JPH10144553A - コイルの巻線方法とコイルの巻線装置とコイル - Google Patents

コイルの巻線方法とコイルの巻線装置とコイル

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JPH10144553A
JPH10144553A JP29399996A JP29399996A JPH10144553A JP H10144553 A JPH10144553 A JP H10144553A JP 29399996 A JP29399996 A JP 29399996A JP 29399996 A JP29399996 A JP 29399996A JP H10144553 A JPH10144553 A JP H10144553A
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JP
Japan
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winding
guide roller
coil
conductor
winding shaft
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Application number
JP29399996A
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English (en)
Inventor
Yoichi Seo
洋一 瀬尾
Shinya Ueda
伸哉 植田
Yasuyuki Atake
泰之 阿竹
Takeyoshi Maya
岳良 真屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄心に導体を安定的に巻回すること。 【解決手段】 ドラム19にはワイヤ2が巻装され、巻
軸18には鉄心8aが装着されている。そして、ドラム
19と鉄心8aとの間にはガイドローラ27が設けられ
ており、巻軸18を回転させながらガイドローラ27を
移動させることに伴い、ドラム19からワイヤ2を引出
して鉄心8aに整列巻きする。この構成の場合、ワイヤ
2の層渡りが開始されるにあたって、ガイドローラ27
が「軌道変更量+追加量」だけ送られ、層渡りが終了す
ると、「追加量」だけ戻される。このため、ドラム19
からワイヤ2を余分に繰出して所定位置に巻回すること
になるので、ワイヤ2の軌道が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄心に導体を整列
巻きするコイルの巻線方法,鉄心に導体を整列巻きする
コイルの巻線装置,鉄心に導体を整列巻きしてなるコイ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、コイル巻線装置を示すもので
ある。ここで、ドラム1には、導体に相当するワイヤ2
が巻装されており、巻軸モータの作動に伴い鉄心3が回
転すると、ドラム1からワイヤ2が引出され、鉄心3に
巻取られる。また、ガイドベース4には2つのガイドロ
ーラ5が装着されており、ガイドモータ6の作動に伴い
ガイドベース4が移動すると、2つのガイドローラ5が
一体的に移動し、鉄心3の所定位置にワイヤ2が案内さ
れる。
【0003】変圧器や回転電機等のコイルには、図13
に示すように、円筒状をなす鉄心7aにワイヤ2を巻回
した後、ワイヤ2を樹脂モールド層7bにより覆った構
成のものがある。図12は、このコイルのワイヤ巻回状
態を示すものであり、符号7cは端部絶縁物である。
【0004】このコイルを製造するにあたっては、鉄心
3を回転させながらガイドローラ5を矢印X方向へ移動
させる動作,鉄心3を回転させながらガイドローラ5を
反矢印X方向へ移動させる動作を繰返し、1層目,2層
目……を順次巻回する。このとき、鉄心3の1回転毎に
ガイドローラ5を基準量Pだけ移動させることに伴い、
ワイヤ2を整列密着巻きする。尚、Pはワイヤ2の中心
点間距離である。
【0005】ところで、変圧器や回転電機等のコイルに
は、図9に示すように、角筒状をなす鉄心8aにワイヤ
2を巻回した後、ワイヤ2を樹脂モールド層8bにより
覆った構成のものがある。このコイルのワイヤ巻回状態
を図8に示す。
【0006】このコイルの場合、16ターン目から17
ターン目のように、ワイヤ2を層上がりさせるばかりで
なく、14ターン目から15ターン目のように、層下が
りさせるような巻回方法が採用されており、図10に示
すように、ワイヤ2が層間で交差することがある(例え
ば、15ターン目および16ターン目上に17ターン目
が乗上げる)。
【0007】尚、ワイヤ2の層上り部および層下がり部
は、図9に示すように、コイルの一辺a(=190m
m)に集中しており、他の3辺b〜dにおいては、下層
のワイヤ2相互間に上層のワイヤ2が落込まれ、ワイヤ
2が一定軌道上に巻回されている。また、ワイヤ2は、
直径1.9mmの銅線からなるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、ワイヤ2を層渡りさせるにあたって、ガイドローラ
5を基準量1.5Pだけ移動させ、鉄心8aを回転させ
るようにしていたので、ワイヤ2が軌道から脱線し、渡
り部以外で隣接する軌道に乗上げることがあり、ワイヤ
2を安定的に巻回できなかった。このため、ワイヤ2が
巻膨れし、ビルド寸法B(図8参照)が大きくなる傾向
にあるので、層数を減らす,ワイヤ2の径寸法を小さく
する等、設計の見直しを図ってビルド寸法Bを小さくす
ることが行われていたが、製造段階での対応はなされて
いないのが実情である。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、巻膨れに伴う大形化を極力防止でき
るコイルの巻線方法,コイルの巻線装置,コイルを提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のコイルの
巻線方法は、導体が巻装されたドラムと、鉄心が装着さ
れた巻軸と、前記導体を保持するガイドローラとを用
い、前記巻軸を回転させながら前記ガイドローラを前記
鉄心の軸方向に沿って移動させることに伴い、前記ドラ
ムから導体を引出して前記鉄心に巻回するものにおい
て、前記ガイドローラを、前記導体の層渡りの開始時に
「軌道変更量+追加量」だけ送り、層渡りの終了時に
「追加量」だけ戻すところに特徴を有する。
【0011】上記手段によれば、層渡りが開始されるに
あたって、ガイドローラが「軌道変更量+追加量」だけ
送られ、層渡りが終了すると、「追加量」だけ戻され
る。このため、ドラムから導体を余分に繰出して所定位
置に巻回することになるので、導体の軌道が安定し、導
体が渡り部以外で隣接する軌道に乗上げてしまうことが
防止される。従って、導体の巻膨れが防止されるので、
同一の設計でありながらビルド寸法が小さくなる。
【0012】請求項2記載のコイルの巻線方法は、ガイ
ドローラの送り時における巻軸の回転角度とガイドロー
ラの戻し時における巻軸の回転角度との差を変化させる
ところに特徴を有する。上記手段によれば、ガイドロー
ラの送り時における巻軸の回転角度とガイドローラの戻
し時における巻軸の回転角度との差を変化させることに
伴い、ガイドローラの戻しタイミングを調整できる。こ
のため、コイルの仕様(コイルの形状,コイルの寸法,
導体の渡り層,導体の渡りパターン等)が変った場合で
も、軌道から脱線することなく導体が巻回される。
【0013】請求項3記載のコイルの巻線方法は、巻軸
の回転速度を層渡りが行われている場合と層渡りが行わ
れていない場合とで相違させるところに特徴を有する。
上記手段によれば、層渡りが行われている場合には導体
を低速度で巻取り、層渡りが行われていない場合には導
体を高速度で巻取ることができる。このため、巻取り時
の衝撃で導体が軌道から脱線することが防止される上、
巻取り平均速度が上昇する。
【0014】請求項4記載のコイルの巻線方法は、ガイ
ドローラの移動速度および巻軸の回転速度の少なくとも
一方を変化させることに伴い、層渡り部の長さを調整す
るところに特徴を有する。上記手段によれば、巻軸を一
定速度で回転させ、ガイドローラの移動速度を変化させ
たり、ガイドローラを一定速度で移動させ、巻軸の回転
速度を変化させることに伴い、渡り部の長さ寸法を調整
できる。このため、コイルの仕様が変った場合でも、軌
道から脱線することなく導体が巻回される。特に、上層
へ向うに従って渡り部の長さ寸法を小さくすれば、上下
層での渡り部の重なりが分散されるので、巻膨れが一層
減少し、ビルド寸法が一層小さくなる。
【0015】請求項5記載のコイルは、鉄心に導体を整
列巻きしてなるものにおいて、請求項1記載の方法によ
り巻線されたところに特徴を有する。上記手段によれ
ば、導体の軌道が安定し、巻膨れが防止されるので、同
一の設計でありながらビルド寸法が小さくなる。
【0016】請求項6記載のコイルの巻線装置は、導体
が巻装されたドラムが装着されるドラム装着部と、鉄心
が装着される巻軸と、この巻軸を回転させる巻軸モータ
と、前記導体を保持するガイドローラと、前記鉄心の軸
方向に沿って前記ガイドローラを移動させるガイドモー
タと、前記巻軸モータおよび前記ガイドモータを駆動制
御することに伴い、前記巻軸を回転させながら前記ガイ
ドローラを移動させ、前記ドラムから導体を引出して前
記鉄心に巻回する制御手段とを備え、この制御手段が、
前記導体の層渡りの開始時に、前記ガイドローラを「軌
道変更量+追加量」だけ送り、層渡りの終了時に「追加
量」だけ戻すところに特徴を有する。
【0017】上記手段によれば、層渡りが開始されるに
あたって、ガイドローラが「軌道変更量+追加量」だけ
送られ、層渡りが終了すると、「追加量」だけ戻され
る。このため、請求項1記載の巻線方法と同様、導体の
軌道が安定し、導体の巻膨れが防止されるので、同一の
設計でありながらビルド寸法が小さくなる。
【0018】請求項7記載のコイルの巻線装置は、制御
手段が、ガイドローラの送り時における巻軸の回転角度
とガイドローラの戻し時における巻軸の回転角度との差
を変化させるところに特徴を有する。上記手段によれ
ば、請求項2記載の巻線方法と同様、ガイドローラの戻
しタイミングを調整できるので、コイルの仕様が変った
場合でも、軌道から脱線することなく導体が巻回され
る。
【0019】請求項8記載のコイルの巻線装置は、制御
手段が、巻軸の回転速度を層渡りが行われている場合と
層渡りが行われていない場合とで相違させるところに特
徴を有する。上記手段によれば、請求項3記載の巻線方
法と同様、層渡りが行われている場合には導体を低速度
で巻取り、層渡りが行われていない場合には導体を高速
度で巻取ることができるので、巻取り時の衝撃で導体が
軌道から脱線することが防止される上、巻取り平均速度
が上昇する。
【0020】請求項9記載のコイルの巻線装置は、制御
手段が、ガイドローラの移動速度および巻軸の回転速度
の少なくとも一方を変化させることに伴い、層渡り部の
長さを調整するところに特徴を有する。上記手段によれ
ば、請求項4記載の巻線方法と同様、渡り部の長さ寸法
を調整できるので、コイルの仕様が変った場合でも、軌
道から脱線することなく導体が巻回される。特に、上層
へ向うに従って渡り部の長さ寸法を小さくすれば、上下
層での渡り部の重なりが分散されるので、巻膨れが一層
減少し、ビルド寸法が一層小さくなる。
【0021】請求項10記載のコイルは、鉄心に導体を
整列巻きしてなるものにおいて、請求項6記載の装置に
より巻線されたところに特徴を有する。上記手段によれ
ば、導体の軌道が安定し、巻膨れが防止されるので、同
一の設計でありながらビルド寸法が小さくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例を図1
〜図6に基づいて説明する。尚、本実施例は図8〜図1
0に示すコイルを製造するためのものである。まず、図
4において、ベース11の上面にはレール11a,11
aが取付けられている。また、ドラム装着部12の下面
には、図5に示すように、凹状のガイド12a,12a
が取付けられており、これら各ガイド12aは、レール
11aにスライド可能に係合されている。
【0023】ベース11には、図4に示すように、サー
ボモータからなるドラムモータ13が取付けられてお
り、ドラムモータ13の回転軸にはボルト14が連結さ
れている。また、ドラム装着部12の下面には、図5に
示すように、突片12bが取付けられている。そして、
突片12bにはボルト14が螺合されており、ドラムモ
ータ13の作動に伴いボルト14が回転すると、ボルト
14の回転力が突片12bを介してドラム装着部12に
伝達される。これにより、各ガイド12aがレール11
aに案内され、ドラム装着部12がレール11aに沿う
矢印X方向および反矢印X方向へスライドする。
【0024】巻線機本体15は、図4に示すように、箱
体16内に巻軸モータ17を収容してなるものであり、
巻軸モータ17の回転軸には巻軸18が連結されてい
る。そして、巻軸18には鉄心8aが装着されており、
巻軸モータ17の作動に伴い巻軸18が回転すると、鉄
心8aが一体的に回転する。尚、巻軸モータ17はサー
ボモータからなるものである。
【0025】ドラム装着部12にはドラム19が装着さ
れており、ドラム19にはワイヤ2が巻装されている。
そして、ワイヤ2の一端部は鉄心8aに装着されてお
り、巻軸モータ17の作動に伴い鉄心8aが図5の矢印
A方向へ回転すると、ドラム19からワイヤ2が引出さ
れ、鉄心8aにワイヤ2が巻取られる。
【0026】ベース11と巻線機本体15との間には、
図4に示すように、ベース21が設けられており、ベー
ス21の上面にはレール21a,21aが取付けられて
いる。また、プレート22の下面には、図5に示すよう
に、凹状のガイド22a,22aが取付けられており、
これら各ガイド22aはレール21aにスライド可能に
係合されている。
【0027】ベース21には、図4に示すように、サー
ボモータからなるガイドモータ23が取付けられてお
り、ガイドモータ23の回転軸にはボルト24が連結さ
れている。また、プレート22の下面には、図5に示す
ように、突片22bが取付けられている。そして、この
突片22bにはボルト24が螺合されており、ガイドモ
ータ23の作動に伴いボルト24が回転すると、各ガイ
ド22aがレール21aに案内され、プレート22がレ
ール21aに沿う矢印X方向および反矢印X方向へスラ
イドする。
【0028】プレート22には支持ブロック25が装着
され、支持ブロック25には支持アーム26が装着され
ている。そして、支持アーム26にはガイドローラ2
7,27が装着されており、ガイドモータ23の作動に
伴いプレート22,支持ブロック25,支持アーム26
が移動すると、2つのガイドローラ27が一体的に移動
し、鉄心8aの所定位置にワイヤ2を案内する。
【0029】図6の制御装置28(制御手段に相当す
る)はマイクロコンピュータを主体に構成されたもので
あり、ドラムモータ13,巻軸モータ17,ガイドモー
タ23は、駆動回路13A,17A,23Aを介して制
御装置28に接続されている。また、ロータリーエンコ
ーダを主体とする回転量検出器13B,17B,23B
は、ドラムモータ13,巻軸モータ17,ガイドモータ
23の回転量を検出するものであり、制御装置28は、
回転量検出器13B,17B,23Bからの出力信号に
基づいてドラムモータ13,巻軸モータ17,ガイドモ
ータ23を駆動制御することに伴い、次のようして鉄心
8aにワイヤ2を巻取り、コイルを形成する。
【0030】自動巻線運転が開始されると、制御装置2
8は、巻軸モータ17に電源を供給し、巻軸18を速度
Nで回転させる。これと共に、ガイドモータ23を駆動
制御することに伴い、鉄心8aの1回転毎にガイドロー
ラ27を軌道変更量Pだけ矢印X方向へ移動させ、鉄心
8aの反矢印X方向端部を巻回始端部として、図8の1
ターン目〜6ターン目を形成する。
【0031】制御装置28は、6ターン目を形成する
と、巻軸18の回転速度をNa(<N)に落し、図1に
実線で示すように、ガイドローラ27を反矢印X方向へ
「軌道変更量1.5P+追加量1.2P」だけ移動させ
ることに伴い、上層への渡りを行う(第1の送り動作と
称する)。この状態では、図2に示すように、鉄心8a
の隅部αがワイヤ2の巻取終端部になっている。
【0032】この後、制御装置28は、図3に示すよう
に、巻軸18が渡り角「θ°」だけ回転し、巻取終端部
が鉄心8aの隅部βに移動したことを検出すると、図1
に二点鎖線で示すように、ガイドローラ27を矢印X方
向へ「1.2P」だけ移動させ(第2の送り動作と称す
る)、図8の7ターン目を形成する。尚、追加量1.2
Pは、巻膨れの影響,ワイヤ2の材料強度等に基づいて
設定されている。
【0033】制御装置28は、7ターン目を形成する
と、巻軸18の回転速度をNに上げ、鉄心8aの1回転
毎にガイドローラ27をPだけ反矢印X方向へ移動させ
ることに伴い、図8の8ターン目〜10ターン目を形成
する。そして、巻軸18の回転速度をNaに落し、ガイ
ドローラ27を矢印X方向へ「1.5P+1.2P」だ
け移動させることに伴い、上層への渡りを行う。この
後、巻軸18が渡り角「(θ−1)°」だけ回転したこ
とを検出すると、ガイドローラ27を反矢印X方向へ
「1.2P」だけ移動させ、図8の11ターン目を形成
する。
【0034】制御装置28は、11ターン目を形成する
と、巻軸18の回転速度をNに上げ、鉄心8aの1回転
毎にガイドローラ27をPだけ矢印X方向へ移動させる
ことに伴い、図8の12ターン目〜13ターン目を形成
する。そして、ガイドローラ27を1.5Pだけ矢印X
方向へ移動させることに伴い、下層への渡りを行い、図
8の14ターン目を形成する。
【0035】制御装置28は、14ターン目を形成する
と、下記(1)〜(3)の動作を繰返すことに伴い、コ
イルを形成する。尚、制御装置28は、自動巻線運転を
行うにあたって、ガイドローラ27の移動速度を一定値
Sに制御する。そして、ドラムモータ13を駆動制御す
ることに伴い、ドラム19をガイドローラ27に追従し
て移動させる。
【0036】(1)同一層内でワイヤ2を巻回する場合
には、巻軸18を高速度Nで回転させ、鉄心8aの1回
転毎にガイドローラ27をPだけ移動させる。 (2)ワイヤ2を層上りさせる場合には、巻軸18を低
速度Naで回転させ、ガイドローラ27を「1.5P+
1.2P」だけ送った後に「1.2P」だけ戻す。この
とき、上層へ向うに従って戻しタイミングを1°ずつ早
める(渡り角をθ°,「θ−1」°,「θ−2」°……
といった具合に小さくする)。 (3)ワイヤ2を層下りさせる場合には、巻軸18を低
速度Naで回転させ、ガイドローラ27を1.5Pだけ
移動させる。
【0037】尚、ガイドローラ27は、巻軸18が最高
速度で回転した状態で「5P」以上の2段階送りができ
る動作性能を有している。
【0038】上記実施例によれば、上層渡りの開始時に
ガイドローラ27を「軌道変更量1.5P+追加量1.
2P」だけ送り、上層渡りの終了時に「追加量1.2
P」だけ戻した。このため、ドラム19からワイヤ2を
余分に繰出して所定位置に巻回することになるので、ワ
イヤ2の軌道が安定し、ワイヤ2が渡り部以外で隣接す
る軌道に乗上げてしまうことが防止される。従って、ワ
イヤ2の巻膨れが防止されるので、同一の設計でありな
がらビルド寸法Bが小さくなり、その結果、コイルが小
形化される。これと共に、コイルの品質が向上する。
【0039】また、ガイドローラ27の送り時における
巻軸18の回転角度と戻し時における巻軸18の回転角
度との差(渡り角θ)を変化させることに伴い、ガイド
ローラ27の戻しタイミングを調整した。このため、コ
イルの仕様(コイルの形状,コイルの寸法,渡り層,渡
りパターン等)が変った場合でも、軌道から脱線するこ
となくワイヤ2が巻回される。
【0040】ところで、上記コイルの場合、コーナー部
のRが上層へ向うに従って大きくなる。このため、渡り
角θを一定にすると、上層渡り時にワイヤ2が隣接する
軌道上に乗上げ易くなる。これに対して上記実施例で
は、渡り角θを上層へ向うに従って1°ずつ小さくした
ので、コーナーRの影響でワイヤ2の軌道が不安定にな
ることが防止される。
【0041】また、層渡りが行われている場合にはワイ
ヤ2を低速度Naで巻取り、層渡りが行われていない場
合には高速度Nで巻取った。このため、巻取り時の衝撃
でワイヤ2が軌道から脱線することが防止される上、巻
取り平均速度が上昇するので、製造作業性が向上する。
【0042】尚、上記第1実施例においては、ワイヤ2
を層下がりさせるにあたって、巻軸18を低速度Naで
回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば
高速度Nで回転させても良い。
【0043】次に本発明の第2実施例を図7に基づいて
説明する。尚、上記第1実施例と同一の部材については
同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材に
ついてのみ説明を行う。巻軸18には、円筒状をなす鉄
心8aが装着されており、制御装置28は、回転量検出
器13B,17B,23Bからの出力信号に基づいてド
ラムモータ13,巻軸モータ17,ガイドモータ23を
駆動制御することに伴い、次のようして鉄心8aにワイ
ヤ2を巻取り、図8と同様の巻回順序でコイルを形成す
る。
【0044】自動巻線運転が開始されると、制御装置2
8は、巻軸18を速度N1 で回転させながら図8の1タ
ーン目〜6ターン目を形成した後、ガイドローラ27を
反矢印X方向へ速度S1 で「1.5P+1.2P」だけ
移動させる。そして、巻軸18が渡り角θ°だけ回転す
ると、ガイドローラ27を速度S1 で矢印X方向へ
「1.2P」だけ戻し、図8の7ターン目を形成する。
【0045】制御装置28は、7ターン目を形成する
と、巻軸18を速度N2 (>N1 )で回転させながら図
8の8ターン目〜10ターン目を形成した後、ガイドロ
ーラ27を矢印X方向へ速度S2 (<S1 )で「1.5
P+1.2P」だけ移動させる。そして、巻軸18が渡
り角「(θ−1)°」だけ回転したことを検出すると、
ガイドローラ27を速度S2 で反矢印X方向へ「1.2
P」だけ移動させ、11ターン目を形成する。
【0046】制御装置28は、11ターン目を形成する
と、上層へ向うに従って巻軸18の回転速度を大きく
し、且つ、ガイドローラ27の移動速度を小さくするこ
とに伴い、渡り部の長さ寸法Lを順次小さくする。
【0047】上記実施例によれば、ガイドローラ27の
移動速度および巻軸18の回転速度を変化させることに
伴い、上層渡り部の長さ寸法を調整した。このため、コ
イルの仕様が変った場合でも、軌道から脱線することな
くワイヤ2が巻回される。しかも、上層へ向うに従って
渡り部の長さ寸法を小さくした。このため、上下層での
渡り部の重なりが分散されるので、巻膨れが一層減少
し、ビルド寸法が一層小さくなる。
【0048】尚、上記第2実施例においては、ガイドロ
ーラ27の移動速度および巻軸18の回転速度の双方を
変化させたが、これに限定されるものではなく、ガイド
ローラ27の移動速度あるいは巻軸18の回転速度を変
化させても良い。
【0049】また、上記第2実施例においては、上層渡
り部の長さ寸法Lを順次小さくする構成としたが、これ
に限定されるものではなく、上層渡り部と同様、下層渡
り部の長さ寸法を上層へ向かうに従って順次小さくして
も良い。
【0050】また、上記第1および第2実施例において
は、ガイドローラ27の送りおよび戻しを同一速度で行
う構成としたが、これに限定されるものではなく、例え
ば送り時より高速度で戻す等、送り速度と戻し速度とを
相違させても良い。要は、巻軸18が1回転した時点で
ガイドローラ27が軌道変更量1.5Pだけ移動した状
態になっていれば良い。
【0051】また、上記第1および第2実施例において
は、ガイドローラ27の送り時および戻し時で巻軸18
を同一速度で回転させたが、これに限定されるものでは
なく、ガイドローラ27の送り時および戻し時で巻軸1
8の回転速度を相違させても良い。要は、巻軸18が1
回転した時点でガイドローラ27が軌道変更量1.5P
だけ移動した状態になっていれば良い。
【0052】また、上記第1および第2実施例において
は、ガイドローラ27の2段階送りを層上り時に行う構
成としたが、これに限定されるものではなく、例えば層
下が時に行ったり、あるいは、層上り時および層下がり
時に行っても良い。
【0053】また、上記第1および第2実施例において
は、上層へ向かうに従って渡り角θを1°ずつ小さくし
たが、これに限定されるものではなく、渡り角θの減算
量は巻膨れが減少されるように、適宜変更すれば良い。
【0054】また、上記第1および第2実施例において
は、ガイドローラ27の戻し量を1.2Pに設定した
が、これに限定されるものではなく、戻し量は、ワイヤ
2の材料強度等を考慮し、巻膨れが減少されるように適
宜変更すれば良い。また、戻し量は層毎に可変しても良
い。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は次の効果を奏する。請求項1および6記載の手段によ
れば、層渡りの開始時にガイドローラを「軌道変更量+
追加量」だけ送り、層渡りの終了時に「追加量」だけ戻
した。このため、ドラムから導体を余分に繰出して所定
位置に巻回することになるので、導体の軌道が安定す
る。従って、導体の巻膨れが防止されるので、同一の設
計でありながらビルド寸法が小さくなり、その結果、コ
イルが小形化される。
【0056】請求項2および7記載の手段によれば、ガ
イドローラの送り時における巻軸の回転角度とガイドロ
ーラの戻し時における巻軸の回転角度との差を変化させ
た。このため、ガイドローラの戻しタイミングを調整で
きるので、コイルの仕様が変った場合でも、軌道から脱
線することなく導体が巻回される。
【0057】請求項3および8記載の手段によれば、巻
軸の回転速度を層渡りが行われている場合と層渡りが行
われていない場合とで相違させた。このため、層渡りが
行われている場合には導体を低速度で巻取り、層渡りが
行われていない場合には導体を高速度で巻取ることがで
きるので、巻取り時の衝撃で導体が軌道から脱線するこ
とが防止される上、巻取り平均速度が上昇する。
【0058】請求項4および9記載の手段によれば、ガ
イドローラの移動速度および巻軸の回転速度の少なくと
も一方を変化させることに伴い、渡り部の長さ寸法を調
整した。このため、コイルの仕様が変った場合でも、軌
道から脱線することなく導体が巻回される。特に、上層
へ向うに従って渡り部の長さ寸法を小さくした場合に
は、上下層での渡り部の重なりが分散されるので、巻膨
れが一層減少し、ビルド寸法が一層小さくなる。
【0059】請求項5および10記載の手段によれば、
請求項1記載の方法および請求項6記載の装置によりコ
イルを形成した。このため、導体の軌道が安定し、巻膨
れが防止されるので、同一の設計でありながらビルド寸
法が小さくなり、その結果、コイルが小形化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(ガイドローラの
動作を説明するための要部の平面図)
【図2】巻軸の回転位置とワイヤの巻回状態を示す側面
【図3】ワイヤの巻回状態を示す別の側面図
【図4】巻線装置の全体構成を示す平面図
【図5】巻線装置の全体構成を示す側面図
【図6】電気的構成の概略を示す図
【図7】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図8】ワイヤの巻回順序を示す図(図9のイ部分を示
す断面図)
【図9】樹脂モールドコイルを示す斜視図
【図10】ワイヤの巻回状態を示す外観図
【図11】巻線装置を示す平面図
【図12】ワイヤの巻回順序を示す図(図13のイ部分
を示す断面図)
【図13】樹脂モールドコイルを示す斜視図
【符号の説明】
2はワイヤ(導体)、8aは鉄心、12はドラム装着
部、17は巻軸モータ、18は巻軸、19はドラム、2
3はガイドモータ、27はガイドローラ、28は制御装
置(制御手段)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 伸哉 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 東 芝メック株式会社内 (72)発明者 阿竹 泰之 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 真屋 岳良 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体が巻装されたドラムと、 鉄心が装着された巻軸と、 前記導体を保持するガイドローラとを用い、 前記巻軸を回転させながら前記ガイドローラを前記鉄心
    の軸方向に沿って移動させることに伴い、前記ドラムか
    ら導体を引出して前記鉄心に巻回する方法において、 前記ガイドローラを、前記導体の層渡りの開始時に「軌
    道変更量+追加量」だけ送り、層渡りの終了時に「追加
    量」だけ戻すことを特徴とするコイルの巻線方法。
  2. 【請求項2】 ガイドローラの送り時における巻軸の回
    転角度とガイドローラの戻し時における巻軸の回転角度
    との差を変化させることを特徴とする請求項1記載のコ
    イル巻線方法。
  3. 【請求項3】 巻軸の回転速度を、層渡りが行われてい
    る場合と層渡りが行われていない場合とで相違させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のコイル巻線装置。
  4. 【請求項4】 ガイドローラの移動速度および巻軸の回
    転速度の少なくとも一方を変化させることに伴い、層渡
    り部の長さを調整することを特徴とする請求項1記載の
    コイル巻線方法。
  5. 【請求項5】 鉄心に導体を整列巻きしてなるものにお
    いて、 請求項1記載の方法により巻線されたことを特徴とする
    コイル。
  6. 【請求項6】 導体が巻装されたドラムが装着されるド
    ラム装着部と、 鉄心が装着される巻軸と、 この巻軸を回転させる巻軸モータと、 前記導体を保持するガイドローラと、 前記鉄心の軸方向に沿って前記ガイドローラを移動させ
    るガイドモータと、 前記巻軸モータおよび前記ガイドモータを駆動制御する
    ことに伴い、前記巻軸を回転させながら前記ガイドロー
    ラを移動させ、前記ドラムから導体を引出して前記鉄心
    に巻回する制御手段とを備え、 この制御手段は、 前記導体の層渡りの開始時に、前記ガイドローラを「軌
    道変更量+追加量」だけ送り、層渡りの終了時に「追加
    量」だけ戻すことを特徴とするコイルの巻線装置。
  7. 【請求項7】 制御手段は、 ガイドローラの送り時における巻軸の回転角度とガイド
    ローラの戻し時における巻軸の回転角度との差を変化さ
    せることを特徴とする請求項6記載のコイルの巻線装
    置。
  8. 【請求項8】 制御手段は、 巻軸の回転速度を層渡りが行われている場合と層渡りが
    行われていない場合とで相違させることを特徴とする請
    求項6記載のコイルの巻線装置。
  9. 【請求項9】 制御手段は、 ガイドローラの移動速度および巻軸の回転速度の少なく
    とも一方を変化させることに伴い、層渡り部の長さを調
    整することを特徴とする請求項6記載のコイルの巻線装
    置。
  10. 【請求項10】 鉄心に導体を整列巻きしてなるものに
    おいて、 請求項6記載の装置により巻線されたことを特徴とする
    コイル。
JP29399996A 1996-11-06 1996-11-06 コイルの巻線方法とコイルの巻線装置とコイル Pending JPH10144553A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1308977C (zh) * 2003-12-02 2007-04-04 株式会社村田制作所 线圈卷绕方法以及通过所述方法形成的线圈单元

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