,低繊維フィラメントからなるウェブをボンディングした嵩高不織布などが例示されている。
【0005】
しかしながら、このようなシート状弾性材は、独立気泡すなわち内部に多数形成された気泡が個々に独立しているため透水性に乏しい。このため、前述した人工芝生は、良好な排水性が得られず、散水時,降雨時などに芝面に水溜まりが生じる、いわゆる水はけが悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、良好な接地感を有しながらも排水性を長期間維持できる人工芝生およびその人工芝生の好適な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基布と、連続気泡により厚み方向に透水性を有するシート状弾性材とをそれらの間に接合手段を介在させることなく単に重ね合わせてタフト部に送り込み、上記タフト部において葉片としてのパイルを上記基布側から上記シート状弾性材を貫通するようにタフトして、上記基布とシート状弾性材とを一体化することを特徴としている。
【0008】
この製造方法によれば、パイルのタフト工程において基布とシート状弾性材とが一体化されるため、あらかじめ基布とシート状弾性材とを接着剤などで接合させる必要がなく、工程の合理化が図れる。
【0009】
なお、この製造方法において、透水性のシート状弾性材に代えて非透水性のシート状弾性材が用いられる場合には、パイルのタフト後に、例えば加熱した金属棒にて上記非透水性のシート状弾性材に透水孔を穿設すればよい。
【0010】
このように本発明によれば、弾性層が厚み方向に透水性を有しているため、従来の人工芝生のように、良好な接地感を長期間維持できる代わりに水はけが悪いという問題を解消できることになり、これにより上記目的が達成される。
【0011】
なお、基布としては、従来の人工芝生に用いられている基布が採用でき、前述したパイルを固定するために裏面にバッキング材として接着剤が塗布されている場合には、そのバッキング材に所定間隔で貫通孔を形成しておけばよい。
【0012】
また、パイル(人工芝葉片)としては、合成樹脂あるいは天然繊維をストレート形状あるいはカール形状などに形成しておけばよく、モノフィラメントタイプおよびマルチフィラメントタイプの選択やスプリット加工,捲縮加工および着色加工などの有無も任意である。
【0013】
そして、シート状弾性材としては、例えばNR(天然ゴム),SBR(スチレンーブタジエン共重合ゴム),CR(クロロプレンゴム),ウレタンなどの各種ゴムや、ポリエチレン,ポリ塩化ビニール,ナイロン,PET(ポリエチレンテレフタレート),PBT(ポリブチレンテレフタレート),ポリプロピレン,ポリエチレンの各種合成樹脂などが採用でき、これらを単体あるいは重合体として発泡させ、その内部に多数形成される気泡同士を連続的に連通させればよい。
【0014】
この連続気泡を有するシート状弾性材よりなる弾性層によれば、弾性層の厚み方向に透水性を有するだけではなく、その連続気泡内に散水や降雨による水が保持(保水)されるため、競技関係者などの踏み圧によりその水が芝面に滲み出すことになり、例えば競技者が芝面をスライディングしても、競技者の皮膚に合成樹脂製のパイルによる火傷が生じ難いことになる。
【0015】
さらに、上記パイル間の上記弾性層上に粒状充填材を充填し、いわゆる砂入り人工芝生としてもよい。その充填材としては、例えば目砂,ゴムチップ,コルクなどの単体あるいは混合体が採用でき、その形状,平均粒径,配合比率,充填量などを適宜選択して所望の充填層を設ければよい。
【0016】
これによれば、より一層の良好な接地感が得られることになる。特に、競技用スパイクによる充填層の突き固めが弾性層の弾性により抑制され、施工時に得られた良好な接地感を長期間維持できることになる。
【0017】
また、上記シート状の弾性材をあらかじめ基布に対して積層しておき、次いで、パイルを基布に対して弾性材を貫通するようにタフトするようにしたことにより、芝面全域にわたって良好、かつ、均一な接地感が得られることになる。
【0018】
また、非透水性のシート状弾性材に人工的に透水孔を穿設する場合、その透水孔の大きさを面積で言えば、1個当たり0.15〜150mm2の範囲とされる。好ましくは、直径が0.5〜10mmのほぼ円形孔であるとよい。直径が0.5mm未満の場合には排水効果が期待できず、反対に直径が10mmを超えると弾性材の抜け部分が大きくなり、部分的に接地感が異なってしまうおそれがあるので好ましくない。
【0019】
なお、透水孔のより好ましい大きさは直径で1〜5mmの範囲であり、これによれば排水性が良好であるとともに、タフトされたパイルの先端に不揃いなどが生ぜず、整然とした芝面が得られる。
【0020】
また、単位面積当たりで見ると、透水孔の個数は2〜200個/m2で、かつ、透水孔の合計面積は30〜30000mm2/m2であることが好ましく、より最適を望むならば合計面積で100〜5000mm2/m2の範囲がよく、これによれば芝面全体として均一な接地感が得られるとともに、パイルの植え付け具合が安定し、また、排水性も良好である。なお、この透水孔は基布にまで貫通してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の技術的思想をよりよく理解するうえで、図面を参照しながら、その好適な実施の形態について説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施例における人工芝生10は、例えばコンクリート,アスファルト,転圧砕石などの基礎地面11上に敷設されるもので、合成樹脂繊維を平織した基布12と、この基布12に沿って設けられた所定厚みを有する弾性層13と、弾性層13を貫通して基布12に植設されたパイル14とを含んで構成されている。
【0023】
この場合、弾性層13には、例えばNR(天然ゴム),SBR(スチレンーブタジエン共重合ゴム),CR(クロロプレンゴム),ウレタンなどの各種ゴムや、ポリエチレン,ポリ塩化ビニール,ナイロン,PET(ポリエチレンテレフタレート),PBT(ポリブチレンテレフタレート),ポリプロピレン,ポリエチレンなどの各種合成樹脂を単体あるいは重合体として発泡させることにより、シート状に形成された弾性材15が採用されている。
【0024】
図2に示すように、このシート状弾性材15には、内部の気泡20同士が連通する連続気泡21が多数設けられていて、これらの連続気泡21により、このシート状弾性材15はその厚み方向に透水性を有している。
【0025】
本発明において、シート状弾性材15は、パイル14を基布12にタフティングする際、シート状弾性材15および基布12をパイル14により重ね縫いするようにして一体的に積層固定され、その製造方法を図3に基づいて説明する。
【0026】
すなわち、基材供給部31、タフト部32および巻き取り部33を備え、基材供給部31において、上下一対の送りローラ311,311により、基布12とシート状弾性材15とが、それぞれその原反ロール12a,15aから巻き出されてタフト部32に送り込まれる。この例では、送りローラ311,311間で基布12がシート状弾性材15の上側となるように両者が重ね合わされた状態で、タフト部32に送り込まれる。
【0027】
タフト部32には、パイル14を基布12側、すなわちこの例では上側からタフトするニードル321と、シート状弾性材15の下側に配置され、ニードル321と作用してパイル14のループを形成するルーパー322とが設けられていて、このタフト部32において、パイル14が基布12側からシート状弾性材15を貫通してタフトされるとともに、基布12とシート状弾性材15とがパイル14にて縫い合わせられるようにして一体化される。
【0028】
このようにして、弾性層13を有する基布12と、この基布12に対してその弾性層13側に植設されたパイル14とを有する人工芝生10が製造され、その後、この人工芝生10は所定長ごとにカッター323にて切断され、巻き取り部33に送られる。
【0029】
巻き取り部33において、人工芝生10は最終的に製品ローラ331に巻き取られるが、タフト部32からその製品ローラ331に至る搬送経路には、基材供給部31との間で、人工芝生10の基材に所定の張力を与えるローラ群が設けられている。
【0030】
この実施例において、このローラ群は、所定の間隔をもって配置された左右一対のガイドローラ333,333と、それらの間においてほぼU字状の搬送経路を形成するように配置されたテンションローラ332とからなり、このテンションローラ332により、人工芝生10の基材に所定の張力がかけられるようになされている。このテンションローラ332はいわゆるダンサーローラなどであってよい。なお、上記の基材供給部31、タフト部32および巻き取り部33の構成は一例を示したもので、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
シート状弾性材15が非透水性である場合には、図示しない例えば加熱した金属棒にてシート状弾性材15に透水孔が開けられることになる。その孔開けは原反ロール15aから送りローラ311,311に至るまでの間、その送りローラ311,311からタフト部32に至るまでの間、もしくはパイル14をタフトした後のいずれかにおいて行なわれることになるが、パイル14の植設強度やパイル先端の斉一性の点からすれば、タフト後に透水孔を穿設することが好ましく、その場合には、基布12にも透水孔が開けられることになる。
【0032】
また、パイル14を固定するために基布12の裏面(図3においては上面)にバッキング材として接着剤を塗布する場合には、バッキング材を塗布した後、そのバッキング材が完全に乾燥する前もしくは完全に乾燥した後、そのバッキング材をも貫通するように透水孔を形成すればよい。
【0033】
この実施例において、人工芝生10は、基礎地面11上に敷設された後、パイル14間に目砂などの粒状充填材16がデッキブラシにより充填され、これにより充填層17が形成されている。
【0034】
なお、この粒状充填材16としては、目砂以外に例えばプラスチック粒,ゴム粒あるいはコルク粒を単体あるいは混合して用いてもよい。本発明においては、これらのような粒状充填材16を用いたいわゆる砂入り人工芝生を含めて人工芝生と呼ぶ。
【0035】
本実施例の人工芝生10によれば、基布12に沿ってシート状弾性材15からなる弾性層13が設けられているため、先に例示した従来の人工芝生と同様に、良好な接地感を長期間維持できるうえに、弾性層13が厚み方向に透水性を有しているため、従来の人工芝生に比較して、散水時あるいは降雨後に良好な水はけが得られ、水溜まりなどが生じない。
【0036】
また、本実施例の人工芝生10によれば、シート状の弾性材15内に連続気泡21を有しているため、散水あるいは降雨による水がその連続気泡21内に保持される。したがって、図1(B)に示すように、競技者の踏圧にて弾性層13が部分的に押し潰されることにより、水が連続気泡21内からパイル14間に滲み出し、これにより競技者がスライディングしたとしても、パイル14との摩擦による火傷を負うことがない。
【0037】
さらに、この実施例に係る人工芝生10は、パイル14間に粒状充填材16が充填されているため、パイル14間に粒状充填材16を充填しない場合に比較して、一層良好な接地感が得られる。
【0038】
特に、本実施例における粒状充填材16は、競技者により踏みつけられても、その下部に存在している弾性層13の弾性により粒状充填材16の硬化が防げられ、適度なクッション性が保持されるという効果がある。
【0039】
本実施例の人工芝生10は、弾性層13がシート状の弾性材15により形成されているとともに、このシート状弾性材15が基布12に対してタフトされるパイルにより一体的に固定されているため、弾性層13を粒状の弾性材により形成する場合に比較して、芝面全域にわたって良好、かつ、均一な接地感が得られるとともに、施工現場における作業を簡略化できる。
【0040】
なお、本発明において、パイル14のタフト後に基布12の裏面にバッキング材を塗布するかどうかは任意の選択事項である。透水性およびコスト面からすればバッキング材を設けない方が好ましい。しかしながら、他方において、パイル14の保持強度などを高める必要性からバッキング材を設ける場合には、透水性を確保するため、バッキング材に透水孔を設ければよい。
【0041】
【実施例】
次に、弾性層の材質,基布に対する弾性層の固定方法および各種充填材の有無を選択して実際に人工芝生10を施工し、G1−G(経時変化による着地衝撃感の変化),(K1−K)/K(散水,降雨による接地感の変化),外観性,排水性,イレギュラ性,スライディング性および加工性を測定,調査し、これらに基づいて総合評価したので、表1に基づいて説明する。
【0042】
【表1】
【0043】
なお、各実施例および各比較例におけるパイル14は、450デニールのナイロン製モノフィラメント糸16本を一束とし、5/16Ge(5/16インチ),5.0St(5本/インチ)の条件で基布12にタフトした。
【0044】
また、G1−G(経時変化による着地衝撃感の変化),(K1−K)/K(散水,降雨による接地感の変化)は、人工芝生10の施工にあたって、パイル間に充填材16をブラシにより充填した後に芝面のばね定数Kと最大衝撃加速度Gとを測定しておき、次に所定の締め固め機により芝面を10000回圧縮した後に測定した最大衝撃加速度G1と、6時間雨天にさらした後に測定したばね定数K1とに基づいて算出し、算出値が小さいものほど良好であるとした。ここで、最大衝撃加速度は、JIS−A6519の試験方法に基づいて測定している。
【0045】
外観性は、競技者などの試験者が観察し、5…天然芝生の外観性に近似していることを基準とする5段階に評価した。排水性は、芝面を6時間雨天にさらした後に試験者が観察し、5…極めて良好,1…不良とする5段階に評価した。イレギュラ性は、ばね定数Kの測定時にボールを所定高さから芝面に規定回数落下させ、イレギュラーの発生回数に基づいて5…全く発生しない,1…頻発するの5段階に評価した。
【0046】
スライディング性は、競技者が実際に芝面をスライディングし、5…良好,1…不良とする5段階に評価した。そして、加工性の評価は、人工芝生の施工する複数の作業者が5…良好,1…不良とする5段階に評価した結果の平均値を示した。
【0047】
(実施例1;参考例)
連続気泡21が形成された発泡ゴムチップを基布12に接着して弾性層13を設けた結果、G1−Gが1,(K1−K)/Kが0.1,外観性・排水性が5,イレギュラ性・スライディング性・加工性が3であり、総合評価が○評価となった。
【0048】
(実施例2;参考例)
連続気泡21が形成された発泡塩化ビニールチップを基布12に接着して弾性層13を設けた結果、G1−Gが1,(K1−K)/Kが0.1,外観性・排水性が5,イレギュラ性・スライディング性・加工性が3であり、総合評価が○評価となった。
【0049】
(実施例3;参考例)
連続気泡21が形成された発泡ゴムチップを基布12に接着して弾性層13を設けるとともに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが2,(K1−K)/Kが0.2,外観性・排水性・スライディング性が5,イレギュラ性・加工性が3であり、総合評価が◎〜○評価となった。
【0050】
(実施例4;参考例)
連続気泡21が形成された発泡ゴムシートを基布12に接着して弾性層13を設けるとともに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが2,(K1−K)/Kが0.15,外観性・排水性・スライディング性・イレギュラ性が5,加工性が4であり、総合評価が◎評価となった。
【0051】
(実施例5)
連続気泡21が形成された発泡ゴムシートを基布12に重ね合わせてパイル14をタフトして基布12に弾性層13を固定するとともに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが2,(K1−K)/Kが0.15,外観性・排水性・スライディング性・イレギュラ性が5,加工性が4.5であり、総合評価が◎評価となった。
【0052】
(実施例6)
連続気泡21が形成された発泡ポリエチレンシートを基布12に重ね合わせてパイル14をタフトして基布12に弾性層13を固定するとともに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが2,(K1−K)/Kが0.15,外観性・排水性・スライディング性・イレギュラ性が5,加工性が4.5であり、総合評価が◎評価となった。
【0053】
(実施例7)
内部に独立気泡が形成された吸水率4.5%の発泡ポリエチレンシートを基布12に重ね合わせてパイル14をタフトして基布12に弾性層13を固定した人工芝生に、その基布12および弾性層13を貫通するように加熱棒により、平均直径3.6mmの透水孔を、1m2当たり200個の割合(約2000mm2/m2)で形成するとともに、パイル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが2,(K1−K)/Kが0.15,外観性・排水性・スライディング性・イレギュラ性が5,加工性が4.5であり、総合評価が◎評価となった。
【0054】
(比較例1)
基布12に植設されたパイル14間にゴムチップを充填した結果、G1−Gが4,(K1−K)/Kが0.5,外観性・スライディング性が1,排水性が3,イレギュラ性が2,加工性が5であり、総合評価が△評価となった。
【0055】
(比較例2)
基布12に植設されたパイル14間に目砂を充填した結果、G1−Gが10,(K1−K)/Kが4,外観性・排水性が3,イレギュラ性・加工性が5,スライディング性が1であり、総合評価が△評価となった。
【0056】
(比較例3)
独立気泡が形成された発泡ゴムシートを基布12に接着して弾性層13を設けた結果、G1−Gが1,(K1−K)/Kが0.1,外観性・イレギュラ性が5,排水性・スライディング性が1,加工性が4.5であり、総合評価が△評価となった。
【0057】
以上の評価により、実施例1ないし実施例7は、基布12に沿って弾性層13が設けられているため、比較例1および比較例2に比較してG1−Gの値が格段に向上していることが確認された。
【0058】
そして、実施例1ないし実施例6は、弾性層13が連続気泡21を有する弾性材により構成されているため、比較例3に比較して排水性が向上しており、また、実施例7によれば、独立気泡のものであっても透水孔を形成することにより、連続気泡のものと同様の排水性が得られることが分かった。
【0059】
また、実施例3ないし実施例7は、パイル14間に粒状充填材が充填されているため、芝面の摩擦が天然芝生に近似するとともに弾性層13との相乗効果により充填層17の突き固めが抑制され、実施例1および実施例2に比較してG1−G・(K1−K)/Kの値およびスライディング性の評価が向上することが分かった。
【0060】
さらに、実施例4ないし実施例7は、弾性層13がシート状の弾性材15により設けられているため、人工芝生全体にわたって均一な平坦性が得られる。また、実施例5ないし実施例7は、弾性層13がパイル14のタフトにより基布12に固定されているため、接着工程が必要ないなどの理由により加工性が向上し、結果として優れた総合評価を得られることが分かった。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基布と、連続気泡により厚み方向に透水性を有するシート状弾性材とをそれらの間に接合手段を介在させることなく単に重ね合わせてタフト部に送り込み、上記タフト部において葉片としてのパイルを基布側からシート状弾性材を貫通するようにタフトして、基布とシート状弾性材とを一体化することにより、あらかじめ基布とシート状弾性材とを接着剤などで接合させる必要がなく、工程の合理化が図れるとともに、弾性層にシート状の弾性材を用いることにより、芝面全域にわたって良好、かつ、均一な接地感が得られるとともに、施工作業を簡略化できる。
【0062】
また、弾性層が厚み方向に透水性を有していることにより、良好な接地感および排水性を長期間維持することができる。
【0063】
弾性層として、連続気泡を有するものを用いることにより、水が連続気泡内に保持されるため、芝面をスライディングする競技者が火傷を負う可能性が低いとともに、弾性層に透水用の孔を別途穿設加工を施す必要がない。
【0064】
なお、弾性層は非透水性のシート状弾性材であってもよく、この場合には、基布にパイルをタフティングする前あるいは後に、例えば加熱した金属棒をその非透水性のシート状弾性材の厚み方向に溶融貫通させて透水孔を設ければよい。
【0065】
パイル間の弾性層上に粒状充填材を充填することにより、一層良好な接地感が得られるとともに、弾性層との相乗効果により充填層の突き固めが抑制され、施工時に得られた良好な接地感を長期間維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】連続気泡を示す弾性材の拡大断面図である。
【図3】本発明の人工芝生製造方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10 人工芝生
12 基布
13 弾性層
14 パイル
15 弾性材
16 粒状充填材
21 連続気泡
32 タフト部
Claims (3)
- 基布と、連続気泡により厚み方向に透水性を有するシート状弾性材とをそれらの間に接合手段を介在させることなく単に重ね合わせてタフト部に送り込み、上記タフト部において葉片としてのパイルを上記基布側から上記シート状弾性材を貫通するようにタフトして、上記基布とシート状弾性材とを一体化することを特徴とする人工芝生の製造方法。
- 上記連続気泡により厚み方向に透水性を有するシート状弾性材に代えて、非透水性のシート状弾性材が用いられる場合において、上記パイルのタフト後に、上記非透水性のシート状弾性材に透水孔が穿設されることを特徴とする請求項1に記載した人工芝生の製造方法。
- 請求項1または2により製造された人工芝生。
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