JPH10151754A - ジェット電流検出装置およびそのジェット電流検出方法 - Google Patents

ジェット電流検出装置およびそのジェット電流検出方法

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JPH10151754A
JPH10151754A JP32913196A JP32913196A JPH10151754A JP H10151754 A JPH10151754 A JP H10151754A JP 32913196 A JP32913196 A JP 32913196A JP 32913196 A JP32913196 A JP 32913196A JP H10151754 A JPH10151754 A JP H10151754A
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ink
canceling
ink particles
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JP32913196A
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Masayuki Muto
正行 武藤
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Silver Seiko Ltd
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Silver Seiko Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジェット電流に含まれる偏向電場誘導電流を
キャンセルして制御電場誘導電流に基づく正確なジェッ
ト電流の検出を可能とする。 【解決手段】 MPUは、切換スイッチSW1 を切り換
えて制御電極4を接地電位とする。すると、分裂インク
粒子は、偏向電場のみによって帯電され、ナイフエッジ
6を通過して導電性粒子キャッチャ8に捕獲される。こ
のため、電流検出器CDから出力されるジェット電流I
j は、偏向電場誘導電流−Id1だけになる。このジェッ
ト電流Ij は、加算増幅器AMで増幅され、A/D変換
器ADCでA/D変換されて、MPUのデータバスに出
力され、MPUはその値をディスプレイ等に表示する。
較正者は、表示された値を見て、その値が0になるよう
にキャンセル電流発生器CCGの可変直流電源ec1の出
力電圧を手動調整する。この結果、キャンセル電流Id1
が発生し、偏向電場誘導電流−Id1が相殺されるように
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジェット電流検出装
置およびそのジェット電流検出方法に関し、さらに詳し
くは連続噴射型インクジェット記録装置においてインク
ジェットの粒子化と記録信号(パルス)との間の最適位
相の調整時やジェット噴射軸(ノズル軸)の傾きの調整
時などに使用されるジェット電流検出装置およびそのジ
ェット電流検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続噴射型インクジェット記録装置で
は、ジェット電流(インクジェットによって運ばれる電
荷)を高精度に測定して、その結果に基づいてインクジ
ェットの粒子化と記録信号との間の最適な位相を自動的
に調整して、インク粒子を1個単位に確実に制御する技
術が開発されている(特開平4−144753号公報参
照)。
【0003】また、連続噴射型インクジェット記録装置
では、ジェット噴射軸(ノズル軸)の傾きの調整時に、
インクジェットに軸検出用のテスト信号による電荷を与
えてジェット電流を検出し、電気的にジェット噴射軸の
傾きを検出する技術が開発されている(例えば、特開平
4−151251号公報,特開平4−173151号公
報,特開平5−246036号公報等参照)。
【0004】図6は、特開平4−151251号公報に
開示されている連続噴射型インクジェット記録装置にお
けるジェット電流検出装置を示す構成図である。このジ
ェット電流検出装置は、極細径円径オリフィスを有する
ノズル1と、ノズル1内のインクの電位を接地レベルと
するインク電極2と、ノズル1に装着されたピエゾ振動
子でなる振動子3と、ノズル1と同心の円形開口または
スリット状の開口を有し画像信号に対応してインクジェ
ットの帯電を制御する記録信号が印加される制御電極4
と、制御電極4の前方に接地されて配置された接地電極
5と、接地電極5に装着されたナイフエッジ6と、偏向
電源E1と、偏向電源E1が接続され接地電極5との間
にジェット噴射軸と直交する強電場を作り帯電インク粒
子を接地電極5側に偏向するための偏向電極7と、MP
U(MicroProcessor Unit:図示せ
ず)からの指示により制御電極4に接続される制御電源
φC ,φA およびφB を選択的に切り換える切換スイッ
チSW1 と、接地電極5および偏向電極7の前方のホー
ムポジション(印刷範囲から外れたノズル1に対応する
位置)に配置された検出電極を兼ねる導電性粒子キャッ
チャ8と、導電性粒子キャッチャ8に接続されたシール
ド線9と、シールド線9に接続された演算増幅器OP1
および抵抗R1からなる電流/電圧変換器と、電流/電
圧変換器の出力から雑音を除去するフィルタFTと、基
準電源E0と、フィルタFTの電圧出力を基準電源E0
の電圧と比較する比較器CPとを含んで構成されてい
た。
【0005】次に、このような従来のジェット電流検出
装置の動作について説明する。
【0006】最適位相の調整時やジェット噴射軸の傾き
調整時には、回転ドラム(図示せず)が停止されるとと
もに、ノズル1を搭載するキャリッジ(図示せず)がホ
ームポジションに設定されて停止される。次に、インク
がインクポンプ(図示せず)で加圧されてインクチュー
ブ(図示せず)を通じてノズル1に導かれ、ノズル1か
らインクジェットが噴射されて定常状態に保持される。
また、振動子3がインクジェットの自発粒子化周波数近
辺の発振周波数で励振され、ノズル1から噴射されるイ
ンクジェットは、振動子3の励振に同期して粒子化す
る。
【0007】次に、MPUは、切換スイッチSW1 を切
り換えて制御電源φA ,φB またはφC に制御電極4を
接続し、ジェット電流Ij を測定する。制御電源φA
φBまたはφC に制御電極4を接続すると、インク粒子
は制御電圧φA ,φB またはφC (以下、電源とその電
圧とを同一符号を付して示す)で誘導帯電され、帯電さ
れたインク粒子はその帯電量に応じて偏向電極7による
偏向電場によって偏向され、偏向量の大きいインク粒子
がナイフエッジ6でカットされ、偏向量の小さいインク
粒子がナイフエッジ6を通過して導電性粒子キャッチャ
8に捕獲される。このため、電流/電圧変換器から出力
されるジェット電流Ij は、フィルタFTによって雑音
を除去されて、比較器CPで基準電源E0と比較され
る。
【0008】ところで、図7は、連続噴射型インクジェ
ット記録装置におけるインク粒子の帯電の原理を示す図
である。インクジェットから分裂する直前のインク粒子
(以下、分裂インク粒子という)と制御電極4との間の
静電容量をCs 、制御電極4の帯電制御電圧をφs 、分
裂インク粒子と偏向電極7との間の静電容量をCd 、偏
向電極7の偏向電圧をφd 、分裂インク粒子と先行帯電
インク粒子との間の静電容量をC1 ,C2 ,…、先行帯
電インク粒子の電位をφ1 ,φ2 ,…とすると、分裂イ
ンク粒子に誘導される帯電電荷qは、q=Cs φs +C
d φd +(C1φ1 +C2 φ2 +…)となる。これをジ
ェット電流Ij として表せば、Ij =Is +Id +(I
1 +I2 +…)と書ける。ここで、Is は帯電制御電圧
φs によって作られる帯電制御電場による誘導電流(以
下、制御電場誘導電流という)、Id は偏向電圧φd
よって作られる偏向電場が粒子化点(Lj )へ影響する
ことによって生じる誘導電流(以下、偏向電場誘導電流
という)、(I1 +I2 +…)は先行帯電インク粒子か
らの誘導電流(以下、先行帯電誘導電流という)であ
る。
【0009】最適位相の調整時にはテスト信号として帯
電制御電圧φC と同じ振幅のプローブパルスを、またジ
ェット噴射軸の傾き調整時にはテスト信号として帯電制
御電圧φA (=φC /2+Δφ)またはφB (=φC
2−Δφ)を印加して、ジェット電流Ij を測定する
が、測定されたジェット電流Ij に制御電場誘導電流I
s ばかりでなく偏向電場誘導電流Id および先行帯電誘
導電流(I1 +I2 +…)も含まれることになり、最適
位相の調整やジェット噴射軸の傾き調整に必要となる制
御電場誘導電流Is に基づくジェット電流Ij の正確な
検出が行えないという不具合が生じていた。すなわち、
最適位相の調整やジェット噴射軸の傾き調整に必要なの
は、制御電場誘導電流Is に基づくジェット電流Ij
みで、偏向電場誘導電流Id および先行帯電誘導電流
(I1 +I2 +…)は雑音となり不要である。この中
で、先行帯電誘導電流(I1 +I2 +…)は、必ず制御
電場誘導電流Is に付随して発生し、Is =0であれ
ば、(I1 +I2 +…)=0である。また、静電容量C
1 ,C2 ,…は一定であると考えられるので、制御電場
誘導電流Is と先行帯電誘導電流(I1 +I2 +…)と
の比率は常にほぼ一定である。したがって、データ処理
によって先行帯電誘導電流(I1 +I2 +…)を除去す
ることは簡単である。以下、Is ’=Is +(I1 +I
2 +…)と定義し、帯電制御電場に比例する誘導電流と
いう。
【0010】しかしながら、偏向電場誘導電流Id は制
御電場誘導電流Is とは独立であり、粒子化点(Lj
に応じて変化する。また、カラープリンタなどにおいて
複数本のノズル1を用い、全ノズル1から噴射されるイ
ンクジェットのジェット電流Ij を1つのジェット電流
検出装置で検出する場合は、すべてのインクジェットに
誘導される偏向電場誘導電流Id が加算されてジェット
電流Ij の中に入ってくることになる。その結果、ジェ
ット電流Ij のS/N比が著しく低下する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のジェット電流検出装置では、検出結果として得られる
ジェット電流Ij に偏向電場誘導電流Id が含まれてい
たので、S/N比が著しく低下して制御電場誘導電流I
s に基づく正確なジェット電流Ij を検出することがで
きないという問題点があった。このため、インクジェッ
トの粒子化と記録信号との間の最適位相を決定したり、
ジェット噴射軸の傾きを決定したりする際に誤差を生じ
るおそれがあった。
【0012】本発明の第1の目的は、連続噴射型インク
ジェット記録装置においてジェット電流Ij に含まれる
偏向電場誘導電流Id をキャンセルして制御電場誘導電
流I s に基づく正確なジェット電流Ij を検出できるよ
うにしたジェット電流検出装置を提供することにある。
【0013】また、本発明の第2の目的は、複数のノズ
ルを搭載する連続噴射型インクジェット記録装置におい
て、複数のインクジェットに誘導される偏向電場誘導電
流Id を選択的にキャンセルして制御電場誘導電流Is
に基づく正確なジェット電流Ij を検出できるようにし
たジェット電流検出装置を提供することにある。
【0014】さらに、本発明の第3の目的は、複数のノ
ズルを搭載する連続噴射型インクジェット記録装置にお
いて、複数のインクジェットに誘導される偏向電場誘導
電流Id を一括してキャンセルして制御電場誘導電流I
s に基づく正確なジェット電流Ij を検出できるように
したジェット電流検出装置を提供することにある。
【0015】さらにまた、本発明の第4の目的は、複数
のノズルを搭載する連続噴射型インクジェット記録装置
において、複数のインクジェットに誘導される偏向電場
誘導電流Id の任意の組合せを一括してキャンセルして
制御電場誘導電流Is に基づく正確なジェット電流Ij
を検出できるようにしたジェット電流検出装置を提供す
ることにある。
【0016】一方、本発明の第5の目的は、連続噴射型
インクジェット記録装置において、インクジェットに誘
導される偏向電場誘導電流Id をキャンセルして制御電
場誘導電流Is に基づく正確なジェット電流Ij を自動
的に検出できるようにするジェット電流検出方法を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のジェット電流検
出装置は、インクジェットを一連のインク粒子列に分裂
させる粒子化手段と、この粒子化手段によって粒子化さ
れたインク粒子の帯電を制御する帯電制御手段と、ジェ
ット噴射軸に直交する偏向電場を作り帯電インク粒子を
偏向させる偏向手段と、この偏向手段により偏向された
か否かに応じてインク粒子を分離する分離手段とを具備
する連続噴射型インクジェット記録装置において、前記
帯電制御手段の電圧レベルを接地電位にする接地手段
と、前記分離手段を通過したインク粒子を捕獲してその
電荷をジェット電流として検出する電流検出手段と、前
記接地手段により前記帯電制御手段の電圧レベルを接地
電位としたときに前記電流検出手段により検出されるジ
ェット電流をキャンセルするキャンセル手段とを備える
ことを特徴とする。
【0018】また、本発明のジェット電流検出装置は、
インクジェットを一連のインク粒子列に分裂させる複数
の粒子化手段と、これら複数の粒子化手段によって粒子
化されたインク粒子の帯電を制御する複数の帯電制御手
段と、ジェット噴射軸に直交する偏向電場を作り帯電イ
ンク粒子を偏向させる偏向手段と、この偏向手段により
偏向されたか否かに応じてインク粒子を分離する分離手
段とを具備する連続噴射型インクジェット記録装置にお
いて、前記複数の帯電制御手段の電圧レベルを独立に接
地電位にする複数の接地手段と、前記分離手段を通過し
たインク粒子を捕獲してその電荷をジェット電流として
検出する電流検出手段と、前記複数の接地手段により前
記複数の帯電制御手段の電圧レベルを選択的に接地電位
としたときに前記電流検出手段により検出されるジェッ
ト電流を個別にキャンセルする複数のキャンセル手段と
を備えることを特徴とする。
【0019】さらに、本発明のジェット電流検出装置
は、インクジェットを一連のインク粒子列に分裂させる
複数の粒子化手段と、これら複数の粒子化手段によって
粒子化されたインク粒子の帯電を制御する複数の帯電制
御手段と、ジェット噴射軸に直交する偏向電場を作り帯
電インク粒子を偏向させる偏向手段と、この偏向手段に
より偏向されたか否かに応じてインク粒子を分離する分
離手段とを具備する連続噴射型インクジェット記録装置
において、前記複数の帯電制御手段の電圧レベルを一括
して接地電位にする接地手段と、前記分離手段を通過し
たインク粒子を捕獲してその電荷をジェット電流として
検出する電流検出手段と、前記接地手段により前記複数
の帯電制御手段の電圧レベルを一括して接地電位とした
ときに前記電流検出手段により検出されたジェット電流
を一括してキャンセルするキャンセル手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0020】さらにまた、本発明のジェット電流検出装
置は、インクジェットを一連のインク粒子列に分裂させ
る複数の粒子化手段と、これら複数の粒子化手段によっ
て粒子化されたインク粒子の帯電を制御する複数の帯電
制御手段と、ジェット噴射軸に直交する偏向電場を作り
帯電インク粒子を偏向させる偏向手段と、この偏向手段
により偏向されたか否かに応じてインク粒子を分離する
分離手段とを具備する連続噴射型インクジェット記録装
置において、前記複数の帯電制御手段の電圧レベルを独
立に接地電位にする複数の接地手段と、前記分離手段を
通過したインク粒子を捕獲してその電荷をジェット電流
として検出する電流検出手段と、前記複数の接地手段に
より前記複数の帯電制御手段の任意の組合せの電圧レベ
ルを接地電位としたときに前記電流検出手段により検出
されたジェット電流を一括してキャンセルするキャンセ
ル手段とを備えることを特徴とする。
【0021】一方、本発明のジェット電流検出方法は、
インクジェットを一連のインク粒子列に分裂させる粒子
化手段と、この粒子化手段によって粒子化されたインク
粒子の帯電を制御する帯電制御手段と、ジェット噴射軸
に直交する偏向電場を作り帯電インク粒子を偏向させる
偏向手段と、この偏向手段により偏向されたか否かに応
じてインク粒子を分離する分離手段と、前記帯電制御手
段の電圧レベルを接地電位にする接地手段と、前記分離
手段を通過したインク粒子を捕獲してその電荷をジェッ
ト電流として検出する電流検出手段と、前記接地手段に
より前記帯電制御手段の電圧レベルを接地電位としたと
きに前記電流検出手段により検出されたジェット電流を
キャンセルするキャンセル手段とを具備する連続噴射型
インクジェット記録装置において、前記帯電制御手段の
電圧レベルを接地電位とする工程と、前記キャンセル手
段を構成するD/A変換器に前記キャンセル電流に相当
するキャンセルデータを出力する工程と、前記D/A変
換器からのアナログ電圧に由来するキャンセル電流と前
記電流検出手段により検出されたジェット電流との和が
0かどうかを判定する工程とを、前記キャンセル電流と
前記ジェット電流との和が0になるまで繰り返すことに
よってキャンセルデータを決定し、ジェット電流の検出
時に前記キャンセルデータを前記D/A変換器に出力す
ることによってキャンセル電流を発生することを特徴と
する。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
ジェット電流検出装置を示す構成図である。本実施の形
態に係るジェット電流検出装置は、1本のノズル1から
噴射されるインクジェットについて偏向電場誘導電流I
d の影響を受けないようにジェット電流Ij を手動調整
するためのものであり、極細径円径オリフィスを有する
ノズル1と、ノズル1内のインクの電位を接地レベルと
するインク電極2と、ノズル1に装着されたピエゾ振動
子でなる振動子3と、ノズル1と同心の円形開口または
スリット状の開口を有し画像信号に対応してインクジェ
ットの帯電を制御する記録信号等が印加される制御電極
4と、制御電極4の前方に接地されて配置された接地電
極5と、接地電極5に装着されたナイフエッジ6と、偏
向電源E1と、偏向電源E1が接続され接地電極5との
間にジェット噴射軸と直交する強電場を作り帯電インク
粒子を接地電極5側に偏向するための偏向電極7と、M
PU(図示せず)からの指示により制御電極4に接続さ
れる記録信号,テスト信号および接地電位を選択的に切
り換える切換スイッチSW1 と、接地電極5および偏向
電極7の前方のホームポジションに配置された検出電極
を兼ねる導電性粒子キャッチャ8と、導電性粒子キャッ
チャ8に接続されたシールド線9と、シールド線9に接
続されジェット電流Ij =Is ’−Id1(制御電極4に
印加するテスト信号が正極性であるのに対して、偏向電
極7には負極性の電位を与えるので、Is ’とId1との
極性は逆になる)を検出する電流検出器CDと、偏向電
場誘導電流−Id1を相殺するキャンセル電流Id1を発生
する可変直流電源ec1および抵抗Rc1の直列接続でなる
キャンセル電流発生器CCGと、入力端が抵抗Rinを介
して電流検出器CDに接続されているとともに抵抗Rc1
を介して可変直流電源ec1に接続され、かつ抵抗Rf
介して出力端に接続された加算増幅器AMと、加算増幅
器AMの出力電圧をアナログ/デジタル(A/D)変換
してMPUのデータバスに出力するA/D変換器ADC
とを含んで構成されている。
【0024】次に、このように構成された第1の実施の
形態に係るジェット電流検出装置の動作について説明す
る。
【0025】連続噴射型インクジェット記録装置の工場
出荷調整時や市場でのノズル1の交換時に、本実施の形
態に係るジェット電流検出装置によるジェット電流Ij
の基準点較正が行われる。このときには、最適位相の調
整時やジェット噴射軸の傾き調整時と同様に、回転ドラ
ム(図示せず)が停止されるとともに、ノズル1を搭載
するキャリッジ(図示せず)がホームポジションに設定
されて停止される。次に、インクがインクポンプ(図示
せず)で加圧されてインクチューブ(図示せず)を通じ
てノズル1に導かれ、ノズル1からインクジェットが噴
射されて定常状態に保持される。また、振動子3がイン
クジェットの自発粒子化周波数近辺の発振周波数で励振
され、ノズル1から噴射されるインクジェットは、振動
子3の励振に同期して粒子化する。
【0026】次に、MPUは、切換スイッチSW1 を接
地側に切り換えて制御電極4を接地電位とする。する
と、分裂インク粒子は、帯電制御電場および先行帯電電
場によっては帯電されず、偏向電場のみによって帯電さ
れ、ナイフエッジ6を通過して導電性粒子キャッチャ8
に捕獲される。このため、電流検出器CDから出力され
るジェット電流Ij は、制御電場誘導電流Is および先
行帯電誘導電流(I1 +I2 +…)が0となるので、偏
向電場からの誘導分の偏向電場誘導電流−Id1だけにな
る。このジェット電流Ij =−Id1は、加算増幅器AM
で増幅され、A/D変換器ADCでA/D変換されて、
MPUのデータバスに出力される。MPUは、データバ
ス上の値を連続噴射型インクジェット記録装置に付属す
るディスプレイ等に表示する。
【0027】較正者は、連続噴射型インクジェット記録
装置のディスプレイ等に表示された値を見て、その値が
0になるようにキャンセル電流発生器CCGの可変直流
電源ec1の出力電圧を手動調整する。すなわち、可変直
流電源ec1の出力電圧を手動調整してキャンセル電流発
生器CCGからキャンセル電流Id1(=ec1/Rc1)が
出力されるように調整すると、加算増幅器AMの入力端
でジェット電流Ij =−Id1とキャンセル電流Id1とが
相殺されて、加算増幅器AMの出力端の値が0となり、
連続噴射型インクジェット記録装置のディスプレイ等に
表示される値が0となる。
【0028】このような状態にジェット電流Ij の基準
点を較正しておけば、以降の市場での最適位相の調整や
ジェット噴射軸の傾き調整のためのジェット電流Ij
検出時に、MPUが切換スイッチSW1 を切り換えてテ
スト信号あるいは記録信号を制御電極4に印加してジェ
ット電流Ij を検出すると、加算増幅器AMの入力端で
電流検出器CDからのジェット電流Ij =Is +(I1
+I2 +…)−Id1中の偏向電場誘導電流−Id1がキャ
ンセル電流発生器CCGからのキャンセル電流Id1と相
殺されて、MPUで検出されるジェット電流Ij は、帯
電制御電場に比例する誘導電流Is ’(=Is +(I1
+I2 +…))のみとなる。したがって、精度の高い最
適位相の調整やジェット噴射軸の傾き調整が可能にな
る。
【0029】図2は、本発明の第2の実施の形態に係る
ジェット電流検出装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係るジェット電流検出装置は、カラープ
リンタなどのn(nは2以上の整数)本のノズル1を搭
載する連続噴射型インクジェット記録装置において各ノ
ズル1から噴射される各インクジェットについて偏向電
場誘導電流Id の影響を受けないようにジェット電流I
j を個別に手動調整するためのものであり、n本のノズ
ル1と、n個のインク電極2と、n個の振動子3と、n
個の制御電極4と、MPU(図示せず)からの指示によ
りn個の制御電極4にそれぞれ独立に入力信号(記録信
号,テスト信号または接地電位)を接続するn個の切換
スイッチSW11〜SW1nと、制御電極4の前方に接地さ
れて配置された接地電極5と、接地電極5に装着された
ナイフエッジ6と、偏向電源E1と、偏向電源E1が接
続され接地電極5との間にジェット噴射軸と直交する強
電場を作り帯電インク粒子を接地電極5側に偏向するた
めの偏向電極7と、接地電極5および偏向電極7の前方
のホームポジションに配置された検出電極を兼ねる導電
性粒子キャッチャ8と、導電性粒子キャッチャ8に接続
されたシールド線9と、電流検出器CDと、各ノズル1
からのインクジェットについて偏向電場誘導電流−Idk
(k=1〜n)を選択的にキャンセルするキャンセル電
流Idk(k=1〜n)を個別に発生するn個の可変直流
電源eck(k=1〜n)およびn個の抵抗Rck(k=1
〜n)の直列接続でなるキャンセル電流発生器CCG
と、キャンセル電流発生器CCGの各抵抗Rck(k=1
〜n)を介して各可変直流電源eck(k=1〜n)にそ
れぞれ接続されたn個の接点SW21,SW22,…,SW
2nを持つ選択スイッチSW2 と、入力端が抵抗Rinを介
して電流検出器CDに接続されているとともに選択スイ
ッチSW2 の各接点SW21,SW22,…,SW2nに共通
に接続され、かつ抵抗Rf を介して出力端に接続された
加算増幅器AMと、加算増幅器AMの出力電圧をA/D
変換してMPUのデータバスに出力するA/D変換器A
DCとから構成されている。
【0030】次に、このように構成された第2の実施の
形態に係るジェット電流検出装置の動作について説明す
る。
【0031】ジェット電流Ij の基準点の較正時には、
第1の実施の形態に係るジェット電流検出装置の場合と
同様に、キャリッジ(図示せず)のホームポジション位
置においてノズル1からインクジェットが噴出された状
態で、MPUは、まず何番目のノズル1かを示すノズル
パラメータkを1に初期設定する。
【0032】次に、MPUは、k番目のノズル1からイ
ンクジェットを噴射させ、k番目の切換スイッチSW1k
を接地側に接続してk番目の制御電極4を接地電位とす
る。すると、分裂インク粒子は、帯電制御電場によって
は帯電されず、偏向電場のみによって帯電され、ナイフ
エッジ6を通過して導電性粒子キャッチャ8に捕獲され
る。このため、電流検出器CDから出力されるジェット
電流Ij は、制御電場誘導電流Is および先行帯電誘導
電流(I1 +I2 +…)が0となるので、偏向電場から
の誘導分の偏向電場誘導電流−Idkだけになる。このジ
ェット電流Ij=−Idkは、加算増幅器AMで増幅さ
れ、A/D変換器ADCでA/D変換されて、MPUの
データバスに出力される。MPUは、データバス上の値
を連続噴射型インクジェット記録装置に付属するディス
プレイ等に表示する。また、MPUは、選択スイッチS
2 のk番目の接点SW2kをオンとする。
【0033】そこで、較正者は、連続噴射型インクジェ
ット記録装置のディスプレイ等に表示された値を見て、
その値が0になるようにキャンセル電流発生器CCGの
可変直流電源eckの出力電圧を手動調整する。すなわ
ち、可変直流電源eckの出力電圧を手動調整してキャン
セル電流発生器CCGからキャンセル電流Idk(=eck
/Rck)が出力されるように調整すると、加算増幅器A
Mの入力端でジェット電流Ij =−Idkとキャンセル電
流Idkとが相殺されて、加算増幅器AMの出力端の値が
0となり、連続噴射型インクジェット記録装置のディス
プレイ等に表示される値が0となる。
【0034】これを、MPUおよび較正者は、k=1〜
nまでn回繰り返す。すなわち、すべてのノズル1につ
いて行う。
【0035】このような状態にジェット電流Ij の基準
点を較正しておけば、以降の市場での最適位相の調整や
ジェット噴射軸の傾き調整のためのジェット電流Ij
検出時に、MPUが切換スイッチSW11〜SW1nおよび
選択スイッチSW2 の接点SW21,SW22,…,SW2n
を対応するように選択的に切り換えてテスト信号あるい
は記録信号を制御電極4に印加してジェット電流Ij
検出すると、加算増幅器AMの入力端で電流検出器CD
からのジェット電流Ij =Is +(I1 +I2+…)−
ΣIdk中の偏向電場誘導電流−ΣIdkがキャンセル電流
発生器CCGからのキャンセル電流ΣIdkと相殺され
て、MPUで検出されるジェット電流Ijは、Is
(=Is +(I1 +I2 +…))のみとなる。なお、こ
のことは、ノズル1から同時に噴射されるインクジェッ
トが単数であっても複数であっても同様である。したが
って、精度の高い最適位相の調整やジェット噴射軸の傾
き調整が可能になる。
【0036】例えば、プリント開始前の最適位相の調整
時には、MPUは、プリントに使用するノズル1からイ
ンクジェットを噴射させ、またすべての切換スイッチS
11〜SW1n(インクジェットが噴射されているノズル
1に対応するものだけでもよい)を記録信号に接続し、
インクジェットが噴射されているノズル1に対応する選
択スイッチSW2 の接点を選択的にオンする。これによ
り、互いに対応する偏向電場誘導電流−Idkとキャンセ
ル電流Idkとがそれぞれ相殺されることになり、正確な
ジェット電流Ij の検出を行うことができる。
【0037】図3は、本発明の第3の実施の形態に係る
ジェット電流検出装置の要部を示す構成図である。本実
施の形態に係るジェット電流検出装置は、複数本のノズ
ル1から噴射されるインクジェットについて偏向電場誘
導電流−Idkの影響を受けないようにジェット電流Ij
を一括して手動調整するためのものであり、シールド線
9に接続された電流検出器CDと、全ノズル1からのイ
ンクジェットについて偏向電場誘導電流の和−ΣI
dk(k=1〜n)を一括してキャンセルするキャンセル
電流ΣIdk(k=1〜n)を発生する可変直流電源ec
および抵抗Rc の直列接続でなるキャンセル電流発生器
CCGと、入力端が抵抗Rinを介して電流検出器CDに
接続されているとともにキャンセル電流発生器CCGに
接続され、かつ抵抗Rf を介して出力端に接続された加
算増幅器AMと、加算増幅器AMの出力電圧をA/D変
換してMPU(図示せず)のデータバスに出力するA/
D変換器ADCとを含んで構成されている。なお、その
他の部分については、図2に示した第2の実施の形態に
係るジェット電流検出装置と同様に構成されているの
で、その図示を省略する。
【0038】次に、このように構成された第3の実施の
形態に係るジェット電流検出装置の動作について説明す
る。
【0039】ジェット電流Ij の基準点の較正時には、
第1の実施の形態に係るジェット電流検出装置の場合と
同様に、キャリッジ(図示せず)のホームポジション位
置においてすべてのノズル1からインクジェットを噴出
させた状態で、MPUは、切換スイッチSW11〜SW1n
を一括して接地側に接続してすべての制御電極4を接地
電位とする。すると、分裂インク粒子は、帯電制御電場
によっては帯電されず、偏向電場のみによって帯電さ
れ、ナイフエッジ6を通過して導電性粒子キャッチャ8
に捕獲される。このため、電流検出器CDから出力され
るジェット電流Ij は、制御電場誘導電流Is および先
行帯電誘導電流(I1 +I2 +…)が0となるので、偏
向電場からの誘導分の偏向電場誘導電流の和−ΣI
dk(k=1〜n)だけになる。このジェット電流Ij
−ΣIdk(k=1〜n)は、加算増幅器AMで増幅さ
れ、A/D変換器ADCでA/D変換されて、MPUの
データバスに出力される。MPUは、データバス上の値
を連続噴射型インクジェット記録装置に付属するディス
プレイ等に表示する。
【0040】較正者は、連続噴射型インクジェット記録
装置のディスプレイ等に表示された値を見て、その値が
0になるようにキャンセル電流発生器CCGの可変直流
電源ec の出力電圧を手動調整する。すなわち、可変直
流電源ec の出力電圧を手動調整してキャンセル電流発
生器CCGからキャンセル電流ΣIdk(k=1〜n)
(=ec /Rc )が出力されるように調整すると、加算
増幅器AMの入力端でジェット電流Ij =−ΣIdk(k
=1〜n)とキャンセル電流ΣIdk(k=1〜n)とが
相殺されて、加算増幅器AMの出力端の値が0となり、
連続噴射型インクジェット記録装置のディスプレイ等に
表示される値が0となる。
【0041】このような状態にジェット電流Ij の基準
点を較正しておけば、以降の市場での最適位相の調整や
ジェット噴射軸の傾き調整のためのジェット電流Ij
検出時に、切換スイッチSW11〜SW1nを一括して切り
換えてテスト信号あるいは記録信号を制御電極4に印加
してジェット電流Ij を検出すると、加算増幅器AMの
入力端で電流検出器CDからのジェット電流Ij =Is
+(I1 +I2 +…)−ΣIdk中の偏向電場誘導電流−
ΣIdk(k=1〜n)がキャンセル電流発生器CCGか
らのキャンセル電流ΣIdk(k=1〜n)と相殺され
て、MPUで検出されるジェット電流Ij は、帯電制御
電場に比例する誘導電流Is ’(=Is +(I1 +I2
+…))のみになる。したがって、精度の高い最適位相
の調整やジェット噴射軸の傾き調整が可能になる。
【0042】図4は、本発明の第4の実施の形態に係る
ジェット電流検出装置の要部を示す構成図である。この
ジェット電流検出装置は、1本または複数本のノズル1
から噴射されるインクジェットのすべての組合せについ
て偏向電場誘導電流−Id の影響を受けないようにジェ
ット電流Ij を一括して自動調整することができるよう
にしたものであり、シールド線9に接続された電流検出
器CDと、インクジェットの任意の組合せについての偏
向電場誘導電流−Idx(Idx=Id1,Id2,…,Idn
d1+Id2,…,ΣIdkのうちのいずれか)を相殺する
キャンセル電流Idxを発生するデジタル/アナログ(D
/A)変換器DACと、入力端が抵抗Rinを介して電流
検出器CDに接続されているとともに抵抗Rc を介して
D/A変換器ADCに接続され、かつ抵抗Rf を介して
出力端に接続された加算増幅器AMと、加算増幅器AM
の出力電圧をA/D変換してMPU(図示せず)のデー
タバスに出力するA/D変換器ADCとを含んで構成さ
れている。なお、その他の部分については、図2に示し
た第2の実施の形態に係るジェット電流検出装置と同様
に構成されているので、その図示を省略する。
【0043】図5を参照すると、第4の実施の形態に係
るジェット電流検出装置で行われるキャンセルデータ決
定処理は、ノズルパラメータ初期設定ステップS1と、
インクジェット噴射ステップS2と、切換スイッチ接地
ステップS3と、キャンセルデータ探索ステップS4
と、キャンセルデータ格納ステップS5と、ノズルパラ
メータ終了判定ステップS6と、ノズルパラメータイン
クリメントステップS7とからなる。
【0044】次に、このように構成された第4の実施の
形態に係るジェット電流検出装置の動作について、その
ジェット電流検出方法とともに説明する。
【0045】ジェット電流Ij の基準点の較正時には、
キャリッジ(図示せず)のホームポジション位置におい
て、MPUは、まず何番目のノズル1かを示すノズルパ
ラメータkを1に初期設定する(ステップS1)。
【0046】次に、MPUは、k番目のノズル1のイン
クジェットを噴射させる(ステップS2)。
【0047】続いて、MPUは、k番目の切換スイッチ
SW1kを接地し、k番目のノズル1の制御電極4を接地
電位とする(ステップS3)。このとき、前述した第2
の実施の形態に係るジェット電流検出装置の場合と同様
に、電流検出器CDから出力されるジェット電流Ij
−Idkとなる。
【0048】次に、MPUは、D/A変換器DACにキ
ャンセルデータを入力し、そのキャンセルデータを逐次
変化させてA/D変換器ADCの出力が0になるキャン
セルデータDk を探索する(ステップS4)。A/D変
換器ADCの出力が0になったときのキャンセル電流
は、Idkになっている。
【0049】続いて、MPUは、探索されたk番目のキ
ャンセルデータDk を不揮発性メモリ(図示せず)に記
憶する(ステップS5)。
【0050】次に、MPUは、ノズルパラメータkがノ
ズル総数nに達したか否かを判定し(ステップS6)、
達していなければ、k+1→kにして(ステップS
7)、ステップS2に制御を戻し、ステップS2〜ステ
ップS7をn回繰り返す。
【0051】このようにしてキャンセルデータDk (k
=1〜n)を不揮発性メモリに記憶させておけば、以降
の市場での最適位相の調整やジェット噴射軸の傾き調整
のためのジェット電流Ij の検出時に、MPUは、イン
クジェットが噴射されるノズル1の任意の組合せに対応
するキャンセルデータの和DdxをD/A変換器DACに
出力する。D/A変換器DACは、キャンセルデータの
和DdxをD/A変換してキャンセル電圧として出力し、
このキャンセル電圧は抵抗Rc を通じてキャンセル電流
dxとして加算増幅器AMの入力端に供給される。これ
により、電流検出器CDからのジェット電流Ij =Is
+(I1 +I2 +…)−Idx中の偏向電場誘導電流−I
dxがキャンセル電流発生器CCGからのキャンセル電流
dxと相殺され、MPUで検出されるジェット電流Ij
は、帯電制御電場に比例する誘導電流Is ’(=Is
(I1 +I2 +…))のみになる。したがって、精度の
高い最適位相の調整やジェット噴射軸の傾き調整が可能
になる。
【0052】例えば、プリント開始前の最適位相の調整
時には、MPUは、インクジェットが噴射されているノ
ズル1を示す入力データから不揮発性メモリに記憶され
ているキャンセルデータを読み出し、読み出したキャン
セルデータの和DdxをD/A変換器DACに出力する。
例えば、1,2,3番目のノズル1からインクジェット
が噴射される場合には、MPUは、キャンセルデータの
和(D1 +D2 +D3)をD/A変換器DACに出力す
る。
【0053】なお、第4の実施の形態に係るジェット電
流検出装置の動作の説明において述べたジェット電流検
出方法は、複数のノズル1を搭載する連続噴射型インク
ジェット記録装置のジェット電流検出装置においてばか
りでなく、ノズル1が1つの連続噴射型インクジェット
記録装置のジェット電流検出装置においても同様に適用
することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、連
続噴射型インクジェット記録装置のジェット電流検出装
置において、帯電制御手段の電圧レベルを接地電位にす
る接地手段と、分離手段を通過したインク粒子を捕獲し
てその電荷をジェット電流として検出する電流検出手段
と、接地手段により帯電制御手段の電圧レベルを接地電
位としたときに電流検出手段により検出されるジェット
電流をキャンセルするキャンセル手段とを設けたことに
より、ジェット電流に含まれる偏向電場誘導電流をキャ
ンセルして制御電場誘導電流に基づく正確なジェット電
流を検出でき、ジェット電流の高精度な検出が可能にな
るという効果がある。
【0055】また、複数のノズルを搭載する連続噴射型
インクジェット記録装置のジェット電流検出装置におい
て、複数の帯電制御手段の電圧レベルを独立に接地電位
にする複数の接地手段と、分離手段を通過したインク粒
子を捕獲してその電荷をジェット電流として検出する電
流検出手段と、複数の接地手段により複数の帯電制御手
段の電圧レベルを選択的に接地電位としたときに電流検
出手段により検出されるジェット電流を個別にキャンセ
ルする複数のキャンセル手段とを設けたことにより、複
数のインクジェットに誘導される偏向電場誘導電流を選
択的にキャンセルして制御電場誘導電流に基づく正確な
ジェット電流を検出でき、ジェット電流の高精度な検出
が可能になるという効果がある。
【0056】さらに、複数のノズルを搭載する連続噴射
型インクジェット記録装置のジェット電流検出装置にお
いて、複数の帯電制御手段の電圧レベルを一括して接地
電位にする接地手段と、分離手段を通過したインク粒子
を捕獲してその電荷をジェット電流として検出する電流
検出手段と、接地手段により複数の帯電制御手段の電圧
レベルを一括して接地電位としたときに電流検出手段に
より検出されたジェット電流を一括してキャンセルする
キャンセル手段とを設けたことにより、複数のインクジ
ェットに誘導される偏向電場誘導電流を一括してキャン
セルして制御電場誘導電流に基づく正確なジェット電流
を検出でき、ジェット電流の高精度な検出が可能になる
という効果がある。
【0057】さらにまた、複数のノズルを搭載する連続
噴射型インクジェット記録装置のジェット電流検出装置
において、複数の帯電制御手段の電圧レベルを独立に接
地電位にする複数の接地手段と、分離手段を通過したイ
ンク粒子を捕獲してその電荷をジェット電流として検出
する電流検出手段と、複数の接地手段により複数の帯電
制御手段の任意の組合せの電圧レベルを接地電位とした
ときに電流検出手段により検出されたジェット電流をキ
ャンセルするキャンセル手段とを設けたことにより、複
数のインクジェットに誘導される偏向電場誘導電流の任
意の組合せを一括してキャンセルして制御電場誘導電流
に基づく正確なジェット電流を検出でき、ジェット電流
の高精度な検出が可能になるという効果がある。
【0058】一方、連続噴射型インクジェット記録装置
のジェット電流検出装置において、帯電制御手段の電圧
レベルを接地電位とする工程と、キャンセル手段を構成
するD/A変換器にキャンセル電流に相当するキャンセ
ルデータを出力する工程と、D/A変換器からのアナロ
グ電圧に由来するキャンセル電流と電流検出手段により
検出されたジェット電流との和が0かどうかを判定する
工程とを、キャンセル電流とジェット電流との和が0に
なるまで繰り返すことによってキャンセルデータを決定
し、ジェット電流の検出時にキャンセルデータをD/A
変換器に出力することによってキャンセル電流を発生す
ることにより、インクジェットに誘導される偏向電場誘
導電流をキャンセルする処理を自動化することができ、
ジェット電流の高精度な検出が容易にできるようになる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るジェット電流
検出装置を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るジェット電流
検出装置を示す構成図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るジェット電流
検出装置の要部を示す構成図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るジェット電流
検出装置の要部を示す構成図である。
【図5】第4の実施の形態に係るジェット電流検出装置
におけるキャンセルデータ決定処理を示すフローチャー
トである。
【図6】従来のジェット電流検出装置を示す構成図であ
る。
【図7】インク粒子の帯電の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 インク電極 3 振動子 4 制御電極 5 接地電極 6 ナイフエッジ 7 偏向電極 8 導電性粒子キャッチャ 9 シールド線 ADC A/D変換器 AM 加算増幅器 CCG キャンセル電流発生器 CD 電流検出器 DAC D/A変換器 E1 偏向電源 ec ,ec1〜ecn 可変直流電源 Id1〜Idn,Idx キャンセル電流 Ij ジェット電流 Rc ,Rc1〜Rcn 抵抗 Rf 抵抗 Rin 抵抗 SW1 ,SW11〜SW1n 切換スイッチ SW2 選択スイッチ SW21〜SW2n 接点

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットを一連のインク粒子列に
    分裂させる粒子化手段と、この粒子化手段によって粒子
    化されたインク粒子の帯電を制御する帯電制御手段と、
    ジェット噴射軸に直交する偏向電場を作り帯電インク粒
    子を偏向させる偏向手段と、この偏向手段により偏向さ
    れたか否かに応じてインク粒子を分離する分離手段とを
    具備する連続噴射型インクジェット記録装置において、 前記帯電制御手段の電圧レベルを接地電位にする接地手
    段と、 前記分離手段を通過したインク粒子を捕獲してその電荷
    をジェット電流として検出する電流検出手段と、 前記接地手段により前記帯電制御手段の電圧レベルを接
    地電位としたときに前記電流検出手段により検出される
    ジェット電流をキャンセルするキャンセル手段とを備え
    ることを特徴とするジェット電流検出装置。
  2. 【請求項2】 前記キャンセル手段が、可変直流電源を
    含むキャンセル電流発生器と、前記電流検出手段により
    検出されるジェット電流と前記キャンセル電流発生器か
    らのキャンセル電流とを加算して増幅する加算増幅器と
    から構成される請求項1記載のジェット電流検出装置。
  3. 【請求項3】 インクジェットを一連のインク粒子列に
    分裂させる複数の粒子化手段と、これら複数の粒子化手
    段によって粒子化されたインク粒子の帯電を制御する複
    数の帯電制御手段と、ジェット噴射軸に直交する偏向電
    場を作り帯電インク粒子を偏向させる偏向手段と、この
    偏向手段により偏向されたか否かに応じてインク粒子を
    分離する分離手段とを具備する連続噴射型インクジェッ
    ト記録装置において、 前記複数の帯電制御手段の電圧レベルを独立に接地電位
    にする複数の接地手段と、 前記分離手段を通過したインク粒子を捕獲してその電荷
    をジェット電流として検出する電流検出手段と、 前記複数の接地手段により前記複数の帯電制御手段の電
    圧レベルを選択的に接地電位としたときに前記電流検出
    手段により検出されるジェット電流を個別にキャンセル
    する複数のキャンセル手段とを備えることを特徴とする
    ジェット電流検出装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のキャンセル手段が、可変直流
    電源を含む複数のキャンセル電流発生器と、これら複数
    のキャンセル電流発生器で発生されたキャンセル電流を
    選択的に加算する加算手段と、前記電流検出手段により
    検出されるジェット電流と前記加算手段により加算され
    たキャンセル電流の和とを加算して増幅する加算増幅器
    とから構成される請求項3記載のジェット電流検出装
    置。
  5. 【請求項5】 インクジェットを一連のインク粒子列に
    分裂させる複数の粒子化手段と、これら複数の粒子化手
    段によって粒子化されたインク粒子の帯電を制御する複
    数の帯電制御手段と、ジェット噴射軸に直交する偏向電
    場を作り帯電インク粒子を偏向させる偏向手段と、この
    偏向手段により偏向されたか否かに応じてインク粒子を
    分離する分離手段とを具備する連続噴射型インクジェッ
    ト記録装置において、 前記複数の帯電制御手段の電圧レベルを一括して接地電
    位にする接地手段と、 前記分離手段を通過したインク粒子を捕獲してその電荷
    をジェット電流として検出する電流検出手段と、 前記接地手段により前記複数の帯電制御手段の電圧レベ
    ルを一括して接地電位としたときに前記電流検出手段に
    より検出されたジェット電流を一括してキャンセルする
    キャンセル手段とを備えることを特徴とするジェット電
    流検出装置。
  6. 【請求項6】 前記キャンセル手段が、可変直流電源を
    含むキャンセル電流発生器と、前記電流検出手段により
    検出されたジェット電流と前記キャンセル電流発生器か
    らのキャンセル電流とを加算して増幅する加算増幅器と
    から構成される請求項5記載のジェット電流検出装置。
  7. 【請求項7】 インクジェットを一連のインク粒子列に
    分裂させる複数の粒子化手段と、これら複数の粒子化手
    段によって粒子化されたインク粒子の帯電を制御する複
    数の帯電制御手段と、ジェット噴射軸に直交する偏向電
    場を作り帯電インク粒子を偏向させる偏向手段と、この
    偏向手段により偏向されたか否かに応じてインク粒子を
    分離する分離手段とを具備する連続噴射型インクジェッ
    ト記録装置において、 前記複数の帯電制御手段の電圧レベルを独立に接地電位
    にする複数の接地手段と、 前記分離手段を通過したインク粒子を捕獲してその電荷
    をジェット電流として検出する電流検出手段と、 前記複数の接地手段により前記複数の帯電制御手段の任
    意の組合せの電圧レベルを接地電位としたときに前記電
    流検出手段により検出されたジェット電流をキャンセル
    するキャンセル手段とを備えることを特徴とするジェッ
    ト電流検出装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のキャンセル手段が、前記キャ
    ンセル電流に相当するキャンセルデータをアナログ電圧
    に変換するD/A変換器と、前記電流検出手段により検
    出されたジェット電流と前記D/A変換器からのアナロ
    グ電圧に由来するキャンセル電流とを加算して増幅する
    加算増幅器とから構成される請求項7記載のジェット電
    流検出装置。
  9. 【請求項9】 インクジェットを一連のインク粒子列に
    分裂させる粒子化手段と、この粒子化手段によって粒子
    化されたインク粒子の帯電を制御する帯電制御手段と、
    ジェット噴射軸に直交する偏向電場を作り帯電インク粒
    子を偏向させる偏向手段と、この偏向手段により偏向さ
    れたか否かに応じてインク粒子を分離する分離手段と、
    前記帯電制御手段の電圧レベルを接地電位にする接地手
    段と、前記分離手段を通過したインク粒子を捕獲してそ
    の電荷をジェット電流として検出する電流検出手段と、
    前記接地手段により前記帯電制御手段の電圧レベルを接
    地電位としたときに前記電流検出手段により検出された
    ジェット電流をキャンセルするキャンセル手段とを具備
    する連続噴射型インクジェット記録装置において、 前記帯電制御手段の電圧レベルを接地電位とする工程
    と、前記キャンセル手段を構成するD/A変換器に前記
    キャンセル電流に相当するキャンセルデータを出力する
    工程と、前記D/A変換器からのアナログ電圧に由来す
    るキャンセル電流と前記電流検出手段により検出された
    ジェット電流との和が0かどうかを判定する工程とを、
    前記キャンセル電流と前記ジェット電流との和が0にな
    るまで繰り返すことによってキャンセルデータを決定
    し、ジェット電流の検出時に前記キャンセルデータを前
    記D/A変換器に出力することによってキャンセル電流
    を発生することを特徴とするジェット電流検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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