JPH1014599A - アンチトロンビンiii 活性測定方法及び測定用試薬 - Google Patents

アンチトロンビンiii 活性測定方法及び測定用試薬

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JPH1014599A
JPH1014599A JP19698896A JP19698896A JPH1014599A JP H1014599 A JPH1014599 A JP H1014599A JP 19698896 A JP19698896 A JP 19698896A JP 19698896 A JP19698896 A JP 19698896A JP H1014599 A JPH1014599 A JP H1014599A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘパリンコファクターIIによる正の干渉及び
ヘパリン非依存的アンチトロンビンIII (ATIII )に
よる正の干渉を実質的に受けることなく、ATIII 活性
を一層正確に測定することのできる手段を提供する。 【解決手段】 ATIII を含む被検試料に既知濃度のセ
リンプロテアーゼ及びヘパリンを添加して複合体を形成
させた後、残存するセリンプロテアーゼ活性を検出する
ことにより被検試料中のATIII 活性を測定する方法に
おいて、前記複合体を形成させる反応前又は反応時に多
価アルコールを共存させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被検試料、特には生
体液試料、例えば、血漿中等のアンチトロンビンIII 活
性の測定方法及び測定用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】アンチトロンビンIII (以下、ATIII
ともいう)は血漿中に存在するセリンプロテアーゼ阻害
物質である。その阻害活性はヘパリンと結合することに
より大幅に促進されること(ヘパリンコファクター活
性)が知られており、生体中で機能するにはヘパリンと
の結合が重要であると考えられている。ATIII は生体
中においてXa因子やセリンプロテアーゼの一種である
トロンビンを阻害することによって血液凝固の制御に大
きな役割を果たしている。従って、血漿中に含まれるA
TIII 濃度を測定することは生体中の血液凝固阻止能の
評価や、凝固/線溶系の動態を調べる上で大きな意義を
もつ。また、ATIII は肝臓で合成されるので、肝機能
低下の指標としても用いることができる。
【0003】ATIII の測定には、大きく分けて2通り
の方法が従来から用いられている。一つは特異的抗体を
使用した抗原測定法である。この抗原測定法では、トロ
ンビン阻害活性を消失したATIII 分子又は遺伝的変異
等により正常に機能しないATIII と正常なATIII と
を区別することができない。
【0004】もう一つはトロンビン等の酵素に対する阻
害作用を利用した活性測定法である。現在汎用されてい
る活性測定方法は、既知量のトロンビン及びヘパリン混
合液に対して血漿サンプルを添加し、一定時間インキュ
ベートした後に残存するトロンビン活性を発色性合成基
質により定量し、減少したトロンビン活性量からサンプ
ル中のATIII 濃度を算出する方法である。このため、
活性測定法の方が血漿中のATIII による有効な抗凝固
能を、より正確に反映しているものと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この活性測定
法には以下のような問題点がある。第1の問題点は、血
漿中のトロンビン阻害物質であるヘパリンコファクター
II(以下、HCIIともいう)による正の干渉が挙げられ
る。実際、幾つかの活性測定系において測定値の10〜
20%がATIII ではなくHCIIに由来するものである
ことが報告されている〔Bohnerら,Thromb
osis and Haemostasis 71,
3,280−283(1994)及びTranら,Th
rombosis Research,40,571−
576(1985)〕。HCIIによる干渉を回避する方
法として、HCIIと反応しない酵素Xa因子を使用する
方法〔Demersら,Thrombosis and
Haemostasis 69,3,231−235
(1993)〕や、ATIII とHCIIとのヘパリンに対
する親和性の差を利用して、反応液中に高濃度の塩を添
加する方法〔特開平7−8298号公報、並びに臨床検
査機器・試薬17巻6号別冊1013−1020(19
94)〕等が提案されている。
【0006】第2の問題点は、ATIII のヘパリン非依
存的なトロンビン阻害活性による正の干渉である。この
干渉を強く受けると、ヘパリン結合能をもたないか、又
はヘパリンによる促進効果を受けられない分子異常AT
III であって、かつトロンビンとの反応部位が正常であ
る分子異常ATIII を正常ATIII として測定してしま
うからである。例えば、ヘパリン結合能欠損異常ATII
I 〔ATIII Nagasaki:岡嶋ら,Bloo
d,81,5,1300〜1305(1993)〕のA
TIII 活性を不当に高値と評価してしまう可能性があ
る。
【0007】この問題は、被検試料を希釈することなし
にATIII 活性を測定することと関連する。すなわち、
ATIII 活性にはヘパリン依存的活性と非依存的活性と
があり、生体内ではヘパリン依存的活性の方が非依存的
活性よりも1000倍程度大きいと考えられ〔J.B.
C.,Vol.248,18,6490−6505(1
973)〕、臨床的にもヘパリン依存的活性の定量の方
が意義深い。従来、被検試料を希釈する方法において
は、ATIII 、ヘパリン、及びトロンビンが反応する環
境を生体内とほぼ同一に設定しており、ヘパリン非依存
的活性による正の干渉は殆ど問題とならなかった。これ
に対して、被検試料を希釈することなしにATIII を測
定しようとすると、相対的にヒトロンビン分子数に対し
てATIII 分子数が大過剰となり、反応する環境を生体
内とほぼ同一に設定するためには、反応液中に高濃度の
トロンビンが必要である。しかし、その条件では、反応
液の吸光度が、分光光度計の測定可能範囲を超えてしま
うため、自動分析などには不都合であった。この解決法
の1つに、高濃度のトロンビンを使用する代わりに、A
TIII とトロンビンとの結合反応を抑制する方法があ
り、例えば、反応液中に高濃度の塩を添加する方法(特
開平7−8298号公報)が提案されている。しかし、
この方法では、ヘパリン依存的活性を非依存的活性より
も強く抑制するので、ヘパリン非依存的活性を定量して
しまうという問題点がある。従って、非希釈法における
抑制方法は、ヘパリン依存的活性と非依存的活性とを同
等に抑制するか、又は非依存的活性に対してより強く働
き、非依存的活性の正の干渉がないものである必要があ
る。
【0008】すなわち、本発明の目的は、被検試料を希
釈せずに用いることのできるATIII 活性測定方法にお
いて、前記の種々の干渉(特には、HCIIによる正の干
渉及びヘパリン非依存的ATIII による正の干渉)を実
質的に受けることなく、ATIII 活性を一層正確に測定
することのできる手段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
よる、アンチトロンビンIII を含む被検試料に、ヘパリ
ン及び既知濃度のセリンプロテアーゼを添加して複合体
を形成させた後、残存するセリンプロテアーゼ活性を検
出することにより被検試料中のアンチトロンビンIII 活
性を測定する方法において、前記複合体を形成させる反
応前又は反応時に多価アルコールを共存させることを特
徴とする、アンチトロンビンIII 活性測定方法によって
達成することができる。更に、本発明は、セリンプロテ
アーゼ及びヘパリンを含むアンチトロンビンIII 測定用
試薬に、更に多価アルコールを含有させることを特徴と
する、アンチトロンビンIII 活性測定用試薬にも関す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
を用いて測定することのできる被検試料は、ATIII を
含有する試料であれば特に限定されないが、特には生体
液試料、例えば、血液、血漿、又は血清である。
【0011】本発明に用いることのできる多価アルコー
ルは、好ましくは式: HOCH2 −〔C(OH)H〕n−CH2 OH (式中、nは0又は1〜4の整数である)で表される化
合物であり、例えば、エチレングリコール、グリセロー
ル、エリトリトール、キシリトール、及びソルビトール
などを挙げることができる。エチレングリコールが特に
好ましい。
【0012】本発明においては、セリンプロテアーゼ・
ATIII ・ヘパリン複合体を形成させる反応前又は反応
時に、更にアルカリ金属塩を共存させることができる。
前記アルカリ金属塩は、アルカリ金属と有機酸又は好ま
しくは無機酸との塩である。ナトリウム、カリウム又は
リチウムのハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、
臭化物若しくはヨウ化物)、硫酸塩又はリン酸塩が好ま
しく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リ
チウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、ヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、臭化ナト
リウム、臭化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウ
ム、又はリン酸リチウム等を用いることができる。これ
らの塩の1種又は複数種を組み合わせて用いることがで
きる。アルカリ金属塩(特には塩化ナトリウム)を共存
させる場合には、0.3M以下の濃度範囲で使用するこ
とができる。
【0013】本発明では、ヘパリンとATIII との複合
体を形成することのできる反応系において、例えば、ア
ルカリ金属塩(特には塩化ナトリウム)0.05M〜
0.18Mの存在下で、多価アルコール(特にエチレン
グリコール)を終濃度10〜60容量%、好ましくは2
0容量%〜60容量%の範囲で使用すると、HCIIによ
る正の干渉を抑制することができる。この場合、pHは
特に限定されることはないが、通常、pH6〜9の範囲
で使用することができる。また、前記反応系において、
例えば、アルカリ金属塩(特には塩化ナトリウム)0.
05〜0.18Mの存在下で、pH6.2〜8.5の場
合、多価アルコール(特にエチレングリコール)を終濃
度10容量%以上、好ましくは20容量%〜60容量%
の範囲で使用すると、ヘパリン非依存的ATIII による
正の干渉を抑制することができる。実際には、個々のp
H値に応じて、多価アルコールの適切な使用量範囲が存
在し、その範囲は適宜決定することができる。例えば、
多価アルコール(特にエチレングリコール)を、pH約
7.0では10容量%以上、好ましくは15容量%〜4
0容量%の範囲で、また、pH約8.0では20容量%
以上、好ましくは25容量%〜60容量%の範囲で使用
すると、ヘパリン非依存的ATIII による正の干渉を抑
制することができる。なお、pH約6以下の条件下で
は、多価アルコールの存在の有無に関わらず、ヘパリン
非依存的ATIIIによる正の干渉は、実質的に検出され
ない。
【0014】実際には、前記のHCIIによる正の干渉の
抑制効果、及びヘパリン非依存的ATIII による正の干
渉の抑制効果が得られる条件下で、更に、ATIII 濃度
とセリンプロテアーゼの検出手段(例えば、吸光度)と
の間に濃度依存的相対関係を示すpH値と多価アルコー
ル使用量とを、簡単な予備試験によって適宜決定するこ
とができる。例えば、アルカリ金属塩(特には塩化ナト
リウム)0.05〜0.18Mの存在下で、pH6.0
〜7.0の場合、多価アルコール(特にエチレングリコ
ール)を終濃度15容量%〜40容量%の範囲で使用す
ることが好ましい。また、例えば、アルカリ金属塩(特
には塩化ナトリウム)0.05〜0.18Mの存在下
で、pH7.5〜9.0の場合、多価アルコール(特に
エチレングリコール)を終濃度25容量%〜60容量%
の範囲で使用することが好ましい。
【0015】本発明では、被検試料中に共存するヘパリ
ンコファクターIIの干渉を、多価アルコールの添加によ
って排除する。すなわち、一般にアンチトロンビンIII
やヘパリンコファクターIIは、それぞれヘパリンと結合
して複合体を形成することによってセリンプロテアーゼ
活性(例えば、トロンビン活性)を阻害することができ
るが、ヘパリンに対する親和性は、反応の場の多価アル
コール濃度によって異なる。ヘパリンコファクターII
は、多価アルコール不在下においては、ヘパリンと結合
して、ヘパリン・ヘパリンコファクターII複合体を形成
し、更には、トロンビン・ヘパリン・ヘパリンコファク
ターII複合体を形成する。一方、多価アルコールの存在
下においては、ヘパリンとヘパリンコファクターIIとト
ロンビンとは、複合体を形成しない。それに対して、ア
ンチトロンビンIII は、多価アルコールの存在下におい
てもヘパリン結合能を示す。従って、トロンビン、ヘパ
リン、及び被検アンチトロンビンIII を反応させる場
に、多価アルコールを存在させることにより、ヘパリン
コファクターIIにはトロンビン活性を阻害させず、アン
チトロンビンIII のみによってトロンビン活性を阻害さ
せる環境とすることができる。この結果、ヘパリンコフ
ァクターIIの干渉を受けないアンチトロンビンIII 測定
系を成立させることができる。
【0016】セリンプロテアーゼとしてトロンビンを用
いる場合には、前記の各反応は、以下の式(1)〜
(3)で表すことができる。 III ・ヘパリン複合体 前記の各反応後、残存するトロンビン活性(残存トロン
ビン活性)を従来公知の合成基質法やフィブリン形成の
阻害時間法等によって測定する。一方、被検試料として
生理食塩水などを使用し、試薬中に含まれている全トロ
ンビンの活性(全トロンビン活性)を測定し、それらの
測定値から、以下の計算式によってアンチトロンビンII
I 活性を求めることができる。 AAT=ATA−ATB (式中、AATはアンチトロンビンIII 活性、ATAは全ト
ロンビン活性、そしてATBは残存トロンビン活性を表
す)
【0017】なお、本発明方法においては、通常の公知
ATIII 活性測定法と同様に、セリンプロテアーゼとし
て、例えばトロンビン又は第X因子を用いることができ
る。また、ヘパリンとしては、特にその由来は限定され
ず、また、高分子ヘパリンあるいは低分子ヘパリンのい
ずれも用いることができる。
【0018】本発明方法においては、多価アルコールの
存在下で被検試料とヘパリン及びセリンプロテアーゼと
を接触させて複合体を形成させた後に、当業界で公知の
任意の方法により残存セリンプロテアーゼ活性を測定す
ることができる。例えば、合成基質法を用いて残存トロ
ンビン活性を測定する場合は、前記反応終了後、基質含
有溶液を添加して、トロンビン活性を測定すればよい。
この合成基質としては公知の任意の基質を適宜選択して
用いることができ、例えば、トシル−グリシル−プロリ
ル−アルギニル−パラニトロアニリド、H−D−フェニ
ルアラニル−L−ピペコリル−L−アルギニン−パラニ
トロアニリド、H−D−フェニルアラニル−L−N−メ
チルアラニル−L−アルギニル−パラニトロアニリド、
アルギニル−3−tert−アルキルオキシカルボニル
−4−ニトロアニリド等を用いることができる。これら
合成基質より誘導される発色物質を分光学的に検出す
る。また、残存トロンビン活性を、第XIII 因子存在下
にフィブリノゲンをフィブリンに転換する活性として凝
固時間を測定することにより求めることもできる。
【0019】一方、セリンプロテアーゼとして第X因子
を用いる場合は、被検試料とへパリンと第X因子とを接
触させてヘパリン・ATIII ・第X因子複合体を形成さ
せた後、残存する第X因子に対して、第X因子に特異的
な合成基質(例えばメシル−D−ロイシル−グリシル−
アルギニル−パラニトロアニリド、N−ベンゾイル−L
−イソロイシルL−グルタミル−グリシル−L−アルギ
ニル−パラニトロアニリド等)を含有する溶液を前記複
合体形成反応後に添加して、基質から誘導される発色物
質を分光学的に検出する。前記と同様に、公知の任意の
方法によりブランク試験としての全トロンビン活性を測
定することができる。
【0020】更に、本発明は、ATIII 活性測定用試薬
にも関する。本発明による試薬は、ヘパリン及びセリン
プロテアーゼを含有する通常のATIII 活性測定用試薬
に、多価アルコールを含有させ、更に場合によりアルカ
リ金属塩を含有させることからなり、これにより、ヘパ
リンコファクターIIの影響を受けずに精度よくアンチト
ロンビンIII 活性を測定するための試薬を提供すること
ができる。ATIII 活性測定用試薬が二試薬系からなる
場合には、第一試薬及び/又は第二試薬に前記と同様の
多価アルコールを含有させることができる。例えば、セ
リンプロテアーゼとしてトロンビンを用い、残存トロン
ビン活性を合成基質法にて測定するための試薬組成とし
ては、その反応の手順を考慮してヘパリン、トロンビン
及び多価アルコールからなる第一試薬と、合成基質を含
む第二試薬から構成するのが好ましい。あるいは、第一
試薬にヘパリンと多価アルコール、第二試薬にトロンビ
ン(必要に応じて多価アルコール)、第三試薬に合成基
質をそれぞれ含有させて構成してもよい。
【0021】前記の二試薬系の場合、第一試薬中のヘパ
リンの濃度範囲は従来公知の第一試薬の濃度範囲と同じ
でよく、例えば0.01〜200U/ml、好ましくは
0.1〜100U/mlの濃度範囲で適宜調整する。ま
た、トロンビンも従来公知の第一試薬の濃度範囲で同じ
でよく、例えば0.01〜10U/ml、好ましくは
0.05〜5U/mlの濃度範囲で適宜調整する。多価
アルコールは試薬添加量や測定系の条件により調整すれ
ばよく、例えば、トロンビンとヘパリンとATIII とが
複合体を形成する反応の場に、例えば、アルカリ金属塩
(特にはNaCl)を0.05〜0.18Mの濃度で共
存させる場合には、多価アルコール濃度が10〜60容
量%、好ましくは20〜60容量%の量となるように試
薬濃度を調整して構成すればよい。
【0022】前記の構成を有する第一試薬を精製水ある
いは適当な緩衝液に溶解して用いることができる。緩衝
液としては、構成成分を安定に保つことができ、且つA
TIII との複合体形成を阻害しないもの、更には残存ト
ロンビンと合成基質との反応を阻害しないものであれば
特に限定はされない。具体的には、トリス緩衝液、グッ
ド緩衝液、ヘペス緩衝液等、従来公知の緩衝液から適宜
選択して用いることができる。更に粉末状として供する
場合には、例えば、トロンビン0.1〜100U/m
l、好ましくは0.5〜50U/mlを公知の手段で凍
結乾燥して粉末状とし、その粉末状組成物の溶解液とし
て0.01〜200U/ml、好ましくは0.1〜10
0U/mlのヘパリン及び前記濃度の多価アルコールを
含む緩衝液を別途調製し、使用時にトロンビンを溶解し
て用いることもできる。
【0023】前記の二試薬系の場合、第二試薬の基質と
しては、従来公知の第二試薬に含まれている基質を従来
公知の第二試薬と同様の濃度で用いることができる。具
体的には、トシル−グリシル−プロリル−アルギニル−
パラニトロアニリド、H−D−フェニルアラニル−L−
ピペコリル−L−アルギニン−パラニトロアニリド、H
−D−フェニルアラニル−L−N−メチルアラニル−L
−アルギニル−パラニトロアニリド、アルギニル−3−
tert−アルキルオキシカルボニル−4−ニトロアニ
リド等の合成基質を好ましくは0.05〜100mM、
より好ましくは0.1〜50mMの濃度となるように調
整する。これらを精製水あるいは前記と同様の緩衝液に
溶解して用いる。更に、基質物質の安定性等を考慮し
て、これらを公知の手段より凍結乾燥品の形で保存する
こともできる。
【0024】セリンプロテアーゼとして第X因子を用い
る場合には、前記と同様に従来公知の試薬に多価アルコ
ールを前記の濃度となるように添加すればよい。また、
基質も、例えばメシル−D−ロイシル−グリシル−アル
ギニル−パラニトロアニリド、又はN−ベンゾイル−L
−イソロイシルL−グルタミル−グリシル−L−アルギ
ニル−パラニトロアニリド等の公知の基質を用いればよ
い。また、残存するトロンビン活性を、第XIII 因子存
在下にフィブリンをフィブリノゲンに転換する活性とし
て凝固時間を測定することにより求める場合にも、従来
の公知試薬に多価アルコールを前記の濃度となるように
添加して構成することができる。
【0025】HCIIによる干渉の回避、及び高濃度のA
TIII を含む被検試料の測定を実施する方法として、反
応液中に高濃度の塩を添加する方法が提案されているが
(特開平7−8298号公報)、ヘパリン依存的活性を
非依存的活性よりも強く抑制するので、ヘパリン非依存
的活性を定量してしまうという欠点があった。多価アル
コール(例えば、エチレングリコール)を共存させる本
発明方法は、HCIIによる干渉の回避、高濃度のATII
I を含む被検試料の測定、及びヘパリン非依存的ATII
I 活性の抑制を、同時に満たすことができるという点
で、従来法とは異なる新規な方法であり、且つ優れてい
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。なお、以下の実施例においては、測定機器には自動
分析装置LPIA200(商品名;三菱化学製)を用い
た。ATIII 活性測定用試薬は、R1試薬(トロンビン
180mU/ml、ヘパリン20unit/ml、及び
ウシ血清アルブミン0.35mg/mlを含む50mM
トリス緩衝液)と、R2試薬〔6mMトロンビン活性検
出用合成基質H−D−フェニルアラニル−L−N−メチ
ルアラニル−L−アルギニル−パラニトロアニリド(日
東紡製:以下、NS1500と称する)〕とからなる。
但し、以下の各実施例の内容に応じて、NaCl及び/
又はエチレングリコールをR1試薬に適宜添加して使用
した。また、各実施例で用いるpH条件に応じて、R1
試薬中のトリス緩衝液の代わりに2−モルホリノエタン
スルホン酸(以下、MESと称する)緩衝液、クエン酸
緩衝液、又はリン酸緩衝液を使用した。なお、実施例に
おける濃度(エチレングリコール,NaCl)は、全て
最終濃度(検体+R1+R2)で表記した。測定は以下
の手順で実施した。すなわち、R1試薬236μlに生
理食塩水24μlを添加し、更に、被検試料(例えば、
無希釈血漿検体)又は生理食塩水(ブランク用)3μl
を添加し、37℃で5分間インキュベートを行った。次
いで、R2試薬40μlを添加し、反応液を37℃に維
持したまま、405nmの吸光度変化を10分間測定し
た。生理食塩水を添加した場合の10分間の吸光度変化
と、被検試料を添加した場合の10分間の吸光度変化と
の差から、被検試料中のATIII 活性を算出した。
【0027】実施例1:血漿全体のトロンビン阻害活性
に占めるHCIIの比率 正常プール血漿140μlに対し、過剰量(100μ
l)の抗ヒトATIII ウサギ抗体(Dako社)を添加
し、室温で30分間インキュベートすることにより不活
化処理を実施した。このとき残留したトロンビン阻害活
性は、HCIIに由来することを抗HCII特異抗体による
吸収で確認した。この残留したHCIIによるトロンビン
阻害活性に関し、反応液中のNaCl濃度とエチレング
リコール濃度との関係について調べた(図1〜図3及び
表1〜3)。なお、本実施例においては、反応条件に応
じて、NaClの終濃度が0.04M〜0.39Mにな
るように、更に、エチレングリコールの終濃度が12容
量%又は24容量%になるように、R1試薬にNaCl
及びエチレングリコールを添加した。また、R1試薬の
緩衝液には、MES緩衝液(pH6.2)を使用した。
【0028】比較例として、エチレングリコール濃度が
0%の場合の結果を、図1及び表1に示す。図1におい
て、実線aは、生理食塩水を添加したときの10分間の
吸光度変化の値(以下、Δaと称する)を直線で結んだ
ものであり、反応液中の全トロンビン活性を示す。ま
た、破線bは、不活化処理を実施したプール血漿を添加
したときの10分間の吸光度変化の値(Δbと称する)
を直線で結んだものであり、HCIIにより阻害された反
応液中の残存トロンビン活性を示す。更に、一点鎖線c
は、正常プール血漿を添加したときの10分間の吸光度
変化の値(Δcと称する)を直線で結んだものであり、
血漿により阻害された反応液中の残存トロンビン活性を
示す。表1において、(a)は反応液中のNaCl濃度
(M)であり、(b)は「HCIIによるトロンビン活性
阻害率」(以下、αb と称する)であり、算出式:αb
=100×(Δa−Δb)/Δaにより求めた。また、
(c)は「血漿によるトロンビン活性阻害率」(以下、
αC と称する)であり、算出式:αC =100×(Δa
−Δc)/Δaにより求めた。更には、(d)は「血漿
による阻害に占めるHCIIの比率」であり、算出式:α
b /αC により求めた。表1に示すように、HCIIによ
るトロンビン阻害活性は反応液中のNaCl濃度に依存
することが認められた。
【0029】
【表1】 (a) 0.052 0.091 0.130 0.170 0.209 0.248 0.327 (b) 24% 34% 39% 36% 29% 19% 4% (c) 63% 80% 86% 88% 88% 86% 72% (d) 38% 43% 45% 41% 33% 22% 6%
【0030】エチレングリコール濃度が12%(V/
V)の場合の結果を図2及び表2に示し、エチレングリ
コール濃度が24%(V/V)の場合の結果を図3及び
表3に示す。表中、(a)〜(d)は表1と同じ意味で
ある。反応液にエチレングリコールを添加すると、HC
IIによるトロンビン阻害活性は抑制される傾向を示し
(図2及び表2)、エチレングリコール濃度が24%の
場合、反応液中のNaCl濃度に関係なくHCIIによる
トロンビン阻害活性は、ほぼ完全に消失した(図3及び
表3)。24%以上のエチレングリコール存在下でも同
様の結果を得た。
【0031】
【表2】 (a) 0.052 0.091 0.130 0.170 0.209 0.248 0.32 (b) 6% 13% 12% 11% 7% 3% 1% (c) 21% 34% 41% 43% 44% 40% 30% (d) 29% 38% 29% 25% 16% 8% 3%
【0032】
【表3】 (a) 0.052 0.091 0.130 0.170 0.209 0.248 0.327 (b) <0% 1% 0% 0% <0% <0% <0% (c) 3% 6% 7% 10% 10% 11% 9% (d) <0% 17% 0% 0% <0% <0% <0%
【0033】同様の操作を、pH値及びエチレングリコ
ール濃度を変化させて実施した。pH値が6.5の場合
の結果を図4に、pH値が7.0の場合の結果を図5
に、pH値が7.5の場合の結果を図6に、pH値が
8.0の場合の結果を図7に、そしてpH値が8.5の
場合の結果を図8にそれぞれ示す。図4〜図8におい
て、実線a、破線b、及び一点鎖線cは図1〜図3と同
じ意味である。また、(1)で示すグラフはエチレング
リコール濃度が0%の場合の結果を示し、同様に(2)
で示すグラフはエチレングリコール濃度が8%、(3)
で示すグラフはエチレングリコール濃度が16%、そし
て(4)で示すグラフはエチレングリコール濃度が24
%の場合の結果を示し、(1)〜(4)で示す各グラフ
の横軸は、反応液中のNaCl濃度(M)であり、縦軸
は、10分間の吸光度変化である。図4〜図8に示すよ
うに、塩化ナトリウム0.2M以下の存在下で、エチレ
ングリコールの終濃度が16容量%又は24容量%、好
ましくは24容量%の場合に、HCIIによるトロンビン
阻害活性が抑制されることが判明した。
【0034】実施例2:ATIII によるトロンビン阻害
活性に対するエチレングリコールの抑制効果 最終反応液量300μl(自動分析装置における典型的
な試薬分注量)に対して、無希釈血漿サンプルを3μl
(多くの自動分析装置における最小サンプル量)分注し
た場合における、ATIII 活性測定系の検量線の形状、
及びそれに対するR1試薬へのエチレングリコールの効
果を調べた。検量線の形状は反応液中のNaCl濃度及
びpHにも左右されるので、ここでは、NaCl終濃度
が0.15Mで、しかもエチレングリコール終濃度が0
〜40容量%になるように、R1試薬にNaCl及びエ
チレングリコールを添加し、R1試薬の緩衝液としてク
エン酸緩衝液(pH7.0)を使用した場合について示
す。結果を図9〜図14に示す。ATIII 濃度は、健常
人血漿に含まれるATIII濃度の平均値を100%とし
て示し、ATIII 濃度0〜200%の範囲にわたって調
べた。図9に示すように、エチレングリコール非添加時
には検量線は作成不可能だが、エチレングリコールの添
加によりトロンビン阻害活性が抑制され、24容量%以
上の場合(図12〜図14)、無希釈の血漿サンプルに
対してATIII 濃度0〜200%の範囲にわたり検量線
が作成可能となった。
【0035】同様の操作を、R1試薬に添加するNaC
l濃度、及びR1試薬のpHを変化させて実施した。N
aCl濃度が0.05Mの場合の結果を表4に、そして
NaCl濃度が0.15Mの場合の結果を表5にそれぞ
れ示す。表中、記号○は、適正な検量線を作成すること
ができる可能性があることを示し、記号−は、最適では
ないものの検量線を成立させ得ることを示し、そして記
号×は、検量線が作成不可能であることを示す。表4及
び表5に示すように、pH値とエチレングリコール使用
量とを適宜選択することにより、無希釈の血漿に対して
ATIII 濃度0〜200%の範囲にわたり検量線が作成
可能となることが判明した。
【0036】
【表4】 エチレングリコール濃度 pH値 〔%(v/v)〕 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 0 × × × × × 10 × × × × − 20 ○ × × − − 30 × ○ ○ − ○ 40 × × × ○ ○ 50 × × × − −
【0037】
【表5】 エチレングリコール濃度 pH値 〔%(v/v)〕 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 0 × × × × × 10 × × × × × 20 ○ × × × × 30 × ○ × × − 40 × × ○ × − 50 × × − ○ ○
【0038】また、同様の操作を、エチレングリコール
の代わりに、グリセロール、ソルビトール、又はキシリ
トールを使用して実施したところ、エチレングリコール
の場合と同様にトロンビン阻害活性を抑制することが判
明した。
【0039】実施例3:ヘパリンが関与しないトロンビ
ン阻害活性の測定値に与える影響 最終反応液量300μlに対し、無希釈血漿サンプル3
μlを分注した条件における、ATIII 活性測定値に対
する、ATIII とヘパリンとの相互作用に依存しない阻
害活性の影響を調べた。具体的には、R1試薬中に、ヘ
パリン濃度が0単位/ml(図15)及び19単位/m
lの場合(図16)における、それぞれR1試薬中にN
aClを0.04〜0.72Mを添加したときのATII
I によるトロンビン阻害量を調べた。なお、R1試薬の
緩衝液としては38mMリン酸ナトリウム緩衝液を用い
た。図15及び図16において、実線aは、生理食塩水
(ブランク)を添加したときの10分間の吸光度変化の
値を示し、破線cは、無希釈正常プール血漿を添加した
ときの10分間の吸光度変化の値を示す。トロンビン阻
害率(%)は、式: (トロンビン阻害率)=100×(Ha−Hc)/Ha (式中、Haは、図15又は図16における実線aの高
さを意味し、Hcは、図15又は図16における実線c
の高さを意味する)により、算出することができる。
【0040】図15に示すように、無希釈の正常プール
血漿サンプルを添加した場合、反応液にヘパリンが存在
しなくても血漿中のATIII により全トロンビン活性の
約10%が阻害された。図15及び図16から算出し
た、ヘパリンの関与しないトロンビン阻害率(A)、及
びヘパリン存在下でのトロンビン阻害率(B)を表6に
示す。表中、(a)は反応液中のNaCl濃度(M)で
ある。なお、NaCl濃度が0.16M又は0.22M
の場合、ヘパリン依存的な阻害活性は測定レンジ以上で
あり、A/B比は無視することができる。ヘパリン共存
下におけるトロンビン阻害活性はNaClにより抑制さ
れるのに対し(図16)、ヘパリンの関与しない阻害活
性はNaClの添加では殆ど抑制されなかった(図1
5)。従って、0.5MのNaCl存在下では血漿サン
プルを無希釈で測定することができるが、ヘパリン結合
能のない変異ATIII についても図15に相当するトロ
ンビン阻害活性(表6のA/B比より約20%)の分だ
け、実際よりも高めの測定値を与えることになる。な
お、両条件における阻害活性は、サンプルを抗ATIII
抗体で処理することにより完全に消失する。
【0041】
【表6】 (a) 0.04 0.10 0.16 0.22 0.34 0.52 0.76 (A) 16% 9% 7% 7% 8% 6% 4% (B) 51% 92% >100% >100% 90% 22% 4% A/B比 31% 10% - - 9% 27% 100%
【0042】実施例4:ヘパリンが関与しないATIII
によるトロンビン阻害活性に対するエチレングリコール
の抑制効果 実施例3に見られる、ヘパリン非存在下で検出されるA
TIII によるトロンビン阻害活性に対する、反応液中に
添加するエチレングリコールの効果を調べた。具体的に
は、ヘパリンを含まないR1試薬に対して、NaCl終
濃度0.13M及びエチレングリコール終濃度0〜24
容量%になるように、NaCl及びエチレングリコール
を添加した場合について、無希釈正常プール血漿による
トロンビン阻害率を測定した。なお、R1試薬の緩衝液
としては、38mMクエン酸緩衝液(pH7.0)を用
いた。結果を表7に示す。
【0043】
【表7】反応液中のエチレングリコール濃度(V/V) 0% 8% 16% 24% ヘパリンの関与しないトロンビン阻害率 6% 2% 0% 0%
【0044】この結果、pH7.0でNaCl濃度が
0.13Mの場合では、エチレングリコール濃度が16
%(V/V)の条件で完全に抑制する効果が見られた。
抑制に必要なエチレングリコール濃度は、反応液のpH
により異なっており、例えば、pH8.0でNaCl濃
度が0.13Mの条件では24%(V/V)以上のとき
完全に抑制することができる。この特性を利用し、反応
液に多価アルコール(例えば、エチレングリコール)を
24%以上存在させることにより、無希釈の血漿サンプ
ルでもヘパリン依存ATIII 活性を正確に測定すること
ができる。従って、この反応条件では前記の変異ATII
I を含む検体についても本来のヘパリン依存ATIII 活
性測定値を与えることが期待でき、正確な測定が可能と
なるものである。同様の操作を、エチレングリコールの
代わりにグリセロールを用いて実施したところ、同様に
ヘパリン非依存的ATIII による正の干渉を抑制するこ
とができた。なお、グリセロールの場合には、エチレン
グリコールに比べて高い濃度を必要とした。
【0045】
【発明の効果】被検試料中のヘパリンコファクターIIの
妨害及びアンチトロンビンIII のヘパリン非依存的なト
ロンビン阻害活性の影響を受けずに、アンチトロンビン
III 活性を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エチレングリコール濃度が0%(V/V)の場
合の、血漿及びヘパリンコファクターIIによるトロンビ
ン阻害活性と、反応液中のNaCl濃度との関係を示す
グラフである。
【図2】エチレングリコール濃度が12%(V/V)の
場合の、血漿及びヘパリンコファクターIIによるトロン
ビン阻害活性と、反応液中のNaCl濃度との関係を示
すグラフである。
【図3】エチレングリコール濃度が24%(V/V)の
場合の、血漿及びヘパリンコファクターIIによるトロン
ビン阻害活性と、反応液中のNaCl濃度との関係を示
すグラフである。
【図4】pH6.5の場合の、血漿及びヘパリンコファ
クターIIによるトロンビン阻害活性と、反応液中のNa
Cl濃度との関係を示すグラフである。
【図5】pH7.0の場合の、血漿及びヘパリンコファ
クターIIによるトロンビン阻害活性と、反応液中のNa
Cl濃度との関係を示すグラフである。
【図6】pH7.5の場合の、血漿及びヘパリンコファ
クターIIによるトロンビン阻害活性と、反応液中のNa
Cl濃度との関係を示すグラフである。
【図7】pH8.0の場合の、血漿及びヘパリンコファ
クターIIによるトロンビン阻害活性と、反応液中のNa
Cl濃度との関係を示すグラフである。
【図8】pH8.5の場合の、血漿及びヘパリンコファ
クターIIによるトロンビン阻害活性と、反応液中のNa
Cl濃度との関係を示すグラフである。
【図9】エチレングリコール濃度が0%の場合の検量線
を示すグラフである。
【図10】エチレングリコール濃度が8%の場合の検量
線を示すグラフである。
【図11】エチレングリコール濃度が16%の場合の検
量線を示すグラフである。
【図12】エチレングリコール濃度が24%の場合の検
量線を示すグラフである。
【図13】エチレングリコール濃度が32%の場合の検
量線を示すグラフである。
【図14】エチレングリコール濃度が40%の場合の検
量線を示すグラフである。
【図15】ヘパリン非存在下におけるトロンピン阻害活
性を示すグラフである。
【図16】ヘパリン存在下におけるトロンピン阻害活性
を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンチトロンビンIII を含む被検試料
    に、ヘパリン及び既知濃度のセリンプロテアーゼを添加
    して複合体を形成させた後、残存するセリンプロテアー
    ゼ活性を検出することにより被検試料中のアンチトロン
    ビンIII 活性を測定する方法において、前記複合体を形
    成させる反応前又は反応時に多価アルコールを共存させ
    ることを特徴とする、アンチトロンビンIII 活性測定方
    法。
  2. 【請求項2】 セリンプロテアーゼがトロンビンである
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 多価アルコールがエチレングリコールで
    ある、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 セリンプロテアーゼ及びヘパリンを含む
    アンチトロンビンIII 測定用試薬に、更に多価アルコー
    ルを含有させることを特徴とする、アンチトロンビンII
    I 活性測定用試薬。
  5. 【請求項5】 セリンプロテアーゼがトロンビンである
    請求項4に記載の試薬。
  6. 【請求項6】 多価アルコールがエチレングリコールで
    ある、請求項4又は5に記載のアンチトロンビンIII 活
    性測定用試薬。
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CN115032164A (zh) * 2022-08-10 2022-09-09 山东省食品药品检验研究院 一种肝素钠中是否含有凝血因子Xa直接抑制剂的检测方法

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