JPH10147846A - 疲労強度が高い集合組織制御鋼板およびその製造方法 - Google Patents

疲労強度が高い集合組織制御鋼板およびその製造方法

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JPH10147846A
JPH10147846A JP30824796A JP30824796A JPH10147846A JP H10147846 A JPH10147846 A JP H10147846A JP 30824796 A JP30824796 A JP 30824796A JP 30824796 A JP30824796 A JP 30824796A JP H10147846 A JPH10147846 A JP H10147846A
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texture
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JP30824796A
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English (en)
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Katsumi Kurebayashi
勝己 榑林
Shuji Aihara
周二 粟飯原
Riyuuji Uemori
龍治 植森
Naoki Saito
直樹 斎藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、集合組織制御によりき裂伝播を抑
制した、疲労強度が高い鋼板およびその製造法を提供す
る。 【解決手段】 重量%で、0.015≦C≦0.20、
0.05≦Si≦2.0、0.1≦Mn≦1.5、P≦
0.05、S≦0.02、0.001≦Al≦0.0
8、0.002≦N≦0.015を含有し、必要に応じ
てCu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、REM、
Caの1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物よりなり、X線で測定した板厚方向の(2
00)回折強度比が2.0〜15.0であることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械・造船・
海洋構造物・橋梁、さらには自動車などの溶接構造物
で、長い疲労寿命が要求される構造部材に使用され、溶
接部から発生する疲労破壊のくり返し寿命が長い鋼板お
よびその製造方法に関するものである。特に鋼板とし
て、厚鋼板、中板、薄板(熱延、冷延鋼板)を対象とす
る。
【0002】
【従来の技術】環境保全に対する要求の高まり、人命の
尊重により、構造物は従来にも増した信頼性が要求され
るようになってきている。過酷な条件で使用される大型
の溶接構造物では疲労破壊、脆性破壊、延性破壊などの
破壊が生じる可能性があるが、このなかでも疲労破壊は
低いくり返し応力が作用することにより生じる破壊であ
り、最も頻繁に発生しやすいものである。疲労寿命を長
くするための対策として、現状では部材に生じる負荷応
力が高くならないように板厚を厚くするなどの設計的な
配慮によるところが大きく、その結果、構造物の軽量化
が進まないなどの問題点が指摘されている。
【0003】特開昭57−108241号公報には、フ
ェライト・ベイナイト・マルテンサイトの3相混合組織
でベイナイト面積率5〜70%、マルテンサイト面積率
1〜30%とすることで伸びフランジ性と疲労強度向上
が図れることが記載されている。また、特開平4−24
418号公報には、フェライト・ベイナイト・マルテン
サイトの3相混合組織でベイナイトの面積率を5〜60
%、マルテンサイト面積率を1〜15%とすることで伸
びフランジ性と疲労強度向上が図れることが記載されて
いる。
【0004】また、特許第1610808号明細書に
は、熱延鋼板の冷却速度と巻き取り温度を限定すること
によりベイナイトの面積率を5〜60%とし、疲労強度
を向上できることが記載されている。また、厚鋼板の疲
労強度を向上させるものとしては、特開平3−3156
48号公報に、オーステナイト・フェライト2相域で圧
延を行うことにより、アスペクト比が4以上で、短径が
10μm以下のフェライトを生成させ、疲労き裂の成長
に伴って板面に平行なセパレーションを生ぜしめ、疲労
き裂の伝播を抑制する技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのうち、特開昭
57−108241号公報、および特開平4−2441
8号公報はフェライト・ベイナイト・マルテンサイトの
3相からなることにより疲労強度を向上させるものであ
るが、本発明は回復・再結晶フェライトにより疲労強度
を向上させる点で、疲労強度向上に必要なミクロ組織が
異なる。また、特許第1610808号明細書に記載の
ものも、ベイナイト組織が必須である点で、本発明とは
異なる。
【0006】特開平3−315648号公報は、疲労き
裂の伝播を板面に平行なセパレーションを生成させるこ
とにより疲労き裂の伝播を抑制しようとするものであ
り、本発明のような疲労き裂先端のフェライト粒内にお
けるすべり変形を抑制する効果はない。本発明は組織制
御によりき裂の伝播を抑制し、鋼板の疲労強度向上を図
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、疲労き裂
伝播の形態をミクロ的に詳細に観察した結果、き裂伝播
抑制には集合組織制御が有効であることを新たに知見し
た。本発明の要旨とするところは、下記のとおりであ
る。 (1)重量%で、 0.015≦C≦0.20、 0.05≦Si≦2.0、 0.1≦Mn≦1.5、 P≦0.05、 S≦0.02、 0.001≦Al≦0.08、 0.002≦N≦0.015 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、X
線で測定した板厚方向の(200)回折強度比が2.0
〜15.0であることを特徴とする疲労強度が高い集合
組織制御鋼板。
【0008】(2)重量%で、母材強度上昇元素群の 0.1≦Cu≦2.0、 0.1≦Ni≦2.0、 0.05≦Cr≦0.5、 0.05≦Mo≦0.5、 0.005≦Nb≦0.10、 0.005≦V≦0.10 の1種または2種以上を含有することを特徴とする前項
(1)記載の疲労強度が高い集合組織制御鋼板。
【0009】(3)重量%で、 0.005≦Ti≦0.05 を含有し、さらに、Ti/Nが2.0〜3.4であるこ
とを特徴とする前項(1)または(2)記載の疲労強度
が高い集合組織制御鋼板。 (4)重量%で、 0.0005≦REM≦0.0050、 0.0005≦Ca≦0.0050 の1種または2種を含有することを特徴とする前項
(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の疲労強度が
高い集合組織制御鋼板。
【0010】(5)前項(1)〜(4)のいずれか1項
に記載の化学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜130
0℃に加熱し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下
率で圧延し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温
度域で0〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar
3 変態点以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下
率で仕上げ圧延し、圧延後室温まで大気中放冷すること
により、X線で測定した板厚方向の(200)回折強度
比が2.0〜15.0であることを特徴とする疲労強度
が高い集合組織制御鋼板の製造方法。
【0011】(6)前項(1)〜(4)のいずれか1項
に記載の化学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜130
0℃に加熱し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下
率で圧延し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温
度域で0〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar
3 変態点以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下
率で仕上げ圧延し、圧延終了後30〜300秒間大気中
で放冷し、しかる後に5〜100℃/秒の冷却速度で室
温〜600℃に制御冷却することにより、X線で測定し
た板厚方向の(200)回折強度比が2.0〜15.0
であることを特徴とする疲労強度が高い集合組織制御鋼
板の製造方法。
【0012】(7)前項(1)〜(4)のいずれか1項
に記載の化学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜130
0℃に加熱し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下
率で圧延し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温
度域で0〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar
3 変態点以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下
率で仕上げ圧延した後、直ちに5〜100℃/秒の冷却
速度で室温〜600℃に制御冷却し、引き続き室温まで
大気中で放冷し、さらに、500℃以上、Ac 1 変態点
以下に加熱保持後0.1〜100℃/秒の冷却速度で室
温まで冷却することにより、X線で測定した板厚方向の
(200)回折強度比が2.0〜15.0であることを
特徴とする疲労強度が高い鋼板の製造方法。
【0013】
【作用】本発明者らは、母材組織と疲労き裂伝播挙動の
関係について詳細な実験を行った結果、集合組織と疲労
き裂伝播には密接な関係が存在することを知見するにい
たった。本発明者らは、伝播する疲労き裂先端における
塑性変形に注目し、き裂先端における塑性変形を抑制す
ればき裂伝播速度を低下させ得るとの考えに立脚し、疲
労き裂先端における塑性変形の抑制法について種々検討
を加えた。その結果、フェライトの結晶方位とき裂先端
塑性変形には密接な関係が存在することが明らかとなっ
た。一般に、bcc結晶構造を有するフェライトの結晶
内のすべり変形は、すべり面が{110}面で、すべり
方向が〈111〉方向である。すべり面とすべり方向の
組み合わせで12とおりのすべり系が決定される。多数
のすべり系のうち、結晶方位とき裂先端の応力場との関
係ですべり面とすべり方向で決定されるせん断応力が最
も高くなるすべり系(主すべり系と称する)で転位が最
も活発に活動し、そのすべり系ですべり変形を生じる。
主すべり系のせん断応力が二次以下のすべり系のせん断
応力よりはるかに大きい場合には、主すべり系だけが活
動し、他のすべり系における変形による干渉がないため
に、主すべり系におけるすべり変形が容易に生じ、その
結果、き裂先端における塑性変形が容易となり、き裂進
展の障害が少なく、き裂も容易に進展する。
【0014】一方、主すべり系と二次以下のすべり系の
せん断応力の値が等しいかまたは差が小さい場合には、
主すべり系とともに二次以下のすべり系においてもすべ
り変形が活動することになる。この場合、異なったすべ
り面においてすべり変形を生じようとするために転位同
士の干渉が頻繁に起きて、すべり変形が非常に困難とな
る。その結果、き裂先端における塑性変形が著しく抑制
されてき裂の伝播が抑制されることになる。
【0015】上記の観点に立ってフェライトの結晶方位
と疲労き裂伝播の関係をさらに詳細に検討した。き裂伝
播方向は板厚方向であることを前提とする。図1(a)
に示すように、フェライトの{100}面が板厚方向と
垂直な方位関係を有する結晶粒内をき裂が板厚方向に伝
播する場合には、主すべり系と二次以下のすべり系のせ
ん断応力の差が小さくなってすべりの干渉が生じ、き裂
伝播が最も抑制されることが明らかとなった。これを模
式的に図2(a)に示す。一方、上記以外の結晶方位、
例えば{111}面が板厚方向に垂直な方位を有する結
晶中をき裂が伝播する場合(図1(b)に図示する)に
は、主すべり系のせん断応力が二次以下のすべり系のそ
れより卓越して大きく、主すべり系のみですべり変形が
活動することになる。これを模式的に図2(b)に示
す。この場合には、き裂先端で塑性変形が容易に起きる
ためにき裂伝播速度は高い。
【0016】上記の基礎的な新知見に基づいて、鋼板集
合組織と板厚方向の疲労き裂伝播速度との関係を検討し
た。表1に化学成分を示す実験室真空溶解鋼塊を115
0℃に加熱後、再結晶域および未再結晶域で圧延した
後、さらに、Ar3 変態温度以下のオーステナイト・フ
ェライト2相域あるいはフェライト単相域で圧延し、集
合組織を変化させた20mm厚の鋼板を作成した。これ
より板厚10mm、幅18mm、長さ100mm、切欠
き深さが5mmの試験片を加工した。ここで、鋼板の板
厚方向がき裂伝播方向に一致し、試験片の長手方向が圧
延方向に平行となるようにした。最低荷重と最大荷重の
比が0.1の条件で試験片にくり返し荷重を与え、き裂
を伝播させた。応力拡大係数範囲ΔKが70kgf・m
-3/2におけるき裂伝播速度da/dNを測定した。一
方、X線で板厚方向の(200)回折強度を測定し、ラ
ンダム方位を有する比較材の(200)回折強度に対す
る比を求めた。ここで、(200)回折強度比は、上に
述べた{100}面が板厚方向と垂直な方位関係を有す
る結晶粒の存在確率に対応する。図3に、da/dNを
(200)回折強度比に対してプロットした結果を示
す。(200)回折強度比が2.0以上になると板厚方
向のき裂伝播速度が低下することがわかった。回折強度
比が高くなるほどき裂伝播速度は低下する傾向がある
が、(200)回折強度比を15.0以上とするために
は極めて強い低温圧延を施す必要があり、厚板圧延が実
際上極めて困難となる。(200)回折強度比を2.0
以上とすれば板厚方向のき裂伝播速度低下の効果が得ら
れるが、好ましくは4.0以上とすることが望ましく、
さらに圧延機の能力を考慮すると15.0以下とするこ
と、すなわち、4.0〜15.0とすることが望まし
い。
【0017】
【表1】
【0018】以上のような新知見に基づき、本発明は構
成された。上記の知見を実現するために、以下に説明す
るような限定が必要である。Cは母材の強度上昇に効果
がある。0.015%未満では鋼板としての強度を確保
できないので、Cの下限を0.015%とした。一方、
0.20%を超えて含有すると、Ar3 変態温度が著し
く低下して圧延温度が低下し、圧延荷重が上昇するため
に圧延が極めて困難となる。さらに、パーライト分率が
増加して疲労き裂伝播抑制効果が低下する。また、靱性
低下も著しくなる。従って、Cの上限値を0.20%と
した。
【0019】Siは母材強度上昇に効果があるだけでな
く、脱酸元素として重要な元素である。0.05%未満
では強度上昇が得られないし、脱酸が弱く、介在物を増
やし、これが疲労破壊の起点となりやすくなる。従っ
て、Siの下限値を0.05%とした。一方、2.0%
を超えて含有すると靱性低下が著しくなる。従って、S
iの上限値を2.0%、好ましくは1.0%とした。
【0020】Mnは母材の強度を上昇させる効果を有す
る。0.1%未満では強度上昇効果が得られないので、
Mnの下限値を0.1%とした。逆に、1.5%超含有
すると、Ar3 変態温度が低下しすぎて圧延が困難とな
り、加えて靱性低下が著しくなるので、Mnの上限値を
1.5%とした。Pは不純物元素で粒界破壊を生じやす
くするため、低いほうが好ましい。0.05%超含有す
ると粒界破壊による靱性低下が顕著となるので、Pの上
限値を0.05%とした。
【0021】SはMnSを生成して延性、特に、板厚方
向の伸びを低下させる上に、疲労破壊の起点となって疲
労強度のバラツキを大きくするので、低いほうが好まし
い。0.02%超含有するとこの影響が顕著となるの
で、Sの上限値を0.02%とした。Alは脱酸元素と
して用いられる。脱酸元素として他の元素を用いた場合
にも、Alは通常0.001%以上含有されるため、そ
の下限値を0.001%とした。また、0.08%超添
加すると、Al酸化物や窒化物が多量に生成して、溶接
部の靱性を劣化させるため、Alの上限値を0.08%
とした。
【0022】Nは鋼中に不純物として含有されるが、T
iを添加することによりTiNを生成する。その効果は
Tiの欄で詳述する。Nは不純物としては最低でも0.
002%含有されるため、下限値を0.002%とし
た。逆に、0.015%超含有すると、フェライト中に
固溶して靱性低下を来すので、Nの上限値を0.015
%とした。
【0023】選択的に含有するCu、Ni、Cr、M
o、Nb、V、Ti、REM、Caは、以下の理由で含
有量を制限する。Cuは固溶強化と焼き入れ性増加で母
材強度上昇に効果を示す元素である。0.1%未満では
この効果が顕著でないので、Cuの下限値を0.1%と
した。逆に、2.0%超添加すると、Ar3 変態温度が
低下しすぎて圧延が困難となり、加えて靱性低下が著し
くなるので、Cuの上限値を2.0%とした。
【0024】Niは焼き入れ性増加で母材強度を上昇さ
せるとともに靱性向上に効果を示す。0.1%未満では
この効果が顕著でないので、Niの下限値を0.1%と
した。逆に、2.0%超添加すると、Ar3 変態温度が
低下しすぎて圧延が困難となるので、Niの上限値を
2.0%とした。Crは焼き入れ性増加で母材強度を上
昇させる効果を示す。0.05%未満ではこの効果が顕
著でないので、Crの下限値を0.05%とした。逆
に、0.5%超添加すると、Ar3 変態温度が低下しす
ぎて圧延が困難となり、加えて靱性低下が著しくなるの
で、Crの上限値を0.5%とした。
【0025】Moは焼き入れ性増加で母材強度を上昇さ
せる効果を示す。0.05%未満ではこの効果が顕著で
ないので、Moの下限値を0.05%とした。逆に、
0.5%超添加すると、高温の変形抵抗が上昇して圧延
が困難となり、加えて靱性低下が著しくなるので、Mo
の上限値を0.5%とした。Nbは焼き入れ性増加と析
出硬化により母材強度を上昇させる効果を示す。0.0
05%未満ではこの効果が顕著でないので、Nbの下限
値を0.005%とした。逆に、0.10%超含有する
と、析出物を多量に生成して靱性を著しく低下させるの
で、Nbの上限値を0.10%とした。
【0026】Vは焼き入れ性増加と析出硬化により母材
強度を上昇させる効果を示す。0.005%未満ではこ
の効果が顕著でないので、Vの下限値を0.005%と
した。逆に、0.10%超含有すると、析出物を多量に
生成して靱性を著しく低下させるので、Vの上限値を
0.10%とした。TiはAlが少ない場合に、脱酸元
素として働くだけでなく、TiNを生成し、これが圧延
に先立つスラブ加熱においてオーステナイト粒成長を抑
制し、圧延後のフェライト粒微細化に効果がある。0.
005%未満ではこの効果が顕著でないので、Tiの下
限値を0.005%とした。逆に、0.05%超含有す
ると、析出物を多量に生成して靱性を著しく低下させる
ので、Tiの上限値を0.05%とした。
【0027】また、Ti/N比は、2.0〜3.4の範
囲とする必要がある。2.0未満ではN過剰でフェライ
ト中のN量が増加し、逆に、3.4超ではTi過剰でT
i炭化物生成量が増加する。従って、この範囲外では靱
性低下が顕著となる。REMはSを固定してMnS生成
を抑制し、延性向上と疲労強度バラツキ低下に効果を有
する。REMとしてはランタノイド系、アクチノイド系
ともに同様な効果を有するが、代表的なものはランタノ
イド系のLa、Ceである。0.0005%未満ではこ
の効果が顕著でないので、REMの下限値を0.000
5%とした。逆に、0.0050%超では粗大なREM
酸化物・硫化物を生成して延性を低下し、さらに、疲労
き裂の起点となって疲労強度のバラツキを増やす。従っ
て、REMの上限値を0.0050%とした。
【0028】CaはREMと同様にSを固定してMnS
生成を抑制し、延性向上と疲労強度バラツキ低下に効果
を有する。0.0005%未満ではこの効果が顕著でな
いので、Caの下限値を0.0005%とした。逆に、
0.0050%超では粗大なCa酸化物・硫化物を生成
して延性を低下し、さらに疲労き裂の起点となって疲労
強度のバラツキを増やす。従って、Caの上限値を0.
0050%とした。
【0029】次に、母材の疲労き裂伝播抑制のために必
要な限定を述べる。上記のとおり、X線で測定した板厚
方向の(200)回折強度比を2.0〜15.0としな
ければならない。2.0未満では集合組織の発達が不十
分で伝播抑制効果が不十分である。逆に、15.0超と
するには低温で強圧延を実施する必要があり、実質上厚
板圧延が不可能となる。従って、上限を15.0とし
た。
【0030】次に、鋼板の圧延および冷却・熱処理条件
を限定した理由を以下に述べる。熱間圧延に先立ち、鋼
塊を100%オーステナイト化する必要があり、このた
めには鋼塊の温度をAc3 変態温度以上に加熱する必要
がある。しかし、1300℃を超えて加熱すると、オー
ステナイト粒が著しく粗大化するために圧延後細粒フェ
ライトが得られなくなるので、加熱温度の上限は130
0℃とする。
【0031】鋼塊の加熱によりオーステナイト粒は粗大
化するので、再結晶温度域で圧延することにより未再結
晶域圧延前のオーステナイト粒径を小さくすることが必
要である。再結晶圧延の累積圧下率が20%未満では再
結晶が十分に進行せず、再結晶粒は十分に小さくならな
い。従って、再結晶圧延の累積圧下率の下限値を20%
とした。再結晶粒を微細化するためには累積圧下率を大
きくするほうが望ましいが、あまり大きくすると、引き
続く低温での圧延における圧下を確保できなくなる。従
って、再結晶域圧延の累積圧下率の上限を90%とし
た。
【0032】再結晶域圧延に引き続く未再結晶域圧延は
オーステナイト中に変形体を導入して変態後のフェライ
ト粒を微細化させる。仕上圧延の圧下率を大きくとる場
合には、未再結晶域圧延を省略することができる。従っ
て、その下限値を0%とした。未再結晶域圧延の累積圧
下率自体は高いほうが結晶粒微細化のために好ましい
が、高すぎると引き続くAr3 変態温度以下の圧下を確
保できなくなる。従って、未再結晶域圧延の累積圧下率
の上限を80%とした。
【0033】本発明では板厚方向の(200)回折強度
比を上昇させることが必要であり、このためにAr3
態温度以下における仕上げ圧延が極めて重要な役割を果
たし、本発明で必須の工程である。Ar3 変態温度以下
であればオーステナイト・フェライト2相域であって
も、あるいはフェライト単相域であってもかまわない。
板厚方向の(200)回折強度比を上昇させる観点だけ
からは圧延温度は低いほうが望ましいが、600℃未満
では変形抵抗が上昇するので圧延荷重が上昇し、圧延が
困難となる。従って、圧延仕上げ温度の下限を600℃
とした。
【0034】Ar3 変態温度以下の累積圧下率は、高い
ほうが板厚方向の(200)回折強度比が上昇し、疲労
き裂伝播抑制の観点からは望ましい。40%未満では板
厚方向の(200)回折強度比が十分に高くならないの
で、Ar3 変態温度以下の累積圧下率の下限値を40%
とした。逆に、90%超とするためには低温における強
圧延が必要となり、実質上厚板圧延が不可能となる。従
って、累積圧下率の上限値を90%とした。
【0035】Ar3 変態温度以下の仕上げ圧延後、鋼板
を大気中で放冷することにより、板厚方向の(200)
回折強度比を向上させる必要がある。ただし、冷却速度
が低いために、逆に板厚方向の(200)回折強度比が
低下する可能性があるので、制御冷却を実施することが
望ましい。室温まで大気中放冷する処理は板厚が薄い鋼
板を製造する場合に特に有効である。
【0036】制御冷却を施して母材の強度上昇を図る場
合には制御冷却開始までの放冷時間を確保し、板厚方向
の(200)回折強度を向上させる必要がある。放冷時
間が30秒未満では集合組織が十分に発達できないの
で、下限値を30秒とした。放冷時間を長くするほど集
合組織が発達する。しかしながら、放冷時間が300秒
を超えると、逆に板厚方向の(200)回折強度比が低
下し、疲労き裂伝播抑制効果が低下する。従って、放冷
時間の上限を300秒とした。
【0037】制御冷却時の冷却速度が5℃/秒未満で
は、母材の強度上昇の効果は少ないので、下限を5℃/
秒とした。逆に、100℃/秒を超えると、未変態オー
ステナイトがベイナイトまたはマルテンサイトに変態
し、疲労き裂伝播抑制効果が弱くなるので、上限を10
0℃/秒とした。また、変態が完全に終了し、集合組織
が変化しない温度まで制御冷却する必要があり、このた
めに冷却停止温度の上限を600℃とした。通常の制御
冷却においては温度が室温とほぼ同じ水を用いるのが一
般的であり、この場合、冷却停止温度の下限は室温とな
るため、室温を下限とした。請求項7の方法では、制御
冷却後室温まで冷却することが必要である。特に、制御
冷却の停止温度が600℃以下であっても高いと、引き
続く加熱処理前に集合組織の発達が進行する可能性があ
るため、一旦、室温まで冷却しなければならない。
【0038】また、圧延終了後、直ちに制御冷却し、そ
の後に鋼板を加熱することによって板厚方向の(20
0)回折強度比を向上させることも可能である。このた
めには、加熱温度を500℃以上にすることが必要であ
る。また、加熱保持中に変態を生じさせてはならないの
で、加熱温度はAc1 変態温度以下でなければならな
い。
【0039】
【発明の実施の形態】
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例を述べる。工場の転
炉により鋼を溶製し、連続鋳造により240mm厚のス
ラブに鋳造した。表2、表3(表2のつづき−1)、表
4(表2のつづき−2)に発明鋼および比較鋼の化学成
分とTi/Nの比を示す。表5、表6(表5のつづき−
1)、表7(表5のつづき−2)に鋼材の製造条件を示
す。請求項5、6、7に対応する製造方法で板厚が15
〜25mmの鋼板を製造した。表8、表9(表8のつづ
き)に母材の引張特性、シャルピー衝撃特性、集合組織
強度を示す。疲労き裂の伝播寿命は実際の溶接構造物に
近い状態での伝播寿命を評価するため、板厚を15mm
にそろえた鋼板に、17kJ/cmの入熱でリブ板を溶
接した溶接継手から、図4に示す形状に加工したT字隅
肉溶接継手により測定した。すなわち、溶接止端部位置
における曲げ応力範囲が25kgf/mm2 における試
験片破断寿命を測定し、これと、止端部から10mm離
れた位置に歪みゲージを貼付し、歪みゲージ出力が初期
値から5%低下した時点をき裂発生寿命として定義した
値を測定して、この破断寿命からき裂発生寿命を差し引
いたものをき裂伝播寿命とした。なお、この定義による
き裂発生寿命は、大略、HAZ内のき裂発生と伝播に対
応し、き裂伝播寿命はき裂が母材に突入した後の伝播に
対応する。
【0041】発明鋼1〜18は本発明に従って製造した
ものであり、板厚方向の(200)回折強度比は2.0
以上となっている。一方、製造法が本発明の範囲外であ
る比較鋼19〜21では、板厚方向の(200)回折強
度比は発明鋼より低い。き裂伝播寿命は、板厚方向の
(200)回折強度比が2.0以上と高い発明鋼1〜1
8で長く、(200)回折強度比が2.0未満の比較鋼
19〜21で短かった。従って(200)回折強度の高
い本発明鋼は、比較鋼に比べて疲労き裂伝播寿命が向上
していることは明らかである。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明鋼を用いれ
ば、疲労破壊に対する信頼性を向上できるだけでなく、
疲労寿命を短くすることなく、板厚を薄くして設計応力
を高くすることが可能であり、構造物の軽量化も可能と
なる。従って、本発明は工業上極めて効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライトの結晶方位を表わす模式図である。
【図2】疲労き裂先端のすべり変形を表わす模式図であ
る。
【図3】疲労き裂伝播速度に及ぼす集合組織の影響を示
す図である。
【図4】T字隅肉溶接継手の形状を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 直樹 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 0.015≦C≦0.20、 0.05≦Si≦2.0、 0.1≦Mn≦1.5、 P≦0.05、 S≦0.02、 0.001≦Al≦0.08、 0.002≦N≦0.015 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、X
    線で測定した板厚方向の(200)回折強度比が2.0
    〜15.0であることを特徴とする疲労強度が高い集合
    組織制御鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、母材強度上昇元素群の 0.1≦Cu≦2.0、 0.1≦Ni≦2.0、 0.05≦Cr≦0.5、 0.05≦Mo≦0.5、 0.005≦Nb≦0.10、 0.005≦V≦0.10 の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1記載の疲労強度が高い集合組織制御鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で、 0.005≦Ti≦0.05 を含有し、さらに、Ti/Nが2.0〜3.4であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の疲労強度が高い
    集合組織制御鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で、 0.0005≦REM≦0.0050、 0.0005≦Ca≦0.0050 の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の疲労強度が高い集合組
    織制御鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化
    学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜1300℃に加熱
    し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下率で圧延
    し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温度域で0
    〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar3 変態点
    以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下率で仕上
    げ圧延し、圧延後室温まで大気中放冷することにより、
    X線で測定した板厚方向の(200)回折強度比が2.
    0〜15.0であることを特徴とする疲労強度が高い集
    合組織制御鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化
    学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜1300℃に加熱
    し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下率で圧延
    し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温度域で0
    〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar3 変態点
    以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下率で仕上
    げ圧延し、圧延終了後30〜300秒間大気中で放冷
    し、しかる後に5〜100℃/秒の冷却速度で室温〜6
    00℃に制御冷却することにより、X線で測定した板厚
    方向の(200)回折強度比が2.0〜15.0である
    ことを特徴とする疲労強度が高い集合組織制御鋼板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化
    学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜1300℃に加熱
    し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下率で圧延
    し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温度域で0
    〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar3 変態点
    以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下率で仕上
    げ圧延した後、直ちに5〜100℃/秒の冷却速度で室
    温〜600℃に制御冷却し、引き続き室温まで大気中で
    放冷し、さらに、500℃以上、Ac1 変態点以下に加
    熱保持後0.1〜100℃/秒の冷却速度で室温まで冷
    却することにより、X線で測定した板厚方向の(20
    0)回折強度比が2.0〜15.0であることを特徴と
    する疲労強度が高い鋼板の製造方法。
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JP2010168657A (ja) * 2008-12-26 2010-08-05 Jfe Steel Corp 溶接熱影響部および母材部の耐延性き裂発生特性に優れた鋼材およびその製造方法。

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