JPH10147895A - 金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装置 - Google Patents
金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装置Info
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- JPH10147895A JPH10147895A JP30471196A JP30471196A JPH10147895A JP H10147895 A JPH10147895 A JP H10147895A JP 30471196 A JP30471196 A JP 30471196A JP 30471196 A JP30471196 A JP 30471196A JP H10147895 A JPH10147895 A JP H10147895A
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属帯による槽間の酸液など処理液の持ち越
しに起因する浸漬処理槽またはその後工程における槽外
への処理液の漏洩を防止し、高速酸洗などの高速浸漬処
理が可能な、鋼帯など金属帯の連続式浸漬処理槽の液面
高さ制御方法および制御装置ならびに連続式浸漬処理槽
の提供。 【解決手段】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装
置ならびに連続式浸漬処理槽であって、最終槽10d とそ
の前の槽10c を仕切るダム1が、可動式の処理液仕切り
部材2を有し、好ましくは最終槽の液面高さおよび金属
帯の板幅に基づき当該可動式の処理液仕切り部材2の位
置を調節し、最終槽10d の液面高さを制御する金属帯の
連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装置な
らびに連続式浸漬処理槽。
しに起因する浸漬処理槽またはその後工程における槽外
への処理液の漏洩を防止し、高速酸洗などの高速浸漬処
理が可能な、鋼帯など金属帯の連続式浸漬処理槽の液面
高さ制御方法および制御装置ならびに連続式浸漬処理槽
の提供。 【解決手段】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装
置ならびに連続式浸漬処理槽であって、最終槽10d とそ
の前の槽10c を仕切るダム1が、可動式の処理液仕切り
部材2を有し、好ましくは最終槽の液面高さおよび金属
帯の板幅に基づき当該可動式の処理液仕切り部材2の位
置を調節し、最終槽10d の液面高さを制御する金属帯の
連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装置な
らびに連続式浸漬処理槽。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯の連続式酸洗
槽など金属帯の連続式浸漬処理槽に関し、特に、複数の
槽に仕切られた当該浸漬処理槽の液面高さを制御する、
金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制
御装置ならびに連続式浸漬処理槽に関する。
槽など金属帯の連続式浸漬処理槽に関し、特に、複数の
槽に仕切られた当該浸漬処理槽の液面高さを制御する、
金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制
御装置ならびに連続式浸漬処理槽に関する。
【0002】
【従来の技術】複数槽で構成される鋼帯など金属帯の高
速酸洗槽では、金属帯による槽間の酸洗液持ち越しが原
因で、最終槽の液面が経時的に上昇し、最終槽または出
側オーバーフロー槽などその後工程における槽外への酸
洗液の漏洩(オーバーフロー)(以下酸漏れと記す)が
生じ、この場合酸洗速度を減速しなくてはならないとい
う問題がある。
速酸洗槽では、金属帯による槽間の酸洗液持ち越しが原
因で、最終槽の液面が経時的に上昇し、最終槽または出
側オーバーフロー槽などその後工程における槽外への酸
洗液の漏洩(オーバーフロー)(以下酸漏れと記す)が
生じ、この場合酸洗速度を減速しなくてはならないとい
う問題がある。
【0003】この現象は、通板速度が 300m/分以上の
高速酸洗で特に問題となり、この問題を解消するため、
最終槽から前の槽へ酸洗液(以下酸液と記す)をポンプ
で戻す方法が用いられている。しかし、このようなポン
プを用いた方法では、酸液の返送配管系統での熱損失な
どにより、酸洗槽の酸液の温度管理が困難であったり、
配管やポンプの設置場所の確保が必要であるという問題
がある。
高速酸洗で特に問題となり、この問題を解消するため、
最終槽から前の槽へ酸洗液(以下酸液と記す)をポンプ
で戻す方法が用いられている。しかし、このようなポン
プを用いた方法では、酸液の返送配管系統での熱損失な
どにより、酸洗槽の酸液の温度管理が困難であったり、
配管やポンプの設置場所の確保が必要であるという問題
がある。
【0004】また、帯鋼に同伴する酸液の液切り手段を
槽間に設けた酸洗槽が開示されている(特開昭62−2078
90号公報)が、この方法の場合、液切ロールの劣化が生
じ易く操業の安定性に欠け、また液切ロールの交換のた
め酸洗設備の稼働率が低下しまた補修費用を要する問題
があった。
槽間に設けた酸洗槽が開示されている(特開昭62−2078
90号公報)が、この方法の場合、液切ロールの劣化が生
じ易く操業の安定性に欠け、また液切ロールの交換のた
め酸洗設備の稼働率が低下しまた補修費用を要する問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、金属帯による槽間の酸液など
処理液の持ち越しに起因する浸漬処理槽外またはその後
の出側オーバーフロー槽など後工程における槽外への処
理液の漏洩を防止し、高速酸洗などの高速浸漬処理が可
能な、鋼帯など金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制
御方法および制御装置ならびに連続式浸漬処理槽を提供
することを目的とする。
来技術の問題点を解決し、金属帯による槽間の酸液など
処理液の持ち越しに起因する浸漬処理槽外またはその後
の出側オーバーフロー槽など後工程における槽外への処
理液の漏洩を防止し、高速酸洗などの高速浸漬処理が可
能な、鋼帯など金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制
御方法および制御装置ならびに連続式浸漬処理槽を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ダムによ
って複数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の
液面高さ制御方法であって、最終槽とその前の槽を仕切
るダムが、可動式の処理液仕切り部材を有し、当該可動
式の処理液仕切り部材の位置の調節により最終槽の液面
高さを制御することを特徴とする金属帯の連続式浸漬処
理槽の液面高さ制御方法である。
って複数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の
液面高さ制御方法であって、最終槽とその前の槽を仕切
るダムが、可動式の処理液仕切り部材を有し、当該可動
式の処理液仕切り部材の位置の調節により最終槽の液面
高さを制御することを特徴とする金属帯の連続式浸漬処
理槽の液面高さ制御方法である。
【0007】前記第1の発明においては、前記可動式の
処理液仕切り部材の位置を、最終槽の液面高さおよび金
属帯の板幅に基づき調節することが好ましい。第2の発
明は、ダムによって複数の槽に仕切られた金属帯の連続
式浸漬処理槽の液面高さ制御方法であって、最終槽とそ
の前の槽を仕切るダムが、当該最終槽からその前の槽へ
の処理液の溢流高さおよび/または槽間流路断面積を可
変とした可動式の処理液仕切り部材を有し、当該可動式
の処理液仕切り部材により最終槽の液面高さを制御する
ことを特徴とする金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ
制御方法である。
処理液仕切り部材の位置を、最終槽の液面高さおよび金
属帯の板幅に基づき調節することが好ましい。第2の発
明は、ダムによって複数の槽に仕切られた金属帯の連続
式浸漬処理槽の液面高さ制御方法であって、最終槽とそ
の前の槽を仕切るダムが、当該最終槽からその前の槽へ
の処理液の溢流高さおよび/または槽間流路断面積を可
変とした可動式の処理液仕切り部材を有し、当該可動式
の処理液仕切り部材により最終槽の液面高さを制御する
ことを特徴とする金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ
制御方法である。
【0008】前記第2の発明においては、前記可動式の
処理液仕切り部材で規制される溢流高さおよび/または
槽間流路断面積を、最終槽の液面高さおよび金属帯の板
幅に基づき調節することが好ましい。第3の発明は、ダ
ムによって複数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処
理槽であって、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダ
ム1が、可動式の処理液仕切り部材2を有することを特
徴とする金属帯の連続式浸漬処理槽である。
処理液仕切り部材で規制される溢流高さおよび/または
槽間流路断面積を、最終槽の液面高さおよび金属帯の板
幅に基づき調節することが好ましい。第3の発明は、ダ
ムによって複数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処
理槽であって、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダ
ム1が、可動式の処理液仕切り部材2を有することを特
徴とする金属帯の連続式浸漬処理槽である。
【0009】第4の発明は、ダムによって複数の槽に仕
切られた金属帯の連続式浸漬処理槽であって、最終槽10
d とその前の槽10c を仕切るダム1が、当該最終槽10d
からその前の槽10c への処理液の溢流高さおよび/また
は槽間流路断面積を可変とした可動式の処理液仕切り部
材2を有することを特徴とする金属帯の連続式浸漬処理
槽である。
切られた金属帯の連続式浸漬処理槽であって、最終槽10
d とその前の槽10c を仕切るダム1が、当該最終槽10d
からその前の槽10c への処理液の溢流高さおよび/また
は槽間流路断面積を可変とした可動式の処理液仕切り部
材2を有することを特徴とする金属帯の連続式浸漬処理
槽である。
【0010】第5の発明は、ダムによって複数の槽に仕
切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置
であって、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム1
に設けられた可動式の処理液仕切り部材2と、当該可動
式の処理液仕切り部材2の位置調節用の調節装置7と、
最終槽10d の液面高さ測定装置12と、当該測定装置12の
液面高さの測定値および金属帯の板幅に基づき前記調節
装置7を制御する制御装置8とを有することを特徴とす
る金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置であ
る。
切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置
であって、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム1
に設けられた可動式の処理液仕切り部材2と、当該可動
式の処理液仕切り部材2の位置調節用の調節装置7と、
最終槽10d の液面高さ測定装置12と、当該測定装置12の
液面高さの測定値および金属帯の板幅に基づき前記調節
装置7を制御する制御装置8とを有することを特徴とす
る金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置であ
る。
【0011】第6の発明は、ダムによって複数の槽に仕
切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置
であって、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム1
に設けられかつ前記最終槽10d からその前の槽10c への
処理液の溢流高さおよび/または槽間流路断面積を可変
とした可動式の処理液仕切り部材2と、当該可動式の処
理液仕切り部材2で規制される溢流高さおよび/または
槽間流路断面積の調節装置7と、最終槽10d の液面高さ
測定装置12と、当該測定装置12の液面高さの測定値およ
び金属帯の板幅に基づき前記調節装置7を制御する制御
装置8とを有することを特徴とする金属帯の連続式浸漬
処理槽の液面高さ制御装置である。
切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置
であって、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム1
に設けられかつ前記最終槽10d からその前の槽10c への
処理液の溢流高さおよび/または槽間流路断面積を可変
とした可動式の処理液仕切り部材2と、当該可動式の処
理液仕切り部材2で規制される溢流高さおよび/または
槽間流路断面積の調節装置7と、最終槽10d の液面高さ
測定装置12と、当該測定装置12の液面高さの測定値およ
び金属帯の板幅に基づき前記調節装置7を制御する制御
装置8とを有することを特徴とする金属帯の連続式浸漬
処理槽の液面高さ制御装置である。
【0012】前記した第1の発明〜第6の発明において
は、前記した最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム
1が、中央仕切り部材3と前記した可動式の処理液仕切
り部材2とからなり、当該可動式の処理液仕切り部材2
が、前記中央仕切り部材3の幅方向両側に設けられるこ
とが好ましい。また、前記した第1の発明〜第6の発明
においては、前記した可動式の処理液仕切り部材2とし
ては、上下方向移動式仕切り板などの上下方向移動式仕
切り部材、浸漬処理槽幅方向移動式仕切り板などの浸漬
処理槽幅方向移動式仕切り部材、上下方向回転式仕切り
板など上下方向回転式仕切り部材などが好ましく例示さ
れ、前者の上下方向移動式仕切り部材を用いることが、
より好ましい。
は、前記した最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム
1が、中央仕切り部材3と前記した可動式の処理液仕切
り部材2とからなり、当該可動式の処理液仕切り部材2
が、前記中央仕切り部材3の幅方向両側に設けられるこ
とが好ましい。また、前記した第1の発明〜第6の発明
においては、前記した可動式の処理液仕切り部材2とし
ては、上下方向移動式仕切り板などの上下方向移動式仕
切り部材、浸漬処理槽幅方向移動式仕切り板などの浸漬
処理槽幅方向移動式仕切り部材、上下方向回転式仕切り
板など上下方向回転式仕切り部材などが好ましく例示さ
れ、前者の上下方向移動式仕切り部材を用いることが、
より好ましい。
【0013】さらには、前記した第1の発明〜第6の発
明は、処理液として酸洗液を用いる、金属帯の連続式酸
洗槽の液面高さ制御方法、金属帯の連続式酸洗槽、およ
び金属帯の連続式酸洗槽の液面高さ制御装置として好ま
しく用いられる。
明は、処理液として酸洗液を用いる、金属帯の連続式酸
洗槽の液面高さ制御方法、金属帯の連続式酸洗槽、およ
び金属帯の連続式酸洗槽の液面高さ制御装置として好ま
しく用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明は、前記従来技術の問題点を解決し、高速
酸洗など高速浸漬処理を安定して行うために、ダムによ
って複数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の
少なくとも最終の浸漬処理槽(以下最終槽とも記す)と
その前の槽を仕切るダムが、上下方向移動式仕切り部材
など、最終槽からその前の槽への処理液の溢流高さ、槽
間流路断面積または両者を可変とした可動式の処理液仕
切り部材を有し、当該可動式の処理液仕切り部材の位置
の調節により最終槽の液面高さを制御するものである。
する。本発明は、前記従来技術の問題点を解決し、高速
酸洗など高速浸漬処理を安定して行うために、ダムによ
って複数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の
少なくとも最終の浸漬処理槽(以下最終槽とも記す)と
その前の槽を仕切るダムが、上下方向移動式仕切り部材
など、最終槽からその前の槽への処理液の溢流高さ、槽
間流路断面積または両者を可変とした可動式の処理液仕
切り部材を有し、当該可動式の処理液仕切り部材の位置
の調節により最終槽の液面高さを制御するものである。
【0015】本発明は、さらには、少なくとも最終槽に
液面高さ測定装置を付設し、少なくとも最終槽の液面高
さおよび金属帯の板幅の両者に基づき、上記した可動式
の処理液仕切り部材の位置を調節し、当該仕切り部材の
溢流高さ、槽間流路断面積または両者を調節するもので
ある。なお、本発明における溢流高さとは、最終槽の酸
液など最終槽の処理液が前の槽へ溢流時のダム部におけ
る溢流の最下端部の高さを示し、当該溢流高さは、可動
式の処理液仕切り部材の位置によって規制される。
液面高さ測定装置を付設し、少なくとも最終槽の液面高
さおよび金属帯の板幅の両者に基づき、上記した可動式
の処理液仕切り部材の位置を調節し、当該仕切り部材の
溢流高さ、槽間流路断面積または両者を調節するもので
ある。なお、本発明における溢流高さとは、最終槽の酸
液など最終槽の処理液が前の槽へ溢流時のダム部におけ
る溢流の最下端部の高さを示し、当該溢流高さは、可動
式の処理液仕切り部材の位置によって規制される。
【0016】すなわち、可動式仕切り部材が、例えば矩
形状の上下方向移動式仕切り板で当該仕切り板の上端部
から溢流せしめる場合は、当該仕切り板の上端辺の高さ
を示す。また、本発明における槽間流路断面積とは、最
終槽の処理液が前の槽へ溢流および/または流通する際
のダム部における液流の断面積、すなわち液流で形成さ
れた流路断面積を示し、当該槽間流路断面積は、可動式
の処理液仕切り部材の位置によって規制される。
形状の上下方向移動式仕切り板で当該仕切り板の上端部
から溢流せしめる場合は、当該仕切り板の上端辺の高さ
を示す。また、本発明における槽間流路断面積とは、最
終槽の処理液が前の槽へ溢流および/または流通する際
のダム部における液流の断面積、すなわち液流で形成さ
れた流路断面積を示し、当該槽間流路断面積は、可動式
の処理液仕切り部材の位置によって規制される。
【0017】本発明によれば、前記した構成を採用する
ことにより、下記〜の効果が得られる。 :最終槽の液面高さを最終槽の限界液面高さ以下に保
った状態で、金属帯に随伴し最終槽へ持ち越される酸液
など処理液の量(流量)と最終槽から前の槽へ返送され
る処理液の量(流量)とを等しくすることが可能とな
り、高速酸洗など高速浸漬処理においても、最終槽また
はその後の出側オーバーフロー槽などその後工程におけ
る槽外への酸洩れなど処理液の漏洩を完全に防止するこ
とができる。
ことにより、下記〜の効果が得られる。 :最終槽の液面高さを最終槽の限界液面高さ以下に保
った状態で、金属帯に随伴し最終槽へ持ち越される酸液
など処理液の量(流量)と最終槽から前の槽へ返送され
る処理液の量(流量)とを等しくすることが可能とな
り、高速酸洗など高速浸漬処理においても、最終槽また
はその後の出側オーバーフロー槽などその後工程におけ
る槽外への酸洩れなど処理液の漏洩を完全に防止するこ
とができる。
【0018】:最終槽の液面高さを、酸洩れなど処理
液の漏洩を生じることなく、最大限、高位に維持するこ
とが可能となり、金属帯と酸洗液など処理液との接触時
間が長くなり、酸洗効果など浸漬処理効果を高めること
ができる。 :最終槽からその前の槽への酸液など処理液の返送に
おける熱損失が少なく、省エネルギーが達成でき、浸漬
処理槽の処理液の温度管理も容易となる。
液の漏洩を生じることなく、最大限、高位に維持するこ
とが可能となり、金属帯と酸洗液など処理液との接触時
間が長くなり、酸洗効果など浸漬処理効果を高めること
ができる。 :最終槽からその前の槽への酸液など処理液の返送に
おける熱損失が少なく、省エネルギーが達成でき、浸漬
処理槽の処理液の温度管理も容易となる。
【0019】以下、本発明を、金属帯の連続式浸漬処理
槽の代表例である、処理液として酸洗液を用いた金属帯
の連続式酸洗槽について説明する。図1に、連続式酸洗
槽の最終槽とその前の槽との間に設けられた本発明に係
わる槽間ダムを斜視図により示す。図1において、1は
ダム(槽間ダム)、2は可動式の酸洗液仕切り部材(以
下可動式仕切り部材と記す)、2h0 は制御前の可動式仕
切り部材2の上端辺2hの位置、2h+1は制御後の可動式仕
切り部材2の上端辺2hの位置、3は金属帯支持部3aを有
する中央仕切り部材(酸洗槽幅方向中央部の酸洗液仕切
り部材)、4は金属帯、5は可動式仕切り部材2の移動
用レール、6は可動式仕切り部材移動用のロッド、7は
可動式仕切り部材2の位置調節用の調節装置、8は調節
装置7を制御する制御装置、9は最終槽の前の槽の底
板、f1 は金属帯4の通板方向、f2 は可動式仕切り部
材2の移動方向、h0 は制御前の可動式仕切り部材2の
上端辺2hの高さ、h+1は制御後の可動式仕切り部材2の
上端辺2hの高さを示す。
槽の代表例である、処理液として酸洗液を用いた金属帯
の連続式酸洗槽について説明する。図1に、連続式酸洗
槽の最終槽とその前の槽との間に設けられた本発明に係
わる槽間ダムを斜視図により示す。図1において、1は
ダム(槽間ダム)、2は可動式の酸洗液仕切り部材(以
下可動式仕切り部材と記す)、2h0 は制御前の可動式仕
切り部材2の上端辺2hの位置、2h+1は制御後の可動式仕
切り部材2の上端辺2hの位置、3は金属帯支持部3aを有
する中央仕切り部材(酸洗槽幅方向中央部の酸洗液仕切
り部材)、4は金属帯、5は可動式仕切り部材2の移動
用レール、6は可動式仕切り部材移動用のロッド、7は
可動式仕切り部材2の位置調節用の調節装置、8は調節
装置7を制御する制御装置、9は最終槽の前の槽の底
板、f1 は金属帯4の通板方向、f2 は可動式仕切り部
材2の移動方向、h0 は制御前の可動式仕切り部材2の
上端辺2hの高さ、h+1は制御後の可動式仕切り部材2の
上端辺2hの高さを示す。
【0020】図1に示される槽間ダムにおいては、ダム
1が、中央仕切り部材3と当該中央仕切り部材3の幅方
向両側に設けられた可動式仕切り部材2とから構成さ
れ、可動式仕切り部材2である上下方向移動式仕切り部
材が、モータまたは油圧シリンダなどの調節装置7によ
り、上下方向f2 に移動し、溢流高さ(=h)がh0 →
h+1のように制御される。
1が、中央仕切り部材3と当該中央仕切り部材3の幅方
向両側に設けられた可動式仕切り部材2とから構成さ
れ、可動式仕切り部材2である上下方向移動式仕切り部
材が、モータまたは油圧シリンダなどの調節装置7によ
り、上下方向f2 に移動し、溢流高さ(=h)がh0 →
h+1のように制御される。
【0021】また、可動式仕切り部材2の上端辺2hの高
さhは、調節装置7の作動および制御装置8の制御によ
り、酸洗条件に対応して調節される。次に、図2に、本
発明に係わる連続式酸洗槽を側面図により示す。図2に
おいて、10は連続式酸洗槽、10a 、10b 、10c 、10d は
複数の槽に仕切られた酸洗槽の各槽(以下分割槽とも記
す)、11は酸洗液(酸液)、12は最終槽の液面高さ測定
装置、13は出側オーバーフロー槽(液切り槽)、14は金
属帯4に付着した酸液を除去するための液絞りロール、
15は金属帯支持ロール、16は酸洗槽のカバーを示し、そ
の他の符号は図1と同一の内容を示す。なお、連続式酸
洗槽の最終の分割槽10d を以下最終槽10d とも記す。
さhは、調節装置7の作動および制御装置8の制御によ
り、酸洗条件に対応して調節される。次に、図2に、本
発明に係わる連続式酸洗槽を側面図により示す。図2に
おいて、10は連続式酸洗槽、10a 、10b 、10c 、10d は
複数の槽に仕切られた酸洗槽の各槽(以下分割槽とも記
す)、11は酸洗液(酸液)、12は最終槽の液面高さ測定
装置、13は出側オーバーフロー槽(液切り槽)、14は金
属帯4に付着した酸液を除去するための液絞りロール、
15は金属帯支持ロール、16は酸洗槽のカバーを示し、そ
の他の符号は図1と同一の内容を示す。なお、連続式酸
洗槽の最終の分割槽10d を以下最終槽10d とも記す。
【0022】図2に示す連続式酸洗槽の場合、オーバー
フロー槽13の底部には、最終槽10dに酸液を戻す還流流
路13a が設けられ、液絞りロール14で除去、貯留された
酸液は最終槽10d に還流される構成となっている。図2
に示されるダムによって複数の槽に仕切られた連続式酸
洗槽の場合、槽間の酸液の持ち越しにより最終槽または
出側オーバーフロー槽などその後工程における槽外への
酸洩れが常に問題となる。
フロー槽13の底部には、最終槽10dに酸液を戻す還流流
路13a が設けられ、液絞りロール14で除去、貯留された
酸液は最終槽10d に還流される構成となっている。図2
に示されるダムによって複数の槽に仕切られた連続式酸
洗槽の場合、槽間の酸液の持ち越しにより最終槽または
出側オーバーフロー槽などその後工程における槽外への
酸洩れが常に問題となる。
【0023】すなわち、図2における方式の場合は、最
終槽10d の液面レベルが高い場合、酸液の出側オーバー
フロー槽13への持ち込み量が多くなり、出側オーバーフ
ロー槽13の側壁の高さが最終槽10d の側壁の高さより低
い場合は、出側オーバーフロー槽13からの酸洩れが生じ
る。また、出側オーバーフロー槽13の側壁の高さが最終
槽10d の側壁の高さより高い場合は、最終槽10d からの
酸洩れが生じる。
終槽10d の液面レベルが高い場合、酸液の出側オーバー
フロー槽13への持ち込み量が多くなり、出側オーバーフ
ロー槽13の側壁の高さが最終槽10d の側壁の高さより低
い場合は、出側オーバーフロー槽13からの酸洩れが生じ
る。また、出側オーバーフロー槽13の側壁の高さが最終
槽10d の側壁の高さより高い場合は、最終槽10d からの
酸洩れが生じる。
【0024】図1および図2に示される連続式酸洗槽
は、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム1が、金
属帯支持部3aを有する中央仕切り部材3と当該中央仕切
り部材3の幅方向両側に設けられかつ溢流高さ(=h)
を可変とした可動式仕切り部材2とから構成され、当該
可動式仕切り部材2の上下方向の移動により、最終槽10
d の液面高さ〔=飽和(平衡)液面高さLeq. 〕が制御
される。
は、最終槽10d とその前の槽10c を仕切るダム1が、金
属帯支持部3aを有する中央仕切り部材3と当該中央仕切
り部材3の幅方向両側に設けられかつ溢流高さ(=h)
を可変とした可動式仕切り部材2とから構成され、当該
可動式仕切り部材2の上下方向の移動により、最終槽10
d の液面高さ〔=飽和(平衡)液面高さLeq. 〕が制御
される。
【0025】図1および図2に示す連続式酸洗槽におい
ては、分割槽10c と分割槽10d (最終槽)との間で下記
式(1) 、(2) が満足されるように分割槽10d の液面を制
御する必要がある。 Q1 ≦Q2 ………………(1) Leq. ≦Lmax …………(2) 〔ここで、Q1 :金属帯の搬送時に金属帯への付着など
により分割槽10c から分割槽10d へ持ち越し、移送され
る酸液の流量、Q2 :上下方向移動式仕切り部材の上端
辺2h部において分割槽10d から分割槽10c へ溢流、返送
される酸液の流量、Leq. :Q1 =Q2 の定常状態とな
る分割槽10d の飽和液面高さ(:平衡液面高さ)、L
max :分割槽10d の酸洗槽外または出側オーバーフロー
槽外へ酸洩れが生じる分割槽10d の限界液面高さを示
す。〕 図1、図2に示す本発明の好適態様においては、金属帯
の板幅、金属帯の通板速度、金属帯の表面性状、酸液の
組成、酸液の温度などの操業条件の変化に対して常に前
記式(1) および(2) の両者が満足されるように、上下方
向移動式仕切り部材の上端辺2hの高さhすなわち溢流高
さを制御する。
ては、分割槽10c と分割槽10d (最終槽)との間で下記
式(1) 、(2) が満足されるように分割槽10d の液面を制
御する必要がある。 Q1 ≦Q2 ………………(1) Leq. ≦Lmax …………(2) 〔ここで、Q1 :金属帯の搬送時に金属帯への付着など
により分割槽10c から分割槽10d へ持ち越し、移送され
る酸液の流量、Q2 :上下方向移動式仕切り部材の上端
辺2h部において分割槽10d から分割槽10c へ溢流、返送
される酸液の流量、Leq. :Q1 =Q2 の定常状態とな
る分割槽10d の飽和液面高さ(:平衡液面高さ)、L
max :分割槽10d の酸洗槽外または出側オーバーフロー
槽外へ酸洩れが生じる分割槽10d の限界液面高さを示
す。〕 図1、図2に示す本発明の好適態様においては、金属帯
の板幅、金属帯の通板速度、金属帯の表面性状、酸液の
組成、酸液の温度などの操業条件の変化に対して常に前
記式(1) および(2) の両者が満足されるように、上下方
向移動式仕切り部材の上端辺2hの高さhすなわち溢流高
さを制御する。
【0026】このための制御方法としては、例えば、予
め、上下方向移動式仕切り部材の上端辺2hの高さh(=
溢流高さ)と分割槽10d の飽和液面高さLeq. との関係
式を、金属帯の板幅などの操業条件に対応して求めてお
き、制御時は、得られた関係式に基づき、操業条件の変
化に対応して上端辺2hの高さhを制御し、飽和液面高さ
Leq. が限界液面高さLmax 以下のレベルになるように
hを設定する。
め、上下方向移動式仕切り部材の上端辺2hの高さh(=
溢流高さ)と分割槽10d の飽和液面高さLeq. との関係
式を、金属帯の板幅などの操業条件に対応して求めてお
き、制御時は、得られた関係式に基づき、操業条件の変
化に対応して上端辺2hの高さhを制御し、飽和液面高さ
Leq. が限界液面高さLmax 以下のレベルになるように
hを設定する。
【0027】すなわち、例えば、予め、上下方向移動式
仕切り部材の上端辺2hの高さ(以下上端辺の高さとも記
す)hを固定した状態で、前記した操業条件、例えば金
属帯の板幅と飽和液面高さLeq. との関係式を求める。
次に、上端辺2hの高さhの水準を変え、上記と同じく、
hを固定した状態で、金属帯の板幅と飽和液面高さL
eq. との関係式を求める。
仕切り部材の上端辺2hの高さ(以下上端辺の高さとも記
す)hを固定した状態で、前記した操業条件、例えば金
属帯の板幅と飽和液面高さLeq. との関係式を求める。
次に、上端辺2hの高さhの水準を変え、上記と同じく、
hを固定した状態で、金属帯の板幅と飽和液面高さL
eq. との関係式を求める。
【0028】このようにして、上端辺2hの高さh(=溢
流高さ)をパラメータとして、Q1=Q2 となる分割槽1
0d の液面高さ、すなわち上端辺の高さhを固定した状
態での分割槽10d の飽和液面高さLeq. と金属帯の板幅
との関係式が求められる。分割槽10d の液面高さの制御
時は、上記で求めた関係式に基づき、上下方向移動式仕
切り部材2の上端辺2hの高さhが、下記式(3) を満足す
る上端辺の高さh以下となるように、上端辺の高さhを
前記調節装置7および制御装置8を用いて制御する。
流高さ)をパラメータとして、Q1=Q2 となる分割槽1
0d の液面高さ、すなわち上端辺の高さhを固定した状
態での分割槽10d の飽和液面高さLeq. と金属帯の板幅
との関係式が求められる。分割槽10d の液面高さの制御
時は、上記で求めた関係式に基づき、上下方向移動式仕
切り部材2の上端辺2hの高さhが、下記式(3) を満足す
る上端辺の高さh以下となるように、上端辺の高さhを
前記調節装置7および制御装置8を用いて制御する。
【0029】Leq. =Lmax …………(3) この場合の飽和液面高さLeq. を求める方法としては、
後記の実施例に示される操業実験から求める方法、数値
解析によって求める方法などが例示される。以上述べた
制御方法を用いた場合の酸液の物質収支および酸液の液
面レベルの平衡状態を図3に示す。
後記の実施例に示される操業実験から求める方法、数値
解析によって求める方法などが例示される。以上述べた
制御方法を用いた場合の酸液の物質収支および酸液の液
面レベルの平衡状態を図3に示す。
【0030】図3において、2hは上下方向移動式仕切り
部材2の上端辺、20は分割槽(最終槽)10d の飽和液面
(:平衡液面)、21は溢流酸液、f2 は上下方向移動式
仕切り部材の上下移動方向を示し、その他の符号は図
1、図2と同一の内容を示す。図3は、上下方向移動式
仕切り部材の上端辺2hが高さheq. (=溢流高さ)の位
置で、Q1 =Q2 を満足し、飽和液面高さ=Leq. ≦L
max でバランスしていることを示す。
部材2の上端辺、20は分割槽(最終槽)10d の飽和液面
(:平衡液面)、21は溢流酸液、f2 は上下方向移動式
仕切り部材の上下移動方向を示し、その他の符号は図
1、図2と同一の内容を示す。図3は、上下方向移動式
仕切り部材の上端辺2hが高さheq. (=溢流高さ)の位
置で、Q1 =Q2 を満足し、飽和液面高さ=Leq. ≦L
max でバランスしていることを示す。
【0031】すなわち、図3に示されるように、本発明
によれば、金属帯の通板時に金属帯への付着などにより
分割槽10c から分割槽10d へ持ち越し、移送される酸液
の流量Q1 が、上下方向移動式仕切り部材の上端辺2h部
において分割槽10d から分割槽10c へ溢流、返送される
酸液の流量Q2 と等しい状態でバランスする飽和液面高
さLeq. が、前記した分割槽10d の限界液面高さLmax
以下となるような上下方向移動式仕切り部材の上端辺2h
の高さとなるように、上端辺2hの高さh(=溢流高さ)
を制御する。
によれば、金属帯の通板時に金属帯への付着などにより
分割槽10c から分割槽10d へ持ち越し、移送される酸液
の流量Q1 が、上下方向移動式仕切り部材の上端辺2h部
において分割槽10d から分割槽10c へ溢流、返送される
酸液の流量Q2 と等しい状態でバランスする飽和液面高
さLeq. が、前記した分割槽10d の限界液面高さLmax
以下となるような上下方向移動式仕切り部材の上端辺2h
の高さとなるように、上端辺2hの高さh(=溢流高さ)
を制御する。
【0032】なお、上端辺2hの高さhを、図3に示すh
eq. より下部とした場合においてもQ1 =Q2 を満足
し、飽和液面高さ=Leq. ≦Lmax でバランスするが、
この場合、分割槽10d の飽和液面高さ=Leq. が低下
し、分割槽10d の酸液中の金属帯4の浸漬深さが浅くな
り、金属帯と酸液との接触時間が短くなり、酸洗効果が
低下する。
eq. より下部とした場合においてもQ1 =Q2 を満足
し、飽和液面高さ=Leq. ≦Lmax でバランスするが、
この場合、分割槽10d の飽和液面高さ=Leq. が低下
し、分割槽10d の酸液中の金属帯4の浸漬深さが浅くな
り、金属帯と酸液との接触時間が短くなり、酸洗効果が
低下する。
【0033】このため、本発明においては、飽和液面高
さ=Leq. ≦Lmax でバランスする上端辺2hの高さhの
上限値の下方かつ近傍となるように制御することが好ま
しい。この場合、前記で述べた予め求めた関係式に基づ
き、飽和液面高さLeq. =限界液面高さLmax でバラン
スする上端辺2hの高さhの下方かつ近傍となるように、
上端辺2hの高さhを前記調節装置7および制御装置8を
用いて調節する。
さ=Leq. ≦Lmax でバランスする上端辺2hの高さhの
上限値の下方かつ近傍となるように制御することが好ま
しい。この場合、前記で述べた予め求めた関係式に基づ
き、飽和液面高さLeq. =限界液面高さLmax でバラン
スする上端辺2hの高さhの下方かつ近傍となるように、
上端辺2hの高さhを前記調節装置7および制御装置8を
用いて調節する。
【0034】なお、図1に示す方式の場合、上下方向移
動式仕切り部材の上端辺2hの幅は左右各々、ダム1の全
体の幅の10〜30%の範囲内であることが安定した液面制
御を達成するために好ましい。次に、図4、図5および
図6に、本発明に係わる可動式の酸洗液仕切り部材(可
動式仕切り部材)の他の好適態様の模式図を示す。
動式仕切り部材の上端辺2hの幅は左右各々、ダム1の全
体の幅の10〜30%の範囲内であることが安定した液面制
御を達成するために好ましい。次に、図4、図5および
図6に、本発明に係わる可動式の酸洗液仕切り部材(可
動式仕切り部材)の他の好適態様の模式図を示す。
【0035】図4(a) 、(b) 、(c) は、ダム部の酸洗槽
幅方向断面図を示し、30は酸洗槽側壁、31は酸洗槽底
板、32は金属帯支持部32a を有する仕切り部材、33、3
4、35は可動式仕切り部材、f2は可動式仕切り部材33、3
4、35の移動方向、L eq.10dは最終槽の飽和液面高さ、L
eq.10cはその前の槽の飽和液面高さを示す。図4(a)
は、断面が三角形状の可動式仕切り部材33を使用した場
合を示し、当該仕切り部材33を図面に対して左右方向に
移動することにより、最終槽からその前の槽への酸洗液
の溢流高さhov. および溢流の流路断面積(槽間流路断
面積)S(=S1+S2)を可変とした一例である。
幅方向断面図を示し、30は酸洗槽側壁、31は酸洗槽底
板、32は金属帯支持部32a を有する仕切り部材、33、3
4、35は可動式仕切り部材、f2は可動式仕切り部材33、3
4、35の移動方向、L eq.10dは最終槽の飽和液面高さ、L
eq.10cはその前の槽の飽和液面高さを示す。図4(a)
は、断面が三角形状の可動式仕切り部材33を使用した場
合を示し、当該仕切り部材33を図面に対して左右方向に
移動することにより、最終槽からその前の槽への酸洗液
の溢流高さhov. および溢流の流路断面積(槽間流路断
面積)S(=S1+S2)を可変とした一例である。
【0036】図4(b) は、下端の断面が矩形状の可動式
仕切り部材34を使用した場合を示し、当該仕切り部材34
を図面に対して上下方向に移動することにより、最終槽
からその前の槽への酸洗液の溢流の流路断面積(槽間流
路断面積)S(=S1+S2)を可変とした一例である。ま
た、図4(c) は、金属帯支持部32a を仕切り部材と別個
に設け、ダムとして、一体物である断面が矩形状の可動
式仕切り部材35を使用した場合を示し、当該仕切り部材
35を図面に対して上下方向に移動することにより、最終
槽からその前の槽への酸洗液の溢流高さhov. を可変と
した一例である。
仕切り部材34を使用した場合を示し、当該仕切り部材34
を図面に対して上下方向に移動することにより、最終槽
からその前の槽への酸洗液の溢流の流路断面積(槽間流
路断面積)S(=S1+S2)を可変とした一例である。ま
た、図4(c) は、金属帯支持部32a を仕切り部材と別個
に設け、ダムとして、一体物である断面が矩形状の可動
式仕切り部材35を使用した場合を示し、当該仕切り部材
35を図面に対して上下方向に移動することにより、最終
槽からその前の槽への酸洗液の溢流高さhov. を可変と
した一例である。
【0037】図5(a) 、(b) は、ダム部の酸洗槽幅方向
断面図を示し、40、50は右端または左端が半円形状の可
動式仕切り部材、40a 、50a は可動式仕切り部材移動用
のロッド、41、51は金属帯支持部32a を有する仕切り部
材32に設けられた円形の開口部を示し、その他の符号は
図1〜図4と同一の内容を示す。図5(a) 、(b) は、い
ずれも、可動式仕切り部材40または50を図面に対して左
右方向に移動することにより、最終槽から前の槽への酸
洗液の流路断面積(槽間流路断面積)S(=S1+S2)を
可変とした一例である。
断面図を示し、40、50は右端または左端が半円形状の可
動式仕切り部材、40a 、50a は可動式仕切り部材移動用
のロッド、41、51は金属帯支持部32a を有する仕切り部
材32に設けられた円形の開口部を示し、その他の符号は
図1〜図4と同一の内容を示す。図5(a) 、(b) は、い
ずれも、可動式仕切り部材40または50を図面に対して左
右方向に移動することにより、最終槽から前の槽への酸
洗液の流路断面積(槽間流路断面積)S(=S1+S2)を
可変とした一例である。
【0038】図6は、回転式である可動式仕切り部材を
用いた場合を示す。図6(a) はダム部の酸洗槽幅方向断
面図を、(b) は側面図を示し、60は回転式である可動式
仕切り部材、60a は可動式仕切り部材60の回転軸、f3
は可動式仕切り部材60の回転方向を示し、その他の符号
は図1〜図5と同一の内容を示す。図6は、可動式仕切
り部材60を回転方向f3 に回転することにより、最終槽
からその前の槽への酸洗液の溢流高さhov. を可変とし
た一例である。
用いた場合を示す。図6(a) はダム部の酸洗槽幅方向断
面図を、(b) は側面図を示し、60は回転式である可動式
仕切り部材、60a は可動式仕切り部材60の回転軸、f3
は可動式仕切り部材60の回転方向を示し、その他の符号
は図1〜図5と同一の内容を示す。図6は、可動式仕切
り部材60を回転方向f3 に回転することにより、最終槽
からその前の槽への酸洗液の溢流高さhov. を可変とし
た一例である。
【0039】以上、本発明について述べたが、前記で述
べた本発明の技術内容から明らかなように、最終槽の液
面高さの測定は、前記した関係式を予め求める場合に必
要となり、その後の最終槽の液面高さの制御においては
必ずしも必須ではなく、板幅などの操業条件に基づき、
可動式の酸洗液仕切り部材の設定位置を調節することに
より、液面高さの制御が可能であるが、制御の管理の面
から付設することがより好ましい。
べた本発明の技術内容から明らかなように、最終槽の液
面高さの測定は、前記した関係式を予め求める場合に必
要となり、その後の最終槽の液面高さの制御においては
必ずしも必須ではなく、板幅などの操業条件に基づき、
可動式の酸洗液仕切り部材の設定位置を調節することに
より、液面高さの制御が可能であるが、制御の管理の面
から付設することがより好ましい。
【0040】以上述べたように、本発明によれば、例え
ば金属帯の連続式酸洗槽において、ダムによって複数の
槽に仕切られた金属帯の連続式酸洗槽の少なくとも最終
槽とその前の槽を仕切るダムが、上下方向移動式仕切り
板など、溢流高さ、槽間流路断面積またはその両者を可
変とした可動式仕切り部材を有するように構成したた
め、当該溢流高さおよび/または槽間流路断面積を酸洗
条件に対応して調節することにより、最終槽に持ち越さ
れた酸液の前の槽への返送量が制御可能となった。
ば金属帯の連続式酸洗槽において、ダムによって複数の
槽に仕切られた金属帯の連続式酸洗槽の少なくとも最終
槽とその前の槽を仕切るダムが、上下方向移動式仕切り
板など、溢流高さ、槽間流路断面積またはその両者を可
変とした可動式仕切り部材を有するように構成したた
め、当該溢流高さおよび/または槽間流路断面積を酸洗
条件に対応して調節することにより、最終槽に持ち越さ
れた酸液の前の槽への返送量が制御可能となった。
【0041】この結果、高速酸洗の条件下においても、
最終槽またはその後の出側オーバーフロー槽などその後
工程における槽外への酸洩れの防止および最終槽におけ
る酸液に対する金属帯の浸漬深さの確保の両立が可能と
なり、さらには、酸液を配管を介することなく直接溢流
水、還流水として前の槽へ返送するため、返送時の熱損
失の問題がなく、省エネルギーを達成し、酸洗槽の酸液
の温度を確保できる。
最終槽またはその後の出側オーバーフロー槽などその後
工程における槽外への酸洩れの防止および最終槽におけ
る酸液に対する金属帯の浸漬深さの確保の両立が可能と
なり、さらには、酸液を配管を介することなく直接溢流
水、還流水として前の槽へ返送するため、返送時の熱損
失の問題がなく、省エネルギーを達成し、酸洗槽の酸液
の温度を確保できる。
【0042】また、従来のポンプ返送方式におけるポン
プ、配管、熱交換器など付帯設備の設置面積についての
制約を受けることがない利点も有する。以上、本発明
を、金属帯の連続式浸漬処理槽の代表例である処理液と
して酸洗液を用いた金属帯の連続式酸洗槽について述べ
たが、以上述べた技術内容から明らかなように、本発明
は、ダムによって複数の槽に仕切られた金属帯の連続式
浸漬処理槽全般に適用可能である。
プ、配管、熱交換器など付帯設備の設置面積についての
制約を受けることがない利点も有する。以上、本発明
を、金属帯の連続式浸漬処理槽の代表例である処理液と
して酸洗液を用いた金属帯の連続式酸洗槽について述べ
たが、以上述べた技術内容から明らかなように、本発明
は、ダムによって複数の槽に仕切られた金属帯の連続式
浸漬処理槽全般に適用可能である。
【0043】また、前記した酸洗槽は最終槽の出側にオ
ーバーフロー槽(金属帯の液切り槽)を配置した酸洗槽
であるが、以上述べた技術内容から明らかなように、本
発明は、酸洗槽など浸漬処理槽の最終槽の出側に金属帯
の水洗槽を配置した金属帯の連続式浸漬処理槽にも適用
可能であり、浸漬処理槽の最終槽の後工程の形式に制限
されるものではない。
ーバーフロー槽(金属帯の液切り槽)を配置した酸洗槽
であるが、以上述べた技術内容から明らかなように、本
発明は、酸洗槽など浸漬処理槽の最終槽の出側に金属帯
の水洗槽を配置した金属帯の連続式浸漬処理槽にも適用
可能であり、浸漬処理槽の最終槽の後工程の形式に制限
されるものではない。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより具体的に
説明する。前記した図1、図2および図3に示す本発明
に係わる連続式酸洗槽において、以下に述べる操業実験
を行った。なお、本実施例における連続式酸洗槽は、出
側オーバーフロー槽13の側壁の高さが分割槽(最終槽)
10d の側壁の高さより若干低く、出側オーバーフロー槽
13からの酸洩れの問題を有していた。
説明する。前記した図1、図2および図3に示す本発明
に係わる連続式酸洗槽において、以下に述べる操業実験
を行った。なお、本実施例における連続式酸洗槽は、出
側オーバーフロー槽13の側壁の高さが分割槽(最終槽)
10d の側壁の高さより若干低く、出側オーバーフロー槽
13からの酸洩れの問題を有していた。
【0045】本実施例においては、通板速度は330m/min
一定とした。また、分割槽10a 、10b 、10c 、10d の幅
は2000mmで、可動式仕切り部材2である上下方向移動式
仕切り部材(上下方向移動式槽間ダム)の上端辺2hの長
さ、すなわち酸液溢流部の幅は左右各々200mm である。
本操業実験においては、先ず、上下方向移動式仕切り部
材の上端辺2hの高さhをパラメータとして、Q1 =Q2
となる分割槽10d (最終槽)の液面高さ、すなわち前記
した上端辺2hの高さhを固定した状態での分割槽10d
(以下#4槽とも記す)の飽和液面高さLeq. を鋼帯の
板幅を変数として求めた。
一定とした。また、分割槽10a 、10b 、10c 、10d の幅
は2000mmで、可動式仕切り部材2である上下方向移動式
仕切り部材(上下方向移動式槽間ダム)の上端辺2hの長
さ、すなわち酸液溢流部の幅は左右各々200mm である。
本操業実験においては、先ず、上下方向移動式仕切り部
材の上端辺2hの高さhをパラメータとして、Q1 =Q2
となる分割槽10d (最終槽)の液面高さ、すなわち前記
した上端辺2hの高さhを固定した状態での分割槽10d
(以下#4槽とも記す)の飽和液面高さLeq. を鋼帯の
板幅を変数として求めた。
【0046】具体的な方法としては、上下方向移動式仕
切り部材の上端辺2hの高さhを基準高さh0 に固定し、
鋼帯板幅が700 〜900mm の間で変化した時の各々の時点
における#4槽の飽和液面高さLeq. :a0 、b0 、c
0(mm) を、#4槽に付設した酸洗槽液面計12で測定し
た。なお、基準高さh0 は、分割槽10d 、出側オーバー
フロー槽13からの酸洩れが生じない範囲で、任意に選択
できる。
切り部材の上端辺2hの高さhを基準高さh0 に固定し、
鋼帯板幅が700 〜900mm の間で変化した時の各々の時点
における#4槽の飽和液面高さLeq. :a0 、b0 、c
0(mm) を、#4槽に付設した酸洗槽液面計12で測定し
た。なお、基準高さh0 は、分割槽10d 、出側オーバー
フロー槽13からの酸洩れが生じない範囲で、任意に選択
できる。
【0047】次に、上記した上端辺2hの高さhを、上記
h0 より50mm下部のh-1に固定し、鋼帯板幅が700 〜95
0mm の間で変化した時の各々の時点における#4槽の飽
和液面高さLeq. :a1 、b1 、c1(mm) を同様にして
測定した。さらに、同様にして、上記した上端辺2hの高
さhを、h-2、h-3、・・・、h -6に固定し、鋼帯板幅
が700 〜1200mmの間で変化した時の各々の時点における
#4槽の飽和液面高さLeq. :a2 、b2 、c2 、
a3 、b3 、c3 、・・・、a 6 、b6 、c6(mm) を同
様にして測定した。
h0 より50mm下部のh-1に固定し、鋼帯板幅が700 〜95
0mm の間で変化した時の各々の時点における#4槽の飽
和液面高さLeq. :a1 、b1 、c1(mm) を同様にして
測定した。さらに、同様にして、上記した上端辺2hの高
さhを、h-2、h-3、・・・、h -6に固定し、鋼帯板幅
が700 〜1200mmの間で変化した時の各々の時点における
#4槽の飽和液面高さLeq. :a2 、b2 、c2 、
a3 、b3 、c3 、・・・、a 6 、b6 、c6(mm) を同
様にして測定した。
【0048】なお、上記した上端辺2hの高さh-2、
h-3、・・・、h-6はその順序に従って上記位置h-1よ
り下部の位置を示し、各々の上下方向の間隔は50mmとし
た。また、同様に、上記高さh0 を基準高さとして、h
0 より上部の位置であるh +1、h+2、h+3に上端辺2hの
高さhを固定して、鋼帯板幅が700 〜900mm の間で変化
した時の各々の時点における#4槽の飽和液面高さL
eq. :d1 、e1 、f 1 、d2 、e2 、f2 、d3 、e
3 、f3(mm) を測定した。
h-3、・・・、h-6はその順序に従って上記位置h-1よ
り下部の位置を示し、各々の上下方向の間隔は50mmとし
た。また、同様に、上記高さh0 を基準高さとして、h
0 より上部の位置であるh +1、h+2、h+3に上端辺2hの
高さhを固定して、鋼帯板幅が700 〜900mm の間で変化
した時の各々の時点における#4槽の飽和液面高さL
eq. :d1 、e1 、f 1 、d2 、e2 、f2 、d3 、e
3 、f3(mm) を測定した。
【0049】得られた測定結果から、上端辺2hの高さh
をパラメータとして、鋼帯板幅と飽和液面高さLeq. と
の関係を求めた。図7に、得られた結果を示す。なお、
図7における各斜線は、上下方向移動式仕切り部材2の
上端辺2hの高さh(=溢流高さ):h+1、h+2、h+3、
h0 、h-1、h-2、h-3、h-4、・・・、h-6の各々に
対応する飽和液面高さLeq. を示す直線であり、出側オ
ーバーフロー槽13から酸洩れが生じる#4槽の限界液面
高さLmax (:1388mm)より上の直線部分は上記で得ら
れた飽和液面高さLeq. を外挿した直線である。
をパラメータとして、鋼帯板幅と飽和液面高さLeq. と
の関係を求めた。図7に、得られた結果を示す。なお、
図7における各斜線は、上下方向移動式仕切り部材2の
上端辺2hの高さh(=溢流高さ):h+1、h+2、h+3、
h0 、h-1、h-2、h-3、h-4、・・・、h-6の各々に
対応する飽和液面高さLeq. を示す直線であり、出側オ
ーバーフロー槽13から酸洩れが生じる#4槽の限界液面
高さLmax (:1388mm)より上の直線部分は上記で得ら
れた飽和液面高さLeq. を外挿した直線である。
【0050】次に、以上で求めた図7の関係に基づき鋼
帯板幅の変化に対応して、図1、図2に示す調節装置7
を制御装置8により制御した。すなわち、例えば鋼帯板
幅が900mm から1000mmに変更された場合は、上下方向移
動式仕切り部材2の上端辺2hの高さhを、基準とした位
置h0 から100mm 低いレベルであるh-2に変更、固定
し、鋼帯板幅が1000mmから1100mmに変更された場合は、
上下方向移動式仕切り部材の上端辺2hの高さhを、基準
とした位置h0 から210mm 低いレベルであるh-4の高さ
近傍に変更、固定した。
帯板幅の変化に対応して、図1、図2に示す調節装置7
を制御装置8により制御した。すなわち、例えば鋼帯板
幅が900mm から1000mmに変更された場合は、上下方向移
動式仕切り部材2の上端辺2hの高さhを、基準とした位
置h0 から100mm 低いレベルであるh-2に変更、固定
し、鋼帯板幅が1000mmから1100mmに変更された場合は、
上下方向移動式仕切り部材の上端辺2hの高さhを、基準
とした位置h0 から210mm 低いレベルであるh-4の高さ
近傍に変更、固定した。
【0051】本制御を行った結果、高速酸洗の条件下に
おいても、出側オーバーフロー槽13からの酸洩れは全く
生じなかった。また、#4槽の前の分割槽10c の温度変
動も生ぜず、安定した酸洗が達成できた。さらに、図7
に示すように、飽和液面高さLeq. を、常に、限界液面
高さLma x 直下近傍の1385mmと高位に維持することが可
能となったため、鋼帯に対する酸洗も常に安定し、優れ
た酸洗効果が得られた。
おいても、出側オーバーフロー槽13からの酸洩れは全く
生じなかった。また、#4槽の前の分割槽10c の温度変
動も生ぜず、安定した酸洗が達成できた。さらに、図7
に示すように、飽和液面高さLeq. を、常に、限界液面
高さLma x 直下近傍の1385mmと高位に維持することが可
能となったため、鋼帯に対する酸洗も常に安定し、優れ
た酸洗効果が得られた。
【0052】以上本発明の実施例について述べたが、本
発明によれば、上記したように、特に金属帯の板幅変更
時に安定した液面高さ制御が達成できるのは無論のこと
であるが、予め、通板速度、酸液の組成、温度、金属帯
表面性状などの各種酸洗条件の変化に対して、可動式仕
切り部材の設定位置によって規定される溢流高さおよび
/または槽間流路断面積と最終槽の飽和液面高さとの関
係式を求めておくことにより、各種酸洗条件の変動に対
応した液面高さ制御が可能である。
発明によれば、上記したように、特に金属帯の板幅変更
時に安定した液面高さ制御が達成できるのは無論のこと
であるが、予め、通板速度、酸液の組成、温度、金属帯
表面性状などの各種酸洗条件の変化に対して、可動式仕
切り部材の設定位置によって規定される溢流高さおよび
/または槽間流路断面積と最終槽の飽和液面高さとの関
係式を求めておくことにより、各種酸洗条件の変動に対
応した液面高さ制御が可能である。
【0053】なお、前記した図2に示すように、他の槽
間ダムにも溢流高さおよび/または槽間流路断面積を可
変とした可動式仕切り部材を設け、最終槽より順次液を
前の槽へ戻すことにより、各槽の液面高さをより均整化
することが可能である。この際、最終槽以前の槽の仕切
りダムにおいても、上記制御にならい液面制御が可能で
あるが、最終槽に比べ液面制御の精度は要しないので、
目標液面高さ−100mm などに固定する、還流量を一定あ
るいは板幅に合わせて固定するなど、通常の方法でも差
し支えない。
間ダムにも溢流高さおよび/または槽間流路断面積を可
変とした可動式仕切り部材を設け、最終槽より順次液を
前の槽へ戻すことにより、各槽の液面高さをより均整化
することが可能である。この際、最終槽以前の槽の仕切
りダムにおいても、上記制御にならい液面制御が可能で
あるが、最終槽に比べ液面制御の精度は要しないので、
目標液面高さ−100mm などに固定する、還流量を一定あ
るいは板幅に合わせて固定するなど、通常の方法でも差
し支えない。
【0054】なお、上記実施例は、金属帯の連続式浸漬
処理槽の代表例である処理液として酸洗液を用いた金属
帯の連続式酸洗槽に関するものであるが、以上述べた技
術内容から明らかなように、本発明は、ダムによって複
数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽全般に適
用可能であり、その場合も上記した優れた効果が得られ
る。
処理槽の代表例である処理液として酸洗液を用いた金属
帯の連続式酸洗槽に関するものであるが、以上述べた技
術内容から明らかなように、本発明は、ダムによって複
数の槽に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽全般に適
用可能であり、その場合も上記した優れた効果が得られ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ダムによって複数の槽
に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の最終槽とその
前の槽を仕切るダムに可動式の処理液仕切り部材を設
け、当該仕切り部材の設定位置の調節により最終槽の液
面高さを制御することにより、下記〜の効果が得ら
れ、金属帯の生産性向上、金属帯生産設備の稼働率の向
上を達成し、しかも、安定した優れた浸漬処理効果を得
ることが可能となった。
に仕切られた金属帯の連続式浸漬処理槽の最終槽とその
前の槽を仕切るダムに可動式の処理液仕切り部材を設
け、当該仕切り部材の設定位置の調節により最終槽の液
面高さを制御することにより、下記〜の効果が得ら
れ、金属帯の生産性向上、金属帯生産設備の稼働率の向
上を達成し、しかも、安定した優れた浸漬処理効果を得
ることが可能となった。
【0056】:最終槽の液面高さを最終槽の限界液面
高さ直下近傍の高位に維持した状態で、金属帯に随伴し
最終槽へ持ち越される処理液の量(流量)と最終槽から
前の槽へ返送される処理液の量(流量)とを等しくする
ことが可能となり、高速浸漬処理においても、最終槽ま
たはその後の出側オーバーフロー槽など最終槽の後工程
における槽外への処理液の漏洩を完全に防止することが
できる。
高さ直下近傍の高位に維持した状態で、金属帯に随伴し
最終槽へ持ち越される処理液の量(流量)と最終槽から
前の槽へ返送される処理液の量(流量)とを等しくする
ことが可能となり、高速浸漬処理においても、最終槽ま
たはその後の出側オーバーフロー槽など最終槽の後工程
における槽外への処理液の漏洩を完全に防止することが
できる。
【0057】:最終槽の液面高さを、処理液の漏洩を
生じることなく、最大限、高位に維持することが可能と
なり、金属帯と処理液との接触時間が長くなり、浸漬処
理の効果を高めることができる。 :最終槽からその前の槽への処理液の返送における熱
損失が少なく省エネルギーを達成でき、またこの結果、
浸漬処理槽の処理液の温度管理も容易となる。
生じることなく、最大限、高位に維持することが可能と
なり、金属帯と処理液との接触時間が長くなり、浸漬処
理の効果を高めることができる。 :最終槽からその前の槽への処理液の返送における熱
損失が少なく省エネルギーを達成でき、またこの結果、
浸漬処理槽の処理液の温度管理も容易となる。
【図1】本発明に係わる連続式酸洗槽の槽間ダムを示す
斜視図である。
斜視図である。
【図2】本発明に係わる連続式酸洗槽を示す側面図であ
る。
る。
【図3】本発明の制御方法を用いた場合の酸洗液の物質
収支および酸洗液の液面レベルの平衡状態を示す説明図
である。
収支および酸洗液の液面レベルの平衡状態を示す説明図
である。
【図4】本発明に係わる可動式の酸洗液仕切り部材の好
適態様を示す模式図(断面図)である。
適態様を示す模式図(断面図)である。
【図5】本発明に係わる可動式の酸洗液仕切り部材の好
適態様を示す模式図(断面図)である。
適態様を示す模式図(断面図)である。
【図6】本発明に係わる可動式の酸洗液仕切り部材の好
適態様を示す模式図を示し、(a) は断面図、(b) は側面
図である。
適態様を示す模式図を示し、(a) は断面図、(b) は側面
図である。
【図7】本発明に係わる上下方向移動式仕切り部材を用
いた場合の、鋼帯板幅および仕切り部材の上端辺の高さ
hと飽和液面高さLeq. との関係を示すグラフである。
いた場合の、鋼帯板幅および仕切り部材の上端辺の高さ
hと飽和液面高さLeq. との関係を示すグラフである。
1 ダム(槽間ダム) 2、33、34、35、40、50、60 可動式の酸洗液仕切り部
材(可動式仕切り部材)(可動式の処理液仕切り部材) 2h 可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切り部材)の
上端辺 2h0 制御前の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺 2h+1 制御後の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺 3 中央仕切り部材 3a 金属帯支持部 4 金属帯 5 可動式仕切り部材の移動用レール 6 可動式仕切り部材移動用のロッド 7 調節装置 8 制御装置 9、31 酸洗槽底板 10 連続式酸洗槽 10a 、10b 、10c 、10d 酸洗槽の各槽(分割槽) 10c 最終槽の前の槽 10d 最終槽 11 酸洗液(酸液) 12 最終槽の液面高さ測定装置(酸洗槽液面計) 13 出側オーバーフロー槽 13a 還流流路 14 液絞りロール 15 金属帯支持ロール 16 酸洗槽のカバー 20 分割槽の飽和液面 21 溢流酸液 30 酸洗槽側壁 32 金属帯支持部を有する仕切り部材 32a 金属帯支持部 40a 、50a 可動式仕切り部材移動用のロッド 41、51 金属帯支持部を有する仕切り部材に設けられた
円形の開口部 60a 可動式仕切り部材の回転軸 f1 金属帯の通板方向 f2 可動式仕切り部材の移動方向 f3 可動式仕切り部材の回転方向 h 可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切り部材)の
上端辺の高さ(=溢流高さ) h0 制御前の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺の高さ h+1 制御後の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺の高さ hov. 溢流高さ heq. 飽和液面高さに対応する上下方向移動式仕切り
部材の上端辺の高さ Leq. 、L eq.10c、L eq.10d 飽和液面高さ Lmax 分割槽の限界液面高さ Q1 金属帯により分割槽から分割槽へ持ち越し、移送
される酸液の流量 Q2 分割槽から分割槽へ溢流、返送される酸液の流量 S1、S2 槽間流路断面積
材(可動式仕切り部材)(可動式の処理液仕切り部材) 2h 可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切り部材)の
上端辺 2h0 制御前の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺 2h+1 制御後の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺 3 中央仕切り部材 3a 金属帯支持部 4 金属帯 5 可動式仕切り部材の移動用レール 6 可動式仕切り部材移動用のロッド 7 調節装置 8 制御装置 9、31 酸洗槽底板 10 連続式酸洗槽 10a 、10b 、10c 、10d 酸洗槽の各槽(分割槽) 10c 最終槽の前の槽 10d 最終槽 11 酸洗液(酸液) 12 最終槽の液面高さ測定装置(酸洗槽液面計) 13 出側オーバーフロー槽 13a 還流流路 14 液絞りロール 15 金属帯支持ロール 16 酸洗槽のカバー 20 分割槽の飽和液面 21 溢流酸液 30 酸洗槽側壁 32 金属帯支持部を有する仕切り部材 32a 金属帯支持部 40a 、50a 可動式仕切り部材移動用のロッド 41、51 金属帯支持部を有する仕切り部材に設けられた
円形の開口部 60a 可動式仕切り部材の回転軸 f1 金属帯の通板方向 f2 可動式仕切り部材の移動方向 f3 可動式仕切り部材の回転方向 h 可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切り部材)の
上端辺の高さ(=溢流高さ) h0 制御前の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺の高さ h+1 制御後の可動式仕切り部材(上下方向移動式仕切
り部材)の上端辺の高さ hov. 溢流高さ heq. 飽和液面高さに対応する上下方向移動式仕切り
部材の上端辺の高さ Leq. 、L eq.10c、L eq.10d 飽和液面高さ Lmax 分割槽の限界液面高さ Q1 金属帯により分割槽から分割槽へ持ち越し、移送
される酸液の流量 Q2 分割槽から分割槽へ溢流、返送される酸液の流量 S1、S2 槽間流路断面積
Claims (8)
- 【請求項1】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法であって、最
終槽とその前の槽を仕切るダムが、可動式の処理液仕切
り部材を有し、当該可動式の処理液仕切り部材の位置の
調節により最終槽の液面高さを制御することを特徴とす
る金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法。 - 【請求項2】 前記可動式の処理液仕切り部材の位置
を、最終槽の液面高さおよび金属帯の板幅に基づき調節
することを特徴とする請求項1記載の金属帯の連続式浸
漬処理槽の液面高さ制御方法。 - 【請求項3】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法であって、最
終槽とその前の槽を仕切るダムが、当該最終槽からその
前の槽への処理液の溢流高さおよび/または槽間流路断
面積を可変とした可動式の処理液仕切り部材を有し、当
該可動式の処理液仕切り部材により最終槽の液面高さを
制御することを特徴とする金属帯の連続式浸漬処理槽の
液面高さ制御方法。 - 【請求項4】 前記可動式の処理液仕切り部材で規制さ
れる溢流高さおよび/または槽間流路断面積を、最終槽
の液面高さおよび金属帯の板幅に基づき調節することを
特徴とする請求項3記載の金属帯の連続式浸漬処理槽の
液面高さ制御方法。 - 【請求項5】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽であって、最終槽(10d) とその前
の槽(10c) を仕切るダム(1) が、可動式の処理液仕切り
部材(2) を有することを特徴とする金属帯の連続式浸漬
処理槽。 - 【請求項6】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽であって、最終槽(10d) とその前
の槽(10c) を仕切るダム(1) が、当該最終槽(10d) から
その前の槽(10c) への処理液の溢流高さおよび/または
槽間流路断面積を可変とした可動式の処理液仕切り部材
(2) を有することを特徴とする金属帯の連続式浸漬処理
槽。 - 【請求項7】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置であって、最
終槽(10d) とその前の槽(10c) を仕切るダム(1) に設け
られた可動式の処理液仕切り部材(2) と、当該可動式の
処理液仕切り部材(2) の位置調節用の調節装置(7) と、
最終槽(10d) の液面高さ測定装置(12)と、当該測定装置
(12)の液面高さの測定値および金属帯の板幅に基づき前
記調節装置(7) を制御する制御装置(8) とを有すること
を特徴とする金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御
装置。 - 【請求項8】 ダムによって複数の槽に仕切られた金属
帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置であって、最
終槽(10d) とその前の槽(10c) を仕切るダム(1) に設け
られかつ前記最終槽(10d) からその前の槽(10c) への処
理液の溢流高さおよび/または槽間流路断面積を可変と
した可動式の処理液仕切り部材(2) と、当該可動式の処
理液仕切り部材(2) で規制される溢流高さおよび/また
は槽間流路断面積の調節装置(7) と、最終槽(10d) の液
面高さ測定装置(12)と、当該測定装置(12)の液面高さの
測定値および金属帯の板幅に基づき前記調節装置(7) を
制御する制御装置(8) とを有することを特徴とする金属
帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30471196A JPH10147895A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30471196A JPH10147895A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10147895A true JPH10147895A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=17936297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30471196A Pending JPH10147895A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 金属帯の連続式浸漬処理槽の液面高さ制御方法および制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10147895A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6396280B1 (en) | 1997-11-06 | 2002-05-28 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method and apparatus for measurement and automatic control of acid concentration |
KR102175591B1 (ko) * | 2019-07-17 | 2020-11-06 | 주식회사 포스코 | 수세장치 및 수세방법 |
-
1996
- 1996-11-15 JP JP30471196A patent/JPH10147895A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6396280B1 (en) | 1997-11-06 | 2002-05-28 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method and apparatus for measurement and automatic control of acid concentration |
US6650119B2 (en) | 1997-11-06 | 2003-11-18 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method and apparatus for measurement and automatic control of acid concentration |
KR102175591B1 (ko) * | 2019-07-17 | 2020-11-06 | 주식회사 포스코 | 수세장치 및 수세방법 |
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