JP3434378B2 - 板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板およびその製造方法

Info

Publication number
JP3434378B2
JP3434378B2 JP00682795A JP682795A JP3434378B2 JP 3434378 B2 JP3434378 B2 JP 3434378B2 JP 00682795 A JP00682795 A JP 00682795A JP 682795 A JP682795 A JP 682795A JP 3434378 B2 JP3434378 B2 JP 3434378B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thickness direction
crack propagation
plate thickness
fatigue crack
fatigue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00682795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08199286A (ja
Inventor
周二 粟飯原
秀里 間渕
勝己 榑林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP00682795A priority Critical patent/JP3434378B2/ja
Publication of JPH08199286A publication Critical patent/JPH08199286A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3434378B2 publication Critical patent/JP3434378B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設機械・造船・海洋
構造物・橋梁などの溶接鋼構造物で、長い疲労寿命が要
求される構造部材に使用され、板厚方向の疲労き裂伝播
速度が低く、疲労寿命を長くした厚鋼板及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造物の大型化と環境保全に対する要求
の高まりにともない、構造部材は従来にも増した信頼性
が要求されるようになってきている。大型構造物で想定
される破壊形態としては疲労破壊、脆性破壊、延性破壊
などがあるが、これらのうち、疲労破壊は実使用環境下
において最も頻繁に発生し易い破壊形態であり、構造物
の信頼性向上のために最も留意すべき問題である。最近
の大型タンカーにおける疲労き裂発生、海洋構造物にお
ける疲労き裂を発端とした倒壊など、疲労破壊が問題と
なった事例は少なくない。これまでに、疲労強度向上に
関する技術が多数公開されているが、そのほとんどは熱
延または冷延薄鋼板の疲労強度向上に関するものであ
り、本発明が対象とする厚鋼板の疲労寿命向上、特に、
疲労き裂成長初期における板厚方向のき裂伝播を制御す
るものは少ない。
【0003】薄鋼板では厚鋼板とは異なり、板厚が薄い
が故に板厚方向のき裂伝播期間が短く、板厚方向のき裂
伝播制御は重要ではないが、例えば、特開昭57−10
8241号公報において、ベイナイト面積率5〜70
%、マルテンサイト面積率1〜30%とすることで伸び
フランジ性と疲労強度向上が図れることが記載されてい
る。また、特許1610808号では熱延鋼板の冷却速
度と巻き取り温度を限定することによりベイナイトの面
積率を5〜60%とし、疲労強度を向上できることが記
載されている。
【0004】また、特公平4−24418号公報ではフ
ェライト・ベイナイト・マルテンサイトの3相混合組織
でベイナイトの面積率を5〜60%、マルテンサイト面
積率を1〜15%とすることで伸びフランジ性と疲労強
度向上が図れることが記載されている。また、厚鋼板の
疲労き裂伝播特性を向上させたものとしては、特公平3
−315648号公報に、オーステナイト・フェライト
二相域で圧延を行うことによりアスペクト比が4以上
で、短径が10μm以下のフェライトを生成させ、疲労
き裂の成長に伴って板面に平行なセパレーションを生ぜ
しめ、疲労き裂の伝播を抑制する技術が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのうち、特開昭
57−108241号公報はベイナイトとマルテンサイ
トの面積率を特定範囲に限定することにより疲労強度を
向上させるものであるが、これは薄鋼板母材の疲労強度
向上に関するものであり、板厚方向の疲労き裂伝播速度
の低減を目的としたものではないため、本発明が対象と
する厚鋼板の板厚方向疲労き裂伝播速度低下には効果が
なく、適用できない。特許1610808号では板厚が
3mm程度の薄鋼板を対象としたものであり、板厚方向
の疲労き裂伝播速度の低減を目的としたものではないた
め、本発明で対象とする厚鋼板の板厚方向の疲労き裂伝
播速度低下には効果を有しない。
【0006】特公平4−24418号公報が対象とする
のは板厚が4mm程度の自動車ホイールリム用薄鋼板で
あり、上記組織制御はおもに伸びフランジ性向上を目的
としたものであり、疲労強度に関してはフラッシュバッ
ト溶接部の硬さ低下を抑制することにより疲労強度向上
を図るものであり、板厚方向の疲労き裂伝播速度の低減
を目的としたものではないため、本発明が対象とする厚
鋼板の板厚方向疲労き裂伝播速度低下には適用できな
い。特公平3−315648号公報では、疲労き裂の伝
播を板面に平行なセパレーションを生成させることによ
って疲労き裂の伝播を抑制しようとするものであり、本
発明における疲労き裂伝播抑制の基本的考えである集合
組織を利用したものとは異なる。
【0007】厚鋼板の疲労破壊は溶接部などの応力集中
部から発生するが、ほとんどの場合、最も応力集中が高
くなる部位は鋼板表面に存在するため、疲労き裂は鋼板
表面で発生する。このき裂がまず板厚方向に伝播し、そ
の後、き裂が板厚を貫通してから板厚方向と直角の方向
に伝播する。一般に、き裂伝播速度は応力拡大係数範囲
のm乗(mは約4)に比例する。応力拡大係数範囲はき
裂長さの平方根に比例する。従って、き裂長さが短い、
き裂伝播の初期状態、すなわち、き裂が板厚方向に伝播
している期間のき裂伝播速度は低く、疲労き裂伝播の全
寿命のうちこの期間が占める割合が大きい。従って、全
疲労寿命に及ぼす疲労き裂伝播速度低下の効果が最も大
きい、板厚方向のき裂伝播速度を低下させることが疲労
の長寿命化に最も効果的に作用する。本発明は厚鋼板の
集合組織とフェライトの回復・再結晶を制御し、疲労き
裂伝播初期においてき裂が板厚方向に伝播している期間
におけるき裂伝播速度を低下させることにより、厚鋼板
の全疲労寿命を長くした鋼板及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、疲労き裂の
伝播とミクロ組織の関係について、詳細なる研究を実施
した結果、疲労き裂伝播速度とフェライト組織における
集合組織及びフェライトの回復・再結晶とが密接な関係
を有することを見出した。本発明は集合組織とフェライ
トの回復・再結晶を制御することにより板厚方向の疲労
き裂伝播速度を低下させるものであり、本発明の要旨と
するところは下記のとおりである。
【0009】(1)重量%で、 0.015≦C≦0.20、 0.05≦Si≦2.0、 0.1≦Mn≦2.0、 P≦0.05、 S≦0.02 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、X
線で測定した板厚方向の(200)回折強度比が2.0
〜15.0で、且つ、回復または再結晶フェライト粒の
面積率が15〜40%であることを特徴とする板厚方向
の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板。
【0010】(2)重量%で、 0.1≦Cu≦2.0、 0.1≦Ni≦2.0、 0.1≦Cr≦2.0、 0.1≦Mo≦2.0、 0.005≦Nb≦0.10、 0.005≦V≦0.10 の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記
(1)に記載の板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼
板。
【0011】(3)重量%で、 0.005≦Ti≦0.05、 0.002≦N≦0.015 を含有し、さらに、Ti/Nが2.0〜3.4であるこ
とを特徴とする前記(1)または(2)に記載の板厚方
向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板。
【0012】(4)重量%で、 0.0005≦REM≦0.0050、 0.0005≦Ca≦0.0050 の1種または2種を含有することを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれか1項に記載の板厚方向の疲労
き裂伝播速度が低い厚鋼板。
【0013】(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項
に記載の化学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜130
0℃に加熱し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下
率で圧延し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温
度域で10〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、A
3 変態点以下、600℃以上で40〜90%の累積圧
下率で仕上げ圧延し、圧延終了後、30〜300秒間大
気中で放冷し、しかる後に5〜100℃/秒の冷却速度
で室温〜600℃に制御冷却することを特徴とする板厚
方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板の製造方法。
【0014】(6)前記(1)〜(4)のいずれか1項
に記載の化学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜130
0℃に加熱し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下
率で圧延し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温
度域で10〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、A
3 変態点以下、600℃以上で40〜90%の累積圧
下率で仕上げ圧延した後、直ちに5〜100℃/秒の冷
却速度で室温〜600℃に制御冷却し、引き続き室温ま
で大気中で放冷し、さらに、500℃以上、Ac1 変態
点以下に加熱後大気中で放冷することを特徴とする板厚
方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板の製造方法。ここ
で、回復または再結晶フェライト粒とは、光学顕微鏡組
織を500倍で観察し粒内にすべり帯が観察されないフ
ェライト粒であると定義し、粒内にすべり帯が観察され
ないフェライトの占める面積率を測定し、これを回復ま
たは再結晶粒の面積率と定義する。
【0015】
【作用】疲労破壊はき裂の発生と伝播から構成され、こ
れまでにき裂発生特性とミクロ組織の関係については多
くの知見とき裂発生抑制の方法が考案されてきた。一
方、疲労き裂の伝播特性に及ぼすミクロ組織の影響は少
ないと考えられ、ミクロ組織の制御による疲労き裂伝播
の抑制に関する技術も極めて限られたものであった。本
発明者らは、伝播する疲労き裂先端における塑性変形に
注目し、き裂先端における塑性変形を抑制すればき裂伝
播速度を低下させうるとの考えに立脚し、疲労き裂先端
における塑性変形の抑制法について種々検討を加えた。
その結果、フェライトの結晶方位とき裂先端塑性変形に
は密接な関係が存在することが明らかとなった。一般
に、bcc構造を有するフェライトのすべり系は、すべ
り方向が<111>方向で、すべり面が{110}面で
ある。すべり方向とすべり面の組み合わせですべり系が
定義される。多数のすべり系のうち結晶方位とき裂先端
の応力場との関係でせん断応力が最も高くなる主すべり
系で転位が最も活発に活動し、すべり変形を生じる。主
すべり系のせん断応力が二次以下のすべり系のせん断応
力よりはるかに大きい場合は主すべり系だけが活動し、
他のすべり面における変形と干渉がないために、すべり
変形が容易に生じ、その結果、き裂先端における塑性変
形が容易となりき裂進展の障害となることはない。
【0016】一方、主すべり系と二次以下のすべり系の
せん断応力の値が等しいかあるいは近い場合には、主す
べり系とともに二次以下のすべり系においてもすべりが
活動することになる。この場合、異なったすべり面にお
いてすべり変形を生じようとするために転位どうしの干
渉が頻繁に起きて、すべり変形が非常に困難となる。そ
の結果、き裂先端における塑性変形が著しく抑制されて
き裂の伝播が抑制されることになる。
【0017】上記の観点に立って結晶方位とき裂進展の
関係を詳細に観察した。図1にフェライトの{100}
面(図1a)と{111}面(図1b)の定義を示す。
{100}面が板厚方向に垂直な方位を有するフェライ
ト(図2(a)に図示する)中をき裂が板厚方向に伝播
する場合には、主すべり系と二次以下のすべり系のせん
断応力の差が小さくなってすべり変形の干渉が生じ、き
裂伝播が最も抑制されることが明らかとなった。これを
模式的に図3(a)に示す。一方、たとえば{111}
面が板厚方向に垂直なフェライト(図2(b)に図示す
る)の場合は一次すべり系のせん断応力が二次以下のす
べり系のそれより大きく、一次すべり系のみが優先的に
活動する。従って、き裂先端の塑性変形が容易でき裂伝
播速度の低下は認められない。この様子を模式的に図3
(b)に示す。
【0018】このような基礎的な新知見に基づいて、さ
らに集合組織と板厚方向き裂伝播速度の関係を検討し
た。表1に化学成分を示す実験室真空溶解鋼塊を115
0℃に加熱後、再結晶域および未再結晶域で圧延した
後、さらに、オーステナイト・フェライト二相域あるい
はフェライト単相域で圧延を行い、集合組織を変化させ
た20mm厚の鋼板を作成した。これより板厚10m
m、幅18mm、長さ100mm、切欠き長さ10mm
の試験片を採取した。ここで、鋼板の板厚方向が試験片
の幅方向に一致し、鋼板の圧延方向が試験片の長さ方向
に一致するように採取し、き裂面が圧延方向に垂直で、
且つ、き裂伝播方向が板厚方向に一致するようにした。
応力比が0.1となる条件で疲労き裂伝播試験を実施
し、応力拡大係数範囲ΔKが70kgf・mm-3/2にお
けるき裂伝播速度da/dNを測定した。
【0019】
【表1】
【0020】一方、X線で板厚方向の(200)回折強
度を測定し、ランダムサンプル材の(200)回折強度
に対する比を求めた。ここで、X線で測定される板厚方
向の(200)回折強度比は上に述べた{100}面が
板厚方向に垂直な方位を有するフェライトの存在確率に
対応する。図4に、da/dNを(200)回折強度比
に対してプロットした結果を示す。(200)回折強度
比が2.0以上になると板厚方向のき裂伝播速度が低下
することがわかった。また、理由は明確ではないが、
(200)回折強度比が15.0以上になるとき裂伝播
速度が上昇する傾向があり、き裂伝播抑制効果が弱くな
る。(200)回折強度比を2.0以上とすれば板厚方
向のき裂伝播速度低下の効果が得られるが、4.0〜1
5.0の範囲で最も顕著な効果が得られる。以上の結果
から、板厚方向の(200)回折強度比を2.0以上と
することで板厚方向のき裂伝播速度を遅延できることが
明らかとなった。これは上述のとおり、き裂先端におけ
る異なるすべり変形の干渉を利用したものである。
【0021】上記のとおり、集合組織制御によりき裂伝
播の制御が可能であることが明らかとなったが、これに
加えて、同じ結晶方位を有するフェライトでも転位密度
が低く軟らかいフェライトのほうが上記効果がより顕著
に現れることも知見した。これは、すべり変形の干渉が
起きやすい方位のフェライトでも、転位が導入されてい
るとその転位が容易に移動するためにすべり変形の干渉
が起き難くなるためと考えられる。さらに、き裂伝播は
き裂開閉口挙動にも影響を受ける。軟らかいフェライト
のほうがき裂閉口がより顕著に生じ、実効的な応力拡大
係数範囲を減じ、き裂伝播速度がより顕著に低下する。
本発明では(200)回折強度比を発達させるために低
温での圧延が有効であるが、低温圧延を施すと転位密度
の高い加工フェライトが生成する。このような低温圧延
を実施しても転位密度が低く、軟らかいフェライトを生
成させるためには回復あるいは再結晶を利用することが
効果的である。回復フェライトと再結晶フェライトのど
ちらでも、転位密度が低下し、且つ、高い(200)回
折強度比を維持していればき裂伝播抑制の効果は同じよ
うに発揮される。
【0022】フェライトの結晶方位を制御することと、
フェライトの回復・再結晶を制御することの相乗効果に
よりき裂先端塑性域におけるすべり変形の干渉を起きや
すくし、き裂の伝播速度を低下させるのが本発明の骨子
である。以上のような新知見に基づき、本願発明が構成
された。上記の新知見を実現するために、以下に説明す
るような限定が必要である。
【0023】上記のとおり、本願発明では板厚方向の
(200)回折強度比が板厚方向のき裂伝播速度を遅延
させる最も重要な要素である。集合組織はX線回折法で
測定されるのが最も一般的である。X線で測定した板厚
方向の(200)回折強度比が2.0未満ではき裂先端
塑性域で異なったすべり系の変形による干渉が少なく、
板厚方向き裂伝播遅延の効果が期待できない。従って、
板厚方向の(200)回折強度比の下限を2.0とし
た。板厚方向の(200)回折強度比が4.0〜15.
0の範囲で上記機構によるき裂遅延効果が最も強くなる
のでこの範囲とすることが望ましい。さらに、板厚方向
の(200)回折強度比を15.0以上とするためには
低温における圧下量が増加し圧延荷重が著しく上昇する
ために実質的に圧延が困難となる。従って、(200)
回折強度比の上限値15.0とした。
【0024】すべり変形の干渉を最大限に利用するため
にはフェライトの転位密度が低いほうが望ましい。圧延
中に加工を受けたフェライトの転位密度を低下させるた
めに回復または再結晶を利用する。回復または再結晶粒
の面積率が15%未満ではすべり変形干渉の効果が発揮
されない。従って、回復または再結晶粒の面積率の下限
を15%とした。逆に面積率が40%を超えると、望ま
しくない方位を有するフェライトが成長し、板厚方向
(200)回折強度比が低下するために、すべり変形抑
制効果が低下する。従って、上限を40%とした。
【0025】次に、合金元素含有量を限定した理由を述
べる。Cは母材強度上昇に効果がある。0.015%未
満では厚鋼板としての強度を確保できないので、下限値
を0.015%とした。0.20%超添加すると、Ar
3 変態温度が著しく低下して圧延温度が低下し、圧延荷
重が上昇するために圧延が極めて困難になる。さらに、
パーライト分率が増加して疲労き裂伝播抑制効果が低下
する。また、靱性低下も著しく低くなる。従って、上限
値を0.20%とした。
【0026】Siは母材強度上昇に効果があるだけでな
く、脱酸元素として重要な元素である。0.05%未満
では強度上昇効果が得られないし、脱酸が弱く、介在物
を増やし、疲労破壊の起点となりやすくなる。従って、
下限値を0.05%とした。母材強度を増加させるため
にはSi添加量を高くすることが望ましいが、2.0%
超添加すると靱性低下が顕著となる。従って、上限値を
2.0%、好ましくは1.0%とした。Mnは母材の強
度を上昇させる効果を有する。0.1%未満では強度上
昇効果が現れないので下限値を0.1%とした。逆に、
2.0%超添加すると、Ar3変態温度が低下しすぎて
圧延が困難となる。さらに、靱性低下が著しくなる。従
って、上限値を2.0%とした。
【0027】Pは不純物元素で粒界破壊を生じ易くする
ため、低いほうが好ましい。0.05%超添加で粒界破
壊による靱性低下が著しくなるので、上限値を0.05
%とした。SはMnSを生成して、延性、特に板厚方向
伸びを低下させるうえに、疲労破壊の起点となって疲労
強度のばらつきを大きくするので、低いほうが好まし
い。0.02%超でこの影響が顕著となるので、上限値
を0.02%とした。
【0028】選択的に添加するCu、Ni、Cr、M
o、Nb、V、Ti、N、REM、Caは以下の理由で
含有量を制限する。Cuは固溶強化と焼き入れ性増加で
母材強度上昇に効果を示す元素である。0.1%未満で
はこの効果が顕著でないので、下限値を0.1%とし
た。逆に、2.0%超添加すると、Ar3 変態温度が低
下しすぎて圧延が困難となる。さらに、靱性低下が著し
くなる。従って、上限値を2.0%とした。Niは焼き
入れ性増加で母材強度上昇に効果を示す元素である。
0.1%未満ではこの効果が顕著でないので、下限値を
0.1%とした。逆に、2.0%超添加するとAr3
態温度が低下しすぎて圧延が困難となる。さらに、靱性
低下が著しくなる。従って、上限値を2.0%とした。
【0029】Crは焼き入れ性増加で母材強度上昇に効
果を示す元素である。0.1%未満ではこの効果が顕著
でないので、下限値を0.1%とした。逆に、2.0%
超添加すると、Ar3 変態温度が低下しすぎて圧延が困
難となる。さらに、靱性低下が著しくなる。従って、上
限値を2.0%とした。Moは焼き入れ性増加で母材強
度上昇に効果を示す元素である。0.1%未満ではこの
効果が顕著でないので、下限値を0.1%とした。逆
に、2.0%超添加すると、高温の変形抵抗が上昇して
圧延が困難となる。さらに、靱性低下が著しくなる。従
って、上限値を2.0%とした。
【0030】Nbは焼き入れ性増加と析出硬化により母
材強度上昇に効果を示す元素である。0.005%未満
ではこの効果が顕著でないので、下限値を0.005%
とした。逆に、0.10%超添加すると、粗大析出物を
生成してこれが疲労き裂の起点となり、疲労強度を低下
させる。また、靱性低下も著しくなる。従って、上限値
を0.10%とした。Vは焼き入れ性増加と析出硬化に
より母材強度上昇に効果を示す元素である。0.005
%未満ではこの効果が顕著でないので、下限値を0.0
05%とした。逆に、0.10%超添加すると、粗大析
出物を生成してこれが疲労き裂の起点となり、疲労強度
を低下させる。また、靱性低下も著しくなる。従って、
上限値を0.10%とした。
【0031】TiはTiNを生成し、これが圧延に先立
つスラブ加熱においてオーステナイト粒成長を抑制し、
圧延後のフェライト粒微細化に効果がある。フェライト
粒径が小さいほうがき裂先端のすべり変形は起き難く、
き裂伝播抑制に効果がある。0.005%未満ではこの
効果が顕著でないので下限値を0.005%とした。逆
に、0.05%超添加すると疲労き裂の起点となる粗大
なTi炭化物析出が顕著となる。また、靱性低下も顕著
となる。従って、上限値を0.05%とした。
【0032】NはTiと複合添加することによりTiN
を生成して、上記の効果を現す。N添加量が0.002
%未満ではこの効果が少ないので、下限値を0.002
%とした。0.015%超添加すると、フェライト中に
固溶して靱性低下を著しくする。従って、上限値を0.
015%とした。NはTiN析出物を生成させるのが目
的である。従って、Ti/N比を2.0〜3.4の範囲
とする必要がある。2.0以下ではN過剰で、フェライ
ト中のN量が増加する。逆に、3.4超ではTi過剰
で、Ti炭化物生成量が増加する。従って、この範囲外
では靱性低下が顕著となる。
【0033】REMはSを固定してMnS生成を抑制
し、延性向上と疲労強度ばらつき低下に効果を有する。
REMとしてはランタノイド系、アクチノイド系ともに
同様な効果を有するが、代表的なものはランタノイド系
のLa、Ceである。0.0005%未満ではこの効果
が少ないので下限値を0.0005%とした。逆に、
0.0050%超添加では粗大なREM酸化物・硫化物
を生成して延性を低下し、さらに、疲労き裂発生起点と
なって疲労強度のばらつきを増やす。従って、上限値を
0.0050%とした。
【0034】CaはREMと同様にSを固定してMnS
生成を抑制し、延性向上と疲労強度ばらつき低下に効果
を有する。0.0005%未満ではこの効果が少ないの
で下限値を0.0005%とした。逆に、0.0050
%超添加では粗大なCa酸化物・硫化物を生成して延性
を低下し、さらに、疲労き裂発生起点となって疲労強度
のばらつきを増やす。従って、上限値を0.0050%
とした。
【0035】次に、鋼板の圧延および冷却・熱処理条件
を限定した理由を以下に述べる。熱間圧延に先立ち、鋼
塊を100%オーステナイト化する必要があり、このた
めには鋼塊の加熱温度をAc3 変態点以上に加熱する必
要がある。しかし、1300℃を超えて加熱するとオー
ステナイト粒が粗大化するために圧延後細粒フェライト
が得られなくなるので、加熱温度は1300℃以下とす
ることが必要である。
【0036】鋼塊の加熱によりオーステナイト粒は粗大
化するので、再結晶温度域で圧延することにより未再結
晶域圧延前のオーステナイト粒径を小さくすることが必
要である。再結晶域圧延の累積圧下率が20%未満では
再結晶が充分に進行せず、再結晶粒は充分に小さくなら
ない。従って、下限値を20%とした。再結晶粒を微細
化するためには累積圧下率を大きくするほうが望ましい
が、あまり大きくすると引き続く低温での圧延における
圧下を確保できなくなる。従って、再結晶域圧延累積圧
下率の上限を90%とした。
【0037】再結晶域圧延に引き続く未再結晶域圧延は
オーステナイト中に変形帯を導入して変態後のフェライ
ト粒を微細化するとともに、板厚方向の(200)回折
強度比を上昇させるので、本願発明による疲労き裂伝播
速度遅延に効果を発揮する。未再結晶域圧延の累積圧下
率が10%未満ではこの効果が顕著でないので、下限値
を10%とした。未再結晶域圧延累積圧下率自体は高い
ほうが疲労強度上望ましいが、高すぎると引き続くAr
3 変態点以下の圧下を確保できなくなる。従って、再結
晶域圧延累積圧下率の上限を80%とした。
【0038】本発明では板厚方向の(200)回折強度
比を上昇させることが必要であり、このためにAr3
態点以下における仕上げ圧延が極めて効果を発揮する。
Ar 3 変態点以下であればオーステナイト・フェライト
二相域であっても、あるいは、フェライト単相域であっ
ても構わない。板厚方向の(200)回折強度比を上昇
させる観点からは圧延温度は低くても構わないが、低温
ほど変形抵抗が上昇するので圧延荷重が上昇し、圧延が
困難となる。さらに、圧延に引き続く鋼板の大気中放冷
により回復または再結晶を生じさせる必要がある。圧延
仕上げ温度が600℃未満では回復・再結晶が生じ難く
なる。従って、圧延仕上げ温度の下限を600℃とし
た。
【0039】Ar3 変態点以下の累積圧下率は高いほう
が板厚方向の(200)回折強度比が上昇し、疲労き裂
伝播抑制の観点からは高いほうが望ましい。40%未満
では板厚方向の(200)回折強度比が充分に高くなら
ないので下限値を40%とした。逆に高すぎると、図3
に示したように疲労き裂伝播抑制の効果が減少する。従
って、累積圧下率の上限値を90%とした。Ar3 変態
点以下の仕上げ圧延後、鋼板を大気中で放冷することに
より回復または再結晶によりフェライト中の転位密度を
低下させる必要がある。放冷時間が30秒未満では転位
密度が低いフェライト分率が15%以上とならないので
下限を30秒とした。放冷時間を長くするほど回復・再
結晶が進行して転位密度が低いフェライトの分率が上昇
する。しかしながら、放冷時間が300秒を超えると再
結晶が進行しすぎて板厚方向の(200)回折強度比が
低下し、疲労き裂伝播抑制効果が低下する。従って、仕
上げ圧延後の放冷時間の上限を300秒とした。
【0040】回復・再結晶を生じさせるための大気中放
冷後に、フェライト組織を凍結するためと、未変態オー
ステナイトから変態して生成するフェライトの粒径を小
さくするために、制御冷却が必要である。冷却速度が5
℃/秒未満ではこの効果が得られないので、下限を5℃
/秒とした。逆に、冷却速度が100℃/秒を超える
と、未変態オーステナイトがベイナイトまたはマルテン
サイトに変態し、疲労き裂伝播抑制効果が弱くなる。従
って、冷却速度の上限を100℃/秒とした。また、変
態が完全に終了し、回復・再結晶が生じない温度まで制
御冷却する必要があり、このために冷却停止温度の上限
を600℃とした。特殊な冷却媒体を用いて冷却するこ
とにより冷却停止温度を室温以下としても、冷却停止後
に変態・回復・再結晶は生じないので構わないが、通常
の制御圧延においては温度が室温とほぼ同じ水を用いる
のが一般的であり、この場合、冷却停止温度の下限は室
温となる。従って、下限を室温とした。請求項6の方法
では、制御冷却後室温まで冷却することが必要である。
特に、冷却停止温度が600℃以下であっても高いと、
引き続く加熱処理前に回復が進行する可能性がある。こ
のために、一旦、室温まで冷却しなければならない。
【0041】上記のとおり、疲労き裂伝播を抑制するた
めには回復・再結晶により転位密度が低いフェライトの
分率を15〜40%とすることが必要である。このため
には、圧延終了後直ちに制御冷却し、その後に鋼板を加
熱することによって回復・再結晶フェライトの分率を1
5〜40%とすることも可能である。このために加熱温
度は500℃以上とすることが必要である。また、加熱
中に変態を生じさせてはならないので、Ac1 変態点以
下でなければならない。
【0042】
【実施例】以下に、本発明の実施例を述べる。連続鋳造
により製造した200mm厚のスラブから板厚が20〜
50mmの鋼板を製造した。表2に化学成分を示す。鋼
1〜7が本発明の成分範囲内の鋼、鋼8〜10が比較鋼
である。表3に鋼板の製造条件を示す。番号A〜Gは本
発明による方法、番号H〜Kは比較法、番号L〜Nは製
造方法は本発明法であるが、鋼の化学成分が本発明範囲
外のものである。これら供試鋼について母材の引張試
験、組織測定、母材の板厚方向き裂伝播試験、および、
溶接部疲労試験を実施した。組織測定として既述のX線
による板厚方向の(200)回折強度比(ランダムサン
プル材に対する比で表す)を求めた。また、500倍の
光学顕微鏡組織観察により回復または再結晶フェライト
の面積率を求めた。母材の板厚方向き裂伝播試験は既述
の方法と同一である。応力拡大係数範囲ΔKが10MP
a√mにおけるき裂伝播速度da/dNを求めた。溶接
部疲労試験は図5に形状を示す、廻し隅肉溶接継手につ
いて疲労試験を実施してS−N曲線を得て、106 回疲
労強度を求めた。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】表4に試験結果を示す。番号A〜Gの本発
明法で製造した鋼は板厚方向(200)回折強度比が高
く、同時に回復・再結晶フェライト粒の面積率が15〜
40%の範囲内であり、板厚方向き裂伝播速度が低く、
き裂伝播が抑制されている。また、溶接部疲労強度に於
いても、溶接熱影響部から発生したき裂が母材部に突入
した後にき裂伝播が抑制されるために疲労強度が向上し
ている。比較法のH〜Kでは製造条件が本発明範囲外
で、板厚方向(200)回折強度比か回復・再結晶フェ
ライト粒面積率のどちらかが本発明の範囲外となり、板
厚方向き裂伝播の抑制は弱い。番号L〜Nの製造法は本
発明の範囲内であるが、化学成分が本発明範囲外であ
り、番号Lではパーライトが、番号MとNではベイナイ
トが多く生成するために、き裂伝播抑制の効果は少な
い。
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明鋼および本
発明の製造法で製造した鋼は母材の板厚方向の疲労き裂
伝播抑制効果が大きく、母材並びに溶接継手の疲労強度
を向上させることが可能である。本発明鋼を用いること
により溶接構造用物の疲労破壊に対する信頼性を向上さ
せることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライトの{100}面と{111}面を定
義付けるための結晶方位を示す図、
【図2】{100}面及び{111}面が板厚方向に垂
直な方位を有するフェライトを示す図、
【図3】{100}面及び{111}面の結晶方向での
き裂進展の様子を示す模式図、
【図4】da/dNと板厚方向回折強度比との関係を示
す図、
【図5】溶接部疲労試験のための隅肉溶接継手の概略図
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−9651(JP,A) 特開 平6−88161(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 0.015≦C≦0.20、 0.05≦Si≦2.0、 0.1≦Mn≦2.0、 P≦0.05、 S≦0.02 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、X
    線で測定した板厚方向の(200)回折強度比が2.0
    〜15.0で、且つ、回復または再結晶フェライト粒の
    面積率が15〜40%であることを特徴とする板厚方向
    の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、 0.1≦Cu≦2.0、 0.1≦Ni≦2.0、 0.1≦Cr≦2.0、 0.1≦Mo≦2.0、 0.005≦Nb≦0.10、 0.005≦V≦0.10 の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1に記載の板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼
    板。
  3. 【請求項3】 重量%で、 0.005≦Ti≦0.05、 0.002≦N≦0.015 を含有し、さらに、Ti/Nが2.0〜3.4であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の板厚方向の疲
    労き裂伝播速度が低い厚鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で、 0.0005≦REM≦0.0050、 0.0005≦Ca≦0.0050 の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の板厚方向の疲労き裂伝播速
    度が低い厚鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化
    学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜1300℃に加熱
    し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下率で圧延
    し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温度域で1
    0〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar3 変態
    点以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下率で仕
    上げ圧延し、圧延終了後、30〜300秒間大気中で放
    冷し、しかる後に5〜100℃/秒の冷却速度で室温〜
    600℃に制御冷却することを特徴とする板厚方向の疲
    労き裂伝播速度が低い厚鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化
    学成分を有する鋼塊をAc3 変態点〜1300℃に加熱
    し、再結晶温度域で20〜90%の累積圧下率で圧延
    し、引き続き、Ar3 変態点以上の未再結晶温度域で1
    0〜80%の累積圧下率で圧延し、さらに、Ar3 変態
    点以下、600℃以上で40〜90%の累積圧下率で仕
    上げ圧延した後、直ちに5〜100℃/秒の冷却速度で
    室温〜600℃に制御冷却し、引き続き室温まで大気中
    で放冷し、さらに、500℃以上、Ac1 変態点以下に
    加熱後大気中で放冷することを特徴とする板厚方向の疲
    労き裂伝播速度が低い厚鋼板の製造方法。
JP00682795A 1995-01-20 1995-01-20 板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3434378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00682795A JP3434378B2 (ja) 1995-01-20 1995-01-20 板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00682795A JP3434378B2 (ja) 1995-01-20 1995-01-20 板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08199286A JPH08199286A (ja) 1996-08-06
JP3434378B2 true JP3434378B2 (ja) 2003-08-04

Family

ID=11649061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00682795A Expired - Fee Related JP3434378B2 (ja) 1995-01-20 1995-01-20 板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3434378B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004113581A1 (ja) * 2003-06-19 2004-12-29 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 耐疲労亀裂進展特性に優れた鋼材とその製造方法
JP4770235B2 (ja) * 2004-03-30 2011-09-14 Jfeスチール株式会社 延性と疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法
JP5034392B2 (ja) * 2006-09-12 2012-09-26 Jfeスチール株式会社 脆性亀裂伝播停止特性に優れた構造用高強度厚鋼板およびその製造方法
CN103459637B (zh) 2011-03-28 2016-10-12 杰富意钢铁株式会社 板厚方向的抗疲劳特性优异的厚钢板及其制造方法和使用该厚钢板的角焊接头
KR101594913B1 (ko) 2011-03-28 2016-02-17 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 판두께 방향의 내피로 특성이 우수한 후강판 및 그의 제조 방법, 그 후강판을 이용한 필렛 용접 조인트

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08199286A (ja) 1996-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0157540B1 (ko) 용접부의 피로강도와 용접성이 뛰어난 고장력강 및 그 제조방법
JP4445161B2 (ja) 疲労強度に優れた厚鋼板の製造方法
JP2008208454A (ja) 耐遅れ破壊特性に優れた高張力鋼材並びにその製造方法
JP7045459B2 (ja) 低温での耐破壊特性に優れた極地環境用高強度鋼材及びその製造方法
EP3561129A1 (en) Sour-resistant heavy-walled steel plate having excellent low-temperature toughness and post-heat treatment characteristics and method for manufacturing same
JP3499085B2 (ja) 耐破壊性能に優れた建築用低降伏比高張力鋼材及びその製造方法
JP2000129392A (ja) 耐疲労き裂進展特性に優れた高強度鋼材及びその製造方法
JP2002129281A (ja) 溶接部の疲労特性に優れた溶接構造用高張力鋼およびその製造方法
JP2024500851A (ja) 低温衝撃靭性に優れた極厚物鋼材及びその製造方法
JP3922805B2 (ja) 低温靭性に優れた高張力鋼材の製造方法
JP3569314B2 (ja) 溶接継手の疲労強度に優れた溶接構造用厚鋼板およびその製造方法
JP2004018912A (ja) 伸びおよび伸びフランジ性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法
JP2004018911A (ja) 伸びおよび伸びフランジ性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法
JP3434378B2 (ja) 板厚方向の疲労き裂伝播速度が低い厚鋼板およびその製造方法
JP2662409B2 (ja) 低温靭性の優れた極厚調質高張力鋼板の製造方法
JP3390596B2 (ja) 靱性に優れる低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP2004162085A (ja) 疲労き裂伝播抵抗に優れた鋼板およびその製造方法
JPH10237547A (ja) 高延性高強度冷延鋼板及びその製造方法
JP3462943B2 (ja) 溶接部の疲労強度が高い鋼板およびその製造方法
JP7265008B2 (ja) 水素誘起割れ抵抗性に優れた圧力容器用鋼材及びその製造方法
JPH10147845A (ja) 疲労強度が高い鋼板およびその製造方法
JPH0941077A (ja) 亀裂伝播停止特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法
JPH11131177A (ja) 溶接後熱処理の省略可能な中常温圧力容器用鋼板およびその製造方法
JPH093591A (ja) 極厚高張力鋼板およびその製造方法
JP3367388B2 (ja) 高延性高靭性鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030430

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080530

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090530

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100530

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100530

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110530

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130530

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130530

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130530

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130530

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140530

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees