JPH10152773A - スパツタ装置及びスパツタ方法 - Google Patents
スパツタ装置及びスパツタ方法Info
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- JPH10152773A JPH10152773A JP8327551A JP32755196A JPH10152773A JP H10152773 A JPH10152773 A JP H10152773A JP 8327551 A JP8327551 A JP 8327551A JP 32755196 A JP32755196 A JP 32755196A JP H10152773 A JPH10152773 A JP H10152773A
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- plasma
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、均一でかつ安定した膜質の皮膜を成
膜し得るようにプラズマの状態を安定させるようにす
る。 【解決手段】本発明は、所定の反応ガスが供給された容
器内の所定間隔離れた位置に互いに対向するように配置
された基板及びターゲツト間に電位差を与えることによ
りプラズマを発生させるスパツタ装置において、ターゲ
ツト表面にエロージヨン領域を形成するための漏れ磁界
を発生させると共に、当該エロージヨン領域に形成され
たプラズマを圧縮する凸磁界を発生させるようにする。
膜し得るようにプラズマの状態を安定させるようにす
る。 【解決手段】本発明は、所定の反応ガスが供給された容
器内の所定間隔離れた位置に互いに対向するように配置
された基板及びターゲツト間に電位差を与えることによ
りプラズマを発生させるスパツタ装置において、ターゲ
ツト表面にエロージヨン領域を形成するための漏れ磁界
を発生させると共に、当該エロージヨン領域に形成され
たプラズマを圧縮する凸磁界を発生させるようにする。
Description
【0001】
以下の順序で本発明を説明する。 発明の属する技術分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 (1)本発明によるスパツタ装置の原理(図1〜図5) (2)本発明によるスパツタ装置の構成(図6及び図
7) (3)本発明によるスパツタ装置の動作 (4)本発明によるスパツタ装置の効果 (5)他の実施例 発明の効果
7) (3)本発明によるスパツタ装置の動作 (4)本発明によるスパツタ装置の効果 (5)他の実施例 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパツタ装置及び
スパツタ方法に関し、例えば反射膜を成膜するスパツタ
装置及びスパツタ方法に適用して好適なものである。
スパツタ方法に関し、例えば反射膜を成膜するスパツタ
装置及びスパツタ方法に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、スパツタ装置においては通常10-8
[Torr]台の超高真空に排気された真空チヤンバ内に円盤
形状の金属塊(シリコン塊)でなるターゲツトと加工対
象である基板とを所定の距離を介して互いに平行になる
ように配置し、真空チヤンバ内にArの不活性ガスを供
給し、当該ターゲツトを陰極、基板を陽極として当該タ
ーゲツト及び基板間に約 1000[V]程度の電位差を与え
る。
[Torr]台の超高真空に排気された真空チヤンバ内に円盤
形状の金属塊(シリコン塊)でなるターゲツトと加工対
象である基板とを所定の距離を介して互いに平行になる
ように配置し、真空チヤンバ内にArの不活性ガスを供
給し、当該ターゲツトを陰極、基板を陽極として当該タ
ーゲツト及び基板間に約 1000[V]程度の電位差を与え
る。
【0004】これにより、スパツタ装置はターゲツト及
び基板間にプラズマを発生させると共に、ターゲツト下
部に設けられた磁石によつて漏れ磁界を発生させ、真空
チヤンバ内でイオン化させたAr原子を漏れ磁界の発生
している部分のターゲツトに衝突させて当該ターゲツト
表面からSi原子を飛び出させ、その後O2 あるいはN
2 等の反応ガスを供給することによりSiO2 膜あるい
はSiNX 膜を基板表面に成膜するようにしている。
び基板間にプラズマを発生させると共に、ターゲツト下
部に設けられた磁石によつて漏れ磁界を発生させ、真空
チヤンバ内でイオン化させたAr原子を漏れ磁界の発生
している部分のターゲツトに衝突させて当該ターゲツト
表面からSi原子を飛び出させ、その後O2 あるいはN
2 等の反応ガスを供給することによりSiO2 膜あるい
はSiNX 膜を基板表面に成膜するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでかかる構成の
スパツタ装置においては、近年、装置自体の小型化に伴
つて真空チヤンバも小型化する傾向にある。このため、
基板とターゲツト間の距離、及び基板とチヤンバ壁間の
距離が狭まり、チヤンバ内に存在するシヤツタやガスの
噴出口等の小さな突起物とターゲツトとの間でプラズマ
が発生してしまうことがあり、基板とターゲツトとの間
で発生させたいプラズマの状態が不安定になるという問
題があつた。
スパツタ装置においては、近年、装置自体の小型化に伴
つて真空チヤンバも小型化する傾向にある。このため、
基板とターゲツト間の距離、及び基板とチヤンバ壁間の
距離が狭まり、チヤンバ内に存在するシヤツタやガスの
噴出口等の小さな突起物とターゲツトとの間でプラズマ
が発生してしまうことがあり、基板とターゲツトとの間
で発生させたいプラズマの状態が不安定になるという問
題があつた。
【0006】また、スパツタ装置においては真空チヤン
バが小型化しているので、成膜処理を連続して長時間行
うと真空チヤンバのチヤンバ壁温度も上がり易い。この
ため、スパツタ装置は真空チヤンバ内の雰囲気温度が変
化することにより、真空チヤンバ内部の状態が変化する
ので、基板の膜質を安定させることが難しいという問題
があつた。
バが小型化しているので、成膜処理を連続して長時間行
うと真空チヤンバのチヤンバ壁温度も上がり易い。この
ため、スパツタ装置は真空チヤンバ内の雰囲気温度が変
化することにより、真空チヤンバ内部の状態が変化する
ので、基板の膜質を安定させることが難しいという問題
があつた。
【0007】また、スパツタ装置においては真空チヤン
バ内に発生させたプラズマの表面のエツジ部分に波状の
うねり(以下、これを擾乱と呼ぶ)が生じており、この
擾乱によつてプラズマの状態が安定し難いという問題が
あつた。
バ内に発生させたプラズマの表面のエツジ部分に波状の
うねり(以下、これを擾乱と呼ぶ)が生じており、この
擾乱によつてプラズマの状態が安定し難いという問題が
あつた。
【0008】また、スパツタ装置においては真空チヤン
バ内に発生させたプラズマが漏れ磁界の生じている部分
に集まつてスパツタしてしまうことにより、ターゲツト
上のエロージヨン領域が漏れ磁界の生じている部分だけ
にかたよつてしまうという問題があつた。同時に、スパ
ツタ装置は漏れ磁界を生じさせるために用いられる希土
類磁石が高価であるためにコスト的に高くなつてしまう
という問題があつた。
バ内に発生させたプラズマが漏れ磁界の生じている部分
に集まつてスパツタしてしまうことにより、ターゲツト
上のエロージヨン領域が漏れ磁界の生じている部分だけ
にかたよつてしまうという問題があつた。同時に、スパ
ツタ装置は漏れ磁界を生じさせるために用いられる希土
類磁石が高価であるためにコスト的に高くなつてしまう
という問題があつた。
【0009】さらに、スパツタ装置は漏れ磁界の生じな
い部分のターゲツト表面に酸化物あるいは窒化物等の絶
縁層が積層され、当該絶縁層が帯電してしまうことによ
りアーキングが生じて正常な光学膜を成膜できないとい
う問題があつた。
い部分のターゲツト表面に酸化物あるいは窒化物等の絶
縁層が積層され、当該絶縁層が帯電してしまうことによ
りアーキングが生じて正常な光学膜を成膜できないとい
う問題があつた。
【0010】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、均一でかつ安定した膜質の皮膜を成膜し得るスパツ
タ装置及びスパツタ方法を提案しようとするものであ
る。
で、均一でかつ安定した膜質の皮膜を成膜し得るスパツ
タ装置及びスパツタ方法を提案しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、所定の反応ガスが供給された容器
内の所定間隔離れた位置に互いに対向するように配置さ
れた基板及びターゲツト間に電位差を与えることにより
プラズマを発生させるスパツタ装置において、ターゲツ
ト表面にエロージヨン領域を形成するための漏れ磁界を
発生させると共に、当該エロージヨン領域に形成された
プラズマを圧縮する凸磁界を発生させるようにする。こ
れにより、エロージヨン領域に形成されたプラズマの表
面を凸磁界によつて圧縮して擾乱をなくし、プラズマの
状態を安定させることができる。
め本発明においては、所定の反応ガスが供給された容器
内の所定間隔離れた位置に互いに対向するように配置さ
れた基板及びターゲツト間に電位差を与えることにより
プラズマを発生させるスパツタ装置において、ターゲツ
ト表面にエロージヨン領域を形成するための漏れ磁界を
発生させると共に、当該エロージヨン領域に形成された
プラズマを圧縮する凸磁界を発生させるようにする。こ
れにより、エロージヨン領域に形成されたプラズマの表
面を凸磁界によつて圧縮して擾乱をなくし、プラズマの
状態を安定させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
施例を詳述する。
【0013】(1)本発明によるスパツタ装置の原理 図1に示すように、1は全体としてプラズマ装置を示
し、真空チヤンバ2内に基板3とシリコンでなるターゲ
ツト4とが所定の距離を介して互いに平行に固定されて
いる。ここで、基板3は真空チヤンバ2の筐体部分に基
板ホルダ3Aを介してアース接地されてアノードとして
動作し、またターゲツト4はカソードとして動作するよ
うに形成されている。
し、真空チヤンバ2内に基板3とシリコンでなるターゲ
ツト4とが所定の距離を介して互いに平行に固定されて
いる。ここで、基板3は真空チヤンバ2の筐体部分に基
板ホルダ3Aを介してアース接地されてアノードとして
動作し、またターゲツト4はカソードとして動作するよ
うに形成されている。
【0014】このターゲツト4の下部には、中央の回転
軸部分にターゲツト側がN極となるようにマグネツト5
が配置され、当該マグネツト5を中心としてターゲツト
4の周端部分に沿つてターゲツト側がS極となるように
ドーナツ形状のマグネツト6が配置されている。この場
合、プラズマ装置1はマグネツト5及び6によつて発生
させた漏れ磁界7及び8によつてプラズマ中のAr原子
をターゲツト4に衝突させてSi原子を飛び出させ、真
空チヤンバ2内に供給された反応ガス例えばN2 ガスに
よつてSiNX 膜を、あるいはO2 ガスによつてSiO
2 膜を基板3の表面に成膜するようになされている。
軸部分にターゲツト側がN極となるようにマグネツト5
が配置され、当該マグネツト5を中心としてターゲツト
4の周端部分に沿つてターゲツト側がS極となるように
ドーナツ形状のマグネツト6が配置されている。この場
合、プラズマ装置1はマグネツト5及び6によつて発生
させた漏れ磁界7及び8によつてプラズマ中のAr原子
をターゲツト4に衝突させてSi原子を飛び出させ、真
空チヤンバ2内に供給された反応ガス例えばN2 ガスに
よつてSiNX 膜を、あるいはO2 ガスによつてSiO
2 膜を基板3の表面に成膜するようになされている。
【0015】また、プラズマ装置1は基板3とターゲツ
ト4との間の空間に、基板3及びターゲツト4の回転軸
を中心として傘状のAコイル9が設けられると共に、タ
ーゲツト4の下部に回転軸を中心としてドーナツ形状の
Bコイル10が設けられている。従つて、プラズマ装置
1においてはAコイル9及びBコイル10を通電させる
ことによりチヤンバ2の内側から外側に向かつて流れる
凸磁界11及び12を生じさせ、当該凸磁界11及び1
2によつてプラズマ13及び14をターゲツト4に押し
付けて圧縮するようになされている。
ト4との間の空間に、基板3及びターゲツト4の回転軸
を中心として傘状のAコイル9が設けられると共に、タ
ーゲツト4の下部に回転軸を中心としてドーナツ形状の
Bコイル10が設けられている。従つて、プラズマ装置
1においてはAコイル9及びBコイル10を通電させる
ことによりチヤンバ2の内側から外側に向かつて流れる
凸磁界11及び12を生じさせ、当該凸磁界11及び1
2によつてプラズマ13及び14をターゲツト4に押し
付けて圧縮するようになされている。
【0016】これにより、図2に示すようにプラズマ1
3及び14は、表面が圧縮されてエツジ部分に生じた擾
乱A及び擾乱Bがきれいなカーブ状に整えられてプラズ
マの状態が安定する。このとき、擾乱Aは凸磁界11及
び12によつて圧縮されて整えられ、擾乱Bは磁界7及
び8によつて圧縮されて整えられるようになされてい
る。
3及び14は、表面が圧縮されてエツジ部分に生じた擾
乱A及び擾乱Bがきれいなカーブ状に整えられてプラズ
マの状態が安定する。このとき、擾乱Aは凸磁界11及
び12によつて圧縮されて整えられ、擾乱Bは磁界7及
び8によつて圧縮されて整えられるようになされてい
る。
【0017】さらに、プラズマ装置1はAコイル9及び
Bコイル10を通電させることにより生じた凸磁界11
及び12に挟まれた空間にプラズマ15が発生して閉じ
込められ、当該プラズマ15に対向したターゲツト4中
央の表面部分、すなわちプラズマ13及び14によつて
はスパツタされない非エロージヨン領域をスパツタする
ようになされている。従つて、プラズマ装置1はプラズ
マ13及び14だけの場合に非エロージヨン領域に堆積
する酸化物あるいは窒化物をプラズマ15によつてスパ
ツタして絶縁層を除去することができ、これによりアー
キングを防止し得るようになされている。
Bコイル10を通電させることにより生じた凸磁界11
及び12に挟まれた空間にプラズマ15が発生して閉じ
込められ、当該プラズマ15に対向したターゲツト4中
央の表面部分、すなわちプラズマ13及び14によつて
はスパツタされない非エロージヨン領域をスパツタする
ようになされている。従つて、プラズマ装置1はプラズ
マ13及び14だけの場合に非エロージヨン領域に堆積
する酸化物あるいは窒化物をプラズマ15によつてスパ
ツタして絶縁層を除去することができ、これによりアー
キングを防止し得るようになされている。
【0018】ところで、図3に示すようにArの不活性
ガスだけでプラズマ13、14及び15を発生させたと
きのSi原子の発光強度は、波長ごとにそれぞれピーク
P1及びP2 をもつて存在する。一方、Arの不活性ガ
スだけで発生させたプラズマにO2 あるいはN2 の反応
ガスを適正量だけ供給して所望の厚さの皮膜を成膜する
ように反応性スパツタを行うと、SiとO2 あるいはN
2 とが化学反応することよりプラズマ中に存在するSi
原子の原子数が減少してしまう。
ガスだけでプラズマ13、14及び15を発生させたと
きのSi原子の発光強度は、波長ごとにそれぞれピーク
P1及びP2 をもつて存在する。一方、Arの不活性ガ
スだけで発生させたプラズマにO2 あるいはN2 の反応
ガスを適正量だけ供給して所望の厚さの皮膜を成膜する
ように反応性スパツタを行うと、SiとO2 あるいはN
2 とが化学反応することよりプラズマ中に存在するSi
原子の原子数が減少してしまう。
【0019】これにより、図4に示すように、Arの不
活性ガスで発生させたプラズマにO2 あるいはN2 の反
応ガスを供給した場合のSi原子の発光強度は、Arの
不活性ガスだけを供給した場合のSi原子の発光強度
(P1 、P2 )に比べて波長ごとにピークの下がつたピ
ークP3 及びP4 となる。従つて、スパツタ装置1は所
望の厚さの皮膜を成膜し得る適正量の反応ガスを供給し
たときのSi原子の発光強度であるピークP3 及びP4
のどちらか一方を基準(以下、これを基準発光強度PS
と呼ぶ)として設定し(P3 =PS )、この基準発光強
度PS に近づけるように反応ガスの供給量を調整するよ
うになされている。
活性ガスで発生させたプラズマにO2 あるいはN2 の反
応ガスを供給した場合のSi原子の発光強度は、Arの
不活性ガスだけを供給した場合のSi原子の発光強度
(P1 、P2 )に比べて波長ごとにピークの下がつたピ
ークP3 及びP4 となる。従つて、スパツタ装置1は所
望の厚さの皮膜を成膜し得る適正量の反応ガスを供給し
たときのSi原子の発光強度であるピークP3 及びP4
のどちらか一方を基準(以下、これを基準発光強度PS
と呼ぶ)として設定し(P3 =PS )、この基準発光強
度PS に近づけるように反応ガスの供給量を調整するよ
うになされている。
【0020】また、スパツタ装置1は2波長のピークP
3 及びP4 の発光強度比率に基づいて基準となる電子温
度TS (以下、これを基準電子温度と呼ぶ)を算出し、
当該基準電子温度TS に近づけるようにターゲツト4に
印加する電圧値を制御するようになされている。この場
合、スパツタ装置1において電子温度Tは、以下のよう
にして算出する。まず、Si原子の発光強度をI、粒子
数密度をn、遷移確率をA、プランク定数をh、光の振
動数をν、統計的重みをg、分配関数をZ、エネルギー
レベルの大きさをE、ボルツマン係数をkB とすると、
まず次式
3 及びP4 の発光強度比率に基づいて基準となる電子温
度TS (以下、これを基準電子温度と呼ぶ)を算出し、
当該基準電子温度TS に近づけるようにターゲツト4に
印加する電圧値を制御するようになされている。この場
合、スパツタ装置1において電子温度Tは、以下のよう
にして算出する。まず、Si原子の発光強度をI、粒子
数密度をn、遷移確率をA、プランク定数をh、光の振
動数をν、統計的重みをg、分配関数をZ、エネルギー
レベルの大きさをE、ボルツマン係数をkB とすると、
まず次式
【数1】 によつてSi原子の発光強度をIを求める。
【0021】ここで、jレベルからiレベルへの遷移と
j´レベルからi´レベルへの遷移による2つの波長の
線スペクトルの強度比率は次式
j´レベルからi´レベルへの遷移による2つの波長の
線スペクトルの強度比率は次式
【数2】 で表される。
【0022】以上の(1)及び(2)式より、アルゴン
プラズマにおける電子温度Tは4806Aと6965Aの2本の
波長の発光ピーク強度を測定し、両波長の強度比率R
(4806/6965)とすると、次式
プラズマにおける電子温度Tは4806Aと6965Aの2本の
波長の発光ピーク強度を測定し、両波長の強度比率R
(4806/6965)とすると、次式
【数3】 及び
【数4】 で表される。ここで、Kは温度を表す単位ケルビンであ
り、電子温度Tの温度範囲によつて用いられる式が異な
る。かくして、スパツタ装置1において電子温度Tは
(3)式あるいは(4)式によつて算出することがで
き、このようにして算出した電子温度Tを基準電子温度
TS に近づけるようにターゲツト4に印加する電圧値を
制御するようになされている。
り、電子温度Tの温度範囲によつて用いられる式が異な
る。かくして、スパツタ装置1において電子温度Tは
(3)式あるいは(4)式によつて算出することがで
き、このようにして算出した電子温度Tを基準電子温度
TS に近づけるようにターゲツト4に印加する電圧値を
制御するようになされている。
【0023】ところが実際上、図5(A)及び(B)に
示すように、スパツタ装置1において連続スパツタした
後のプラズマ13、14及び15中のSi原子の発光強
度のピークP3 (基準発光強度PS )は、数時間後には
真空チヤンバ2内の雰囲気温度の変化(温度上昇)に伴
つて発光強度のピークがΔI分だけ上がつたピークP3
´となつてしまう。そこで、スパツタ装置1は、まず発
光強度をΔI分だけ下げるように反応ガスの供給量を調
整して基準発光強度PS に近づけ、その後真空チヤンバ
2内の電子温度Tを算出し、当該電子温度Tを基準電子
温度TS に近づけるようにターゲツト4に印加する電圧
値を制御するようになされている。
示すように、スパツタ装置1において連続スパツタした
後のプラズマ13、14及び15中のSi原子の発光強
度のピークP3 (基準発光強度PS )は、数時間後には
真空チヤンバ2内の雰囲気温度の変化(温度上昇)に伴
つて発光強度のピークがΔI分だけ上がつたピークP3
´となつてしまう。そこで、スパツタ装置1は、まず発
光強度をΔI分だけ下げるように反応ガスの供給量を調
整して基準発光強度PS に近づけ、その後真空チヤンバ
2内の電子温度Tを算出し、当該電子温度Tを基準電子
温度TS に近づけるようにターゲツト4に印加する電圧
値を制御するようになされている。
【0024】(2)本発明によるスパツタ装置の構成 図6において1は全体としてスパツタ装置を示し、真空
チヤンバ2の筐体部分に固定されたアノードとしての基
板ホルダ3Aを介して基板3が取り付けられ、当該基板
3と対向する位置にカノードとしてシリコンのターゲツ
ト4が固定されている。このターゲツト4はバツキング
プレート20に固定されており、当該バツキングプレー
ト20が絶縁リング21を介して真空チヤンバ2の筐体
部分と接触しないように取り付けられている。このよう
に、ターゲツト4の固定されたバツキングプレート20
及び絶縁リング21を含んで全体をシールド板22がカ
バーしている。
チヤンバ2の筐体部分に固定されたアノードとしての基
板ホルダ3Aを介して基板3が取り付けられ、当該基板
3と対向する位置にカノードとしてシリコンのターゲツ
ト4が固定されている。このターゲツト4はバツキング
プレート20に固定されており、当該バツキングプレー
ト20が絶縁リング21を介して真空チヤンバ2の筐体
部分と接触しないように取り付けられている。このよう
に、ターゲツト4の固定されたバツキングプレート20
及び絶縁リング21を含んで全体をシールド板22がカ
バーしている。
【0025】また、ターゲツト4はバツキングプレート
20を介して陰極電源23に電気的に接続され、動作時
に所定の電圧で印加されるようになされている。従つ
て、スパツタ装置1はスパツタ時にターゲツト4がカソ
ードとして作動し、かつ基板ホルダ3A及び成膜チヤン
バ2の筐体部分がアノードとして作動することにより、
ターゲツト4及び基板3間にプラズマを発生させるよう
になされている。
20を介して陰極電源23に電気的に接続され、動作時
に所定の電圧で印加されるようになされている。従つ
て、スパツタ装置1はスパツタ時にターゲツト4がカソ
ードとして作動し、かつ基板ホルダ3A及び成膜チヤン
バ2の筐体部分がアノードとして作動することにより、
ターゲツト4及び基板3間にプラズマを発生させるよう
になされている。
【0026】一方、バツキングプレート20はターゲツ
ト4の下部にコイルプレート22が取り付けられ、当該
コイルプレート22上の最外周部分に沿つてブロツク状
のフエライト磁石が環状に複数個取り付けられてマグネ
ツト6を形成している。このマグネツト6の内周部分に
ドーナツ形状のBコイル10が配置され、当該Bコイル
10の内周側にブロツク状のフエライト磁石が環状に複
数個取り付けられてマグネツト5を形成している。
ト4の下部にコイルプレート22が取り付けられ、当該
コイルプレート22上の最外周部分に沿つてブロツク状
のフエライト磁石が環状に複数個取り付けられてマグネ
ツト6を形成している。このマグネツト6の内周部分に
ドーナツ形状のBコイル10が配置され、当該Bコイル
10の内周側にブロツク状のフエライト磁石が環状に複
数個取り付けられてマグネツト5を形成している。
【0027】このように、マグネツト5及び6はフエラ
イト磁石によつて形成されるので、当該マグネツト5及
び6によつて発生する漏れ磁界は弱くなるが、Bコイル
10によつて発生する磁界が加わることにより、希土類
磁石のような強い漏れ磁界を発生させることができる。
また、Bコイル10は電源24に電気的に接続され、コ
イルに流れる電流量を制御して磁界の強さを調整し得る
ようになされている。
イト磁石によつて形成されるので、当該マグネツト5及
び6によつて発生する漏れ磁界は弱くなるが、Bコイル
10によつて発生する磁界が加わることにより、希土類
磁石のような強い漏れ磁界を発生させることができる。
また、Bコイル10は電源24に電気的に接続され、コ
イルに流れる電流量を制御して磁界の強さを調整し得る
ようになされている。
【0028】ところで、基板3とターゲツト4との間の
空間には傘状のAコイル9が固着され、当該Aコイル9
とターゲツト4の下部に設けられたBコイル10とによ
つてヘルムホルツコイルが形成されている。この場合
も、Aコイル9は電源25に電気的に接続され、コイル
に流れる電流量を制御して磁界の強さを調整し得るよう
になされている。
空間には傘状のAコイル9が固着され、当該Aコイル9
とターゲツト4の下部に設けられたBコイル10とによ
つてヘルムホルツコイルが形成されている。この場合
も、Aコイル9は電源25に電気的に接続され、コイル
に流れる電流量を制御して磁界の強さを調整し得るよう
になされている。
【0029】また、スパツタ装置1は真空チヤンバ2内
の基板3とターゲツト4との間の空間にArの不活性ガ
スを供給するためのガス供給管26、及びO2 やN2 の
反応ガスを供給するためのガス供給管27が設けられて
いる。さらに、スパツタ装置1はメカニカルポンプ28
及びターボ分子ポンプ29を成膜チヤンバ2の外部に設
けることにより、成膜チヤンバ2内を排気して所定のス
パツタ圧力に設定し得るようになされている。
の基板3とターゲツト4との間の空間にArの不活性ガ
スを供給するためのガス供給管26、及びO2 やN2 の
反応ガスを供給するためのガス供給管27が設けられて
いる。さらに、スパツタ装置1はメカニカルポンプ28
及びターボ分子ポンプ29を成膜チヤンバ2の外部に設
けることにより、成膜チヤンバ2内を排気して所定のス
パツタ圧力に設定し得るようになされている。
【0030】続いてスパツタ装置1は、このようにして
発生させたプラズマの発光を真空チヤンバ2内に設けら
れたCCDカメラ30によつて画像として取り込み、検
出手段としてのモノクロメータ31によつて所望の2波
長の光を選択する。選択された2波長の光は、発光強度
増幅器32によつて信号処理し得るレベルに増幅されて
アナログ/デイジタル変換器33に送出される。アナロ
グ/デイジタル変換器33は、信号処理し得るレベルに
増幅された2波長の光をデイジタルデータに変換して制
御手段としてのコンピユータ34に送出するようになさ
れている。
発生させたプラズマの発光を真空チヤンバ2内に設けら
れたCCDカメラ30によつて画像として取り込み、検
出手段としてのモノクロメータ31によつて所望の2波
長の光を選択する。選択された2波長の光は、発光強度
増幅器32によつて信号処理し得るレベルに増幅されて
アナログ/デイジタル変換器33に送出される。アナロ
グ/デイジタル変換器33は、信号処理し得るレベルに
増幅された2波長の光をデイジタルデータに変換して制
御手段としてのコンピユータ34に送出するようになさ
れている。
【0031】コンピユータ34は、予め2波長のSi原
子の発光強度比率に基づいて基準電子温度TS を算出し
て記憶しておき、実際に発生させたプラズマ中に存在す
る2波長のSi原子の発光強度比率に基づいて算出した
電子温度Tが基準電子温度TS に近づけるように電源2
3を制御して印加電圧を調整するようになされている。
また、コンピユータ34は予めSi原子の2波長の発光
強度であるピークP3及びP4 (図4)のどちらか、例
えばピークP3 を基準発光強度PS として記憶してお
き、実際に発生させたプラズマの発光強度ピークを常に
この基準発光強度PS に近づけるようにガス制御ドライ
バ35を駆動させて反応ガスの供給量を制御するように
なされている。
子の発光強度比率に基づいて基準電子温度TS を算出し
て記憶しておき、実際に発生させたプラズマ中に存在す
る2波長のSi原子の発光強度比率に基づいて算出した
電子温度Tが基準電子温度TS に近づけるように電源2
3を制御して印加電圧を調整するようになされている。
また、コンピユータ34は予めSi原子の2波長の発光
強度であるピークP3及びP4 (図4)のどちらか、例
えばピークP3 を基準発光強度PS として記憶してお
き、実際に発生させたプラズマの発光強度ピークを常に
この基準発光強度PS に近づけるようにガス制御ドライ
バ35を駆動させて反応ガスの供給量を制御するように
なされている。
【0032】さらに、コンピユータ34は電源24及び
25を制御することにより、Aコイル9及びBコイル1
0に流す電流量を変えて磁界強度を調整するようになさ
れている。従つて、スパツタ装置1は磁界強度を変化さ
せることによりエロージヨン領域をシフトさせ、ターゲ
ツト4上をかたよりなくスパツタし得るようになされて
いる。この場合、コンピユータ34はプラズマ13及び
14の擾乱をなくし得る程度の範囲内で磁界強度を調整
するようになされている。
25を制御することにより、Aコイル9及びBコイル1
0に流す電流量を変えて磁界強度を調整するようになさ
れている。従つて、スパツタ装置1は磁界強度を変化さ
せることによりエロージヨン領域をシフトさせ、ターゲ
ツト4上をかたよりなくスパツタし得るようになされて
いる。この場合、コンピユータ34はプラズマ13及び
14の擾乱をなくし得る程度の範囲内で磁界強度を調整
するようになされている。
【0033】また、ガス制御ドライバ35はコンピユー
タ34からの指示に基づいて基準発光強度PS に近づけ
るように反応ガス用ピエゾバルブ36を開閉して反応ガ
スの供給量を調整するようになされている。ここで、ガ
ス制御ドライバ35はコンピユータ34からの指示に基
づいて最初にArの不活性ガスを供給する際に不活性ガ
ス用ピエゾバルブ37を開閉して不活性ガスを所定量供
給するようになされている。
タ34からの指示に基づいて基準発光強度PS に近づけ
るように反応ガス用ピエゾバルブ36を開閉して反応ガ
スの供給量を調整するようになされている。ここで、ガ
ス制御ドライバ35はコンピユータ34からの指示に基
づいて最初にArの不活性ガスを供給する際に不活性ガ
ス用ピエゾバルブ37を開閉して不活性ガスを所定量供
給するようになされている。
【0034】次に、図7はスパツタ装置1において実際
に発生させたプラズマを安定させてスパツタリングする
場合の処理手順を示す。スパツタ装置1は、まずRT1
の開始ステツプから入つてステツプSP1に移る。ステ
ツプSP1において、コンピユータ34はガス制御ドラ
イバ35を介して不活性ガス用ピエゾバルブ37を開閉
し、Arの不活性ガスを真空チヤンバ2内に供給する。
そして、コンピユータ34は電源23を介してターゲツ
ト4に所定の電圧を印加することにより、基板3及びタ
ーゲツト4間にプラズマを発生させてステツプSP2に
移る。
に発生させたプラズマを安定させてスパツタリングする
場合の処理手順を示す。スパツタ装置1は、まずRT1
の開始ステツプから入つてステツプSP1に移る。ステ
ツプSP1において、コンピユータ34はガス制御ドラ
イバ35を介して不活性ガス用ピエゾバルブ37を開閉
し、Arの不活性ガスを真空チヤンバ2内に供給する。
そして、コンピユータ34は電源23を介してターゲツ
ト4に所定の電圧を印加することにより、基板3及びタ
ーゲツト4間にプラズマを発生させてステツプSP2に
移る。
【0035】ステツプSP2において、コンピユータ3
4は電源24及び25を介してAコイル9及びBコイル
10に所定量の電流を流すことにより、基板3及びター
ゲツト4間に凸磁界11及び12を発生させると共に、
マグネツト5及び6とBコイル10によつてターゲツト
4表面にエロージヨン領域を形成するための漏れ磁界7
及び8を発生させる。これにより、ターゲツト4上のエ
ロージヨン領域に発生したプラズマ13及び14は、凸
磁界11及び12によつて表面のエツジ部分が圧縮され
て擾乱が無くなる。
4は電源24及び25を介してAコイル9及びBコイル
10に所定量の電流を流すことにより、基板3及びター
ゲツト4間に凸磁界11及び12を発生させると共に、
マグネツト5及び6とBコイル10によつてターゲツト
4表面にエロージヨン領域を形成するための漏れ磁界7
及び8を発生させる。これにより、ターゲツト4上のエ
ロージヨン領域に発生したプラズマ13及び14は、凸
磁界11及び12によつて表面のエツジ部分が圧縮され
て擾乱が無くなる。
【0036】また、コンピユータ34は電源24及び2
5を介してAコイル9及びBコイル10に流す電流量を
制御することにより、凸磁界11及び12の磁界強度を
調整してターゲツト4上のエロージヨン領域をシフトさ
せることができる。このとき、凸磁界11及び12によ
つて挟まれた空間にはプラズマ15が発生して閉じ込め
られ、当該プラズマ15によつてターゲツト4の中心部
分がスパツタされる。
5を介してAコイル9及びBコイル10に流す電流量を
制御することにより、凸磁界11及び12の磁界強度を
調整してターゲツト4上のエロージヨン領域をシフトさ
せることができる。このとき、凸磁界11及び12によ
つて挟まれた空間にはプラズマ15が発生して閉じ込め
られ、当該プラズマ15によつてターゲツト4の中心部
分がスパツタされる。
【0037】ステツプSP3において、CCDカメラ3
0がプラズマ13、14及び15中に存在するSi原子
の発光を画像として取り込んで、ステツプSP4に移
る。ステツプSP4において、コンピユータ34はプラ
ズマ13、14及び15中に存在するSi原子の発光強
度ピークを検出し、ステツプSP5に移る。ステツプS
P5において、コンピユータ34は予め記憶しておいた
基準発光強度PS に近づけるように反応ガスの供給量を
調整してステツプSP6に移る。
0がプラズマ13、14及び15中に存在するSi原子
の発光を画像として取り込んで、ステツプSP4に移
る。ステツプSP4において、コンピユータ34はプラ
ズマ13、14及び15中に存在するSi原子の発光強
度ピークを検出し、ステツプSP5に移る。ステツプS
P5において、コンピユータ34は予め記憶しておいた
基準発光強度PS に近づけるように反応ガスの供給量を
調整してステツプSP6に移る。
【0038】ステツプSP6において、コンピユータ3
4はプラズマ13、14及び15中に存在するSi原子
の2波長の発光強度ピークの比率に基づいて電子温度T
を算出し、ステツプSP7に移る。ステツプSP7にお
いて、コンピユータ34はプラズマ13、14及び15
の電子温度Tを予め記憶しておいた基準電子温度TS に
近づけるようにターゲツト4に印加する電圧を調整して
ステツプSP8に移つて処理を終了する。
4はプラズマ13、14及び15中に存在するSi原子
の2波長の発光強度ピークの比率に基づいて電子温度T
を算出し、ステツプSP7に移る。ステツプSP7にお
いて、コンピユータ34はプラズマ13、14及び15
の電子温度Tを予め記憶しておいた基準電子温度TS に
近づけるようにターゲツト4に印加する電圧を調整して
ステツプSP8に移つて処理を終了する。
【0039】(3)本発明によるスパツタ装置の動作 以上の構成において、スパツタ装置1は予めコンピユー
タ33によつて基準電子温度TS を算出して記憶してお
くと共に、基準発光強度PS を設定して記憶おく。そし
て、スパツタ装置1は真空チヤンバ2内に実際にプラズ
マを発生させ、Aコイル9及びBコイル10を通電させ
ることによつて基板3及びターゲツト4間に内側から外
側に向かう凸磁界11及び12を発生させる。
タ33によつて基準電子温度TS を算出して記憶してお
くと共に、基準発光強度PS を設定して記憶おく。そし
て、スパツタ装置1は真空チヤンバ2内に実際にプラズ
マを発生させ、Aコイル9及びBコイル10を通電させ
ることによつて基板3及びターゲツト4間に内側から外
側に向かう凸磁界11及び12を発生させる。
【0040】このように、スパツタ装置1は凸磁界11
及び12を発生させることによつて当該凸磁界11及び
12によつて狭められた空間内にプラズマ15を閉じ込
め、当該プラズマ15によつて非エロージヨン領域であ
つたターゲツト4上の中央部分をスパツタすることによ
り、酸化物及び窒化物を堆積させることもなくなつてア
ーキングを防止することができる。
及び12を発生させることによつて当該凸磁界11及び
12によつて狭められた空間内にプラズマ15を閉じ込
め、当該プラズマ15によつて非エロージヨン領域であ
つたターゲツト4上の中央部分をスパツタすることによ
り、酸化物及び窒化物を堆積させることもなくなつてア
ーキングを防止することができる。
【0041】また、スパツタ装置1は凸磁界11、12
及び磁界7、8によつてエロージヨン領域のプラズマ1
3及び14を圧縮して擾乱A及びB(図2)をなくすよ
うにしたことにより、プラズマの状態を安定させること
ができる。この場合、スパツタ装置1は磁界7及び8を
発生させるために用いられる第1の磁界発生手段として
安価なフエライト磁石とBコイル10を用いるようにし
たことにより、高価な希土類磁石を用いる場合に比べて
コストダウンを図ることができる。
及び磁界7、8によつてエロージヨン領域のプラズマ1
3及び14を圧縮して擾乱A及びB(図2)をなくすよ
うにしたことにより、プラズマの状態を安定させること
ができる。この場合、スパツタ装置1は磁界7及び8を
発生させるために用いられる第1の磁界発生手段として
安価なフエライト磁石とBコイル10を用いるようにし
たことにより、高価な希土類磁石を用いる場合に比べて
コストダウンを図ることができる。
【0042】また、スパツタ装置1は凸磁界11及び1
2の磁界強度を調整することにより、ターゲツト4上の
エロージヨン領域をシフトしてスパツタリングすること
ができ、かくしてターゲツト4全面をかたよりなく有効
に利用することができる。
2の磁界強度を調整することにより、ターゲツト4上の
エロージヨン領域をシフトしてスパツタリングすること
ができ、かくしてターゲツト4全面をかたよりなく有効
に利用することができる。
【0043】さらに、スパツタ装置1はCCDカメラ3
0によつてプラズマ13、14及び15の発光を画像と
して取り込むことにより、プラズマ中に存在するSi原
子の発光強度ピークをデイジタルデータとしてコンピユ
ータ34で演算処理することができる。そして、コンピ
ユータ34は真空チヤンバ2内の雰囲気温度が上昇した
場合でも、予め記憶しておいた基準発光強度PS に近づ
けるように反応ガスの供給量を調整し、Si原子の2波
長の発光強度比率に基づいて算出した電子温度Tを予め
記憶しておいた基準電子温度TS に近づけるようにター
ゲツト4に印加する電圧値を制御することにより、プラ
ズマ13、14及び15の状態を安定させて均一でかつ
膜質の安定した皮膜を基板3に成膜することができる。
0によつてプラズマ13、14及び15の発光を画像と
して取り込むことにより、プラズマ中に存在するSi原
子の発光強度ピークをデイジタルデータとしてコンピユ
ータ34で演算処理することができる。そして、コンピ
ユータ34は真空チヤンバ2内の雰囲気温度が上昇した
場合でも、予め記憶しておいた基準発光強度PS に近づ
けるように反応ガスの供給量を調整し、Si原子の2波
長の発光強度比率に基づいて算出した電子温度Tを予め
記憶しておいた基準電子温度TS に近づけるようにター
ゲツト4に印加する電圧値を制御することにより、プラ
ズマ13、14及び15の状態を安定させて均一でかつ
膜質の安定した皮膜を基板3に成膜することができる。
【0044】(4)本発明によるスパツタ装置の効果 以上の構成によれば、スパツタ装置1はまず基板3及び
ターゲツト4間にプラズマを発生し、Aコイル9及びB
コイル10によつて発生させた凸磁界11及び12によ
つてプラズマ13及び14を圧縮して擾乱をなくすこと
ができると共に、凸磁界11及び12の磁界強度を電流
量を制御して調整することにより、ターゲツト4上のエ
ロージヨン領域をシフトさせてかたよりなくスパツタす
ることができる。
ターゲツト4間にプラズマを発生し、Aコイル9及びB
コイル10によつて発生させた凸磁界11及び12によ
つてプラズマ13及び14を圧縮して擾乱をなくすこと
ができると共に、凸磁界11及び12の磁界強度を電流
量を制御して調整することにより、ターゲツト4上のエ
ロージヨン領域をシフトさせてかたよりなくスパツタす
ることができる。
【0045】また、スパツタ装置1は所望の厚さの皮膜
を均一に成膜し得る適正量の反応ガスを供給したときの
Si原子の基準発光強度PS に近づけるように反応ガス
の供給量を調整した後、2波長の発光強度比率に基づい
て算出した基準電子温度TSに近づけるようにターゲツ
ト4に印加する電圧を電源23を介して調整することに
より、プラズマ13、14及び15の状態を常に安定さ
せた状態でスパツタリングでき、かくして均一でかつ膜
質の安定した皮膜を成膜することができる。
を均一に成膜し得る適正量の反応ガスを供給したときの
Si原子の基準発光強度PS に近づけるように反応ガス
の供給量を調整した後、2波長の発光強度比率に基づい
て算出した基準電子温度TSに近づけるようにターゲツ
ト4に印加する電圧を電源23を介して調整することに
より、プラズマ13、14及び15の状態を常に安定さ
せた状態でスパツタリングでき、かくして均一でかつ膜
質の安定した皮膜を成膜することができる。
【0046】(5)他の実施例 なお上述の実施例においては、第2の磁界発生手段とし
てのAコイル9及びBコイル10によつて凸磁界11及
び12を発生させるようにした場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、永久磁石によつて凸磁界11及
び12を発生させたり、またAコイル9及びBコイル1
0と永久磁石を併用させて凸磁界11及び12を発生さ
せるようにしても良い。この場合にも上述の実施例と同
様の効果を得ることができる。
てのAコイル9及びBコイル10によつて凸磁界11及
び12を発生させるようにした場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、永久磁石によつて凸磁界11及
び12を発生させたり、またAコイル9及びBコイル1
0と永久磁石を併用させて凸磁界11及び12を発生さ
せるようにしても良い。この場合にも上述の実施例と同
様の効果を得ることができる。
【0047】また上述の実施例においては、第1の磁界
発生手段としてのマグネツト5、6及びBコイル10に
よつて希土類磁石のような強い漏れ磁界を発生させるよ
うにした場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、マグネツト5及び6を用いることなくBコイル10
だけを通電させた状態にして希土類磁石のような強い漏
れ磁界を発生させて用いるようにしても良い。
発生手段としてのマグネツト5、6及びBコイル10に
よつて希土類磁石のような強い漏れ磁界を発生させるよ
うにした場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、マグネツト5及び6を用いることなくBコイル10
だけを通電させた状態にして希土類磁石のような強い漏
れ磁界を発生させて用いるようにしても良い。
【0048】さらに上述の実施例においては、撮像手段
としてのCCDカメラ30を用いてプラズマ13、14
及び15の発光を画像として取り込み、当該画像から検
出手段としてのモノクロメータ31によつて2波長の光
を選択するようにした場合について述べたが、本発明は
これに限らず、CCDカメラ30のレンズ表面に所定波
長の光を2種類取り込める波長選択透過膜を取り付けて
2波長の光を選択するようにしても良い。
としてのCCDカメラ30を用いてプラズマ13、14
及び15の発光を画像として取り込み、当該画像から検
出手段としてのモノクロメータ31によつて2波長の光
を選択するようにした場合について述べたが、本発明は
これに限らず、CCDカメラ30のレンズ表面に所定波
長の光を2種類取り込める波長選択透過膜を取り付けて
2波長の光を選択するようにしても良い。
【0049】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、所定の反
応ガスが供給された容器内の所定間隔離れた位置に互い
に対向するように配置された基板及びターゲツト間に電
位差を与えることによりプラズマを発生させるスパツタ
装置において、ターゲツト表面にエロージヨン領域を形
成するための漏れ磁界を発生させると共に、当該エロー
ジヨン領域に形成されたプラズマを圧縮する凸磁界を発
生させるようにする。これにより、エロージヨン領域に
形成されたプラズマの表面を凸磁界によつて圧縮して擾
乱をなくしてプラズマの状態を安定させることができ、
かくして均一でかつ安定した膜質の皮膜を成膜し得るス
パツタ装置を実現できる。
応ガスが供給された容器内の所定間隔離れた位置に互い
に対向するように配置された基板及びターゲツト間に電
位差を与えることによりプラズマを発生させるスパツタ
装置において、ターゲツト表面にエロージヨン領域を形
成するための漏れ磁界を発生させると共に、当該エロー
ジヨン領域に形成されたプラズマを圧縮する凸磁界を発
生させるようにする。これにより、エロージヨン領域に
形成されたプラズマの表面を凸磁界によつて圧縮して擾
乱をなくしてプラズマの状態を安定させることができ、
かくして均一でかつ安定した膜質の皮膜を成膜し得るス
パツタ装置を実現できる。
【図1】本発明によるスパツタ装置の原理を示す略線的
断面図である。
断面図である。
【図2】スパツタ装置が発生した磁界によつて圧縮され
たプラズマの状態を示す略線図である。
たプラズマの状態を示す略線図である。
【図3】プラズマ中のSi原子の発光強度(1)を示す
グラフである。
グラフである。
【図4】プラズマ中のSi原子の発光強度(2)を示す
グラフである。
グラフである。
【図5】プラズマ中のSi原子の発光強度(3)を示す
グラフである。
グラフである。
【図6】スパツタ装置の全体構成を示す略線的斜視図で
ある。
ある。
【図7】スパツタ装置による処理手順を示すフローチヤ
ートである。
ートである。
1……スパツタ装置、2……成膜チヤンバ、3……基
板、4……ターゲツト、5、6……マグネツト、7、8
……磁界、9……Aコイル、10……Bコイル、11、
12……凸磁界、13、14、15……プラズマ、20
……バツキングプレート、21……絶縁リング、22…
…シールド板、23……陰極電源、24、25……電
源、26、27……ガス供給管、28……メカニカルポ
ンプ、29……ターボ分子ポンプ、30……CCDカメ
ラ、31……モノクロメータ、32……発光強度増幅
器、33……A/D変換器、34……コンピユータ、3
5……ガス制御ドライバ、36……反応ガス用ピエゾバ
ルブ、37……不活性ガス用ピエゾバルブ。
板、4……ターゲツト、5、6……マグネツト、7、8
……磁界、9……Aコイル、10……Bコイル、11、
12……凸磁界、13、14、15……プラズマ、20
……バツキングプレート、21……絶縁リング、22…
…シールド板、23……陰極電源、24、25……電
源、26、27……ガス供給管、28……メカニカルポ
ンプ、29……ターボ分子ポンプ、30……CCDカメ
ラ、31……モノクロメータ、32……発光強度増幅
器、33……A/D変換器、34……コンピユータ、3
5……ガス制御ドライバ、36……反応ガス用ピエゾバ
ルブ、37……不活性ガス用ピエゾバルブ。
Claims (5)
- 【請求項1】所定の反応ガスが供給された容器内の所定
間隔離れた位置に互いに対向するように配置された基板
及びターゲツト間に電位差を与えることによりプラズマ
を発生させるスパツタ装置において、 上記ターゲツト表面にエロージヨン領域を形成するため
の漏れ磁界を発生させる第1の磁界発生手段と、 上記エロージヨン領域に形成されたプラズマを圧縮する
凸磁界を発生させる第2の磁界発生手段とを具えること
を特徴とするスパツタ装置。 - 【請求項2】上記漏れ磁界及び上記凸磁界によつて上記
基板及びターゲツト間に形成されたプラズマ中に存在す
る原子の発光を画像として取り込む撮像手段と、 上記画像に基づいて上記原子の発光強度ピークを波長ご
とに少なくとも2種類以上検出する検出手段と、 上記発光強度ピークに基づいて上記反応ガスの供給量を
制御すると共に、上記2種類以上検出された発光強度ピ
ークの比率に基づいて電子温度を算出し、当該電子温度
に基づいて上記ターゲツトに印加する電圧を制御する制
御手段とを具えることを特徴とする請求項1に記載のス
パツタ装置。 - 【請求項3】上記第1の磁界発生手段は、フエライト磁
石及びコイルでなることを特徴とする請求項1に記載の
スパツタ装置。 - 【請求項4】所定の反応ガスが供給された容器内の所定
間隔離れた位置に互いに対向するように配置された基板
及びターゲツト間に電位差を与えることにより発生させ
たプラズマによつて上記基板表面をスパツタするスパツ
タ方法において、 上記ターゲツト表面にエロージヨン領域を形成するため
の漏れ磁界を発生させると共に、当該エロージヨン領域
に形成されたプラズマを圧縮する凸磁界を発生させる第
1のステツプを具えることを特徴とするスパツタ方法。 - 【請求項5】上記漏れ磁界及び上記凸磁界によつて上記
基板及びターゲツト間に形成されたプラズマ中に存在す
る原子の発光を画像として取り込む第2のステツプと、 上記画像に基づいて上記原子の発光強度ピークを波長ご
とに少なくとも2種類以上検出する第3のステツプと、 上記発光強度ピークに基づいて上記反応ガスの供給量を
制御する第4のステツプと、 上記2種類以上検出された発光強度ピークの比率に基づ
いて上記プラズマの電子温度を算出する第5のステツプ
と、 上記電子温度に基づいて上記ターゲツトに印加する電圧
を制御する第6のステツプとを具えることを特徴とする
請求項4に記載のスパツタ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8327551A JPH10152773A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | スパツタ装置及びスパツタ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8327551A JPH10152773A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | スパツタ装置及びスパツタ方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152773A true JPH10152773A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18200338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8327551A Pending JPH10152773A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | スパツタ装置及びスパツタ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10152773A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016151040A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | 日東電工株式会社 | 薄膜の成膜方法 |
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1996
- 1996-11-22 JP JP8327551A patent/JPH10152773A/ja active Pending
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