JPH10147787A - 打ち抜き加工油組成物 - Google Patents
打ち抜き加工油組成物Info
- Publication number
- JPH10147787A JPH10147787A JP32106796A JP32106796A JPH10147787A JP H10147787 A JPH10147787 A JP H10147787A JP 32106796 A JP32106796 A JP 32106796A JP 32106796 A JP32106796 A JP 32106796A JP H10147787 A JPH10147787 A JP H10147787A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pref
- triglyceride
- oil
- present
- oil composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Abstract
ることを特徴とする打ち抜き加工油組成物。 【効果】本発明により、潤滑性に優れ、部品加工精度の
向上や金型寿命の延長が可能となり、更に、生分解性が
良好で廃水処理性に優れる打ち抜き加工油が提供され
る。
Description
ち抜き加工油組成物を提供するものである。即ち、本発
明は、トリグリセライドを主成分とする基油を含有する
打ち抜き加工油組成物を提供するものである。
い、使用される電子部品の小型化や基板への高密度実装
化が進んでいる。そのため、各種電子部品の金属ケー
ス、金属ボディー、リード端子等の金属部品も小型化や
ナローギャップ化が進んでいる。また、大規模集積回路
(IC)や中央演算処理装置(CPU)の小型化や高密
度化も進んでおり、そのため、ICやCPUの外部との
接続端子部分であるリードフレームも、小型化・高密度
化・多ピン化・ナローギャップ化が進んでいる。
き加工によって製造されており、各種電子部品の小型化
に伴い、打ち抜き加工に対しても、より厳しい加工精度
が求められている。一方、打ち抜き加工は、軽加工、重
加工と並んで、金型とプレス機を用いたプレス加工の一
種であり、各種加工部品が小型化するに従い、金型に対
しても、より高い精度が要求されている。従って、打ち
抜き加工に用いる金型も加工部分の精密度が向上するに
従い、そのメインテナンスに要する時間及び人件費の増
加がクローズアップされて来ており、加工油の潤滑性を
向上させることによる金型寿命の延長が急務となってい
る。
として、従来から、鉱物油に各種油性向上剤や防錆剤等
を添加した加工油が用いられてきた。しかしながら、従
来の鉱物油ベースの加工油では、近年の部品加工に求め
られる、加工精度の向上や、金型寿命の延長等、種々の
要求性能を全て満足することが困難となって来ている。
品洗浄後の廃水処理の問題も浮上して来ており、生分解
性の低い鉱物油系加工油に変わり、生分解性・廃水処理
性の良好な合成系の加工油が要求されている。
リセライドを使用した金属潤滑剤として、直鎖カルボン
酸とα分岐カルボン酸の混合カルボン酸とグリセリンと
から得られるトリグリセライドで、直鎖比率と分岐比率
を規定したトリグリセライドを使用することが開示され
ている。また、特公平5-62919号公報に、炭素数10〜
24の脂肪族モノカルボン酸とグリセリンとから得られ
るトリグリセライドを1〜60重量%配合して使用する
ことを特徴とする潤滑性組成物が記載されている。前者
は潤滑性の向上を、後者はミルクリーン性の改良と潤滑
性の向上を目的としているが、どちらもその効果による
加工精度の向上、金型寿命の延長や、更には生分解性に
ついては言及されていない。
のような欠点を有しない、即ち、潤滑性に優れ、部品加
工精度の向上や金型寿命の延長が可能となり、更に、生
分解性が良好で廃水処理性に優れる打ち抜き加工油組成
物を提供することにある。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物を
用いることにより上記目的を達成しうることを見出し、
本発明を完成するに到った。
セライドを65重量%以上含有することを特徴とする打
ち抜き加工油組成物、(2) トリグリセライド中のア
シル基が炭素数6〜24の直鎖アシル基であることを特
徴とする、前記(1)記載の打ち抜き加工油組成物、
(3) トリグリセライドが動植物油脂であることを特
徴とする、前記(1)または(2)記載の打ち抜き加工
油組成物、(4) トリグリセライド中の全アシル基数
に対する炭素数6〜14の直鎖飽和アシル基数の比が7
5%以上であることを特徴とする、前記(1)〜(3)
いずれか記載の打ち抜き加工油組成物、に関するもので
ある。
は、トリグリセライドを65重量%以上含有することを
特徴とする。
るトリグリセライドの含有量は、潤滑性、生分解性の観
点から65重量%以上であり、好ましくは70重量%以
上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは9
0重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
グリセライドの含有量が65重量%よりも少ないと、潤
滑性、金型寿命の延長、生分解性等、本発明の打ち抜き
加工油組成物の効果を十分発揮することができない。
るトリグリセライドは、グリセリンと1価カルボン酸と
のトリエステル構造を有する化合物であり、以下に述べ
る構造を有するものが好ましい。
るトリグリセライドには、取り扱いに好適な粘度と融
点、及び潤滑性が要求される。そのため、本発明の打ち
抜き加工油に用いられるトリグリセライドのアシル基部
分の炭素数は6〜24であり、直鎖アシル基で構成され
ることが好ましい。
流動性等の観点から、トリグリセライド中の全アシル基
数に対する炭素数6〜14の直鎖飽和アシル基数の比が
75%以上であるトリグリセライドが好ましい。
定性の面から、全アシル基数に対する直鎖飽和アシル基
数の比率は、好ましくは80%以上、より好ましくは9
0%以上、更に好ましくは95%以上である。
るトリグリセライドは、適度な粘度、融点及び適正な価
格の点から動植物油脂が好ましい。動植物油脂として
は、適度な粘度及び融点を有する点から、アマニ油、大
豆油、ナタネ油、綿実油、米糠油、オリーブ油、ひまし
油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物油脂、牛
脂、ラード等動物油脂が好ましく、特に上記で具体的に
述べた動植物油脂の中でも、打ち抜き加工時の熱安定性
の観点から、パーム核油及びヤシ油が好ましい。
植物油脂としては、融点が30℃以下であることが、取
り扱い上有利であるため好ましい。
いられるトリグリセライドは、動植物油脂を精製、水添
等の処理を行ったものであってもよい。具体的には、脱
色、脱臭を行うために白土処理を施したり、含有酸成分
を除去するためにアルカリ精製処理やスチーミング処理
を施したり、不飽和結合を除去するために水添処理を行
ったりしたトリグリセライドを用いることができる。
いるトリグリセライドを工業的に製造するために、動植
物油脂を一旦加水分解して混合カルボン酸とグリセリン
とし、得られた混合カルボン酸を水添・蒸留して単一組
成、あるいは特定組成分布の混合飽和カルボン酸として
精製して利用すると、より熱安定性や酸化安定性に優れ
たトリグリセライドを得ることができる。
セライド中の全アシル基数に対する炭素数6〜14の直
鎖アシル基数の比が75%以上であり、熱安定性、酸化
安定性、低温流動性等、打ち抜き加工油として優れた性
能を有するトリグリセライドを容易に製造することがで
きる。
作業上の取り扱いやすさから30℃以下が好ましく、よ
り好ましくは20℃以下、更に好ましくは10℃以下、
特に好ましくは0℃以下である。
部材の表面にトリグリセライドの単分子皮膜以上の皮膜
を付着させ得る量以上であればよい。
の動粘度が1mm2/s 以上100mm2/s 以下が好ましく、
更に好ましくは1mm2/s 以上50mm2/s 以下、特に好ま
しくは1mm2/s 以上30mm2/s 以下である。
滑油と混合して使用することもできる。他の潤滑油とし
ては鉱物油やポリブテン、ポリαオレフィン、アルキル
ベンゼン等の炭化水素系合成油、脂肪族ジエステルや、
ネオペンチルポリオールエステル、ポリアルキレングリ
コール、ポリフェニルエーテル、カーボネート、シリケ
ートエステル、シリコーン油、パーフルオロポリエーテ
ル等が挙げられ、具体的な例は新版潤滑の物理化学(幸
書房)や潤滑油の基礎と応用(コロナ社)等に述べられ
ている。
リセライドを単独で用いてもよく、あるいは他の潤滑油
と混合して用いてもよい。トリグリセライドを他の潤滑
油と混合する場合の混合比率は、混合した打ち抜き加工
油組成物に対しトリグリセライドの比率が65重量%、
好ましくは70重量%、更に好ましくは80重量%、特
に好ましくは90重量%、非常に好ましくは95重量%
以上である。
中でも特に金型を使用した打ち抜き加工に用いられるも
のである。
レス鋼板、冷延鋼板、銅及び銅合金等の金属に対する使
用に適している。
に応じて通常使用される種々の添加剤が使用できる。こ
れらには、酸化防止剤、極圧剤、油性向上剤、消泡剤、
清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、抗乳化剤等の各
種潤滑油添加剤を添加することができる。
するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定され
るものではない。表1に、本発明品1〜2、及び比較品
A〜Dの性状を示す。
た。結果を(1)〜(3)に示す。打ち抜き加工油の塗
布は全て、金型入口と金型内部上下2ヶ所の計3ヶ所
で、試験材に対して過剰量供給した。なお、評価結果は
数値で示したもの以外は全て目視判断である。
アップとして用いられる半導体レーザー用ボディーとし
て、厚さ1.2mm の冷間圧延鋼板を用い、内部に1.1 φの
孔を有する外径5.6 φの円形部品を、本発明品1及び比
較品Aを用いて打ち抜き加工した。結果を表2に示す。
は、切断面部分に現れる潤滑性が良好で表面が平滑であ
る剪断面が非常に多く、潤滑性不良で表面に凹凸がある
破断面は、ほとんど見られなかった(評価:◎)。一
方、比較品を用いて打ち抜き加工を行った場合には、切
断面下部に、切断面厚さの15〜20%に破断面が生じ
(評価:△)、更に、外径破断面には、バリの原因とな
る二次切断面が現れており(評価:△)、潤滑性の不良
が見うけられた。
の充電端子用部品として、厚さ0.35mmのリン青銅板を用
い、本発明品2及び比較品Bを使用して、打ち抜き加工
を行った。結果を表3に示す。
ちらを用いて打ち抜き加工を行った場合でも、加工油に
よる差は見うけられなかったが、剪断面の粗さは、本発
明品を用いて加工した方が滑らかであり、潤滑性に優れ
ることがわかった。また、切断部の剪断面と破断面との
境界線も、本発明品を用いて加工した方が比較品に比べ
直線に整っており、潤滑性に優れることがわかった。更
に、本発明品を用いて打ち抜き加工を行うと、比較品を
用いて打ち抜き加工を行う場合に比べ2倍以上の部品を
加工することが可能となり、本発明品の優れた潤滑性に
より、金型のメインテナンス期間が延長され、金型寿命
(破断面の厚さが許容範囲に保持できる期間)が延長す
ることが明らかになった。
厚さ0.5mm の冷間圧延鋼板を用い、本発明品2と比較品
Cを使用して打ち抜き加工を行った。
カップ加工部分の光沢が、本発明品を用いた場合の方が
比較品を用いた場合より良好であり、本発明品の潤滑性
が良好であることがわかった。
た。生分解性の測定はCEC−L33−T82法に準拠
した。この試験においては、67%以上の分解率を示す
試験油が生分解性良好とすることができる。結果を表4
に示す。この結果から、本発明品は比較品に比べ生分解
に優れること、即ち廃水処理性に優れることがわかる。
精度の向上や金型寿命の延長が可能となり、更に、生分
解性が良好で廃水処理性に優れる打ち抜き加工油が提供
される。
Claims (4)
- 【請求項1】 トリグリセライドを65重量%以上含有
することを特徴とする打ち抜き加工油組成物。 - 【請求項2】 トリグリセライド中のアシル基が炭素数
6〜24の直鎖アシル基であることを特徴とする、請求
項1 記載の打ち抜き加工油組成物。 - 【請求項3】 トリグリセライドが動植物油脂であるこ
とを特徴とする、請求項1または2記載の打ち抜き加工
油組成物。 - 【請求項4】 トリグリセライド中の全アシル基数に対
する炭素数6〜14の直鎖飽和アシル基数の比が75%
以上であることを特徴とする、請求項1 〜3いずれか記
載の打ち抜き加工油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32106796A JPH10147787A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 打ち抜き加工油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32106796A JPH10147787A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 打ち抜き加工油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10147787A true JPH10147787A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=18128442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32106796A Pending JPH10147787A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 打ち抜き加工油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10147787A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332307A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Toyota Boshoku Corp | 金属材料加工用の潤滑油とそれを用いた金属材料の加工方法 |
-
1996
- 1996-11-15 JP JP32106796A patent/JPH10147787A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332307A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Toyota Boshoku Corp | 金属材料加工用の潤滑油とそれを用いた金属材料の加工方法 |
JP4684951B2 (ja) * | 2006-06-16 | 2011-05-18 | トヨタ紡織株式会社 | 金属材料加工用の潤滑油とそれを用いた金属材料の加工方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102199476A (zh) | 一种用于中厚铝板加工的挥发性冲剪油组合物及制备方法 | |
KR100391164B1 (ko) | 알루미늄 및 알루미늄합금판의 저온성형용 윤활제 | |
EP0744455B1 (en) | Animal and vegetable lubricating oil composition | |
CN103725383A (zh) | 金属板材冲压拉伸油及其制备方法 | |
JP2008231332A (ja) | 金属加工用潤滑剤組成物 | |
CN101838579A (zh) | 铝线专用拉丝油及其生产方法 | |
CN104342247A (zh) | 铜箔轧制油组合物及其用途 | |
KR100209444B1 (ko) | 금속 가공 방법 | |
KR101906433B1 (ko) | 비수용성 절삭유 | |
JP3490148B2 (ja) | 金属加工用潤滑油組成物 | |
WO1991018074A1 (en) | Lubricant composition for metal working | |
JPH10147787A (ja) | 打ち抜き加工油組成物 | |
JP2007211100A (ja) | アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法 | |
CN103980983B (zh) | 药箔轧制添加剂组合物 | |
JP3757312B2 (ja) | マグネシウム合金又はアルミニウム合金用塑性加工油及び該加工油を用いた加工方法 | |
JP2008056707A (ja) | 金属材料加工用の潤滑油 | |
JP3320642B2 (ja) | 熱間圧延油及び熱間圧延方法 | |
JPH1053780A (ja) | 潤滑油基油の製造法 | |
JP2007098582A (ja) | プレコートアルミニウム合金板及びプレス成形品の製造方法 | |
JP4990527B2 (ja) | 金属加工用潤滑油組成物 | |
CN106221877A (zh) | 冲压油组合物及用途 | |
CN105087121A (zh) | 一种用于冷轧中宽带钢板的轧制油组合物及制备方法 | |
JPH01301793A (ja) | 潤滑油 | |
JPH0241392A (ja) | 潤滑油 | |
JP2955894B2 (ja) | 金属加工油 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050802 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050927 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050927 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060831 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |